JP3140759B2 - 弾性表面波素子の製造方法 - Google Patents

弾性表面波素子の製造方法

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JP3140759B2 JP02087900A JP8790090A JP3140759B2 JP 3140759 B2 JP3140759 B2 JP 3140759B2 JP 02087900 A JP02087900 A JP 02087900A JP 8790090 A JP8790090 A JP 8790090A JP 3140759 B2 JP3140759 B2 JP 3140759B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、複数の弾性表面波共振子を用いて構成され
る弾性表面波フィルタ等における弾性表面波素子の製造
方法、特にその周波数調整方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、この種の弾性表面波素子としては、特公平1−
45246号公報に記載されるものがあった。この種の弾性
表面波素子は、小型で、かつ温度や経年変化に対して安
定である等の特徴を有するため、通信機やテレビ等の種
々の回路に利用されつつある。この弾性表面波素子の一
例を第2図(a),(b)に示す。
第2図(a),(b)は、前記文献等に記載された従
来の弾性表面波素子の概略の平面図であり、同図(a)
は弾性表面波素子の一つである弾性表面波共振子の平面
図、及び同図(b)は弾性表面波共振子を2個用いた二
重モードフィルタといわれる弾性表面波フィルタの平面
図である。
第2図(a)の弾性表面波共振子は、タンタル酸リチ
ウム等の高結合材料、あるいは水晶等の低結合材料から
なる圧電基板1を有している。この圧電基板1の表面に
は、電気信号と弾性表面波のエネルギーを変換するイン
ターディジタル電極2と、その両側に位置し弾性表面波
を反射させるグレーティング反射器3,4とが、形成され
ている。インターディジタル電極2、及びグレーティン
グ反射器3,4は、Al等の導電率の高い金属膜で形成され
ている。インターディジタル電極2は、複数のすだれ状
電極指2aで構成され、またグレーティング反射器3,4
は、複数のストリップラインで構成されている。
なお、第2図(a)中のLは電極指2aの幅、つまりラ
インであり、Sはその電極指2a間の幅、つまりスペース
である。
この弾性表面波共振子では、端子5,6を介してインタ
ーディジタル電極2に高周波電圧を印加すると、電極指
2a間に生じた電界により、弾性表面波が励振され、その
電極指2aと垂直に基板表面を左右に伝搬する。この弾性
表面波は、両側のグレーティング反射器3,4で反射さ
れ、弾性表面波がその2つの反射器3,4間で反射を繰り
返し、定在波となる。これにより、例えば狭帯域共振子
として動作させることができる。
第2図(b)の弾性表面波フィルタは、第2図(a)
の弾性表面波共振子を複数個(図面では2個)設けたも
のである。即ち、圧電基板1の表面上に、2個のインタ
ーディジタル電極2A,2B、及び4個のグレーティング反
射器3A,3B,4A,4Bが互いに連結して対向配置されてい
る。インターディジタル電極2Aと2Bとは、結合量に影響
するギャップCを隔てて互いに連結されている。
この弾性表面波フィルタでは、端子5と接地間を入力
端子、端子6との接地間を出力端子とし、端子5と接地
間に高周波電圧を印加することにより、例えば特定周波
数の帯域通過特性を得ることができる。
以上のような弾性表面波素子、例えば第2図(a)の
共振子は、次のようにして製造される。
先ず、圧電基板1の表面に、Al等の金属膜を堆積した
後、その金属膜上にレジストを被着する。そして、レジ
ストを露光、現像してレジストパターンを形成し、その
レジストパターンをマスクにしてエッチング液で金属膜
をエッチングし、所定形状のインターディジタル電極2
及びグレーティング反射器3,4を形成する。その後、イ
ンターディジタル電極2及びグレーティング反射器3,4
上の不要なレジストパターンを除去すれば、製造工程が
終了する。
しかし、一般に、このようにして作られる弾性表面波
素子の共振周波数は、金属膜の膜厚、電極指2aのライン
幅L、アンダーエッチの量の違い等によって変動する。
そこで、共振周波数のバラツキを小さくするため、周波
数調整の処理を行う必要がある。
従来の周波数調整方法では、例えば圧電素子1上にイ
ンターディジタル電極2及びグレーティング反射器3,4
を形成した後、ウェットエッチングまたはドライエッチ
ングによるラインL幅調整や膜厚調整、あるいはレーザ
ビームによってグレーティング反射器3,4中のストリッ
プラインの切断等により、周波数調整を行っている。
グレーティング反射器3,4中のストリップラインの切
断による周波数調整方法では、例えば弾性表面波共振子
の場合、圧電基板1が高結合材料で形成されている時に
は、周波数が大きく変化する。ところが、水晶等の低結
合材料を用いて圧電基板1を形成した場合には、周波数
可変量が小さく、周波数を大きく変えたい時には不向き
である。
そこで、圧電基板1の材料変化に影響されないライン
幅調整による周波数調整方法が、前記文献に記載されて
いる。
第3図は、前記文献に記載された従来の弾性表面波素
子の製造方法を示す図である。
先ず、第3図(a)に示すように、圧電基板1上に、
Alからなる金属膜10を堆積し、さらにその上にCrからな
る保護膜11を形成する。そして、その保護膜11上に、ホ
トリソグラフィ技術を用いて、レジストパターン12を選
択的に形成する。
第3図(b)に示すように、Crだけに反応するエッチ
ング液を用いて、レジストパターン12と同一の形状にな
るまで保護膜11をエッチングし、保護膜パターン11aを
形成する。
次に、第3図(c)に示すように、保護膜パターン11
a上のレジストパターン12を除去する。この段階で、イ
ンターディジタル電極端子に電気信号を印加し、共振周
波数が測定できるようにする。
その後、第3図(d)に示すように、ドライエッチン
グ法により、保護膜パターン11aをマスクにして金属膜1
0をエッチングし、金属膜パターン10aを形成する。この
金属膜パターン10aにより、インターディジタル電極2
及びグレーティング反射器3,4が構成されるので、この
インターディジタル電極2及びグレーティング反射器3,
4の共振周波数を測定する。そして、所望の共振周波数
が得られない時には、再び保護膜パターン11aをマスク
にして金属膜パターン10aをエッチングする。このよう
な金属膜パターン10aのライン幅調整により、周波数調
整が行える。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記弾性表面波素子の製造方法におけ
る周波数調整方法では、次のような課題があった。
(i) 従来の周波数調整方法では、保護膜パターン11
aをマスクにして、金属膜10を所望の共振周波数が得ら
れるまで側面エッチングを行うようになっている。しか
し、エッチングにより形成される金属膜パターンは、そ
の上面に保護膜パターン11aが形成されているので、該
金属膜パターン10aの膜厚を任意に変えることが困難と
なる。
(ii) 前記(i)の問題を解決するため、保護膜パタ
ーン11aを除去した後(あるいは、当初から保護膜パタ
ーン11aを形成しない他の金属膜パターン10aの形成方法
を採用してもよい)、金属膜パターン10aをエッチング
することにより、該金属膜パターン10aの膜厚を、所望
の共振周波数が得られるまでアンダーエッチすれば、周
波数可変量を大きくすることができる。ところが、次の
ような問題が生じる。
第4図(a),(b)は従来の膜厚調整による周波数
調整方法を示す図である。
第4図(a)に示すように、金属膜パターン10aの上
面をエッチングしてその膜厚調整を行うと、第4図
(b)に示すように、金属膜パターン10aの厚さと同時
にその側面もエッチングされる。そのため、ラインスペ
ース比(L/S比)が悪化し、弾性表面波共振子のインピ
ーダンスが変動してしまう。その上、金属膜パターン10
aの断面プロファイルがなまり、弾性表面波共振子のQ
(quality factor)の低下も生じてしまう。さらに、
第2図(b)の弾性表面波フィルタでは、ギャップCが
見掛け上大きくなり、共振子間の結合量が変動してしま
う。
このように、金属膜パターン10aの膜厚を調整して周
波数調整を行おうとすると、インピーダンス、Q値、及
び結合量等といった他の電気的特性が変わってしまい、
所望の電気的特性を有する弾性表面波素子を得ることが
困難であった。
本発明は前記従来技術が持っていた課題として、金属
膜パターン、つまりインターディジタル電極及びグレー
ティング反射器(以下、これを総称して単に「電極」と
いう)の膜厚をエッチングにより調整して周波数の調整
を行おうとすると、インピーダンス、Q値、及び結合量
等といった他の電気的特性も悪影響を受け、所望の電気
特性を持った弾性表面波素子を製造することが困難であ
るという点について解決した弾性表面波素子の製造方法
を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 前記課題を解決するために、本発明のうちの第1の発
明は、弾性表面波共振子や弾性表面波フィルタ等といっ
た弾性表面波素子の製造方法において、透光性の圧電体
基板の表面に、インターディジタル電極及びグレーティ
ング反射器からなる所定形状の電極を選択的に形成する
電極形成工程と、前記電極を含む圧電体基板表面の全面
にレジストを被着するレジスト被着工程と、前記圧電体
基板の裏面より光を照射し、前記電極をマスクにして前
記レジストを露光する露光工程と、前記レジストを現像
し、前記圧電体基板表面に被着したレジストを剥離、除
去する現像工程と、前記レジストが被着された電極の側
面に、該電極よりもエッチング速度の小さい電極側面エ
ッチング防止用の保護膜を形成する保護膜形成工程と、
前記電極上のレジストを除去するレジスト除去工程と、
前記保護膜が側面に形成された電極に、電気信号を印加
して周波数を測定し、目標周波数との差が0となるよう
にエッチング状態を監視して、該電極上面を所定の膜厚
にエッチングする周波数調整工程を、施している。
第2の発明の弾性表面波素子の製造方法では、圧電体
基板の表面に金属膜を堆積した後、該金属膜上にレジス
トを被着する金属膜・レジスト形成工程と、前記レジス
ト露光、現像してレジストパターンを形成するレジスト
パターン形成工程と、前記レジストパターンをマスクに
して前記金属膜をエッチングし、インターディジタル電
極及びグレーティング反射器からなる所定形状の電極を
形成する電極形成工程と、前記レジストパターンが形成
された電極の側面に、該電極よりもエッチング速度の小
さい電極側面エッチング防止用の保護膜を形成する保護
膜形成工程と、前記電極上のレジストパターンを除去す
るレジスト除去工程と、前記保護膜が側面に形成された
電極に、電気信号を印加して周波数を測定し、目標周波
数との差が0となるようにエッチング状態を監視して、
該電極上面を所定の膜厚にエッチングする周波数調整工
程を、施している。
(作 用) 第1の発明によれば、以上のように弾性表面波素子の
製造方法を構成したので、電極形成工程では、微細加工
に適するリフトオフ法等を用いて、インターディジタル
電極及びグレーティング反射器からなる電極が、高精度
のパターンで、透光性の圧電体基板表面に形成される。
レジスト被着工程では、圧電体基板表面の全面にレジス
トが形成され、露光工程において、圧電体基板の裏面よ
り露光することにより、電極上のレジストは露光され
ず、それ以外のレジストが露光される。これにより、ホ
トマスクを使用せずに、電極をマスクにしたセルフアラ
イメントにより、レジストの露光が行える。露光後、有
機溶剤等でレジストを現像し、余分なレジストを剥離、
除去すれば、電極上のみ、レジストパターンで保護され
る。
次に、保護膜形成において、酸化処理等を行って電極
の側面に保護膜を形成する。電極上のレジストは、弾性
表面波の伝搬速度を質量効果によって低下させると共
に、弾性表面定在波を著しく弱めるので、正確な周波数
の測定を困難にさせる。そこで、レジスト除去工程で、
電極上のレジストを除去する。その後、電極に電気信号
を印加して周波数を測定し、電極上面を所望の周波数に
応じた膜厚にエッチングすれば、その電極の側面は、該
電極よりもエッチング速度の小さい保護膜で保護されて
いるので、エッチングされることがない。これにより、
電極の膜厚のみを調整することができ、インピーダンス
やQ値等といった他の電気的特性に悪影響を与えること
なく、的確な周波数調整が行える。
第2の発明によれば、金属膜・レジスト形成工程で、
圧電体基板の表面に金属膜及びレジストを形成した後、
レジストパターン形成工程でレジストを露光、現像すれ
ば、金属膜上にレジストパターンが形成される。そのレ
ジストパターンをマスクにして金属膜をエッチングすれ
ば、インターディジタル電極及びグレーティング反射器
からなる所定形状の電極が圧電体基板表面に形成され
る。その後、第1の発明と同様に、電極よりもエッチン
グ速度の小さい保護膜を形成する保護膜形成工程と、レ
ジスト除去工程と、周波数調整工程とを施せば、電極の
側面がエッチングされずに、その上面のみを、エッチン
グにより膜厚を調整し、的確な周波数調整が行える。
(実施例) 第1図は、本発明の第1の実施例における弾性表面波
素子の製造方法を示す図である。
この製造方法では、例えば第2図のような弾性表面波
共振子や、弾性表面波フィルタのような弾性表面波素子
を製造する場合について、その製造工程(1)〜(6)
を以下説明する。
(1) リフトオフ法による電極形成工程(第1図
(a)〜(d)) 第1図(a)に示すように、水晶板等の透光性の圧電
体基板20を鏡面仕上げし、その圧電体基板20の表面に、
レジスト21を被着する。そして、ホトマスク22を用いて
紫外線でレジスト21を照射し、そのホトマスク22上のパ
ターンをレジスト21に転写する。このように、レジスト
21を露光した後、有機溶剤等で現像すれば、第1図
(b)のようなレジストパターン21aが得られる。
次に、第1図(c)に示すように、Al等の導電率の高
い金属膜23を、蒸着等によって必要な厚さに堆積する。
その後、溶剤に浸漬し、超音波等を加えて、レジストパ
ターン21aとその上の金属膜23を同時溶解、あるいは同
時に剥離して除去する。その結果、第1図(d)に示す
ように、残った金属膜23により、所望のパターンの電極
23aが形成される。この電極23aは、第2図のインターデ
ィジタル電極2及びグレーティング反射器3,4等に相当
するものである。
(2) レジスト被着工程(第1図(e)) 圧電体基板20の表面の全面に、例えばポジ形レジスト
24を被着する。このポジ形レジスト24では、紫外線が照
射された部分が溶剤等に溶け易くなる。
(3) 露光工程(第1図(f)) 圧電体基板20の裏面より、紫外線を照射し、電極23a
をマスクにしてレジスト24を露光する。
(4) 現像工程(第1図(g)) 露光したレジスト24を有機溶剤等で現像し、圧電体基
板20の表面に被着したレジスト24を剥離、除去すれば、
電極23a上のみにレジスト24が残留する。これにより、
電極23a上のみ、レジスト24で保護される。
(5) 保護膜形成工程(第1図(h)) 酸素プラズマ法、陽極酸化法等の酸化処理を施し、電
極23aの側面に酸化膜からなる保護膜25を形成する。電
極23aが例えばAlで形成されている場合、その電極23aの
側面には、Al2O3からなる保護膜25が形成されることに
なる。この保護膜25は、電極23aよりもエッチング速度
(即ち、エッチングレート)が小さいという性質を有し
ている。
(6) レジスト除去工程・周波数調整工程(第1図
(i)) 電極23a上のレジスト24は、弾性表面波の伝搬速度を
質量効果により低下させ、しかも弾性表面定在波を弱め
るので、正確な周波数の測定を困難にさせる。そこで、
この電極23a上のレジスト24を、溶剤等を用いて除去す
る。
次に、この電極23aがウエハ上に多数配列、形成され
ている場合には、プロービングにより、その電極23aに
電気信号を印加して例えば共振周波数を計測する。この
ようなウエハ状態において、周波数の測定を行うこと
は、量産性に向いているが、場合によれば、そのウエハ
をチップ状に分割した後、該チップをベース等に組立て
た状態で、電極23aに電気信号を印加し、周波数測定を
行うようにしてもよい。
このような周波数測定を行うことにより、目標周波数
との差が求まるので、その周波数差を0にすべく、エッ
チング時間等を監視しながら、プラズマエッチング法等
のウエットエッチング法、あるいはエッチング液を用い
たウエットエッチング法により、電極23aの上面を所定
の膜厚までエッチングし、周波数調整を行う。
ここで、ウエットエッチング法によって電極上面をエ
ッチングする場合、弾性表面波は溶液中でほとんど減衰
してしまうから、所望の周波数が得られたか否かの測定
は、エッチング液から電極23aを引上げて行えばよい。
また、ドライエッチング法によって電極上面をエッチン
グする場合、周波数測定をしながらドライエッチングす
ることも可能である。
この第1の実施例では、次のような利点を有してい
る。
(i) 第1図(i)の周波数調整工程において、電極
上面をエッチングして周波数を調整する場合、その電極
23aの側面が、エッチング速度の小さな保護膜25で保護
されているため、該電極23aの側面がエッチングされず
に、つまり電極23aの幅が減少せずに、膜厚のみを所望
の値にエッチングすることができる。そのため、従来の
方法と比べ、インピーダンスの変動を最小限に抑え、さ
らにQ値の低下を防止する等、周波数以外の電気的特性
に悪影響を与えることなく、的確な周波数調整が行え
る。
(ii) 第1図(a)〜(d)は、リフトオフ法によっ
て電極23aを形成しているので、高精度な微細電極パタ
ーンの形成が可能となる。
(iii) 第1図(f)の露光工程では、セルフアライ
メントによって露光しているため、ホトマスクが不要と
なり、それによってマスク合わせが省略でき、製造工程
の簡単化が図れる。
第5図は、本発明の第2の実施例における弾性表面波
素子の製造方法を示す図であり、第1図中の要素と共通
の要素には共通の符号が付されている。
この製造方法では、第1図と同様に、第2図の弾性表
面波共振子あるいは弾性表面波フィルタ等の弾性表面波
素子の製造工程を示すもので、その工程(1)〜(4)
を以下説明する。
(1) 金属膜・レジスト形成工程及びレジストパタン
形成工程(第5図(a),(b)) 第5図(a)に示すように、タンタル酸リチウム、ニ
オブ酸リチウム、水晶等の材料で形成された圧電体基板
20を用意する。この圧電体基板20を鏡面仕上げ等した
後、その圧電体基板20の表面に、Al等からなる金属膜23
を堆積し、さらにその金属膜23上に、ネガ形またはポジ
形のレジスト24を被着する。そして、ホトマスク22を用
いて紫外線をレジスト24に照射し、該レジスト24を露光
する。露光後、有機溶剤等でレジスト24を現像し、第5
図(b)に示すようなレジストパターン24aを形成す
る。
(2) 電極形成工程(第5図(c)) レジストパターン24aをマスクにして、プラズマエッ
チング法等のドライエッチング法等により、金属膜23を
エッチングし、所定パターンの電極23aを形成する。
(3) 保護膜形成工程(第5図(d)) 前記第1図(h)の工程と同様に、電極23aの側面
に、酸素プラズマ法、陽極酸化法等によって酸化処理を
行い、電極23aの側面に、Al2O3等からなる保護膜25を形
成する。
(4) レジスト除去工程及び周波数調整工程(第5図
(e)) 前記第1図(i)の工程と同様に、電極23a上のレジ
ストパタン24aを除去した後、その電極23aに電気信号を
印加して周波数測定を行い、目標とする周波数との差を
求める。その周波数差を0にすべく、エッチング時間等
を監視してウエットエッチング法、またはドライエッチ
ング法により、電極上面を所定の膜厚になるようにエッ
チングし、周波数調整を行う。
この第2の実施例では、前記第1の実施例の利点
(i)と同様の利点を有する他に、圧電体基板20として
は透光性である必要がないため、基板材料の制約が少な
くなる。さらに、通常のホトリソグラフィ技術を用いて
電極23aを形成しているので、製造工程を少なくでき
る。
なお、本発明は図示の実施例に限定されず、種々の変
形が可能である。その変形例としては、例えば次のよう
なものがある。
第1図及び第5図では、圧電体基板20として、単結
晶のものを使用したが、これに限定されない。例えば、
ZnO等の薄膜圧電体をガラス基板等に付着させた、多層
構造の圧電体基板を使用すれば、例えば共振周波数を、
薄膜圧電体の膜厚で調整できるという利点があり、しか
もその薄膜は量産化に適している。
第1図及び第5図の保護膜25は、酸化処理による酸
化膜で形成したが、窒化膜、蒸着等による金等といっ
た、電極23aよりエッチング速度の小さいものであれ
ば、種々の材料で形成可能である。
露光工程において、紫外線以外の光線で露光する
等、種々の変形が可能である。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように、第1の発明によれば、電
極形成工程において、例えばリフトオフ法を用いてイン
ターディジタル電極及びグレーティング反射器からなる
所定形状の電極を選択的に形成すれば、高精度の微細電
極パタンが形成できる。その上、露光工程において、電
極をマスクにしてレジストを露光するというセルフアラ
イメント法を用いているので、ホトマスクが不要にな
り、マスク合わせの省略により、製造工程の簡略化が図
れる。
さらに、レジスト除去工程において電極上のレジスト
を除去している。このレジストは、弾性表面波の伝搬速
度を質量効果によって低下させ、しかも弾性表面定在波
を著しく弱めるため、正確な周波数の測定が困難とな
る。そこで本発明では、レジスト除去工程において電極
上のレジストを除去した後、周波数調整工程を行ってい
る。
そのため、この周波数調整工程において、精度の良い
周波数測定が可能となる。しかも、この周波数調整工程
において、電極上面を所定膜厚にエッチングする場合、
その電極の側面が該電極よりもエッチング速度の小さい
保護膜で保護されているため、該電極の側面をエッチン
グさせることなく、該電極上面のみを書定膜厚にエッチ
ングできる。
従って、インピーダンスの変動を最小限に抑えること
ができ、さらにQ値の低下を防止することができる等、
周波数以外の他の電気的特性に悪影響を及ぼすことな
く、的確な周波数調整が可能となる。
第2の発明によれば、通常のホトリソエッチング技術
を用いて電極形成を行うので、製造工程数を少なくで
き、しかも第1の発明と同様の保護膜形成工程、レジス
ト除去工程及び周波数調整工程を施すので、第1の発明
と同様に的確な周波数調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(i)は本発明の第1の実施例にかかる
弾性表面波素子の製造方法を示す図、第2図(a),
(b)は従来の弾性表面波素子の概略の平面図、第3図
(a)〜(d)は従来の弾性表面波素子の製造方法を示
す図、第4図(a),(b)は従来の膜厚調整を説明す
るための図、第5図(a)〜(e)は本発明の第2の実
施例にかかる弾性表面波素子の製造方法を示す図であ
る。 20……圧電体基板、21……レジスト、21a……レジスト
パターン、22……ホトマスク、23……金属膜、23a……
電極、24……レジスト、24a……レジストパターン、25
……保護膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−236207(JP,A) 特開 昭63−189006(JP,A) 特開 平1−233815(JP,A) 特開 昭62−141807(JP,A) 特開 昭61−6913(JP,A) 特開 昭61−36971(JP,A) 特公 平1−45246(JP,B2) 特公 昭59−31976(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 3/00 - 3/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性の圧電体基板の表面に、インターデ
    ィジタル電極及びグレーティング反射器からなる所定形
    状の電極を選択的に形成する電極形成工程と、 前記電極を含む圧電体基板表面の全面にレジストを被着
    するレジスト被着工程と、 前記圧電体基板の裏面よい光を照射し、前記電極をマス
    クにして前記レジストを露光する露光工程と、 前記レジストを現像し、前記圧電体基板表面に被着した
    レジストを剥離、除去する現像工程と、 前記レジストが被着された電極の側面に、該電極よりも
    エッチング速度の小さい電極側面エッチング防止用の保
    護膜を形成する保護膜形成工程と、 前記電極上のレジストを除去するレジスト除去工程と、 前記保護膜が側面に形成された電極に、電気信号を印加
    して周波数を測定し、目標周波数との差が0となるよう
    にエッチング状態を監視して、該電極上面を所定の膜厚
    にエッチングする周波数調整工程を、 施すことを特徴とする弾性表面波素子の製造方法。
  2. 【請求項2】圧電体基板の表面に金属膜を堆積した後、
    該金属膜上にレジストを被着する金属膜・レジスト形成
    工程と、 前記レジストを露光、現像してレジストパターンを形成
    するレジストパターン形成工程と、 前記レジストパターンをマスクにして前記金属膜をエッ
    チングし、インターディジタル電極及びグレーティング
    反射器からなる所定形状の電極を形成する電極形成工程
    と、 前記レジストパターンが形成された電極の側面に、該電
    極よりもエッチング速度の小さい電極側面エッチング防
    止用の保護膜を形成する保護膜形成工程と、 前記電極上のレジストパターンを除去するレジスト除去
    工程と、 前記保護膜が側面に形成された電極に、電気信号を印加
    して周波数を測定し、目標周波数との差が0となるよう
    にエッチング状態を監視して、該電極上面を所定の膜厚
    にエッチングする周波数調整工程を、 施すことを特徴とする弾性表面波素子の製造方法。
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