JP3143853B2 - 使用済核燃料の回収方法及びその装置 - Google Patents

使用済核燃料の回収方法及びその装置

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JP3143853B2 JP31269895A JP31269895A JP3143853B2 JP 3143853 B2 JP3143853 B2 JP 3143853B2 JP 31269895 A JP31269895 A JP 31269895A JP 31269895 A JP31269895 A JP 31269895A JP 3143853 B2 JP3143853 B2 JP 3143853B2
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  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾式再処理装置に
おける使用済核燃料からの核燃料物質の回収方法及びそ
の装置に関する。更に詳しくは、使用済核燃料からウラ
ン、プルトニウム等の有用金属を酸化物の形態で連続的
に回収する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、使用済核燃料の再処理では、未燃
焼の核分裂性物質や新しく生成した核分裂性物質を分離
回収するために、いわゆる湿式法と呼ばれる再処理が行
われている。湿式法における前処理工程においては「剪
断リーチ法」が一般的に行われている。この剪断リーチ
法は剪断刃により使用済核燃料棒を燃料集合体の状態で
その直径方向に被覆管ごと数cmの長さに切断してその
まま高温度の濃硝酸溶液中に入れ、核燃料を浸出溶解さ
せる方法である。硝酸溶液に溶解した後はいわゆる「ピ
ュレックス法」と呼ばれる溶媒抽出法で、有機溶媒への
溶解度の違いによりウランやプルトニウムを分離回収し
ている。一方、近年においては電気分解の原理を利用し
た乾式法と呼ばれる再処理技術が開発されつつある。こ
の乾式法では使用済核燃料を塩化物に転換し、この塩化
物を溶融した溶融塩浴の中で電気化学的に精製してい
る。この乾式法は従来の湿式法に比較して水を使用せ
ず、従って設備をコンパクト化できるとともに、廃液の
発生もなくすことができる利点があり、使用済核燃料か
らウランとプルトニウムを低除染で分離することができ
るため、核拡散抵抗性が高いといわれている。
【0003】例えば、使用済核燃料を塩素化し、溶融塩
電解法によって金属として回収する方法が米国アルゴン
ヌ研究所で研究されており、また、実際に使用済核燃料
を塩素化し溶融塩電解法で酸化物として回収する方法が
ロシア原子炉科学研究所(RIAR)で行われている
(神山弘章,”ロシアにおける高温電気化学再処理技
術”,電気化学 第40巻 第31〜39頁)。実際にロ
シア原子炉科学研究所(RIAR)で行われている溶融
塩電解法はバッチ型のるつぼを使用して使用済核燃料を
塩素化し、オキシクロライド化合物を生成させ、溶融塩
中に溶解させる。次ぎに、電気分解によって溶融塩中に
とけ込んだウラン化合物イオンを電極上に回収する。ウ
ランが回収された溶融塩には塩素ガス及び酸素の混合ガ
スが吹き込まれ、プルトニウムを沈殿析出させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ロシア
原子炉科学研究所(RIAR)で行われている溶融塩電
解法ではバッチ処理を前提としており、これを連続処理
法とするためには処理装置を最低2基設け、これらを交
互に切換えて使用するか、或いは処理装置を大容量にし
て1回の処理量を増大させる必要がある。切換えて使用
する場合には切換え操作が煩雑になり、また処理装置を
大容量にする場合には装置自体が大型化するなどの問題
点がある。また、核燃料を取扱う装置は核燃料の臨界安
全管理上、核燃料の取扱量や装置の大きさ、厚み、幅等
の寸法や形状に制限があり、バッチ型の処理ではその処
理能力に限界がある。本発明の目的は、コンパクトな形
状で、かつ臨界安全管理上問題を生じることがない使用
済核燃料の回収方法及びその装置を提供することにあ
る。本発明の別の目的は、使用済核燃料から有用な金属
元素を連続的に回収する使用済核燃料の回収方法及びそ
の装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、傾斜した底面11aに沿って少なく
とも3室からなる反応室15a〜15fを有し貯えた核
燃料が臨界にならない厚さを有する平板状に密閉して形
成された回収槽11に反応媒体である塩化物支持塩を溶
融塩として貯留し、最上位に位置する反応室15aより
使用済核燃料酸化物を供給し、この反応室15aを含む
上位に位置する反応室15a,15bで順次酸化物中の
放射性金属をこの塩化物溶融塩中に含まれる反応物質と
反応させることによりこの金属のオキシクロライドを含
む塩化物に転換し、中位に位置する反応室15c,15
dで上記金属のオキシクロライドを溶融塩電解して電極
13bに放射性金属酸化物(例えば、主として二酸化ウ
ラン)を析出回収し、下位に位置する反応室15e,1
5fで塩素ガス及び酸素を塩化物溶融塩に吹き込んで溶
融塩中に残存する別の放射性金属酸化物(例えば、主と
して二酸化プルトニウム)を沈殿析出させ、最下位に位
置する反応室15fより上記別の放射性金属酸化物(例
えば、主として二酸化プルトニウム)の析出物を含む液
状の溶融塩を排出させ、この析出物を溶融塩から濾過分
離する使用済核燃料の回収方法である。なお、本明細書
において上記「塩化物溶融塩中に含まれる反応物質」と
は、次の式(1)〜(4)に示すようにCl2及びCの
いずれか一方又は双方をいう。
【0006】請求項2に係る発明は、図3に示すよう
に、請求項1に係る発明であって、使用済核燃料から放
射性金属(例えば、ウラン)のオキシクロライドを含む
塩化物に転換する塩化工程と、このオキシクロライドを
溶融塩電解して電極13bに放射性金属酸化物(例え
ば、二酸化ウラン)を析出回収する電解工程とが繰返さ
れる使用済核燃料の回収方法である。使用済核燃料中に
例えばウランが多量に含まれている場合には、上記塩化
工程と上記電解工程を繰返すことにより、少ない反応室
でウラン全量を析出回収することができる。この点にお
いてバッチ処理である従来の回収装置と比較して塩化と
電解を単一の回収槽11において簡単に行うことができ
る。
【0007】請求項3に係る発明は、図4に示すよう
に、請求項1又は2に係る発明であって、別の放射性金
属酸化物(例えば、二酸化プルトニウム)の析出物を溶
融塩から濾過分離した後の溶融塩に沈殿剤を投入してこ
の溶融塩中に残存する放射性核分裂生成物(例えば、セ
シウム、ストロンチウムの化合物)を析出させ、この放
射性核分裂生成物を溶融塩から濾過分離し、濾過後の溶
融塩を回収槽11の塩化物支持塩として再利用する使用
済核燃料の回収方法である。
【0008】請求項4に係る発明は、図1に示すよう
に、傾斜した底面11aを有し貯えた核燃料が臨界にな
らない厚さを有する平板状に密閉して形成されかつ反応
媒体である塩化物支持塩を溶融塩として貯留可能な回収
槽11と、この回収槽11の内部に少なくとも3室から
なる反応室15a〜15fを形成しかつ上位の反応室か
ら下位の反応室に溶融塩が流れるように回収槽11の底
面11aに上方に向けて設けられた下部仕切板12と、
最下位の反応室15fを除く反応室15a〜15e内に
上方から下方に向けて設けられ上位の反応室から下位の
反応室への溶融塩のショートパスを防止する上部仕切板
16と、塩化物支持塩の融点以上900℃以下の温度に
加熱して反応室15a〜15fの温度をそれぞれ制御す
る温度制御手段17と、最上位に位置する反応室15a
に設けられ塩化物支持塩又は使用済核燃料酸化物と塩化
物支持塩を供給する供給口18と、最下位に位置する反
応室15fに設けられ液状の溶融塩を排出する排出口1
4と、最上位及び最下位に位置する反応室15a,15
fを除く1又は2以上の反応室15a,15bに設けら
れ貯留された溶融塩を電解してウランを析出回収する電
極13a,13bと、この電極13a,13bが設けら
れた反応室15c,15dを除く反応室15a,15
b,15e,15fに配設されこれらの反応室に貯留さ
れた溶融塩中にガスを導入するガス導入手段19と、そ
れぞれの反応室15a〜15fの廃ガスを反応室毎に排
出する廃ガス排出手段21とを備えた使用済核燃料の回
収装置である。
【0009】本発明の使用済核燃料酸化物(以下「原
料」という)としては、ウラン、プルトニウム、及び放
射性核分裂生成物であるセシウム、ストロンチウム等の
各種の酸化物が挙げられる。使用済核燃料の組成比に起
因して、溶融塩電解で陰極に析出される金属酸化物は主
として二酸化ウランであり、溶融塩電解後の溶融塩中に
沈殿析出する金属酸化物は主として二酸化プルトニウム
である。また反応媒体である塩化物支持塩には塩化ナト
リウム、塩化カリウムなどをそれぞれ単独使用するか、
又はこれらを併用する。併用することにより支持塩の融
点が低下し好ましい。更にこれらの支持塩に塩化リチウ
ムを加えると塩化物支持塩の融点がより一層低下し好ま
しい。複数の反応室は少なくとも3室必要であるが、図
示するように6室でも、或いは4室、5室、7室以上で
もよい。この室数は回収する使用済核燃料の単位時間当
たりの回収量、必要滞留時間(反応時間)等に応じて適
宜増減される。温度制御手段17による加熱は塩化物支
持塩の融点以上900℃以下の温度に加熱して反応室1
5a〜15fの温度を制御することが必要である。電極
13a及び13bはそれぞれ陽極及び陰極であって、反
応室毎に一対設けられる。これらの電極13a,13b
は上記加熱温度で溶融しない導電性物質であればよく、
鉄、タングステン、モリブデン、黒鉛等が例示される。
陽極は耐食性の点で特に黒鉛が望ましい。装置の供給口
18からは始動時には塩化物支持塩が供給され、装置稼
働中には原料及び塩化物支持塩の混合物が供給される。
この原料は平均粒径が50〜500μm程度の範囲にな
るように予め粉砕しておくことが好ましい。より好まし
くは50〜200μm程度である。但し、反応室を増や
し反応させる時間を長くすれば、原料の平均粒径が50
0μm以上であってもよい。
【0010】請求項5に係る発明は、図1に示すよう
に、請求項4に係る発明であって、電極13a,13b
が設けられた反応室15c,15dを除く反応室15
a,15b,15e,15fに配設されたガス導入手段
19により導入されるガスが塩素ガスを含み、この反応
室15c,15dより下位に位置する反応室15e,1
5fに設けられたガス導入手段19により導入されるガ
スが塩素ガスに加えて更に酸素を含む使用済核燃料の回
収装置である。
【0011】(a) 塩化工程 反応室内の塩化物支持塩が溶融塩となった後で、供給口
18から原料を供給すると、最上位の反応室で原料はガ
ス導入手段19から導入されるガスにより溶融塩中で撹
拌され、溶融塩と混合される。導入ガスはArガスのよ
うな不活性ガスである他に、この不活性ガスに塩素ガス
を含ませることにより反応が行われる。塩素ガスの不活
性ガス中の含有量は5〜50容積%が好ましい。この時
原料中の金属酸化物は、一緒に供給される還元剤ととも
に、反応室に貯留した塩化物溶融塩中に含まれる反応物
質(Cl2,C)と反応して塩化物に転換される。使用
済核燃料酸化物中の二酸化ウランの反応は以下の式
(1)及び式(2)に示される。また使用済核燃料酸化
物中の二酸化プルトニウムの反応は以下の式(3)及び
式(4)に示される。 UO2+Cl2 → UO2Cl2 ……(1) UO2Cl2+C+Cl2 → UCl4+CO2 ↑ ……(2) PuO2+2Cl2 → PuCl4+O2 ↑ ……(3) PuO2+Cl2 → PuO2Cl2 ……(4) 上記反応より、原料中の酸素は、二酸化炭素ガス又は酸
素となって、廃ガスとして廃ガス排出手段21により排
出される。上位の反応室で上記式(1)、(3)の反応
が直ちに発生するようにする。上位の反応室が1室又は
2室では反応が完了しない場合には、上位の反応室を3
室以上に多室化する。
【0012】(b) 電解工程 ウランやプルトニウムのような放射性金属のオキシクロ
ライドを含む塩化物は溶融塩の形態で電解工程である中
位の反応室に流下する。この中位の反応室では、UO2
Cl2やPuO2Cl2のようなオキシクロライド化合物
が電解還元され、UCl4やPuCl4のような塩化物は
未反応のまま下位の反応室に流下する。即ち、中位の反
応室に設けられた電極(陰極)13bに二酸化ウラン、
二酸化プルトニウムが電気化学的に析出し回収される。
これらの反応は以下の式(5)及び式(6)に示され
る。 UO2Cl2 → UO2+Cl2 ↑ ……(5) PuO2Cl2 → PuO2+Cl2 ↑ ……(6) 上記反応より発生する塩素ガスは廃ガスとして廃ガス排
出手段21により排出される。先の塩化工程において酸
化ウランのみオキシクロライドとなるようにして反応を
行わせる((1)式)ため、この電解工程では主にウラ
ンのみが回収される。ここで電極13bを交換可能に構
成することにより電解自体が連続的に行われ、二酸化ウ
ラン、及び一部の二酸化プルトニウム等の放射性金属酸
化物を連続的に回収できる。電極13bに析出した二酸
化ウラン、二酸化プルトニウム等の放射性金属酸化物は
機械的方法で電極より剥離される。
【0013】(c) 沈殿析出工程 上記放射性金属酸化物(主として二酸化ウラン)を回収
した後の溶融塩は沈殿析出工程である下位の反応室に流
下する。この溶融塩にはプルトニウムの塩化物(PuC
4)が含まれ、この下位の反応室で別の放射性金属酸
化物である二酸化プルトニウムを沈殿析出する。即ち、
溶融塩中のプルトニウムの塩化物(PuCl4)は下位
の反応室に設けられたガス導入手段19から導入される
酸素と反応して二酸化プルトニウムに転換される。これ
らの反応は以下の式(7)に示される。 PuCl4+O2 → PuO2+2Cl2 ↑ ……(7) この反応より発生する塩素ガスは廃ガスとして廃ガス排
出手段21により排出される。下位の反応室に設けられ
たガス導入手段19から導入されるガスとしては反応ガ
スとしての酸素の他に撹拌用のArガス及び酸素分圧調
整用の塩素ガスを含ませる。塩素ガスを含ませることに
より、酸素分圧が調整され、他の放射性核反応生成物の
金属酸化物への転換が抑制される。このために、酸素の
Arガスのような不活性ガス中の含有量は5〜50容積
%が、また塩素ガスのArガス中の含有量は1〜30容
積%が好ましい。沈殿析出した二酸化プルトニウムはガ
ス導入手段19から導入されるガスにより溶融塩中に浮
遊し回収槽11の底面11aに沈殿することなく、排出
口14から溶融塩とともに排出される。
【0014】次に、その他の上述した塩化工程、電解工
程及び沈殿析出工程について説明する。全般的に溶融塩
は上部仕切板16によりショートパスすることなく、ま
た下部仕切板12により十分な反応時間を与えられて最
上位の反応室から順次最下位の反応室まで流下する。そ
れぞれの回収槽における反応は、温度制御手段17によ
り制御される温度により速度、収率が変化する。この場
合の溶融塩の温度としては400〜900℃の範囲で行
うことが好ましいが、ウランのオキシクロライドの安定
性、反応速度などから600〜800℃が更に好まし
い。沈殿析出工程では析出物の粒径は温度が高くなると
ともに大きくなる傾向があるため、溶融塩の温度として
は500〜800℃の範囲で行うことが好ましい。電解
工程では電極13a,13bに印加される電圧を調整す
ることにより、また塩化工程及び沈殿析出工程ではガス
導入手段19により導入される撹拌ガスの濃度、供給量
等を調整することにより、それぞれ処理能力を変化さ
せ、また異なる種類の析出物を回収することができる。
【0015】図4に示すように、排出口14から排出さ
れた溶融塩は、多孔質のフィルタ等の濾過装置を用いて
濾過され、固形分である二酸化プルトニウムが回収さ
れ、再利用される。二酸化プルトニウムを濾過回収した
後の溶融塩は残存する放射性核分裂生成物を除去し、除
去後の溶融塩が回収槽の塩化物支持塩として再利用され
る。この放射性核分裂生成物の除去は、溶融塩にリン酸
等の沈殿剤を投入し溶融塩中に残存する放射性核分裂生
成物を析出させ、放射性核分裂生成物を溶融塩から濾過
分離することにより行われる。分離された放射性核分裂
生成物は放射性廃棄物処理される。この装置は、図4に
示すように、図1に示した回収装置と同様の回収槽と、
下部仕切板と、上部仕切板と、温度制御手段と、供給口
と、排出口と、ガス導入手段と、廃ガス排出手段とによ
り構成することもできる。
【0016】請求項6に係る発明は、図1に示すよう
に、請求項5に係る発明であって、廃ガス排出手段21
が少なくとも3室からなる反応室15a〜15fの頂部
にそれぞれ接続された廃ガス排出管21aを備え、ガス
導入手段19が少なくとも3室からなる反応室15a〜
15eの頂部を貫通して先端が反応室15a〜15eの
底部に伸び先端にガス噴出部19aを有するガス導入管
19bを備えた使用済核燃料の回収装置である。
【0017】請求項7に係る発明は、請求項6に係る発
明であって、塩素ガスを含むガスが導入される反応室1
5a,15bが2室以上設けられ、これらの反応室のう
ち下位の反応室15bの頂部に接続された廃ガス排出管
21aと上位の反応室15aの頂部を貫通したガス導入
管19bとを連通する第1連通管22が廃ガス排出管2
1aとガス導入管19bとの間に第1切換弁22aを介
して接続され、廃ガス排出管21aから排出される廃ガ
スが第1連通管22を通ってガス導入管19bに連通す
るように廃ガス排出管21a及びガス導入管19bに第
2切換弁21b及び第3切換弁19cがそれぞれ設けら
れた使用済核燃料の回収装置である。
【0018】請求項8に係る発明は、請求項6に係る発
明であって、塩素ガスと酸素を含むガスが導入される反
応室15e,15fが2室以上設けられ、これらの反応
室のうち下位の反応室15fの頂部に接続された廃ガス
排出管21aと上位の反応室15eの頂部を貫通したガ
ス導入管19bとを連通する第2連通管23が廃ガス排
出管21aとガス導入管19bとの間に第4切換弁23
aを介して接続され、廃ガス排出管21aから排出され
る廃ガスが第2連通管23を通ってガス導入管19bに
連通するように廃ガス排出管21a及びガス導入管19
bに第5切換弁21c及び第6切換弁19dがそれぞれ
設けられた使用済核燃料の回収装置である。原料と塩化
物支持塩を供給する際には、各反応室にガスを導入して
溶融塩を撹拌する。ガスの供給手段としては、各室に設
けたガス導入管から撹拌用のガスを独立して供給しても
よく、それぞれの第1及び第4切換弁22a,23aを
開き、第2,第3,第5及び第6切換弁21c,21
d,19c及び19dを閉じて下位の反応室の廃ガス排
出管21aから排出される廃ガスをそれぞれの第1及び
第2連通管22,23を介して上位の反応室のガス導入
管19bに送り込んでもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づいて詳しく説明する。図1及び図2に示すように、
使用済核燃料の回収装置の回収槽11は傾斜した底面1
1aを有する回収槽本体11bと、その上面に密閉して
設けられた蓋11cとにより構成される。回収槽11は
反応媒体である塩化物支持塩を溶融塩として貯留可能で
あって、貯えた核燃料が臨界にならない厚さを有する平
板状に形成される。この回収槽11の内部にこの実施の
形態では6つの反応室15a,15b,15c,15
d,15e及び15fを形成する5枚の下部仕切板12
が回収槽11の底面11aに間隔をあけて鉛直方向に設
けられる。これらの仕切板12は塩化物支持塩である溶
融塩が上位の反応室から下位の反応室に流れるようにほ
ぼ同一の高さを有する。
【0020】最下位の反応室15fを除く4つの反応室
15a〜15e内には上方から下方に向けて5枚の上部
仕切板16が回収槽11の頂面に間隔をあけて設けられ
る。これらの仕切板16の下端は下部仕切板12の上端
より低い位置まで延び、上位の反応室から下位の反応室
への溶融塩のショートパスを防止するようになってい
る。図2に示すように、回収槽11の外側面には各反応
室15a,15b,15c,15d,15e及び15f
毎に各反応室の温度を上昇させるヒータ17aが設けら
れる。ヒータ17aはコントローラ17により温度が塩
化物支持塩の融点以上900℃以下の温度に加熱して反
応室15a〜15fの温度を制御する。
【0021】図1に示すように、最上位に位置する反応
室15aの上方には塩化物支持塩又は使用済核燃料酸化
物の原料のシュート18aが取付けられ、シュート上端
には供給口18が設けられる。供給口18からは、装置
の始動時に塩化物支持塩が供給され、装置の稼働中には
使用済核燃料酸化物とその還元剤との混合物及び塩化物
支持塩が供給される。還元剤を使用する場合には炭素粉
末、即ち黒鉛粉末を使用する。最下位に位置する反応室
15fには液状の溶融塩を排出する排出管14aが取付
けられ、排出管14aは排出口14を有する。
【0022】中位に位置する2つの反応室15c,15
dには、溶融塩中のオキシクロライドを電解してウラン
を析出回収する一対の電極13a,13bが蓋11cを
貫通してその先端が底部に伸びてそれぞれ設けられ、そ
れ以外の反応室15a,15b,15e,15dには、
それらの反応室15a〜15fに貯留された溶融塩中に
ガスを導入してその溶融塩を撹拌するガス導入手段19
がそれぞれ設けられる。また、全ての反応室15a〜1
5fには各反応室で発生した廃ガスを反応室毎に排出す
る廃ガス排出手段21とが設けられる。
【0023】最上位に位置する反応室15a及びその下
位に位置する反応室15bに設けられたガス導入手段か
らは塩素ガスを含むArガスが導入される。最下位に位
置する反応室15f及びその上位に位置する反応室15
eに設けられたガス導入手段からは塩素ガスと酸素を含
むArガスが導入される。廃ガス排出手段21はそれぞ
れの反応室15a〜15fの頂部にそれぞれ接続された
廃ガス排出管21aを備え、ガス導入手段19はそれぞ
れの反応室15a〜15fの頂部を貫通して先端がそれ
ぞれの反応室15a〜15fの底部に伸び、先端にガス
噴出部19aを有するガス導入管19bを備える。この
ガス導入管19にはこの例ではガスが図示しないコンプ
レッサにより供給される。
【0024】塩素ガスを含むArガスが導入される反応
室15a,15bに設けられたガス導入手段からは、下
位の反応室15bの頂部に接続された廃ガス排出管21
aと上位の反応室15aの頂部を貫通したガス導入管1
9bとの間にはこれらを連通する第1連通管22が接続
され、第1連通管22には第1切換弁22aが設けられ
る。第1連通管22が接続された廃ガス排出管21aと
ガス導入管19bには第2切換弁21b及び第3切換弁
19cがそれぞれ設けられ、第2切換弁21b及び第3
切換弁19cを閉止して第1切換弁22aを開放するこ
とにより廃ガス排出管21aから排出される廃ガスが連
通管22を通ってガス導入管19bに連通するように構
成される。
【0025】同様に酸素と塩素ガスを含むArガスが導
入される反応室15e,15fに設けられたガス導入手
段からは、下位の反応室15fの頂部に接続された廃ガ
ス排出管21aと上位の反応室15eの頂部を貫通した
ガス導入管19bとの間にはこれらを連通する第2連通
管23が接続され、第2連通管23には第4切換弁23
aが設けられる。第2連通管23が接続された廃ガス排
出管21aとガス導入管19bには第5切換弁21c及
び第6切換弁19dがそれぞれ設けられ、第5切換弁2
1c及び第6切換弁19dを閉止して第4切換弁23a
を開放することにより廃ガス排出管21aから排出され
る廃ガスが第2連通管23を通ってガス導入管19bに
連通するように構成される。
【0026】このように構成された装置の動作を説明す
る。先ず、所定量の塩化物支持塩を供給口18から最上
位の反応室15aに供給する。コントローラ17はヒー
タ17aを制御して反応室15aの温度を塩化物支持塩
の融点以上に加熱して維持する。この加熱により反応室
15aに塩化物支持塩が溶融塩として貯留された後、更
に塩化物支持塩を供給口18から反応室15aに供給す
る。下部仕切板12を越えて溶融塩が次の反応室15b
に流入し、更に塩化物支持塩を供給し続けて加熱を続け
ると、やがて全ての反応室15a〜15fが溶融塩で満
たされる。次に使用済核燃料酸化物である原料とその還
元剤との混合物及び追加の塩化物支持塩を供給口18か
ら反応室15aに供給する。供給された原料は噴出部1
9aから噴出するガスにより最上位の反応室15aで溶
融塩中に撹拌混合される。原料中のウラン及びプルトニ
ウムは、前述した式(1)〜(4)に示すように、塩化
物溶融塩、導入ガス中の塩素ガス、還元剤の黒鉛粉末な
どと反応してウランやプルトニウムのオキシクロライド
又は塩化物に転換される。
【0027】原料の供給を継続すると、図の実線矢印に
示すように、溶融塩は反応室15aから下部仕切板12
を越えて反応室15bに流入する。ここで上部仕切板1
6によって、溶融塩は上位の反応室15aから下位の反
応室15bにショートパスすることなく、十分に時間を
かけて反応が行われる。この下位の反応室15bにおい
ても、上位の反応室15aの場合と同様に、ガス噴出部
19aから撹拌用のガスが導入され溶融塩は撹拌され、
それぞれの反応室15a,15bで反応が持続されて原
料中の二酸化ウラン、二酸化プルトニウムがウランやプ
ルトニウムのオキシクロライド又は塩化物となる。反応
時に発生する二酸化炭素ガスや酸素は廃ガスとして廃ガ
ス排出管21aにより外部に排出される。
【0028】転換を終えたウランやプルトニウムのオキ
シクロライド及び塩化物は溶融塩として反応室15bか
ら下部仕切板12を越えて上部仕切板16によりショー
トパスすることなく反応室15cに流入する。この電解
室の反応室15cでは、前述した式(5)に示すように
ウランのオキシクロライドが二酸化ウランに転換され陰
極13bに析出される。式(6)に示すようにプルトニ
ウムのオキシクロライドも二酸化プルトニウムに転換さ
れ陰極13bに析出される。電解しきれなかった上記オ
キシクロライド(特にウランのオキシクロライド)は、
次の反応室15dにおいて同様に二酸化ウラン、二酸化
プルトニウムが陰極13bに析出され、特に原料中のウ
ランはその全量が回収される。反応室15c及び15d
で反応時に発生する塩素ガスは廃ガスとして廃ガス排出
管21aにより外部に排出される。
【0029】ウランを回収した後の溶融塩は反応室15
dから下部仕切板12を越えて上部仕切板16によりシ
ョートパスすることなく反応室15eに流入する。この
反応室15eではプルトニウムの塩化物が二酸化プルト
ニウムとなって沈殿析出される。即ち、下位の反応室に
設けられたガス導入手段19から導入される塩素ガス及
び酸素ガスにより溶融塩中のプルトニウムの塩化物は反
応室に貯留した塩化物溶融塩中に導入される反応ガスと
前述した式(7)に示すように反応して二酸化プルトニ
ウムに転換される。この反応より発生する塩素ガスは廃
ガスとして廃ガス排出手段21により排出される。二酸
化プルトニウムに転換されなかった未反応の塩化物はそ
の全量が更に反応室15fで二酸化プルトニウムとなっ
て沈殿析出する。溶融塩中に析出された二酸化プルトニ
ウムは、ガス導入手段19から導入されるガスにより溶
融塩中で撹拌され、沈殿することなく排出口14から排
出される。排出口14から排出された溶融塩は濾過さ
れ、固形分の二酸化プルトニウムが回収され、再利用さ
れる。濾液の溶融塩は残存する放射性核分裂生成物を除
去した後、回収され回収槽11の塩化物支持塩として再
利用される。
【0030】図3に本発明の別の実施の形態を示す。図
中の記号中上述した実施の形態と同一符号は同一構成部
品を示す。回収槽11の内部にこの実施の形態では6つ
の反応室15a,15b,15c,15d,15e及び
15fを形成する5枚の下部仕切板12が回収槽11の
底面11aに間隔をあけて鉛直方向に設けられ、溶融塩
を電解してウランを析出回収する一対の電極13が中位
に位置する2つの反応室15b,15dに設けられる。
電極13は先端が蓋11cを貫通して底部に伸びてそれ
ぞれ設けられ、それ以外の反応室15a,15c,15
e,15fには、それらの反応室に貯留された溶融塩中
にガスを導入してその溶融塩を撹拌するガス導入手段1
9がそれぞれ設けられる。これ以外の構成は上述した実
施の形態と同一であるので繰り返しての説明を省略す
る。このように構成された回収装置では、塩化工程と電
解工程を交互に2回繰返すことができ、二酸化ウラン及
び二酸化プルトニウムのそれぞれの回収、特に電解によ
るウランの回収を、より効率よく行うことができる。
【0031】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。この例では
回収槽は黒鉛製であって3室の反応室からなる。上位の
反応室は塩化工程、中位の反応室は電解工程、下位の反
応室は沈殿析出工程にそれぞれ相当する。中位の反応室
にはウラン回収用の一対の電極を設けた。回収槽の厚さ
A(図2)は約5cm、高さB(図1)は約40cm、
長さC(図1)は約90cmであり、各反応室は500
ccの溶融塩を貯えるように仕切り板を配設した。先ず
上位の反応室に1kgの塩化ナトリウムと塩化カリウム
の混合塩(共晶塩)を供給し、700℃で溶融させた。
溶融後、徐々に同一の混合塩を追加補充し、合計6kg
の混合塩を供給して3室のすべてに溶融塩を貯留した。
次いで、上位及び下位の2室についてガス導入管よりA
rガスを約0.7リットル/分の割合で溶融塩中に噴出
させ溶融塩を撹拌した。
【0032】一方、使用済核燃料に模した二酸化ウラン
粉末50g(平均粒径100μm)、酸化ストロンチウ
ム粉末0.05g(平均粒径20μm)及び酸化セリウ
ム0.5g(平均粒径20μm)を用意した。酸化セリ
ウムは酸化プルトニウムの代わりに用いた。次いで塩化
ナトリウムと塩化カリウムの混合塩(共晶塩)12,0
00gと、上記模擬使用済核燃料を上位の反応室に間欠
的に9.2g/分の速さで供給口より供給した。この供
給と同時に、図示しない切換弁を切換えて10容積%の
塩素ガスを含んだArガスをガス導入管より約0.7リ
ットル/分の割合で上位の反応室に貯留された溶融塩中
に噴出し、上位の反応室で塩化反応を行った。塩素ガス
の供給量は、ウランモル数とほぼ同じ量で停止させた。
【0033】中位の反応室では一対の電極に電流1A、
電圧0.5〜3.0Vの定電圧を印加した。上位の反応
室で塩化反応を終了した溶融塩は、中位の反応室で電解
され、陰極に析出物を生じた。下位の反応室では、図示
しない切換弁を切換えて、10容積%の塩素ガス、20
容積%の酸素を含んだArガスをガス導入管より約0.
7リットル/分の割合で下位の反応室に貯留された溶融
塩中に噴出し、酸化セリウムの沈殿析出を行った。上位
の反応室における塩化反応の反応収率及び下位の反応室
の排出口における塩化反応の反応収率を未反応酸化ウラ
ン量を測定することにより評価した。塩化反応条件及び
これらの反応収率の結果を表1に示す。また中位の反応
室の陰極に析出した物質を電子吸光等により測定した結
果、大部分の二酸化ウラン(析出量3g)と極一部のセ
リウム(析出量6mg)を回収したことを確認した。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は次の多くの
優れた効果を奏する。 供給した核燃料が上位の反応室から下位の反応室に
順次移動して回収されるため、塩素化、電解回収、沈殿
析出の各操作を同一の装置で行わせ、更に濾過と組み合
わせることにより簡単な工程で連続してウラン及びプル
トニウムを酸化物の形態で回収することができ、その安
定処理と処理能力の向上を図ることができる。 回収槽が貯留する核燃料の臨界にならない平板状で
あるため、臨界安全管理上問題を生じない。 回収槽の長さC(図1)を延長してもその厚さA
(図2)を変えなければ臨界安全性は保たれるため、回
収槽の長さを変えて反応室を増減することにより、回収
に必要な滞留時間や処理能力に合致した連続した回収装
置を容易に製作でき、反応室を増加することにより処理
能力を向上することもできる。 上部仕切板により、溶融塩はショートパスすること
がない。このために下位の反応室に流れ落ちるまでの間
に各反応室内で十分な反応時間が与えられる。 各反応室に温度制御手段を設けたので、各反応室の
反応温度を制御することにより、各反応室における最適
な反応条件を容易に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の使用済核燃料の転換装置の構成図。
【図2】そのD−D線断面図。
【図3】本発明の別の転換装置の構成図。
【図4】溶融塩から核分裂生成物を析出する装置を示す
図。
【符号の説明】
11 回収槽 11a 底面 12 下部仕切板 13a,13b 電極 14 排出口 15a〜15f 反応室 16 上部仕切板 17 コントローラ(温度制御手段) 17a ヒータ 18 供給口 19 ガス導入管(ガス導入手段) 21 廃ガス排出管(廃ガス排出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高澤 寛 茨城県那珂郡那珂町大字向山字六人頭 1002番地の14 三菱マテリアル株式会社 那珂エネルギー研究所内 (72)発明者 山上 純夫 茨城県那珂郡那珂町大字向山字六人頭 1002番地の14 三菱マテリアル株式会社 那珂エネルギー研究所内 (56)参考文献 特開 平6−265689(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 19/44

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傾斜した底面(11a)に沿って少なくとも
    3室からなる反応室(15a,15b,15c,15d,15e,15f)を有し
    貯えた核燃料が臨界にならない厚さを有する平板状に密
    閉して形成された回収槽(11)に反応媒体である塩化物支
    持塩を溶融塩として貯留し、 最上位に位置する反応室(15a)より使用済核燃料酸化物
    を供給し、 前記最上位に位置する反応室(15a)を含む上位に位置す
    る反応室(15a,15b又は15a,15c)で順次前記酸化物中の放
    射性金属を前記塩化物溶融塩中に含まれる反応物質と反
    応させることにより前記金属のオキシクロライドを含む
    塩化物に転換し、 中位に位置する反応室(15c,15d又は15b,15d)で前記オキ
    シクロライドを溶融塩電解して電極(13b)に放射性金属
    酸化物を析出回収し、 下位に位置する反応室(15e,15f)で酸素を塩化物溶融塩
    に吹き込んで前記溶融塩中に残存する別の放射性金属酸
    化物を沈殿析出させ、 最下位に位置する反応室(15f)より前記別の放射性金属
    酸化物の析出物を含む液状の前記溶融塩を排出させ、 前記析出物を前記溶融塩から濾過分離することを特徴と
    する使用済核燃料の回収方法。
  2. 【請求項2】 使用済核燃料から放射性金属のオキシク
    ロライドを含む塩化物に転換する塩化工程と、前記オキ
    シクロライドを溶融塩電解して電極(13b)に放射性金属
    酸化物を析出回収する電解工程とが繰返される請求項1
    記載の使用済核燃料の回収方法。
  3. 【請求項3】 別の放射性金属酸化物の析出物を溶融塩
    から濾過分離した後の前記溶融塩に沈殿剤を投入して前
    記溶融塩中に残存する放射性核分裂生成物を析出させ、
    前記放射性核分裂生成物を前記溶融塩から濾過分離し、
    濾過後の前記溶融塩を回収槽(11)の塩化物支持塩として
    再利用する請求項1又は2記載の使用済核燃料の回収方
    法。
  4. 【請求項4】 傾斜した底面(11a)を有し貯えた核燃料
    が臨界にならない厚さを有する平板状に密閉して形成さ
    れかつ反応媒体である塩化物支持塩を溶融塩として貯留
    可能な回収槽(11)と、 前記回収槽(11)の内部に少なくとも3室からなる反応室
    (15a,15b,15c,15d,15e,15f)を形成しかつ上位の反応室
    から下位の反応室に前記溶融塩が流れるように前記回収
    槽(11)の底面(11a)に上方に向けて設けられた下部仕切
    板(12)と、 最下位の反応室(15f)を除く前記反応室(15a,15b,15c,15
    d,15e)内に上方から下方に向けて設けられ上位の反応室
    から下位の反応室への前記溶融塩のショートパスを防止
    する上部仕切板(16)と、 前記塩化物支持塩の融点以上900℃以下の温度に加熱
    して前記反応室(15a,15b,15c,15d,15e,15f)の温度をそ
    れぞれ制御する温度制御手段(17)と、 最上位に位置する反応室(15a)に設けられ前記塩化物支
    持塩又は使用済核燃料酸化物と前記塩化物支持塩を供給
    する供給口(18)と、 最下位に位置する反応室(15f)に設けられ液状の溶融塩
    を排出する排出口(14)と、 最上位及び最下位に位置する反応室(15a,15f)を除く1
    又は2以上の中位に位置する反応室(15a,15b又は15a,15
    c)に設けられ貯留された溶融塩を電解して放射性金属酸
    化物を析出回収する電極(13a,13b)と、 前記電極(13a,13b)が設けられた反応室(15c,15d又は15
    b,15d)を除く反応室(15a,15b,15e,15f又は15a,15c,15e,
    15f)に配設されそれぞれの反応室に貯留された溶融塩中
    にガスを導入するガス導入手段(19)と、 それぞれの反応室(15a,15b,15c,15d,15e,15f)の廃ガス
    を反応室毎に排出する廃ガス排出手段(21)とを備えたこ
    とを特徴とする使用済核燃料の回収装置。
  5. 【請求項5】 電極(13a,13b)が設けられた反応室(15c,
    15d又は15b,15d)を除く反応室(15a,15b,15e,15f又は15
    a,15c,15e,15f)に配設されたガス導入手段(19)により導
    入されるガスが塩素ガスを含み、 前記電極(13a,13b)が設けられた反応室(15c,15d又は15
    b,15d)より下位に位置する反応室(15e,15f)に設けられ
    たガス導入手段(19)により導入されるガスが前記塩素ガ
    スに加えて更に酸素を含む請求項4記載の使用済核燃料
    の回収装置。
  6. 【請求項6】 廃ガス排出手段(21)は少なくとも3室か
    らなる反応室(15a,15b,15c,15d,15e,15f)の頂部にそれ
    ぞれ接続された廃ガス排出管(21a)を備え、 ガス導入手段(19)は少なくとも3室からなる反応室(15
    a,15b,15c,15d,15e,15f)の頂部を貫通して先端が前記反
    応室(15a,15b,15c,15d,15e,15f)の底部に伸び前記先端
    にガス噴出部(19a)を有するガス導入管(19b)を備えた請
    求項5記載の使用済核燃料の回収装置。
  7. 【請求項7】 塩素ガスを含むガスが導入される反応室
    (15a,15b又は15a,15c)が2室以上設けられ、 前記2室以上の反応室のうち下位の反応室(15b又は15c)
    の頂部に接続された廃ガス排出管(21a)と上位の反応室
    (15a)の頂部を貫通したガス導入管(19b)とを連通する第
    1連通管(22)が前記廃ガス排出管(21a)と前記ガス導入
    管(19b)との間に第1切換弁(22a)を介して接続され、 前記廃ガス排出管(21a)から排出される廃ガスが前記第
    1連通管(22)を通って前記ガス導入管(19b)に連通する
    ように前記廃ガス排出管(21a)及び前記ガス導入管(19b)
    に第2切換弁(21b)及び第3切換弁(19c)がそれぞれ設け
    られた請求項6記載の使用済核燃料の回収装置。
  8. 【請求項8】 塩素ガスと酸素を含むガスが導入される
    反応室(15e,15f)が2室以上設けられ、 前記2室以上の反応室のうち下位の反応室(15f)の頂部
    に接続された廃ガス排出管(21a)と上位の反応室(15e)の
    頂部を貫通したガス導入管(19b)とを連通する第2連通
    管(23)が前記廃ガス排出管(21a)と前記ガス導入管(19b)
    との間に第4切換弁(23a)を介して接続され、 前記廃ガス排出管(21a)から排出される廃ガスが前記第
    2連通管(23)を通って前記ガス導入管(19b)に連通する
    ように前記廃ガス排出管(21a)及び前記ガス導入管(19b)
    に第5切換弁(21c)及び第6切換弁(19d)がそれぞれ設け
    られた請求項6記載の使用済核燃料の回収装置。
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