JP3144554B1 - パルプモールド成形体の製造方法 - Google Patents

パルプモールド成形体の製造方法

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JP3144554B1 JP28489499A JP28489499A JP3144554B1 JP 3144554 B1 JP3144554 B1 JP 3144554B1 JP 28489499 A JP28489499 A JP 28489499A JP 28489499 A JP28489499 A JP 28489499A JP 3144554 B1 JP3144554 B1 JP 3144554B1
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Abstract

【要約】 【課題】 成形体に皺や割れを発生されること無く成形
体を脱水・乾燥させ得るパルプモールド成形体の製造方
法を提供すること。 【解決手段】 抄紙型1にパルプ繊維を堆積させて成形
体7を形成した後、成形体7内に中子8を挿入し、次い
で中子8内に流体を供給して中子8を膨張させ、中子8
により成形体7を押圧して脱水させるパルプモールド成
形体7の製造方法であって、中子8が、支持部材9に支
持された状態下に成形体7内に挿入され、中子8は、そ
の軸方向の長さが、成形体7の軸方向の長さの70%以
上100%未満であり、中子8の膨張による面積倍率
が、中子8の破断伸度の1/3以下となるように中子8
を膨張させるパルプモールド成形体7の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプモールド成
形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】パルプ
モールド成形体の製造工程においては、取り扱い性の向
上及び乾燥時間の短縮化等の点から、抄紙により得られ
た未乾燥成形体を脱水する工程がある。脱水には、例え
ば特公昭35−9669号公報に記載のように弾性を有
する伸縮性隔膜の膨張や、特開平7−223230号公
報に記載のように弾性を有する可撓膜の膨張を利用し
て、加圧脱水する方法が知られている。
【0003】しかし、前記の方法において用いられる伸
縮性隔膜や可撓膜では、厚みムラや膜成形時の混練ムラ
に起因して、膜の膨張時に均一な伸びが起こらず、薄い
部分や伸びやすい部分が先に伸びてしまう。そして、未
乾燥成形体において、伸びた前記膜に最初に当たった部
分が膜の膨張につれて引っ張られてしまい、該成形体に
皺が発生したり、最悪の場合、割れが発生してしまう。
また、前記膜においては大きな伸縮が局所的に繰り返さ
れる部分が生じ、膜の寿命が短くなるという欠点もあ
る。これらの不都合は、前記膜を成形体の加熱乾燥工程
に用いた場合にも同様に起こることである。
【0004】従って、本発明は、成形体に皺や割れを発
生されること無く成形体を乾燥させ得るパルプモールド
成形体の製造方法を提供することを目的とする。また、
本発明の成形体の乾燥に用いられる弾性の膜の耐久性を
向上させ得るパルプモールド成形体の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下のパルプ
モールド成形体の製造方法を提供することにより前記目
的を達成したものである。
【0006】即ち、本発明は、所定の方法により抄紙さ
れ且つ所定の含水率まで脱水されたパルプモールド成形
体を、予め所定温度に加熱された加熱型内に装填した
後、該成形体内に弾性体からなる伸縮可能な中空状の中
子を挿入し、次いで該中子内に所定の流体を供給して該
中子を膨張させ、膨張した該中子により前記成形体を押
圧して加熱乾燥させるパルプモールド成形体の製造方法
であって、前記中子内に支持部材が挿入されており、該
中子の所定箇所が該支持部材の所定箇所に固定されて、
該中子が、該支持部材に支持された状態下に前記成形体
内に挿入され、前記中子の膨張による面積倍率が、該中
子の破断伸度の1/4以下となるように該中子を膨張さ
せるパルプモールド成形体の製造方法を提供するもので
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明を、その好ましい実施
形態に基づき図面を参照しながら説明する。本実施形態
は、開口した口頸部を有し、胴部の径が口頸部の径より
も大きいボトル状のパルプモールド成形体(以下、単に
成形体ともいう)を製造する例である。図1には、本発
明のパルプモールド成形体の製造方法の抄紙・脱水工程
が順次示されており、(a)はパルプスラリー注入及び
吸引脱水工程、(b)は中子挿入工程、(c)は中子の
膨張工程、(d)は加圧脱水工程、(e)は抄紙型を開
く工程である。
【0008】本実施形態においては、一組の割型からな
り且つ各割型を組み合わせることにより所定形状のキャ
ビティが形成される抄紙型の前記キャビティ内にパルプ
スラリーを供給して、該キャビティの内面に湿潤状態の
未乾燥成形体を形成した後、該未乾燥成形体内に弾性を
有する伸縮可能な中空状の中子を挿入し、次いで該中子
内に所定の流体を供給して該中子を膨張させて、膨張し
た該中子により前記未乾燥成形体を前記キャビティ内面
に向けて押圧して脱水する。
【0009】詳細には、先ず、図1(a)に示すよう
に、2個の割型2,3からなり、且つ各割型を組み合わ
せることにより所定形状のキャビティ4が形成される抄
紙型1を用意する。キャビティ4は、外部に向けて開口
したスラリー注入口5を介して抄紙型1の外部に連通し
ている。キャビティ4の内面は、所定の大きさの網目を
有する抄紙ネット(図示せず)によって被覆されてい
る。各割型2,3には、その内部(即ちキャビティ4の
内面)外部とを連通させる複数の連通路6が形成され
ている。各連通路6は、吸引ポンプ等の吸引手段(図示
せず)に接続されている。
【0010】この状態下に、スラリー注入口5を通じて
所定量のパルプスラリーをキャビティ4内に注入する。
これと共に連通路6を通じてキャビティ4内を抄紙型1
の外側に向けて減圧吸引して、パルプスラリー中の水分
を吸引すると共に抄紙面、即ちキャビティ4の内面を被
覆する抄紙ネット上にパルプ繊維を堆積させる。その結
果、抄紙ネット上には、パルプ繊維が堆積されてなる湿
潤状態の成形体7が形成される。
【0011】形成された成形体7は、加圧脱水工程に付
される。先ず、図1(b)に示すように、弾性体からな
る伸縮可能な中空状をなす細長い袋状の中子8を成形体
7内に挿入する。中子8内には、中子8の支持部材9が
挿入されている。支持部材9は、円筒状のパイプから構
成されている。支持部材9の側面には多数の開孔部9a
が形成されている。
【0012】支持部材9の下端部9bは開口しており、
この下端部9bに、中子8の下端部内面に形成された所
定形状の突起8aが嵌挿されることで、中子8が支持部
材9に固定されている。その結果、中子8は、支持部材
9に支持されることになる。突起8aの横断面形状は、
円形よりも楕円形や多角形等の方が、突起8aと支持部
材9の下端部9bとの嵌合力が大きくなることから好ま
しい。
【0013】中子8を構成する材料としては、ウレタ
ン、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム又はエラストマー
等の伸縮性を有する弾性材が挙げられる。
【0014】次に、図1(c)に示すように、加圧流体
の供給源(図示せず)から所定の加圧流体を支持部材9
内に供給する。供給された加圧流体は、支持部材9の側
面に形成された開孔部9aを経由して中子8の内部に供
給される。また加圧流体の供給と共に割型2,3を外部
から吸引する。これにより中子8を膨張させる。
【0015】中子8が支持部材9に支持された状態下に
おいて、中子8を、その軸方向の長さが、成形体7の軸
方向の長さの好ましくは70%以上100%未満とな
す。これによって、中子8の膨張時の部分的な伸びが抑
制され、成形体7の加圧脱水時における皺や割れの発生
が効果的に防止される。成形体7に皺や割れが発生する
ことを一層効果的に防止する観点から、中子8の膨張に
際しては、中子8を、その軸方向の長さが、成形体7の
軸方向の長さの80%以上100%未満、特に90%以
上100%未満となすことが好ましい。尚、中子8の軸
方向の長さとは、成形体1内に挿入されている部分の中
子8の長さを意味する。
【0016】支持部材9に支持された中子8は、その弛
緩(自然)状態において、その軸方向の長さが、成形体
7の軸方向長さの好ましくは70%以上100%未満で
あってもよく、或いは、中子8の膨張倍率が前記範囲内
であれば、支持部材9によって延伸された状態において
前記長さの範囲であってもよい。中子8を延伸させた状
態から膨張させることで、中子8が膨張する際の方向を
制御し易くなると共に、延伸により中子8が細くなるの
で、開口部の小さな成形体内に中子8を挿入し易くな
る。
【0017】中子8の軸方向とは、中子8内に支持部材
9が挿入される方向と平行な方向をいう。また、成形体
7の軸方向とは、成形体7内に中子8が挿入される方向
と平行な方向をいう。
【0018】膨張した中子8によって湿潤状態の成形体
7は、図1(d)に示すように、抄紙面、即ちキャビテ
ィ4の内面に向けて押圧される。これにより、成形体7
の加圧脱水が進行すると共に成形体7にキャビティ4の
内面形状が転写される。また、成形体7が、その内部か
らキャビティ4の内面に向けて押し付けられるので、キ
ャビティ4の形状が複雑であっても、精度良くキャビテ
ィ4の内面の成形体7に転写されることになる。更に、
側壁がほぼ垂直に立ち上がった深底の成形体も容易に製
造できる。中子8を膨張させるために用いられる流体と
しては、例えば空気(加圧空気)、熱風(加熱された加
圧空気)、過熱蒸気、油(加熱油)、その他各種の液が
使用される。特に、空気、熱風、過熱蒸気を用いること
が、操作性等の点から好ましい。流体を供給する圧力
は、0.01〜5MPa、特に0.1〜3MPaである
ことが好ましい。
【0019】加圧流体の供給によって膨張する中子8
は、所定の面積倍率に伸張する。この場合、中子8の繰
り返し使用に対する耐久性を向上させる点から、該面積
倍率が、中子8の破断伸度の好ましくは1/3以下、
好ましくは1/4以下、一層好ましくは1/5以下と
なるように、中子8を膨張させる。耐久性の観点から
は、中子8の伸びは小さい程良いが、中子8の伸びを小
さくすると、中子8の大きさが成形体7の大きさに近づ
くことから、成形体7の口頸部の開口の大きさが小さい
場合には、中子8を挿入しずらくなる。また、中子8の
形状が成形体の形状に近くなることから、中子8の形状
が複雑化する。以上のことから、中子8の破断伸度に対
する中子8の面積倍率の下限値は、中子8の挿入性およ
び中子8の成形性に応じて適宜決定される。中子8の繰
り返し使用に対する耐久性を高める要因として、本発明
者らは、(1) 中子8の構成材料の引張強度、破断伸度、
永久歪み、耐熱性及び耐油性、(2) 中子8の大きさ、形
状及び厚み、並びに(3) 中子8の膨張時の温度、圧力及
び膨張速度などの種々の要因について検討したところ、
中子8の膨張による面積倍率と破断伸度との関係が極め
て重要であることを知見し、更に検討を推し進めたとこ
ろ、該面積倍率の値を破断伸度の好ましくは1/3以下
とすることで中子8の繰り返し使用に対する耐久性が極
めて向上することを見出したものである。
【0020】成形体7内に挿入されている部分の中子8
の表面積をS1とし、成形体7の表面積をS2とすれ
ば、面積倍率は次の式で表される。 (S2−S1)/S1×100(%) 例えば、面積倍率を破断伸度の1/3に設定するという
ことは、用いる中子8の破断伸度をa(%)とすれば、 (S2−S1)/S1×100=a/3 を満たすように中子8を膨張させることである。中子8
が支持部材9で延伸されている場合には、延伸倍率を考
慮して中子8の表面積S1を算定すれば良い。例えば、
軸方向に中子8が50%延伸されているとしたら、延伸
された状態で成形体7内に挿入されている中子8の長さ
と、延伸されていない状態で成形体内に挿入されている
中子8の径をもとに表面積S’を算定して、S’×1/
(150/100)として、延伸部分の表面積を補正す
れば良い。破断伸度は、JIS K 6251に従い測
定される。
【0021】中子8の破断伸度は、耐久性の観点からは
大きな程良い。破断伸度が大きければ小さな中子8を用
いることができるので、口頸部の開口が小さな成形体7
を成形する場合に、成形体7内に中子8を挿入しやす
く、かつ耐久性の高い中子8を用いることができる。但
し、破断伸度を大きくしすぎると、引き裂き強度等の他
の機械強度が低下するため、常温用の中子8を用いる場
合(即ち加圧脱水に用いる場合)100〜2000%、
耐久性の中子8を用いる場合(即ち後述する加熱乾燥に
用いる場合)50%〜1300%程度である。
【0022】成形体7を所定の含水率まで脱水でき且つ
成形体7にキャビティ4の内面の形状が十分に転写され
たら、図1(e)に示すように、中子8内の流体を抜
き、中子8を元の大きさに縮小させる。次いで、縮小し
た中子8を支持部材9と共に成形体7内より取り出し、
更に抄紙型1を開いて所定の含水率まで脱水された成形
体7を取り出す。
【0023】取り出された成形体は次に加熱乾燥工程に
付される。加熱乾燥工程では、抄紙・脱水を行わず、加
熱された状態の加熱型を用いること以外は、図1に示す
抄紙・脱水工程とほぼ同様の操作が行われる。従って、
加熱乾燥工程に関して特に説明しない点については、抄
紙・脱水工程に関して詳述した説明が適宜適用される。
【0024】先ず、一組の割型を組み合わせることによ
り成形すべきパルプモールド成形体の外形に対応した形
状のキャビティが形成される加熱型を別途用意し、該加
熱型を所定温度に加熱しておく。本実施形態において
は、加熱型のキャビティ形状と抄紙型のキャビティ形状
とは同じになされている。加熱された状態の加熱型のキ
ャビティ内に、所定の含水率まで脱水された湿潤状態の
成形体を装填する。
【0025】次に、図1(b)〜(d)に示す加圧脱水
工程で用いた中子8及び支持部材9と同様のものを成形
体内に挿入する。そして、支持部材を通じて中子内に流
体を供給して該中子を膨張させる。中子を膨張させるに
際しては、加圧脱水工程と同様に、中子の軸方向の長さ
を、成形体の軸方向の長さの70%以上100%未満、
特に80%以上100%未満、とりわけ90%以上10
0%未満となすことが、加熱乾燥時に成形体に皺や割れ
が発生することを効果的に防止する観点から好ましい。
【0026】膨張した中子によって成形体は加熱型のキ
ャビティの内面に向けて押圧される。中子の材質及び流
体の供給圧力は、加圧脱水工程と同様とすることができ
る。この状態下に、成形体を加熱乾燥する。この場合、
加圧脱水工程と同様に、中子の繰り返し使用に対する耐
久性を向上させる点から、中子の膨張による面積倍率を
調整することが好ましい。但し、加熱乾燥工程は加圧脱
水工程と異なり、高温条件下となるので中子の破断伸度
が低下することから、加圧脱水工程よりも緩やかな条件
で中子を膨張させることが好ましい。この観点から、前
記面積倍率が、中子の破断伸度の1/4以下、好ましく
は1/5以下、更に好ましくは1/10以下となるよう
に、中子を膨張させる。耐久性の観点からは、中子の伸
びは小さい程良いが、中子の伸びを小さくすると中子の
大きさが成形体の大きさに近づくことから、成形体の口
頸部の開口の大きさが小さい場合には、成形体7内に中
子を挿入しずらくなる。また、中子の形状が成形体の形
状に近くなることから、中子の形状が複雑化する。以上
のことから、中子の破断伸度に対する中子の面積倍率の
下限値は、中子の挿入性および中子の成形性に応じて適
宜決定される。
【0027】成形体が十分に乾燥したら、中子内の流体
を抜き、該中子を元の大きさに縮小させて成形体内から
取り出す。更に加熱型を開いて、パルプモールド成形体
を取り出す。
【0028】このようにして製造されたボトル状のパル
プモールド成形体は、口頸部、胴部及び底部につなぎ目
が無く、且つ口頸部、胴部及び底部が一体的に形成され
ている。しかも、前述の条件下で加圧脱水及び加熱乾燥
が行われるので、成形体に皺や割れが発生することが効
果的に防止され、外観が極めて良いものとなる。
【0029】また、中子の繰り返し使用に対する耐久性
が向上するので、中子の寿命が延び、成形体を経済的に
製造することができる。また中子を取り替えるための生
産ラインの停止時間が短くなり、その稼働率が高くな
る。
【0030】本発明は前記実施形態に制限されない。例
えば、前記実施形態においては、抄紙・脱水工程と加熱
乾燥工程とを別個の型を用いて行ったが、これに代え
て、抄紙・脱水後に抄紙型を加熱することにより、湿潤
状態の成形体を、抄紙型から取り出さずに加圧脱水と同
時に加熱乾燥させてもよい。
【0031】また、前記実施形態においては、2個の割
型で一組の抄紙型が構成されていたが、成形体の形状に
応じて3個又はそれ以上の割型から抄紙型を構成しても
よい。加熱型に関しても同様である。
【0032】また、抄紙型として、雄型及び雌型からな
る一対のプレス型のうちの雌型を用いてもよい。
【0033】また、前記実施形態においては、加熱型の
キャビティ形状が成形すべき成形体の外形に対応してい
れば、抄紙型のキャビティ形状に特に制限はない。ま
た、前記実施形態はボトル状の成形体の製造方法の例で
あるが、これに代えて箱形のカートン状の成形体及びそ
の他の形状の成形体を製造することもできる。更に、内
容物の収容に用いられる容器の形状のほか、置物等のオ
ブジェなどデザイン上自由な種々の形状とすることがで
きる。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0035】〔実施例1〜5並びに比較例1及び2〕 図1に示す方法で、ボトル状のパルプモールド成形体を
成形し、中子を用いて加圧脱水し、含水率を63%にま
で減少させた。次いで、含水状態の成形体を200℃に
加熱された加熱型内に装填し、中子を用いて加熱乾燥さ
せた。加圧脱水工程での中子の加圧力は4kgf/cm
2 、加圧時間は10秒であり、加熱乾燥工程における中
子の加圧力は6kgf/cm2 、加圧時間は40秒であ
った。両中子の材質はシリコンゴムであり、破断伸度は
900%であった。得られた成形体の胴部の径はφ80
mm、高さは220mmであった。以上の条件のもと
に、中子の大きさを種々変更して成形を行った。尚、実
施例1〜5のうち、実施例1〜3は参考例であり、実施
例4及び5が本発明の実施例である。また比較例1及び
2のうち、比較例1は参考例に対する比較例であり、比
較例2が本発明の実施例に対する比較例である。
【0036】得られた成形体について、その表面状態を
評価した。また、中子の繰り返し耐久性を測定した。こ
れらの結果を表1に示す。尚、実施例2、3及び5にお
ける中子の繰り返し耐久性は、以下の繰り返し試験に基
づき測定した。 ・加圧脱水工程;型温度30℃、成形体なし、加圧力4
kgf/cm2 、加圧時間10秒 ・加熱乾燥工程;型温度200℃、成形体なし、加圧力
6kgf/cm2 、加圧時間10秒
【0037】
【表1】
【0038】表1に示す結果から明らかな通り、特定の
条件下で中子を膨張させて成形体の加熱乾燥を行って得
られた実施例4及び5の成形体は、比較例の成形体に
比して皺の発生が効果的に防止されており、外観に優れ
たものであることが判る。特に、面積倍率を抑えること
により耐久性が向上していくことが判る。比較例にお
いては、中子先端の薄肉部分が伸び過多となり、中子の
ずりによる皺の発生が見られた。また中子の耐久性が極
めて低いことが判る。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、成形体に皺や割れを発
生されること無く成形体を乾燥させ得るパルプモールド
成形体の製造方法が提供される。また、本発明によれ
ば、成形体の乾燥に用いられる弾性の膜の耐久性を向上
させ得るパルプモールド成形体の製造方法が提供され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルプモールド成形体の製造方法の抄
紙・脱水工程を順次示す工程図である。
【符号の説明】
1 抄紙型 2,3 割型 4 キャビティ 5 スラリー流入口 6 キャビティ 7 成形体 8 中子 8a 突起 9 支持部材 9a 開口部 9b 下端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−131100(JP,A) 特公 昭35−9669(JP,B1) 米国特許2961043(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21J 3/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の方法により抄紙され且つ所定の含
    水率まで脱水されたパルプモールド成形体を、予め所定
    温度に加熱された加熱型内に装填した後、該成形体内に
    弾性体からなる伸縮可能な中空状の中子を挿入し、次い
    で該中子内に所定の流体を供給して該中子を膨張させ、
    膨張した該中子により前記成形体を押圧して加熱乾燥さ
    せるパルプモールド成形体の製造方法であって、 前記中子内に支持部材が挿入されており、該中子の所定
    箇所が該支持部材の所定箇所に固定されて、該中子が、
    該支持部材に支持された状態下に前記成形体内に挿入さ
    れ、 前記中子の膨張による面積倍率が、該中子の破断伸度の
    1/4以下となるように該中子を膨張させるパルプモー
    ルド成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記支持部材によって支持された前記中
    子を、前記成形体の軸方向の長さの70%以上100%
    未満に延伸した状態下に膨張させる請求項記載のパル
    プモールド成形体の製造方法。
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