JP3141875B2 - 車体上部の衝撃エネルギ吸収構造及び衝撃エネルギ吸収材 - Google Patents

車体上部の衝撃エネルギ吸収構造及び衝撃エネルギ吸収材

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JP3141875B2
JP3141875B2 JP11145106A JP14510699A JP3141875B2 JP 3141875 B2 JP3141875 B2 JP 3141875B2 JP 11145106 A JP11145106 A JP 11145106A JP 14510699 A JP14510699 A JP 14510699A JP 3141875 B2 JP3141875 B2 JP 3141875B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の車体上部の
衝撃エネルギ吸収構造及び衝撃エネルギ吸収材に関し、
特に、ピラー、ルーフサイドレール、ヘッダのような車
体の構造部材と、この構造部材の車室内方に間隔をおい
て配置されるピラーガーニッシュ、ルーフライニングの
ような内装材と、前記間隔内に配置される衝撃エネルギ
吸収材とを備える車体上部において衝撃エネルギを吸収
する構造と、この衝撃エネルギ吸収構造に適する衝撃エ
ネルギ吸収材とに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、特に乗用車の車体の構造部材と
内装材との間の間隔内にエネルギ吸収材を配置し、内装
材から構造部材に向く衝撃荷重が加わったとき、前記エ
ネルギ吸収材を変形させて衝撃荷重が持つ衝撃エネルギ
を吸収させている。通常、前記エネルギ吸収材として格
子状のリブやウレタンパッド、薄い鋼板をハット状に折
り曲げたものなどが使用されるが、金属材料を押し出し
成形して作った金属パイプを使用したり(特願平9−1
76594号:特開平11−5503号公報)、金属箔
の芯材と、この芯材の表裏にそれぞれ重ね合わされた金
属以外の材料のシートとからなり、前記芯材と前記表裏
のシートとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成
された、いわゆるハイブリッドパイプを使用したり(特
開平10−29482号公報)することもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】金属パイプの場合、こ
の金属パイプの変形による荷重対変位のエネルギ吸収特
性は、金属パイプの材質(硬度)、厚み、断面形状又は
金属パイプと構造部材との間のすきまを変更することに
よって調整されている。
【0004】一方、ハイブリッドパイプの場合、四角形
に形成したものの角部に丸みを付けたり、厚みや幅、凹
凸のピッチを変えることによりエネルギ吸収特性を調整
できるとされている(前記公報参照)。
【0005】いずれも、金属パイプ又はハイブリッドパ
イプを製作する時点でエネルギ吸収特性の調整をする必
要があった。
【0006】本発明は、一定断面のハイブリッドパイプ
を製作した後にエネルギ吸収特性の調整を可能とする、
車体上部の衝撃エネルギ吸収構造と、衝撃エネルギ吸収
材とを提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明
は、車体の構造部材と、この構造部材の内方に間隔をお
いて配置される内装材と、前記間隔内に配置されるエネ
ルギ吸収材とを備える車体上部において衝撃エネルギを
吸収する構造である。
【0008】1の発明では、前記エネルギ吸収材は、金
属箔の芯材と、この芯材の表裏にそれぞれ重ね合わされ
た金属以外の材料のシートとからなるハイブリッドパイ
プである。このハイブリッドパイプは、前記芯材と前記
表裏のシートとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して
形成されている。前記ハイブリッドパイプの外周面及び
(又は)内周面の少なくとも一部は、接着性のあるコー
ト材で被覆され、前記少なくとも一部において隣接する
凸部相互は接着されている。前記ハイブリッドパイプ
は、その軸線方向が衝撃荷重の方向と交差するように配
置される。
【0009】ハイブリッドパイプは軸線に交差する方向
から圧縮するとき、軸線方向へ伸び、見掛けの板厚が減
少する性質を有する。ところが、ハイブリッドパイプの
外周面又は内周面のうちコート材で被覆され、隣接する
凸部相互が接着された部分では、圧縮による軸線方向の
伸びが凸部相互の接着によって抑えられる結果、伸びに
対する抵抗が増大し、見掛けの板厚が圧縮前と実質的に
同じ板厚に保持される。加えて、軸線方向に交差する方
向の衝撃荷重が加わるとき、見掛けの板厚が保持される
時間が長い。
【0010】ハイブリッドパイプを軸線に交差する方向
から圧縮しても、見掛けの板厚が実質的に一定であるた
め、荷重の立ち上がりの急なエネルギ吸収特性が得られ
る。従って、材質や断面形状を変えることなく局部的に
最適化したエネルギ吸収構造を得ることができる。ま
た、ハイブリッドパイプは簡単に曲げることができるた
め、構造部材又は内装材に沿わせて配置することが容易
である。
【0011】別の発明では、前記ハイブリッドパイプ
は、前記芯材と前記表裏のシートとを軸線方向へ連続的
に凹凸状に変形して形成されている。前記ハイブリッド
パイプの外周面及び(又は)内周面は、所要のエネルギ
吸収特性に応じて接着性のあるコート材で部分的に被覆
され、この部分において隣接する凸部相互は接着されて
いる。前記ハイブリッドパイプは、その軸線方向が衝撃
荷重の方向と交差するように配置される。
【0012】コート材の有無によりエネルギ吸収特性を
局部的に又は全体的に調整することができる。ハイブリ
ッドパイプが金属箔の芯材と表裏の紙とからなる場合、
ハイブリッドパイプがピラーとピラーガーニッシュとの
間、又はルーフサイドレールとルーフライニングとの間
に配置されて使用されるとき、例えば結露が生ずると、
ハイブリッドパイプの表面に付着した水分によって紙が
膨潤する。この膨潤と乾燥とを繰り返すと、耐力が約5
−10%低下することが確認された。コート材によって
このような耐力低下の発生を防ぐことができる。
【0013】寒冷地においてハイブリッドパイプの凹部
内に入った水分が氷結すると、その体積膨張によりハイ
ブリッドパイプが軸線方向へ伸ばされた状態となって見
掛けの板厚が低下し、荷重の立ち上がりの緩やかなエネ
ルギ吸収特性となってしまう。ところが、この発明によ
れば、ハイブリッドパイプをコート材で部分的に覆うこ
とによって、水分が凹部内に入るのを阻止する上、仮に
水分が凹部内に入って氷結しても、コート材によって覆
った部分において隣接する凸部相互が接着されているこ
とから、体積膨張による伸びを抑えることができる。そ
の結果、緩やかなエネルギ吸収特性の発生を防ぐことが
できる。この目的のために使用されるコート材は、荷重
の立ち上がりの急なエネルギ吸収特性を得るものとは異
なり、薄い層とすることができる。
【0014】別の発明では、前記コート材は、所要のエ
ネルギ吸収特性に応じて厚みを部分的に変えて使用され
る。
【0015】コート材の厚みが大きくなるにつれ、荷重
の立ち上がりが急なエネルギ吸収特性を得ることができ
る。従って、所要のエネルギ吸収特性を満たすように、
コート材の厚みを部位ごとに選定することにより、すな
わちコート材の厚みを部分的に変えることにより、エネ
ルギ吸収すべき部位に応じて最適なエネルギ吸収特性を
持たせることができる。また、部分的にエネルギ吸収特
性を調整することもでき、コート材の厚みが多い部分の
耐力をコート材の厚みが小さい部分の耐力と比べて高め
ることができる。
【0016】別の発明では、前記芯材はアルミニウム、
ステンレス又はマグネシウム合金の金属箔からなり、前
記シートは紙からなる。そして、前記コート材は樹脂か
らなっていて前記ハイブリッドパイプの外周面に被覆さ
れる。
【0017】ハイブリッドパイプを金属箔と紙とによっ
て形成しているため、たわみ性があるハイブリッドパイ
プを低コストで作ることができる。従って、車体上部の
エネルギ吸収すべき箇所の形状に沿わせてハイブリッド
パイプを容易に配置することができる。また、外周面に
樹脂のコート材の被覆を施すだけで所要のエネルギ吸収
特性を得ることができるため簡単であり、前述したよう
に水分が付着することによる耐力低下や、氷結による緩
やかなエネルギ吸収特性の発生を抑えることができる。
【0018】別の発明では、前記コート材は反応型の接
着剤からなる。
【0019】接着剤を大別すると、化学反応によって硬
化する反応型と、加熱によって硬化する熱硬化型とにな
る。例えばエポキシ系、アクリル系、ウレタン系その他
の反応型の高分子接着剤は、例えばポリエチレン系やウ
レタン系の熱硬化型の接着剤と比べて、架橋点間の距
離、すなわち共有結合からなる分子の異なった、架橋に
より結びつけるべき2つの部分間の距離が小さい。
【0020】定性的には、架橋点間の距離の小さい高分
子接着剤は、外力に対して原形を保持する強度は大きい
が、その原形を保持する限界荷重を越えるともろくな
る。これに対して、架橋点間の距離の大きい接着剤は、
原形を保持する強度は小さいが、伸び強度が大きく、変
形しやすく、破断しにくい。そこで、反応型の接着剤を
使用することにより、立ち上がりの急な荷重対変位のエ
ネルギ吸収特性を得ることができる。
【0021】別の発明では、前記構造部材はピラーとル
ーフサイドレールとからなり、前記ハイブリッドパイプ
の前記コート材は、前記ピラーと前記ルーフサイドレー
ルとの交差部に位置するように設けられる。
【0022】ピラーすなわちフロントピラー、センタピ
ラー又はクォータピラーとルーフサイドレールとの交差
部は、フロントピラー又はルーフサイドレールと比べる
と、内装材となす間隔が小さく、従ってエネルギ吸収の
ための有効変位距離が小さい。コート材の被覆を交差部
に位置させ、この交差部において隣接する凸部相互を接
着することにより、荷重の立ち上がりの急なエネルギ吸
収特性が得られるため、有効変位距離(有効ストロー
ク)の小さな交差部でも効果的に衝撃エネルギを吸収で
きる。
【0023】別の発明では、前記ハイブリッドパイプ
は、前記芯材と前記表裏のシートとを軸線方向へ連続的
に凹凸状に変形して形成され、さらに前記構造部材に沿
うように曲げ加工されている。そして、前記ハイブリッ
ドパイプは、曲げ加工された部分のうち曲率の小さい部
位で強化されるか、又は曲率の大きい部位で弱化され
る。前記ハイブリッドパイプは、その軸線方向が衝撃荷
重の方向と交差するように配置される。
【0024】ハイブリッドパイプに曲げ加工すると、曲
げの外側すなわち曲率の小さい部位では凹凸のピッチが
大きくなり、見掛けの板厚が小さくなって軟らかにな
る。これに対して、曲げの内側すなわち曲率の大きい部
位では凹凸のピッチが小さくなり、見掛けの板厚が大き
くなって硬くなる。そこで、曲率の小さい部位で強化す
るか、又は曲率の大きい部位で弱化することにより、曲
率の小さい部位と曲率の大きい部位との硬度差を近づ
け、曲げ加工部分の全体に均衡した状態でのエネルギ吸
収が可能となる。
【0025】別の発明では、接着性のあるコート材の被
覆が前記曲率の小さい部位に施され、この部位において
隣接する凸部相互が接着されている。
【0026】衝撃荷重が曲げ加工部分に加わるとき、コ
ート材の被覆を施した曲率の小さい部位では、この部位
において隣接する凸部相互が接着されているため、軸線
方向の伸びが抑えられる。その結果、見掛けの板厚を大
きくしたことと実質的に同じ状態となる。このように、
曲率の小さい部位にコート材の被覆を施し、その部位に
おいて隣接する凸部相互を接着するだけで簡単にエネル
ギ吸収特性を調整できる。
【0027】別の発明では、接着性のあるコート材の被
覆を曲率の小さい部位に施し、少なくとも1つのスリッ
トを前記曲率の大きい部位に形成する。
【0028】衝撃荷重が曲げ加工部分に加わるとき、コ
ート材の被覆を施した曲率の小さい部位では、軸線方向
の伸びが抑えられて見掛けの板厚を大きくしたことと実
質的に同じ状態となり、スリットを形成した曲率の大き
い部位では、ハイブリッドパイプの強度が低くなって見
掛けの板厚を小さくしたことと実質的に同じ状態とな
る。このように、曲率の小さい部位にコート材の被覆を
施し、この部位において隣接する凸部相互を接着すると
共に、曲率の大きい部位にスリットを形成するだけで、
曲げ加工部分の全体に均衡したエネルギ吸収を可能に
し、適切なエネルギ吸収特性を得ることができる。
【0029】別の発明では、前記ハイブリッドパイプ
は、前記芯材と前記表裏のシートとを軸線方向へ連続的
に凹凸状に変形して形成されている。ハイブリッドパイ
プの外周面及び(又は)内周面は、接着性のあるコート
材で被覆された複数の部分を軸線方向へ所定の間隔をお
いて有し、前記複数の部分において隣接する凸部相互は
接着されている。前記ハイブリッドパイプは、その軸線
方向が衝撃荷重の方向と交差するように配置される。
【0030】ハイブリッドパイプの軸線方向では、コー
ト材の被覆があり、隣接する凸部相互が接着された硬い
部分と、被覆のない軟らかい部分とが交互に連続するこ
ととなる。その結果、軸線に交差する方向の衝撃荷重が
加わるとき、ハイブリッドパイプは軸線方向へ伸びよう
とするが、硬い部分で伸びが抑えられるため、結局、ハ
イブリッドパイプは限られた範囲内で圧縮変形される。
従って、この圧縮変形された範囲に隣接する別の部分に
は圧縮変形がほとんど生じない。そのため、任意の箇所
に衝撃荷重が加わり、さらに別の箇所に衝撃荷重が加わ
るような事態が生じても、ハイブリッドパイプは別の箇
所において初期性能を実質的に維持した状態でエネルギ
吸収できる。
【0031】別の発明では、前記コート材で被覆された
部分とコート材のない部分との境界域、又はコート材の
厚みが異なる場合には、厚みが異なる境界域にスリット
を設ける。
【0032】ハイブリッドパイプの硬い部分と軟らかい
部分との境界域にスリットがあり、このスリットによっ
てハイブリッドパイプの強度が低下するため、圧縮変形
によってハイブリッドパイプを軸線方向へ伸ばそうとす
る力の伝達が少なくなる。その結果、最初に圧縮変形さ
れた箇所とは異なる箇所における初期性能の維持が一層
容易となる。
【0033】別の発明では、前記ハイブリッドパイプ
は、断面が多角形の角筒であり、前記スリットは角部に
かからない平面部に設けられている。
【0034】断面が多角形の角筒であるため、その平面
部を使用してハイブリッドパイプを構造部材又は内装材
に容易に取り付けることができる。また、スリットが角
部にかからない平面部にあるため、ハイブリッドパイプ
の強度を極端に低下させることなく、圧縮変形による軸
線方向の伸びを抑えたり、圧縮変形の伝播を抑えたりす
ることが可能である。
【0035】別の発明では、前記ハイブリッドパイプ
は、前記芯材と前記表裏のシートとを軸線方向へ連続的
に凹凸状に変形して形成されている。前記ハイブリッド
パイプの外周面及び(又は)内周面の少なくとも一部
は、接着性のあるコート材で被覆され、前記少なくとも
一部において隣接する凸部相互は接着され、これによっ
て軸線方向の中間部分の硬度が相対的に異なるように形
成されている。前記ハイブリッドパイプは、その軸線方
向が衝撃荷重の方向と交差するように配置される。
【0036】ハイブリッドパイプの中間部分には、コー
ト材で被覆され、隣接する凸部相互が接着された硬い部
分と、コート材のない軟らかい部分とがあるため、軸線
に交差する方向の衝撃荷重に対して必要なエネルギ吸収
特性を持たせることができる。加えて、軸線方向の荷重
に対してハイブリッドパイプの軟らかい部分が低い荷重
で容易に折れ曲がるため、同一材質、同一断面のハイブ
リッドパイプであっても、軸線に交差する方向と軸線方
向とで強度差を有する衝撃エネルギ吸収構造が得られ
る。これは、衝撃エネルギ吸収構造に指向性を持たせる
ことであるから、限られた方向においてのみ衝撃荷重を
吸収させようとする場合に有効である。
【0037】別の発明では、軸線方向の硬度が異なる部
分の境界域に少なくとも1つのスリットを設けている。
【0038】軸線方向の荷重が加わると、ハイブリッド
パイプはスリットによりさらに低い荷重で折れ曲がり易
くなり、軸線方向の荷重がさらに低下する。
【0039】本発明はまた、金属箔の芯材と、この芯材
の表裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシー
トとからなるハイブリッドパイプからなる衝撃エネルギ
吸収材に関する。この衝撃エネルギ吸収材では、前記ハ
イブリッドパイプは、前記芯材と前記表裏のシートとを
軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成されている。
前記ハイブリッドパイプの外周面及び(又は)内周面の
少なくとも一部は、接着性のあるコート材で被覆され、
前記少なくとも一部において隣接する凸部相互は接着さ
れている。
【0040】ハイブリッドパイプの外周面及び(又は)
内周面の少なくとも一部にコート材を被覆し、少なくと
も一部において隣接する凸部相互を接着するだけで、所
要のエネルギ吸収特性を備える衝撃エネルギ吸収材を得
ることができる。そして、この衝撃エネルギ吸収材を、
例えば車体上部の構造部材と内装材との間に取り付ける
ことによって衝撃エネルギ吸収構造を得ることができ
る。ハイブリッドパイプの製作が容易であるため、衝撃
エネルギ吸収材又は衝撃エネルギ吸収構造を容易に得る
ことができる。
【0041】
【発明の実施の形態】衝撃エネルギ吸収構造は、断面状
態の図3を参照すると、車体の構造部材30と、構造部
材30の内方に間隔をおいて配置される内装材(ピラー
ガーニッシュ)32と、前記間隔内に配置されるエネル
ギ吸収材34とを備える車体上部において衝撃エネルギ
を吸収するものである。図3の実施例では、構造部材3
0はインナパネル36と、アウタパネル38と、補強パ
ネル40とを備え、各パネルのフランジを重ね合わせて
接合し、閉じ断面構造に形成したフロントピラーであ
る。
【0042】衝撃エネルギ吸収構造は、断面状態の図4
を参照すると、車体の構造部材42と、構造部材42の
内方に間隔をおいて配置される内装材(ルーフライニン
グ)44と、前記間隔内に配置されるエネルギ吸収材4
6とを備える車体上部において衝撃エネルギを吸収する
ものである。図4の実施例では、構造部材42はインナ
パネル48と、アウタパネル50とを備え、各パネルの
フランジを重ね合わせて接合し、閉じ構造に形成したル
ーフサイドレールである。
【0043】衝撃エネルギ吸収構造は、前記の他、構造
部材がセンタピラー、クォータピラー、フロントヘッダ
又はリヤヘッダである場合にも、構造部材の内方に配置
される内装材との間の間隔内にエネルギ吸収材を配置し
て実施できる。そして、エネルギ吸収材は、図3のエネ
ルギ吸収材34又は図4のエネルギ吸収材46のよう
に、それが配置される部位によって適当な形状とするこ
とができる。以下には、エネルギ吸収材34又はエネル
ギ吸収材46の形状とは関係なく、典型的なエネルギ吸
収材について本発明を説明する。
【0044】断面状態の図1と、斜視状態の図2とに示
したエネルギ吸収材60は、金属箔の芯材62と、この
芯材62の表裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材
料のシート64とからなるハイブリッドパイプである。
金属箔の芯材62とシート64とは接着剤によって固着
される。そして、ハイブリッドパイプ60は、芯材62
と表裏のシート64とを軸線方向へ連続的に凹部66と
凸部68とを持つように変形して形成されている。さら
に、ハイブリッドパイプ60の外周面及び(又は)内周
面の少なくとも一部が接着性のあるコート材70で被覆
されている。
【0045】図示の実施例では、芯材62は硬質のアル
ミニウム箔であり、シート64はクラフト紙である。ア
ルミニウム箔は、厚みが0.05mm以上で幅が30mm以上と
し、クラフト紙は、厚みが0.2mm以上で幅が30mm以上と
する。芯材62は、例えばステンレス箔、マグネシウム
合金箔とすることもでき、シート64は樹脂製とするこ
ともできる。図2では、凹凸状の変形はらせん状となっ
ている。これに代えて、1つの凹部66が周方向で連な
り、この1つの凹部66に隣り合わせてそれぞれ独立し
た2つの凸部68が周方向で連なる、いわゆる波状とす
ることもできる。
【0046】ハイブリッドパイプ60は、図1の実施例
では、外周面の一部が接着性のあるコート材70で被覆
されている。ハイブリッドパイプ60の全長にわたって
コート材70で被覆することもでき、一部、例えば中央
部分又は端部分をコート材70で被覆することもでき
る。さらに、周方向の全周にわたるようにコート材70
で被覆する他、周方向の一部のみを被覆することもでき
る。従って、例えば、ハイブリッドパイプ60の軸線方
向の中央部分において、ハイブリッドパイプ60が図示
のように断面が四角形の場合には周方向では四角形の1
つの辺のみをコート材70で被覆することもできる。
【0047】コート材70はそれ自体に接着性があるこ
とが好ましく、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系そ
の他の反応型の高分子接着剤や、ポリエチレン系、ウレ
タン系その他の熱硬化性接着剤を使用できる。コート材
70は、刷毛による塗布やノズルによる噴霧などにより
被覆し、反応型接着剤では化学反応によって、また熱硬
化性接着剤では加熱することによって硬化させ、ハイブ
リッドパイプ60に固着する。
【0048】前述のように、反応型の接着剤を使用する
ことにより、立ち上がりの急な荷重対変位のエネルギ吸
収特性を得ることができることから、ハイブリッドパイ
プを接着により内装材に固定する場合においても、反応
型接着剤を用いるようにすれば、立ち上がりの急な荷重
対変位のエネルギ吸収特性を得ることができる。
【0049】ハイブリッドパイプ60のコート材による
被覆がある部分では、隣り合わせて位置する凸部68相
互がコート材70によって接着されるため、硬い状態と
なり、軸線方向の変位が拘束される。また、軸線に交差
する向きの圧縮抵抗が増大する。これに対して、被覆を
施してない部分ではハイブリッドパイプを作ったままで
あるから、ハイブリッドパイプが本来有する性質であ
り、いわゆる軟らかい状態である。そのため、軸線に交
差する向きの圧縮荷重が加わると、隣り合わせて位置す
る凸部68が軸線方向へ変位する。このように、コート
材70を被覆したハイブリッドパイプ60と被覆しない
ハイブリッドパイプとでは、見掛けの厚みdと、軸線に
交差する向きの圧縮に対する抵抗が変化することとな
り、エネルギ吸収特性が調整される。
【0050】例えば、ハイブリッドパイプ60の両端部
を車体上部の構造部材にタッピングねじ等で固定する場
合、ハイブリッドパイプ60に斜め下方から斜め上方へ
向けて衝撃荷重が作用する。この際、ハイブリッドパイ
プ60が上方へ凸状にたわみ、その分荷重の立ち上がり
が緩くなってしまうことが考えられる。ハイブリッドパ
イプ60の表面に接着性のあるコート材70を被覆する
ことにより、ハイブリッドパイプ60のたわみを抑える
ことができるため、荷重の立ち上がりを急にできる。
【0051】コート材70の被覆部位、被覆厚さを変え
てエネルギ吸収特性を調整しようとする場合、コート材
70の被覆は、図1に示した実施例のように外周面のみ
の他、内周面のみに、さらに、図24に示す実施例のよ
うに、ハイブリッドパイプ60の外周面及び内周面の両
面に、部分的に又は全長にわたって被覆することもでき
る。コート材70を外周面及び内周面の両面に施すこと
により、ハイブリッドパイプ60の見掛けの板厚がさら
に増加すると共に、圧縮による軸線方向の伸びに対する
抵抗がさらに増大する。その結果、より荷重の立ち上が
りの急なエネルギ吸収特性が得られる。また、コート材
70を入れた浴槽にハイブリッドパイプ60を浸すだけ
で、外周面及び内周面の両面の全長にわたってコート材
70を容易に被覆することができるため、表面処理の点
で有利である。以下に説明する別の実施例においても同
様である。
【0052】荷重F対変位Sのエネルギ吸収特性を示す
図5を参照すると、コート材のないもののエネルギ吸収
特性(破線)72と比べて、コート材70で被覆したも
ののエネルギ吸収特性74,76は荷重Fの立ち上がり
が急で変位Sが小さなエネルギ吸収特性となっている。
さらに、コート材70の厚みの違いでは、厚みの大きい
もののエネルギ吸収特性(二点鎖線)76は、厚みの小
さいもののエネルギ吸収特性(一点鎖線)74と比べて
荷重Fの立ち上がりが急で変位Sがさらに小さくなって
いる。
【0053】側面状態の図6に示した実施例では、ハイ
ブリッドパイプ60は、クロスハッチで示した前方の端
部78をコート材70で被覆し、その他の部分79には
コート材の被覆が施してない。このハイブリッドパイプ
60は、フロントピラー80とルーフサイドレール82
との交差部に端部78がくるように車体に取り付けて使
用されている。荷重F対変位Sのエネルギ吸収特性を示
す図7を参照すると、交差部にある端部78のエネルギ
吸収特性78a(二点鎖線)は、その他の部分79のエネ
ルギ吸収特性79a(一点鎖線)と比べて荷重Fの立ち
上がりが急で変位Sが小さい。フロントピラー80とル
ーフサイドレール82との交差部では、内装材となす間
隔が狭く、十分な変位を取ることが難しいが、コート材
で被覆した端部78が前記交差部に位置するようにハイ
ブリッドパイプ60を配置することにより、狭い交差部
においても十分なエネルギ吸収を図ることができる。
【0054】ハイブリッドパイプ60は、前述のよう
に、所要のエネルギ吸収特性に応じて接着性のあるコー
ト材で被覆される。ここで、所要のエネルギ吸収特性と
は、図5及び図7に示したエネルギ吸収特性74,7
6,78aのように、コート材の被覆を施してないもの
のエネルギ吸収特性72,79aと比べて改善されたエ
ネルギ吸収特性を得ることを意味するが、さらに、ハイ
ブリッドパイプが別の要因の影響を受け、本来のエネル
ギ吸収特性を発現できないものを本来の特性に戻すこと
をも意味する。
【0055】寒冷時に車室内の温度と車室外の温度との
差が大きいとき、ハイブリッドパイプ60に結露によっ
て水分が付着することがある。表側つまり外周面のシー
ト64が紙である場合、断面状態の図8に示すように、
ハイブリッドパイプ60の凹部66内に水滴84が付着
すると、シート64は膨潤し、水滴84が蒸発した後、
シート64は乾燥する。この膨潤と乾燥とを繰り返すと
ハイブリッドパイプの耐力が約5−10%低下すること
が確認されている。コート材70を外周面に被覆するこ
とにより、前記耐力低下の発生を防ぐことができる。ま
た、凹部66内の水滴84が氷結すると、氷結による体
積膨張により軸線方向の力が生じ、これがハイブリッド
パイプ60に加わる。その結果、ハイブリッドパイプ6
0の凸部68が軸線方向へ押し出されるため、見掛けの
厚みdが小さくなり、荷重の立ち上がりが緩やかなエネ
ルギ吸収特性となってしまう。これは、コート材70を
外周面に被覆することにより防ぐことができる。
【0056】斜視状態の図9及び図10と、側面状態の
図11及び図12とを参照すると、ハイブリッドパイプ
90はハイブリッドパイプ60と同じ材料で同じ構造に
形成されたものであるが、さらに構造部材92,94に
沿うように曲げ加工されている。構造部材92はルーフ
サイドレールであり、構造部材94はセンタピラーであ
る。
【0057】ハイブリッドパイプ90は、曲げ加工され
た結果、2つの直線部分96と、これら直線部分96を
結合する曲げ部分97とからなっている。曲げ部分97
には曲率の小さい外側面98と、曲率の大きい内側面9
9とがある。直線部分96のピッチP、すなわち隣り合
って位置する2つの凸部間又は2つの凹部間の距離は実
質的に変わっていない。これに対して、曲げ部分97の
曲率の小さい外側面98ではピッチP1は直線部分のピ
ッチPより大きく、曲率の大きい内側面99のピッチP
2は直線部分のピッチPより小さい。その結果、曲率の
小さい外側面98では直線部分96と比べて見掛けの板
厚が薄くなるため変形しやすく、軟らかな状態である。
逆に、曲率の大きい内側面99では直線部分96と比べ
て見掛けの板厚が厚くなるため変形しにくく、硬い状態
である。そこで、ハイブリッドパイプ90は、曲率の小
さい外側面98の部位で強化されるか、又は曲率の大き
い内側面99の部位で弱化される。外側面98の強化は
コート材を被覆することによって、また内側面99の弱
化はスリット100を設けることによって達成できる。
【0058】荷重F対変位Sのエネルギ吸収特性を示す
図13を参照すると、直線部分96のエネルギ吸収特性
96aと、外側面を強化すると共に、内側面を弱化した
曲げ部分97のエネルギ吸収特性97aとは、実質的に
同じエネルギ吸収特性となっている。これに対して、荷
重F対変位Sのエネルギ吸収特性を示す図14を参照す
ると、強化も弱化もしていない曲げ部分97のエネルギ
吸収特性97bは、直線部分96のエネルギ吸収特性9
6aと比べて不安定なエネルギ吸収特性となっている。
【0059】側面状態の図15に示したハイブリッドパ
イプ110は、外周面が接着性のあるコート材で被覆さ
れた複数の部分112を軸線方向へ所定の間隔をおいて
有する。その結果、ハイブリッドパイプ110は、軸線
方向Aにおいて硬い部分Cと、軟らかい部分Dとを交互
に有する。硬い部分Cの軸線方向長さは1-5cm程度に定
めることができ、軟らかい部分Dの軸線方向長さは5-15
cm程度に定めることができる。なお、ハイブリッドパイ
プ110の全長にわたって接着性のコート材で薄く被覆
すると共に、軸線方向へ所定の間隔をおいてコート材を
厚く被覆することにより、硬い部分Cと軟らかい部分D
とを交互に設けることもできる。
【0060】このハイブリッドパイプ110によれば、
軸線方向Aに交差する向きBに圧縮荷重Fが加わると
き、軟らかい部分Dの圧縮による軸線方向の伸びが硬い
部分Cで拘束されるため、ある部位での圧縮変形がこの
部位から離れた別の部位へ伝播しない。すなわち、模式
的に示した図16の(a)のように、ハイブリッドパイ
プ110は、圧縮荷重Fが加わった部分114では変形
するが、圧縮荷重から離れた部分115では圧縮荷重が
加わる前の状態に保たれている。そのため、圧縮荷重か
ら離れた部分115が、その後圧縮荷重Fを受けたと
き、ハイブリッドパイプ110は再び変形して同様にエ
ネルギ吸収することができる。これに対して、軸線方向
に硬い部分と軟らかい部分とを持たない通常のハイブリ
ッドパイプ116では、図16の(b)に示すように、
荷重Fが加わるとハイブリッドパイプ116の全体(広
い範囲)が変形してしまう。このため、圧縮荷重が加わ
った部位から離れた別の部位にその後圧縮荷重が加わる
と、再度の十分なエネルギ吸収を得るのは困難である。
【0061】ハイブリッドパイプ110は、側面状態の
図17に示した実施例では、フロントピラー80とルー
フサイドレール82との交差部に取り付けられている。
ハイブリッドパイプ110の前方部分118に荷重Fが
加わったとき、荷重F対変位Sのエネルギ吸収特性は図
18の118a(実線)となる。その後、後方部分12
0に荷重Fが加わったとき、荷重F対変位Sのエネルギ
吸収特性は図18の120a(一点鎖線)となる。図1
8に斜線で示した部分122は、前方部分118に加わ
った荷重によって後方部分120が変形した結果、後方
部分120が変形しなければ発生し得たエネルギ吸収量
であり、いわばエネルギ吸収のロス分である。ところ
が、通常のハイブリッドパイプ116の場合に前方部分
118に荷重が加わったとき、図19のエネルギ吸収特
性118b(実線)となるのに対し、その後後方部分1
20に荷重が加わると、図19のエネルギ吸収特性12
0b(破線)となり、ロス分124が大幅に発生する。
【0062】前述のハイブリッドパイプは、断面が四角
形状の角筒であるが、この他、五角形、六角形のような
多角形に形成することができ、さらに円筒形又は楕円形
に形成することができる。ハイブリッドパイプのスリッ
トは、多角形の角部にかからない平面部に軸線方向へ交
差するように設ける。スリットを設けることによって圧
縮変形の伝播をスリットで止めることができるため、圧
縮荷重が加わった後再び別の部位に圧縮荷重が加わった
ときの十分な圧縮変形を可能にする。
【0063】側面状態の図20に示したハイブリッドパ
イプ140は、ハイブリッドパイプ110と同様に、軸
線方向に硬い部分Cと軟らかい部分Dとを交互に設け、
さらに硬い部分Cと軟らかい部分Dとの境界域にスリッ
ト142を設けている。図16を参照して説明したよう
に、硬い部分Cによって圧縮変形による軸線方向の伸び
を抑えることができるが、スリット142を設けること
によってさらに効果を高めることができる。
【0064】ハイブリッドパイプ140は側面状態の図
21に示すように、フロントピラー80とルーフサイド
レール82との交差部に取り付けて使用する。ハイブリ
ッドパイプの前方部分に圧縮荷重Fが加わった後、さら
に後方部分に圧縮荷重Fが加わると、荷重対変位のエネ
ルギ吸収特性は図18と実質的に同じ特性となるが、ハ
イブリッドパイプ140ではスリット142があるた
め、軸線方向の伸びがさらに抑制される。その結果、ロ
ス分が図18に示したロス分122よりも少なくなる。
【0065】側面状態の図22を参照すると、ハイブリ
ッドパイプ150,160は、その外周面に施す接着性
のあるコート材の被覆を中間部分とその他の部分とで異
ならせることによって軸線方向の中間部分が軟らかい部
分D又は硬い部分Cを持ち、硬度が相対的に異なるよう
に形成されている。ハイブリッドパイプ150では、軟
らかい部分Dをはさんで2つの硬い部分Cがある。軟ら
かい部分Dはコート材の被覆を施さないか、又はコート
材の厚みを硬い部分Cよりも薄くして形成される。これ
に対して、ハイブリッドパイプ160では硬い部分Cを
はさんで2つの軟らかい部分Dがある。ハイブリッドパ
イプ150,160は硬い部分Cと軟らかい部分Dとの
境界域にスリット152を設けることもできる。
【0066】模式的に示した図23を参照すると、ハイ
ブリッドパイプ150は、軸線方向に交差する向きの荷
重Fが加わるとき圧縮変形して必要なエネルギ吸収する
が、軸線方向の荷重fが加わると(同図の(a))、軟
らかい部分Dを中心として低い荷重で容易に折れ曲がる
(同図の(b))。そのため、軸線に交差する向きの圧
縮方向と軸線方向とで強度差(指向性)を有する衝撃エ
ネルギ吸収構造が得られる。ハイブリッドパイプ160
の場合には、軸線方向に交差する向きの荷重が加わると
き圧縮変形して必要なエネルギ吸収する。そして、軸線
方向の荷重が加わるとき、硬い部分Cと軟らかい部分D
との境界域の軟らかい部分側で容易に折れ曲がる。荷重
対変位のエネルギ吸収特性はハイブリッドパイプ150
と実質的に同じである。
【0067】本発明に係る衝撃エネルギ吸収材は、再び
図1と、図2と、図15と、図20と、図22と、図2
4とを参照すると、金属箔の芯材62と、芯材62の表
裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外のシート64とか
らなるハイブリッドパイプ60,110,140,15
0からなる。この衝撃エネルギ吸収材では、ハイブリッ
ドパイプは芯材62と表裏のシート64とを軸線方向へ
連続的に凹凸状に変形して形成され、外周面及び(又
は)内周面の少なくとも一部が接着性のあるコート材7
0で被覆されている。
【0068】本発明に係る衝撃エネルギ吸収材はまた、
再び図1と、図2と、図15と、図20と、図22と、
図24とを参照すると、金属箔の芯材62と、芯材62
の表裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外のシート64
とからなるハイブリッドパイプ60,110,140,
150からなる。この衝撃エネルギ吸収材では、ハイブ
リッドパイプは、部分的に硬度が異なるように形成され
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構造
に使用するハイブリッドパイプの実施例の一部を軸線方
向に沿って切断して示す拡大断面図である。
【図2】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構造
に使用するハイブリッドパイプの実施例の斜視図であ
る。
【図3】本発明に係る衝撃エネルギ吸収構造を適用でき
る車体上部(フロントピラー)を示す水平断面図であ
る。
【図4】本発明に係る衝撃エネルギ吸収構造を適用でき
る車体上部(ルーフサイドレール)を示す垂直断面図で
ある。
【図5】荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図6】ハイブリッドパイプを車体上部に取り付けた状
態を示す側面図である。
【図7】荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図8】車体上部の衝撃エネルギ吸収構造に使用するハ
イブリッドパイプの一部を軸線方向に沿って切断して示
す拡大断面図である。
【図9】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構造
に使用するハイブリッドパイプの別の実施例を示す側面
図である。
【図10】図9に示したハイブリッドパイプに起こるピ
ッチ変化を示す側面図である。
【図11】ハイブリッドパイプを車体上部に取り付けた
状態を示す側面図である。
【図12】図11に示したハイブリッドパイプの拡大側
面図である。
【図13】荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図14】荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図15】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造に使用するハイブリッドパイプのさらに別の実施例を
示す側面図である。
【図16】ハイブリッドパイプの作用を示す模式図で、
(a)は図15のハイブリッドパイプを、(b)は通常の
ハイブリッドパイプを示している。
【図17】ハイブリッドパイプを車体上部に取り付けた
状態を示す側面図である。
【図18】荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図19】荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図20】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造に使用するハイブリッドパイプのさらに別の実施例を
示す側面図である。
【図21】ハイブリッドパイプを車体上部に取り付けた
状態を示す側面図である。
【図22】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造に使用するハイブリッドパイプのさらに別の実施例を
示す側面図で、(a)、(b)は異なるものを示してい
る。
【図23】図22の(a)に示したハイブリッドパイプ
の作用を説明する模式図で、(a)は変形前の状態を、
(b)は変形した後の状態を示している。
【図24】本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造に使用するハイブリッドパイプのさらに別の実施例の
一部を軸線方向に沿って切断して示す拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
30,42 構造部材 32,44 内装材 34,46 エネルギ吸収材 60,90,110,140,150,160 ハイブ
リッドパイプ 62 芯材 64 シート 66 凹部 68 凸部 70 コート材 100,142,152 スリット
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−29482(JP,A) 特開 平2−203093(JP,A) 特開 平4−310477(JP,A) 特開 平9−2066(JP,A) 特開 平11−70886(JP,A) 特開 平4−95526(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/02 - 21/04 B60R 13/02 B62D 25/04 - 25/06

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の構造部材と、この構造部材の内方
    に間隔をおいて配置される内装材と、前記間隔内に配置
    されるエネルギ吸収材とを備える車体上部において衝撃
    エネルギを吸収する構造であって、 前記エネルギ吸収材は、金属箔の芯材と、この芯材の表
    裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシートと
    からなるハイブリッドパイプであり、 このハイブリッドパイプは、前記芯材と前記表裏のシー
    トとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成され、 前記ハイブリッドパイプの外周面及び(又は)内周面の
    少なくとも一部は、接着性のあるコート材で被覆され、
    前記少なくとも一部において隣接する凸部相互は接着さ
    れ、 前記ハイブリッドパイプは、その軸線方向が衝撃荷重の
    方向と交差するように配置された、車体上部の衝撃エネ
    ルギ吸収構造。
  2. 【請求項2】 車体の構造部材と、この構造部材の内方
    に間隔をおいて配置される内装材と、前記間隔内に配置
    されるエネルギ吸収材とを備える車体上部において衝撃
    エネルギを吸収する構造であって、 前記エネルギ吸収材は、金属箔の芯材と、この芯材の表
    裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシートと
    からなるハイブリッドパイプであり、 このハイブリッドパイプは、前記芯材と前記表裏のシー
    トとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成され、 前記ハイブリッドパイプの外周面及び(又は)内周面
    は、所要のエネルギ吸収特性に応じて接着性のあるコー
    ト材で部分的に被覆され、その部分において隣接する凸
    部相互は接着され、 前記ハイブリッドパイプは、その軸線方向が衝撃荷重の
    方向と交差するように配置された、車体上部の衝撃エネ
    ルギ吸収構造。
  3. 【請求項3】 前記コート材は、所要のエネルギ吸収特
    性に応じて厚みを部分的に変えて使用される、請求項1
    又は2に記載の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造。
  4. 【請求項4】 前記芯材はアルミニウム、ステンレス又
    はマグネシウム合金の金属箔からなり、前記シートは紙
    からなり、前記コート材は樹脂からなっていて前記ハイ
    ブリッドパイプの外周面に被覆された、請求項1又は2
    に記載の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造。
  5. 【請求項5】 前記コート材は、反応型接着剤からな
    る、請求項1または2に記載の車体上部の衝撃エネルギ
    吸収構造。
  6. 【請求項6】 前記構造部材はピラーとルーフサイドレ
    ールとからなり、前記ハイブリッドパイプの前記コート
    材は、前記ピラーと前記ルーフサイドレールとの交差部
    に位置するように設けられた、請求項1又は2に記載の
    車体上部の衝撃エネルギ吸収構造。
  7. 【請求項7】 車体の構造部材と、この構造部材の内方
    に間隔をおいて配置される内装材と、前記間隔内に配置
    されるエネルギ吸収材とを備える車体上部において衝撃
    エネルギを吸収する構造であって、 前記エネルギ吸収材は、金属箔の芯材と、この芯材の表
    裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシートと
    からなるハイブリッドパイプであり、 このハイブリッドパイプは、前記芯材と前記表裏のシー
    トとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成され、
    さらに前記構造部材に沿うように曲げ加工され、 前記ハイブリッドパイプは、曲げ加工された部分のうち
    曲率の小さい部位で強化されるか、又は曲率の大きい部
    位で弱化され、その軸線方向が衝撃荷重の方向と交差す
    るように配置された、車体上部の衝撃エネルギ吸収構
    造。
  8. 【請求項8】 接着性のあるコート材の被覆が前記曲率
    の小さい部位に施され、この部位において隣接する凸部
    相互が接着された、請求項7に記載の車体上部の衝撃エ
    ネルギ吸収構造。
  9. 【請求項9】 少なくとも1つのスリットが前記曲率の
    大きい部位に形成された、請求項7又は8に記載の車体
    上部の衝撃エネルギ吸収構造。
  10. 【請求項10】 車体の構造部材と、この構造部材の内
    方に間隔をおいて配置される内装材と、前記間隔内に配
    置されるエネルギ吸収材とを備える車体上部において衝
    撃エネルギを吸収する構造であって、 前記エネルギ吸収材は、金属箔の芯材と、この芯材の表
    裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシートと
    からなるハイブリッドパイプであり、 このハイブリッドパイプは、前記芯材と前記表裏のシー
    トとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成され、 前記ハイブリッドパイプの外周面及び(又は)内周面
    は、接着性のあるコート材で被覆された複数の部分を軸
    線方向へ所定の間隔をおいて有し、前記複数の部分にお
    いて隣接する凸部相互は接着され、 前記ハイブリッドパイプは、その軸線方向が衝撃荷重の
    方向と交差するように配置された、車体上部の衝撃エネ
    ルギ吸収構造。
  11. 【請求項11】 前記コート材で被覆された部分とコー
    ト材のない部分との境界域、又はコート材の厚みが異な
    る場合には厚みが異なる境界域にスリットを設けた、請
    求項10に記載の車体上部の衝撃エネルギ吸収構造。
  12. 【請求項12】 前記ハイブリッドパイプは、断面が多
    角形の角筒であり、前記スリットは角部にかからない平
    面部に設けられている、請求項9又は11に記載の車体
    上部の衝撃エネルギ吸収構造。
  13. 【請求項13】 車体の構造部材と、この構造部材の内
    方に間隔をおいて配置される内装材と、前記間隔内に配
    置されるエネルギ吸収材とを備える車体上部において衝
    撃エネルギを吸収する構造であって、 前記エネルギ吸収材は、金属箔の芯材と、この芯材の表
    裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシートと
    からなるハイブリッドパイプであり、 このハイブリッドパイプは、前記芯材と前記表裏のシー
    トとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成され、 前記ハイブリッドパイプの外周面及び(又は)内周面の
    少なくとも一部は、接着性のあるコート材で被覆され、
    前記少なくとも一部において隣接する凸部相互は接着さ
    れ、これによって前記ハイブリッドパイプの軸線方向の
    中間部分の硬度が相対的に異なるように形成され、 前記ハイブリッドパイプは、その軸線方向が衝撃荷重の
    方向と交差するように配置される、 車体上部の衝撃エネ
    ルギ吸収構造。
  14. 【請求項14】 硬度が異なる部分の境界域に少なくと
    も1つのスリットを設けた、請求項13に記載の車体上
    部の衝撃エネルギ吸収構造。
  15. 【請求項15】 金属箔の芯材と、この芯材の表裏にそ
    れぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシートとからな
    るハイブリッドパイプからなり、 このハイブリッドパイプは、前記芯材と前記表裏のシー
    トとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成され、 前記ハイブリッドパイプの外周面及び(又は)内周面の
    少なくとも一部は、接着性のあるコート材で被覆され、
    前記少なくとも一部において隣接する凸部相互は接着さ
    れた、 衝撃エネルギ吸収材。
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