JP3144412B2 - 半導体デバイスの配線電流観測方法、検査方法および装置 - Google Patents

半導体デバイスの配線電流観測方法、検査方法および装置

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JP3144412B2 JP08106699A JP8106699A JP3144412B2 JP 3144412 B2 JP3144412 B2 JP 3144412B2 JP 08106699 A JP08106699 A JP 08106699A JP 8106699 A JP8106699 A JP 8106699A JP 3144412 B2 JP3144412 B2 JP 3144412B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体集積回路等の
半導体デバイスの検査方法および検査のための装置に係
わり、例えば半導体集積回路チップ上の配線の通電経路
や配線系の欠陥を検査するのに好適な半導体デバイスの
配線電流観測方法、検査方法およびそのための装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】本発明の対象となる半導体集積回路等の
半導体デバイスについての故障解析や検査については、
例えば平成5年4月13日に特許出願された特願平5−
85817号の「半導体集積回路内部相互配線の検査方
法および装置」や、平成6年8月31日に特許出願され
た特願平6−230672号の「半導体集積回路チップ
上の配線の通電状態を試験する方法」に開示がある。
【0003】図23はこれらの公報に開示された半導体
デバイスの検査装置の構成を示したものである。試料台
111には試料としての集積回路112が載置されてい
る。可視ビーム発生部113から出力される可視光とし
てのレーザビームは顕微鏡部114に入射し、集積回路
112のチップ上に収束して照射される。試料台111
には、定電圧源115、電流変化検出部117およびテ
ストパタン発生部118が接続されている。テストパタ
ン発生部118は、レーザビーム119の照射される集
積回路112をある特定の状態に設定するためのテスト
パタンを発生する部分である。試料台111に接続され
たこれらの各部115、117、118は、集積回路1
12の該当するピンと電気的に接続されている。
【0004】顕微鏡部114、定電圧源115、電流変
化検出部117およびテストパタン発生部118は、シ
ステム全体を制御すると共に取得した信号の処理を行う
ためのシステム制御・信号処理部121に接続されてい
る。システム制御・信号処理部121は、所定の制御動
作や信号処理を行うようになっている。像表示部122
はCRTからなり、システム制御・信号処理部121に
接続されている。像表示部122には、取得した信号を
処理した結果としての電流像または欠陥像が表示される
ようになっている。
【0005】この半導体デバイスの検査装置では、可視
光としてのレーザを集積回路112の対象とする領域に
走査しながら照射している。電子またはイオンビームで
あってもよい。そして、照射光による温度上昇に起因し
た抵抗の増加を、電流変化検出部117を用いて電流の
変化として検出する。そして、例えばレーザビーム11
9の走査と同期して対象とする配線の電流の変化を照射
位置ごとに輝度の変化あるいは輝度をカラーに疑似的に
置き換えた疑似カラーとして像表示部122に表示する
ようにしている。これにより、配線中のボイドや、Si
ノジュール(Siの析出物)を検出したり、配線に流れ
る電流の観測を行う。
【0006】このような検出あるいは観測の行われる原
理を簡単に説明する。集積回路チップの配線の箇所にビ
ームを照射した際の温度上昇による電流の変化をΔIと
する。配線の両端に定電圧が印加されているものとする
と、電流の変化ΔIは次の(1)式で近似することがで
きる。 ΔI≒−(ΔR/R)I ・(1) ここでRはビームの照射がないときの配線の抵抗であ
り、ΔRはビームの照射による配線の抵抗の変化分であ
る。また、Iはビームの照射が行われないときの配線に
流れる電流である。
【0007】このように、他の条件を一定にしておけ
ば、抵抗Rは観測対象の配線が決まれば一定なので、電
流の変化ΔIを観測することで、抵抗の変化ΔRと電流
Iの積が求められる。更に電流Iを一定にすれば、配線
内の各場所での抵抗の変化ΔRを判別することができ
る。また、抵抗の変化ΔRを一定にすれば電流Iの値を
観測することもできる。これらについて個々に説明を行
う。
【0008】(1)各場所ごとの抵抗の変化ΔRの違い
の観測:これは、特願平5−85817号において欠陥
(ボイドやSi析出)の検出法として開示されている。
すなわち、ビームの条件や、被照射箇所の材質、形状等
が同一であれば、場所ごとの抵抗の変化ΔRの違いは、
それぞれの箇所での熱伝導の違いによる。配線中にボイ
ドやSi析出等の欠陥があれば、熱伝導が異なってく
る。この効果により抵抗の変化ΔRの違いが観測される
ことが実験的にも確認されている。配線中のボイドやS
i析出は、集積回路の信頼性を決定する要因として重要
なものなので、この効果は重要である。この目的で観測
する像を欠陥像と呼ぶ。
【0009】(2)電流Iの観測:これは、特願平6−
230672号に開示されている。通常の場合に配線の
ほとんどを占める欠陥のない配線部分に着目すると、電
流Iを観測することができる。この絶対値を知るには、
抵抗の変化ΔRと抵抗Rのそれぞれの値を知る必要があ
り、容易ではない。しかしながら、正常なものとの比較
で異常電流の有無を知ることは容易にできる。この目的
で観測する像を電流像と呼ぶ。
【0010】以下の説明では、ビームにより照射された
箇所の抵抗が変化する現象を、簡単にBIRCH(Beam
Induced Resistance Change)と呼ぶことにする。日本
語では、「ビーム照射加熱抵抗変化検出法」と呼ぶこと
にする。このBIRCHを、レーザ、電子、イオンの個
々に特定して呼ぶ場合には、それぞれOBIRCH(Op
tical Beam Induced Resistance Change)、EBIRC
H、IBIRCHと呼ぶことにする。ここで唐n狽ヘ徹pt
ical 狽フ意味であり、唐d狽ヘ摘lectron狽フ意味であり、
また、唐h狽ヘ的on 狽フ意味である。
【0011】なお、ビームによる加熱を使用する方法と
して、レーザビームの加熱による熱電効果を利用したN
B−OBICと呼ばれる方法も、配線系のボイド等の異
常検出に有効であることが示されている(小山等、94
年秋応物予稿集、22a−ZP−10,p.586)。
この方法でBIRCH法と異なる工程は、対象となる集
積回路に電圧を印加しないという点のみであり、他は同
じである。電圧が印加されておらず電流が流れていない
ため、この方法は電流の観測には用いることができな
い。NB−OBICの原理は、配線系に欠陥がある場合
にその近傍で熱伝能が異なるために、あるいは欠陥があ
る場合には熱伝導状態が異なるため温度勾配ができ、そ
の結果熱起電力が発生し、これが電流として検出される
ものであると説明されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したような従
来の半導体デバイスの検査方法および装置については次
のような2つの大きな問題があり、これが実製品への適
用の妨げとなっていた。
【0013】(1)レーザビームや電子ビームをチップ
に照射すると、基板の半導体中に電子・正孔対が発生
し、これによって電流が発生する。これは光の場合には
OBIC(Optical Beam Induced Current)現象であ
り、電子の場合にはEBIC(Electron Beam Induced
Current )現象である。以下、簡単にOBIC現象につ
いてのみ説明するが、EBIC現象の場合にも同様であ
る。
【0014】OBIC像は、前記したOBIRCH像と
NB−OBIC像にオーバラップする形で現われる。通
常の場合には、OBIC信号の方が、OBIRCH信号
やNB−OBIC信号よりも強く、電流変化検出系のダ
イナミックレンジが両方の信号を増幅できるだけの十分
な幅を有しないことから、OBRCH像とNB−OBI
C像がOBIC像に埋もれて見えなくなる。TEG(Te
st Element Group)の場合には、OBIC信号が表われ
ないような結線が可能であるが、製品の場合には通常は
不可能である。これが、OBIRCH法とNB−OBI
C法の実用上の大きな障害の1つになっていた。
【0015】(2)光ビームの代わりにイオンビームを
用いた場合には、照射箇所がスパッタされるため、非破
壊での検査が困難であるという問題があった。
【0016】そこで本発明の目的は、ビームの照射によ
って電子や正孔対の発生がなく、またイオンビームのよ
うな破壊的な要素のない半導体デバイスの配線電流観測
方法、検査方法および装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本願発明は、赤外線ビー
ムを半導体デバイスの被観測領域にチップの裏面または
上面から照射し、この赤外線ビームの照射に伴ってこの
半導体デバイスのグランド端子に現われる電流の変化を
検出してその被観測領域の配線電流観測を行うことを特
徴とする半導体デバイスの検査方法であり、又、赤外線
ビームを半導体デバイスの被観測領域にチップの裏面ま
たは上面から照射し、この赤外線ビームの照射に伴って
この半導体デバイスのグランド端子間に現われる電圧の
変化を検出してその被観測領域の検査を行うことを特徴
とする半導体デバイスの検査方法である。
【0018】その際に、半導体デバイスの出力端子がオ
ープンにすると効果的である。更に、テストパターを半
導体デバイスに入力後前記半導体デバイスを検査するこ
とで集積回路等の半導体デバイスを特定の状態に設定す
ることができ、この特定の状態での半導体デバイスの観
測が可能になる。
【0019】図1は以上説明した本発明の基本概念を示
したものである。半導体デバイスの配線201に赤外線
レーザビーム等の赤外線光ビーム202が照射され、場
合によっては破線で示した矢印203方向に走査される
とする。配線201に電流204が流れている場合、赤
外線光ビーム202の照射によって配線201の温度T
がΔT上昇し、その結果配線の抵抗がΔR増加する。そ
の結果電流がΔI減少する。温度の変化ΔTの大きさは
ボイド等の欠陥があると増大するため、抵抗の変化ΔR
も増大し、電流の変化ΔIの絶対値|ΔI|も増大す
る。従って電流の変化ΔIを検出することによって半導
体デバイスの検査を行うことになる。また電流の変化Δ
Iは配線に流れる電流Iに比例するため電流の変化ΔI
を観測することで電流Iを知ることができる。
【0020】図2は、従来から用いられている可視光等
による半導体デバイスの検査の基本概念を対比して表わ
したものである。図1と同一部分には同一の符号を付し
ており、これらの説明を適宜省略する。配線201には
電源211を接続することで電流204を流すことがで
きる。また電流変化検出部212を接続することで電流
の変化を検出することができる。これは本発明において
も同様である。従来の検査では、赤外線ビーム202
(図1)の代わりに、可視レーザ、電子あるいはイオン
ビーム213を照射している。そして、図1で説明した
と同様の各種の変化を検出することで、半導体デバイス
の検査を行うようにしている。これ故、前記した問題が
発生する。
【0021】
【発明の実施の形態】
【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0022】第1の実施例
【0023】図3は本発明の第1の実施例の半導体デバ
イスの検査装置における半導体デバイスの検査方法の原
理を示したものである。この方法は、集積回路に電圧を
印加する第1の工程(ステップS101)と、赤外線ビ
ームを集積回路チップの被観測領域に照射する第2の工
程(ステップS102)と、この際に集積回路のグラン
ド端子から流れる電流の変化を検出する第3の工程(ス
テップS103)の3つの工程からなっている。
【0024】ステップS103の電流変化の検出は、グ
ランド端子を用いずに電源端子や信号端子を用いること
も可能である。しかしながら、出力をオープンにしてお
けば、集積回路に流れる全電流がグランド端子に流れる
ので、グランド端子は変化を検出する箇所として最も適
している。このように変化の検出を行う際に、入力端子
から集積回路の特定の状態を設定するためのテストパタ
ンを入力するようにすれば、その特定の状態での観測が
可能になる。
【0025】この図3と同一の工程で配線の欠陥を検出
する方法は、平成5年12月14日に出願した特願平5
−313320号の「半導体集積回路内部相互配線の検
査装置」に示されている。本発明のこの検査方法では、
配線の欠陥を検出するのではなく、配線に流れる電流経
路の観測を行う点が異なる。
【0026】図4は、この第1の実施例における半導体
デバイスの検査装置の原理を示したものである。従来の
OBIRCH法による可視光レーザの代わりに、赤外線
ビームとしての赤外線レーザビーム11が集積回路12
の集積回路チップ13に照射される。集積回路12の電
源端子14には一端を接地した定電圧源15が接続され
ており、グランド端子16とグランドの間には電流変化
を検出するための電流変化検出部17が接続されてい
る。
【0027】電流変化検出部17で赤外線ビームの照射
により検出される電流変化をΔIとし、この赤外線ビー
ムの照射による抵抗変化をΔRとすると、次の(2)式
が成立する。 ΔI∝ΔR・I ・(2) ここで電流Iは、赤外線ビームの照射された配線に流れ
る電流値をいう。配線にボイド等の欠陥があると、抵抗
値が増大し、これによりこの電流値に変化が生ずる。
【0028】本発明の第1の実施例では、このように加
熱手段として赤外線ビームを使用することにより、従来
の方法では不可能であった、製品でのOBIRCH像や
NBOBIC像の観測が可能になり、故障箇所の絞り込
みから物理的な解析までの一連の解析や検査が1台の装
置で可能になる。
【0029】図5は、この第1の実施例における半導体
デバイスの検査装置の構成を表わしたものである。試料
台21には試料として集積回路12が載置されている。
赤外線ビームとしてここでは赤外線レーザビーム11が
用いられ、このための赤外線レーザ光源23が用意され
ている。ここから射出される赤外線レーザビームは赤外
用の顕微鏡部本体24に入射し、対物レンズ25を介し
て集積回路12のチップ上に収束して照射される。試料
台21には、図4にも示した定電圧源15および電流変
化検出部17が接続されており、更にテストパタン発生
部26が接続されている。テストパタン発生部26は、
試料としての集積回路12をある特定の状態に設定する
ためのテストパタンを発生する部分である。試料台21
に接続されたこれらの各部15、17、26は、集積回
路12の該当するピンと電気的に接続されている。
【0030】定電圧源15、電流変化検出部17、顕微
鏡部本体24およびテストパタン発生部26は、システ
ム全体を制御すると共に取得した信号の処理を行うため
のシステム制御・信号処理部27に接続されている。シ
ステム制御・信号処理部27は、図示しないがCPU
(中央処理装置)とこの装置の制御プログラムを格納し
たROM(リード・オンリ・メモリ)や作業用のRAM
(ランダム・アクセス・メモリ)等からなる記憶部を備
えており、所定の制御動作や信号処理を行うようになっ
ている。像・波形表示部28はCRTからなり、このシ
ステム制御・信号処理部27に接続されている。像・波
形表示部28には、取得した信号を処理した結果として
の電流像、欠陥像または電流波形が表示されるようにな
っている。
【0031】この第1の実施例による半導体デバイスの
検査装置は、従来のOBIRCH法によるレーザビーム
を赤外線レーザビームに置き換えたものである。これを
この明細書ではIROBIRCH−BVIと表記する。
ただし「BVI」はバイアス(Bias)印加法のうちの、
電圧印加、電流検出法であることを示すものである。バ
イアス印加の有無と電流検出か電圧検出かの違いによっ
て、半導体デバイスの検査方法には4つのバリエーショ
ンがある。本発明の第1の実施例ではこのうちの1つを
扱っており、他の3つは後に第2〜第4の実施例として
説明する。
【0032】さて、試料台21はX軸、Y軸およびZ軸
の3方向に各々移動自在となっている。この試料台21
に試料としての集積回路12を載置した後、試料台21
ごと移動させて集積回路12を赤外線レーザビーム11
の照射すべき位置まで移動させる。この後に、定電圧源
15から集積回路12に電力を供給し、赤外線レーザビ
ーム11を集積回路12の観測したい領域に照射する。
電流像や欠陥像を観測するときには、赤外線レーザビー
ム11を被観測領域で走査し、電流波形を観測するとき
には被観測点としての1点にこれを照射する。集積回路
12の特定の状態を観測したいときには、テストパタン
発生部26からテストパタンを発生させ、所望の特定状
態にして、赤外線レーザビーム11の照射を行う。
【0033】赤外線レーザ光源23から射出される赤外
線の波長は、前述の通り1.24μm程度以上であれば
良い。ただし、、あまり長波長にするとビームが絞れな
くなる。逆に短波長にすると、OBIC信号が強くな
り、OBIRCH信号の妨げとなる。本実施例では、
1.3μmの波長のレーザダイオードを使用した。
【0034】図6は、電流像や欠陥像を取得する際の処
理動作の流れを示したものである。この処理動作の全体
的な制御は前記したシステム制御・信号処理部27のC
PUによって行われる。まず、CPUは赤外線レーザ光
源23から射出される赤外線レーザビーム11を顕微鏡
部本体24および対物レンズ25を介して集積回路12
の被観察領域に照射し、デジタル的にに走査を開始させ
る(ステップS201)。各走査点の滞留時間は2μS
に設定されている。
【0035】この状態で電流変化検出部17は各走査点
での滞留時間内での電流変化を平均化し、電圧に変換す
る(ステップS202)。システム制御・信号処理部2
7はこの電圧をAD変換して、前記した記憶部のその走
査点に対応したメモリ番地に記憶させる(ステップS2
03)。本実施例では8ビット、すなわち256階調に
AD変換して記憶を行う。このようなステップS202
およびステップS203の処理は被観察領域の全領域が
走査されるまで繰り返される(ステップS20させると
共に、走査領域に対応したCRTの領域上の各メモリ番
地に対応した点に、記憶した電圧値に対応した輝度で2
56階調の表示が行われる(ステップS205)。この
ような輝度表示の代わりに、記憶した電圧値をカラーの
各色に対応させて、256色の疑似カラーで表示を行う
ようにしてもよい。
【0036】このように、電流像や欠陥像を取得する際
には、赤外線レーザビーム11を試料としての集積回路
12の被観察領域でデジタル的に走査を行う(ステップ
S201)。具体的には縦512ラ横512の合計26
2,144点の走査が行われる。各点での滞留時間は2
μSで、1回の走査は約0.5秒となる。
【0037】図7は、電流波形を取得する際の処理動作
を示したものである。電流波形を取得する際には、赤外
線レーザビーム11を周期2μS、パルス幅1μSのパ
ルス状にして、集積回路12の被観測点に照射を開始す
る(ステップS301)。電流変化検出部17では、各
パルスの照射時間内での電流変化を平均化して電圧に変
換する(ステップS302)。システム制御・信号処理
部27はこの電圧をAD変換して、前記した記憶部のそ
の時間に対応したメモリ番地に記憶する(ステップS3
03)。本実施例で電圧は8ビットすなわち256階調
でAD変換される。集積回路12に対して赤外線レーザ
ビーム11の照射が所望の時間行われるまで(ステップ
S304;N)、ステップS302およびステップS3
03の動作が繰り返される。
【0038】所望の時間が経過したら(ステップS30
4;Y)、赤外線レーザビーム11の照射を終了させる
と共に、像・波形表示部28としてのCRTに、横軸を
時間、縦軸を電圧値に対応させて、メモリ番地に対応し
た各時間点に、記憶した電圧値をプロットする(ステッ
プS305)。この縦軸を電流値として読み変えれば、
電流波形が得られる。この際、更に高い時間分解能を得
たい場合には、赤外線レーザビーム11のパルス幅と周
期を短くすればよい。
【0039】一度の照射で十分なS/N(信号対雑音
比)が得られない場合でも、被測定電流が周期的な場合
には、この図7のステップS302からステップS30
4までの処理を電流の周期と同期させ、前記した記憶部
に記憶した電圧を積算した後に平均化すればよい。これ
により、S/Nを改善することが可能になる。
【0040】次にこの第1の実施例による集積回路12
の検査について説明する。集積回路12のチップ上の配
線系の検査を行う場合、まず、集積回路12の被観察領
域が赤外線レーザビーム11の照射可能な位置に来るよ
うに、試料台21を移動させる。そして、定電圧源15
から集積回路12に電力を供給し、集積回路12を所望
の電気的な状態に設定するためにテストパタン発生部2
6から所定のテストパタンを発生させ、所望の状態を設
定する。
【0041】この状態で、赤外線レーザビーム11を被
観察領域に照射し、この領域をデジタル的に走査する
(図6ステップS201)。その後、すでに説明した通
り図6のステップS202〜S205に従った処理を行
って、電流像または欠陥像を得ることができる。この電
流像または欠陥像を観測した結果、ある特定の時点での
電流波形を得たい場合には、図7に示したステップS3
01〜ステップS305の処理によってその電流波形を
得ることができる。
【0042】第2の実施例
【0043】図8は本発明の第2の実施例の半導体デバ
イスの検査装置における半導体デバイスの検査方法の原
理を示したものである。この方法は、IR OBIRC
H−BVIでバイアスをゼロにしたものに相当する。I
R OBIRCH−NBI(Non Biasで、電流を検出す
る方法であることを示す)と表記する。第2の実施例の
方法では、赤外線レーザビームを集積回路チップ上に照
射し(ステップS111)、この集積回路のグランド端
子から出力される電流の変化を検出するようにしている
(ステップS112)。電流変化の検出は、グランド端
子ではなく電源端子や信号端子で行うようにしてもよ
い。また、電流を検出する端子以外の端子は、接地して
も開放(オープン)にしてもよい。以上のような組み合
わせは莫大な数になるが、本実施例ではグランド端子か
ら出力される電流の変化を検出する2つの例を次に示
す。
【0044】図9は、この第2の実施例の半導体デバイ
スの検査装置の構成の一例で電源端子が接地された状態
を表わしたものである。第1の実施例の図4と同一部分
には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略
する。赤外線レーザビームの照射による加熱により、被
照射箇所の熱電能が作用し、電位差が発生した際の電流
変化ΔIが検出される。
【0045】図10は、第2の実施例の半導体デバイス
の検査装置の構成の他の例で電源端子が開放された状態
を表わしたものである。図9と同一部分には同一の符号
を付しており、これらの説明を適宜省略する。この場合
にも、赤外線レーザビームの照射による加熱により、被
照射箇所の熱電能が作用し、電位差が発生した際の電流
変化ΔIが検出される。電流の発生は過渡的であるた
め、このように電源端子がオープンの場合にも電流変化
ΔIの検出が可能である。
【0046】熱電能による電流発生の正確なメカニズム
は明らかにされていないが、現時点では2通りの解釈が
されている。1つの解釈は、欠陥が存在する箇所の熱電
能は、欠陥が存在しない箇所のそれと異なるため、電流
が発生し、欠陥を検出できるとするものである。もう1
つの解釈は、欠陥がある箇所で熱伝導が変化するため、
温度勾配の不均一ができて、熱電能による電流が発生す
るとするものである。
【0047】図11は、第2の実施例による半導体デバ
イスの検査装置すなわち配線系欠陥検査装置の構成を表
わしたものである。第1の実施例の図5と同一部分には
同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略す
る。第2の実施例の装置では、定電圧源15およびテス
トパタン発生部26に括弧を付しているが、これはこれ
ら定電圧源15およびテストパタン発生部26が存在す
る場合と存在しない場合の2つの場合があることを示す
ものである。
【0048】定電圧源15およびテストパタン発生部
26が存在しない場合:この場合には、赤外線レーザビ
ーム11の照射箇所によらず、図9または図10に示し
た原理による観測ができる。 定電圧源15およびテストパタン発生部26が存在す
る場合:この場合には、装置の構成が第1の実施例の図
5で示したものと同一になる。すなわち、赤外線レーザ
ビーム11の照射箇所の配線に十分な電流が流れている
場合には、図4に示した原理で観測が行われる。これ
は、第1の実施例と同じである。これに対して、赤外線
レーザビーム11の照射箇所の配線に十分な電流が流れ
ていない場合には、図9あるいは図10に示した原理に
よる観測が行われることになる。
【0049】この第2の実施例の場合には、電流像や電
流波形の観測はできず、欠陥像の観測ができるのみであ
る。しかし、電流が流れていない箇所の観測も可能であ
り、この点で第1の実施例やIR OBIRCHによる
欠陥検出(前記した特願平5−313320号の「半導
体集積回路内部相互配線の検査装置」)に比べて、観測
可能分野が広い。ただし、欠陥像の観測の場合におけ
る、欠陥の検出感度および空間分解能は、IR OBI
RCHによる欠陥検出の方が第2の実施例の装置あるい
はその方法よりも勝っていることが実験的に示されてい
る。したがって、双方の特徴を生かした使い分けが必要
である。欠陥像を取得する際の処理の流れは第1の実施
例の図6に示したものと同じであり、その図示および説
明を省略する。
【0050】第3の実施例
【0051】図12は、本発明の第3の実施例の半導体
デバイスの検査装置における半導体デバイスの検査方法
の原理を示したものである。この方法では、電流を印加
して、電圧の変化を検出する。IR OBIRCH−B
IV(BIVはBias 印加法の内で、電流印加、電圧検
出法であることを示す)と表記する。第3の実施例で
は、まず集積回路の電源とグランド間に電流を供給する
(ステップS121)。そして、赤外線レーザビームを
集積回路チップ上に照射し(ステップS122)、この
集積回路の電源・グランド端子間の電圧の変化を検出す
るようにしている(ステップS123)。
【0052】図13は、この第3の実施例の半導体デバ
イスの検査装置の構成の一例を表わしたものである。第
1の実施例の図4と同一部分には同一の符号を付してお
り、これらの説明を適宜省略する。この装置のグランド
端子16は接地されており、電源端子14には一端をそ
れぞれ接地した電圧変化検出部31と定電流源32が接
続されている。本実施例では集積回路12の電源・グラ
ンド端子14、16間の電圧の変化を電圧変化検出部3
1で検出することにしているが、電圧変化の検出は、電
源・グランド端子14、16間ではなく、他の端子間で
行ってもよい。ただし、電源・グランド端子14、16
間が集積回路チップ13全体の変化を最も反映するの
で、変化を検出する箇所として最も適している。電圧変
化の検出の際に、入力端子から集積回路12の特定の状
態を設定するためのテストパタンを入力すれば、その特
定の状態での観測を行うことができる。
【0053】IR OBIRCH−BIVの場合の電圧
変化は、次の(3)式で表わすことができる。 ΔV=ΔR・I ・(3) ここで、ΔVはビームの照射による電圧変化を示し、Δ
Rはビーム照射による抵抗変化を示す。ボイド等の欠陥
があると、抵抗変化ΔRの増加が大きくなる。Iはビー
ムを照射した配線に流れる電流である。
【0054】(3)式から分かるように、第3の実施例
の半導体デバイスの検査装置でも、ボイド等の欠陥だけ
でなく、ビームを照射した配線の電流の観測も行うこと
ができる。
【0055】図14は、この第3の実施例における半導
体デバイスの検査装置すなわち配線系検査装置の構成を
表わしたものである。第1の実施例の図5と同一部分に
は同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略す
る。第1の実施例の装置と比較すると、電流変化検出部
17(図5)が電圧変化検出部41に変わっており、定
電圧源15(図5)が定電流源42に変わっている。電
圧変化の検出の方が電流変化の検出よりも容易に実行す
ることができるので、この第3の実施例の装置はこの点
で第1の実施例の装置よりも有利である。
【0056】第4の実施例
【0057】図15は、本発明の第4の実施例の半導体
デバイスの検査装置における半導体デバイスの検査方法
の原理を示したものである。この方法は、IR OBI
RCH−BIVでバイアスをゼロにしたものに相当す
る。IR OBIRCH−NBV(Non Biasで、電圧を
検出する方法であることを示す)と表記する。第4の実
施例では、赤外線レーザビームを集積回路チップ上に照
射し(ステップS131)、集積回路の電源端子とグラ
ンド端子間の電圧の変化を検出するようになっている
(ステップS132)。
【0058】電圧変化の検出は、電源端子とグランド端
子間で行われる必要はなく、他の端子間で行ってもよ
い。ただし、電源端子とグランド端子間が、集積回路チ
ップ全体の変化を最もよく反映するので、変化を検出す
る箇所としては最適である。また、電圧を検出する端子
以外は、接地しても開放しても構わない。以上のような
組み合わせは莫大な数となるが、ここでは次に2つの例
を示す。
【0059】図16は、第4の実施例の半導体デバイス
の検査装置の構成の一例としてグランドが接地された例
を表わしたものである。第1の実施例の図4と同一部分
には同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略
する。グランド端子16は接地されており、電源端子1
4には一端を接地した電圧変化検出部33が接続されて
いる。赤外線レーザビーム照射時の加熱により、被照射
箇所の熱電能が作用し、その結果電位差が現われる。電
圧変化検出部33は、この電圧の変化ΔVを検出する。
【0060】図17は、第4の実施例の半導体デバイス
の検査装置の構成の他の例としてグランドが開放された
例を表わしたものである。図16と同一部分には同一の
符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。図1
6および図17の装置では、欠陥の有無による熱電能の
差により、欠陥の検出ができることになる。すなわち、
電流像や電流波形の観測を行うことができず、欠陥像の
観測ができるのみである。
【0061】図18は、第4の実施例による半導体デバ
イスの検査装置すなわち配線系欠陥検査装置の構成を表
わしたものである。第3の実施例の図14と同一部分に
は同一の符号を付しており、これらの説明を適宜省略す
る。第4の実施例の装置では、定電流源42およびテス
トパタン発生部26に括弧を付しているが、これはこれ
ら定電流源42およびテストパタン発生部26が存在す
る場合と存在しない場合の2つの場合があることを示す
ものである。
【0062】定電流源42およびテストパタン発生部
26が存在しない場合:この場合には、赤外線レーザビ
ーム11の照射箇所によらず、図16または図17に示
した原理による観測ができる。 定電流源42およびテストパタン発生部26が存在す
る場合:この場合には、装置の構成が第3の実施例の図
14で示したものと同一になる。すなわち、赤外線レー
ザビーム11の照射箇所の配線に十分な電流が流れてい
る場合には、図13に示した原理で観測が行われる。こ
れは、第3の実施例と同じである。これに対して、赤外
線レーザビーム11の照射箇所の配線に十分な電流が流
れていない場合には、図16あるいは図17に示した原
理による観測が行われることになる。
【0063】すなわち、この第4の実施例の場合には、
図16および図17で説明した通り電流像や電流波形の
観測を行うことができず、欠陥像の観測ができるのみで
ある。しかしながら、電圧変化の検出の方が電流変化の
検出よりも容易に実行することができるので、第4の実
施例も有効である。
【0064】第5の実施例
【0065】図19は、本発明の第5の実施例の半導体
デバイスの検査装置の構成を表わしたものである。この
図で図5と同一部分には同一の符号を付しており、これ
らの説明を適宜省略する。第5の実施例では、試料とし
ての集積回路12を載置した試料台21の下側に、今ま
での実施例と上下逆の配置で赤外線レーザ光源23と、
顕微鏡部本体24と対物レンズ25が配置されている。
これは集積回路12のチップの裏面からの観察を可能に
するためである。また、集積回路12の上側には、可視
レーザビーム発生部51と顕微鏡部52とが配置されて
おり、チップを上下逆転することなくその上面からの観
察もできるようになっている。定電圧源15、電流変化
検出部17およびテストパタン発生部26は、試料台2
1を介して図5の装置と同様に顕微鏡本体24等の部品
と接続されている。可視レーザビーム発生部51はシス
テム制御・信号処理部27と接続されており、処理され
た信号を基にして像・波形表示部28としてのCRTに
像あるいは波形の表示が行われるようになっている。
【0066】図20は、この第5の実施例の半導体デバ
イスの検査装置の処理動作の流れを表わしたものであ
る。まず、先に説明した他の実施例と同様に集積回路1
2に電圧を印加する(ステップS141)。本実施例で
試料として用いられる集積回路12は、チップ表面を露
出させていることはもちろんのこと、チップ裏面も露出
され、かつ鏡面研磨されている必要がある。
【0067】次に、赤外線レーザビームをチップ裏面か
ら照射しながら走査する(ステップS142)。そし
て、集積回路12のグランド端子から出力される電流の
変化を輝度の変化として走査点に対応させ、前記したC
RT上に表示する(ステップS143)。すなわち、O
BIRCH法による電流像が取られる。電流像を取る際
には、集積回路チップ13(図4参照)のできるだけ広
い範囲をレーザビームで走査することで、異常箇所の発
見が容易になる。これを、IDDQ 不良の場合を例にとっ
て説明する。
【0068】IDDQ 不良とは、集積回路12としてのC
MOS LSIの不具合モードの1つであり、ある準静
止状態(Quiescent)で電源電流が正常のもの
に比べて大きい場合をいう。現在OBIRCHでは、例
えば数μA程度の検出感度があるためIDDQ 不良で数μ
A程度以上の電流が流れる場合には、その電流経路の観
測を電流像として行うことができる。したがって、この
ような場合には、集積回路チップ13上のどこに電流経
路があるかを発見することが容易である。例えば集積回
路チップ13が10mm角の場合、2mm角の視野で探
せば、最悪の場合であっても25か所の視野を見ること
で異常な電流経路を発見することができる。
【0069】OBIC信号の妨害を防ぐ方法として、例
えば平成7年2月15日出願の特願平7−025758
号公報に記載されているように、配線箇所のみを選択し
て可視レーザビームを照射することも可能である。しか
しなから、選択走査法ではこのように広い視野での電流
像の取得は非常に困難である。例えば2mm角の視野を
観測する場合、通常のデジタル走査に用いる512ラ5
12ピクセルの走査では、1ピクセルの占める面積は4
μmラ4μmにもなり、1μm幅の配線部分のみレーザ
ビームを照射することは不可能であり、OBIC信号が
発生する。
【0070】電流値が異常であるかどうかの判断がIDD
Q 不良ほど簡単でないような場合には、良品と比較する
方法が最も容易である。この際には、試料台21を移動
することで良品と不良品の同一箇所を交互に観測する。
この際に、電流像が複雑な場合、良品での電流像と不良
品での電流像の差像をとれば、電流経路の異なる箇所を
容易に識別することができる。差像をとる方法として
は、基本的には元の像の各ピクセルごとの輝度の値の差
を差像の各ピクセルごとの輝度の値として用いるのが最
も一般的であり、また簡便である。
【0071】図20に戻って説明を行う。以上のように
して電流の異常箇所が発見できなければ(ステップS1
44;N)、視野を移動してステップS142から処理
を繰り返す。このようにして電流の異常箇所が発見でき
たら(ステップS144;Y)、次はその箇所を含む近
傍で欠陥像を観測する処理に移る。この際、欠陥像を赤
外線レーザを用いたOBIRCHやNB−OBICで見
るよりも、可視光レーザを使用したOBIRCHやNB
−OBICで見る方が感度がよい。その理由は波長の違
いによる。赤外線レーザでは例えば1.3μmの波長を
用いるが、可視光レーザでは例えば633nmの波長を
用いる。これらの波長の約2倍の差が、そのままレーザ
ビームの径の差となり、欠陥検出の際の欠陥検出感度の
差となって現われる。
【0072】したがって、この第5の実施例では欠陥像
の観測に際して可視光レーザを使用する。可視光レーザ
に切り替えるために、集積回路チップ13(例えば図
4)は可視レーザ系の下まで水平方向に移動させられる
(ステップS146)。あるいは、可視レーザビームと
赤外線レーザビームを同一直線上に配置しておけば、こ
の位置合わせは不要となる。そして、可視光レーザビー
ムを上方から集積回路チップ13の表面に照射する(ス
テップS147)。可視レーザでOBIRCHやNB−
OBICを実施する際には、OBIC信号が妨害になる
ことは前記した通りである。OBIC信号による妨害を
防ぐためには、欠陥像をとる場合のように走査範囲が比
較的狭いとき、選択走査法が有効である。ここで選択走
査法とは、平成7年2月15日に特許出願した特願平7
−025758号の明細書に記載されているように、配
線箇所のみを選択して照射する方法である。この方法で
は、配線部分のみを選択走査しながら照射する。したが
って、OBIC電流が発生しない。この照射によって、
集積回路12のグランド端子から出力される電流の変化
を輝度変化として走査点に対応させ、前記したCRT上
に表示させる(ステップS148)。このように選択走
査法でOBIRCHやNB−OBIC像を取得すること
で、欠陥像の取得が可能になる。
【0073】第6の実施例
【0074】図21は、本発明の第6の実施例の半導体
デバイスの検査装置の構成を表わしたものである。この
図で図19と同一部分には同一の符号を付しており、こ
れらの説明を適宜省略する。第6の実施例では、試料と
しての集積回路12を載置した試料台21の上側に可視
レーザビーム発生部51と顕微鏡部52およびこれから
所定の間隔を置いて赤外線レーザ光源23と、顕微鏡部
本体24と対物レンズ25が配置されている。
【0075】この図21に示した半導体デバイスの検査
装置の動作を次に説明する。この第6の実施例の装置
は、第5の実施例の装置と比較すると赤外線レーザの入
射方向が異なることと、観測の切替時に集積回路チップ
13(図4)の移動方法が異なることの点を除いて基本
的に同一である。すなわち、第6の実施例の装置では、
赤外線顕微鏡部を構成する赤外線レーザ光源23、顕微
鏡部本体24および対物レンズ25が試料台21の上側
にあり、図19に示したものと上下が逆となっている。
試料としての集積回路12は、対物レンズ25の直下の
位置と、顕微鏡部52の直下の位置との間で表裏逆とな
るように設定し直す必要がある。
【0076】図22は、この第6の実施例の半導体デバ
イスの検査装置の処理動作の流れを表わしたものであ
る。第5の実施例の装置と処理の流れは基本的に同一な
ので、相違している点のみを説明する。ステップS15
2では赤外線ビームを上方から集積回路チップ13の裏
面上に走査しながら照射する。赤外線顕微鏡部が第5の
実施例と逆の向きに配置されているためである。また、
ステップS156では集積回路チップ13を上下逆さに
して、その表面が上面となるようにセットすることにな
る。
【0077】なお、以上説明した各実施例では例えば図
6のステップS205で示したように輝度または疑似カ
ラーで256階調の表示を行うようにしたが、処理する
データのビット数や表示する階調の数はこれに限定され
るものでないことは当然である。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように出力をオープンにし
ておけば、集積回路に流れる全電流がグランド端子に流
れるので、グランド端子は変化を検出する箇所として最
も適している。このように変化の検出を行う際に、入力
端子から集積回路の特定の状態を設定するためのテスト
パタンを入力するようにすれば、その特定の状態での観
測が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体デバイスの検査装置の基本的な
概念を示す説明図である。
【図2】従来の半導体デバイスの検査装置の基本的な概
念を示す説明図である。
【図3】本発明の第1の実施例の半導体デバイスの検査
装置における半導体デバイスの検査方法を示す流れ図で
ある。
【図4】第1の実施例における半導体デバイスの検査装
置の原理を示した説明図である。
【図5】第1の実施例における半導体デバイスの検査装
置の構成を表わしたブロック図である。
【図6】第1の実施例で電流像あるいは欠陥像を取得す
る際の処理動作を示した流れ図である。
【図7】第1の実施例で電流波形を取得する際の処理動
作を示した流れ図である。
【図8】本発明の第2の実施例の半導体デバイスの検査
装置における半導体デバイスの検査方法の原理を示した
流れ図である。
【図9】第2の実施例の半導体デバイスの検査装置の構
成の一例で電源端子が接地された状態を表わした説明図
である。
【図10】第2の実施例の半導体デバイスの検査装置の
構成の他の例で電源端子が開放された状態を表わした説
明図である。
【図11】第2の実施例による半導体デバイスの検査装
置すなわち配線系欠陥検査装置の構成を表わしたブロッ
ク図である。
【図12】本発明の第3の実施例の半導体デバイスの検
査装置における半導体デバイスの検査方法の原理を示し
た流れ図である。
【図13】第3の実施例の半導体デバイスの検査装置の
構成の一例を表わした説明図である。
【図14】第3の実施例における半導体デバイスの検査
装置すなわち配線系検査装置の構成を表わしたブロック
図である。
【図15】本発明の第4の実施例の半導体デバイスの検
査装置における半導体デバイスの検査方法の原理を示し
た流れ図である。
【図16】第4の実施例の半導体デバイスの検査装置の
構成の一例としてグランドが接地された例を表わした説
明図である。
【図17】第4の実施例の半導体デバイスの検査装置の
構成の他の例としてグランドが開放された例を表わした
説明図である。
【図18】第4の実施例による半導体デバイスの検査装
置すなわち配線系欠陥検査装置の構成を表わしたブロッ
ク図である。
【図19】本発明の第5の実施例の半導体デバイスの検
査装置の構成を表わしたブロック図である。
【図20】第5の実施例の半導体デバイスの検査装置の
処理動作を示した流れ図である。
【図21】本発明の第6の実施例の半導体デバイスの検
査装置の構成を表わしたブロック図である。
【図22】第6の実施例の半導体デバイスの検査装置の
処理動作を示した流れ図である。
【図23】従来提案された半導体デバイスの検査装置の
構成を表わしたブロック図である。
【符号の説明】
11 赤外線レーザビーム 12 集積回路 13 集積回路チップ 14 電源端子 15 定電圧源 16 グランド端子 17 電流変化検出部 21 試料台 23 赤外線レーザ光源 24 顕微鏡部本体 25 対物レンズ 26 テストパタン発生部 27 システム制御・信号処理部 28 像・波形表示部 31、41 電圧変化検出部 32、42 定電流源 51 可視レーザビーム発生部 52 顕微鏡部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線ビームを半導体デバイスの被観測
    領域にチップの裏面または上面から照射し、この赤外線
    ビームの照射に伴ってこの半導体デバイスのグランド端
    子間に現われる電圧の変化を検出してその被観測領域の
    検査を行うことを特徴とする半導体デバイスの検査方
    法。
  2. 【請求項2】 前記半導体デバイスの出力端子がオープ
    ンであることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導
    体デバイスの検査方法。
  3. 【請求項3】 テストパターを前記半導体デバイスに入
    力後前記半導体デバイスを検査することを特徴とする請
    求項1又は2のいずれかに記載の検査方法。
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