以下、本考案を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」という。)を説明する。なお、各実施の形態を通じ、同一の部材、要素または部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
実施の形態1
図1に示すように、本実施の形態に係る栄養診断システムは、インターネット等のネットワーク(VPNやWANを含む)NTを介してサーバー及びクライアント装置間で情報の授受を行うクライアントサーバーシステムに具体化されている。サーバー1は、図2に示すように、ウエブサーバー5、データベース10、図示しないデータベース管理システム(DBMS)、データベース10を利用して本実施の形態の栄養診断処理及び栄養指導処理を行うためのサーバー側プログラム、通信プログラム等の各種ソフトウエア構成、前記サーバー側プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(HDD)、同サーバー側プログラムの各手順を実行するためのCPUやRAM等の各種ハードウエア構成等、本実施の形態に係る栄養診断システムのサーバー側システムとして必要な構成(各種機能実現手段)を備えている。一方、ユーザー端末としてのクライアント装置は、パーソナルコンピュータ(PC)510や携帯電話520等により構成される。ユーザー端末の一例としてのPC510は、ハードウエアとして、キーボード511、テンキー512、マウス513等の通常の入力手段、USB接続等により接続される追加の入力手段としてのバーコードリーダ514、出力手段としてのモニター(ディスプレイ)515等を備えている。また、PC510は、上記に加え、ネットワークNTを介してサーバー1との間での情報授受の処理を実行するためのウエブブラウザ、通信プログラム、入出力ドライバ等の各種ソフトウエア構成、ブラウザ等の各種プログラム等を格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(外部記憶装置としてのHDD等)、ブラウザ等の各種プログラムの各手順を実行するための演算処理装置や内部記憶装置(CPUやRAM等)等の各種内部的ハードウエア構成等、本実施の形態に係る栄養診断システムのクライアント側システムとして必要な構成(各種機能実現手段)を備えている。同様に、ユーザー端末の一例としての携帯電話520は、ハードウエアとして、入力手段としてのキー521、画面(ディスプレイ)522等を備えている。また、携帯電話520は、通常の携帯電話機能実現手段に加え、上記PC510と同様の各種ソフトウエア及び各種ハードウエアを備えている。更に、携帯電話520は、入力手段として、バーコードリーダを外部接続可能としたり、公知のバーコードリーダ機能実現手段(カメラ機能を利用した二次元バーコード読取機能実現手段)を内部搭載したものとすることが好ましい。
ここで、本実施の形態の栄養診断システムでは、上記のように、クライアントとしてのユーザー端末510,520は、ウエブブラウザを利用して、サーバー1との間での情報授受を行う。また、携帯電話520の場合、現状では、ブラウザによる情報授受にはPC510の場合と比較して制限があるため、電子メールにより情報授受を行うようにしてもよい。このとき、サーバー1側では、CGIやウエブアプリケーション等のサーバー側プログラムを使用する。しかし、ユーザー端末510,520は、専用のクライアント側プログラムを格納して当該クライアント側プログラムによりサーバー1との情報授受を行うようにしてもよい。或いは、ユーザー端末510,520は、ウエブブラウザだけでは実現できない機能については追加の専用プログラムをアドインして当該機能を実現するようにしてもよい。また、本実施の形態の栄養診断システムは、ユーザー端末510,520とサーバー1との間での情報授受(サーバー1への送信情報の作成や加工、送信情報の送信、サーバー1からの栄養診断情報等の受信や出力等の各種処理)を、ASP(Application Service Provider)やSAAS(Software As A Service)の形態で実現してもよい。
本実施の形態に係る栄養診断システムは、更に、入力補助手段としての各種読み取りカード50,60,70,80を備えている。読み取りカードは、料理カード50と、食べ方カード60と、飲み方カード70と、調味料カード80とを含む。料理カード50、食べ方カード60、飲み方カード70及び調味料カード80は、それぞれ、バーコード51,61,71,81等からなる読み取りコード部を印刷等により設け、独自の料理情報等の食事関連情報を前記バーコードリーダ514等の入力手段を介して入力自在としている。また、本実施の形態に係る栄養診断システムは、入力補助手段として、料理雑誌や料理本等の料理情報媒体90に記載されたレシピ等説明部(料理のレシピ等を説明する部分)の側部に読み取りコードとして二次元バーコード等のバーコード91を設けたり、弁当類95の食材等説明部(弁当で使用する食材等を説明する部分)の側部に読み取りコードとして二次元バーコード等のバーコード96を設けたりして、当該料理情報媒体90の料理や弁当類95についての独自の料理情報等の食事関連情報を前記バーコードリーダ514等の入力手段を介して入力自在としている。なお、料理情報媒体90や弁当類95のバーコード91,96は、独自のものを既存の料理情報媒体90や弁当類95に設けてもよく、或いは、現存する料理情報媒体90や弁当類95に設けられるバーコード91,96を利用してもよい。料理カード50等の詳細については後述する。
図2及び図3には、サーバー1に実装したデータベース10を構成する主要ファイルの概略を示す。図2及び図3に示すように、データベース10は、摂取食事コードファイル11、食事メニューファイル12、料理レシピファイル13、食品コードファイル14、食品成分表ファイル15、食事摂取基準ファイル16、食事バランスガイドファイル17、診断結果ファイル18、説明・参考ファイル19を備えている。前記食事コードファイル11、食事メニューファイル12、料理レシピファイル13、食品コードファイル14、食品成分表ファイル15、食事摂取基準ファイル16、食事バランスガイドファイル17、説明・参考ファイル19は、それぞれ、固有のデータを予め固有のデータ定義に従って構築して格納するマスタファイルである。また、前記診断結果ファイル18は、診断結果を格納するイベントファイル(トランザクションファイル)である。データベース10は、各種データベース構造により実施することができ、例えば、関係データベースとして実施することができる。この場合、前記ファイル11〜19は、それぞれ、固有のテーブル定義を有するテーブルとして具体化される。
前記食事コードファイル11は、例えば、読み取りカード50等を利用して入力した食事に関するコード情報がユーザー端末510,520からネットワークNTを経由してサーバー1のウエブサーバー5に送信された場合に、当該食事に関するコード情報を蓄積するイベントファイル(トランザクションファイル)である。
前記食事メニューファイル12は、考えうる全ての料理情報に関するデータを予め所定の定義に従って構築し格納するものである。詳細には、食事メニューファイル12は、毎回(朝食、昼食、夕食、夜食、間食)の食事でユーザーが摂取する可能性のある食事単位として、一般的に1食分の料理または飲料等として認識されている各食事単位(1杯のご飯、1杯のラーメン、2枚の食パン、1個のハンバーグ、1枚のステーキ、1尾のさんま、1皿の肉じゃが、1皿の野菜サラダ、1杯の牛乳、2切れのチーズ、1個のヨーグルト、1杯の野菜ジュース、1杯の果物ジュース、1皿のポテトチップス、1枚のチョコレート、1杯のコーラ、1本の缶コーヒー、1杯のお茶、1杯の水等)を、一意のコード情報(料理コード及びそのバーコード情報等)を割り当てて識別可能に格納している。この場合、食事メニューファイル12は、データ項目として、「料理コード(料理番号)」、「料理名」等を定義し、対応するデータ項目値として、「001、002・・・」等の料理コード、「1杯のご飯、1杯のラーメン・・・」等の料理名等を格納する。
ここで、食事メニューファイル12は、厚生労働省及び農林水産省の共催によるフードガイド(仮称)検討会により作成された「食事バランスガイド」の分類等と同様、主食、主菜、副菜、牛乳・乳製品、果物、菓子・嗜好飲料、水・お茶の合計7区分の料理区分をデータ項目「料理区分」として定義し、各料理区分について当該料理区分に属する全ての料理(上記食事単位に対応し、飲料や菓子等を含む)をデータ項目「料理名」のデータ項目値として格納してもよい。この場合、食事メニューファイル12は、各料理区分に属する具体的料理を「料理名」のデータ項目値として格納する。詳細には、食事メニューファイル12は、料理区分「主食」については、具体的料理として、「ご飯(大盛)1杯」、「ご飯(中盛)1杯」、「ご飯(小盛)1杯」、「おにぎり2個」、「おにぎり1個」、「4枚切り食パン2枚」、「4枚切り食パン1枚」、「6枚切り食パン2枚」、「6枚切り食パン1枚」、「ロールパン3個」、「ロールパン2個」、「ロールパン1個」、「うどん1杯」、「もりそば1杯」、「中華麺1杯」、「坦々麺1杯」、「即席麺1個」、「スパゲッティ1杯」、「牛丼1杯」、「うなぎ丼1杯」、「うな重1杯」、「親子丼1杯」、「チャーハン1杯」、「五目チャーハン1杯」、「カレーライス1杯」等を格納する。また、料理区分「主菜」については、具体的料理として、「冷奴1丁」、「冷奴半丁」、「納豆1杯」、「目玉焼き2個」、「目玉焼き1個」、「焼さんま1尾」、「焼さば1切れ」、「焼鮭1切れ」、「キス天ぷら2尾」、「キス天ぷら1尾」、「えび天ぷら2尾」、「えび天ぷら1尾」、「マグロ刺身1皿」、「イカ刺身1皿」、「ハンバーグステーキ1個」、「豚肉しょうが焼き1皿」、「鶏肉から揚げ1皿」、「ステーキ150g」等を格納する。また、料理区分「副菜」については、具体的料理として、「野菜サラダ(大皿)1皿」、「野菜サラダ(中皿)1皿」、「野菜サラダ(小皿)1皿」、「きゅうりとわかめの酢の物(小鉢)1個」、「具たくさん味噌汁1碗」、「ほうれん草のおひたし(小鉢)1個」、「ひじきの煮物(小鉢)1個」、「煮豆(うずら豆)(小鉢)1個」、「きのこソテー(中皿)1皿」、「きのこソテー(小皿)1皿」、「野菜の煮物(中皿)1皿」、「野菜の煮物(小皿)1皿」、「野菜炒め(大皿)1皿」、「野菜炒め(中皿)1皿」、「野菜炒め(小皿)1皿」、「芋のにっころがし(中皿)1皿」、「芋のにっころがし(小皿)1皿」等を格納する。また、料理区分「牛乳・乳製品」については、具体的料理として、「牛乳コップ1杯」、「牛乳コップ1/2杯」、「チーズ2片」、「チーズ1片」、「スライスチーズ2枚」、「スライスチーズ1枚」、「ヨーグルト1パック」等を格納する。また、料理区分「果物」については、具体的料理として、「みかん1個」、「りんご1個」、「りんご半分」、「柿1個」、「梨1個」、「梨半分」、「ぶどう1房」、「ぶどう半房」、「桃1個」等を格納する。また、料理区分「菓子・嗜好飲料」については、具体的料理として、「チョコパン1個」、「アンパン1個」、「チョコドーナツ1個」、「チーズケーキ1個」、「チョコケーキ1個」、「ポテトチップス(大)1箱」、「ポテトチップス(中)1箱」、「ポテトチップス(小)1箱」、「チョコレート1枚」、「コーラコップ1杯」、「ココアコップ1杯」等を格納する。また、料理区分「水・お茶」については、具体的料理として、「水コップ1杯」、「お茶湯飲み1杯」等を格納してもよいが、水やお茶は摂取カロリーや必要栄養成分の点から取得できる情報が少ないため、これらのデータは不要としてもよい。しかし、1日の摂取水分量を確保する等の目的で水やお茶の摂取量を必要とする場合は、上記データを格納する必要がある。
ここで、食事メニューファイル12では、更に、各料理区分の具体的料理を分類する「料理分類」のデータ項目を追加し、そのデータ項目値として「和食」、「洋食」、「中華」等を格納して、各料理分類に対応して具体的料理を分類するようにしてもよい。また、食事メニューファイル12は、このときの分類としては国際分類として通用する分類を採用することが好ましい。逆に、食事メニューファイル12は、前記分類、料理区分を省略し、料理及びその一意のコード情報のみを格納してもよい。更に、前記食事メニューファイル12は、各料理(完食)による摂取エネルギー(kcal及び/またはkJ)を同料理に対応付けて格納してもよい。
前記料理レシピファイル13は、前記食事メニューファイル12に格納した各料理(具体的料理)について、同料理のレシピ情報を格納するものである。即ち、料理レシピファイル13は、前記食事メニューファイル12に格納した各料理を構成する食品(食材)に関する情報(いわゆるレシピ情報)を各料理に対応付けて格納すると共に、各食品について一意のコード情報(食品コードやそのバーコード情報等)を割り当てて識別可能に格納している。また、料理レシピファイル13では、食事メニューファイル12の各料理について、使用する食品の種類(食品名)と同食品の使用量(重量)とが対応付けて格納されている。この場合、料理レシピファイル13は、データ項目として、「料理コード」、「料理名」、「食品コード(食材番号)」、「食品名」、「使用量」等を定義し、対応するデータ項目値として、「001、002・・・」等の料理コード、「1杯のご飯、1杯のラーメン・・・」等の料理名、「001、002・・・」等の食品コード(料理コードとは別体系)、「炊飯米、食パン、ジャガイモ・・・」等の食品名、「100g、150g・・・」等の使用量等を格納する。ここで、料理が「ご飯」、「食パン」等、単一食品(食材)からなる場合は、その食品(炊飯米、食パン等)とその使用量とが料理に対応付けて格納され、料理が「中華麺」、「カレーライス」、「ハンバーグ」、「野菜サラダ」等、複数種類の食品からなる場合は、各食品(例えば、中華麺の場合は、生麺、ゆで卵、スープ等、カレーライスの場合は、炊飯米、カレールー、ジャガイモ、にんじん、たまねぎ、牛肉等)と各食品(食材)の使用量とが料理に対応付けて格納されている。なお、料理レシピファイル13では、各食品についてその使用量での摂取エネルギー(kcal及び/またはkJ)を対応付けて格納してもよい。また、前記食品の使用量と共に、その食品の使用単位(1箱、1/2箱、2個、1個、1/2個、2本、1本、1/2本等)をその食品に対応付けて格納してもよい。
前記食品コードファイル14は、食品(食材)についての食品情報を定義して格納するものである。即ち、食品コードファイル14は、各食品の食品情報について一意のコード情報(食品コードやそのバーコード情報等)を割り当てて識別可能に格納する。例えば、食品コードファイル14は、データ項目として、「食品名」、「食品コード」等を定義してそのデータ項目値(具体的な食品名や食品コード)を格納すると共に、必要に応じて、「(食品の)用途」、「(食品についての)制限」、「(食品の)補助情報」等の他の食品情報をデータ項目として定義してそのデータ項目値を格納してもよい。ここで、前記食事メニューファイル12に新たな料理を追加すると、これに伴って、前記料理レシピファイル13にも当該料理のレシピ情報を新たに追加する必要がある。一方、前記食品コードファイル14は、全ての食品に関する食品情報を格納するものであるため、料理レシピファイル13のレシピ情報追加によっても食品情報を新たに追加する必要はない。
前記食品成分表ファイル15は、例えば文部科学省作成の日本食品標準成分表(五訂増補版)を基に、各食品(食材)についての単位量当りの摂取エネルギーや含有成分(栄養素)を定義して格納するものである。例えば、食品成分表ファイル15は、データ項目として、「食品コード」、「食品名」、「エネルギー(kcal及び/またはkJ)」の他、一般成分としての「水分」、「たんぱく質」、「脂質」、「炭水化物」、「灰分」と、無機質としての「ナトリウム」、「カリウム」、「カルシウム」、「マグネシウム」、「リン」、「鉄」、「亜鉛」、「銅」、「マンガン」と、ビタミンとしての「ビタミンAのレチノール」、「ビタミンAのレチノール」、「ビタミンAのレチノール」、「ビタミンAのα−カロテン」、「ビタミンAのβ−カロテン」、「ビタミンAのクリプトキサンテン」、「ビタミンAのβ−カロテン当量」、「ビタミンAのレチノール当量」、「ビタミンD」、「ビタミンE」、「ビタミンK」、「ビタミンB1」、「ビタミンB2」、「ナイアシン」、「ビタミンB6」、「ビタミンB12」、「葉酸」、「パントテン酸」、「ビタミンC」と、「脂肪酸」、「コレステロール」、「食物繊維」、「食塩相当量」等を定義し、そのデータ項目値として、各食品についての各成分等を対応付けて格納している。なお、図4は食品成分表ファイル15を関係データベースで具体化した場合の一例としての食品成分表テーブルを示す。図4に示すように、食品成分テーブルは、データ項目として、前記食品コードに対応する「フードNo.」、食品名に対応する「メニュー」、「エネルギー(kcal)」、エネルギーをジュール換算した「ジュール計算結果」、水分に対応する「水」、「たんぱく質」、「脂質」、「炭水化物」等を定義し、対応するデータ項目値を格納している。なお、図4の食品成分テーブルは、食品を複数グループに分類し、各食品名に対して対応するグループ分類を「グループNo.」として対応付けて格納している。
ここで、前記食品コードファイル14は、料理レシピファイル13の所定の食品情報(レシピの使用食品を特定するための情報)と食品成分表ファイル15の所定の食品情報(食品のエネルギー量や栄養素を特定するための情報)とを、食品コードを介して連携させるためのものであるが、前記料理レシピファイル13に食品コード及び食品名を格納する場合、食品コードファイル14を省略して、料理レシピファイル13の食品コードを使用するようにしてもよい。なお、料理レシピファイル13は、料理のレシピを一意に特定するレシピ情報(レシピコード乃至レシピ番号)のみを格納するようにし、食品コードファイル14には、レシピ番号に対応する食品及びその使用量を格納するように構成することもでき、この場合は、食品コードファイル14が必須となる。
前記食事摂取基準ファイル16は、例えば厚生労働省作成の食事摂取基準(2005年度版)を基に、所定の年齢範囲や性別等を有する日本人が1日に必要とするエネルギー及び栄養素量を科学的根拠に基づき定義して格納するものである。食事摂取基準ファイル16は、図2及び図3では1つのみ図示されているが、実際は、年齢範囲や性別等に応じてエネルギー必要量を格納したエネルギー用の食事摂取基準ファイル16と、年齢範囲や性別等に応じて上記各栄養素の必要量や推奨量等を格納した各栄養素用の食事摂取基準ファイル16とが用意されている。この場合、エネルギー用の食事摂取基準ファイル16は、データ項目として、「レコードID」、「年齢範囲」、「性別」、「身体活動レベル」、「妊娠期間」、「1日当り必要エネルギー(kcal及び/またはkJ)」等を定義して対応するデータ項目値を格納している。また、栄養素用の食事摂取基準ファイル16は、データ項目として、「レコードID」、「年齢範囲」、「性別」、「身体活動レベル」、「妊娠期間」、1日当り必要摂取量としての「推定平均必要量(g/日)」、「推奨量(g/日)」、「目安量(g/日)」、「目標量(%エネルギー)」、「上限量」等を定義して対応するデータ項目値を格納している。なお、図5は栄養素としてのビタミンD用の食事摂取基準ファイル16を関係データベースで具体化した場合の一例としての食事摂取基準テーブルを示す。図5に示すように、食事摂取基準テーブルは、データ項目として、前記レコードIDに対応する「ID No.」、年齢範囲に対応する「年齢範囲No.」、「性別」、妊娠期間(初期、中期、末期、授乳期等)に対応する「妊娠No.」、「目安量」、「上限量」等を定義し、対応するデータ項目値を格納している。なお、食事摂取基準ファイル16は、上記エネルギー用の食事摂取基準ファイルと各栄養素用の食事摂取基準ファイル16を統合した一つのファイル(関連データベースの場合は一つのテーブル)として具体化することも無論可能である。
前記食事バランスガイドファイル17は、上記「食事バランスガイド」による各料理及び各食品の種類と量の定義に従って、前記食事メニューファイル12に格納した料理や前記料理レシピファイル13または前記食品コードファイル14に格納した食品について、料理及び食品ごとの摂取1単位(「1SV」または「1つ」と呼ばれる)となる料理及び食品の量を当該料理及び食品に対応付けて格納すると共に、各料理及び各食品について一意のコード情報(料理コード、食品コード等)を割り当てて識別可能に格納している。この場合、食事バランスガイドファイル17は、データ項目として、「料理コード」、「料理名」、「摂取単位(「1SV」の量)」等(以上、料理の場合)、「食品コード」、「食品名」、「摂取単位(「1SV」の量)」(以上、食品の場合)等を定義し、対応するデータ項目値として、「001、005101・・・」等の料理コード、「ご飯、おにぎり、目玉焼き・・・」等の料理名、「小1杯、1個、・・・、1個(Sサイズ)・・・」等の摂取単位等(以上、料理の場合)、「501、・・・、801・・・」等の食品コード(料理コードとは別コード)、「食パン、・・・、牛乳・・・」等の食品名、「1枚、・・・、コップ半分(または90ml)・・・」等の摂取単位(以上、食品の場合)等を格納する。なお、食事バランスガイドファイル17は、更に、前記食事メニューファイル12の料理区分と同様、料理区分のデータ項目を追加して、「主食」、「主菜」、「副菜」、「牛乳・乳製品」、「果物」、「菓子・嗜好飲料」、「水」の各データ項目値を格納し、各料理区分にしたがって料理及び食品を分類して格納するようにしてもよい。
図3に示すように、本栄養診断システムのサーバー1は、前記サーバー側プログラムとしてのソフトウエア(プログラム)30を記憶媒体(HDD等)に格納し、同ソフトウエア30によりサーバー1のCPU、RAM等のハードウエアを各種機能実現手段として機能させるようにしている。詳細には、ソフトウエア30がコンピュータ装置に機能実現させる機能実現手段としては、コード・メニュー照合手段31、メニュー・レシピ照合手段32、レシピ・食材照合手段33、食材・栄養成分照合手段34、含有栄養成分計算手段35、食事摂取基準照合手段36、食事バランスガイド照合手段37、差異計算手段38がある。そして、サーバー1は、上記手段31〜38を利用して、入力された受診者情報(栄養診断を希望するユーザーの個人情報)と食事情報(ユーザーが摂取する食事の具体的料理や具体的食品、その食べ方や飲み方、添加する調味料等の情報)とに基づき、当該受診者に対する栄養診断情報及び栄養指導情報を作成して提示するようになっている。即ち、前記受診者情報及び食事情報は、それぞれ、ユーザー端末510,520の入力手段511〜514,521等により入力され、ネットワークNTを介してサーバー1に送信される。そして、サーバー側プログラムとしての前記ソフトウエア30が、サーバー1の各種ハードウエアを前記各手段31〜38として機能させることにより、前記データベース10の各ファイル11〜19のデータを利用して、入力された受診者情報及び食事情報に基づく栄養診断情報及び栄養指導情報を作成及び出力する。
図3の受診者情報40は前記受診者情報の一例を示す。同受診者情報40は、受診者ID(受診者No.)、パスワード、氏名、性別、年齢、身長、体重、活動強度、妊娠情報(妊娠期間)、月経情報(月経有無)等の情報からなる。このうち、前記活動強度は、上記食事摂取基準で規定する身体活動レベルに対応するもので、例えば、睡眠時の身体活動レベルを「1.0」として、その個人の年齢や労働形態(屋内勤務、屋外勤務、肉体労働等)に応じて、低レベル(範囲1.4〜1.6で代表値1.5)、普通レベル(範囲1.6〜1.9で代表値1.75)、高レベル(範囲1.9〜2.2で代表値2.0)のような複数レベルに設定されている(年齢15〜69歳の場合)。また、妊娠情報(妊娠期間)は、妊娠初期、妊娠中期、妊娠末期、授乳期等のように区分して設定されている。更に、月経情報(月経有無)は、月経期間中か否かを表すものである。これら活動強度、妊娠情報、月経情報は、性別や年齢等に加えて、必要エネルギー量や各種栄養素の必要摂取量に影響を与える因子であるため、入力パラメータとして設定されている。
図3の料理情報50X、食べ方情報60X、飲み方情報70X、調味料情報80Xは、一例としての食事情報を示す。このうち、料理情報50Xは、食事メニューファイル12に格納した料理に対応して、料理ごとに作成され用意される。料理情報50Xは、その料理が属する料理分類、料理名、その料理のイメージ情報(写真、イラスト等)、その料理による摂取カロリー(摂取エネルギー)、その料理のレシピ情報(その料理用の食材の種類や食材名と使用量等)、その料理が含有する栄養素情報(栄養素の種類と含有量)、その料理摂取によるエネルギー量(kcal)、その料理のコード情報(料理コード、バーコード等)等からなる。また、食べ方情報60Xは、食べ方の種類に応じて1種類以上作成され用意される。食べ方情報60Xは、料理(飲料以外)の摂取量情報(ユーザーが実際に摂取した料理の量に関する情報であり、例えば、摂取量1「全部食べた」、摂取量2「2/3食べた」等の情報)、その食べ方のコード情報(食べ方コード、バーコード等)等からなる。また、飲み方情報70Xは、飲み方の種類に応じて1種類以上作成され用意される。飲み方情報70Xは、料理としての飲料の摂取量情報(ユーザーが実際に飲んだ飲料の量に関する情報であり、例えば、摂取量1「全部飲んだ」、摂取量2「2/3飲んだ」等の情報)、その飲み方のコード情報(飲み方コード、バーコード等)等からなる。調味料情報80Xは、調味料の種類に応じて調味料ごとに作成され用意される。調味料情報80Xとしては、その調味料の調味料名(調味料の種類)、その調味料の添加量情報(ユーザーが実際に料理に添加した調味料の量に関する情報であり、例えば、添加量1「多め」、摂取量2「中程度」、添加量3「少なめ」等の情報)、その調味料のコード情報(調味料コード、バーコード等)等からなる。前記食べ方情報60X、飲み方情報70X、調味料情報80Xは、料理情報に加えて、摂取エネルギー量や摂取栄養素量に影響を与える因子であるため、入力パラメータとして設定されている。
ここで、前記料理情報50X、食べ方情報60X、飲み方情報70X、調味料情報80X等は、読み取りカードとしての前記料理カード50、食べ方カード60、飲み方カード70、調味料カード80等にその内容(情報)をコード化して表示することで、ユーザー端末510,520のバーコードリーダ514等により読み取って入力するよう具体化することができる。こうすると、コンピュータの入力操作に不慣れなユーザーが、各種情報の入力操作を感覚的かつ視覚的に行うことができ、その入力操作を簡易化し、栄養診断のための基礎情報(摂取食事情報)伝達への抵抗感を少なくして、同基礎情報の取得を促進することができる。同様に、前記受診者情報40も、上記各情報をコード化して表示するカードを個別に作成して、該当情報をバーコード読み取り装置514等の読み取りによって入力できるようにし、ユーザーの入力操作を簡易化するようにしてもよい。特に、活動レベル、妊娠情報等は、入力のための前提知識を必要とするため、当該情報用のカードにその情報内容の説明を表示することで、情報入力を一層促進することができる。一方、前記受診者情報、料理情報50X、食べ方情報60X、飲み方情報70X、調味料情報80X等は、キーボードやマウス等の通常の入力手段により入力することも無論可能である。
次に、前記料理情報50X等をカード化した各種読み取りカードとしての料理カード50等の詳細について説明する。まず、料理カード50、食べ方カード60、飲み方カード70、調味料カード80は、それぞれ、ゲームカード等と同等の寸法・形状のカード状(長方形シート状等の各種の態様がある)をなしている。即ち、料理カード50、食べ方カード60、飲み方カード70、調味料カード80は、それぞれの寸法・形状において上記長方形シート形状に限られるものではなく、例えば、三角形シート状や五角形シート状等の多角形シート状としたり、円形シート状、楕円形シート状、星形シート状の他のシート形状としてもよい。このうち、料理カード50は、その表面及び裏面に前記料理情報50Xと同様の料理情報を印刷等により表示している。料理カード50は、食事メニューファイル12に格納した料理に対応して、料理ごとに作成され用意される。料理カード50の料理情報としては、その料理が属する料理分類、料理名、その料理のイメージ情報(写真、イラスト等)、その料理による摂取カロリー(摂取エネルギー)、その料理による摂取栄養素(摂取できる栄養素の種類及び量)、その料理のレシピ情報(その料理用の食材の種類や食材名と使用量等)、その料理のコード情報(料理コード、バーコード等)がある。また、食べ方カード60は、その表面及び裏面に所定の食べ方情報を印刷等により表示している。食べ方カード60は、食べ方の種類に応じて1種類以上作成され用意される。食べ方カード60の食べ方情報としては、料理(飲料以外)の摂取量情報(ユーザーが実際に摂取した料理の量に関する情報であり、例えば、摂取量1「全部食べた」、摂取量2「2/3食べた」等の情報)、その食べ方カード60のコード情報(食べ方コード、バーコード等)がある。特定の料理カード50の料理情報を入力した後、食べ方カード60の摂取量情報を入力することで、当該料理についての摂取量情報が登録される。
ここで、登録情報を実際の料理摂取状況にできるだけ対応させてより正確な診断を行うため、食べ方カード60の食べ方情報を更に細分化することも好ましい。例えば、ユーザーが摂取した料理に含まれる特定の食材を全く摂取しなかった場合や一部しか摂取しなかった場合を表す食べ残し情報を、食べ残した食材の種類と量との組み合わせからなる食べ方情報として、食べ方カード60に更に付加することもできる。例えば、料理「ハンバーグステーキ」を摂取した場合に、その付け足しの温野菜(人参、ブロッコリー等)を食べ残した場合、食べ残し情報として、「人参全部食べ残し」、「人参1/2食べ残し」、「ブロッコリー全部食べ残し」、「ブロッコリー1/2食べ残し」等の情報を食べ方カード60に表示する。逆に、ユーザーが摂取した料理に含まれる特定の食材を追加摂取した場合を表す追加食材情報を、追加した食材の種類と量との組み合わせからなる食べ方情報として、食べ方カード60に更に付加することもできる。例えば、料理「ラーメン」を摂取した場合に、替え玉(麺)を追加して摂取した場合、追加食材情報として、「替え玉1/2杯」、「替え玉1杯」等の情報を食べ方カード60に表示したり、料理「おでん」を摂取した場合に、ゆで卵やこんにゃく等を追加して摂取した場合、追加食材情報として、「ゆで卵1個」、「こんにゃく1個」等の情報を食べ方カード60に表示する。そして、この場合、特定の料理カード50の料理情報を入力して食べ方カード60の摂取量情報を入力した後で、更に、当該食べ残し情報や追加食材情報を追加入力することで、当該料理についての登録摂取情報(摂取エネルギー量と摂取栄養素の種類及び量)に対して、追加入力した食べ残し情報(種類及び量)に対応する摂取エネルギー量や摂取栄養素量を減算したり、追加入力した追加食材情報(種類及び量)に対応する摂取エネルギー量や摂取栄養素量を加算したりする。また、飲み方カード70は、その表面及び裏面に所定の飲み方情報を印刷等により表示している。飲み方カード70は、飲み方の種類に応じて1種類以上作成され用意される。飲み方カード70の飲み方情報としては、料理としての飲料の摂取量情報(ユーザーが実際に飲んだ飲料の量に関する情報であり、例えば、摂取量1「全部飲んだ」、摂取量2「2/3飲んだ」等の情報)、その飲み方カード70のコード情報(飲み方コード、バーコード等)がある。
更に、調味料カード80は、その表面及び裏面に所定の食べ方情報を印刷等により表示している。調味料カード80は、調味料の種類に応じて調味料ごとに作成され用意される。調味料カード80の調味料情報としては、その調味料の調味料名(調味料の種類)、その調味料の添加量情報(ユーザーが実際に料理に添加した調味料の量に関する情報であり、例えば、添加量1「多め」、摂取量2「中程度」、添加量3「少なめ」等の情報)、その調味料カード80のコード情報(調味料コード、バーコード等)がある。ここで、調味料としては、マヨネーズ、ケチャップ、ドレッシング、味噌だれ等、相当量が添加されるために摂取エネルギー及び栄養素(たんぱく質、炭水化物、脂質等)の摂取量の両者に影響を与えるものや、醤油、ソース、香辛料等、若干量が添加されるために摂取エネルギーや主要栄養素(たんぱく質、炭水化物、脂質)への影響は少ないが一部の栄養素(無機質やビタミン類)の摂取量への影響は無視できないものがある。即ち、調味料カード80の調味料情報も、料理カード50の料理情報と同様、摂取した食事のエネルギー量や栄養素量に影響を与える食事情報である。このため、本実施の形態では、上記内容の調味料カード80が用意されることに加え、前記データベース10には、調味料カード80に対応する調味料情報のための調味料ファイル(図示略)が作成され格納されている。この調味料ファイルは、前記料理カード80の料理情報について一意のコード情報(調味料コードやそのバーコード情報等)を割り当てて識別可能に格納する。例えば、調味料ファイルは、データ項目として、「調味料名」、「調味料コード」等を定義してそのデータ項目値(具体的な調味料名や調味料コード)を格納すると共に、必要に応じて、「(調味料の)用途」、「(調味料についての)制限」、「(調味料の)補助情報」等の他の調味料情報をデータ項目として定義してそのデータ項目値を格納してもよい。
図6〜図9に、料理カード50、食べ方カード60、飲み方カード70、調味料カード80の具体例をそれぞれ示す。図6の具体例では、料理カード50は、表面の上部に、その料理の料理名を同料理が属する料理分類(「和食」、「洋食」、「中華」等)と共に表示する料理名欄52を設け、表面の中央部には、その料理の写真を表示する料理イメージ欄53を設けている。また、料理カード50は、裏面の上部から中央部にかけて、その料理に含まれる(その料理完食により摂取される)栄養素の種類(栄養素名)と摂取量(グラム)とを表示する栄養素表示欄54を設けている。更に、料理カード50は、裏面の下部に、その料理完食による摂取エネルギー量(kcal)を表示するエネルギー量表示欄55を設けている。なお、料理カード50の裏面の最下部には、前記バーコード51が表示されている。バーコード51は、料理カード50に表示した各種情報(料理分類、料理名、料理コード、栄養素名とその摂取量、摂取エネルギー量等)をコード化したものであるが、それ以外にも、料理に関して必要な情報をコード化して追加することもできる。ここで、特に図6の形式の料理カード50は、栄養診断関係者(食品学科等の学生や栄養士等)の学習用にも利用することができる。例えば、料理カード50の表側の情報(料理名等)を見て、その料理に含まれる(その料理により摂取できる)栄養素やその栄養素の量、並びに、その料理により摂取できるエネルギー量を答えるといった方法で、料理カード50を英単語カード等のようにして学習用に利用することができる。
次に、図7の具体例では、食べ方カード60は、表面に、食べ方カードであることを表す表示欄62を設けている。また、食べ方カード60は、裏面の上部から中央部にかけて、摂取量情報として、「全部食べた」、「2/3食べた」、「1/2食べた」、「1/3食べた」、「1.5倍食べた」、「2倍食べた」の6種類の摂取量表示を配置した摂取量表示欄63を設けると共に、摂取量表示欄63の摂取量表示の下側に、その摂取量をコード化したバーコード63a,63b,63c,63d,63e,63fをそれぞれ配置している。なお、食べ方カード60の裏面の最下部には、前記バーコード61が表示されている。バーコード61は、その読み取りカードが食べ方カード60であることを表す情報をコード化したものであるが、それ以外にも、食べ方に関して必要な情報をコード化して追加することもできる。また、上記摂取量に関するバーコード63a,63b,63c,63d,63e,63f自体によって食べ方カードであることを識別することもできるため、読み取りカードが食べ方カード60であることを表す情報をコード化したバーコード61は省略してもよい。ここで、上記のように摂取量情報を全て1枚の食べ方カード60にまとめて表示する以外に、摂取量ごとに別個の食べ方カード60を用意して、各種類の食べ方カード60にそれぞれ異なる種類の摂取量表示とその摂取量をコード化したバーコードを設けるようにしてもよい。この場合、食べ方カード60は、「全部食べた」という摂取量情報を表示する食べ方カードと、「2/3食べた」という摂取量情報を表示する食べ方カードと、「1/2食べた」という摂取量情報を表示する食べ方カードと、「1/3食べた」という摂取量情報を表示する食べ方カードと、「1.5倍食べた」という摂取量情報を表示する食べ方カードと、「2倍食べた」という摂取量情報を表示する食べ方カードとから構成され、入力する摂取量情報の種類の分だけ(上記事例の場合は6種類に対応して6枚)用意され、1枚の食べ方カードが1種類の摂取量情報を表すことになる。
また、摂取量ごとに別個に食べ方カードを用意する場合、1枚の食べ方カードに全ての摂取量を表示する場合と比較して、その摂取量の種類を大幅に増加することができる。したがって、食べ方カードが表す摂取量情報として、上記のもの以外に、例えば、「1/4食べ残し」、「1/3食べ残し」、「1/2食べ残し」等の食べ残し情報や、「1/4食べ増し(追加)」、「1/3食べ増し(追加)」、「1/2食べ増し(追加)」、「お代わり(一食分食べ増し)」等の食べ増し情報(追加摂取情報)を加え、食べ残し情報を表す食べ方カード(食べ残しカード)や食べ増し情報を表す食べ方カード(食べ増しカード)を食べ方カードとして用意してもよい。或いは、各料理について、料理カード50を「全部食べた(一食分食べた)」の摂取量情報を表す基本の食べ方カードとして使用すると共に、上記各種類の食べ残しカードや食べ増しカードを用意してもよい。この場合、料理カード50の料理情報(バーコード情報)に、当該料理に関する一食分の摂取量情報(エネルギー量及び栄養素)を追加し、料理カードの料理情報を入力した時点で、同時に、一食分の摂取量情報が入力されるようにすることができる。こうすると、摂取料理について、対応する料理カードの料理情報をバーコード読み取り等により入力することで、当該料理についての一食分の摂取量情報が入力され、当該料理を一部食べ残した場合は、対応する食べ残し量の食べ残しカードをバーコード読み取り等により入力し、逆に、当該料理を一部食べ増した場合は、対応する食べ増し量の食べ増しカードをバーコード読み取り等により入力することにより、通常の食事の流れ(即ち、一食分の料理を食べようとして食べ残した、または、一食分の料理を間食した後に一部追加した、若しくは、お代わりしたという食事の流れ)と同様の感覚で、摂取した料理の摂取量情報を入力することができる。
また、この場合、各種類の食べ方カードを色分けして目視により容易に識別できるようにしてもよい。例えば、「全部食べた」の食べ方カードは青、「2/3食べた」の食べ方カードは緑、「1/2食べた」の食べ方カードは黄色、「1/3食べた」の食べ方カードは赤、「1.5倍食べた」の食べ方カードは紫、「2倍食べた」の食べ方カードはピンク等としてもよい。なお、上記の食べ残しカード及び食べ増しカードを用意する場合も、同様にして書く種類の食べ残しカード及び食べ増しカードを色分けしてもよい。この場合、色分けした食べ方カードを色別に積み重ねる(積み上げる)ことで、自動的に摂取量情報の種類別に食べ方カードを分類することができる。特に、この場合、「1/2食べた」の食べ方カードや「1/3食べた」の食べ方カード等、一食分の摂取量情報の数分の一の摂取量情報を表示する(色分けした)食べ方カードを使用し、各種類の食べ方カードを色ごとに積み上げて分類しておき、その食べ方カードを複数枚使用して摂取量情報を加算する(積み上げる)ことにより、各料理についての全体の摂取量情報を入力してもよい。例えば、一食分の料理を摂食した場合、「1/2食べた」の食べ方カードを2枚読み取って入力したり、「1/3食べた」の食べ方カードを3枚読み取って入力したり、「1/3食べた」の食べ方カードと「2/3食べた」の食べ方カードを読み取って入力したりする。このように、分数の足し算により摂取量情報を入力させることで、子供等のユーザーに対する嗜好性・趣味性・娯楽性を加味することができる。或いは、上記食べ残しカードと同様の食べ方カードも併用し、分数の足し算と引き算とにより摂取量情報を入力させるようにしてもよい。このように、食べ方カード60は、子供のカルタやカードゲームのような感覚で遊び心を持たせて食事情報を入力させることにより、面倒な食事情報の入力作業を促せる点で非常に有効である。
更に、料理カード50では通常のレシピによる食材の使用(種類及び量)が前提となっているため、対応する料理の摂取量情報も、通常のレシピの食材による摂取量情報となる。そこで、料理カード50に記載の通常のレシピと異なるレシピでその料理が作られている場合、通常のレシピと異なる食材の種類及び量について、追加的に変更できるよう構成した食べ方カードを用意してもよい。例えば、料理「カレー」について、食材「人参」が、通常のレシピより多めまたは少なめに使用されている場合、「人参1/4単位増量」、「人参1/3単位増量」、「人参1/2単位増量」といった特定の食材の増量用の増量カードや、「人参1/4単位減量」、「人参1/3単位減量」、「人参1/2単位減量」、「人参全量減量(不使用)」といった特定の食材の減量・不使用用の減量・不使用カードを用意してもよい。なお、この場合の「単位」とは、通常のレシピにおける当該食材の使用量を1単位とし、同単位の分数等で増量及び減量を表したものである。
次に、図8の具体例では、飲み方カード70は、表面に、飲み方カードであることを表す表示欄72を設けている。また、飲み方カード70は、裏面の上部から中央部にかけて、摂取量情報として、「全部飲んだ」、「2/3飲んだ」、「1/2飲んだ」、「1/3飲んだ」、「1.5倍(1.5杯)飲んだ」、「2倍(2杯)飲んだ」の6種類の摂取量表示を配置した摂取量表示欄73を設けると共に、摂取量表示欄73の摂取量表示の下側に、その摂取量をコード化したバーコード73a,73b,73c,73d,73e,73fをそれぞれ配置している。なお、飲み方カード70の裏面の最下部には、前記バーコード71が表示されている。バーコード71は、その読み取りカードが飲み方カード70であることを表す情報をコード化したものであるが、それ以外にも、飲み方に関して必要な情報をコード化して追加することもできる。また、上記摂取量に関するバーコー73a,73b,73c,73d,73e,73f自体によって飲み方カードであることを識別することもできるため、読み取りカードが飲み方カード70であることを表す情報をコード化したバーコード71は省略してもよい。ここで、飲み方カード70についても、食べ方カード60の場合と同様にして、各種類の飲み方情報に対応して別個の飲み方カードを用意したり、飲み残しカードや飲み増しカードとして具体化したり、それらを色分けしたり、分数の足し算及び/または引き算による摂取量の入力としたりすることができる。
次に、図9の具体例では、調味料カード80は、表面の上部に、その調味料の調味料名を表示する調味料名欄82を設け、表面の中央部には、その調味料の写真を表示する調味料イメージ欄83を設けている。また、調味料カード80は、裏面の上部から中央部にかけて、添加量情報として、「多め」、「中くらい」、「少な目」の3種類の添加量表示を配置した添加量表示欄84を設けると共に、添加量表示欄84の添加量表示の下側に、その添加量をコード化したバーコード84a,84b,84cをそれぞれ配置している。なお、調味料カード80の裏面の最下部には、前記バーコード81が表示されている。バーコード81は、調味料カード80に表示した情報のうち添加量情報を除く情報(調味料名、調味料コード等)をコード化したものであるが、それ以外にも、調味料に関して必要な情報をコード化して追加することもできる。また、上記添加量に関するバーコー84a,84b,84c自体によって調味料カードであることを識別することもできるため、読み取りカードが調味料カード80であることを表す情報をコード化したバーコード81は省略してもよい。ここで、調理量カード80は、添加量表示欄84に設ける添加量情報として、上記「多め」、「中くらい」、「少な目」の代わりに、「一振り」、「一回し」、「一つまみ」、「少々」、「小さじ1/3」、「小さじ1/2」、「小さじ1杯」、「小さじ2杯」、「中さじ1/3」、「中さじ1/2」、「中さじ1杯」、「中さじ2杯」、「大さじ1/3」、「大さじ1/2」、「大さじ1杯」、「大さじ2杯」等の添加量表示を使用してもよい。また、
図10〜図13に、料理カード50Aの別の具体例をそれぞれ示す。図10〜図13に示すように、料理カード50Aは、図6の料理カード50と同様、表面の上部に、その料理の料理名52bを同料理が属する料理分類52aと共に表示すると共に、表面の中央部には、その料理の写真53を表示している。また、料理カード50Aは、表面の最下部に、その料理1人前完食による摂取エネルギー量(kcal)55を表示している。更に、料理カード50Aは、裏面の上部から中央部にかけて、その料理の1人前のレシピ情報(食材と使用量)56を表示している。なお、料理カード50Aの裏面の最下部には、前記バーコード51が表示されている。バーコード51は、料理カード50Aに表示した各種情報(料理分類、料理名、料理コード、食材名とその使用量、摂取エネルギー量等)をコード化したものであるが、それ以外にも、料理に関して必要な情報をコード化して追加することもできる。ここで、上記のように、料理カード50Aは、摂取量情報として、摂取エネルギー量以外の情報、例えば、脂質、食塩、繊維等の栄養素に関する情報(種類及び量)も含めることができ、かかる栄養素情報を摂取エネルギー量の近傍等の位置に印刷等により表示することができる。また、その場合、当然、同様の情報をコード化してバーコード51に追加することができる。
次に、上記ソフトウエア30に基づくコンピュータの各種機能実現手段としてのコード・メニュー照合手段31等の動作について、図14〜図16のフローチャートを参照して説明する。なお、図14及び図15の処理手順では、ユーザー端末510,520からの情報は、インターネットや携帯電話事業者の通信網を含むネットワークNTからウエブサーバー5を介してサーバー1内のソフトウエア30に受け渡され、同ソフトウエア30により入力情報とデータベース10とに基づく情報加工の後、栄養診断情報乃至栄養指導情報として、ウエブサーバー5から同ネットワークNTを介してユーザー端末510,520に受け渡される。よって、下記の各手順(STEP)において、ユーザー端末510,520とサーバー1との間での情報授受が発生する場合は、かかる情報授受はかかるネットワークNT経由でウエブサーバー5を介して行われる(この情報授受自体に関しては一般的なCGI等を介した情報授受と同様である)ため、データ通信自体に関する詳細な説明は省略する。
まず、図14に示すように、本栄養診断システムを利用しようとするユーザーは、ユーザー端末510,520からウエブブラウザによりサーバー1に接続し、ソフトウエア30による機能実現手段としてのユーザーインターフェース(GUI)提供手段(図示略)を介して本栄養診断システムのユーザー登録画面を呼び出し、STEP10で自己のIDを設定して入力して、STEP20で自己のパスワードを設定して入力する。すると、当該ユーザー用のユーザー登録が完了する。次に、ユーザーは、サーバー1から個人情報入力画面を呼び出し、STEP30で個人データとしての前記受診者情報40を入力する。次に、ユーザーは、サーバー1からGUI提供手段を介して食事情報入力画面を呼び出し、STEP40で前記食事情報として、料理情報50X、食べ方情報60X、飲み方情報70X、調味料情報80X等のうち、自己が摂取した(或いは摂取予定の)食事に関する料理情報50X等を入力する。すると、STEP50で、前記コード・メニュー照合手段31等が、入力された食事情報に基づき、データベース10を参照して栄養診断処理を実行し、STEP60で栄養診断処理が終了すると、STEP70で栄養診断結果がユーザー端末510,520のモニター515,522等に表示される。なお、STEP10〜STEP30の手順は初回のみ(新規ユーザー登録時)のみ実行され、登録ユーザーについては、登録したID及びパスワード入力による個人認証の後、STEP40以降の手順が実行される。このとき、STEP40の食事情報の入力は、必要回数行う。即ち、ユーザーは、摂取する料理の数だけ料理情報50Xの入力を行い、また、食べ方情報60X、飲み方情報70X、調味料情報80Xの入力が必要な場合は、その入力もその都度行う。すると、前記コード・メニュー照合手段31等は、食事情報の入力があるたびに同様の栄養診断処理を実行して栄養診断情報を更新する。よって、ユーザーが食事情報を入力するたびにSTEP40〜STEP60の手順が繰り返され、STEP70における栄養診断結果の表示内容が順次更新される。即ち、ユーザーが最後の食事情報を入力し、その後の入力がなければ、そのときに表示されている栄養診断結果が最終的な栄養診断結果となる。
この場合、STEP70の処理では、栄養診断結果に基づいて、今後摂取すべき栄養素を多く含んだ複数(10品程度)の料理の表示を行うことができる。かかる料理表示には、栄養素が少ない料理、摂取エネルギー量(カロリー)が多い料理、摂取エネルギー量(カロリー)が少ない料理等の表示を含めることが可能である。また、選択した料理のレシピを画面表示したものを印刷して、買い物及び料理作り等にも活用することができる。即ち、STEP70の栄養診断処理では、栄養診断手段が、摂取食事情報のデータ取得日までの所定期間の受診者の摂取食事情報における摂取エネルギー量並びに摂取栄養素の種類及び量と、当該受診者に適用される食事摂取基準による当該受診者の必要エネルギー量並びに必要栄養素の種類及び量とを個々に比較して、摂取エネルギー量と必要エネルギー量との間のエネルギー量の差並びに摂取栄養素と必要栄養素との間の栄養素の種類及び量の差を差異情報として演算し、当該差異情報を当該受診者についての前記栄養診断情報として画面表示する。また、STEP70の処理では、栄養指導手段が、前記データ取得日以降の前記所定期間と同一期間において、前記栄養診断情報におけるエネルギー量の差に対応するエネルギー量を相殺するために必要な相殺用のエネルギー量を演算すると共に、前記栄養診断情報における栄養素の種類及び量の差を相殺するために必要な相殺用の栄養素の種類及び量を演算し、当該相殺用のエネルギー量及び相殺用の栄養素の種類及び量を満足する推奨料理または推奨料理の組み合わせを判断し、栄養指導情報として当該推奨料理または推奨料理の組み合わせを複数種類(10種類程度)画面表示し、そのいずれかを操作画面上で選択自在とする。そして、画面表示した複数種類の推奨料理又は推奨料理の組み合わせのいずれかを、ユーザーが操作画面上で好みに応じて選択することにより、当該選択した推奨料理のレシピまたは推奨料理の組み合わせにおける各推奨料理のレシピを前記栄養指導情報として画面表示または印刷出力することができる。一方、上記のように栄養診断結果を食事情報の入力があるたびに逐次表示するのではなく、ユーザーがSTEP40で全ての食事情報を入力した後に栄養診断開始ボタンを押す等の操作により、ソフトウエア30により栄養診断処理の開始が上記コード・メニュー照合手段31等に指令されるようにしてもよく、この場合、コード・メニュー照合手段31等は、上記指令を受けた後にのみ栄養診断処理を実行して最終的な栄養診断結果を表示することになる。次に、ユーザーは、使用するユーザー端末がPC510の場合に、STEP80で印刷ボタンを押す等の操作によって、STEP90へと進み、栄養診断結果をPC515から印刷機に出力して印刷を実行することができる。或いは、ユーザーは、STEP80で転送ボタンを押す等の操作により、STEP100でPC510から特定の携帯電話520に電子メール等で栄養診断結果を転送して表示することもできる。
図15は図14のSTEP40の食事情報入力処理を料理カード50等を利用して行った場合について、STEP50の栄養診断処理手順の具体例を詳細に示す。図15の処理では、まず、STEP41で、ユーザーが摂取した食事の料理に対応して、(1枚以上の)料理カード50のバーコード51をPC510のバーコードリーダ514等により必要な数(摂取した数)だけ読み取って入力すると、入力した(1以上の)バーコード51がデータベース10の食事コードファイル11に蓄積される。すると、STEP51で、ソフトウエア30による機能実現手段としてのバーコード変換手段(図示略)が、食事コードファイル11内のバーコードの各々を、データベース10に設けた図示しないバーコードファイル(バーコードと料理コード、食品コード、食べ方コード、飲み方コード、摂取量コード、調味料コード及び添加量コード等との間のコード変換表)内のバーコードと照合して、入力された料理コードを特定して出力する。すると、STEP52で、前記コード・メニュー照合手段31が、食事コードファイル11から出力された各料理コードを食事メニューファイル12に格納した料理コードと照合し、ユーザーが摂取した料理を特定してその料理コードを出力する。すると、STEP53で、前記メニュー・レシピ照合手段32が、食事メニューファイル12から出力された各料理コードを料理レシピファイル13に格納した料理コードと照合し、ユーザーが摂取した料理のレシピ情報(レシピ番号)を特定して出力する。すると、STEP54で、前記レシピ・食材照合手段33が、当該料理レシピファイル13から出力されたレシピ番号(レシピコード)を食品コードファイル14に格納したレシピ番号(レシピコード)と照合し、ユーザーが摂取した料理のレシピを構成する食材の食品コードとその使用量とを特定して出力する。ここで、STEP53で出力されるレシピ情報が、上記料理レシピファイル13の構成(格納データ)に応じて摂取料理のレシピを構成する使用食材の食品コード及び使用量からなる場合(料理レシピファイル13自体に食品コードや使用量を格納する場合)、STEP53で使用食品の種類及び使用量が特定されるため、STEP54は必要ない。一方、STEP53で出力されるレシピ情報がレシピ番号のみからなる場合(料理レシピファイル13がレシピ番号のみを格納する場合)、STEP54が必要となる。
STEP54で食品コード及びその使用量が出力されると、STEP55で、食材・栄養成分照合手段34が、出力された各食品コードを食品成分表ファイル15に格納した食品コードと照合し、ユーザーが摂取した料理に含有される各食品を特定する。すると、STEP56で、含有栄養成分計算手段35が、特定された各食品の各栄養素について、単位量当りの含有量と出力された食品の実際の使用量との比に応じて、実際の摂取食品に含有される各栄養素量(成分摂取量)を計算して出力すると共に、実際の摂取食品(摂取料理)による摂取エネルギー量についても計算して出力する。また、この後、STEP56では最終的な栄養診断手順が実行されるが、この栄養診断手順では、食事摂取基準照合手段36が、食事摂取基準ファイル16に格納した各栄養素の必要摂取量(推定平均必要量等)と出力された栄養素量とを照合すると共に、格納した必要エネルギー量と出力された摂取エネルギー量とを照合し、差異計算手段38によって、それらの間の差異(必要エネルギー量と摂取エネルギー量との差異、各栄養素の必要摂取量等と実際の摂取量との差異)を計算して出力する。更に、STEP70で、図示しない栄養診断結果描画手段が、必要エネルギー量と摂取エネルギー量との差異や各栄養素の必要摂取量等と実際の摂取量との差異を、栄養診断結果として各種グラフ(棒グラフ、円グラフ、レーダーチャート)等により表示出力する。飲料の場合も、上記と同様にして、STEP41で料理カード50によりその飲料の料理コードを入力すると、STEP51〜STEP56でその飲料が特定されてその飲料による摂取エネルギーや摂取栄養素量が演算され、STEP70でその飲料による摂取エネルギーや摂取栄養素量が必要エネルギー量や必要栄養素量と比較して表示される。このようにして、摂取した料理や飲料の食事情報を料理カード50で入力するたびに、摂取エネルギーや摂取栄養素量がその分だけ加算され、必要エネルギー量や必要栄養素量と比較して表示される。そして、全ての料理や飲料の入力を完了した時点で、全ての料理や飲料による摂取エネルギーや摂取栄養素量が加算され、必要エネルギー量や必要栄養素量と比較して表示されるため、かかる比較表示を栄養診断結果として受診者に視覚的に提供することができる。
本栄養診断システムは、図16に示す処理も実行可能である。具体的には、本栄養診断システムは、図3のデータベース構成として、更に、食材情報記憶手段、調味料情報記憶手段及び調理情報記憶手段を備えると共に、図3のソフトウエア構成として、更に、料理作成手段、摂取食事情報演算手段、味付設定手段、味付情報演算手段、調理法設定手段及び調理情報演算手段を備える。食材情報記憶手段は、任意の料理を作るための食材(既存の料理だけでなく、任意の新しい料理を作るために必要なあらゆる種類の食材)に関する食材情報を記憶する。即ち、食材情報記憶手段は、料理用の食材の種類と当該食材による摂取エネルギー量並びに摂取栄養素の種類及び量に関する食材情報を記憶する。また、調味料情報記憶手段は、料理用の調味料(味付け用の全ての材料を含む)の種類と当該調味料による摂取エネルギー量並びに摂取栄養素の種類及び量に関する調味料情報を記憶する。また、調理情報記憶手段は、調理方法に関する調理法情報と、各調理方法が料理の摂取エネルギー量並びに摂取栄養素の種類及び量に与える影響に関する調理影響情報とを記憶する。また、料理作成手段は、前記食材情報記憶手段に記憶した食材を画面表示し、画面表示した食材から任意の種類の食材を選択して組み合わせ自在とすると共に選択した各食材の使用量を選択自在とし、当該選択に係る食材の種類及び使用量からなるレシピの料理を作成自在とする。また、摂取食事情報演算手段は、前記料理作成手段により作成した料理のレシピを構成する食材の種類及び使用量と前記食材情報とに基づき、当該料理の摂取エネルギー量並びに摂取栄養素の種類及び量を演算する。また、味付設定手段は、前記調味料情報記憶手段に記憶した調味料を画面表示し、画面表示した調味料から任意の種類の調味料を選択して組み合わせ自在とすると共に選択した各調味料の使用量を選択自在として、前記料理作成手段により作成した料理の味付方法を設定自在とする。また、味付情報演算手段は、前記味付選択手段による選択に係る種類及び量の調味料を前記料理作成手段により作成した料理に添加する場合について、当該添加に係る調味料の種類及び使用量と前記調味料情報とに基づき、当該料理の摂取エネルギー量並びに摂取栄養素の種類及び量の変化を演算する。また、調理法設定手段は、調理情報記憶手段に記憶した調理方法を画面表示し、画面表示した調理方法から前記料理作成手段により作成した料理用の調理方法を設定自在である。また、調理情報演算手段は、調理法設定手段により設定した調理方法が前記作成料理の摂取エネルギー量並びに摂取栄養素の種類及び量に与える変化を演算する。そして、本栄養診断システムは、前記摂取食事情報演算手段、味付情報演算手段及び調理情報演算手段を前記栄養診断手段に設け、料理作成手段により作成した料理について、摂取食事情報演算手段によって当該作成した料理の摂取エネルギー量並びに摂取栄養素の種類及び量を演算する。また、当該摂取食事情報演算手段により演算した料理の摂取エネルギー量並びに摂取栄養素の種類及び量に対して、味付情報演算手段によって演算した当該料理の摂取エネルギー量並びに摂取栄養素の種類及び量の変化を反映する。その後、当該味付情報演算手段による変化を反映した当該料理の摂取エネルギー量並びに摂取栄養素の種類及び量に対して、調理情報演算手段によって演算した当該料理の摂取エネルギー量並びに摂取栄養素の種類及び量の変化を反映する。そして、当該調理情報演算手段による変化を反映した当該料理の摂取エネルギー量並びに摂取栄養素の種類及び量を当該受診者についての前記必要エネルギー量並びに必要栄養素の種類及び量と比較して前記栄養診断情報を画面表示することにより、当該栄養診断情報を参照して、料理作成手段及び味付設定手段により新たな料理の作成及び味付の設定を行えるようにしている。
具体的には、図16に示すように、まず、操作画面の料理作成メニューを選択実行すると、料理作成手段、味付設定手段、調理法設定手段等による処理により、操作画面上に料理作成用の操作画面が表示される。同操作画面では、食材情報記憶手段に登録した食材から任意の料理を作成するための各種食材を選択自在となっている。また、同操作画面では、調味料情報記憶手段に登録した調味料から任意の料理を作成するための各種調味料を選択自在となっている。更に、同操作画面では、調理情報記憶手段に登録した調理方法から任意の料理を作成するための各種調理方法を選択自在となっている。ここで、ユーザーが、操作画面(GUI)上に表示された操作メニューや操作アイコン等の各種操作手段を利用して、STEP101で、好みの料理を作るべく必要な食材の種類及び使用量を選択し、STEP102で、当該料理の味付けを設定すべく所望の調味料の種類及び使用量を選択して設定し、STEP103で、当該料理の調理方法を設定すべく所望の調理方法を選択して設定すると、設定した食材のレシピで、設定した調味料による味付けの、設定した調理方法による料理が作成される。すると、STEP104で、摂取食事情報演算手段、味付情報演算手段、調理情報演算手段等により、作成した料理の栄養データ(摂取エネルギー量並びに摂取栄養素の種類及び量等)が演算され、操作画面の所定の栄養情報表示領域に画面表示される。その後、STEP105で、作成した料理の料理データ(使用食材の種類及び量(レシピ)、料理イメージ等)が、操作画面上の所定の料理情報表示領域に画面表示される。この料理データは、印刷等により外部出力することができる。
更に、本実施の形態に係る栄養診断システムは、料理の摂取量(完食か一部のみ摂取か)や飲料の摂取量(完飲か一部のみ摂取か)についても、食べ方カード60や飲み方カード70等を利用して食べ方情報60X及び飲み方情報70Xとして入力することができるよう構成されている。即ち、本実施の形態に係る栄養診断システムは、ソフトウエア30による機能実現手段としての食べ方情報反映手段及び飲み方情報反映手段(共に図示略)を設けている。そして、本実施の形態に係る栄養診断システムにおいて、食べ方情報60X及び飲み方情報70Xの反映処理では、例えば、摂取した料理の食事情報(種類)を料理カード50により入力した後に、実際の摂取量(全部、2/3、1/2、1/3等)を食べ方カード60の対応するバーコード63a〜63fを読み取ることにより入力する。同様に、摂取した飲料の食事情報(種類)を料理カード50により入力した後に、実際の摂取量(全部、2/3、1/2、1/3等)を飲み方カード70の対応するバーコード73a〜73fを読み取ることにより入力する。すると、食べ方情報反映手段または飲み方情報反映手段が、入力した料理または飲料による摂取エネルギー量及び摂取栄養素量を、食べ方カード60または飲み方カード70による摂取量に応じて再計算する(摂取量反映手順)。即ち、食べ方情報反映手段または飲み方情報反映手段は、摂取量が「全部」の場合は入力した料理または飲料による摂取エネルギー量及び摂取栄養素量としてそのままの値を維持するが、摂取量が「2/3」等、全部ではない場合(一部の割合である場合)は、入力した料理または飲料による摂取エネルギー量及び摂取栄養素量を当該一部の割合に応じて再計算(減算、除算等)し、STEP70で当該再計算した値を栄養診断結果として表示する。なお、これらの処理(STEP)は図15には図示していない。ここで、本実施の形態に係る栄養診断システムは、無論、上記各種読取カードを使用した情報入力以外にも、音声入力や、キーボードやマウス(及びモニタ画面上のユーザーインターフェース)を利用した手入力によっても、情報入力することができる。
特に、本実施の形態の栄養診断システムでは、うどんやラーメン等の汁物(料理に相当する固形物と飲料に相当する汁とからなる料理)についても、食べ方カード60及び飲み方カード70等により、その固形物については食べ方情報として入力し、その汁については飲み方情報として入力することにより、汁物の固形物及び汁の各々についての摂取エネルギー及び摂取栄養素量を正確に演算できるようにしている。即ち、汁物については固形物と汁とでエネルギー量及び含有栄養素が大きく異なり、また、飲食者によっては固形物のみを摂取して汁を全く摂取しなかったり、固形物と汁の摂取量が異なったりする(例えば、固形物を全部で汁を半分、固形物を2/3で汁を1/2等)ことが多い。したがって、本実施の形態では、このような場合にも食事情報を的確に反映して正確な栄養診断情報を提供できるよう、固形物及び汁の各々について食べ方情報60X及び飲み方情報70Xを入力自在としている。具体的には、データベース10の食事メニューファイル12(または、別個に用意した汁物ファイル)は、汁物を種類ごと(坦々麺、五目うどん等)に格納すると共に、料理レシピファイル13は、当該汁物についてのデータを、固形物用のデータと汁用のデータとに区別して(識別可能な態様で)格納している。
そして、汁物についての栄養診断処理では、まず、汁物を飲食したユーザーが、その汁物の食事情報入力のために、例えば、料理カード50のバーコード51をPC510のバーコードリーダ514等により読み取って、汁物の種類を入力する(STEP41)。すると、上記STEP51〜STEP56の処理により、その汁物全体(固形物及び汁の全体)を摂取した場合の摂取エネルギー量及び摂取栄養素量が演算される。その後、ユーザーが、食べ方カード60のバーコード63a〜63fを使用して固形物の摂取量(全部、2/3、1/2、1/3等)を入力すると、前記食べ方情報反映手段が、対象となる汁物(入力した料理)の固形物の食品(食材)による摂取エネルギー量及び摂取栄養素量のみについて上記摂取量反映手順を実行する。また、食べ方情報60Xの入力後、飲み方カード70のバーコード73a〜73fを使用して汁の摂取量(全部、2/3、1/2、1/3等)を入力すると、前記飲み方情報反映手段が、対象となる汁物(入力した料理)の汁の食品(食材)による摂取エネルギー量及び摂取栄養素量のみについて上記摂取量反映手順を実行する。なお、飲み方情報70Xを先に入力し、食べ方情報60Xをその後に入力してもよく、この場合も、入力した飲み方情報70X及び食べ方情報60Xに基づいて上記と同様の摂取量反映手順がそれぞれ実行される。即ち、料理情報50Xの入力後の食べ方情報60X及び飲み方情報70Xの入力により、食べ方情報反映手段及び飲み方情報反映手段が、食べ方情報としての入力摂取量(摂取割合)及び飲み方情報としての入力摂取量(摂取割合)に基づき、対象となる汁物全体の摂取エネルギー及び摂取栄養素量のうち、固形物全体(固形物完食)による摂取エネルギー量及び摂取栄養素量を食べ方情報60Xによる摂取割合に応じて再計算(減算等)し、汁全体(汁完飲)による摂取エネルギー量及び摂取栄養素量を飲み方情報70Xによる摂取割合に応じて再計算(減算等)し、最終的に、固形物及び汁の各再計算値(摂取エネルギー及び摂取栄養素量)の加算値を汁物の実際の摂取エネルギー及び摂取栄養素量として取得して、STEP70で当該汁物全体の再計算値を栄養診断結果として表示する。
ここで、食事ファイル12は、料理としての汁物自体のデータである「料理コード」、「料理名」等を格納すると共に、その料理が汁物であることを示すフラグ等のデータ項目、例えば、データ項目「汁物」を用意し、当該データ項目の項目値として、汁物以外の料理については「0」を格納し、汁物については「1」を格納するよう構成してもよい。例えば、坦々麺の場合、食事メニューファイル12に、料理である坦々麺自体のデータとして「料理コード:0101」、「料理名:坦々麺」等を格納すると共に、汁物を表すデータ項目値として「汁物:1」を格納する。こうすると、例えばメニュー・レシピ照合手段32(或いは、ソフトウエア30による機能実現手段として別個に用意した汁物識別手段等)が、料理乗法50Xの入力時に、当該データ項目を参照することにより、その料理が汁物であることを認識でき、料理情報50Xの入力後、入力した料理が汁物である場合、「食べ方情報を入力して下さい」、「飲み方情報を入力して下さい」といったプロンプト(督促ダイアログ)を画面表示して、ユーザーに食べ方情報60Xや飲み方情報70Xの入力を促すことができる。或いは、例えばメニュー・レシピ照合手段32(或いは、ソフトウエア30による機能実現手段として別個に用意した汁物識別手段等)は、汁物以外の料理について飲み方情報が入力されたり、汁物以外の飲料について食べ方情報が入力されたりした場合は、誤入力として処理(入力無効化処理等)を実行し、汁物についてのみ食べ方情報及び飲み方情報の両者の入力を受け付けるよう構成してもよい。
或いは、食品メニューファイル12には当該汁物識別用のデータ項目を設けず、料理レシピファイル13の料理レシピの食品の種類を固形物用の食品と汁用の食品とに区別して(識別可能な態様で)格納し、メニュー・レシピ照合手段32等のソフトウエア30による手段が、当該食品の種類を参照することにより汁物であるか否かを判断して、汁物の場合は固形物及び汁の各々について上摂取量反映手順を実行し、汁物以外の料理の場合は食べ方情報60Xについての摂取量反映手順のみ実行し、飲料の場合は飲み方情報70Xについての摂取量反映手順のみ実行するよう構成してもよい。この場合、例えば、料理が坦々麺の場合、料理レシピファイル13に、固形物である麺及び具(ひき肉や野菜等)のデータとして、「食品コード:1001」、「食品名:麺」等を格納すると共に、汁であるスープのデータとして「食品コード:2001」、「食品名:坦々麺スープ」等を格納する。更に、データベース10に、食事メニューファイル12とは別個に汁物ファイルを作成し、汁物については当該汁物ファイルにデータを格納するようにしてもよい。
加えて、本実施の形態の栄養診断システムでは、マヨネーズ、ドレッシング、ケチャップ等の調味料についても、調味料カード80等により調味料情報80Xとして入力することにより、完成した料理に後で加えた調味料についての摂取エネルギー及び摂取栄養素量を正確に演算できるようにしている。例えば、野菜サラダにマヨネーズやドレッシング等の調味料をかけて食する場合、その調味料による摂取エネルギー量や摂取栄養素量は無視できない。したがって、本実施の形態では、このような場合にも食事情報を的確に反映して正確な栄養診断情報を提供できるよう、調味料についての調味料情報80Xを入力自在としている。具体的には、本実施の形態に係る栄養診断システムは、ソフトウエア30による機能実現手段としての調味料情報反映手段(図示略)を設けている。また、データベース10の調味料ファイルは、上記調味料カードに関して説明したように、調味料のデータ(調味料コード、調味料名等)を調味料の種類ごとに格納している。そして、調味料情報80Xを入力する栄養診断処理では、まず、料理に調味料を加えて食したユーザーが、その料理の食事情報入力のために、例えば、料理カード50のバーコード51をPC510のバーコードリーダ514等により読み取って、汁物の種類を入力する(STEP41)。すると、上記STEP51〜STEP56の処理により、その汁物全体(固形物及び汁の全体)を摂取した場合の摂取エネルギー量及び摂取栄養素量が演算される。その後、ユーザーが、調味料カード80のバーコード84a〜84cを使用して調味料の添加量(多め、中くらい、少な目等)を入力すると、前記調味料情報反映手段が、対象となる料理による摂取エネルギー量及び摂取栄養素量を演算して、料理による摂取エネルギー量及び摂取栄養素量に加算する(調味料反映手順)。即ち、料理情報50Xの入力後の調味料情報80Xの入力により、調味料情報反映手段が、調味料情報としての調味料の添加量に基づき、対象となる料理全体の摂取エネルギー及び摂取栄養素量に対し、調味料による摂取エネルギー量及び摂取栄養素量を加算する再計算を実行し、料理と調味料との全体による摂取エネルギー量及び摂取栄養素量を取得して、STEP70で当該料理及び調味料全体の再計算値を栄養診断結果として表示する。
以下、本実施の形態の栄養診断システムの使用方法について、そのGUI(ユーザーインタフェース)を中心に説明する。
図17に示す本栄養診断システムのGUI110は、ユーザー(受診者等)がPC510等のユーザー端末からサーバー1に接続して初期画面を呼び出したときに、初期操作画面としてPC510のモニター515に表示されるものであり、本栄養診断システムの操作画面の一例を示す。GUI110は、受診者情報登録領域111を上部に有し、受診者情報登録領域111内に受診者新規登録ボタン112、個人コードボックス113、氏名ボックス114、管理者ログインボタン115及び受診者ログインボタン116を配置している。また、受診者情報登録領域111の下側には、受診者基本情報登録・変更ボタン117、食事摂取基準値設定ボタン118、食事摂取入力・判定ボタン及び終了ボタン120を配置している。初回のユーザーは、GUI110の受診者新規登録ボタン112を押すことで、図18の受診者新規登録画面130をサーバー1から呼び出してPC511のモニター515に表示することができ、上記STEP10〜STEP30のようにして、受診者新規登録画面130の個人コード入力ボックス131、パスワード入力ボックス132及び氏名入力ボックス133に、それぞれ、希望する(或いは予め割り当てられた)個人コード及びパスワード、並びに、自己の氏名を入力して、OKボタン134を押す。すると、入力した個人コード、パスワード及び氏名が、当該ユーザーの受診者情報40Xとしてデータベース10の所定の記憶領域(受診者情報ファイル)に記憶される。なお、入力をキャンセルしたい場合はキャンセルボタン135を押す。
次に、登録ユーザー(または登録ユーザのための栄養士等、以下、「登録ユーザー等」という。)は、GUI110の受診者基本情報登録・変更ボタン117を押すことで、図19の受診者基本情報入力画面140をサーバー1から呼び出してPC511のモニター515に表示することができる。このとき、受診者基本情報入力画面140には、登録ユーザーの個人コード及び氏名が個人コードボックス141及び氏名ボックス142にそれぞれ表示されている。そして、ユーザーは、上記STEP30のようにして、受診者基本情報入力画面140の性別入力ボックス143、年齢入力ボックス144、身体活動レベル入力ボックス145、身長入力ボックス146、体重入力ボックス147、妊婦情報入力ボックス148及び月経情報入力ボックス149に、それぞれ、自身の性別、年齢、身体活動レベル、身長、体重、妊娠期間、月経有無を直接入力または選択入力により入力して、登録ボタン150を押す。すると、入力した性別、年齢、身体活動レベル、身長、体重、妊娠期間、月経有無に関する情報が、当該登録ユーザーの受診者情報40Xとして前記受診者情報ファイルに記憶される。なお、入力を修正したい場合は各ボックス141〜149に再入力する。
次に、登録ユーザー等は、図20に示すように、GUI110の個人コード入力ボックス113及び氏名入力ボックス114に、それぞれ、自己の個人コード及び氏名を入力して受診者基本情報登録・変更ボタン117を押すことで、自己の受診者基本情報の編集が可能となる。即ち、登録ユーザー等が受診者基本情報登録・変更ボタン117を押すと、図21のログイン画面160がPC510のモニター515に表示され、登録ユーザー等が、同ログイン画面160の個人コード入力ボックス161及びパスワード入力ボックス162に自己の個人コード及びパスワードをそれぞれ入力してOKボタン163を押すことにより、個人認証処理が実行され、図22に示すように、受診者基本情報入力画面140がモニター515に再表示される。なお、このとき、登録ユーザー等が入力内容をキャンセルしたいときはキャンセルボタン164を押す。また、管理者ログインボタン115や受診者ログインボタン116を押しても、同様に、ログイン画面160が表示される。図22の受診者基本情報入力画面140では、登録ユーザー等は、各ボックス141〜149の入力内容を修正し、登録ボタン150を押すことで、修正後の内容が受診者情報ファイルに上書保存される。また、登録ユーザー等が修正を中止したい場合は、終了ボタン151を押すことで受診者基本情報入力画面140を消して再度GUI110に戻ることができる。
次に、登録ユーザー等は、GUI110の食事摂取基準値設定ボタン118を押すことで、図23の食事摂取基準値設定画面170をモニター515に表示することができる。この食事摂取基準値設定画面170には、登録ユーザーの個人コード及び氏名を表示する個人コードボックス171及び氏名ボックス172がそれぞれ表示されている。また、食事摂取基準値設定画面170には、リセットボタン173、次成分ボタン174及び終了ボタン175が配置されている。更に、食事摂取基準値設定画面170には、登録ユーザーの受診者情報(性別、年齢、身体活動レベル、身長、体重、妊娠期間、月経有無)に基づき、上記食事摂取基準にしたがって算出した当該登録ユーザーに固有の推定エネルギー必要量(EER)及び同推定エネルギー必要量を中心としたEER設定範囲と、上記食事摂取基準にしたがって算出した各種栄養素の推定平均必要量(EAR)、推奨量(RDA)、目安量(AI)、目標量(DG)、上限量(UL)及び同推定平均必要量等を上限値及び下限値とする所定設定範囲とが、それぞれ規定値として表示されている。具体的には、食事摂取基準値設定画面170は、左側(左半部)に、基準値設定欄として、推定エネルギー必要量(EER)や各栄養素の必要摂取量範囲を表す各種入力・表示ボックス176A〜187Aを上下に並列して配置している。即ち、食事摂取基準値設定画面170は、左側(左半部)に、推定エネルギー必要量(EER)の設定範囲を示すEER範囲ボックス176A、たんぱく質の設定範囲を示すたんぱく質範囲ボックス177A、脂質の設定範囲を示す脂質範囲ボックス178A、炭水化物の設定範囲を示す炭水化物範囲ボックス179A、カリウムの設定範囲を示すカリウム範囲ボックス180A、カルシウムの設定範囲を示すカルシウム範囲ボックス181A、マグネシウムの設定範囲を示すマグネシウム範囲ボックス182A、リンの設定範囲を示すリン範囲ボックス183A、鉄の設定範囲を示す鉄範囲ボックス184A、亜鉛の設定範囲を示す亜鉛範囲ボックス185A、銅の設定範囲を示す銅範囲ボックス186A、マンガンの設定範囲を示すマンガン範囲ボックス187Aを上下に並列して配置している。
また、食事摂取基準値設定画面170は、右側(右半部)に、食事摂取基準欄として、上記各種範囲ボックス176A〜187Aにそれぞれ対応する設定値ボックス176B〜187Bを上下に並列して配置している。同食事摂取基準欄の各ボックスに表示された値は、食事摂取基準にしたがって算出された登録ユーザーに固有の値である。即ち、食事摂取基準値設定画面170は、右側(右半部)に、EERを表示するEERボックス176B、たんぱく質のEAR、RDA、AI、DG(未満)を表示するたんぱく質ボックス177B、脂質のAI、DG(以上)、DG(未満)を表示する脂質ボックス178B、炭水化物のDG(以上)、DG(未満)を表示する炭水化物ボックス179B、カリウムのAIを表示するカリウムボックス180B、カルシウムのAI、DG、ULを表示するカルシウムボックス181B、マグネシウムのEAR、RDA、AIを表示するマグネシウムボックス182B、リンのAI、ULを表示するリンボックス183B、鉄のEAR、RDA、AI、ULを表示する鉄ボックス184B、亜鉛のEAR、RDA、AI、ULを表示する亜鉛ボックス185B、銅のEAR、RDA、AI、ULを表示する銅ボックス186B、マンガンのAI、ULを表示するマンガンボックス187Bを上下に並列して配置している。
前記基準値設定欄に規定値を表示した状態では、EER範囲ボックス176AはEERボックス176Bの表示値を中央値として上下に所定幅(例えば、上下に100kcal)を持たせた所定範囲を示し、たんぱく質範囲ボックス177Aはたんぱく質ボックス177BのEARを下限値とすると共にDG(未満)を上限値とし、脂質範囲ボックス178Aは脂質ボックス178BのDG(以上)を下限値とすると共にDG(未満)を上限値とし、炭水化物範囲ボックス179Aは炭水化物ボックス179BのDG(以上)を下限値とすると共にDG(未満)を上限値とし、カリウム範囲ボックス180Aはカリウムボックス180BのAIを下限値とし、カルシウム範囲ボックス181Aはカルシウムボックス181BのDGを下限値とすると共にULを上限値とし、マグネシウム範囲ボックス182Aはマグネシウムボックス182BのEARを下限値とし、リン範囲ボックス183Aはリンボックス183BのAIを下限値とすると共にULを上限値とし、鉄範囲ボックス184Aは鉄ボックス184BのEARより所定割合低い値を下限値とすると共にULを上限値とし、亜鉛範囲ボックス185Aは亜鉛ボックス」185BのEARを下限値とすると共にULを上限値とし、銅範囲ボックス186Aは銅ボックス186BのEARより所定割合低い値を下限値とすると共にULを上限値とし、マンガン範囲ボックス187Aはマンガンボックス187BのAIを下限値とすると共にULを上限値としている。
そして、登録ユーザー等は、食事摂取基準値設定画面170の基準値設定欄の各ボックス176A〜187Aに表示された規定値としての食事摂取基準に基づく値を、食事摂取基準欄の各ボックス176B〜187Bの基準値を参考にしながら、自己の食習慣や生活環境等に基づいて任意の値へと(各ボックス176A〜187Aへの直接入力により)変更することができる。また、次成分ボタン174を押すと、食事摂取基準値設定画面170の基準値設定欄には次の成分(マンガンより後の成分)が表示され、食事摂取基準に定める全ての栄養素を表示して任意の値に変更できるようになっている。また、リセットボタン173を押すと、登録ユーザー等が入力した値を食事摂取基準に基づく基準値(規定値)に復帰できるようになっている。なお、全ての入力が終了したら、終了ボタン175を押すことにより、食事摂取基準値設定画面170が消え、GUI110に復帰する。ここで、食事摂取基準値設定画面170の基準値設定欄に表示した値は、例えば、ユーザー端末510に備えられたキーボード511、テンキー512、マウス513等の入力手段を使用して、各ボックス176A〜187Aの初期値を任意の値に変更することができる。或いは、各ボックス176A〜187A内のエネルギー量や各栄養素の値を棒グラフ等によるレベル表示とし、各ボックス176A〜187Aに対応するエネルギー量や栄養素のレベルを、マウスによるドラッグ等によって増減変更できるよう構成してもよい。例えば、本栄養診断システムに設けたレベル描画表示手段(図示略)により、モニター画面の食事摂取基準値設定画面170内またはその近傍の所定領域(レベル表示領域)に、ボックス176A〜187Aに対応するエネルギー量や栄養素のレベルを棒グラフとして描画して表示(初期値に対応するレベルを表示)する。そして、マウスにより当該棒グラフのレベルの上端をドラッグして増減することにより、前記レベル描画表示手段による棒グラフの表示レベルが増減変更されると共に、当該変更後のレベル(値)が、本栄養診断システムにより認識されて所定の格納領域に格納され、後述する摂取履歴画面190の栄養診断情報欄198の基準値欄198bにそれぞれ表示される。このようにすると、各基準値のレベル変更をより簡単、視覚的かつ効率的に行うことができる。また、基準値設定欄に表示したボックス176A〜187Aに対応するエネルギー量や栄養素のうち、主要基準値(推定エネルギー必要量や主要栄養素)について、レーダーチャートに表示するようにしてもよい。例えば、本栄養診断システムに設けたレーダーチャート描画表示手段(図示略)により、モニター画面の食事摂取基準値設定画面170内またはその近傍の所定領域(レーダーチャート表示領域)に、当該主要基準値をレーダーチャートの各項目として描画して表示する。この場合、主要基準値の値は、初期値または(増減変更後の)変更値とする。
次に、登録ユーザー等が、GUI110の食事摂取入力・判定ボタン120を押すと、図24の摂取履歴画面190がモニター515に表示される。摂取履歴画面190では、登録ユーザー等は、登録ユーザーが摂取した(若しくは摂取予定の)食事(食事メニューファイル12に格納した料理)を、上記STEP40、STEP41のようにして料理カード50等により入力することにより、入力した料理が列挙して一覧表示されるようになっている。即ち、摂取履歴画面190では、個人コードボックス191及び氏名ボックス192に登録ユーザーの個人コード及び氏名がそれぞれ表示されている。そして、登録ユーザー等が、読取開始ボタン193を押すと、図25の摂取日付入力画面200がモニター515に表示される。この摂取日付入力画面200で、登録者等が日付入力ボックス201に食事の摂取日付を入力し、OKボタン202を押すと、図26のカード読取画面210がモニター515に表示される。なお、摂取日付入力画面200で入力をキャンセルするにはキャンセルボタン203を押す。図26のカード読取画面210では、摂取日付欄211に上記摂取日付入力画面200で入力した摂取日付が表示されている。ここで、登録者等が、料理カード50のバーコード51をバーコードリーダ514により読み取ると、対応する料理コードがカード読取ボックス212に表示される。なお、カード読取ボックス212に料理コードを直接入力することも可能である。そして、この状態で終了ボタン213を押すと、入力した料理の摂取日、料理コード及び料理名が、それぞれ、摂取履歴画面190の摂取履歴表197の「摂取日」、「レシピNo.」及び「レシピ名」の欄に表示される。また、料理カード50による料理情報50Xの入力後、食べ方カード60により食べ方情報60Xを入力すると、摂取履歴画面190の摂取履歴表197の「食べ方」の欄に、食べ方情報(「全部」、「2/3」等)が表示される。なお、図24は一例を示すに過ぎないため、摂取履歴画面190の摂取履歴表197には「飲み方」や「調味料」の欄は表示されていないが、本実施例では、摂取履歴表197に「飲み方」や「調味料」の欄を設け、料理カード50による料理情報50Xの入力後、飲み方カード70により飲み方情報70Xを入力すると摂取履歴表197の「飲み方」の欄に飲み方情報(「全部」、「2/3」等)が表示されるようにしたり、調味料カード80により調味料情報80Xを入力すると摂取履歴表197の「調味料」の欄に調味料情報(「多め」、「中くらい」等)が表示されるようにしたりすることが好ましい。
ここで、摂取履歴画面190には、本栄養診断システムに設けた料理描画・表示手段(図示略)により、料理カード50等によって入力・登録した料理情報50Xに基づき、その料理や飲み物のイメージ情報(料理カード50に表示した料理や飲み物のイメージと同様の写真またはイラスト等)を、所定の料理表示領域に表示することが好ましい。このとき、表示する料理イメージは、料理カード50の基本レシピによる既定のイメージとすることができる。また、このとき、本栄養診断システムに設けた描画修正手段(図示略)により、料理カード50に表示したイメージ(基本レシピによるイメージ)を、食べ方カード60によって入力した食べ方情報60X、飲み方カード70によって入力した飲み方情報70X、調味料カード80によって入力した調味料情報80Xに基づき、修正して再描画・再表示するようにすることもできる。例えば、食べ方情報60Xや飲み方情報70Xとして、料理の特定の食材を増加したり、減少したり、或いは不使用としたりした場合、その食べ方情報60Xを上記のような食材追加用の食べ方カード60により入力するが、この入力情報(食材の増加・減少・不使用情報)に基づいて、料理イメージ中の対応する食材の量を増減変更して、再描画・再表示することもできる。更に、前記料理描画・表示手段により、描画した料理イメージ(摂食前のイメージ)の近傍(左右又は上下等)に、接触後の料理のイメージを描画・表示してもよい。この場合、前記病害修正手段により、食べ方カード60や飲み方カード70による摂取量情報に基づき、摂食前の料理イメージを修正して、接触後の料理イメージとして描画・表示することができる。また、このとき、上述の食べ残し情報・飲み残し情報や食べ増し情報・飲み増し情報が入力された場合、その食べ残し情報・飲み残し情報や食べ増し情報・飲み増し情報に基づいて、接触後の料理イメージの料理(容器内の内容物)の量を(増減分に対応する量だけ)増減変更して描画・表示したり、食材の食べ残し情報や食べ増し(追加)情報が入力された場合、その食べ残し情報や食べ増し情報に基づいて、料理イメージの料理(容器内の内容物中の食材)の量を増減変更して描画・表示したりすることができる。また、摂取履歴画面190の摂取履歴表197の欄には、「摂取日」に加えて「摂取時刻」を表示してもよい。この場合、例えば、図25の摂取日付入力画面200に摂取時刻入力欄を設けて入力する。更に、摂取履歴画面190の摂取履歴表197またはその近傍の所定の表示領域には、本栄養診断システムに設けたメモ入力手段(図示略)により、メモ欄を表示して、摂取履歴やその他の情報についてのメモや備考情報を入力するようにしてもよい。
上記のようにして、登録ユーザーが全ての摂取料理を入力すると、摂取履歴表197に全ての料理の摂取日、料理情報50X、食べ方情報60X等がリスト表示される。ここで、登録ユーザー等が表示集計期間設定ボタン194を押すと、図示しない表示集計期間設定画面がモニター515に表示され、摂取履歴表197に表示する摂取料理を日付範囲によって取捨選択することができるようになっている。そして、表示集計期間設定画面で設定した表示集計期間の摂取料理のみが摂取履歴表197に一覧表示され、かかる表示集計期間の摂取料理のみについて上記栄養診断処理が実行される。ここで、摂取履歴表197に一覧表示した料理を削除・編集したい場合は、摂取履歴一覧削除・編集ボタン195を押すと、図27の摂取履歴一覧削除・編集画面220がモニター515に表示される。この摂取履歴一覧削除・編集画面220の摂取履歴表221には、前記摂取履歴表197と同一内容の情報(一覧表示された料理の摂取日等)が、摂取日欄221a、食べ方欄221b、レシピNO.欄221c及びレシピ名欄221dに表示されている。そして、登録ユーザー等が、摂取履歴表221に表示された料理のうち削除したい料理をレコードセレクタ221aにより選択し、削除ボタン222を押すと、選択された料理の情報が摂取履歴表221から削除される。例えば、図27に示すように、「ごはん」を選択して削除ボタン222を押すと、図29に示すように、摂取履歴表221から「ごはん」が削除されている。また、摂取履歴表221に表示された料理のうち内容を編集したい料理をレコードセレクタ221aにより選択し、編集ボタン223を押すと、図28の詳細データ編集画面230がモニター515に表示される。この詳細データ編集画面230では、選択した料理の摂取日付が摂取日付ボックス231に表示され、選択した料理のレシピ名がレシピ名ボックス232に表示され、選択した料理のレシピ内容がレシピ表233に表示される。レシピ表233には、レシピを構成する食品名が食品名欄233aに、その摂取量が摂取量欄233bにそれぞれ表示されている。このレシピ表233に表示される食品の摂取量は、料理カード50の裏面に表示した摂取量(食べ方カード60等で摂取量反映処理等を行った場合はその情報を反映した量)となる。そして、登録ユーザー等が、摂取日付欄231の日付、レシピ名欄232のレシピ名、レシピ表233の食品名や摂取量を直接入力により編集し、終了ボタン234を押すと、詳細データ編集画面230が消えると共に、その編集内容が摂取履歴一覧削除・編集画面220の摂取履歴表221に反映される(レシピ表223の内容は非表示)。なお、レシピ表233の編集内容は、上記栄養診断処理におけるエネルギー量及び栄養素量に反映される。
ここで、詳細データ編集画面230では、レシピ表233には料理情報50Xの基本レシピによる食材(食品)が表示されるが、このとき、本栄養診断システムに設けたレシピ変更手段(図示略)により、マウス等を利用して、レシピ表233の任意の食材を削除したり、レシピ表233に任意の新たな食材(食品名及び摂取量)を追加したりできるようにしてもよい。なお、上記のように、食べ方カード60等により入力された食べ方情報60Xに関して、料理の食べ残し情報や食べ増し情報或いは食材の食べ残し情報や食べ増し情報が入力された場合、当該料理の食べ残し情報や食べ増し情報或いは食材の食べ残し情報や食べ増し情報に基づいて、レシピ表233において対応する食材の摂取量が増減変更される。即ち、料理の食べ残し情報や食べ増し情報或いは食材の食べ残し情報の場合、当該料理の全ての食材について摂取量が増減変更され、食材の食べ残し情報や食べ増し情報の場合、当該食材について摂取量が増減変更される。
その後、登録ユーザー等が、摂取履歴一覧削除・編集画面220の終了ボタン224を押すと、摂取履歴一覧削除・編集画面220が消え、再度、摂取履歴画面190がモニター515に表示される。このとき、摂取履歴画面190の栄養診断情報欄198には、摂取履歴一覧削除・編集画面220の摂取履歴表221に表示された摂取料理によるエネルギー量や各種栄養素量の各値(EER、EAR等)が、基準値(食事摂取基準値設定画面170で設定した値)と比較して棒グラフによりグラフ表示されている。即ち、栄養診断情報欄198の栄養素欄198aにはエネルギー量と栄養素の種類(栄養素名)及び単位が、基準値欄198bにはエネルギー及び各栄養素の基準値が、摂取量欄198cには入力した料理(摂取履歴表221に表示された摂取料理)によるエネルギー量及び各栄養素量またはその平均値が、グラフ表示欄198dには基準値に係るエネルギー量及び各栄養素量(上側の棒グラフ)と摂取料理に係るエネルギー量及び各栄養素量(下側の棒グラフ)とを比較する棒グラフが、それぞれ、表示されている。これにより、登録ユーザー等は、実際の摂取エネルギーや摂取栄養素量と基準値の摂取エネルギーや摂取栄養素量とを一覧で比較して把握することができ、栄養診断情報を視覚的に容易に取得することができる。なお、図30では栄養診断情報欄198には一部の栄養素しか表示していないが、実際は、全ての栄養素が表示される。ここで、上記栄養診断処理の説明で述べたように、料理情報50Xを入力するごとに、栄養診断情報欄198の摂取量欄198cの表示内容とグラフ表示欄198dの下側の棒グラフ(摂取料理に係る情報)の値とが変更される。
実施の形態2
実施の形態2に係る栄養診断システムは、実施の形態1の栄養診断システムによる栄養診断処理に加え、更に、図31に示す栄養指導情報を提供するための栄養指導処理を実行するよう構成したものである。詳細には、本実施の形態の栄養診断システムは、上記実施の形態1の栄養診断手順(STEP56)において、栄養指導処理としての食事バランス情報提供処理を追加的に実行することもできるよう構成されている。具体的には、食事バランス情報提供処理では、まず、前記食事バランスガイド照合手段37が、食事バランスガイドファイル17で格納した料理区分(主食、主菜等の上記区分)ごとの料理や食品と、STEP51〜STEP55で出力された実際の摂取料理や摂取食品とを照合し、それら実際の摂取料理や摂取食品の摂取単位(SV)を計算すると共に、各料理屋を各食品を前記料理区分ごとに振り分けて専用の食事バランスガイド判定ファイル(図示しない記憶手段)に格納する(摂取単位演算手順)。そして、ソフトウエア30による機能実現手段としての食事バランス判定手段(図示略)が、料理区分ごとに振り分けた実際の摂取料理や食品を、その摂取単位(SV)に応じて食事バランスガイドで規定するバランスこまの各階層(料理区分)に仮想的に配置し、所定の重量バランスモデルに基づきバランスこま全体の重量バランスを判定して、バランスこまの傾きを演算する(食事バランス演算手順)。すると、図示しない食事バランス描画手段が、実際の摂取料理や食品のイメージ(写真やイラスト等)をバランスこまの所定位置(所定階層の所定位置)に配置して描画すると共に、バランスこまを上記演算結果に基づいた傾斜状態として描画する(食事バランス描画手順)。ここで、図31に示す栄養指導処理では、上記演算結果をバランスこまの傾斜状態として描画しているが、これに加え、或いはこれに変えて、レーダーチャートにより各食事の料理区分の摂取単位(SV)を表示するようにしてもよい。
この食事バランス情報提供処理の結果が、図31に示すように、食事バランス表310に表示されると共に、バランスこまに表示される。具体的には、食事バランス表310の縦欄を構成する料理区分311の「主食」、「副菜」、「主菜」、「牛乳・乳製品」、「果物」の各欄には、横欄を構成する「朝食」、「昼食」、「夕食」のそれぞれに対応して、摂取料理の内容が表示されている。また、食事バランス表310の各摂取料理の右側(各セルの右端部)には、その摂取料理による摂取単位(SV)が表示されている。そして、食事バランス表310の合計欄には、「主食」、「副菜」、「主菜」、「牛乳・乳製品」、「果物」の料理区分311ごとに、合計摂取単位(SV)が表示されている。一方、食事バランス表310の下方に表示されるバランスこま320は、「朝食」、「昼食」、「夕食」のそれぞれに対応して表示され、「朝食」、「昼食」、「夕食」における料理区分(主食321、副菜322、主菜323、牛乳・乳製品324、果物325)の摂取単位がバランスこま320の対応する料理区分に(色付表示等により)反映されている。そして、1日の最終食事となる夕食後のバランスこまにおいて、各料理区分の摂取単位が食事バランスガイドの基準に合致するときは、バランスこま320が正立して回転するよう描画されるが(上側のバランスこま320参照)、各料理区分の摂取単位が食事バランスガイドの基準に合致しないときは、その非合致内容に応じてバランスこま320が傾斜(倒立)して回転するよう描画される(下側のバランスこま320参照)。なお、このバランスこま320の傾斜程度の演算や描画は、上記食事バランス情報提供処理で述べた処理による。
また、実施の形態2に係る栄養診断システムは、更に、図32に示す栄養指導情報を提供するための第2の栄養指導処理を実行するよう構成される。詳細には、第2の栄養指導処理では、上記図31の食事バランス情報提供処理(第1の栄養指導処理)で取得した過去1週間分の登録ユーザーの食事バランス情報(主食等の各料理区分についての摂取量(SV))の平均値を演算し、現状(先週一週間平均)の食事バランス情報を取得する(現状平均値演算処理)。そして、バランスこま330の料理区分(主食331、副菜332、主菜333、牛乳・乳製品334、果物335)にそれぞれの一週間平均値(SV)を料理イメージML(料理イメージMLの数)で表示する(現状平均値描画処理)。同時に、第1の栄養指導処理で述べたと同様にして、現状(先週一週間平均)の食事バランスによるバランスこま330の傾斜度合(正立か否か、傾斜する場合はその傾斜角度)を演算し(傾斜演算処理)、その傾斜状態で(正立の場合は正立状態で、傾斜する場合は演算した傾斜角度で傾斜するよう)バランスこまを描画する(傾斜描画処理)。更に、登録ユーザーの現状(先週一週間平均)の運動度合乃至消費エネルギー(基礎代謝及び運動等による代謝)を演算し(消費エネルギー演算処理)、演算した消費エネルギーの内容を消費エネルギー欄342に表示すると共に(消費エネルギー表示処理)、演算した代謝に応じてバランスこま330上の人物341の運動状態(例えば、代謝が少ないときは歩行状態)を所定モデルに従って演算し(運動状態演算処理)、演算した運動状態となるよう人物341を描画する(人物描画処理)。
次に、現状(先週一週間平均)の食事バランス情報から、登録ユーザーの食習慣乃至食事傾向(例えば、主食及び主菜が多く、副菜が少ない等)を統計手法等を利用して判断し、当該登録ユーザーにとっての栄養指導となる食事案(次週一週間平均)を演算する。詳細には、現状(先週一週間平均)の食事バランス情報において過不足となっている料理区分(主食、副菜等)について、その過不足を補う量(プラス量またはマイナス量)の摂取単位(SV)を次週一週間平均値として演算し(過不足演算処理)、必要な料理区分について演算した過不足量(SV)を反映するよう、バランスこま330の料理区分(主食331、副菜332、主菜333、牛乳・乳製品334、果物335)にそれぞれの次週一週間平均値(SV)を料理イメージML(料理イメージMLの数)で表示する(次週平均値描画処理)。なお、この食事案(次週一週間平均)の食事バランスによるバランスこま330の傾斜度合が必ず正立となるよう、上記のようにして食事案に係るバランスこま330の傾斜角度を演算し(傾斜演算処理)、バランスこま330が傾斜する場合は、食事案を修正する(食事案修正処理)。更に、登録ユーザーが食事案(次週一週間平均)を採用した場合に推奨される運動度合乃至消費エネルギーを演算し(消費エネルギー演算処理)、演算した消費エネルギーの内容を消費エネルギー欄342に表示すると共に(消費エネルギー表示処理)、演算した代謝に応じてバランスこま330上の人物341の運動状態(例えば、代謝が多くなるにつれて走行状態)を所定モデルに従って演算し(運動状態演算処理)、演算した運動状態となるよう人物341を描画する(人物描画処理)。ここで、上記食事案の演算処理においては、登録ユーザーの過去の登録データから好きな食材やよく使用する食材を判断し、次週の提案食事案(食事メニュー)に当該食材を使用した料理を複数提案し、その中から選択させるよう構成してもよい。こうすると、無理なく食事バランスの修正を行うことができる。
更に、実施の形態2に係る栄養診断システムは、図33に示す栄養指導情報を提供するための第3の栄養指導処理を実行するよう構成される。詳細には、第3の栄養指導処理では、上記第2の栄養指導処理の演算結果に基づき、次週一週間の献立メニューを統計処理等を利用して演算する。例えば、先週一週間の登録ユーザーの食事傾向を先週一週間の登録ユーザーの実際の摂取食事内容から統計手法等を利用して判断して(食事傾向演算処理)、各曜日(月曜日〜日曜日)の各食事(朝食、昼食、夕食)で過不足となる傾向にある料理区分(主食等)を判断し(過不足情報演算処理)、当該曜日の当該食事について過不足となる料理区分の過不足を補う料理案を所定モデルに基づいて演算し(料理案演算処理)、提案メニュー350として、一週間分の料理例352を料理区分ごとの各食事について料理イメージで描画する(料理案描画処理)。また、このとき、一日分の料理例352は、料理区分ごとの料理例352aとして描画される。なお、提案メニュー350の左側には、食事バランスガイドによる1日分の必要摂取単位(SV)が料理区分ごとに表示されている。
実施の形態2に係る栄養診断システムの第1の栄養指導処理として使用可能な処理手順の例を図34に示す。図34の処理例では、上記受診者情報40X等に基づいて、まず、登録ユーザーの年齢及び性別を照合し(STEP110)、次に、一日の各食事のメニュー(摂取料理)を照合する(STEP120)。次に、登録ユーザーの身体活動レベルを照合し(STEP130)、上記照合した年齢や性別、摂取料理、身体活動レベルに基づいて、登録ユーザーの食事バランスを判定し(STEP140)、最終的にその判定結果をバランスこま320の傾きとして表示する。なお、上記のように、栄養指導処理のための基礎データとして一週間分のデータを取得するのは容易でない場合もあることから、その期間を2〜3日間(過去2日平均または過去3日平均のデータと将来2日平均または将来3日平均のデータとを比較)として上記処理を実行してもよい。
ところで、上記図6〜図9では、各読み取りカード50〜80のバーコード51,61,71,81を一次元バーコードとして裏面に表示しているが、これを二次元バーコードとして表示したり、表面に表示したりしてもよい。また、図6〜図8では、各読み取りカード60〜80のバーコード63a〜63e、73a〜73e、84a〜84cを二次元バーコードとして表示しているが、これを一次元バーコードとして表示してもよい。更に、読み取りカード50等のバーコード51等の代わりに、対応する各情報を磁気的コード化したコード情報格納部としては、バーコード以外に、ICタグ(RF−IDタグ)や磁気テープ等の他のコード記憶手段を利用してもよい。
また、本考案の栄養診断システムでは、前記料理カード50、食べ方カード60、飲み方カード70、調味料カード80を使用することにより専門家でないユーザーの入力の手間を省き、かつ、カードゲームのようなゲーム感覚で食事調査に対する興味を増進することができる。したがって、同様にユーザーの調査に対する抵抗感を少なくするために、受診者情報40Xについても読み取りカードを設けて入力することにより、入力の簡易化を図るようにしてもよい。例えば、受診者情報40X用の読み取りカードとして、年齢範囲カード、性別カード、体型カード、身体活動レベルカード、妊娠期間カード、月経カード等を作成してバーコードリーダにより読み取り自在とする。また、上記実施の形態では、同一料理を複数食した(お代わりした)場合は、同一の料理カード50をその数だけ読み取るが、別個、お代わりカードを作成してお代わり情報を入力できるようにしてもよい。更に、本考案の栄養診断システムは、音声入力により各種情報を入力できるようにすることが更に好ましい。或いは、将来的には、人工知能(AI)を利用して栄養診断情報及び栄養指導情報を作成・提供できるようにすることが一層好ましい。
更に、本考案の栄養診断システムでは、通常は、一つの料理に対してレシピは一義的に決定されるが(1料理1レシピ)、一つの料理に対して複数のレシピを用意することも可能である(例えば、料理としてのカレーライスを自家風のレシピとする場合)。この場合、ユーザー等が、その自家風のレシピの食品の種類と使用量とを料理レシピファイル13に追加して格納できるようにすることが好ましい。また、上記実施の形態2の栄養診断システムは、ネットワークNTを介して情報の授受を行うサーバークライアント構成としたが、クライアント装置に全てのシステムを実装して実施することもできる。
更に、栄養診断及び栄養指導(医学的予防指導を含む)のための食事情報としては、食事時間(何時に食事したか)が重要となり、一般的な時間以外の食事(就寝直前の食事等)については、栄養素の吸収率等が通常と相違するため、これらの点をパラメータとして追加して栄養診断処理を実行することが好ましい。また、栄養診断及び栄養指導のための食事情報としては、食事間隔(前回の食事と次の食事との間の時間間隔)も重要となり、一般的な食事間隔と大きく異なる間隔の食事(短時間での食事や長時間の空腹後の食事等)については、栄養素の吸収率等が通常と相違するため、これらの点をパラメータとして追加して栄養診断処理を実行することが好ましい。更に、同一の料理を何時に(或いは、どの時間間隔で)食したかも、栄養診断及び栄養指導(医学的予防指導を含む)のための食事情報として重要となるため、これらの点をパラメータとして追加して栄養診断処理を実行することが好ましい。加えて、食事の食べ合わせや飲み合わせに関する情報も、栄養素の偏りに影響し、栄養診断及び栄養指導(医学的予防指導を含む)のための食事情報として重要となるため、これらの点をパラメータとして追加して栄養診断処理を実行することが好ましい。
また、栄養診断及び栄養指導並びに医学的予防診断のためには、上記食事情報は時系列的に把握し、摂取時間ごと等で時系列的に表示する必要があるが、特に、保健指導、保健改善指導、リスクファクター等の観点から、少なくとも半年間(6ヶ月)の期間にわたって食事情報を取得し、栄養診断等を行うことが好ましい(例えば、開始後1月で初回データを取得し、3ヶ月で中間データを取得し、6ヶ月で最終データを取得するといったスケジュール)。これは、保健改善指導や保険点数に影響を与える因子ともなる。更に、本考案の栄養診断システムでメニュー提案をする場合、少なくとも過去1〜2ヶ月の摂取食事の情報から食事傾向を判断し、栄養指導処理を実行することが好ましい。更にまた、提案メニュー等の栄養指導情報(例えば、1週間分のメニュー)は、PC510から携帯電話520に電子メールで転送する等により、例えば、買い物中の主婦に情報伝達するよう構成することが好ましい。