JP3145301B2 - 電気絶縁油及びその製造方法 - Google Patents
電気絶縁油及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気特性、粘度、
流動点等の性質が改善された電気絶縁油に関する。
流動点等の性質が改善された電気絶縁油に関する。
【0002】
【従来の技術】変圧器、ケーブル、遮断機、コンデンサ
ーなどの絶縁、冷却などの目的で使用される電気絶縁油
は、古くは大豆油、菜種油、ヒマシ油などの天然油脂が
使用されていた。その後、重質原油を真空蒸留によって
所定の留分に分け、硫酸、アルカリ、水洗、白土などの
処理によって精製された石油系絶縁油、及びジフェニ
ル、シリコン油などの合成化合物系絶縁油が使用される
ようになった。
ーなどの絶縁、冷却などの目的で使用される電気絶縁油
は、古くは大豆油、菜種油、ヒマシ油などの天然油脂が
使用されていた。その後、重質原油を真空蒸留によって
所定の留分に分け、硫酸、アルカリ、水洗、白土などの
処理によって精製された石油系絶縁油、及びジフェニ
ル、シリコン油などの合成化合物系絶縁油が使用される
ようになった。
【0003】しかしながら、石油系や合成化合物系絶縁
油には、引火点が低い、高価であるなどの問題を有して
いた。
油には、引火点が低い、高価であるなどの問題を有して
いた。
【0004】そこで、天然の植物油を再び電気絶縁油と
して活用することができるならば、石油系や合成化合物
系絶縁油が有する上記のような問題が解決されることに
なる。植物油の中で、菜種油は電気絶縁油として使用す
る場合、粘度、流動点が高いという欠点があり、石油系
や合成化合物系絶縁油と混合することによって電気絶縁
油として使用されている例があるのが実状である。
して活用することができるならば、石油系や合成化合物
系絶縁油が有する上記のような問題が解決されることに
なる。植物油の中で、菜種油は電気絶縁油として使用す
る場合、粘度、流動点が高いという欠点があり、石油系
や合成化合物系絶縁油と混合することによって電気絶縁
油として使用されている例があるのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、天然植物油
である菜種油の粘度、流動点などの性状を改良した電気
絶縁油、その製造法、それを用いた電気機器を提供する
ことを目的とする。
である菜種油の粘度、流動点などの性状を改良した電気
絶縁油、その製造法、それを用いた電気機器を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、菜種油を低級アルコールでエステル化することに
より、電気絶縁油としての上記課題が解決されることを
見出し本発明に至った。
結果、菜種油を低級アルコールでエステル化することに
より、電気絶縁油としての上記課題が解決されることを
見出し本発明に至った。
【0007】即ち、本発明は以下の(1)〜(4)であ
る。
る。
【0008】(1)菜種油の低級アルコールによるエス
テル化物よりなる電気絶縁油。
テル化物よりなる電気絶縁油。
【0009】(2)低級アルコールが炭素数1〜8のア
ルコールであることを特徴とする前記(1)記載の電気
絶縁油。
ルコールであることを特徴とする前記(1)記載の電気
絶縁油。
【0010】(3)菜種油と低級アルコールを酸性触媒
又は塩基性触媒の存在下にエステル化することを特徴と
する電気絶縁油の製造方法。
又は塩基性触媒の存在下にエステル化することを特徴と
する電気絶縁油の製造方法。
【0011】(4)前記(1)記載の電気絶縁油を機器
内に用いた電気機器。
内に用いた電気機器。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の原料となる菜種油とは、アブラナ
及びその種属の種子から採取される半乾性油である。
及びその種属の種子から採取される半乾性油である。
【0014】エステル化に対応するアルコールはアルキ
ルアルコールであり、炭素数で1〜8のアルコールであ
る。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール類、ブチルアルコール類、アミ
ルアルコール類、ペンチルアルコール類、ヘキシルアル
コール類、ヘプチルアルコール類、オクチルアルコール
類とベンジルアルコール類が挙げられる。
ルアルコールであり、炭素数で1〜8のアルコールであ
る。具体的には、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール類、ブチルアルコール類、アミ
ルアルコール類、ペンチルアルコール類、ヘキシルアル
コール類、ヘプチルアルコール類、オクチルアルコール
類とベンジルアルコール類が挙げられる。
【0015】エステル化触媒としては公知の酸性触媒又
は塩基性触媒が用いられる。具体的には酸性触媒の場合
は硫酸、塩基性触媒の場合はカ性ソーダ、メトキシナト
リウム、メトキシカリウム、エトキシナトリウム、エト
キシカリウム等の低級アルカリ金属のアルコラートが有
効である。
は塩基性触媒が用いられる。具体的には酸性触媒の場合
は硫酸、塩基性触媒の場合はカ性ソーダ、メトキシナト
リウム、メトキシカリウム、エトキシナトリウム、エト
キシカリウム等の低級アルカリ金属のアルコラートが有
効である。
【0016】エステル化反応に際し、反応温度は反応時
間にも関係するが、通常、使用するアルコールの沸点で
還流させ、反応させる。但し、反応温度は、このアルコ
ールの沸点温度で限定されるものではない。
間にも関係するが、通常、使用するアルコールの沸点で
還流させ、反応させる。但し、反応温度は、このアルコ
ールの沸点温度で限定されるものではない。
【0017】エステル化反応後の液体は、電気絶縁油に
仕上げるために、中和、蒸留、白土処理、ロ過、脱気等
の処理を行う。
仕上げるために、中和、蒸留、白土処理、ロ過、脱気等
の処理を行う。
【0018】上記のように、本発明は、菜種油とアルコ
ールとを酸またはアルカリの存在下で反応し、エステル
化させることにより、菜種油の性質を改良し、粘度、流
動点等の性質を改善した電気絶縁液体とするものであ
る。
ールとを酸またはアルカリの存在下で反応し、エステル
化させることにより、菜種油の性質を改良し、粘度、流
動点等の性質を改善した電気絶縁液体とするものであ
る。
【0019】又、エステル化された液体を中和(通常の
アルカリでも良いが、特に水酸化カルシウム)、蒸留、
白土・アルミナ処理、脱気を行い、電気絶縁液体に仕上
げることにより、菜種油がもつ本来の粘度、流動点が改
革され、炭素数1〜8のアルコールの種類により、低粘
度化ならびに低流動点化、あるいは、低粘度化されて、
電気絶縁油としての実用性が向上する。
アルカリでも良いが、特に水酸化カルシウム)、蒸留、
白土・アルミナ処理、脱気を行い、電気絶縁液体に仕上
げることにより、菜種油がもつ本来の粘度、流動点が改
革され、炭素数1〜8のアルコールの種類により、低粘
度化ならびに低流動点化、あるいは、低粘度化されて、
電気絶縁油としての実用性が向上する。
【0020】本発明の菜種油の低級アルコールによるエ
ステル化物は、これ自体でも電気絶縁油として用いるこ
とができるが、他の公知の電気絶縁油、例えば、アルキ
ルベンゼン(ドデシルベンゼンなど)、アルキルインダ
ン、ポリブテン、ポリ−α−オレフィン、フタル酸エス
テル(ジオクチルフタレートなど)、ジアリールアルカ
ン(フェニルキシリルエタンなど)、アルキルナフタレ
ン(ジイソプロピルナフタレンなど)、アルキルビフェ
ニル(モノイソプロピルビフェニルなど)、アルキレン
基と2個以上のアリール基を有する化合物(1,1−ジ
フェニルエチレン、1,3−ジフェニルブテン−1,
1,4−ジフェニル−4−メチルペンテン−1など)、
トリアリールアルカン、ターフェニル、アリールナフタ
レン、アラルキルナフタレン、シリコーン油、鉱油、植
物油などとの相溶性に優れているので、これらと混合し
て使用することもできる。この場合本発明のエステル化
物と他の公知の電気絶縁油との混合割合は広く変えうる
が、重量比で5:95〜95:5、特に10:90〜9
0:10の範囲から選択することが好ましい。
ステル化物は、これ自体でも電気絶縁油として用いるこ
とができるが、他の公知の電気絶縁油、例えば、アルキ
ルベンゼン(ドデシルベンゼンなど)、アルキルインダ
ン、ポリブテン、ポリ−α−オレフィン、フタル酸エス
テル(ジオクチルフタレートなど)、ジアリールアルカ
ン(フェニルキシリルエタンなど)、アルキルナフタレ
ン(ジイソプロピルナフタレンなど)、アルキルビフェ
ニル(モノイソプロピルビフェニルなど)、アルキレン
基と2個以上のアリール基を有する化合物(1,1−ジ
フェニルエチレン、1,3−ジフェニルブテン−1,
1,4−ジフェニル−4−メチルペンテン−1など)、
トリアリールアルカン、ターフェニル、アリールナフタ
レン、アラルキルナフタレン、シリコーン油、鉱油、植
物油などとの相溶性に優れているので、これらと混合し
て使用することもできる。この場合本発明のエステル化
物と他の公知の電気絶縁油との混合割合は広く変えうる
が、重量比で5:95〜95:5、特に10:90〜9
0:10の範囲から選択することが好ましい。
【0021】本発明の電気絶縁油は、その使用にあたっ
て酸化防止剤、その他公知の添加剤を添加することがで
きる。
て酸化防止剤、その他公知の添加剤を添加することがで
きる。
【0022】電気絶縁油を機器内に用いた電気機器は特
に限定されず、従来より電気絶縁油の使用が知られた全
ての電気機器である。例えば、変圧器、ケーブル、遮断
機、コンデンサーなどが挙げられる。
に限定されず、従来より電気絶縁油の使用が知られた全
ての電気機器である。例えば、変圧器、ケーブル、遮断
機、コンデンサーなどが挙げられる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、実施例及び比較例を示す。
【0024】実施例1〜16 菜種油に対して、表1〜4に示した低級アルコールとエ
ステル化触媒を用いエステル化した。エステル化物の性
状、電気特性等を同じく表中に示す。
ステル化触媒を用いエステル化した。エステル化物の性
状、電気特性等を同じく表中に示す。
【0025】比較例1 比較のため、エステル化しない菜種油を用い、実施例と
同様に性状、電気特性を調べ、表4中に示す。
同様に性状、電気特性を調べ、表4中に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【発明の効果】表からも明らかな通り、本発明の低級ア
ルコールでエステル化された菜種油は、種々の電気特性
を低下させることなく、低粘度化並びに低流動点化、あ
るいは低粘度化され、電気絶縁油として実用性が向上し
ている。
ルコールでエステル化された菜種油は、種々の電気特性
を低下させることなく、低粘度化並びに低流動点化、あ
るいは低粘度化され、電気絶縁油として実用性が向上し
ている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−158617(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 3/20
Claims (4)
- 【請求項1】 菜種油の低級アルコールによるエステル
化物よりなる電気絶縁油。 - 【請求項2】 低級アルコールが炭素数1〜8のアルコ
ールであることを特徴とする請求項1記載の電気絶縁
油。 - 【請求項3】 菜種油と低級アルコールを酸性触媒又は
塩基性触媒の存在下にエステル化することを特徴とする
電気絶縁油の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の電気絶縁油を機器内に用
いた電気機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06445696A JP3145301B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 電気絶縁油及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06445696A JP3145301B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 電気絶縁油及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09259638A JPH09259638A (ja) | 1997-10-03 |
JP3145301B2 true JP3145301B2 (ja) | 2001-03-12 |
Family
ID=13258772
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06445696A Expired - Lifetime JP3145301B2 (ja) | 1996-03-21 | 1996-03-21 | 電気絶縁油及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3145301B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005022558A1 (ja) | 2003-08-27 | 2005-03-10 | Lion Corporation | 電気絶縁油用基剤 |
US8187508B2 (en) | 2005-09-09 | 2012-05-29 | Lion Corporation | Base agent for electrical insulating oil |
KR100705296B1 (ko) * | 2006-05-03 | 2007-08-10 | 동남석유공업(주) | 식물유를 이용한 절연유의 제조방법 및 그 제조방법에의하여 제조된 식물성 절연유 |
JP5532562B2 (ja) * | 2008-09-02 | 2014-06-25 | 株式会社明電舎 | 絶縁性高分子材料組成物 |
BR112012000482A2 (pt) * | 2009-07-07 | 2016-02-16 | 3M Innovative Properties Co | equipamento elétrico contendo óleo dielétrico de ácido erúcico. |
JP2011082275A (ja) * | 2009-10-05 | 2011-04-21 | Tohoku Electric Power Co Inc | 電気機器管理システム |
KR101157893B1 (ko) * | 2010-07-01 | 2012-06-22 | 한국건설생활환경시험연구원 | 변압기용 식물성 절연유의 제조방법 |
JP5472392B2 (ja) * | 2012-08-06 | 2014-04-16 | 学校法人金沢工業大学 | 磁気レオロジー流体 |
US20200013535A1 (en) * | 2017-03-13 | 2020-01-09 | The Doshisha | Transformer oil, transformer oil evaluation method, and transformer oil evaluation apparatus |
-
1996
- 1996-03-21 JP JP06445696A patent/JP3145301B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09259638A (ja) | 1997-10-03 |
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Legal Events
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S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
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