JP3143279B2 - 電子エネルギー分析器 - Google Patents

電子エネルギー分析器

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JP3143279B2
JP3143279B2 JP05219989A JP21998993A JP3143279B2 JP 3143279 B2 JP3143279 B2 JP 3143279B2 JP 05219989 A JP05219989 A JP 05219989A JP 21998993 A JP21998993 A JP 21998993A JP 3143279 B2 JP3143279 B2 JP 3143279B2
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    • HELECTRICITY
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    • H01J49/46Static spectrometers
    • H01J49/48Static spectrometers using electrostatic analysers, e.g. cylindrical sector, Wien filter
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
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    • H01J2237/24485Energy spectrometers

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  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、試料表面に電子線を照
射し、前記試料表面から放出されるオージェ電子、光電
子等のエネルギー強度分析を行う電子エネルギー分析器
に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆるオージェ電子分光装置、光電子
分光装置などの電子エネルギー分析器においては、従
来、図7にオージェ電子分光装置の原理図を示すよう
に、試料41に対して1個の検出器42を配して、前記
試料41から放射される電子をエネルギー分光するよう
にしている。このような装置では、検出器42がただ1
個であることから、十分な感度が得られず、また感度を
高めようとすれば多大の分析時間を要するという問題が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、上記の
ような電子エネルギー分析器において、検出感度を高め
るためにX線分析装置等で用いられている多重検出法を
適用することが考えられる。ここで多重検出法とは、試
料表面から放射される電子の検出器を複数個並置し、当
該複数個の検出器によって各走査ごとに異なるエネルギ
ーの電子を同時に計数した上で、当該計数値データをエ
ネルギー値ごとに加算することにより、単位時間当たり
の検出信号量が多くなるように工夫するものである。
【0004】これを図を用いて説明すれば、図8に原理
的に示すように、あらかじめ所定の間隔をあけて複数個
の検出器51〜53を並置しておく。なお、ここでは便
宜上、検出器を3個設置した場合について以下説明を行
う。まず、1回目の走査で同図(1)に示すように、検
出器51ではエネルギー値E-2の電子を検出してその計
数値I-2(1) を得る。このとき同時に、検出器52では
エネルギー値E-1の電子を計数してその計数値I-1(1)
を、また検出器53ではエネルギー値E0 の電子を検出
してその計数値I0(1)を得る。次に、第2回目の走査で
は、同図(2)に示すように、検出器51からはエネル
ギー値E-1の電子の計数値I-1(2) を、検出器52から
はエネルギー値E0 の電子の計数値I0(2)を、また検出
器53からはエネルギー値E+1の電子の計数値I+1(2)
を得る。さらに、第3回目の走査では、同図(3)に示
すように、検出器51からはエネルギー値E0 の電子の
計数値I0(3)を、検出器52からはエネルギー値E+1
電子の計数値I+1(3) を、また検出器53からはエネル
ギー値E+2の電子の計数値I+2(3) を得る。
【0005】すなわち、検出器53に着目すれば、従来
の検出器を1個だけ設けた電子エネルギー分光器と同様
に検出エネルギー値をE0 ,E1 ,E2 と順次増加させ
て掃引していくのであるが、その際同時に、従来は検出
に利用されていなかったE-2,E-1,E0 等のエネルギ
ー値を持つ電子を他の検出器51、52で計数するので
ある。そして、このような走査を繰り返した後、例えば
エネルギー値E0 の電子に関する各検出器ごとの計数値
0(1),I0(2),I0(3)(検出器をi個設けた場合には
0(i)まで)を加算すれば、従来と同じ測定時間内に電
子の計数値を上げることができ、すなわち検出感度を高
めることができる。
【0006】ところが、このような多重検出法が適用で
きるのは、その原理から明らかな通り、(1)エネルギ
ー分解能△E(分析器に入射する電子のエネルギー値)
が一定であることおよび(2)エネルギーの掃引におけ
る検出エネルギー値の増加分ESTEPが、各検出器間の検
出エネルギー差の整数倍であることの2つの条件が満足
された場合だけである。換言すれば、上記2つの条件が
満足されていなければ、たとえば上記した図8の例にお
いて、各走査においてそれぞれの検出器が検出している
エネルギー値E0 はぴったり一致せず、従って加算され
たデータはエネルギー値E0 に正確に対応したものでは
ないことになる。
【0007】この問題をさらに詳しく説明する。
【0008】一般に、電子エネルギー分析器では、試料
から放射された電子はインプット・レンズを通して減速
且つ収束された後に分析器に入射されるが、その場合に
2つの異なるモードが使用される。1つは、放射される
電子のエネルギー値Eに対する分光器内の電子の通過エ
ネルギー(パスエネルギー)EP の比EP /Eが常に一
定となる掃引モード(以下、この掃引モードをCRR
(Constant Retarding Ratio)モードと呼ぶ)であり、
もう1つは、Eの値にかかわらず常にEP が一定とされ
る掃引モード(以下、この掃引モードをCAE(Consta
nt Analyzing Energy )モードと呼ぶ)である。すなわ
ち、CRRモードでは、例えばEが 100eVであればE
P が10eV、Eが 200eVであればEP は20eVという
ように、EP がEに対して一定の比率で変化するのに対
し、CAEモードではEが 100eVであっても 200eV
であっても、常にEP は例えば10eVのように一定値に
固定されるものである。
【0009】ところで、オージェ電子分光法では、CR
Rモードが使用される場合が多い。このようなCRRモ
ードを行うものにおいて、複数の検出器を等間隔で配置
した場合、掃引エネルギーが変化するのに伴って各検出
器間の検出エネルギー差も比例的に変化することにな
る。従って、基準となる検出器に対して等間隔でエネル
ギー掃引しても、基準検出器以外の検出器では、基準検
出器との検出エネルギー差が変化するために、不等間隔
で掃引されることになる。すなわち、例えば基準検出器
に対して 100eV, 101eV, 102eVと 1eVのステ
ップで掃引したとしても、他の検出器の検出エネルギー
値はちょうど 101ev, 102eV, 103eVというよう
に 1eVずつでは掃引されず、例えば101.01eV,102.
03eV等のように、不等間隔掃引でかつ検出されるエネ
ルギー値は端数を持つようなことになってしまう。この
ように各検出器の検出値をエネルギー的にぴったり重ね
合わせられないことから、各検出器の計数データを加算
しても精度の低いものとなってしまう。
【0010】また、光電子分光法では、CAEモードが
使用される場合が多い。この場合には上記したようにE
P が一定であることから、基準となる検出器と他の検出
器との間の検出エネルギー差は常に一定であり、従って
基準検出器が等間隔でエネルギー掃引されれば他の検出
器も等間隔でエネルギー掃引されるため、上記したCR
Rモードのような問題は起きない。しかし、この場合で
もエネルギー掃引する際の各ステップ間の増加分ESTEP
が各検出器間の検出エネルギー差の整数倍になっていな
ければ、各検出器の計数データを重ね合わせる場合に整
合性が失われることになるため、前記増加分ESTEPの設
定には制約が課せられることになる。
【0011】このように、従来の電子エネルギー分析器
に単純に多重検出法を適用したとしても、CRRモー
ド、またCAEモードのいずれにおいても、上記した多
重検出法の2つの条件が満足されないかまたは制約が課
せられることとなり、したがって自由にかつ精度良く多
重検出法を適用することができないものであった。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の電子エネルギー分析器は、試料表面に電
子線を照射し、当該電子線のエネルギー走査を行って、
前記試料表面から放出される電子のエネルギー強度分析
を行う電子エネルギー分析器において、複数の検出器
と、当該検出器から検出された電子強度データに基づい
て、各検出器毎に、各検出器から得られたデータに基づ
いて補間演算を行うデータ収集用計算手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明によれば、各検出器のエネルギー検出値
がぴったり一致していなくても、各検出器の強度データ
(計数データ)について、各検出器毎に、各検出器から
得られたデータに基づいて補間演算を行うデータ収集用
計算手段を備えているので、各掃引ステップで所定のエ
ネルギー値に対応する電子強度データを得ることができ
る。すなわち、上記した例において、例えば実際の検出
では101.01eVに対応する電子強度データが得られたと
しても、補間計算を施すことによって 101eVに対応す
る電子強度データを得ることができ、他の検出器のデー
タとぴったり重ね合わせることができる。このため、掃
引エネルギーの増分を自由に設定することができるとと
もに、CRRモードにおいても精度良く多重検出法を適
用することができ、ひいては電子エネルギー分析器の感
度を高めることができる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。
図1は本発明に係る電子エネルギー分析器を静電半球型
エネルギーアナライザーに適用した場合の実施例を示す
ものである。図において、1は試料であり、当該試料1
の表面を電子線やX線等で照射することにより、オージ
ェ電子、光電子等の電子2が放射される。この電子2は
インプットレンズ3によって減速かつ収束された上で、
半球型アナライザー5の入射スリット4に入射される。
ここで、当該半球型アナライザー5は、同心球面を有す
る内球6と外球7とを備えており、またフォーカス面に
は複数個の検出器(チャンネルトロン)8が並置されて
いる。さらに、これら各構成要素3〜8の電位等を制御
するとともに、データ処理を行うためのマイクロプロセ
ッサ(以下、MPUと称す)9が設けられている。
【0015】そして、入射スリット4を通過した電子2
は、内球6と外球7とに印加された静電界の作用を受け
て軌道を曲げられ、エネルギー分散しつつフォーカス面
に到達し、複数の検出器8によって強度データが検出さ
れる。
【0016】今、前記複数個の検出器8の個数を(2N
+1)個(但し、Nは自然数)とし、中央部にある検出
器から順に0番から±N番(外球側が+の番号)までの
番号を付けることにする。すなわち、中央の検出器は8
(0) であり、外球7に最も近い検出器は8(+N)、同様に
内球6に最も近い検出器は8(-N)というように記す。各
検出器の物理的間隔は等しく、従って+n番目(1≦n
≦N)の検出器8(+n)と−n番目の検出器8(-n)とは中
央の検出器8(0) に対して対称的に配置されているもの
である。
【0017】ここで、エネルギー走査のステップの順番
をi(iは0または正の整数)で表すこととすると、i
ステップ目の走査で中央の検出器8(0) に検出される電
子のエネルギーe(i)は、次の(1)式で与えられ
る。
【0018】 e(i)=Estart +Estep×i …(1) なお、(1) 式において、Estart はエネルギー走査の最
初の値であり、Estepは各ステップごとに増加されるエ
ネルギー量である。また、エネルギー走査の最後の値を
STOPとすれば、ステップ数の最大値iMAX は、iMAX
=(ESTOP−Estart )/Estepとなる。
【0019】そして、エネルギー走査が上記 (1)式によ
って行われているとき、n番目の検出器8(n) が検出す
る電子のエネルギー値をen(i) とすると、CAEモ
ードおよびCRRモードの各々において、このe
n(i) は次式で与えられる。
【0020】・CAEモードの場合: en(i)=e0(i)+n×k×EP …(2) ・CRRモードの場合: en(i)=e0(i)×(1+n×k×r) …(3) なお、(2) 式、(3) 式において、EP はCAEモードで
のアナライザ5内での電子のパスエネルギーである。ま
た、kはインプットレンズ3とアナライザー5のディメ
ンジョンによって決まる定数であり、rは減速率から定
まる値である。
【0021】これら(2) 式、(3) 式を参照すれば、上述
した通り、CAEモードではkは定数であり、EP は一
定であることから、中央の検出器8(0) の検出エネルギ
ーe(i)とn番目の検出器8(n) の検出エネルギーe
n(i) との差(すなわち、n×k×EP )は常に一定
であり、また隣接する検出器間の検出エネルギーの差、
すなわち、k×EP も常に一定であることがわかる。し
かし、n×k×EP がESTEPと一定の関係を有しない限
り、en(i) がとる値がe(i)のとる値とぴったり
一致しないこともわかる。
【0022】一方、CRRモードでは、中央の検出器8
(0) の検出エネルギーe0(i)とn番目の検出器8(n)
の検出エネルギーen(i) との差は常に変化する。
具体的な一例として、k=0.02、r=0.3 とし、中央の
検出器8(0) の検出エネルギー値e0(i)を1038eV
からESTEP= 1eVで走査させていったときに、外球側
に4番目(すなわちn=+4)の検出器8(+4)が検出す
るエネルギー値e4(i) を計算すると、次のようにな
る。
【0023】 e0(0)=1038eV : e4(0)=1062.912eV e0(1)=1039eV : e4(1)=1063.936eV e0(2)=1040eV : e4(2)=1064.960eV e0(3)=1041eV : e4(3)=1065.984eV e0(4)=1042eV : e4(4)=1067.008eV e0(5)=1043eV : e4(5)=1068.032eV e0(6)=1044eV : e4(6)=1069.056eV e0(7)=1045eV : e4(7)=1070.080eV この表でわかるように、CRRモードではe0(i)の
値とe4(i) の値との差は常に異なるし、またe
0(i)は等間隔掃引しているにもかかわらず、e
4(i)は不等間隔掃引となっていることがわかる。そ
れによって、en(i)のとる値が端数を有し、e
0(i)のとる値とぴったり一致しないこともわかる。
【0024】なお、この表でe4(3) とe4(4) の
値に着目すると、e4(3) とe4(4)の間にはe
(i)が取りうる値として1066eVと1067eVの2つの
値が存在することがわかる。これはnが+側であること
から発生する問題である。逆にnが−側である場合には
2つの隣接する検出値en(i) とen(i+1) との
間に、e(i)が取りうる値が1つも存在しない場合も
発生しうる。
【0025】以上を総ずれば、掃引モードにかかわら
ず、電子エネルギー分析器に多重検出法を適用する際に
解決しなければならない事項として、次のようなことを
挙げることができる。
【0026】(1) ESTART の値が 0でない限り、n
>0 の場合にはen(0) の値、すなわち、n番目の検
出器の一番最初のエネルギー検出値はESTART よりも大
きい値であり、またn<0 の場合には、en(iMAX)の
値、すなわち、n番目の検出器の一番最後のエネルギー
検出値はESTOPよりも小さくなる。これを上記した具体
的計算例の場合で示せば、n=+4の検出器8(+4)の1
番最初の検出値であるe4(0) は1062.912eVであっ
て、ESTART として設定した1038eVよりも大きく、こ
の検出器8(+4)がESTART (=1038eV)近傍のエネル
ギー検出を行うことはない。つまり、ESTART からE
STOPまでの全範囲を完全に走査することができるのは中
央の検出器だけであり、その他の検出器ではエネルギー
走査領域が大きい方、または小さい方にずれてしまう。
従って、単純に走査したのでは、ESTART 近傍およびE
STOP近傍の検出データが不足してしまう。
【0027】(2) en(i) はe0(i)のどれか
の値と必ずしも一致するとは限らない。むしろ、e
n(i) は端数を有して、e0(i)のどの値とも一致
しないものと考えるべきである。
【0028】(3) CRRモードの場合では、n>0
の場合にはエネルギー移動量はEST EPの値よりも大き
く、またn<0 の場合にはエネルギー移動量はESTEP
値よりも小さい。従って、en(i’) とen(i’+
1) との間にe(i)が1個も存在しない場合、ある
いは2個以上存在する場合が生ずる。
【0029】以上を踏まえて、本実施例では、次のよう
なエネルギー走査と電子強度検出を行うよう、MPU9
による制御を行うものである。
【0030】(1) エネルギー走査の始まりをE
START よりも小さくし、最も外球側に設置された検出器
8(+N)でもESTART の近傍を走査できるようにする。ま
た、エネルギー走査の終了をESTOPよりも大きくし、最
も内球側に設置された検出器8(-N)でもESTOP近傍まで
走査できるようにする。例えば、上記具体例で示せば、
中央の検出器8(0) の掃引開始エネルギー値をESTART
(=1038eV)より小さい1013eVに設定することによ
り、n=+4の検出器8(+4)の最初の検出値e4(0)
を1037.312として、ESTART 近傍の強度データを検出す
ることを可能とするものである。
【0031】(2) e0(i)とぴったり一致する検
出エネルギー値での電子強度データが存在しない場合に
は、そのe0(i)に近い検出エネルギー値に対応する
電子強度データを用いて補間計算を行うことにより、最
終的に所望のe0(i)に対応する電子強度データを得
る。
【0032】(3) 上記補間計算を実行する際に、あ
る検出エネルギー値en(i’)とen(i’+1)の間
にe0(i)が1個も存在しない場合には、当該e
0(i)については補間計算を行わない。
【0033】(4) また、同じく上記補間計算を実行
する際に、ある検出エネルギー値en(i’) とe
n(i’+1)の間にe0(i)が2個以上存在する場合
には、当該e0(i)のそれぞれについてen(i’)と
n(i’+1)に対応する電子強度データに基づいて
補間計算を行う。上記した具体的実施例の場合で示せ
ば、e4(3) とe4(4) との間にはe0(28)に
相当する1066eVとe0(29)に相当する1067eVの
2個が存在するので、その両方についてe4(3)とe4
(4) の強度データからの補間計算で強度データを求
めることになる。
【0034】次に、以上述べた制御を実行するにあたっ
ての詳細を説明する。まず、上記(1)で述べたエネル
ギー走査の開始点および終了点に関しては、 ・CAEモードの場合: 開始点ESTART ’:(Estart −Estep×i)の数値列
のうち、(ESTART−N×k×EP )よりも小さく、か
つ最も近い値 終了点ESTOP’ :(ESTOP+Estep×i)の数値列の
うち、(ESTOP+N×k×EP )よりも大きく、かつ最
も近い値 iMAX =(ESTOP’−ESTART ’)/ESTEP ・CRRモードの場合: 開始点ESTART ’:(Estart −Estep×i)の数値列
のうち、(ESTART/(1+N×k×r))よりも小さ
く、かつ最も近い値 終了点ESTOP’:[ESTOP+Estep×i]の数値列のう
ち、(ESTOP/(1−N×k×r))よりも大きく、か
つ最も近い値 iMAX =(ESTOP’−ESTART ’)/ESTEP そして、分光エネルギーの走査を次式で行う。
【0035】 E(i)=ESTART ’+ESTEP×i …(5) ここで、iは 0を含みiMAX までの整数である。
【0036】上記(5) 式では、これまでの説明で用いて
きたe0(i)と区別するためにE(i)と表記した
が、同じくn番目の検出器が検出するエネルギー値につ
いて、新たにEn(i) を用いてモード別に示せば、次
のように表される。
【0037】 ・CAEモードの場合:En(i)=E(i)+n×k×EP …(6) ・CRRモードの場合:En(i)=E(i)×(1+n×k×r) …(7) 次に、CAEモード、CRRモード別に、データ収集に
関する補間計算のためのアルゴリズムについて説明す
る。なお、この実施例では、アルゴリズムが複雑になる
のを防ぐために、電子強度データの補間計算は必ず2つ
のE(i) の内挿によって求めることとし、外挿に
はよらないものとして説明する。また、計算は直線補間
法によるものとして説明を進める。
【0038】ここで、以下のアルゴリズムの説明では、
新たに次のような変数を導入している。
【0039】in :n番目の検出器に与えられた0また
は正の整数値を持つ変数。最初この変数の値は 0である
が、当該n番目の検出器で検出された電子強度データが
0(i)のエネルギー値に対応する電子強度データの
計算に寄与した場合に1ずつ増加する。例えば、e
0(3)での電子強度データの計算に寄与した場合に
は、その直後にこのin の値は3から4に繰り上がる。 Cn(i) :チェック用の変数。n番目の検出器の検出
強度データがe0(i)のエネルギー値に対応する電子
強度データの計算に寄与した直後に1となるが、それ以
前では0である。すべての検出器の電子強度データがe
0(i)での電子強度データの計算に寄与し終えたか否
かのチェックに利用する。 j:0または正の整数値をとる変数。最初は0である
が、すべての検出器があるe0(i)での電子強度デー
タの計算に寄与した場合に1ずつ増加する。 S’n(i) :En(i) での電子強度データを表す。
各検出器が検出する電子強度データの生データである。 Sn(i) :En(i) および上記生データであるS’
n(i) から補間計算によって求めた、n番目の検出器
におけるエネルギー値e0(i)に対応する電子強度デ
ータである。 S(i):最終的に得られるエネルギー値e0(i)に
対応する電子強度データ。上記Sn(i) をすべてのn
(すなわち、−Nから+Nまで)について加算すること
によって得られる。 Tn :CAEモードにおいて、エネルギー値のずれ量が
常に一定であることを利用するために導入する定数であ
る。
【0040】次に、CAEモードでエネルギー走査する
場合におけるデータ収集計算のアルゴリズムについて、
図2、図3及び図4に示したフローチャートを用いて説
明する。まずステップ101で制御変数jを 0にセット
する。次に、ステップ102からステップ105におい
て、すべてのn(最小値−N≦n≦最大値+N)につい
て、制御変数in 、Cn (j)および定数Tn を設定す
る。
【0041】次に、ステップ106からステップ123
にかけて、電子強度データ(生データ)の検出と補間計
算の実行および最終データの収集を行う。ここで、まず
ステップ107では、i番目(iは 0またはiMAX まで
の正の整数)の走査を行って、すべての検出器から生デ
ータS’n(i) を同時に検出し、それらすべてを仮デ
ータとしてストアする。
【0042】次に、ステップ108からステップ117
では、上記した仮データS’n(i)に基づいて補間計
算を行う。ここで、まずステップ109では、上記仮デ
ータに対応するEn(i−1) とEn(i) の間にe0
(i)が入っているかどうかを判断する。そして、入っ
ていた場合(yesの場合)には、ステップ110とス
テップ112とによってnが正であるか、0であるか、
あるいは負であるかを判断し、それぞれに応じてステッ
プ111、ステップ113あるいはステップ114で補
間計算を行う。
【0043】ここで、nが正の場合には、ステップ11
1により、次式に従って補間計算を行う。
【0044】 Sn(in)=S’n(i)+(S’n(i)−S’n(i−1)) ×(1−Tn ) …(8) また、n= 0の場合には、これは中央の検出器からのデ
ータであることから、補間計算は要せず、従って、ステ
ップ113により、 Sn(in )=S’n(i) …(9) とする。
【0045】さらに、nが負の場合には、ステップ11
4により、次式に従って補間計算を行う。
【0046】 Sn(in )=S’n(i)+(S’n(i)−S’n(i−1))×Tn …(10) そして、これらの補間計算によって求められたSn(in
)を新たに仮データとしてストアする。
【0047】なお、ステップ109で判断を行った結
果、En(i−1) とEn(i) の間にe0(i)が何
も入っていなかった場合(noの場合)には、何も補間
計算は行わない。そしてステップ115で制御変数Cn
(in ) を1にセットするとともに、制御変数in
1つ増加させる。以上の手順を、nにつき最小値−Nか
ら最大値+Nまで繰り返し行う。
【0048】次に、ステップ118では、すべての検出
器のデータが電子強度データの計算に寄与し終えたかど
うかの判断を行う。そして、寄与し終えたと判断された
場合(yesの場合)には、上記ステップ111、ステ
ップ113あるいはステップ114で仮ストアしておい
た補間計算後の仮データSn(j) をすべてのn(−N
≦n≦+N)について加算するとともに、検出器の総数
(2×N+1)で割算して、検出器1個当たりのデータ
を得て、これを最終データとしてストアする。
【0049】以上の手順をiMAX 番目の走査が行われる
まで繰り返すことにより、所定のiの範囲(0≦i≦i
MAX )について、電子強度データSn(i) を得ること
ができる。
【0050】次に、CRRモードでエネルギー走査する
場合におけるデータ収集計算のアルゴリズムについて、
図5及び図6に示したフローチャートを用いて説明す
る。
【0051】この場合でも、これまで詳述してきたよう
に、基本的な考え方はCAEモードの場合と変わらな
い。すなわち、ステップ201からステップ205まで
が初期設定、ステップ206以降ステップ219までが
データの収集であり、このうち、ステップ207が生デ
ータの収集、ステップ208からステップ214までが
補間計算の実行、さらにステップ215からステップ2
17までが最終データの収集である。
【0052】ここで、上記したCAEモードの場合に
は、エネルギー値のずれ量が常に一定であることから、
先に説明したステップ111あるいはステップ114の
ように定数Tn を用いることによって比較的簡単な式で
補間計算を行うことができるが、CRRモードの場合に
はエネルギー値のずれ量が常に変化するために、次式の
ような、一般の内挿によって直線補間法を行う場合の計
算式を用いて補間計算を行うことが必要になる。
【0053】 Sn(in)=(S’n(i)−S’n(i−1))×(e0(in )− En(i−1))/(En(i)−En(i−1)) …(11) この補間計算によって得られたSn(in)を仮データと
してストアする。そして、この操作をステップ213で
0(in) >En(i) と判断されるまで行い、かつ
ステップ209以降の手順をすべてのn(−N≦n≦+
N)について行う。
【0054】次に、先に説明したCAEモードの場合と
同様、ステップ215ですべての検出器のデータが電子
強度データの計算に寄与し終えたかどうかの判断を行
う。そして、寄与し終えたと判断された場合(yesの
場合)には、上記ステップ210で仮ストアしておいた
補間計算後の仮データSn(j) をすべてのn(−N≦
n≦+N)について加算するとともに、検出器の総数
(2×N+1)で割算して、検出器1個当たりのデータ
を得て、これを最終データとしてストアする。
【0055】以上の手順をiMAX 番目の走査が行われる
まで繰り返すことにより、所定のiの範囲(0≦i≦i
MAX )について、電子強度データSn(i) を得ること
ができる。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、多重検出法を適用する場合に、各検出器のエ
ネルギー検出値がぴったり一致していなくても、各検出
器毎に、各検出器から得られたデータに基づいて補間演
算を行うデータ収集用計算手段を備えているので、各掃
引ステップで所定のエネルギー値に対応する電子強度デ
ータを得ることができる。このため、掃引エネルギーの
増分を自由に設定することができるとともに、CRRモ
ードにおいても精度良く多重検出法を適用することがで
き、ひいては電子エネルギー分析器の感度を高めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成原理図である。
【図2】 本発明の一実施例においてCAEモードを実
行する場合の基本アルゴリズムを説明するためのフロー
チャートである。
【図3】 本発明の一実施例においてCAEモードを実
行する場合の基本アルゴリズムを説明するためのフロー
チャートである。
【図4】 本発明の一実施例においてCAEモードを実
行する場合の基本アルゴリズムを説明するためのフロー
チャートである。
【図5】 本発明の一実施例においてCRRモードを実
行する場合の基本アルゴリズムを説明するためのフロー
チャートである。
【図6】 本発明の一実施例においてCRRモードを実
行する場合の基本アルゴリズムを説明するためのフロー
チャートである。
【図7】 従来技術を説明するための図である。
【図8】 多重検出法の動作を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1…試料、2…電子、3…インプットレンズ、4…入射
スリット、5…半球型アナライザ、6…内球、7…外
球、8…検出器、9…MPU。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−149548(JP,A) 特開 平4−284344(JP,A) 実開 昭62−18653(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 23/00 - 23/227

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料表面に電子線を照射し、当該電子線の
    エネルギー走査を行って、前記試料表面から放出される
    電子のエネルギー強度分析を行う電子エネルギー分析器
    において、 複数の検出器と、 当該検出器から検出された電子強度データに基づいて、
    各検出器毎に、各検出器から得られたデータに基づいて
    補間演算を行うデータ収集用計算手段とを備えることを
    特徴とする電子エネルギー分析器。
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