JP3143314U - 調圧型カプセル構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】美容や健康の維持,増進や改善等の目的で使用される酸素浴機などの調圧型カプセル構造体において、使用者に対して音楽や音声等の音情報を提供する機能を、簡単な構造をもって且つカプセル内の内部空間の容積を減ずることなく、実現せしめ得る、新規な構造の調圧型カプセル構造体を提供する。
【解決手段】入力される電気信号に対応した音響振動を発生する音響振動体を装置本体に対して振動変位可能に設けた音響振動発生装置40を用い、該音響振動発生装置40の該装置本体をカプセル状ハウジング12の壁部20の外面に対して固定手段で固定すると共に、該音響振動体を装置本体に対して付勢手段を介して弾性的に支持せしめて、該音響振動体を付勢手段によって振動変位方向で付勢してカプセル状ハウジング12の壁部20の外面に対して当接状態で押し付け保持せしめた調圧型カプセル構造体10。
【選択図】図1
【解決手段】入力される電気信号に対応した音響振動を発生する音響振動体を装置本体に対して振動変位可能に設けた音響振動発生装置40を用い、該音響振動発生装置40の該装置本体をカプセル状ハウジング12の壁部20の外面に対して固定手段で固定すると共に、該音響振動体を装置本体に対して付勢手段を介して弾性的に支持せしめて、該音響振動体を付勢手段によって振動変位方向で付勢してカプセル状ハウジング12の壁部20の外面に対して当接状態で押し付け保持せしめた調圧型カプセル構造体10。
【選択図】図1
Description
本考案は、美容や健康の維持,増進や改善等の目的で使用される酸素浴機などの調圧型カプセル構造体に関するものであり、特に、使用者に対して使用中に音楽や音声等の音情報を提供する機能を備えた、新規な構造の調圧型カプセル構造体に関するものである。
従来から、美容や健康の維持,増進や改善等の効果を期待して、調圧型カプセル構造体の使用が提案されており、例えばエステサロンや治療院,リグザミネーションルーム等の各種場所への設置が検討されている。例えば、特開2007−202995号公報(特許文献1)等に記載のものがそれである。
かかる調圧型カプセル構造体は、動物(一般に人)が入ることが出来る内部空間を画成する中空構造のカプセル状ハウジングを備えており、このカプセル状ハウジングの壁部に設けられた出入口を通じて使用者が内部空間に出入りできるようになっている。そして、使用者が内部空間に入った状態で出入扉を閉じて出入口を閉塞させることにより、使用者が入った内部空間が外部空間に対して実質的に密閉構造をもって画成されるようになっている。かかる密閉状態下、内部空間の圧力を調節し、或いは必要に応じて酸素等のガス濃度を調節することによって目的とする適当な調圧空間を実現し、その雰囲気を使用者に所定時間提供することが出来るようになっている。
ところで、このような調圧型カプセル構造体においては、内部空間を外部空間から遮断して圧力やガス組成を調節できるように、使用者が収容される内部空間が密閉構造とされている。そのために、使用中に内部の使用者に対して、外部から何等かの情報を提供することが難しい。また、内部空間は密閉された比較的に狭い領域であることから、そこに収容された使用者が不安感等を抱き、充分なリラックス効果が得られ難いおそれもある。
そして、これらの問題に対処するためには、調圧型カプセル構造体の内部空間にスピーカーを設置して、内部空間に収容された使用者に音声情報を提供したり、音楽情報を提供したりすることが有効である。このようにすれば、使用者の不安感等を軽減することが出来て、リラックス効果の向上を図り得る。
ところが、調圧型カプセル構造体の狭い空間内にスピーカーを設置すると、更に内部空間が狭くなって使用性が悪くなる。超小形のスピーカーを内部空間に設置することも考えられるが、音質の悪い超小形スピーカーでは、音声情報の提供だけならまだしも、音楽鑑賞には到底耐え得ず、使用者に対するリラックス効果は望み難い。
また、スピーカーを内部空間に設置するために、調圧型カプセル構造体の壁部を貫通させてスピーカーコードやスピーカーボックス等を組み付けると、内部空間の密閉性やその信頼性或いは耐久性が低下してしまうことも懸念されることから、容易ではないのである。
ここにおいて、本考案は上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、使用者に対して使用中に音楽や音声等の音情報を提供する機能を、内部空間の広さを何等制限することなく且つ内部空間の密閉構造を損なうような設置用貫通孔等も設ける必要なく、良好な音質をもって効果的に実現せしめ得る、新規な構造の調圧型カプセル構造体を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本考案の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本考案の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る考案思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
請求項1に記載の考案の特徴とするところは、中空構造のカプセル状ハウジングの壁部に対して使用者が出入りする出入口が設けられていると共に、該出入口が開閉可能な出入扉で閉塞可能とされており、該出入扉による該出入口の閉塞状態下において使用者が入る内部空間が外部空間に対して実質的に密閉構造をもって画成される調圧型カプセル構造体において、電気信号を入力することによって該電気信号に対応した音響振動を発生する音響振動体を装置本体に対して振動変位可能に設けた音響振動発生装置が用いられて、該音響振動発生装置の該装置本体が、前記カプセル状ハウジングの壁部に対して固定手段で固定されていると共に、該音響振動発生装置の該音響振動体が該装置本体に対して付勢手段を介して弾性的に支持されており、該固定手段によって該装置本体が該カプセル状ハウジングの壁部に対して固定された状態下で該音響振動体が該付勢手段によって振動変位方向で付勢されて該カプセル状ハウジングの壁部外面に対して当接状態で押し付けられている調圧型カプセル構造体にある。
かかる請求項1記載の考案に係る調圧型カプセル構造体においては、カプセル状ハウジングの壁部が巧く利用され、該壁部が音波発生源として構成されることとなる。即ち、密閉状態の内部空間に音を発生させるには、かかる内部空間に存在する圧縮空気を振動させて音波を使用者に伝達することが必要となる。ここにおいて、本考案では、カプセル状ハウジングの壁部を、ダイナミックスピーカーのコーン紙の如く空気に音波振動を与える振動体として利用したのであり、これによって、内部空間にスピーカー等を配設することなく、内部空間にいる使用者に対して音波を伝達させることを可能と為し得たのである。
従って、本考案に係る調圧型カプセル構造体においては、カプセル状ハウジングの壁部の外部空間側の表面に対して音響振動発生装置を装着することで、カプセル状ハウジングの内部空間の空気を振動させて使用者に音を伝達することから、カプセル状ハウジングの壁部を貫通してリード線等の部材を配設する必要がない。それ故、カプセル状ハウジングに対する大幅な構造変更や加工等を必要とすることなく、使用者に対して音情報を提供できる機能を付加することが出来るのであり、それによって内部空間の気密性や信頼性,耐久性等も高度に維持され得ると共に、既存の各種の調圧型カプセル構造体に対しても容易に本考案を適用可能となる。
特に、本考案に係る調圧型カプセル構造体においては、音響振動発生装置の装置本体をカプセル状ハウジングの壁部に対して固定して取り付けたうえで、該装置本体に対して付勢手段を介して音響振動体を支持せしめて該音響振動体をカプセル状ハウジングの壁部に対して弾性的に付勢して押し付け状態で当接させたことにより、かかる音響振動体のカプセル状ハウジング壁部に対する当接状態で安定して保持される。これにより、音響振動体の音振動がカプセル状ハウジング壁部に対して安定して且つ効率的に伝達されることとなり、内部空間において目的とする音場が安定して発現され得るのである。
なお、特開2001−333478号公報(特許文献2)および実開昭59−143181号公報(特許文献3)には、スピーカーの駆動部をヘルメットの外面に取り付けることによって、ヘルメットを振動板として用いてヘルメット内部に音響振動を伝達する構造が開示されている。しかし、本考案が対象とする調圧型カプセル構造体は、ヘルメット等とは技術分野を全く異にするものであり、ヘルメットの如き屋外の騒音環境下で使用されて多くのノイズが定常的に混入することが通常であるものとは異なり、屋内で使用されるものであることから、室内空間は非常に静寂なものとなる。それ故、伝達される音質の良し悪しが使用者により顕著に感じられ、前述の如きリラックス効果の観点からも、調圧型カプセル構造体には、音情報が良好な音質をもって使用者に提供されることがより高度に要求される。
そして、構造上においても、本考案が対象とするカプセル状ハウジングは密閉構造を有し、内部空間の全体を覆う筐体であることや、人を収容し得る大型構造を有する点等においてヘルメット等とは大きく相違する。そこにおいて、単に特許文献2に記載のように、スピーカーの駆動部を壁部外面に取り付けるのみでは、壁部が小さく且つ使用者の耳に近接するヘルメットにおいては効果を奏したとしても、調圧型カプセル構造体の壁部を振動せしめるには不十分であり、使用者を満足し得る音質を実現することは困難である。また、特許文献3には、ボイスコイルに一体的に取り付けられた加振マス部材の応力による反作用でヘルメットの壁部を振動せしめる構造が開示されているが、ヘルメットに比して遥かに大きな質量を有する調圧型カプセル構造体にかかる構造を適用しようとすると、加振マス部材として大質量の部材を用いなければならず、現実的ではない。このように、本考案が対象とする調圧型カプセル構造体に対してこれら従来技術をそのまま適用することは到底不可能であって、本考案が、これら従来技術から想到不可能であること、明白である。
請求項2に記載の本考案の特徴とするところは、請求項1記載の調圧型カプセル構造体において、更に、前記カプセル状ハウジングの壁部が、使用者が横たわる長さで水平方向に筒状に延びる周壁部と、該周壁部の両端開口部を閉塞する二つの端壁部とによって構成されており、該周壁部に前記出入口が設けられていると共に、該二つの端壁部の少なくとも一方の中央部分に平板形状の当接領域が形成されており、該端壁部に対して前記音響振動発生装置が前記固定手段によって固定されていると共に、該端壁部の該当接領域に対して該音響振動発生装置の前記音響振動体が当接されていることにある。
この請求項2に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、内部空間の大きさや、カプセル状ハウジングの製造工程等に悪影響を与えることなく、音響振動発生装置の装着スペースを効率的に確保することが出来る。特に、音響振動体の当接領域を平面形状とできることから、音響振動体の当接状態を一層容易に且つ安定して得ることが可能となる。
請求項3に記載の本考案の特徴とするところは、請求項1又は2に記載の調圧型カプセル構造体において、前記音響振動体が複数設けられており、それら音響振動体がそれぞれ前記カプセル状ハウジングの壁部に対して当接状態で押し付けられていることにある。
この請求項3に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、複数の音響振動体を活用することにより、例えば複数の音響振動体によりカプセル状ハウジングの複数の領域を同じ音響振動で加振してより大きな音を発したり、複数の音響振動体によりカプセル状ハウジングの複数の領域を各異なる音響振動体で加振して臨場感ある音を発したりすること等も可能である。なお、それら複数の音響振動体で加振される領域を、カプセル状ハウジングにおいて互いに振動が相互伝達され難い構造体にて振動モード上で相互独立して形成することにより、音振動の相互緩衝を避けたり、共振周波数を異ならせて低音域や中音域(音声等)或いは高温域などを各別に設定された加振領域においてより効率的に加振させて内部空間に音情報を伝達すること等も可能である。
請求項4に記載の本考案の特徴とするところは、請求項1乃至3の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体であって、前記音響振動発生装置において、前記電気信号を音響振動に変換するエネルギー変換手段として圧電型又は磁歪型の歪素子が用いられていることにある。
この請求項4に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、音響信号に対して高精度に対応して加振される音響振動体が、コンパクトに実現可能となる。
請求項5に記載の本考案の特徴とするところは、請求項1乃至4の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体であって、前記固定手段が磁力を利用した吸着固定手段によって構成されていることにある。
この請求項5に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、調圧型カプセル構造体の壁部の表面に対して、固定用のねじ穴等の貫通孔を穿つことなく、密閉構造を安定して確保しつつ、音響振動発生装置を強固に固定することが出来る。しかも、音響振動発生装置の着脱も簡単に行なうことが可能となる。
請求項6に記載の本考案の特徴とするところは、請求項5に記載の調圧型カプセル構造体であって、前記カプセル状ハウジングの壁部に対して強磁性材からなる取付板が固着されている一方、前記音響振動発生装置の装置本体に対して永久磁石が固着されており、該永久磁石の該取付板に対する磁気吸引力によって該音響振動発生装置が該カプセル状ハウジングの壁部に対して着脱可能に固定されていることにある。
この請求項6に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、カプセル状ハウジングの材質に限定されることなく、音響振動発生装置を磁力によって固定することが可能となる。これにより、各種材質からなるカプセル状ハウジングを備えた既存の調圧型カプセル構造体に対して、本考案を、より簡単に適用することが可能となる。なお、より好適には、音響振動発生装置の装置本体の複数箇所に永久磁石を固着して、装置本体をカプセル状ハウジングに対して複数箇所で磁気吸着固定するようにされる。また、取付板は、カプセル状ハウジングの壁部における表面に限らず、裏面に密着状態等で接着や溶接等の各種固定手段で固着することが出来る。
請求項7に記載の本考案の特徴とするところは、請求項1乃至6の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体であって、前記音響振動発生装置が、前記固定手段によって前記カプセル状ハウジングの壁部に固定されるマス部材を備えており、このマス部材に対して前記音響振動体が振動変位可能に支持されていることにある。
この請求項7に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、マス部材に設定された質量に基づく静的位置の慣性力を利用して、音響振動体を安定して変位可能に支持せしめることが出来る。特に、装置本体の共鳴等による不安定な振動状態の発生が防止されて、より精度の高い音振動をカプセル状ハウジングの壁部に及ぼすことが可能となる。
請求項8に記載の本考案の特徴とするところは、請求項7に記載の調圧型カプセル構造体であって、前記マス部材が前記カプセル状ハウジングの壁部に対して表面外方に所定距離を隔てて対向位置せしめられており、該マス部材の該カプセル状ハウジングの壁部に対する対向面上に前記音響振動発生装置の前記音響振動体が配設されて、該音響振動体が前記付勢手段で該マス部材側から該カプセル状ハウジングの壁部に向かって付勢されて該カプセル状ハウジングの壁部に対して当接状態で押し付けられていることにある。
この請求項8に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、マス部材の質量の慣性力を利用した音響振動体の安定した支持構造が一層効果的に実現可能となる。
請求項9に記載の本考案の特徴とするところは、請求項7又は8に記載の調圧型カプセル構造体であって、前記マス部材に対して金属バネを介して支持部が取り付けられていると共に、該支持部に対して前記音響振動体がゴム弾性体を介して取り付けられることによって、それら金属バネとゴム弾性体とを含んで前記付勢手段が構成されて該音響振動体が該マス部材に対して弾性的に支持されており、該音響振動体が前記カプセル状ハウジングの壁部に向かって付勢されて該カプセル状ハウジングの壁部に対して当接状態で押し付けられていることにある。
この請求項9に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、音響振動体の振動が装置本体等に伝達されて不必要に共振等したり振動エネルギーが拡散等したりすることを、ゴム弾性体の弾性変形に基づく減衰効果等によって抑制することが出来る。しかも、ゴム弾性体の弾性変形量や線形領域(変形許容量)が金属バネで補われることから、音響振動体をカプセル状ハウジングの表面に対して一層安定して押し付けて当接状態に保持せしめることが可能となる。
請求項10に記載の本考案の特徴とするところは、請求項7乃至9の何れか一つに記載の調圧型カプセル構造体であって、前記マス部材に対して複数の弾性板が前記音響振動体の振動変位方向に直交する方向に広がると共に該音響振動体の振動変位方向で所定距離を隔てて取り付けられており、これら複数の弾性板に対して該音響振動体が取り付けられることによって、該複数の弾性板を含んで前記付勢手段が構成されて該音響振動体が該マス部材に対して弾性的に支持されており、該音響振動体が前記カプセル状ハウジングの壁部に向かって付勢されて該カプセル状ハウジングの壁部に対して当接状態で押し付けられていることにある。
この請求項10に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、複数の弾性板によって音響振動体がカプセル状ハウジングの壁部に押し付けられている。これにより、音振動を壁部に安定して及ぼすことが出来る。そこにおいて、音響振動体を振動変位方向に直交して広がる弾性板で支持することによって、音響振動体の振動変位方向に直交する方向の変位を抑えることが出来る。更に、かかる弾性板を音響振動体の振動変位方向に離隔して複数配設することによって、音響振動体の振動変位方向の変位を阻害することなく許容しつつ、振動変位方向に直交する方向のみならずこじり方向(振動変位方向に対する傾斜方向)の変位も抑えることが出来て、より精度の高い音振動をカプセル状ハウジングの壁部に及ぼすことが出来る。
請求項11に記載の本考案の特徴とするところは、請求項10に記載の調圧型カプセル構造体であって、前記音響振動体が、該弾性板から別体形成されたゴム弾性体を介して該弾性板に取り付けられていることにある。
この請求項11に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、ゴム弾性体の弾性変形に基づく減衰効果等によって、音響振動体の振動が装置本体等に伝達されることを抑えることが出来て、装置本体を不必要に振動せしめたり音響振動体の振動エネルギーが拡散等したりすることを抑えることが出来る。
請求項12に記載の本考案の特徴とするところは、請求項11に記載の調圧型カプセル構造体であって、板状の分割ゴム弾性体が前記弾性板を挟んで互いに固定されることによって前記ゴム弾性体が構成されていることにある。
この請求項12に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、例えば弾性板が薄肉で変形容易なゴム膜とされていても、分割ゴム弾性体でかかるゴム膜を挟んで互いに固定することによって、ゴム弾性体を弾性板に安定して取り付けることが出来る。また、ゴム弾性体によって音響振動体をより安定して支持することも出来る。
請求項13に記載の本考案の特徴とするところは、請求項10乃至12の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体であって、前記複数の弾性板の内で前記音響振動体の振動変位方向で前記カプセル状ハウジングの壁部に最も近い該弾性板が前記音響振動発生装置における前記装置本体の該カプセル状ハウジングの壁部側端面を構成すると共に、該音響振動体が、該カプセル状ハウジングの壁部に最も近い該弾性板に対して該カプセル状ハウジングの壁部に向けた突出状態で取り付けられていることにある。
この請求項13に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、音響振動体のカプセル状ハウジングの壁部への押し付け状態をより好適に発現することが出来る。それと共に、音響振動体におけるハウジングの壁部への当接部分に近い位置を弾性板で支持することから、音響振動体の振動中心軸に直交する方向やこじれ方向の不要な変位をより効果的に抑えることが出来る。これにより、カプセル状ハウジングの壁部により安定的に音振動を及ぼすことが出来る。
請求項14に記載の本考案の特徴とするところは、請求項1乃至13の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体であって、前記電気信号が、音楽情報信号と前記使用者に対する言語情報信号とを含むことにある。
この請求項14に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、使用者が調圧型カプセル構造体を使用中に音楽をきいてリラックスできると共に、外部から必要な情報を使用者に言語情報(音声)で伝達することが可能となり、調圧型カプセル構造体の利便性の向上と共に、リグザミネーション等の効果向上も図られ得る。
請求項15に記載の本考案の特徴とするところは、請求項1乃至14の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体であって、前記カプセル状ハウジングの壁部において、前記音響振動発生装置の前記音響振動体が当接状態で押し付けられる加振領域が、他の壁部から別体形成されて振動伝達抑制部材を介してかかる他の壁部に連結されていることにより、該音響振動体によって及ぼされる音響振動によって該加振領域が他の壁部から独立的に加振されるようになっていることにある。
この請求項15に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、特定の部分だけを音響振動体の加振による振動体(音波発生面)とすることにより、例えば特定周波数域でのカプセル壁部の共振現象をチューニングしたりして、発生音の調節等も容易に行なうことが可能となる。また、加振領域の複数を相互に独立的加振状態で設けることにより、各加振領域において相互に異なる周波数振動特性を設定し、低音発生用加振領域や中音用加振領域、高音用加振領域などを、分割して形成することも可能となる。更にまた、2チャンネルや、それ以上のチャンネルでのステレオ音楽など、複数の異なる加振領域において異なる振動状態を付与せしめて、使用者に対して臨場感の向上を図ることも可能である。
請求項16に記載の本考案の特徴とするところは、請求項1乃至14の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体であって、前記カプセル状ハウジングの壁部が、その全体に亘って振動伝達されるように一体的な加振構造体とされていることにある。
この請求項16に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、使用者がはいる内部空間の周囲を囲む壁面の広い領域、例えば全領域を一つの音波発生面とすることも可能であり、それによって、内部空間における特定位置での音の偏りを軽減することができると共に、使用者が音に包まれるような空間を形成することも可能となる。
請求項17に記載の本考案の特徴とするところは、請求項1乃至16の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体であって、外部空気を圧縮することで圧力空気を成形する圧力空気生成手段が設けられていると共に、該圧力空気生成手段で生成された圧力空気を前記カプセル状ハウジングの内部空間に対して導く給排用管体が設けられており、更に、該カプセル状ハウジングの内部空間の圧力を調節する制御手段が設けられていることにある。
この請求項17に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、所定の圧力の酸素含有圧縮空気を内部空間に満たすことにより、エステサロン等で提供される酸素浴機などが有利に実現可能となる。
上述の説明から明らかなように、本考案に従う構造とされた調圧型カプセル構造体においては、カプセル状ハウジングの内部空間を狭めることなく、またカプセル状ハウジングの周壁部に特別な部品を貫通配置させる必要もなく、内部空間に滞在して使用中の使用者に対して音楽や音声等の音情報を良好な音質をもって提供する機能を、簡単な構造をもって効果的に付与せしめることが可能となるのである。
以下、本考案の一実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、図1〜5には、本考案の一実施形態としての調圧型カプセル構造体としての酸素浴機10が示されている。図1は正面図であり、図2は背面図であり、図3は右側面図であり、図4は左側面図であり、図5は平面図である。なお、以下の説明において、上下方向および左右方向とは、特に断りのない限り、図1中の上下方向および左右方向をいうものとする。
かかる酸素浴機10は、中空構造のカプセル状ハウジング12を備えており、このカプセル状ハウジング12の内部空間が外部空間からの密閉領域とされるようになっている。また、外部空気を圧縮することで所定の圧力や濃度の酸素含有圧力空気を生成する圧力空気生成装置と、その制御装置が内蔵された別体ハウジング14を備えている。なお、かかる別体ハウジング14の圧力空気生成装置は、カプセル状ハウジング12に対して、空気等の給排用管体や電気配線用の管体からなる複数本の接続管体16によって接続されている。そして、制御装置による制御下で作動せしめられる圧力空気生成装置によって所定圧力に圧縮された空気を接続管体16を通じてカプセル状ハウジング12の内部空間に供給することにより、カプセル状ハウジング12の内部空間の圧力を所定値に設定保持することが出来るようになっている。また、必要に応じて、図示しないガスボンベが装着され、制御装置によるコントロール下で酸素等の特定ガスの濃度が調節されることにより、カプセル状ハウジング12の内部空間におけるガス成分や濃度の調節が実施可能とされる。
なお、図示されているように、カプセル状ハウジング12や別体ハウジング14の各外面には、使用者や操作者の使用の便を向上させる目的で、使用者や操作者が把持することの出来る握り棒13a,13bが設けられている。また、別体ハウジング14のテーブル上には、内部に収納された制御装置をコントロールしたり、状態を確認等するために操作パネル15が装備されており、受話器17も設置されている。なお、この受話器17は、外部回線や内部回線に接続されて適当に使用可能であり、特に本実施形態では、後述する音響振動発生装置40に対して、必要に応じて適当なアンプを介して接続されることにより、カプセル状ハウジング12の内部空間にいる使用者に音声信号を発することができるようにされていても良い。
上記カプセル状ハウジング12は、例えば直径が100cm程度で、使用者が横たわることの出来る程度の長さの円筒形状を有する周壁部18に対して、その両端開口部を気密に覆う左端壁部20と右端壁部22が固着されることによって形成されている。なお、かかるカプセル状ハウジング12は、その下部において基台21が固着されており、この基台21によって水平状態で安定して支持されている。また、周壁部18には、上側の四半周部分において、左端壁部20側から軸方向の略半分の長さに亘る大きさで開口する出入口24が形成されている。そして、この出入口24には、開閉扉26が開閉可能に組み付けられている。
そして、この出入口24を通じて、使用者が、カプセル状ハウジング12の内部空間に出入りできるようになっている。なお、開閉扉26を閉じた状態での図1中のVI−VI横断面を示す図6と、その開閉扉26を開いた横断面を示す図7に表されているように、カプセル状ハウジング12の周壁部18には、出入口24の上下開口縁部に沿って水平方向に延びるガイドレール28,28が周壁部18から少し内方に控えた位置に設置されており、開閉扉26に装着された走行ローラがこれら上下のガイドレール28,28に案内されて走行可能となっている。そして、かかる走行により、開閉扉26が、出入口24の閉位置から開位置まで水平方向に往復移動せしめられるようになっている。
なお、本実施形態では、開閉扉26を閉位置から開方向に走行させる際には、開閉扉26の上端縁部が所定量だけカプセル状ハウジング12の内部空間側に移動せしめられるようになっており、その後に開方向に走行する開閉扉26は、カプセル状ハウジングの周壁部18の内面に沿って走行して、開位置では周壁部18の裏側に隠れるように収納されるようになっている。この際に、開閉扉26の上端縁部をカプセル状ハウジング12の内部空間側に控え移動させる手段として、本実施形態では、ソレノイド等のアクチュエータ30が装備されている。
また、本実施形態では、開閉扉26の開閉移動操作は、開閉扉26の閉じ方向の移動側先端部外面に突設された把手32を把持して、人力で行なわれるようになっているが、この開閉扉26の開閉移動を電動モータ等の動力手段で行なうようにしても良い。更に、本実施形態では、開閉扉26が、有色透明又は無色透明の合成樹脂材やガラス材で形成されており、外部から内部および内部から外部を視認することができるようになっている。
そして、開閉扉26を開位置にして開口した出入口24から使用者がカプセル状ハウジング12の内部空間に入り込んだ後、開閉扉26を閉位置にして出入口24を気密に閉塞せしめることにより、使用者が入った内部空間が外部空間に対して実質的に密閉される。そして、この密閉された内部空間に対して、前述の制御装置による制御下で作動せしめられる圧力空気生成装置によって所定圧力に圧縮された空気を接続管体16を通じて供給せしめて、カプセル状ハウジング12の内部空間の圧力を所定値に設定保持することで、使用者をかかる高圧空間に晒すことができるようになっている。
上述の如き構造とされたカプセル状ハウジング12には、その左端壁部20の外面中央部分に平板形状をもって形成された中央外面33に対して音響振動発生装置40が装着されている。音響振動発生装置40は、酸素浴機10のカプセル状ハウジング12における左端壁部20の中央外面33に貼り付けられるようにして固着されて突出状態で装着されている。
この音響振動発生装置40は、図8〜11に示されている如き単体構造を有している。なお、これらの音響振動発生装置40の各図において、図8は正面図、図9は平面図、図10は背面図、図11は右側面図であり、底面図は図9と対称に現れると共に、左側面図は図11と対称に現れる。
これら図8〜11に示されているように、本実施形態の音響振動発生装置40は、矩形枠体形状の矩形周壁部42に対して、その一方の開口部側を覆蓋するようにマス部材としての矩形蓋部44が固定されることによって構成された装置本体としての筐体を備えている。なお、矩形蓋部44の内面は略平面とされている一方、矩形蓋部44の外面には長さ方向に平行に延びる複数のプレート状の冷却フィンが一体的に突出形成されている。この冷却フィンは必ずしも必要ではないが、電気エネルギーによる音響振動発生装置の発熱を効率的に放射してコンパクトなサイズを実現するためには有効である。
また、かかる筐体には、矩形周壁部42の長手方向両端部分から左右両側に突出するようにしてコ字状の一対の把手46,46が固設されている。これらの把手46,46を把持することで、音響振動発生装置40を容易に取り扱うことができるようになっている。なお、図12には、筐体の矩形蓋部44を取り外した状態での正面側が斜視図で表されており、図13には、筐体の背面側が斜視図で表されており、図14には、筐体の矩形周壁部42を取り外した状態での背面側が斜視図で表されている。
かかる図13,14にも示されているように、筐体には、矩形周壁部42の長手方向両端部分に位置して、左右一対の永久磁石47,47が固定されて取り付けられている。これらの永久磁石47,47は、筐体の背面側の開口部から外方に最も突出する吸着面を備えており、これらの吸着面において永久磁石の磁極が形成されている。要するに、かかる永久磁石47,47で磁気吸引力を発揮する固定手段が構成されているのであり、これらの永久磁石47,47の表面が、前述のカプセル状ハウジング12の左端壁部20における表面の中央外面33に密着状態で重ね合わされた状態で、音響振動発生装置40が左端壁部20の中央外面33に吸着固定されるようになっている。
さらに、このように内方に向かって開口せしめられた中空構造の筐体の中空内部には、左右両側にそれぞれ位置して一対の振動発生機構48,48が収容状態で組み込まれている。また、これら一対の振動発生機構48,48の間に位置して、筐体の中空内部の長さ方向中央部分には、各振動発生機構48,48に対して音声振動を発生させる給電制御ユニットが収容配置されてカバーで覆われている。
かかる振動発生機構48は、その単体での詳細構造が図15〜19に示されている。即ち、矩形の薄肉帯板形状の板ばね材を門形に成形して得られた、平坦な天板部53と左右一対の脚部とを有する門形板ばね52を備えており、この門形板ばね52の天板部53に対して、矩形ブロック状のゴム弾性板54が重ね合わされて接着等により装着されている。特に本実施形態においては、門形板ばね52の天板部53によって支持部が構成されていると共に、左右一対の脚部によって弾性力を有する金属ばねが構成されている。このようにして、本実施形態においては、門形板ばね52およびゴム弾性板54を含んで付勢手段が構成されている。そして、これら門形板ばね52の天板部53とゴム弾性板54および後述する押圧プレート58の各中央部を貫通して装着孔が形成されており、かかる装着孔に挿通された状態で振動ロッド62が取り付けられている。
この振動ロッド62は、金属製のストレートな棒形状を有しており、詳細な図示は省略するが、軸方向中間部分の外面には、ネジ溝が形成されている。そして、かかる振動ロッド62は、一対の固定ナット56,56によって、門形板ばね52の天板部53に装着されたゴム弾性板54に対して締付固定されている。なお、図19中、符号61はワッシャである。なお、ゴム弾性板54において門形板ばね52の天板部53と反対側の外面には金属製の押圧プレート58が重ね合わされて接着等により固定されており、門形板ばね52の天板部53と押圧プレート58によってゴム弾性板54の厚さ方向の両端面の略全面が覆われて、ゴム弾性板54の厚さ方向の両端面が平坦面形状に維持され得るようになっている。
また、図19に示すように、振動ロッド62を挿通する装着孔は、門形板ばね52の天板部53、ゴム弾性板54、および押圧プレート58のそれぞれの中央部に貫設された中央孔70,72、74が同心軸上に位置せしめられることによって構成されている。そこにおいて、ゴム弾性板54に形成された中央孔72の径寸法は、振動ロッド62の外径と略等しくされている一方、門形板ばね52の天板部53および押圧プレート58に形成された中央孔70,74の径寸法は、ゴム弾性板54に形成された中央孔72の径寸法よりもやや大きく、更に、ワッシャ61の外径寸法よりも大きくされている。これにより、ワッシャ61、61が天板部53及び押圧プレート58の中央孔70,74内に挿通されるようにしてゴム弾性板54に対して直接に当接せしめられており、かかるワッシャ61、61を介して固定ナット56,56の締付力固定力がゴム弾性板54に及ぼされるようになっており、固定ナット56,56の締付固定力は、門形板ばね52および押圧プレート58を介することなく、ゴム弾性板54に直接に及ぼされるようになっている。従って、振動ロッド62は、門形板ばね52の天板部53および押圧プレート58に対する非接触状態でゴム弾性板54に固定されており、ゴム弾性板54を介して天板部53に取り付けられている。
さらに、振動ロッド62は、門形板ばね52に対する固定部分から筐体の背面側に向かって突出せしめられており、その突出方向の軸方向中間部分には、エネルギー変換手段としての音響振動板50が固定的に取り付けられている。
この音響振動板50は、全体として円板形状を有しており、中央に貫設された装着孔に振動ロッド62が挿通されて、一対の固定ナット57,57で締めつけられることによって、かかる音響振動板50が振動ロッド62に対して固定されている。
かかる音響振動板50は、電気信号を入力することによって該電気信号に対応した音響振動を発生するものであり、例えば特開2006−352464号公報や、実登3037167号公報,特開2000−209697号公報,特開2007−208883号公報,特開2004−306004号公報,特開平10−145892号公報,特開2007−158911号公報等に記載されて公知の圧電素子や電歪素子、磁歪素子等を利用したものが、何れも採用可能である。特に本実施形態では、特開2000−209697号公報にも記載されているように略円板形状を有すると共に、外周縁部の全周に亘って厚さ方向の両側に突出する、質量の大きい環状マス59が設けられた構造をもって音響振動板50が構成されている。この環状マス59の存在により、音響振動板50に生ぜしめられる音響振動が、効率的に振動ロッド62に伝達されるようになっている。
そして、この電歪素子等で形成された音響振動板50は、リード線60を通じて、目的とする音響に対応する電圧変化を有する駆動電圧を印加することにより、振動ロッド62の軸方向に向かう音響振動を発することとなる。
さらに、この音響振動板50が装着された振動ロッド62には、音響振動板50に対する固定部分から筐体の背面側に向かって突出せしめられた突出先端部に対して、加振当接子63が固着されている。この加振当接子63は、振動ロッド62の先端部に対して圧入されることにより、或いはまた大径化された振動ロッド62の頭部と固定ナット57との間で締付固定されること等によって、振動ロッド62に対して一体的に固着されており、振動ロッド62と一体的に加振されるようになっている。特に本実施形態では、加振当接子63が、振動ロッド62の先端側に向かって拡径するテーパ形状とされており、その拡開先端面が、振動ロッド62の軸直角方向に広がる平坦な円形当接面とされている。本実施形態においては、これら加振当接子63、振動ロッド62、音響振動板50を含んで音響振動を発する音響振動体が構成されており、振動ロッド62の軸方向が、音響振動体の振動変位方向とされている。
このような構造とされた振動発生機構48は、門形板ばね52の両側脚部の下端部がそれぞれ筐体の矩形蓋部44の内面に対して重ね合わされてボルトや溶接等で固着されることによって、門形板ばね52の天板部53が脚部を介して矩形蓋部44に取り付けられる。これにより、振動発生機構48は、音響振動体50,62,63を門形板ばね52およびゴム弾性板54で矩形蓋部44に対して弾性的に支持せしめた振動変位可能な状態で筐体内に収容状態で組み付けられている。そして、かかる組付状態下、振動発生機構48の振動ロッド62が、筐体の深さ方向に延びており、筐体の開口部に面して外方に向かって配設されている。
そして、かかる音響振動発生装置40は、例えば図20に示されているように、また図1〜5にも示されているように、筐体の矩形蓋部44を外方に向けて、筐体の開口部をカプセル状ハウジング12の左端壁部20の中央外面33に重ね合わせた状態で、長さ方向が略水平となるようにして左端壁部20に取り付けられている。この取り付けは、筐体の左右両側に位置して外面に露出配置された一対の永久磁石47,47の磁気吸引力によって左端壁部20に着脱可能に固着される。これにより、矩形蓋部44が左端壁部20の外方に所定距離を隔てて対向位置せしめられると共に、これら矩形蓋部44と左端壁部20の間に、音響振動体50,62,63が配設されることとなる。
なお、本実施形態では、図20に示されているように、左端壁部20の内面に対して鉄等の強磁性材からなる吸着プレート66が密着状態で重ね合わされて溶接や接着等で固着されている。これにより、たとえ左端壁部20が非磁性材料で形成されていても、音響振動発生装置40の永久磁石47,47の磁力が、左端壁部20を介して、吸着プレート66に及ぼされることにより、音響振動発生装置40を左端壁部20の表面に対して磁気吸着力で着脱可能に固定することが出来るようになっている。なお、図20に示された音響振動発生装置40は、振動ロッド62を支持する付勢手段として、前記門形板ばね52に変えて波板状の金属板ばね64が採用されているが、基本的な構造において相違はない。
而して、かくの如き音響振動発生装置40のカプセル状ハウジング12への装着状態下、音信号に対応した電気信号を入力せしめて、かかる音信号に対応した電気信号をリード線60を通じて振動発生機構48に給電せしめて音響振動板50を加振変形させることにより、振動ロッド62を介して加振当接子63が加振駆動されることとなる。ここにおいて、かかる加振当接子63は、カプセル状ハウジング12の左端壁部20における中央外面33に対して直接に当接されており、門形板ばね52とゴム弾性板54の付勢力によって振動変位方向で左端壁部20に向けて押し付けられて当接状態に保持されるようになっている。このように、本実施形態においては、中央外面33が、加振当接子63が当接せしめられる当接領域とされていると共に、左端壁部20において中央外面33を含む領域が加振領域とされている。それ故、加振当接子63の加振力が左端壁部20に及ぼされ、左端壁部20が加振されることによって、左端壁部20が振動プレートとなって、音場としてのカプセル状ハウジング12の内部空間に対して音としての空気振動が及ぼされる。その結果、かかる内部空間にいる使用者において、空気振動としての音を聴取することが出来るのである。なお、振動発生機構48に入力する電気信号としては、音楽の音情報を含む音楽情報信号に限定されるものではなく、使用者に対する音声情報を含む言語(音声)信号情報などでも良い。
なお、加振当接子63が加振駆動される左端壁部20は、周壁部18や右端壁部22と一体的な振動体を構成して全体が一体的な加振体として作用するようになっていても良い。それとは別に、例えば、左端壁部20を全周に亘って振動伝達抑制部材としての振動絶縁効果を有する支持ゴム弾性体を介して周壁部18に対して気密性を保ちつつ弾性的に取り付ける等して、かかる左端壁部20を、周壁部18から振動伝達経路を独立化させて構成することも可能であり、左端壁部20だけを振動体として機能させるようにしても良い。更には、例えば図21に示すように、中央外面33を左端壁部20の他の部位から別体形成して、かかる中央外面33の全周を振動伝達抑制部材としての支持ゴム弾性体76で左端壁部20の他の部位に対して気密且つ弾性的に支持せしめて、かかる中央外面33だけを振動体として機能させるようにしても良い。
このように、本実施形態によれば、カプセル状ハウジング12の内部空間を狭小化せしめたり、密封性を損なうこともなく、音情報を内部空間に収容された使用者に伝えることが出来る。そして、左端壁部20を振動体として用いることによって、振動体の大きさを充分に確保することが出来て、良好な音質を得ることが出来る。更に、特に本実施形態では、左端壁部20の中央外面33によって、左端壁部20の中央で且つ平坦面をもって、加振当接子63の当接面が構成されていることから、当接状態が容易に且つ安定して維持されると共に、加振当接子63によって左端壁部20の全体を効率的に加振させて内部空間に音を効率的に発生伝達させることが可能となる。加えて、本実施形態では、門形板ばね52を支持する矩形蓋部44が、カプセル状ハウジング12に固定的に取り付けられている。これにより、門形板ばね52の付勢力を中央外面33方向に有利に得ることが出来て、加振当接子63の中央外面33への押し付け状態をより安定して維持出来ると共に、振動ロッド62の加振力を拡散等を抑えて左端壁部20に安定して及ぼすことが出来ることから、より良好な音質を得ることが可能とされている。特に本実施形態においては、矩形蓋部44をマス部材として用いることによって、音響振動発生装置40の不必要な共振等がより有効に抑えられて、振動ロッド62の加振力を左端壁部20により有効に及ぼすことが出来る。更にまた、加振当接子63が中央外面33に対して他部材を介することなく直接に当接せしめられていることからも、加振当接子63の加振力を左端壁部20により安定して及ぼすことが出来る。
加えて、本実施形態においては、振動ロッド62がゴム弾性板54を介して矩形蓋部44に取り付けられている。これにより、振動ロッド62の振動の反力をゴム弾性板54の弾性変形に基づいて減衰せしめることが出来て、かかる反力が矩形蓋部44に伝達されるおそれが軽減されている。これにより、振動ロッド62の振動の反力が矩形蓋部44およびこれに固定された矩形周壁部42を介して左端壁部20に不要な振動として伝達されるおそれが軽減されており、かかる不要な振動との干渉に起因する音質の低下等の問題を有利に回避することが可能とされており、より良好な音質を得ることが可能とされているのである。
次に、図22〜25には、カプセル状ハウジング12に取り付けられる、本発明の異なる態様としての音響振動発生装置90の単体構造が示されている。これらの音響振動発生装置90の各図において、図22は正面図、図23は底面図、図24は背面図、図25は右側面図であり、平面図は図23において後述するリード孔148が形成されていない平坦面とされている点を除いて図23と略対称に現れると共に、左側面図は図25と対称に現れる。なお、以下の説明において、前記実施形態における音響振動発生装置40と同様な構造とされた部材及び部位については、それぞれ、図中に、前記実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
音響振動発生装置90は、矩形蓋部44の内面において上下両端部にそれぞれ取り付けられた上下壁板92,94、および左右両端部に取り付けられた側壁板96,96によって、矩形枠体形状の矩形周壁部42が形成されており、その一方の開口部を覆蓋するように矩形蓋部44が固定されることによって装置本体としての筐体が構成されている。なお、図26に、矩形蓋部44を取り外した状態での正面側を示し、図27に、上壁板92および背面視において左側に位置する側壁板96を取り外した状態での背面側を斜視図で示す。
上下壁板92,94は略平板形状とされると共に、長手方向に直交する一方の端縁部に形成されたリブが矩形蓋部44の内面に重ね合わされてボルト等で取り付けられている。一方、側壁板96は、長手方向両端縁部及び長手方向に直交する両端縁部にリブが形成されており、長手方向に直交する両端縁部のリブの一方が矩形蓋部44の内面に重ね合わされてボルト等で取り付けられていると共に、他方のリブには、永久磁石47が取り付けられている。更に、側壁板96には、把手32がボルト等で固定されている。
そして、かかる筐体の中空内部に、振動発生機構100が収容状態で組み込まれている。図28〜図29に、振動発生機構100の単体構造を示す。振動発生機構100は、矩形蓋部44の内面に対して平行に広がるように配設される弾性板としての内側ゴム膜102および外側ゴム膜104を備えている。これら内外側ゴム膜102,104はそれぞれ、ゴム弾性体から形成された薄肉のゴム膜とされており、これら一対のゴム膜102,104によって、振動ロッド62が弾性的に支持された構造とされている。
より詳細には、内側ゴム膜102は、薄肉の矩形シート形状とされており、内側固定部材106の表面に沿って張り付けられている。内側固定部材106は、略平板形状の前壁部108の長手方向両端縁部において、前壁部108の広がり方向に対して略垂直に立ち上がる一対の側壁部110が形成された略コの字形状の断面を有している。また、前壁部108の中央部分には、前壁部108を厚さ方向に貫通する矩形の中央窓112が貫設されている。
そして、前壁部108において側壁部110の突出方向と反対側の面に、内側ゴム膜102が重ね合わされる。ここにおいて、内側ゴム膜102の長手方向寸法は、前壁部108の長手方向寸法よりも大きくされていると共に、長手方向に直交する寸法は、中央窓112よりも小さくされている。これにより、内側ゴム膜102において前壁部108から長手方向両側に突出する部分は、側壁部110に回り込まされて、側壁部110にボルト等によって固定される挟持プレート114と側壁部110の間で挟持固定される。なお、図面からは明らかではないが、内側ゴム膜102において挟持プレート114を側壁部110に固定するボルトと重なり合う部位にはボルト挿通用の穴が貫設されており、かかる穴にボルトが挿通されている。これにより、内側ゴム膜102は、内側固定部材106の表面に重ね合わされて引張状態で取り付けられている。
一方、外側ゴム膜104は、内側ゴム膜102と略同様の構造とされた薄肉の矩形シート形状とされており、外側固定部材116の表面に沿って張り付けられている。外側固定部材116は、前記内側固定部材106と略同様に、前壁部118とその長手方向両端縁部に立ち上がる一対の側壁部120を備えている。ここにおいて、側壁部120の突出端縁部には、外側固定部材116の長手方向外方に広がる取付リブ122が形成されている。更に、前壁部118の中央部分には、前壁部118を厚さ方向に貫通する矩形の中央窓124が貫設されている。かかる中央窓124の大きさは、内側固定部材106の中央窓112と等しくされている。
なお、外側固定部材116と内側固定部材106は、長手方向に直交する方向の寸法(図29中、上下方向寸法)が互いに略等しくされている。一方、外側固定部材116における前壁部118の長手方向寸法(図28中、左右方向寸法)は、内側固定部材106における前壁部108の長手方向寸法よりもやや大きくされている。また、外側固定部材116における側壁部120の前壁部118からの突出寸法は、内側固定部材106における側壁部110の前壁部108からの突出寸法よりも大きくされている。
かかる外側固定部材116に対して、外側ゴム膜104が、前記内側ゴム膜102と略同様に、前壁部118における側壁部120の突出方向と反対側の面に重ね合わされて挟持プレート126と側壁部120の間で挟持固定される。なお、外側ゴム膜104を固定する挟持プレート126は、側壁部120の突出方向において前壁部118寄りに位置せしめられている。これにより、外側ゴム膜104が、外側固定部材116の表面に重ね合わされて引張状態で取り付けられている。
そして、外側ゴム膜104が取り付けられた外側固定部材116の開口部内、即ち、側壁部120の対向面間に、内側ゴム膜102が取り付けられた内側固定部材106が側壁部110の突出方向を側壁部120と等しくして挿し入れられる。そこにおいて、図27に示すように、外側固定部材116の側壁部120における取付リブ122寄りの部位には、側壁部120の前壁部118からの突出方向に延びる一対のボルト挿通孔128と一対の逃がし穴130が厚さ方向に貫通して形成されている。そして、ボルト挿通孔128を通じて側壁部120の内方に突出せしめられたボルトの脚部が、内側固定部材106に取り付けられた挟持プレート114に貫設された挿通孔(図示せず)を通じて内側固定部材106の側壁部110に固定されることによって、外側固定部材116と内側固定部材106が互いに固定される。これにより、内側ゴム膜102と外側ゴム膜104が、内外側固定部材106、116の重ね合わせ方向で所定距離を隔てて、互いに略平行に配設される。なお、挟持プレート114を内側固定部材106に固定するボルトの頭部は、逃がし穴130内に位置せしめられるようになっており、これにより、挟持プレート114と外側固定部材116の側壁部120は互いに接触状態で組み付けられている。
さらに、内側固定部材106の中央窓112内には、分割ゴム弾性体としての一対のゴム弾性板54が内側ゴム膜102を挟み込んで内側ゴム膜102に取り付けられている。かかるゴム弾性板54は前記実施形態と略同様の構造とされており、厚さ方向一方の端面には、略全面に亘って押圧プレート58が固着されている。そして、押圧プレート58が固着されていない他方の面が内側ゴム膜102に重ね合わされて、内側ゴム膜102の反対面に重ね合わされた他方のゴム弾性板54と位置合わせされる。
そこにおいて、ゴム弾性板54と押圧プレート58には、前記実施形態と同様に、その中央部分に中央孔72、74が厚さ方向に貫設されていると共に、本態様においては、ゴム弾性板54と押圧プレート58のそれぞれにおいて、中央孔72、74を挟んだ対向位置に、一対のボルト挿通孔が厚さ方向に貫設されている。特に本実施形態においては、かかるボルト挿通孔は、内側固定部材106における前壁部108の長手方向に直交する方向(図29中、上下方向)で中央孔72,74を挟んだ一直線上に位置せしめられている。また、内側ゴム膜102においてかかるボルト挿通孔と重なる位置にも、厚さ方向に貫通するボルト挿通孔が形成されている。
そして、かかるボルト挿通孔に固定ボルト132が挿し入れられて、内側ゴム膜102および他方のゴム弾性板54および押圧プレート58を貫通して突出せしめられた先端部にナット134が締め付けられるようになっており、これら固定ボルト132およびナット134によって、一対のゴム弾性板54が内側ゴム膜102を挟み込んで内側ゴム膜102に固定されている。ここにおいて、ゴム弾性板54は、正面視において中央窓112の内周縁部と全周に亘って隙間を隔てて位置せしめられる。また、内側ゴム膜102において中央孔72、74と重なる位置にもボルト挿通孔が貫設されており、一対のゴム弾性板54および押圧プレート58、および内側ゴム膜102の中央部を貫く装着孔が形成されている。そして、かかる装着孔に挿通された状態で振動ロッド62が取り付けられている。
振動ロッド62は、前記実施形態と同様の構造とされており、音響振動板50および加振当接子63が固定的に取り付けられている。そして、振動ロッド62における音響振動板50を挟んで加振当接子63と反対側の端部がゴム弾性板54および押圧プレート58に形成された中央孔72、74に挿通されて一対の固定ナット56、56によってゴム弾性板54に締付固定されている。これにより、振動ロッド62は、一方の端部が一対のゴム弾性板54を介して内側ゴム膜102に弾性的に取り付けられている。このように、本態様においては、振動ロッド62から矩形蓋部44に及ぼされる振動を低減するゴム弾性体が一対のゴム弾性板54によって構成されている。
一方、振動ロッド62における加振当接子63側の端部は、外側ゴム膜104に取り付けられる。特に本態様においては、外側ゴム膜104において中央窓124の中央部分に位置せしめられる部位には貫通孔136が貫設されており、かかる貫通孔136に加振当接子63が挿入されることによって、加振当接子63の当接面が、外側ゴム膜104から筐体の外方に僅かに突出して位置せしめられている。
このようにして、振動ロッド62は、軸方向、換言すれば、振動変位方向に直交して広がる内外側ゴム膜102,104によって弾性的に支持されており、これら内外側ゴム膜102,104が振動ロッド62の振動変位方向で、所定距離を隔てて配設されている。
なお、本態様の如き、加振当接子63が外側ゴム膜104から突出位置せしめられた振動発生機構100を組み立てるには、例えば、振動ロッド62に加振当接子63のみを取り付けた状態で、かかる振動ロッド62における加振当接子63と反対側の端部を、外側ゴム膜104の貫通孔136に外側固定部材116の開口方向と反対側から挿し入れて、加振当接子63のテーパ形状部が外側ゴム膜104の貫通孔136に係止されるまで挿し入れる。次に、外側固定部材116の開口部内に突出せしめられた振動ロッド62に対して、外側固定部材116の開口部側から音響振動板50を組み付ける。そして、予め内側ゴム膜102およびゴム弾性板54等を取り付けた内側固定部材106を外側固定部材116の開口部側から挿し入れて外側固定部材116に固定すると共に、振動ロッド62をゴム弾性板54の中央孔72に挿通せしめて、ナット56で固定する。これにより、振動発生機構100を得ることが出来る。
このような構造とされた振動発生機構100は、外側固定部材116の取付リブ122が矩形蓋部44の内面に重ね合わされてボルトや溶接等で固着されることによって、筐体内に収容状態で組み付けられる。これにより、内外側ゴム膜102,104が矩形蓋部44に対して振動ロッド62の振動変位方向で直交して広がると共に所定距離を隔てて配設されており、振動ロッド62が、これら内外側ゴム膜102,104を介して矩形蓋部44に対して弾性的に支持されている。更に、矩形蓋部44への組付状態において、外側ゴム膜104が矩形蓋部44に対して内側ゴム膜102よりも遠位に配設されており、かかる外側ゴム膜104によって、音響振動発生装置90におけるカプセル状ハウジング12の左端壁部20側の端面が構成されている。これにより、加振当接子63は、音響振動発生装置90におけるカプセル状ハウジング12の左端壁部20側の端面よりも左端壁部20側に突出せしめられることとなる。
なお、下壁板94の内面における略中央部には、リード線固定部材140がボルト固定されている。リード線固定部材140は、ゴム弾性体からなる板状のリード線固定ゴム板142の一対と、固定プレート144が当該順序で下壁板94の内面に積層された構造とされている。そして、リード線固定部材140には、リード線固定ゴム板142および固定プレート144を厚さ方向に貫通するリード挿通孔146(図23参照)が形成されていると共に、下壁板94においてリード挿通孔146と重なる位置には、リード孔148が貫設されている。これにより、音響振動板50のリード線60は、リード挿通孔146に挿通されることによってバタツキが抑えられていると共に、リード孔148を通じて音響振動発生装置90の外部に延び出されるようになっている。
そして、かかる音響振動発生装置90は、前記実施形態と同様に、永久磁石47,47の磁気吸引力によって、矩形蓋部44を外方に向けて、筐体の開口部をカプセル状ハウジング12の左端壁部20の中央外面33に重ね合わせた状態で取り付けられる。かかる取り付けに際して、外側ゴム膜104から突出せしめられた加振当接子63によって、振動ロッド62が中央外面33の当接反力によって筐体の内方に入り込む。これにより、内外側ゴム膜102,104が変形せしめられて、これら内外側ゴム膜102,104の復元力が、振動ロッド62を中央外面33に向けて付勢する付勢力として発現せしめられる。その結果、振動ロッド62が振動変位方向で中央外面33に付勢されて、中央外面33への当接状態で押し付けられる。このように、本態様においては、内外側ゴム膜102,104を含んで付勢手段が構成されている。
これにより、本態様によれば、内外側ゴム膜102,104によって振動ロッド62の中央外面33への押し付け状態をより好適に発現せしめることが出来て、左端壁部20への加振力をより有効に得ることが出来る。特に、外側ゴム膜104によって加振当接子63における当接面に近い位置を支持すると共に、加振当接子63が外側ゴム膜104から突出せしめられていることから、加振当接子63を中央外面33により安定して押し付けることが出来る。なお、内外側ゴム膜102,104は、振動ロッド62の軸直角方向に広がる展張状態で配設されており、その周縁部分で固定支持されていることから、展張力を調節することによって、振動ロッド62の弾性支持状態を容易に調節することが可能である。
それと共に、内側および外側ゴム膜102、104で、振動ロッド62の軸方向の略両端部を支持することによって、振動ロッド62の軸直方向への変位のみならずこじり方向(軸方向に対する傾斜方向)の変位も抑えることが出来て、軸方向、即ち、振動方向の変位を安定して発現せしめることが出来る。特に、振動ロッド62の軸直角方向では、内外側ゴム膜102,104が面方向となって圧縮/引張変形が支配的となる一方、振動ロッド62の軸方向では、内外側ゴム膜102,104の剪断変形が支配的となることから、振動ロッド62の軸方向変位特性を阻害することなく、振動ロッド62の軸直角方向成分を含む不必要な変位を極めて効率的に低減することが出来るのである。
加えて、本態様においても、ゴム弾性板54、54によって、振動ロッド62の振動の反力によって筐体に及ぼされる不要な振動を低減することが可能とされており、筐体を不要に振動せしめるおそれが軽減されている。更に本態様においては、振動ロッド62をゴム膜102、104で支持することから、これらゴム膜102、104の弾性変形(剪断変形)に基づく振動減衰効果等も得ることが出来て、筐体への不要な振動の伝達がより有利に軽減されている。これにより、左端壁部20の加振をより安定して行なうことが出来て、更なる音質の向上が図られ得る。
以上、本考案の実施形態について詳述してきたが、本考案はかかる具体的な記載によって限定的に解釈されるものでない。例えば、左端壁部20に加えて或いは代えて、右端壁部22や周壁部18の外面に対して音響振動発生装置40の加振当接子63を当接させるようにしても良い。
例えば、前記各実施形態においては、音響振動発生装置40、90をカプセル状ハウジング12に取り付けるための固定手段として永久磁石47が用いられていたが、永久磁石47に代えて、両面テープを用いる等しても良い。そこにおいて、より好適には、ゴム等の弾性体によって形成された弾性シートの両面のそれぞれに両面テープを貼着せしめて、両面テープで弾性シートを挟んだサンドイッチ構造を有する両面テープや、弾性シート自体の両面に充分な接着層を設けた両面テープ等が好適に用いられる。このようにすれば、弾性シートによる振動低減効果を得ることが出来て、音響振動発生装置40、90の筐体の振動がカプセル状ハウジング12に不要な振動として伝達されるおそれをより軽減することが出来て、更なる音質の向上等が図られ得る。
また、図20に示された強磁性材からなる吸着プレート66を採用する代わりに、カプセル状ハウジング12における音響振動発生装置40の装着部位を強磁性材で形成しても良い。また、音響振動発生装置40を、磁力以外のボルトやリベット,溶接,接着等でカプセル状ハウジング12に対して固着することも可能である。
なお、前記異なる態様としての音響振動発生装置90においては、弾性板としてゴム弾性体から形成された膜状の内外側ゴム膜102,104が用いられていたが、弾性板の材料は限定されるものではなく、例えば、金属から形成された板ばねを用いる等しても良い。
また、前記異なる態様における弾性板の厚さ寸法も特に限定されないのであって、薄肉の膜状でも良いし、それよりも大きな厚さ寸法を有する板状とされていても良い。更には、弾性膜の厚さ寸法は全体に亘って均一である必要も無いのであって、例えば、前記態様において内側ゴム膜102に固定されていたゴム弾性板54,54を、内側ゴム膜102によって一体形成する等しても良い。
また、前記異なる態様における弾性板の数も限定されるものではなく、弾性板を3枚以上設ける等しても良い。
その他、一々列挙はしないが、本考案は、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本考案の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本考案の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
10 酸素浴機
12 カプセル状ハウジング
18 周壁部
20 左端壁部
22 右端壁部
24 出入口
26 開閉扉
40 音響振動発生装置
47 永久磁石
48 振動発生機構
50 音響振動板
52 門形板ばね
54 ゴム弾性板
62 振動ロッド
63 加振当接子
66 強磁性プレート
12 カプセル状ハウジング
18 周壁部
20 左端壁部
22 右端壁部
24 出入口
26 開閉扉
40 音響振動発生装置
47 永久磁石
48 振動発生機構
50 音響振動板
52 門形板ばね
54 ゴム弾性板
62 振動ロッド
63 加振当接子
66 強磁性プレート
Claims (17)
- 中空構造のカプセル状ハウジングの壁部に対して使用者が出入りする出入口が設けられていると共に、該出入口が開閉可能な出入扉で閉塞可能とされており、該出入扉による該出入口の閉塞状態下において使用者が入る内部空間が外部空間に対して実質的に密閉構造をもって画成される調圧型カプセル構造体において、
電気信号を入力することによって該電気信号に対応した音響振動を発生する音響振動体を装置本体に対して振動変位可能に設けた音響振動発生装置が用いられて、該音響振動発生装置の該装置本体が、前記カプセル状ハウジングの壁部に対して固定手段で固定されていると共に、該音響振動発生装置の該音響振動体が該装置本体に対して付勢手段を介して弾性的に支持されており、該固定手段によって該装置本体が該カプセル状ハウジングの壁部に対して固定された状態下で該音響振動体が該付勢手段によって振動変位方向で付勢されて該カプセル状ハウジングの壁部外面に対して当接状態で押し付けられていることを特徴とする調圧型カプセル構造体。 - 前記カプセル状ハウジングの壁部が、使用者が横たわる長さで水平方向に筒状に延びる周壁部と、該周壁部の両端開口部を閉塞する二つの端壁部とによって構成されており、該周壁部に前記出入口が設けられていると共に、該二つの端壁部の少なくとも一方の中央部分に平板形状の当接領域が形成されており、該端壁部に対して前記音響振動発生装置が前記固定手段によって固定されていると共に、該端壁部の該当接領域に対して該音響振動発生装置の前記音響振動体が当接されている請求項1に記載の調圧型カプセル構造体。
- 前記音響振動体が複数設けられており、それら音響振動体がそれぞれ前記カプセル状ハウジングの壁部に対して当接状態で押し付けられている請求項1又は2に記載の調圧型カプセル構造体。
- 前記音響振動発生装置において、前記電気信号を音響振動に変換するエネルギー変換手段として圧電型又は磁歪型の歪素子が用いられている請求項1乃至3の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体。
- 前記固定手段が磁力を利用した吸着固定手段によって構成されている請求項1乃至4の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体。
- 前記カプセル状ハウジングの壁部に対して強磁性材からなる取付板が固着されている一方、前記音響振動発生装置の装置本体に対して永久磁石が固着されており、該永久磁石の該取付板に対する磁気吸引力によって該音響振動発生装置が該カプセル状ハウジングの壁部に対して着脱可能に固定されている請求項5に記載の調圧型カプセル構造体。
- 前記音響振動発生装置が、前記固定手段によって前記カプセル状ハウジングの壁部に固定されるマス部材を備えており、このマス部材に対して前記音響振動体が振動変位可能に支持されている請求項1乃至6の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体。
- 前記マス部材が前記カプセル状ハウジングの壁部に対して表面外方に所定距離を隔てて対向位置せしめられており、該マス部材の該カプセル状ハウジングの壁部に対する対向面上に前記音響振動発生装置の前記音響振動体が配設されて、該音響振動体が前記付勢手段で該マス部材側から該カプセル状ハウジングの壁部に向かって付勢されて該カプセル状ハウジングの壁部に対して当接状態で押し付けられている請求項7に記載の調圧型カプセル構造体。
- 前記マス部材に対して金属バネを介して支持部が取り付けられていると共に、該支持部に対して前記音響振動体がゴム弾性体を介して取り付けられることによって、それら金属バネとゴム弾性体とを含んで前記付勢手段が構成されて該音響振動体が該マス部材に対して弾性的に支持されており、該音響振動体が前記カプセル状ハウジングの壁部に向かって付勢されて該カプセル状ハウジングの壁部に対して当接状態で押し付けられている請求項7又は8に記載の調圧型カプセル構造体。
- 前記マス部材に対して複数の弾性板が前記音響振動体の振動変位方向に直交する方向に広がると共に該音響振動体の振動変位方向で所定距離を隔てて取り付けられており、これら複数の弾性板に対して該音響振動体が取り付けられることによって、該複数の弾性板を含んで前記付勢手段が構成されて該音響振動体が該マス部材に対して弾性的に支持されており、該音響振動体が前記カプセル状ハウジングの壁部に向かって付勢されて該カプセル状ハウジングの壁部に対して当接状態で押し付けられている請求項7乃至9の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体。
- 前記音響振動体が、該弾性板から別体形成されたゴム弾性体を介して該弾性板に取り付けられている請求項10に記載の調圧型カプセル構造体。
- 板状の分割ゴム弾性体が前記弾性板を挟んで互いに固定されることによって前記ゴム弾性体が構成されている請求項11に記載の調圧型カプセル構造体。
- 前記複数の弾性板の内で前記音響振動体の振動変位方向で前記カプセル状ハウジングの壁部に最も近い該弾性板が前記音響振動発生装置における前記装置本体の該カプセル状ハウジングの壁部側端面を構成すると共に、該音響振動体が、該カプセル状ハウジングの壁部に最も近い該弾性板に対して該カプセル状ハウジングの壁部に向けた突出状態で取り付けられている請求項10乃至12の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体。
- 前記電気信号が、音楽情報信号と前記使用者に対する言語情報信号とを含む請求項1乃至13の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体。
- 前記カプセル状ハウジングの壁部において、前記音響振動発生装置の前記音響振動体が当接状態で押し付けられる加振領域が、他の壁部から別体形成されて振動伝達抑制部材を介してかかる他の壁部に連結されていることにより、該音響振動体によって及ぼされる音響振動によって該加振領域が他の壁部から独立的に加振されるようになっている請求項1乃至14の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体。
- 前記カプセル状ハウジングの壁部が、その全体に亘って振動伝達されるように一体的な加振構造体とされている請求項1乃至14の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体。
- 外部空気を圧縮することで圧力空気を成形する圧力空気生成手段が設けられていると共に、該圧力空気生成手段で生成された圧力空気を前記カプセル状ハウジングの内部空間に対して導く給排用管体が設けられており、更に、該カプセル状ハウジングの内部空間の圧力を調節する制御手段が設けられている請求項1乃至16の何れか一項に記載の調圧型カプセル構造体。
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