JP2900877B2 - 半導体デバイスの配線電流観測方法、配線系欠陥検査方法およびその装置 - Google Patents
半導体デバイスの配線電流観測方法、配線系欠陥検査方法およびその装置Info
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Description
の半導体デバイスの検査方法および検査のための装置に
関し、特に、例えば半導体集積回路チップ上の配線の通
電経路や配線系の欠陥の検査に用いて好適な、半導体デ
バイスの配線電流観測方法、検査方法およびそのための
装置に関する。
いての故障解析や検査の従来技術が、本発明者により例
えば特開平6−300824号公報(発明の名称:「半
導体集積回路内部相互配線の検査方法および装置」)
や、あるいは特願平6−230672号(発明の名称:
「半導体集積回路チップ上の配線の通電状態を試験する
方法」等に提案されている。
デバイスの検査装置の構成を示したものである。図19
を参照して、試料台111には、試料としての集積回路
112が載置されている。可視レーザビーム発生部11
3から出力される可視光としてのレーザビームは、顕微
鏡部114に入射し、集積回路112のチップ上に収束
して照射される。試料台111には、定電圧源115、
電流変化検出部117、およびテストパタン発生部11
8が接続されている。テストパタン発生部118は、レ
ーザビーム119の照射される集積回路112をある特
定の状態に設定するためのテストパタンを発生する部分
である。試料台111に接続されたこれらの各部11
5、117、118は、集積回路112の該当するピン
と電気的に接続されている。
115、電流変化検出部117、およびテストパタン発
生部118は、システム全体を制御すると共に取得した
信号の処理を行うためのシステム制御・信号処理部12
1に接続されている。
の制御動作や信号処理を行うものである。像表示部12
2は、CRT等のディスプレイ装置からなり、システム
制御・信号処理部121に接続されている。この像表示
部122には、取得した信号を処理した結果としての、
電流像または欠陥像が表示されるようになっている。
は、可視光としてのレーザを集積回路112の対象とす
る領域に走査しながら照射している。なお、照射光とし
ては、これ以外にも、電子またはイオンビームであって
もよい。
抵抗の増加を、電流変化検出部117を用いて電流の変
化として検出する。例えばレーザビーム119の走査と
同期して対象とする配線の電流の変化を照射位置毎に輝
度の変化あるいは輝度をカラーに疑似的に置き換えた疑
似カラーとして像表示部122に表示するようにしてい
る。これにより、配線中のボイドや、Siの析出を検出
したり、配線に流れる電流の観測を行う。
れる原理を以下に簡単に説明する。集積回路チップの配
線の箇所にビームを照射した際の温度上昇による電流の
変化をΔIとする。
とすると、電流の変化ΔIは、次式(1)で近似するこ
とができる。
線の抵抗値であり、ΔRはビームの照射による配線の抵
抗の抵抗値変化分である。また、Iはビームの照射が行
われないときの配線に流れる電流である。
は、電圧の変化ΔVは、次式(2)で表わすことができ
る。
(1)と同じである。
条件を一定にしておけば、抵抗Rは観測対象の配線が決
まれば一定であるため、電流の変化ΔIを観測すること
により、抵抗の変化ΔRと電流Iの積が求められる。
場所での抵抗の変化ΔRを判別することができる。ま
た、抵抗の変化ΔRを一定にすれば電流Iの値を観測す
ることもできる。
説明では、式(1)に基づいて定電圧を印加した場合に
ついて行うが、定電流を印加した場合についても、式
(2)に基づけば同様である。
の観測(配線系の欠陥の観測):これは、上記特開平6
−300824号公報において、欠陥(ボイドやSi析
出)の検出法として記載されたものである。すなわち、
ビームの条件や、被照射箇所の材質、形状等が同一であ
れば、場所ごとの抵抗の変化ΔRの違いは、それぞれの
箇所における熱伝導の違いによる。配線中に、ボイドや
Si析出等の欠陥があれば、熱伝導が異なってくる。こ
の効果により、抵抗の変化ΔRの違いが観測されること
が実験的にも確認されている。
信頼性を決定する要因として重要なものなので、この効
果は重要である。この目的で観測する像を欠陥像と呼
ぶ。
230672号に提案されたものである。通常の場合に
は、配線のほとんどを占める欠陥のない配線部分に着目
すると、電流Iを観測することができる。この絶対値を
知るには、抵抗の変化ΔRと抵抗Rのそれぞれの値を知
る必要があり、容易ではない。しかしながら、正常なも
のとの比較で異常電流の有無を知ることは容易にでき
る。特に、正常品において電流値の期待値がゼロに近い
場合には、不良品における異常電流の流れる経路が容易
に観測できる。この目的で観測する像を電流像と呼ぶ。
箇所の抵抗が変化する現象を、簡単に「BIRCH(Be
am Induced Resistance Change)」と呼ぶことにする。
日本語では、「ビーム照射加熱抵抗変化検出法」と呼ぶ
ことにする。
の個々に特定して呼ぶ場合には、それぞれ「OBIRC
H(Optical Beam Induced Resistance Change)」、
「EBIRCH」(Electron Beam Induced Resistanc
e Change)、「IBIRCH」(Ion Beam Induced Res
istance Change)と呼ぶことにする。ここで、“O”は
“Optical”(光)の意味であり、“E”は“Electro
n”(電子)の意味であり、また、“I”は“Ion”(イ
オン)の意味している。
して、本発明の主題に関係する手法として、レーザビー
ムの加熱による熱電効果を利用した「NB−OBIC」
と呼ばれる方法も、配線系のボイド系の異常検出に有効
であることが示されている(小山等、94年秋応物予稿
集、22a−ZP−10,p.586)。
は、対象となる集積回路に電圧を印加しないという点の
みであり、他は同じである。電圧が印加されておらず、
電流が流れていないため、この方法は、電流の観測には
用いることができない。
ある場合に、その近傍で、熱伝能が異なるために、ある
いは欠陥がある場合には、熱伝導状態が異なるため温度
勾配ができ、その結果、熱起電力が発生し、これが電流
として検出されるものであるとの説明が為されている。
従来の半導体デバイスの検査方法および装置については
次のような、2つの大きな問題があり、これが実製品へ
の適用の妨げとなっている。
や電子ビームをチップに照射すると、基板の半導体中に
電子・正孔対が発生し、これによって電流が発生する。
これは光の場合にはOBIC(Optical Beam Induced C
urrent)現象であり、電子の場合にはEBIC(Electr
on Beam Induced Current)現象である。以下、簡単に
OBIC現象についてのみ説明するが、EBIC現象の
場合にも、OBICでの光をEBICでの電子に置き換
えて考えればよいだけで、同様である。
NB−OBIC像に、オーバラップする形で現われる。
通常の場合には、OBIC信号の方が、OBIRCH信
号やNB−OBIC信号よりも強く、電流変化検出系の
ダイナミックレンジが両方の信号を増幅できるだけの十
分な幅を有しないことから、OBRCH像やNB−OB
IC像がOBIC像に埋もれて見えなくなる。
群)の場合には、OBIC信号が表われないような結線
が可能であるが、製品の場合には、通常は非常に困難で
ある。このことが、OBIRCH法とNB−OBIC法
の実用上の大きな障害の1つになっていた。なお、TE
Gとは、例えば新しい製造プロセスの立上げ又はプロセ
ス変更の前に、回路特性評価やプロセス特性評価のため
にチップ上に搭載されるテスト素子群をいう。
にイオンビームを用いた場合には、照射箇所がスパッタ
されるため、非破壊での検査が困難であるということで
ある。
されたものであって、その目的は、ビームの照射による
電子や正孔対の発生がなく、またイオンビームのような
破壊的な要素のない半導体デバイスの配線電流観測方
法、検査方法および装置を提供することにある。
め、請求項1記載の発明に係る方法は、レーザ光源か
ら、その先端を先細り形状とし先端部に導入レーザ光の
波長程度以下の開口部を残して先端近傍が金属で覆われ
た、もしくは開口無しに先端近傍が金属で覆われた、光
ファイバーに、レーザ光を導入しながら、半導体デバイ
スの被観測領域に前記光ファイバーの先端部を接触さ
せ、前記レーザ光の導入による前記被観測領域への加熱
に伴って前記半導体デバイスの所定の端子に現われる電
流の変化又は電圧の変化を検出し、前記被観測領域の配
線系欠陥の検査を行うことを特徴とする。
レーザ光源から、その先端を先細り形状とし先端部に導
入レーザ光の波長程度以下の開口部を残して先端近傍が
金属で覆われた、もしくは開口無しに先端近傍が金属で
覆われた、光ファイバーに、レーザ光を導入しながら、
半導体デバイスの被観測領域に前記光ファイバーの先端
部を接触させ、前記レーザ光の導入による前記被観測領
域への加熱に伴って前記半導体デバイスの所定の端子に
現われる電流の変化又は電圧の変化を検出し、前記被観
測領域の配線電流の観測を行うことを特徴とする。
は、レーザ光源から、その先端を先細り形状とし先端部
に導入レーザ光の波長程度以下の開口部を残して先端近
傍が金属で覆われた、もしくは開口無しに先端近傍が金
属で覆われた、光ファイバーに、レーザ光を導入しなが
ら、半導体デバイスの被観測領域に前記光ファイバー先
端部を非接触で近付け、前記レーザ光の導入による前記
被観測領域への加熱に伴って前記半導体デバイスの所定
の端子に現われる電流の変化又は電圧の変化を検出し、
前記被観測領域の配線系欠陥の検査を行うことを特徴と
する。
は、レーザ光源から、その先端を先細り形状とし先端部
に導入レーザ光の波長程度以下の開口部を残して先端近
傍が金属で覆われた、もしくは開口無しに先端近傍が金
属で覆われた、光ファイバーに、レーザ光を導入しなが
ら、半導体デバイスの被観測領域に前記光ファイバーの
先端部を非接触で近付け、前記レーザ光の導入による前
記被観測領域への加熱に伴って前記半導体デバイスの所
定の端子に現われる電流の変化又は電圧の変化を検出
し、前記被観測領域の配線電流の観測を行うことを特徴
とする。
近赤外レーザ光源を用いてもよい。
は、レーザ光源から、その先端を先細り形状とし先端部
に導入レーザ光の波長程度以下の開口部を残して先端近
傍が金属で覆われた、もしくは開口無しに先端近傍が金
属で覆われた、光ファイバーに、レーザ光を導入しなが
ら、半導体デバイスの被観測領域に前記光ファイバーの
先端部を接触状態又は非接触状態で走査する手段、前記
レーザ光の導入による前記被観測領域への加熱に伴って
前記半導体デバイスの所定の端子に現われる電流の変化
または電圧の変化を検出する手段、及び前記電流又は電
圧の変化を走査場所に対応させて、像として表示する手
段、を含むことを特徴とする。
光源から、その先端を先細り形状とし先端部に導入レー
ザ光の波長程度以下の開口部を残して先端近傍が金属で
覆われた、もしくは開口無しに先端近傍が金属で覆われ
た、光ファイバーに、レーザ光を導入しながら、半導体
デバイスの被観測領域に前記光ファイバーの先端部を接
触または非接触状態にてある一点に静止させる手段、前
記レーザ光の導入による被観測領域への加熱に伴ってこ
の半導体デバイスの所定の端子に現われる電流の変化又
は電圧の変化を検出する手段、及び、前記電流又は電圧
の変化の時間変化を表示する手段、を含むことを特徴と
する。
おいては、試料としての集積回路には、レーザ光源から
光ファイバー及びその先端のアパーチャを経て、(1)
アパーチャの熱の伝導または輻射、(2)アパーチャか
らの近接場光の照射、(3)アパーチャからの遠距離場
としての近赤外光の照射、の少なくとも一により加熱さ
れ、配線部分の加熱による抵抗変化により、集積回路の
所定の端子に電流又は電圧の変化が生じ、この変化を検
出し信号処理を行って、例えば電流像、欠陥像または電
流波形を表示させるようにしたものである。
を照射したのに対して、本発明においては、光ファイバ
ーの先端部にアパーチャを設け、(1)遠距離場として
の光は通さず、アパーチャ近傍での発熱のみを使用、ま
たは、(2)遠距離場としての光は通さず、近接場しみ
出しによる発熱のみを使用、または、(3)遠距離場と
しての光を通し、その加熱を使用(アパーチャの径が大
きい場合である。またこの場合は近赤外光を使用)した
ことにより、電子・正孔対の発生がなく、またイオンビ
ームのような破壊的な要素もなく、かつ、光ファイバー
先端部が非常に細いため、高空間分解能を達成したもの
である。
下に説明する。本発明は、その第1の実施の形態におい
て、(a)レーザ光源から光ファイバーにレーザ光を導
入しながら、半導体デバイスの被観測領域にこの光ファ
イバー先端のアパーチャ部を接触させ、(b)このレー
ザ光の導入による被観測領域への加熱に伴って、この半
導体デバイスの所定の端子に現われる電流の変化または
電圧の変化を検出し、その被観測領域の配線系欠陥の検
査を行うようにしたものである。
態において、光ビームによる加熱の代わりに、レーザ光
源から光ファイバーに導入されたレーザ光による光ファ
イバー先端での発熱を用いる。
あるので、可視光、電子あるいはイオンの代わりに、光
ファイバー先端での発熱を用いることができる。また、
光ファイバー先端での発熱を用いることで、従来技術と
して指摘した問題点は、一挙に解消することができる。
いる場合には、可視光のレーザビームや電子ビームを使
用した場合のような、電子・正孔対の発生がなく、ま
た、イオンビームのような破壊的要素もない。
の面積が、そのビーム断面積程度であり、その径は、例
えば633nmのHe−Neレーザを用いたシステムで
は、0.4μm程度であったのに対して、本発明に係る
方法で用いられる光ファイバー先端のアパーチャー部の
径は、例えば20nm程度とすることが可能とされ、大
幅に小さくできる。これにより、本発明は、欠陥検出の
感度や空間分解能が大幅に向上する。
や電圧の変化を観測するために、必要に応じて、この半
導体デバイスに電圧や電流を供給するようにしてもよ
い。電圧や電流を、被試験対象の半導体デバイスに供給
すると、上述したOBIRCH信号が得られる。一方、
半導体デバイスに電圧も電流も供給しないと、上述した
NB−OBIC信号のみが得られ、OBIRCH信号は
得られない。
に光ファイバー先端での発熱による熱を集積回路等の半
導体デバイスの被観測領域に伝え、配線の局所的な加熱
により被観測領域の抵抗の変化を生じさせ、被観測領域
に流れる電流や電圧の変化を検出することで半導体デバ
イスの配線系の欠陥の検出を行うようにしている。
流変化の検出を行い、被測定系に定電流を印加した場合
には、電圧変化の検出を行う。
路等の半導体デバイスのグランド端子以外の電源端子や
信号端子を用いて行ってもよい。また、電流や電圧の変
化を検出する端子以外は、接地しても開放(オープン)
にしてもよいし、他の適切な電位に固定してもよい。
先端での発熱を使用することで、従来技術では不可能で
あった、製品における配線系の欠陥像の観測が高感度・
高分解能で可能になる。
おいて、(a)レーザ光源から光ファイバーにレーザ光
を導入しながら、半導体デバイスの被観測領域にこの光
ファイバー先端部を接触させ、(b)このレーザ光の導
入による被観測領域への加熱に伴ってこの半導体デバイ
スの所定の端子に現われる電流の変化または電圧の変化
を検出してその被観測領域の配線電流の観測を行うよう
にしたものである。
態において、前記第1の実施の形態と同様に、レーザ光
源から光ファイバーにレーザ光を導入しながら、半導体
デバイスの被観測領域にこの光ファイバー先端のアパー
チャ部を接触させることで、被観測領域の局所的な加熱
を行うようにしている。そして、半導体デバイスの任意
の端子間に電流または電圧変化が生じたときには、これ
を検出し、これにより配線電流の観測を行うようにして
いる。
は、前記第1の実施の形態とは異なり、半導体デバイス
の電流や電圧の変化を見るために、この半導体デバイス
に電圧や電流を必ず供給することが必要であることはい
うまでもない。
において、(a)レーザ光源から光ファイバーにレーザ
光を導入しながら、半導体デバイスの被観測領域にこの
光ファイバー先端部を非接触で近づけ、(b)このレー
ザ光の導入による被観測領域への加熱に伴って、この半
導体デバイスの所定の端子に現われる電流の変化または
電圧の変化を検出し、その被観測領域の配線系欠陥の検
査を行うようにしたものである。
態において、前記第1の実施の形態とは相違して、光フ
ァイバー先端のアパーチャ部を被観測領域に接触させな
い。この場合、熱は、光ファイバー先端のアパーチャ部
からの熱放射か、及び/又は、光ファイバー先端のアパ
ーチャ部からの近接場光のしみ出しのエネルギーによる
加熱により、被観測領域に供給される。電流や電圧の変
化の観測に関しては、前記第1の実施の形態で説明した
ものと同様である。
において、(a)レーザ光源から光ファイバーにレーザ
光を導入しながら、半導体デバイスの被観測領域にこの
光ファイバー先端部を非接触で近付け、(b)このレー
ザ光の導入による被観測領域への加熱に伴ってこの半導
体デバイスの所定の端子に現われる電流の変化または電
圧の変化を検出してその被観測領域の配線電流の観測を
行うようにしたものである。
態において、前記第2の実施の形態とは相違して、光フ
ァイバー先端のアパーチャ部を被観測領域に接触させな
い。この場合、熱は、光ファイバー先端のアパーチャ部
からの熱放射か、光ファイバー先端のアパーチャ部から
の近接場光のしみ出しのエネルギーによる加熱かによ
り、被観測領域に供給される。電流や電圧の変化の観測
に関しては、第2の実施の形態で説明したものと同様で
ある。
おいて、前記第1から第4の実施の形態において用いら
れたレーザ光源として、近赤外光を用いるようにしたも
のである。
ファイバー先端のアパーチャ部からの熱の放射や、伝
導、または、光ファイバー先端のアパーチャ部からの近
熱場光のしみ出しを利用するだけでなく、遠距離場とし
ての光放射による加熱をも利用する。遠距離場としての
光放射による加熱をも利用する場合には、近赤外光を用
いる必要があるのは、以下の理由による。
には、Siのバンドギャップエネルギー(1.12eV
[300K]*)よりも低エネルギー、より正確には、
さらにこれから伝導帯・ドナー間のエネルギー(P:
0.044eV,As:0.049eV*の大きい方)
と、アクセプター・価電子帯間のエネルギー(B:0.
045eV*)を差し引いたエネルギー(1.026e
V,1.208μm)よりも低エネルギーの電磁波すな
わち約1.21μm以上の赤外線を用いればよい(例え
ば文献[S.M. Sze, Physics of Semiconductor Device
s, John Wiley & Sons, Physics of Semiconductor Dev
ices, John Wiley & Sons, p.30 (1969)]参照)。
形態において、レーザ光源から光ファイバーにレーザ光
を導入しながら、半導体デバイスの被観測領域にこの光
ファイバー先端部を接触させながらまたは非接触で走査
する手段と、このレーザ光の導入による被観測領域への
加熱に伴ってこの半導体デバイスの所定の端子に現われ
る電流の変化または電圧の変化を検出する手段と、この
電流または電圧の変化を走査場所に対応させて、像とし
て表示する手段と、を半導体デバイスの検査装置に具備
したものである。これにより、欠陥像と電流像の観測が
可能となる。
て、レーザ光源から光ファイバーにレーザ光を導入しな
がら、半導体デバイスの被観測領域にこの光ファイバー
先端部を接触または非接触である一点に静止させる手段
と、このレーザ光の導入による被観測領域への加熱に伴
ってこの半導体デバイスの所定の端子に現われる電流の
変化または電圧の変化を検出する手段と、この電流また
は電圧の変化の時間変化を表示する手段と、を半導体デ
バイスの検査装置に具備したものである。これにより、
電流波形の観測が可能となる。
明すべく、本発明の各実施例を図面を参照して以下に説
明する。
態に係る検査の基本概念を示したものである。図1を参
照すると、半導体デバイスの配線201に光ファイバー
先端202からの熱が加えられ、場合によっては、図中
破線で示した矢印203方向に走査されるものとする。
なお、図1に示したように、光ファイバーは、その先端
202が、部分拡大図として示すように、先細りとなる
ように加工され、その表面は好ましくはAl(アルミニ
ウム)またはAu(金)によるコーティングが施され、
「アパーチャ」と呼ばれる先端部のみファイバーがむき
出し状態とされている。
は、フォトン走査トンネル顕微鏡に用いられているもの
であり、通常、アパーチャの直径は20nm程度が加工
可能な最小寸法である(例えば文献[大津元一、「フォ
トン走査トンネル顕微鏡技術」、応用物理、第65巻、
第1号、pp.2−12]参照)。
合、光ファイバー先端202からの熱によって、配線2
01の温度TがΔT上昇し、その結果、配線の抵抗がΔ
R増加する。その結果、電流がΔI減少する。
陥があると増大するため、抵抗の変化ΔRも増大し、電
流の変化ΔIの絶対値|ΔI|も増大する。
ΔIを検出することによって、半導体デバイスの配線長
の欠陥の検査を行うことができる。
Iに比例するため電流の変化ΔIをチップの外部から観
測することにより、チップ上の配線に流れる電流Iを知
ることができる。また、チップ上で電流が流れている経
路も知ることができる。
る可視光等による半導体デバイスの検査の基本概念を対
比して表わしたものである。図1と同一の要素には、同
一の参照符号を付し、同一要素についてはその説明の重
複を避けるべく適宜省略するものとする。
1を接続することで電流204を流すことができる。ま
た、電流変化検出部212を接続することで電流の変化
を検出することができる。
02からの熱(図1参照)の代わりに、可視レーザ、電
子あるいはイオンビーム213の照射による熱を用いて
いる。そして、図1で説明したと同様の各種の変化を検
出することで、半導体デバイスの検査を行うようにして
いる。このため、前記した各種問題が発生する。
デバイスの検査装置における配線電流観測および配線系
欠陥検査の原理を示したものである。図3を参照して、
本実施例は、集積回路に電圧を印加する第1の工程(ス
テップS101)と、光ファイバー先端からの熱を集積
回路チップの被観測領域に加える第2の工程(ステップ
S102)と、この際に集積回路のグランド端子から流
れる電流の変化を検出する第3の工程(ステップS10
3)と、の3つの工程からなる。
路チップの被観測領域に加える方法としては、光ファイ
バー先端部が集積回路チップに、(a)接触する場合、
(b)接触しない場合、の2通りがある。
輻射(非接触)により伝わり加熱される (2)光ファイバー先端のアパーチャからの近接場光が
しみ出し、加熱される(非接触状態) (3)光ファイバー先端のアパーチャからの遠距離場と
しての近赤外光が照射される(この場合レーザ光源は近
赤外光)ことにより加熱される(非接触状態)といった
3通りの場合がある。なお、上記(1)の場合には、ア
パーチャはなくてもよい。すなわち、光ファイバーはA
lまたはAuで先端を全てコーティングされる。
および(3)による加熱の混合の効果であるが、光ファ
イバー先端のアパーチャとチップ表面の距離がある程度
離れると、(2)の近接場の影響はなくなる。
光の波長が上述のように、約1.21μmより短い場合
には、OBIC信号を発生させるため、(3)のように
近赤外(正確には1.21μm以上の波長)を使う必要
がある。この場合、あまり長波長にするとビームが絞れ
なくなり、観測の感度及び空間分解能が悪くなる。逆に
短波長にすると、OBIC信号が強くなり、OBIRC
H信号の妨げとなる。本実施形態では、1.3μmの波
長のレーザダイオードを使用した。
上記(a)、(b)および(1)、(2)、(3)の区
別をせずに、「光ファイバー先端による加熱」というも
のとする。
の検出は、グランド端子を用いずに電源端子や信号端子
を用いることも可能である。しかしながら、出力をオー
プンにしておけば、集積回路に流れる全電流がグランド
端子に流れるので、通常はグランド端子は変化を検出す
る箇所として最も適している。このように変化の検出を
行う際に、入力端子から集積回路の特定の状態を設定す
るためのテストパタンを入力するようにすれば、その特
定の状態での観測が可能になる。
スの検査装置の原理を示したものである。従来のOBI
RCH法による可視光レーザの代わりに、光ファイバー
先端11から熱が、被試験デバイスである集積回路12
の集積回路チップ13に加えられる。集積回路12の電
源端子14には一端を接地した定電圧源15が接続され
ており、グランド端子16とグランドの間には電流変化
を検出するための電流変化検出部17が接続されてい
る。
ー先端11からの加熱により検出される電流変化をΔI
とし、この加熱による抵抗変化をΔRとすると、次式
(3)が成立する。
ら加熱された配線に流れる電流値をいう。配線にボイド
等の欠陥があると、抵抗値が増大し、これによりこの電
流値に変化が生ずる。
熱手段として光ファイバー先端11からの加熱を使用す
ることにより、従来の方法では不可能であった、製品で
のOBIRCH像やNB−OBIC像の観測が可能にな
り、電流経路の観測による故障箇所の絞り込みから欠陥
像の観測による非破壊の物理的な解析までの一連の解析
や検査が1台の装置で可能になる。
導体デバイスの検査装置の構成を示したものである。
て集積回路12が載置されている。レーザ光源23で発
生したレーザ光は、光ファイバー24からその先端11
に達し、上述のメカニズムで集積回路12のチップ上を
加熱する。試料台21には、図4にも示した定電圧源1
5および電流変化検出部17が接続されており、更にテ
ストパタン発生部26が接続されている。テストパタン
発生部26は、試料としての集積回路12を、ある特定
の状態に設定するためのテストパタンを発生するもので
ある。試料台21に接続された、これらの定電圧源1
5、電流検出部17、テストパタン発生部26は、集積
回路12の該当するピンと電気的に接続されている。
光源23およびテストパタン発生部26は、システム全
体を制御すると共に取得した信号の処理を行うためのシ
ステム制御・信号処理部27に接続されている。システ
ム制御・信号処理部27は、いずれも不図示の、CPU
(中央処理装置)と制御プログラムを格納したROM
(リード・オンリ・メモリ)や作業用のRAM(ランダ
ム・アクセス・メモリ)などからなる記憶部を備えてお
り、所定の制御動作や信号処理を行うようになってい
る。
レイ装置からなり、このシステム制御・信号処理部27
に接続されている。像・波形表示部28には、取得した
信号を処理した結果としての電流像、欠陥像または電流
波形が表示されるようになっている。
スの検査装置は、従来のOBIRCH法によるレーザビ
ームによる加熱を光ファイバー先端からの加熱に置き換
えたものである。これを、本明細書では、「OFIRC
H−BVI(Optical Fiberheat Induced Resistance C
Hange-BVI)」と表記する。ただし「BVI」は、バイ
アス(Bias)印加法のうちの、電圧印加、電流検出法で
あることを示すものである。
かの違いによって、半導体デバイスの検査方法には、4
つのバリエーションがある。
つを扱っており、他の3つは後に第2〜第4の実施例と
して説明する。
Y軸およびZ軸の3方向に各々移動自在とされている。
この試料台21に試料としての集積回路12を載置した
後、試料台21ごと移動させて集積回路12を光ファイ
バー先端11から加熱すべき位置まで移動させる。
に電力を供給し、光ファイバー先端11で集積回路12
の観測したい領域を加熱する。そして、電流像や欠陥像
を観測するときには、光ファイバー先端11を被観測領
域で走査し、電流波形を観測するときには被観測点とし
ての1点に光ファイバー先端11を静止する。また集積
回路12の特定の状態を観測したいときには、テストパ
タン発生部26からテストパタンを発生させ、所望の特
定状態にして、光ファイバー先端11からの加熱を行
う。
理動作の流れを示したものである。この処理動作の全体
的な制御は、前記したシステム制御・信号処理部27の
CPUによって行われる。
源をオンし、光ファイバー先端で加熱できる状態にした
後、デジタル的に走査を開始させる(ステップS20
1)。各走査点の滞流時間は2μSに設定されている。
での滞留時間内での電流変化を平均化し、電圧に変換す
る(ステップS202)。システム制御・信号処理部2
7はこの電圧をアナログ/ディジタル変換(AD変換)
して、前記した記憶部のその走査点に対応したメモリ番
地に記憶させる(ステップS203)。
階調にAD変換して記憶を行う。このようなステップS
202およびステップS203の処理は、被観察領域の
全領域が走査されるまで繰り返される(ステップS20
4)。
先端11での加熱を終了させると共に、走査領域に対応
したCRTの領域上の各メモリ番地に対応した点に、記
憶した電圧値に対応した輝度で256階調の表示が行わ
れる(ステップS205)。このような輝度表示の代わ
りに、記憶した電圧値をカラーの各色に対応させて、2
56色の疑似カラーで表示を行うようにしてもよい。
には、光ファイバー先端11を試料としての集積回路1
2の被観察領域でディジタル的に走査を行う(ステップ
S201)。具体的には縦512×横512の合計26
2,144点の走査が行われる。各点での滞流時間は2
μSで、1回の走査は約0.5秒となる。
を示したものである。電流波形を取得する際には、レー
ザ光源23からの光を周期2μS、パルス幅1μSのパ
ルス状にして、集積回路12の被観測点を加熱する(ス
テップS301)。
時間内での電流変化を平均化して電圧に変換する(ステ
ップS302)。システム制御・信号処理部27はこの
電圧をAD変換して、前記した記憶部のその時間に対応
したメモリ番地に記憶する(ステップS303)。
56階調でAD変換される。集積回路12に対して光フ
ァイバー先端11による加熱が所望の時間行われるまで
(ステップS304)、ステップS302およびステッ
プS303の動作が繰り返される(ステップS304;
NOの分岐参照)。
S304;YESの分岐参照)、レーザ光源23からの
光の発生を終了させると共に、像・波形表示部28とし
てのCRTに、横軸を時間、縦軸を電圧値に対応させ
て、メモリ番地に対応した各時間点に、記憶した電圧値
をプロットする(ステップS305)。この縦軸を電流
値として読み変えれば、電流波形が得られる。この際、
更に高い時間分解能を得たい場合には、パルス幅と周期
を短くすればよい。
比)が得られない場合でも、被測定電流が周期的な場合
には、この図7のステップS302からステップS30
4までの処理を電流の周期と同期させ、前記した記憶部
に記憶した電圧を積算した後に平均化すればよい。これ
により、S/N比を改善することが可能になる。
2の検査について説明する。
行う場合、まず、集積回路12の被観察領域が光ファイ
バー先端11で加熱可能な位置に来るように、試料台2
1を移動させる。そして、定電圧源15から集積回路1
2に電力を供給し、集積回路12を所望の電気的な状態
に設定するためにテストパタン発生部26から所定のテ
ストパタンを発生させ、所望の状態を設定する。
察領域を加熱し、この領域をディジタル的に走査を開始
する(図6のステップS201参照)。その後、すでに
説明した通り、図6に示したステップS202〜S20
5に従う処理を行って、電流像または欠陥像を得ること
ができる。
ある特定の時点での電流波形を得たい場合には、図7に
示したステップS301〜S305の処理によってその
電流波形を得ることができる。
体デバイスの検査装置における半導体デバイスの検査方
法の原理を示したものである。この実施例に係る方法
は、OFIRCH−BVIでバイアスをゼロにしたもの
に相当し、「OFIRCH−NBI」(Non Bia
sで、電流を検出する方法であることを示す)と表記す
る。
光ファイバー先端で集積回路チップ上を加熱し(ステッ
プS111)、この集積回路のグランド端子から出力さ
れる電流の変化を検出するようにしている(ステップS
112)。電流変化の検出は、グランド端子ではなく電
源端子や信号端子で行うようにしてもよい。また、電流
を検出する端子以外の端子は、接地しても開放(オープ
ン)にしてもよいし、他の適切な電位に固定してもよ
い。以上のような組み合わせは莫大な数になるが、本実
施例では、グランド端子から出力される電流の変化を検
出する2つの例を次に示す。
検査装置の構成の一例を示したものであり、集積回路1
2の電源端子14が接地された状態を表わしたものであ
る。図9において、前記第1の実施例の説明で参照した
図4と、同一要素には同一の参照符号を付しており、こ
れらの説明を適宜省略する。
加熱箇所の熱電能が作用し、電位差が発生した際の電流
変化ΔIが検出される。
イスの検査装置の構成の他の例を示したものであり、集
積回路12の電源端子14が開放(オープン)された状
態を示したものである。図10において、図9と同一要
素には同一の参照符号を付しており、これらの説明を適
宜省略する。
加熱により、加熱箇所の熱電能が作用し、電位差が発生
した際の電流変化ΔIが検出される。電流の発生は過渡
的であるため、このように電源端子がオープンの場合に
も電流変化ΔIの検出が可能である。
は未だ明らかにされていないが、現時点では2通りの解
釈がされている。1つの解釈は、欠陥が存在する箇所の
熱電能は、欠陥が存在しない箇所のそれと異なるため、
電流が発生し、欠陥を検出できるとするものである。も
う1つの解釈は、欠陥がある箇所で熱伝導が変化するた
め、温度勾配の不均一ができて、熱電能による電流が発
生するとするものである。
導体デバイスの検査装置すなわち配線系欠陥検査装置の
構成を示したものである。図11において、前記第1の
実施例の説明で参照した図5と同一要素には同一の参照
符号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
に係る装置では、定電圧源15およびテストパタン発生
部26を括弧で囲って示しているが、これはこれら定電
圧源15およびテストパタン発生部26が存在する場合
と存在しない場合の2つの場合があることを示すもので
ある。
生部26が存在しない場合:この場合には、光ファイバ
ー先端11での加熱箇所によらず、図9または図10に
示した原理による観測ができる。
生部26が存在する場合:この場合には、装置の構成が
第1の実施形態の図5で示したものと同一になる。すな
わち、光ファイバー先端11で加熱した配線に十分な電
流が流れている場合には、図4に示した原理で観測が行
われる。これは、前記第1の実施例と同じである。
照射箇所の配線に十分な電流が流れていない場合には、
図9又は図10に示した原理による観測が行われること
になる。
流波形の観測はできず、欠陥像の観測ができるのみであ
る。しかし、電流が流れていない箇所の観測も可能であ
り、この点で第1の実施例に比べて、観測可能な場合が
多い。但し、欠陥像の観測の場合における、欠陥の検出
感度および空間分解能は、図4に示した原理による方
が、図9又は図10に示した原理によりも、優っている
ことが実験的に示されている。したがって、双方の特徴
を生かした使い分けが必要である。
する際の処理の流れは、前記第1の実施例の説明で参照
した図6に示したものと同じであり、その説明を省略す
る。
導体デバイスの検査装置における半導体デバイスの検査
方法の原理を示したものである。この方法では、電流を
印加して、電圧の変化を検出するものであり、「OFI
RCH−BIV」(BIVはBias印加法の内で、電
流印加、電圧検出法であることを示す)と表記する。
路の電源とグランド間に電流を供給する(ステップS1
21)。そして、光ファイバー先端で集積回路チップ上
を加熱し(ステップS122)、この集積回路の電源・
グランド端子間の電圧の変化を検出するようにしている
(ステップS123)。
導体デバイスの検査装置の構成の一例を示したものであ
る。図13において、前記第1の実施例の説明で参照し
た図4と同一要素には同一の参照符号を付しており、こ
れらの説明を適宜省略する。
ド端子16は接地されており、電源端子14には一端を
それぞれ接地した電圧変化検出部31と定電流源32が
接続されている。本実施例では、集積回路12の電源・
グランド端子14、16間の電圧の変化を電圧変化検出
部31で検出することにしているが、電圧変化の検出
は、電源・グランド端子14、16間ではなく、他の端
子間で行ってもよい。但し、通常は、電源・グランド端
子14、16間が集積回路チップ13全体の変化を最も
反映するので、変化を検出する箇所として最も適してい
る。電圧変化の検出の際に、入力端子から集積回路12
の特定の状態を設定するためのテストパタンを入力すれ
ば、その特定の状態での観測を行うことができる。
は、次式(4)で表わすことができる。
加熱による電圧変化を示し、ΔRは光ファイバー先端1
1での加熱による抵抗変化を示す。ボイド等の欠陥があ
ると、抵抗変化ΔRの増加が大きくなる。上式(4)に
おいて、Iは光ファイバー先端11で加熱した配線に流
れる電流である。
第3の実施例に係る半導体デバイスの検査装置でも、ボ
イド等の欠陥だけでなく、光ファイバー先端11で加熱
した配線の電流の観測も行うことができる。
体デバイスの検査装置すなわち配線系検査装置の構成を
示したものである。図14において、前記第1の実施例
の説明で参照した図5と同一要素には同一の参照符号を
付しており、これらの説明を適宜省略する。
例に係る装置と、を比較すると、電流変化検出部17
(図5)が電圧変化検出部41に置き換えられており、
定電圧源15(図5)が定電流源42に変わっている。
電圧変化の検出の方が電流変化の検出よりも容易に実行
することができるので、この第3の実施例に係る装置
は、この点で前記第1の実施例に係る装置よりも有利で
ある。
導体デバイスの検査装置における半導体デバイスの検査
方法の原理を示したものである。この方法は、OFIR
CH−BIVでバイアスをゼロにしたものに相当し、
「OFIRCH−NBV」(Non Biasで、電圧
を検出する方法であることを示す)と表記する。
先端で集積回路チップ上を加熱し(ステップS13
1)、集積回路の電源端子とグランド端子間の電圧の変
化を検出するようになっている(ステップS132)。
子間で行われる必要はなく、他の端子間で行ってもよ
い。ただし、通常は電源端子とグランド端子間が、集積
回路チップ全体の変化を最もよく反映するので、変化を
検出する箇所としては最適である。また、電圧を検出す
る端子以外は、接地しても開放(オープン)にしてもよ
いし、他の適切な電位に固定してもよい。以上のような
組み合わせは莫大な数となるが、ここでは次に2つの例
を示す。
デバイスの検査装置の構成の一例として、被試験デバイ
スである集積回路12のグランド端子16が接地された
例を示したものである。図16において、前記第1の実
施例の説明で参照した図4と同一要素には同一の参照符
号を付しており、これらの説明を適宜省略する。
ド端子16は接地されており、電源端子14には一端を
接地した電圧変化検出部33が接続されている。光ファ
イバー先端11での加熱により、被照射箇所の熱電能が
作用し、その結果電位差が現われる。電圧変化検出部3
3は、この電圧の変化ΔVを検出する。
デバイスの検査装置の構成の他の例として、被試験デバ
イスである集積回路12のグランド端子16が開放され
た例を示したものである。図17において、図16と同
一要素には同一の参照符号を付しており、これらの説明
を適宜省略する。図16および図17の装置では、欠陥
の有無による熱電能の差により、欠陥の検出ができるこ
とになる。この実施例では、電流像や電流波形の観測を
行うことができず、欠陥像の観測ができるのみである。
導体デバイスの検査装置すなわち配線系欠陥検査装置の
構成を示したものである。図18において、前記第3の
実施例の説明で参照した図14と同一要素には同一の参
照符号を付しており、重複を避けるため、これらの説明
を適宜省略する。
に係る装置では、定電流源42およびテストパタン発生
部26に括弧を付しているが、これはこれら定電流源4
2およびテストパタン発生部26が存在する場合と存在
しない場合の2つの場合があることを示すものである。
生部26が存在しない場合:この場合には、光ファイバ
ー先端11での加熱箇所によらず、図16または図17
に示した原理による観測ができる。
生部26が存在する場合:この場合には、装置の構成
が、前記第3の実施例の説明で参照した図14に示した
ものと同一となる。すなわち、光ファイバー先端11に
より加熱した配線に十分な電流が流れている場合には、
図13に示した原理で観測が行われる。これは、前記第
3の実施例と同じである。
り加熱した配線に十分な電流が流れていない場合には、
図16あるいは図17に示した原理による観測が行われ
ることになる。
および図17で説明した通り、電流像や電流波形の観測
を行うことができず、欠陥像の観測ができるのみであ
る。しかしながら、電圧変化の検出の方が電流変化の検
出よりも容易に実行することができるので、この第4の
実施例も有効である。
DQ不良品の電流経路を検出する場合を例にとって、図
4および図5を参照しながら説明する。
CMOS LSIの不具合モードの1つであり、ある準
静止状態(Quiescent)で電源電流が正常のも
のに比べて大きい場合をいう。現在OBIRCHでは、
例えば数μA程度の検出感度があるためIDDQ不良で
数μA程度以上の電流が流れる場合には、その電流経路
の観測を電流像として行うことができる。したがって、
このような場合には、集積回路チップ13上のどこに電
流経路があるかを発見することができる。例えば集積回
路チップ13が10mm角の場合、2mm角の視野で探
せば、最悪の場合であっても25か所の視野を見ること
で異常な電流経路を発見することができる。
えば特願平7−025758号に記載されているよう
に、配線箇所のみを選択して可視レーザビームを照射す
ることも可能である。しかしながら、この選択走査法で
はこのように広い視野での電流像の取得は非常に困難で
ある。例えば2mm角の視野を観測する場合、通常のデ
ジタル走査に用いる512×512ピクセルの走査で
は、1ピクセルの占める面積は4μm×4μmにもな
り、1μm幅の配線部分のみレーザビームを照射するこ
とは不可能であり、OBIC信号が発生する。一方、本
発明による方法では、このような問題は発生しない。
DDQ不良ほど簡単でないような場合には、良品(KG
D;Known Good Device)と比較する方法が最も容易で
ある。この際には、試料台21を移動することで良品と
不良品の同一箇所を交互に観測する。この際に、電流像
が複雑な場合、良品での電流像と不良品での電流像の差
像をとれば、電流経路の異なる箇所を容易に識別するこ
とができる。差像をとる方法としては、基本的には元の
像の各ピクセルごとの輝度の値の差を差像の各ピクセル
ごとの輝度の値として用いるのが最も一般的であり、ま
た簡便である。異常箇所を見やすくする方法として良品
と不良品の差像を取る方法はEBテスタ(電子ビームテ
スタ)により取得した電位分布像についても行われてい
るが、EBテスタの場合は、被観測デバイスが真空中に
あるため良品と不良品を交換する機構が複雑になるのに
対して、本発明によれば、この交換は大気中で行えるた
め、このような交換の機構は簡易なもので済むという利
点を有する。
7に記載の発明によれば、光ファイバー先端による加熱
を試料としての半導体デバイスで行い、任意の端子間に
現われる電圧の変化あるいは任意の端子に流れる電流の
変化を検出するようにしたことにより、配線やビアとい
った配線系の検査を、半導体基板が観測系に含まれる場
合でも可能にすることができる。したがって、従来は困
難であった実製品での配線系の電流観測や欠陥検出を可
能にすることができる。
概念を示す説明図である。
念を示す説明図である。
検査装置における半導体デバイスの検査方法を示す流れ
図である。
の検査装置の原理を示した説明図である。
の検査装置の構成を示したブロック図である。
は欠陥像を取得する際の処理動作を示した流れ図であ
る。
得する際の処理動作を示した流れ図である。
検査装置における半導体デバイスの検査方法の原理を示
した流れ図である。
検査装置の構成の一例で電源端子が接地された状態を示
した説明図である。
の検査装置の構成の他の例で電源端子が開放された状態
を示した説明図である。
の検査装置の構成を示したブロック図である。
の検査装置における半導体デバイスの検査方法の原理を
示した流れ図である。
の検査装置の構成の一例を示した説明図である。
スの検査装置の構成を示したブロック図である。
の検査装置における半導体デバイスの検査方法の原理を
示した流れ図である。
の検査装置の構成の一例でグランドが接地された例を示
した説明図である。
の検査装置の構成の他の例としてグランドが開放された
例を示した説明図である。
の検査装置の構成を示したブロック図である。
構成をブロック図にて示した図である。
Claims (7)
- 【請求項1】レーザ光源から、その先端を先細り形状と
し先端部に導入レーザ光の波長程度以下の開口部を残し
て先端近傍が金属で覆われた、もしくは開口無しに先端
近傍が金属で覆われた、光ファイバーに、レーザ光を導
入しながら、半導体デバイスの被観測領域に前記光ファ
イバーの先端部を接触させ、前記レーザ光の導入による
前記被観測領域への加熱に伴って前記半導体デバイスの
所定の端子に現われる電流の変化又は電圧の変化を検出
し、前記被観測領域の配線系欠陥の検査を行うことを特
徴とする半導体デバイスの配線系欠陥検査方法。 - 【請求項2】レーザ光源から、その先端を先細り形状と
し先端部に導入レーザ光の波長程度以下の開口部を残し
て先端近傍が金属で覆われた、もしくは開口無しに先端
近傍が金属で覆われた、光ファイバーに、レーザ光を導
入しながら、半導体デバイスの被観測領域に前記光ファ
イバーの先端部を接触させ、前記レーザ光の導入による
前記被観測領域への加熱に伴って前記半導体デバイスの
所定の端子に現われる電流の変化又は電圧の変化を検出
し、前記被観測領域の配線電流の観測を行うことを特徴
とする半導体デバイスの配線電流観測方法。 - 【請求項3】レーザ光源から、その先端を先細り形状と
し先端部に導入レーザ光の波長程度以下の開口部を残し
て先端近傍が金属で覆われた、もしくは開口無しに先端
近傍が金属で覆われた、光ファイバーに、レーザ光を導
入しながら、半導体デバイスの被観測領域に前記光ファ
イバーの先端部を非接触で近付け、前記レーザ光の導入
による前記被観測領域への加熱に伴って前記半導体デバ
イスの所定の端子に現われる電流の変化又は電圧の変化
を検出し、前記被観測領域の配線系欠陥の検査を行うこ
とを特徴とする半導体デバイスの配線系欠陥検査方法。 - 【請求項4】レーザ光源から、その先端を先細り形状と
し先端部に導入レーザ光の波長程度以下の開口部を残し
て先端近傍が金属で覆われた、もしくは開口無しに先端
近傍が金属で覆われた、光ファイバーに、レーザ光を導
入しながら、半導体デバイスの被観測領域に前記光ファ
イバーの先端部を非接触で近付け、前記レーザ光の導入
による前記被観測領域への加熱に伴って前記半導体デバ
イスの所定の端子に現われる電流の変化又は電圧の変化
を検出し、前記被観測領域の配線電流の観測を行うこと
を特徴とする半導体デバイスの配線電流観測方法。 - 【請求項5】前記レーザ光源として近赤外レーザ光源を
用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一に記
載の半導体デバイスの検査方法。 - 【請求項6】レーザ光源から、その先端を先細り形状と
し先端部に導入レーザ光の波長程度以下の開口部を残し
て先端近傍が金属で覆われた、もしくは開口無しに先端
近傍が金属で覆われた、光ファイバーに、レーザ光を導
入しながら、半導体デバイスの被観測領域に前記光ファ
イバーの先端部を接触状態又は非接触状態で走査する手
段、 前記レーザ光の導入による前記被観測領域への加熱に伴
って前記半導体デバイスの所定の端子に現われる電流の
変化または電圧の変化を検出する手段、及び、 前記電流又は電圧の変化を走査場所に対応させて、像と
して表示する手段、 を含むことを特徴とする半導体デバイスの検査装置。 - 【請求項7】レーザ光源から、その先端を先細り形状と
し先端部に導入レーザ光の波長程度以下の開口部を残し
て先端近傍が金属で覆われた、もしくは開口無しに先端
近傍が金属で覆われた、光ファイバーに、レーザ光を導
入しながら、半導体デバイスの被観測領域に前記光ファ
イバーの先端部を接触または非接触状態にてある一点に
静止させる手段、 前記レーザ光の導入による前記被観測領域への加熱に伴
って前記半導体デバイスの所定の端子に現われる電流の
変化又は電圧の変化を検出する手段、及び、 前記電流又は電圧の変化の時間変化を表示する手段、 を含むことを特徴とする半導体デバイスの検査装置。
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