JP3140275U - 冷暖房用冷温風循環装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷風及び温風を室内全体に作用するように効率的に循環させる。
【解決手段】室内の床面から天井方向に伸縮可能な通風パイプ部1と、該通風パイプ部1の床面側に連結され、複数の換気口5Aを備えた第1換気部2と、同じく通風パイプ部1の天井側に連結され、複数の換気口5Bを備えた第2換気部3と、前記換気口5Bから暖気を吸い込んで前記換気口5Aから吹き出させる送風機4と、前記換気口5A,5Bを開閉、且つ吹き出し方向を変更可能な複数のフラップ部を含む。
【選択図】図1

Description

本考案は、冷暖房器から吹き出される冷風及び温風を室内全体に作用させるための冷暖房用冷温風循環装置に関する。
従来、冷暖房器から噴出される冷風及び温風を室内全体に作用させるために、冷暖房器における吹き出し口に吹き出し方向を変更するためのフラップを備えたり、扇風機等で冷風及び温風を循環させたりしている。
ところで、冷たい空気は下方へ暖かい空気は上方へ行くが、冷暖房器に備えられたフラップや扇風機で、冷風及び温風を室内全体に作用するように循環させるには、効率性に欠けている。
本出願人は、冷風及び温風を室内全体に作用するように効率的に循環させるという観点から、鋭意研究の結果本考案に至ったものである。
尚、本考案に関連する先行技術文献のうち、出願人が当該実用新案登録出願時に知っているものがないので、開示すべき先行技術文献情報はない。
本考案は、このような問題に対処することを課題とするものである。
すなわち、冷風及び温風を室内全体に作用するように効率的に循環させることを課題とし、この課題を解決する冷暖房用冷温風循環装置の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本考案に係る冷暖房用冷温風循環装置は、以下の独立請求項に係る構成を少なくとも具備する。
すなわち、本考案の請求項1に係る冷暖房用冷温風循環装置は、軸線方向を室内の床面から天井に向かう方向とする通風パイプ部と、該通風パイプ部の床面側に連結された第1換気部と、同じく通風パイプ部の天井側に連結された第2換気部と、前記第1換気部、又は前記第2換気部のいずれか一方から吸気し、他方の換気部から排気する送風機と、を備えている冷暖房器用循環装置において、前記第1換気部、及び第2換気部は、夫々複数の換気口を具備し、該複数の換気口の開口方向を、前記通風パイプ部の軸線方向と交差し、且つ夫々異なる方向にしてなり、前記換気口には、複数のフラップ部が夫々独立して同方向に回動するように軸支され、該フラップ部は、各フラップ部の回動中心側の端部に対し、隣接するフラップ部の回動中心側と反対側の端部が、該フラップ部の回動時において接触するように軸支されていることを特徴とする。
前記フラップ部の回動方向は任意であるが、フラップ部の回動中心の軸線を通風パイプ部の軸線と平行とし、この軸線を回動中心として回動する方向が好ましい。
前記送風機の装着形態は任意であるが、前記送風機は、前記通風パイプ部及び第1換気部又は第2換気部に対して、該通風パイプ部の軸線方向で着脱可能に連結されるカバー部と、該カバー部に内蔵された送風ファンを備え、前記カバー部を前記通風パイプ部と、前記第1換気部、又は第2換気部との間に介在することで装着することが好ましい。
前記通風パイプ部の形態は任意であるが、前記通風パイプ部は、軸線方向に沿って伸縮する伸縮構造を具備し、該伸縮構造は、複数の菅体を具備し、該複数の管体を該管体の軸線方向に沿ってスライド自在に嵌合してなるものが好ましい。
この場合、前記管体同士を固定する固定部を具備し、該固定部は、外側の管体における天井側開口部から床面側方向に向かう中途部までの外周を、前記天井側開口部の外周径を最小径とし、床面側の外周径を最大径とするテーパ状に形成し、該テーパ状とした範囲に、前記天井側開口部から軸線方向に沿って複数のスリットを形成すると共に、該スリット間に確保された複数の傾斜面の外周に雄ねじを螺設し、且つ該雄ねじに対して螺合する雌ねじが螺設された締付けナットを螺合してなり、前記締め付けナットは、雌ねじが螺設される貫通孔の周面が、前記管体におけるテーパと同角度、且つ同方向のテーパ状に形成され、該テーパは、上方側の径を前記雄ねじの最小径よりも小径にし、下方側の径を前記雄ねじの最大径よりも小径にすることが好ましい。
又、前記第1換気部の床面に対面する面を、前記床面と平行の平坦状とし、第2換気部の天井に対面する面を、前記天井と平行の平坦状とすることが好ましい。
以下、本考案に係る冷暖房用冷温風循環装置を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図6は、本考案に係る冷暖房用冷温風循環装置(以下「循環装置」と略称する。)Aの一形態を示す構成図及び作用図である。
図7は、循環装置Aを用いた暖房と該循環装置Aを用いない暖房における暖房効果の比較図である。
本形態の循環装置Aは、図1に示すように、通風パイプ部1と、該通風パイプ部1の両端側に夫々連結された第1換気部2、及び第2換気部3と、前記通風パイプ部1と第1換気部2との間に介在した送風機4とから構成されている。
又、本形態の循環装置Aは、図1に示すように、通風パイプ部1の軸線方向を床面Bから天井Cに向かう方向に沿わせて、第1換気部2を床面Bに載置し、第2換気部3を天井Cに接触させた状態で設置するものである。
又、図2に示すように、前記第1換気部2には、複数(本形態では4個)の開閉可能な換気口5Aが、第2換気部3には、複数(本形態では4個)の開閉可能な換気口5Bが、通風パイプ部1の軸線に対して径方向、且つ直交する方向に開口されている。
本形態で例示する循環装置Aは、暖房用に設定したものであり、暖房機S(図6,図7参照)から発生して上方に溜まる暖気を、天井C側の第2換気部3の換気口5Bから吸い込んで床面B側の第1換気部2の換気口5Aから吹き出すように、前記送風機4の送風方向を設定したものである(図4(a)参照)。
前記循環装置Aを冷房用に設定するには、前記送風機4の送風方向を、暖房用とは反対方向に設定すればよく、すなわち、冷房機(図示せず)から発生して下方に溜まる冷気を、第1換気部2の換気口5Aから吸い込んで、第2換気部3の換気口5Bから吹き出すように設定する(図4(b)参照)。
尚、以下では、前記通風パイプ部1の軸線方向において、前記床面B側を下と、前記天井C側を上と、夫々いう。
又、前記換気口5A,5Bの開口方向において、第1換気部2及び第2換気部3の内側を後と、外側を前と、夫々いう。
通風パイプ部1は、上下方向に沿って伸縮する伸縮構造を具備している。
該伸縮構造は、変形から元の形状に復帰する弾性を有する金属材や硬質の合成樹脂材からなる断面真円とする丸管状の2本の管体11,12を具備し、該2本の管体11,12を、該管体の軸線方向に沿って上下方向にスライド自在に嵌合してなる。
具体的には、管体11を下側とし、該管体11の上端開口部11Aから前記管体12が上下方向に出没するように挿入され、該管体12を上下方向にスライドさせることにより、通風パイプ部1の上下方向の長さを調節可能にしている。
このような構成の通風パイプ部1によれば、上下方向の長さを調節することにより、例えば、室内の天井高さに対応させることができるというような、任意の長さに調節することができる。
又、通風パイプ部1の長さを最も短い形態に収縮させることにより、収納時における仕舞性が向上する。
尚、本形態で例示する通風パイプは、管体を断面真円の丸管状としたものであるが、本考案では、例示した丸管状の管体に限らず、管体相互がスライド可能に嵌合可能であれば、管体の断面形状は任意である(図示せず)。
又、本考案では、例示したように管体を2本とした形態に限らず、3本以上としてもよい(図示せず)。
又、本形態では、例示したような長さ調節可能とした形態に限らず、例えば、室内の天井高さに対応させた長さの1本の管体を具備したものであってもよく、この場合、例えば、長尺の管体を天井高さに対応する長さに切って調節すればよい(図示せず)。
図中、符号6は、前記管体11に対する管体12のスライド位置を固定及び固定解除する固定部である。
ここで、本形態の固定部6を説明すると、該固定部6は、前記管体11と管体12が重なり合う部分に対し、管体11の外周から径方向に締め付け力を与えて、該管体11,12同士の接触圧力を大きくすることにより、管体12のスライド位置を固定するものであり、前記締め付け力を小さくして前記接触圧力を小さくすることにより、管体12のスライドを可能にするようにしたものである。
このような固定部6の具体的な形態を説明すると、図5(a)〜(c)に示すように、前記管体11の上端開口部11Aから下方に向かう中途部までの範囲の外周を、前記上端開口部11Aの外周径を最小径とし、床面側の外周径を最大径とするテーパ状に形成している。
又、前記テーパ状とした範囲には、前記天井側開口部11Aから軸線方向に沿って複数のスリット61(図示では4箇所)が形成されている。
又、前記スリット61を形成することにより、該スリット61間にスリット61と同数の傾斜面62が形成される。
前記傾斜面62の外周に雄ねじ63が螺設される一方、該雄ねじ63に対して締め付け螺合する雌ねじ64が螺設された締付けナット65が、管体12の外周にその軸線に沿って上下スライド可能に嵌合している。
又、前記傾斜面62には、管体11を構成する前記素材により、径方向に収縮し、該収縮から復帰する弾性が作用する。
前記締め付けナット65は、前記雌ねじ64が螺設される貫通孔の周面が、前記管体11におけるテーパと同角度、且つ同方向のテーパ状に形成され、該テーパは、上方側の径を前記雄ねじ63の最小径よりも小径にし、下方側の径を前記雄ねじ63の最小径よりも大径にしてある。
すなわち、前記形態の固定部6によれば、前記雄ねじ63に対して前記締付けナット65を締め付ける(締め付け力を大きくする)と、管体11におけるテーパよりも小径な締付けナット65のテーパにより、前記傾斜面62が径方向内側(管体12側)に収縮すると共に、該傾斜面62の内面が管体12の外周に接触し、この接触圧力で管体12を管体11に対して固定することができる。
そして、前記締付けナット65を緩める(締め付け力を小さくする)と、前記傾斜面62が弾性により径方向外側(管体12と離反する側)に戻ると共に、該傾斜面62の内面の管体12に対する接触圧力が弱くなるため、管体12の管体11に対する固定状態が解除され、管体12のスライドが可能となる。
尚、本形態で例示する固定部は、締付けナットの締め付け力を利用して管体同士に接触圧力を与えることで固定する形態のものであるが、本考案では、例示した固定部に限らず、管体同士を固定できる形態であればよい。
以下、前記第1換気部2と第2換気部3の構成を説明する。前記第1換気部2は、平面正方形とする立方体を呈する内部空洞の箱状部7Aの側面四方に、前記換気口5Aが開口されている。
又、前記箱状部7Aの上面71Aには、該箱状部7Aの内部と連通すると共に、前記送風機4を連結する連結管72Aが立設されている。
前記第2換気部3は、平面正方形とする立方体を呈する内部空洞の箱状部7Bの側面四方に、前記換気口5Bが開口されている。
又、前記箱状部7Bの下面71Bには、該箱状部7Bの内部と連通すると共に、前記管体12を連結する連結管72Bが立設されている。
尚、以下では、前記箱状部7A,7Bの平面正方形を構成する各辺に沿う方向を左右方向という。
前記箱状部7Aの下面(以下、「設置面」という)73Aは、前記床面Bに対する設置面となる部位であり、床面Bと平行の平坦状にされている。
前記箱状部7Bの上面(以下、「接触面」という)73Bは、前記天井Cに対する接触面となる部位であり、天井Cと平行の平坦状にされている。
すなわち、図1(a)及び(b)に示すように、循環装置Aを室内に設置するときには、前記設置面73を床面Bに置いた状態で前記通風パイプ部1を伸長させて、前記接触面73Bを天井Bに対して押付けるように接触させると共に、前記固定部6を締め付け操作して通風パイプ部1の伸長状態を固定することにより、循環装置Aが床面Bから天井Cに亘って突っ張るように設置されるので、例えば、地震や衝撃等の外力が作用しても循環装置Aの転倒や傾斜を防ぐことができる。
又、箱状部7Bを天井Cに接触させることにより、前記換気口5Bが、最も暖かい暖気が溜まる天井C付近に位置することになるので、該暖気をより効率的に吸い込むことができる。
尚、前記通風パイプ部1の伸長長さは、前記循環装置Aの設置時に、地震や衝撃等の外力が作用しても転倒や傾斜を防ぐ手段を施しておけば、前記箱状部7Bの接触面73Bが天井Cに接触しない長さにしてもよい。
前記送風機4は、図4(a),(b)に示すように、送風ファン41と、該送風ファン41を内蔵した筒状のカバー部42とから構成されている。
前記送風ファン41は、モータ41Aと、該モータ41Aの駆動により回転するファン本体41Bと、前記モータ41Aを前記カバー部41の内部に支持する支持部材41Cとで構成されている。
又、前記モータ41Aの支持方向は、該モータ41Aのモータ軸41Dの軸線が前記カバー部42の軸線に沿う方向であり、本形態の暖房用である場合には、前記ファン本体41Bが上側になる方向である。
前記カバー部42は、前記送風ファン41が内蔵される立方体状のカバー本体42Aと、該カバー本体42Aの上面に立設された嵌合管42Bと、カバー本体42Aの底面に立設された嵌合管42Cとから構成されている。
前記カバー本体42Aの上面及び下面には、前記嵌合管42B及び嵌合管42Cと連通する連通孔42Dが開孔されている。
前記嵌合管42B,42Cは、いずれも内径を前記管体11の下端部が適合状に、且つ嵌脱可能に嵌合する径とし、外径を前記連結管72Aに対して適合状に、且つ嵌脱可能に嵌合する径としている。
すなわち、前記形態のカバー部42によれば、暖房用(図4(a)参照)から冷房用(図4(b))に切替えるときに、該カバー部42の取付け方向を逆転させることにより、送風機4の送風方向を変更することができる。
尚、前記送風機4の送風方向の切替えは、前記モータ41Aの回転を正逆切替することにより行ってもよい。
又、前記モータ41Aの回転数を変えることにより、吸い込み力及び吹き出し力を大小調節することができる。
図中、符号42Eは、前記カバー本体42Aに対して径方向に抜き挿し可能に挿入されたフィルターである。
次に、前記換気口5A及び前記換気口5Bの構成を説明するが、本形態の換気口5A,5Bの構成は同じであるので、以下では、換気口5Aのみを説明する。
本形態の換気口5A(5B)は、図1に示すように、左右横長状の長方形状を呈し、左右側部が箱状部7A(7B)の後方から前方へ左右方向に広がるように開口されている。
前記左右側部は、図2に示すように、金属又は硬質の合成樹脂材等を用いて板状に形成された4枚の仕切り板51で構成されている。
前記仕切り板51は、その縁側を上下方向に立てた状態において、該縁の長手方向を箱状部7A(7B)の角部から対角線上に沿わせて立設されている。
前記各換気口5A(5B)には、図2(a)〜(e)及び図3に示すように、夫々複数(図示では4枚)のフラップ部8が夫々独立して左右方向に回動するように軸支されている。
前記フラップ部8は、前記換気口5A(5B)を開閉すると共に、開口面積を増減し、且つ噴出し方向を変更するものである。
前記フラップ部8は、金属又は硬質の合成樹脂材等を用いて板状に形成され、縁側を上下方向に向けて立てた状態とし、平面側を左右方向に向けて軸支されている。
ここで、前記フラップ部8の具体的な支持形態を説明すると、該フラップ部8の上下縁の後端側に、通風パイプ部1の軸線と平行の支持軸81が突設されている。
前記支持軸81は、前記換気口5A(5B)の上下内面に対して回動可能に嵌合されており、この支持軸81を回動中心としてフラップ部8が左右方向に夫々独立して回動するように軸支される。
前記フラップ部8は、前後方向の全長を、前記仕切り板51の後端縁から換気口5A(5B)の開口縁52に至る前後方向に平行の延長線(図示せず)と同長にし、上下方向の全長を、前記仕切り板51の上下方向の全長と略同長にしている。
又、前記各フラップ部8相互の軸支位置は、前記各支持軸81が前記換気口5A(5B)における一方の仕切り板51の後端部から、他方の仕切り板51の後端部に至る延長線(図示せず)上に相当する位置であり、且つ各支持軸81間の間隔が同間隔となる位置である。
前記各支持軸81間の間隔は、前記フラップ部8の長さよりも短いものであり、フラップ部8を左右に回動させたときにその前端側が、隣り合うフラップ部8に接触して、接触した位置からの回動が阻止される間隔である。
そして、図2(a)に示すように、全てのフラップ部8の前後方向が換気口5A(5B)の開口方向と平行とした状態であるとき、換気口5A(5B)が全開状態となり、図2(b)に示すように、全てのフラップ部8の前端側が隣り合うフラップ部8に接触した状態であるとき、換気口5A(5B)が全閉状態となるようにしている。
又、フラップ部8は、夫々独立して回動すると共に、開閉するので、換気口5A(5B)の開口面積(フラップ部8間の開口数)を、換気口5A(5B)毎に調節することができる。
例えば、開口面積を大きく(フラップ部8間の開口数を多く)すれば、暖気を広い範囲で吹き出させることができ(図2(a)参照)、開口面積を小さく(フラップ部8間の開口数を少なく)すれば、暖気の吹き出し速度を高くすることができる(図2(c)参照)。
又、フラップ部8の前後方向の向きを、夫々左右方向に調節することにより、暖気の吹き出し方向を任意に変更することができる。
例えば、図2(d)に示すように、フラップ部8が同方向に傾くようにしてもよいし、図2(e)に示すように、左右逆方向に振り分けて傾くようにしてもよい。
尚、フラップ部の調節は、例示した形態に限らず、室内の状況によって任意に行えばよい。
又、図中、符号9は、前記循環装置Aを床面Bから天井Cに亘って突っ張るように設置する際に、より確実に循環装置Aの転倒や傾斜を防ぐためのスライド調整部である(図4)。
本形態におけるスライド調整部9は、前記管体11の周面に螺設された雄ねじ部91と、該雄ねじ部91に螺合する調整ナット92とから構成されている。
前記雄ねじ部91は、管体11の前記カバー部42の嵌合管42B側に螺設されていて、管体11の回転を防止しながら前記調整ナット92を、前記雄ねじ部91に対して螺合して、前記嵌合管42Bの端縁に接触した状態で、該嵌合管42B方向へ移動する方向に螺合動作することにより、天井方向にスライドするようにされている。
すなわち、循環装置Aを床面Bから天井Cに亘って突っ張るように設置する際に、通風パイプ部1を伸長し、第2換気部3を天井Cに押付けて前記固定部6で伸長位置を固定した後、更に、スライド調整部9の前記のスライド操作で通風パイプ1を天井方向にスライドさせることにより、前記突っ張り力をより強くして、循環装置Aの転倒や傾斜をより確実に防ぐことができる。
以下、本形態の循環装置Aの設置形態を図6(a)〜(c1,c2)に基づいて説明する。
前記循環装置Aの設置場所や設置数は、室内の状況によって任意に決定されるが、基本的には、暖房機から最も離れた場所が好ましく、該暖房機と正対する部位が最適である。
(設置形態1)
本設置形態1では、循環装置Aを暖房機Sが設置された室内のコーナー部の対角に位置するコーナー部に設置した形態を例示している(図6(a))。
具体的には、箱状部7A、7Bの2辺の側面を室内に向け、該箱状部7A,7Bの他方の2辺の側面を室内の壁面に向けて設置した形態である。
本設置形態では、室内側に向いている2つ側面の換気口5Aのみを開状態として、該2箇所の換気口5Aから室内に向かって暖気を吹き出すようにしている
(設置形態2)
本設置形態2は、循環装置Aを暖房機Sが設置された室内の長手方向の壁面中央部と前後方向に正対する壁面中央部に設置した形態を例示している(図6(b))。
本設置形態では、左右の2つの側面の換気口5Aのみを開状態して、該から吹き出す暖気を壁面の左右に沿わせて反対側の壁面方向に流れるようにしている。
(設置形態3)
本設置形態3は、例えば、LDK(リビング・ダイニングキッチン)のように、天井の一部に垂設状に設けられた仕切り壁Wで区切られる室内では、リビングLの図面上左側の壁面の中央部に設置された暖房機Sからの暖気が、前記仕切り壁Wによって阻止されてダイニングキッチンDKに作用しなくなることを防止するものであり、リビングLとダイニングキッチンDKに夫々1台ずつ循環装置Aを設置したものである(図6(c1,c2))。
尚、以下では、リビングL側の循環装置に符号A1を付し、ダイニングキッチンDK側の循環装置に符号A2を付して説明する。
本設置形態では、循環装置A1を前記リビングL側の仕切り壁Wの端部付近に設置すると共に、循環装置A2を図示においてダイニングキッチンDKの右上のコーナー部に設置して、リビングL側の暖気を循環装置A1でダイニングキッチンDKに吹き出させ、吹き出した暖気を循環装置A2で吸い込むと共に、吹き出させることにより、仕切り壁Wで区切られる室内全体に暖気を作用させるようにしている。
次に、前記循環装置Aと暖房機を用いた暖房作用と、暖房機のみを用いた暖房作用の比較例を図に基づいて説明する。
尚、図7(b)は、暖房機のみを用いた場合(以下「従来暖房」という)の空気の流れ及び温度を示し、図7(a)は循環装置Aと暖房機を用いた場合(以下「本願暖房」)の空気の流れ及び温度を示す。
又、図中、符号Sは暖房機であり、従来暖房及び本願暖房ともに、図面上、室内の左側の壁面の中央部に設置している。
又、本願暖房では、循環装置Aを、暖房機Sと正対するように、図面上、室内の右側の壁面の中央部に設置している。
前記従来暖房の場合、暖房機Sで暖められた暖気が上昇することにより、床面付近に対して暖気が作用し難く、天井付近の温度が高く、床面付近の温度が低くなるという現象が生じる。
具体的には、暖房機Sの暖房当初においてその周りの冷気を暖めて生じる暖気の上昇により、床面付近の冷気が暖房機S方向に引き寄せられ、更に、窓の隙間や出入り口の隙間等からも冷気が引き寄せられるため、床面付近の温度の上昇
すなわち、従来暖房では、暖房機Sから上昇する暖気により、天井Cから床面Bに向かって徐々に温められるため、室内全体が暖められるまで相当な時間が必要であり、しかも、上昇する暖気により床面付近の冷気が暖房機S方向に引き寄せられるため、人が座る床面Bに冷気の流れが生じて、該床面B付近の温度が下がると共に、冷気の流れによって体感温度が下がってしまうこともある。
前記従来暖房に対して本願暖房の場合、暖房機Sで暖められて上昇した暖気を、天井C側に位置する循環装置Aの第2換気部3で吸い込むと共に、通風パイプ部1を通過させて床面B側に位置する第1換気部2から床面Bに吹き出すようにしているため、人が座る床面Bに、図面上右から左への暖気の流れを作ることができる。
しかも、この暖気の流れは、循環装置Aにおける送風機4により強制的に作られるため、床面B付近の冷気を温めながら、暖房機S方向に押し流すように作用する。
したがって、床面B付近に発生した暖気の流れにより、床面B付近の冷気を迅速に減少させることができる。
又、床面B付近を流れる暖気の内、比較的温度の高い暖気が上昇し、天井C付近を流れる暖気の内、比較的温度の低い暖気が下降することにより、室内の中間部を暖めることができる。
すなわち、循環装置Aの作動により、上昇した暖気を天井C付近で吸い込んで床面Bに吹き出させるので、人が座る床面Bに暖気の流れが生じて、該床面B付近を暖めることができる上に、該暖気の流れにより実際の床面B付近の温度よりも高い体感温度とすることができる。
又、床面Bを流れる暖気を暖房機Sで再度暖めることになるので、暖房機Sの暖房効率を上げることができ、逆にいえば暖房機Sの出力を下げることができ、該暖房機Sの燃料消費量を削減することができる。
次に、前記従来暖房と本願暖房による暖房効果を比較する。
この比較例では、外気温は−10℃であるとき、同じ広さの室内において、その天井C付近全体の温度が平均で30℃になったときの床面Bの平均温度を比較した。
その結果を〔表1〕に示す。
尚、ここでいう平均温度とは、天井及び床面に複数の定点を設定し、該定点毎に計測した温度の平均値である。
Figure 0003140275
表1に示すように、従来暖房の場合、天井Cの平均温度が30℃であるとき、床面Bの平均温度が18℃であるのに対し、本願暖房の場合では、天井Cの平均温度が30℃であるとき、床面Bの平均温度が24℃であって、暖房効果という点について本願暖房が高いということが証明された。
又、従来暖房の場合、室内の中間部の平均温度が24℃であって、この温度は、本願暖房における床面平均温度と同温度である。
すなわち、本願暖房の場合、中間部の平均温度を計っていないが、床面平均温度が24℃であることから、中間の平均温度が少なくとも24℃以上であることが推察できる。
したがって、従来暖房に比べて本願暖房は、高い暖房効果を有するものである。
本形態の循環装置Aを使用することにより、室内を効率的に暖房することができるので、暖房機Sの燃料又は電力の節約や迅速な暖房に有効である。
尚、本考案は、例示した実施の形態に限定するものでは無く、実用新案登録請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。
例えば、通風パイプ部の形状は、例示した円筒状以外にも、三角柱状や四角柱状等の形状も挙げられる。
又、通風パイプ部の伸縮形態は、例示した上下スライド形態以外に、蛇腹による伸縮形態等も挙げられる。
又、箱状部の平面形状は、例示した平面正方形状以外に、例えば、平面長方形、平面三角形、平面真円形、平面長円形等の形状が挙げられる。
(a)は、本考案に係る第1形態の冷暖房用冷温風循環装置の設置状態(伸長状態)の正面図、(b)は収縮状態の正面図。 図1の(2)−(2)線拡大断面図で、(a)はフラップ部の全開状態を示し、(b)はフラップ部の全閉状態を示し、(c)は、フラップ部間の開口数を少なくした状態を示し、(d)は全部のフラップ部を同方向に傾けた状態を示し、(e)は、フラップ部の傾きを逆方向に振り分けた状態を示す。 図2の(3)−(3)線断面図。 送風方向の切替え形態を示す要部断面図で、(a)は暖房状態を示し、(b)は冷房状態を示す。 固定部の一形態を示す要部断面図で、(a)は固定状態を示し、(b)は(a)の(5)−(5)線断面図、(c)固定解除状態を示す。 循環装置の設置形態を示す概略平面図で、(a)は設置形態1を示し、(b)は設置形態2を示し、(c1),(c3)は設置形態3を示す。 従来暖房と本願暖房との暖房効果を比較する概略側面図であり、(a)は従来暖房を示し、(b)は本願暖房を示す。
符号の説明
A:循環装置
1:通風パイプ部
2:第1換気部
3:第2換気部
4:送風機
B:床面
C:天井
5A:換気口
5B:換気口
11:管体
12:管体
6:固定部
61:スリット
62:傾斜面
63:雄ねじ
64:雌ねじ
65:締め付けナット
7A:箱状部
73A:連結管
7B:箱状部
73B:連結管
74A:設置面
74B:接触面
42:カバー部
41:送風ファン
42B:嵌合管
42C:嵌合管
8:フラップ部
81:支持軸

Claims (6)

  1. 軸線方向を室内の床面から天井に向かう方向とする通風パイプ部と、
    該通風パイプ部の床面側に連結された第1換気部と、
    同じく通風パイプ部の天井側に連結された第2換気部と、
    前記第1換気部、又は前記第2換気部のいずれか一方から吸気し、他方の換気部から排気する送風機と、
    を備えている冷暖房器用循環装置において、
    前記第1換気部、及び第2換気部は、夫々複数の換気口を具備し、該複数の換気口の開口方向を、前記通風パイプ部の軸線方向と交差し、且つ夫々異なる方向にしてなり、
    前記換気口には、複数のフラップ部が夫々独立して同方向に回動するように軸支され、
    該フラップ部は、各フラップ部の回動中心側の端部に対し、隣接するフラップ部の回動中心側と反対側の端部が、該フラップ部の回動時において接触するように軸支されていることを特徴とする冷暖房器用冷温風循環装置。
  2. 前記フラップ部の回動中心の軸線が、前記通風パイプ部の軸線と平行であることを特徴とする請求項1に記載の冷暖房器用冷温風循環装置。
  3. 前記送風機は、前記通風パイプ部及び第1換気部又は第2換気部に対して、該通風パイプ部の軸線方向で着脱可能に連結されるカバー部と、該カバー部に内蔵された送風ファンを備え、
    前記カバー部を、前記通風パイプ部と前記第1換気部、又は第2換気部との間に介在することで装着されることを特徴とする請求項1又は2に記載の冷暖房器用冷温風循環装置。
  4. 前記通風パイプ部は、軸線方向に沿って伸縮する伸縮構造を具備し、
    該伸縮構造は、複数の菅体を具備し、該複数の管体を該管体の軸線方向に沿ってスライド自在に嵌合してなるものであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の冷暖房器用冷温風循環装置。
  5. 前記管体同士を固定する固定部を具備し、
    該固定部は、外側の管体における天井側開口部から床面側方向に向かう中途部までの外周を、前記天井側開口部の外周径を最小径とし、床面側の外周径を最大径とするテーパ状に形成し、
    該テーパ状とした範囲に、前記天井側開口部から軸線方向に沿って複数のスリットを形成すると共に、該スリット間に確保された複数の傾斜面の外周に雄ねじを螺設し、且つ該雄ねじに対して螺合する雌ねじが螺設された締付けナットを螺合してなり、
    前記締め付けナットは、雌ねじが螺設される貫通孔の周面が、前記管体におけるテーパと同角度、且つ同方向のテーパ状に形成され、該テーパは、上方側の径を前記雄ねじの最小径よりも小径にし、下方側の径を前記雄ねじの最大径よりも小径にしていることを特徴とする請求項4に記載の冷暖房器用冷温風循環装置。
  6. 前記第1換気部の床面に対面する面を、前記床面と平行の平坦状とし、第2換気部の天井に対面する面を、前記天井と平行の平坦状としていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の冷暖房器用冷温風循環装置。
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