JP2000041291A - スピーカ装置 - Google Patents

スピーカ装置

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JP2000041291A
JP2000041291A JP10208133A JP20813398A JP2000041291A JP 2000041291 A JP2000041291 A JP 2000041291A JP 10208133 A JP10208133 A JP 10208133A JP 20813398 A JP20813398 A JP 20813398A JP 2000041291 A JP2000041291 A JP 2000041291A
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speaker
diaphragm
speaker box
speaker unit
box
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JP10208133A
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English (en)
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Masao Fujihira
正男 藤平
Akira Yamagishi
亮 山岸
Ikuo Shinohara
幾夫 篠原
Akihiro Akiyama
明広 秋山
Kenji Tokushige
賢二 徳重
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピーカの振動板で生ずる作用力に対する反
作用力をスピーカボックスに形成した第2の振動板に加
えて電気−音響変換効率を向上させると共に軽量なスピ
ーカボックスの揺動を防止可能なスピーカ装置を得る。 【解決手段】 スピーカユニットAを構成する第1の振
動板7を含む振動系に対し磁気回路27の背面に第2の
振動板30を設け、この第2の振動板30をスピーカボ
ックス21の背面板35で構成したスピーカ装置を提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は小型軽量なスピーカ
装置に係わり、特にスピーカユニットの電気−音響変換
効率を高め、スピーカボックスの反作用力の影響を低減
したスピーカ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からスピーカユニットの取り付けら
れたスピーカボックスのバッフルボードの振動を抑制す
るために、振動板により加振されたスピーカの加振方向
に対し、逆方向に加振させる加振器或いはトランスデュ
ーサを有するスピーカ装置は例えば、特開昭63−21
2000号公報、特開平1−307398号公報等に詳
記されて公知である。
【0003】上述の特開昭63−212000号公報に
は図8に示す様なスピーカ装置が示されている。図8で
1はリング状のマグネットを示し、2及び3はこのマグ
ネット1を挟むように取付けられ、その一部に磁気空隙
4を形成したプレートおよびヨークを示す。プレート2
にはスピーカユニットAのフレーム5が取付けられてお
り、このフレーム5の外周部にはエッジ6が設けられ、
このエッジ6によってコーン型の振動板7の外周部がフ
レーム5に保持されている。
【0004】一方、振動板7の内周部にボイスコイルボ
ビン8が取付られており、このボイスコイルボビン8に
はボイスコイル9が巻装され、このボイスコイル9はプ
レート2およびヨーク3によって形成された磁気空隙4
内に挿入されている。以上符号1〜9で示した構成は周
知の動電型スピーカユニットAの基本構造である。
【0005】上記スピーカユニットAのヨーク3の裏面
側中央にはビス10の一端がねじ込まれており、このビ
ス10の他端には上記したスピーカユニットAにおける
マグネット1、プレート2及びヨーク3と全く同一構成
のマグネット11、プレート12およびヨーク13から
成る磁気回路が取付けられている。
【0006】そしてプレート12にはフレーム14が取
付けられており、さらにこのフレーム14には2枚のダ
ンパー15,16が取付けられていて、このダンパー1
5,16によって駆動コイルボビン17が保持されてい
る。
【0007】この駆動コイルボビン17の一方端には駆
動コイル18が巻装され、この駆動コイル18は上記プ
レート12およびヨーク13より形成された磁気空隙1
9内に挿入されている。又上記駆動コイルボビン17の
他方端にはウエイト20が取付けられており、このウエ
イト20を含む振動系は上記スピーカユニットAにおけ
るコーン型の振動板7等を含む振動系の等価質量にはほ
ぼ等しいものに成されている。以上符号11〜20で示
した構成は電気・振動トランスデューサBを示す。
【0008】上述の構成においてスピーカユニットA及
び電気・振動トランスデューサBはスピーカボックス2
1のバッフルボード22に取付けられている。今、スピ
ーカユニットAのボイスコイル9に電気信号を通電すれ
ば周知の作用によりボイスコイル9は図中左右方向に振
動し駆動力F1 を生じ、コーン型の振動板7を駆動して
音響再生を行う。
【0009】この時上記電気・振動トランスデューサB
における駆動コイル18にも同一の電気信号を印加する
と、駆動コイル18も図中左右方向に振動し駆動力F2
を生じ、ウエイト20を同方向に駆動する。ここでスピ
ーカユニットAにおける振動板7等を含む振動系と、電
気・振動トランスデューサBにおけるウエイト20等を
含む振動系の等価質量がほぼ等しければ、スピーカユニ
ットAが振動系によって受ける反作用力−F1 と電気・
振動トランスデューサBにおける振動系の反作用力−F
2 とがほぼ等しくなる。
【0010】従ってスピーカユニットAが振動板7の駆
動によって受ける反作用は上記電気・振動トランスデュ
ーサBによって打ち消されてスピーカボックス21のバ
ッフルボード22の振動及びスピーカボックス21の揺
動が抑制されることになる。
【0011】一方、スピーカボックス21の容積を小さ
くし、小型化を図ることで、廉価なスピーカシステムを
得ようとする要求があるが、一般的にはスピーカボック
ス21の容積を小さくしてゆくにしたがって、スピーカ
ユニットAの振幅を増す様にして、低域再生限界の上昇
を抑える様に成している。
【0012】然し、小型のスピーカの振幅を増すことで
スピーカボックス21内の音圧が上昇し、周波数特性に
山谷が生ずる。この様な問題を解決する方法として、位
相反転型のバスレフレックススピーカボックスを用いて
振動板の背面から出る音波を有効に利用して低音域を歪
なく放射させる様に成したスピーカ装置も広く利用され
ている。
【0013】更に、上述した特開平1−307398号
公報では二つのスピーカユニットAの振動板7のコーン
開口部を反対方向に向けて第1のスピーカユニットAの
振動板7の作用力F1 によって生ずる反作用力−F1
第2のスピーカユニットAの振動板7の作用力F2 の反
作用力−F2 でキャンセルさせるスピーカ装置も開示さ
れている。
【0014】従来構成のスピーカ装置によれば第1のス
ピーカユニットAの振動板に与えられる作用力F1 =M
1 ・α(ここでM1 は振動系の等価質量、α1 は振動板
の加速度)は磁気回路、スピーカユニットのフレーム並
びにスピーカボックスを一つの剛体と仮定した場合に、
この剛体に生ずる反作用力は−F1 =M1 ′・α1
(ここでM1 は上述剛体の等価質量、α1 ′は反作用で
与えられる加速度)として与えられる。
【0015】従って、反作用力で与えられる加速度Aは
上記した各式から α1 ′=−(M1 /M1 )・α1 ‥‥(1) で定まる反作用力−F1 の変位を受けるが、M1 ′=∞
であれば反作用力の影響はなく、ボイスコイルに与えら
れる加速度にのみで振動板は変化するが、実際には
1 ′は有限であり、特に上記した様にスピーカボック
スを含むスピーカ装置全体が軽量化、且つ小型化され、
振動板7は重くなり、質量比M1 /M1 ′は増大する傾
向にあり、この振動板7の作用力F1 に対する反作用力
−F1 の為に低域の再生効率は大幅に低下する。
【0016】更に実際には、磁気回路、スピーカフレー
ム、スピーカボックスは一つの剛体ではなく、それぞれ
が、共振点を持ち、反作用により与えられたエネルギー
により、再生音以外の音響エネルギーを歪として出力す
ることとなりこれが、再生音の入力された信号に対する
出力の忠実性を低下させる原因となっている。この様な
弊害を上述した様に二つのスピーカユニット或いはスピ
ーカユニットAと電気振動トランスデューサBでキャン
セルさせることが出来るがこれら構成では二つの磁気回
路及び二つのボイスコイルを必要とし、二つの駆動回路
を要するため電力消費が大きくなるだけでなく、スピー
カボックスのバッフルボードと背面板間の間隔も大とな
って小型化のスピーカ装置を得にくくなる問題があっ
た。
【0017】本出願人は、叙上の問題点を解消する為
に、先に図7に示す様なスピーカ装置を提案した。図7
で図8で示したスピーカ装置との対応部分には同一符号
を付して重複説明を省略する。
【0018】図7はスピーカ装置の側断面図を示し、2
3は全体としてこの様な小型スピーカユニットを示し、
ヨーク3は純鉄等の板材から成る側断面が有底円筒状と
成され、底部が軽量化するため中心孔を有し上方に凸状
とされたセンタポール24を有し、このセンタポール2
4上に軽量化されたリング状で板状の厚み方向にN極及
びS極と着磁されたマグネット1を接着剤等を介して接
合し、更にマグネット1の上にリング板状のポールピー
ス25を接着剤等を介して接合する。このポールピース
25の外径部とヨーク3を形成する円筒内径との間に磁
気空隙4を形成する。
【0019】フレーム5はバッフルボード22に穿った
放音孔26の直径と略同一内径を有する開口部を有し、
スピーカボックス21の奥行方向に3個の段部28a,
28b,28cを形成し、段部の開口部を順次小径とす
る様に略漏斗状に鋼材等で構成されている。
【0020】マグネット1及びヨーク3とセンタポール
24並びにポールピース25で形成された磁気回路27
は2枚の波形のリング状の第2及び第3のダンパ15及
び16によってフレーム5に懸架されている。即ち、フ
レーム5の底部と第3の段部28cにダンパ16及び1
5の外径部を接合し、磁気回路27のヨーク3の円筒部
の上下にダンパ16及び15の内径部を接合する。
【0021】更に磁気回路27の磁気空隙4内にボイス
コイルボビン8に巻回したボイスコイル9を挿入し、ボ
イスコイルボビン8の上部に接合した波形のリング状の
第1のダンパ29でフレーム5に懸架する様に成されて
いる。
【0022】即ち、第1のダンパ29の内径部をボイス
コイルボビン8の上端外径部に接合すると共に外径部を
フレーム5の第2の段部28bに接合させてボイスコイ
ル9を含むボイスコイルボビン8を磁気空隙内でボイス
コイルボビン8の長手方向に揺動自在と成す。
【0023】ボイスコイルボビン8の上端部外径には漏
斗状の第1の振動板7の内径部を接着剤等で接合し、第
1の振動板7の外周部にはリング状のエッジ6が接合さ
れ、このエッジ6の外周部は矢紙を介してフレーム5の
第1の段部28aに接合される。
【0024】更に、第1の振動板7の傾斜部にボイスコ
イルボビン8の上部を覆う様に凹状のダストキャップ3
2が接合される。
【0025】又、磁気回路27の底面には第1の振動板
7と対向する様に、漏斗状の開口部が互に逆方向を向く
様に第2の振動板30を固定する。
【0026】図7では漏斗状の振動板30の底部を円盤
33を介してビス34でヨーク3の底面に固定してい
る。
【0027】上述の様に第1及び第2の振動板7及び3
0の開口部が反対方向を向く様に取り付けられた1つの
磁気回路27と1つのボイスコイル9で構成されたスピ
ーカユニット23をスピーカボックス21のバッフルボ
ード22に穿った放音孔26と対向して固定させる。
【0028】又、スピーカユニット23のフレーム5の
第1の段部28aをビス36を介してバッフルボード2
2の内側に固定させる。
【0029】更に、背面板35に放音孔26と対向する
位置に穿った放音孔37にビス36で固定したリング状
の固定板38の外側に第2の振動板30のエッジ31の
フリー状態の外周部が接合されてスピーカ装置40が構
成される。
【0030】この様に構成されているのでボイスコイル
9に音響信号を供給すれば第1の振動板7にF1 =M1
・α1 の作用力が働いた時に受ける反作用力−F1 =M
1 ′・α1 ′の分だけ磁気回路27を含む第2の振動板
30が逆向きに変位することになる。
【0031】従って、従来の構成では歪の発生原因であ
った磁気回路27に与えられる反作用力−F1 の影響を
回避出来るだけでなく反作用力−F1 として働く音響エ
ネルギーを第2の振動板30を介して放音させることが
出来るため電気−音響変換能率を向上させることが可能
となる。又、スピーカボックス21は第1の振動板7の
反作用力−F1 ′の影響を受けないので、スピーカボッ
クス21を含むスピーカ装置20の等価質量を増大させ
る必要がなく、奥行方向も薄くなる為にブックシエルタ
イプのスピーカ装置の様に小型軽量化が図れる。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】上述の図7の構成のス
ピーカユニット23によれば磁気回路27を含む第2の
振動板30をフレーム5に2枚の第2及び第3のダンパ
15及び16で保持させる必要があり、1つのスピーカ
ユニットを構成する場合に多くの部品を必要とし、組立
も煩雑と成る問題があった。
【0033】本発明は叙上の問題点を解消したスピーカ
装置を提供しようとするものであり、発明が解消しよう
とする課題は、簡単なスピーカ構成で組立が容易で且つ
スピーカボックスの奥行方向を狭くすることが出来ると
共に電気−音響変換効率を向上させ、振動板の作用力に
対する反作用力を有効に利用することが出来て、低域再
生が拡大され歪の少ない小型軽量なスピーカ装置を得よ
うとするものである。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明のスピーカはスピ
ーカボックスのバッフルボードに穿ったスピーカ放音孔
に対向して、スピーカユニットの振動板を対向させ、こ
のスピーカユニットの磁気回路の背面をスピーカボック
スの背面板に固定させて成るものである。
【0035】本発明のスピーカ装置によればスピーカボ
ックスの背面板を第2の振動板とすることによってスピ
ーカユニットを簡略化出来ると共にスピーカボックスへ
の組立が極めて容易になり、スピーカユニットの小型化
が図れて、電気−音響変換能率が向上し、1つの磁気回
路と1つのボイスコイル及び1つの駆動源で振動板の作
用力の反作用力を相殺出来て、スピーカボックスのバッ
フルボードと背面板間の奥行を狭くして小型化出来るも
のが得られる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明のスピーカ装置の1
形態例を図1乃至図6によって説明する。尚、図8で示
したスピーカ装置との対応部分には同一符号を付して示
している。
【0037】図1に用いるスピーカユニットAは図8で
詳記したと全く同一構造のスピーカであってもよいが、
図1では防磁型のスピーカユニット構造とされている。
即ち、ヨーク3の裏側に駆動用のマグネット1の着磁方
向と反対に厚み方向に着磁したキャンセルマグネット4
2を接着剤を介して接合し、カップ状のシールドケース
43によって磁気回路27を囲繞させ、プレート2の外
周とシールドケース43の内径が接する様に磁気的閉回
路を作って磁束が外部に交叉しない様に構成した通常の
防磁導電型のスピーカユニットAを構成し、ビス36で
背面板35とシールドケース43の底面とは螺着されて
いる。
【0038】更に、スピーカボックス21のバッフルボ
ード22に穿った放音孔26と対向してフレーム5を介
してスピーカユニットAをスピーカボックス21内に固
定させる。
【0039】スピーカボックスAの取り付けられた放音
孔26の下側には位相反転型スピーカボックスを構成す
る第1及び第2ダクト44及び45が同心的に配設され
ている。
【0040】即ち、これら第1及び第2のダクト44及
び45のうち、第1のダクト44及びダクトの開口44
aはバッフルボード22と一体に成型される。
【0041】又、背面板35には第1のダクト44より
ダクト径の大きい第2のダクト45を第1のダクト44
の所定長さ内でオーバラップし、且つ同心円状断面を持
つ様に形成され、背面板35と一体に植立させ、第2の
ダクト45の開口45aを通して第1のダクト44の開
口44aに放射する空気の等価質量MD 及び等価抵抗R
D を大きくして折れ曲りダクトを構成している。
【0042】上述の構成のスピーカボックス21では第
1のダクト44及び第2のダクト45間のダクト放射力
D1及びFD2の反作用力−FD1及び−FD2は互に相殺さ
れ、軽量なスピーカボックス21はダクトの開口44a
からの空気放射時の放射作用力FD1や反作用力−FD1
よって前後に揺動することはなく、第2のダクト45と
の間で互に釣合っているのでスピーカボックス21とし
てみた時にはスピーカユニットAの音放射時の作用力F
1 に対する反作用力−F1 との釣合を考慮すればよい。
【0043】図1の構成のスピーカ装置40によるとス
ピーカボックス21内に固定されたスピーカユニットA
の駆動時の音放射力は前記した様にF1 =M1 ・α1
与えられる。当然この音放射力の反作用力−F1 が発生
する。
【0044】スピーカボックス21は完全な剛体ではな
く、むしろABS等の軽量で薄手な合成樹脂で構成され
ている為に背面板35の等価質量M2 は無限大になら
ず、背面板35は振動板として機能させることが出来
る。従って、背面板35は図7での第2振動板30(以
下背面板35を第2の振動板30として説明する)とし
て機能する。
【0045】今、この第2の振動板30の等価質量をM
2 、この振動板30に加わる加速度をα2 とし、コンプ
ライアンス(バネの定数)をKとし、スピーカユニット
Aの自重をMS とすれば背面板35とスピーカユニット
Aとはビス36を介して固定されているので第2の振動
板30に加わる等価質量M3 =M2 +MS となる。
【0046】従って、スピーカユニットAを駆動して音
放射力F1 =M1 ・α1 の作用力が振動板7に作用した
時の反作用力−F1 を励起力として第2の振動板30は
2=M3 ・α2 の作用力を受ける。この時、当然−F
2 =M3 ・α3 の反作用力が働く。
【0047】依って、スピーカユニットAの音放射時の
作用力F1 の反作用力−F1 と第2の振動板30の音放
射力F2 の反作用力−F2 とはF1 ≒F2 とすることで
互にキャンセル或は減衰させることが出来る。
【0048】叙述した第2の振動板30の共振周波数f
02は(2)式として求められる。 従って、この値をスピーカユニットAの最低共振周波数
0 とダクトで生ずるダクトの共振周波数fD との間に
選択することで低域再生周波数を下げることなく、低域
の音圧を強調することが可能となる。
【0049】図2は本発明のスピーカ装置の他の形態例
を示すものである。スピーカユニットA及び折れ曲りの
ダブルダクトを構成する第1及び第2のダクト44及び
45の構成は図1と同一構成であるが、本例では第2の
振動板30を構成する背面板35に可撓部46を形成さ
せたものである。
【0050】図2に示す第2の振動板30を構成する背
面板35に設ける可撓部46の位置は第2の振動板30
を磁気回路27に螺着するビス36位置を中心に所定径
の円形、正方形、矩形等とし、必要に応じて第2のダク
ト45を構成する背面板35の中に第3の振動板30b
を形成してもよい。この第3の振動板30bは中心位置
48から所定直径(方形)位置に可撓部47を形成す
る。この様にするとダクト部分の共振周波数fD は設計
し易くなり、FD2=MD2・αD2(ここでMD2は第3の振
動板30b及び第2のダクト45の等価質量、αD2は第
3の振動板30bに加わる加速度である。)を第1のダ
クト44の放射力FD1とバランスさせFD1≒FD2とすれ
ばダクト同志は釣合うことになり、スピーカユニットA
の音放射力F1 の反作用力−F1 は第2の振動板30の
音放射力F2 の反作用力−F2 でキャンセル出来る。
【0051】尚、可撓部46及び47はスピーカボック
ス21或は背面板35の成型時に波形のコルゲーション
を作って薄く成形する様にしたり、フリーエッジと同様
に波形の合成樹脂等のエッジを第2又は第3の振動板3
0及び30bの外周部と背面板35間に貼着させる様に
してもよい。
【0052】図3は本発明のスピーカ装置の更に他の形
態例を示すもので、スピーカユニットAの磁気回路27
とスピーカボックス21の背面板35から成る第2の振
動板30間にアーム49を介在させてスピーカユニット
Aをスピーカボックス21に保持させた場合である。
【0053】図3の場合はアーム49としてはやや太め
のカップ状の筒体の下端にフランジ部が形成され、頂部
に穿った透孔を介してビス53でアーム49を磁気回路
27のシールドケース43に螺着する。更にアーム49
のフランジ部に形成したタップに第2の振動板30の外
側からビス54を螺着することでスピーカユニットAの
磁気回路27と背面板35内の第2の振動板30との結
合が成される以外はスピーカユニットA及び第1及び第
2のダクト44及び45の構成は図2と同一であり、ス
ピーカボックス21の第2ダクト45の背面板35に可
撓部47が形成されていない構成と成されている。
【0054】この様にアーム49を介して第2の振動板
30とスピーカユニットAを結合した場合にも、スピー
カユニットAの振動板7の音放射力F1 の反作用力−F
1 の励起力によって第2の振動板30にはF2 で示す作
用力が働き、この作用力の反作用力−F2 でスピーカユ
ニットAの反作用力−F1 が相殺或は減衰される。
【0055】更に、図3では必要に応じて発泡性の合成
樹脂等で成型した可動体(可撓体)51及び、この可動
体51の上側に接着剤を介して接合したウエイト50か
ら成る振動体52を第2の振動板30の内側に接合させ
る。
【0056】この場合、この振動体52に−F1 を励起
力として生ずる作用F3 は振動体52の等価質量をM3
とし、振動体52に加わる加速度をα3 とすればF3
3・α3 が第2の振動板30に加算される。従って、
スピーカボックス21内では第1及び第2のダクト44
及び45は互に釣合ているのでスピーカユニットAの音
放射力F1 はF1 ≒F2 +F3 の関係を満足させる様に
成せば軽量なスピーカの揺動を抑制可能と成る。
【0057】図4の構成はスピーカユニットAと第2の
振動板30とを結合するアーム49を折り曲りダクトに
兼用して背面板35側にも低音放射を行なう様にした場
合である。
【0058】図4の構成に於いてもスピーカユニットA
及び第1及び第2のダクト44及び45並びに第2の振
動板30の構成は図3と全く同一であるのでアーム49
の構成のみを以下に説明する。
【0059】フランジ部を開口部側に有するカップ状の
筒体から成るアーム49のフランジ部近傍には上下又は
/及び左右方向に透孔55が穿たれ、筒体を構成するア
ーム49の中心位置から筒体の内径より小さい所定の直
径を有するダクト56が第2の振動板30(背面板3
5)から一体に筒状のアーム49内にアーム49より短
い距離内に延設され、第2の振動板30にダクト内の開
口57を穿つことで折れ曲りダクトを構成している。
【0060】叙述したアーム49を兼用したダクト56
では、例えばスピーカユニットAの駆動時の音放射力F
1 の反作用力−F1 で第2の振動板30には図3と同様
の作用力F2 及びこの反作用力−F2 が生ずる。
【0061】更に、スピーカユニットAの反作用力−F
1 によってスピーカボックス21内の空気は圧縮され、
この圧縮された空気は上下又は/及び左右のアーム49
に穿った透孔55を介してアーム49とダクト56間を
矢印58で示す様に流入し、ダクト56内を通って第2
の振動板30に穿った開口57から放射され空気の放射
力FD3を生ずる。このFD3はFD3=MD3・αD3で表され
る(ここでMD3はダクト56とアーム49の等価質量、
αD3はダクト56とアーム49内を流れる空気の加速度
である。)。
【0062】従って、このダクト放射力FD3の反作用力
−FD3も生じ、この−FD3と前記した第2の振動板30
の作用力の反作用力−F2 を加算した反作用力がスピー
カユニットAの反作用力−F1 を相殺或は減衰させる。
【0063】更に、透孔55を空気が通過する際に生ず
る上下又は/及び左右方向に働く作用力FD4及び−FD4
も発生させることが出来るので、例えばアーム49の上
側のみに透孔55を穿てば軽量スピーカボックス21を
載置部に押圧する様な作用力となるので自重に、この力
を加算することが出来る。
【0064】図5は本発明のスピーカ装置の更に他の形
態例を示すものであり、スピーカボックス21及びスピ
ーカユニットA並びに第1及び第2のダクト44及び4
5は略図1と同一構造であり、スピーカボックス21の
背面板35には可撓部46を設けずに奥行方向が大きく
成され、スピーカボックスAと背面板35間はアーム4
9で結合されている。
【0065】図5の構成では、図3のアーム49に比べ
て細くなされ、通常、バッフルボード22と背面板35
とを固定するスタッド等を利用することが出来る。アー
ム49の略中央位置には例えば、上側に透孔55が穿た
れている。この場合、背面板35は封止部58で封止状
態であるので、スピーカユニットAの駆動時の反作用力
−F1 による圧縮された空気はアーム49の空洞内に入
り込み、振動板7が反対方向に駆動された時は空洞内か
ら排出され、スピーカボックス21内の空気の変動を吸
収する。従って、スピーカユニットAの振動系のコンプ
ライアンスを一定に保つと共に透孔55を通過する空気
の作用力FD4によって、スピーカボックス21を載置部
に安定に押圧する作用力を働かすことが出来る。
【0066】又、図5の構成で背面板35の封止部58
に開口を穿ち、アーム49の磁気回路27との取付部近
傍に破線で示す様に透孔59を穿つことでアーム49を
背面ダクトに兼用可能と成る。勿論、この場合、透孔5
5を塞ぐ様な構成であってもよい。
【0067】この構成に於いても、上述の各構成と同様
の効果の得られることは明らかである。
【0068】図6は本発明のスピーカ装置の更に他の形
態例を示すものでスピーカユニットAの取り付けられた
バッフルボード22に可撓部を設けて、スピーカユニッ
トAと第2の振動板30とをアームで直結させて、第2
の振動板30をハッシブラジエータとして動作させる様
に成したものである。
【0069】図6に用いるアームは左右終端にフランジ
部を設けて、図8で示すと同様の構成のスピーカユニッ
トAのヨーク3にアーム49の一方のフランジ部に穿っ
た透孔を介してビス53で螺着し、他方のフランジ部に
立てたタップを介してビス54により第2の振動板30
へ螺着して、スピーカユニットAと第2の振動板30を
直結している。又、第1及び第2のダクト44及び45
は図5の構成と同一で互に支え合されている。
【0070】又、バッフルボード22の放音孔26の中
心からスピーカユニットAの口径より大きな直径の円型
或は方形のダンパと同様の波形の可撓部46を設け所定
のコンプライアンス(バネ性)を与えることでバッフル
ボード可動部60を形成する様に成されている。
【0071】上述の構成ではスピーカユニットAの等価
質量(自重)MS と、アーム59の等価質量M2 に上述
のバッフルボード可動部60の等価質量MBFも第2の振
動板30を駆動する際に加算される為スピーカユニット
Aの駆動時のF1 方向の音放射力と第1及び第2のダク
ト44及び45の放射力−F1 +(−FD1−FD2)によ
って第2の振動板30はF2 方向の音放射力を発生する
と共にバッフルボード可動部60は第2の振動板30と
同相に駆動される為に音圧は略2倍になってスピーカボ
ックス21外に放音されることに成る。
【0072】
【発明の効果】本発明のスピーカ装置によれば、従来、
歪として散逸させてきた、第1の振動板駆動時の磁気回
路が受ける反作用によって、磁気回路自体及びスピーカ
ボックスの背面板も揺動できる構造とし、この背面板を
第2の振動板とすることで、以下の効果が得られる。
1.発生する力すべてを第2の振動板に伝達できる為、
電気エネルギーから音響エネルギーへの変換効率が上が
る。2.第1の振動板で駆動時に生ずる作用力F1 に対
する反作用−F1 をスピーカボックスに伝えない為、歪
が減少し、低域拡大が図れる。3.従来、スピーカボッ
クスの重量を増加させることで、第1の振動板の駆動で
生ずる反作用の影響を低減してきたが、この反作用をス
ピーカボックスに伝えない構造の為、スピーカボックス
の軽量化が可能であり、軽量化を図っても揺動しないス
ピーカ装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピーカ装置の側断面図である。
【図2】本発明のスピーカ装置の他の側断面図である。
【図3】本発明のスピーカ装置の更に他の側断面図
(I)である。
【図4】本発明のスピーカ装置の更に他の側断面図(I
I)である。
【図5】本発明のスピーカ装置の更に他の側断面図(II
I)である。
【図6】本発明のスピーカ装置の更に他の側断面図(I
V)である。
【図7】従来のスピーカ装置の側断面図である。
【図8】従来のスピーカ装置の一部断面図である。
【符号の説明】
A‥‥スピーカユニット、7‥‥第1の振動板、21‥
‥スピーカボックス、22‥‥バッフルボード、27‥
‥磁気回路、30‥‥第2の振動板、35‥‥背面板、
40‥‥スピーカ装置、59‥‥アーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 幾夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 秋山 明広 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 徳重 賢二 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 5D017 AD34 5D018 AA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピーカボックスのバッフルボードに穿
    ったスピーカ放音孔に対向して、スピーカユニットの振
    動板を対向させ、該スピーカユニットの磁気回路の背面
    を該スピーカボックスの背面板に固定させて成ることを
    特徴とするスピーカ装置。
  2. 【請求項2】 前記スピーカボックスの背面板を可撓性
    と成し第2の振動板と成したことを特徴とする請求項1
    記載のスピーカ装置。
  3. 【請求項3】 前記スピーカボックスの背面板と前記ス
    ピーカユニットの磁気回路間をアームを介して結合させ
    て成ることを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置。
  4. 【請求項4】 前記アームを筒状体と成し、該筒状体を
    ダクトと成すか該筒状体内に振動体を配設させて成るこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項3記載のいずれか一
    項記載のスピーカ装置。
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