JP3139898U - エアゾール装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアゾール缶内に残留したガスを治具を用いて容易且つ安全に排出することができ、なお且つ、そのような治具を製品の外観を損なうことなく取り付けることを可能としたエアゾール装置を提供する。
【解決手段】エアゾール缶2と、エアゾール缶2の上部に取り付けられた固定部材3と、固定部材3に回動自在に取り付けられた操作部材4と、操作部材4に設けられた噴射口9と、操作部材4に着脱自在に装着された治具20とを備え、エアゾール缶2内に残留したガスを排出する際に、治具20を操作部材4から取り外し、噴射位置まで回動された操作部材4と固定部材3との間に形成された隙間Sに治具20の鍔部22を差し込むことによって、操作部材4の回動を規制し、エアゾール缶2内に残留したガスを噴射口9から連続的に噴射可能とする。
【選択図】図4

Description

本考案は、エアゾール装置の改良に関するものである。
従来より、耐圧容器であるエアゾール缶(スプレー缶ともいう。)に収容された内容物をガスの圧力を利用して霧状や泡状に噴射するエアゾール装置がある。具体的に、このエアゾール装置は、内容物が収容されたエアゾール缶と、このエアゾール缶の上部中央から突出されてバネにより上方に付勢された状態で上下方向に移動可能に支持されたステムと、このステムをバネの付勢に抗して押し下げることにより開放されるバルブ機構と、ステムの先端に取り付けられると共に噴射口が設けられた噴射ボタンとを備えている。そして、このエアゾール装置では、噴射ボタンを押圧操作することによりステムを押し下げて、このステムから噴出された内容物を噴射ボタンの噴射口から噴射させることが可能となっている。
ところで、このようなエアゾール装置では、廃棄する際に安全のためエアゾール缶内に残留したガスを排出しておく必要がある。このため、残留ガスを排出する作業として、例えば、エアゾール缶内に残留したガスが抜け切るまで噴射ボタンを押し続けたり、エアゾール缶に穴を開けたりすることが行われている。
しかしながら、これらの作業は手間がかかることから、エアゾール缶内に残留したガスを完全に排出しないまま廃棄されてしまうといった問題があった。そこで、このようなエアゾール缶内に残留したガスを容易且つ安全に全量排出するための残留物排出機構が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
具体的に、特許文献1に記載される残留物排出機構は、エアゾール容器のステムに装着される円柱形状の噴射ボタンと、エアゾール容器の上部に嵌着される肩カバーとによって概略構成されている。また、噴射ボタンは突起を有し、肩カバーは噴射ボタンが挿入される円筒状の中央孔部を備えており、中央孔部を形成する環状周壁には、噴射ボタンの突起が摺動可能に差し込まれる深切欠部と浅切欠部とが設けられている。さらに、深切欠部と浅切欠部とは、中央孔部の周方向に等間隔で交互に形成されている。
そして、この残留物排出機構は、通常の使用では噴射ボタンの突起を深切欠部に嵌入させて、噴射ボタンの移動距離を長く設定する。これにより、噴射ボタンの押圧及び解圧の操作によって、ステムの開放及び閉鎖を行うことができる。一方、エアゾール容器内に残留したガスを排出するときは、噴射ボタンの位置を変えて突起を浅切欠部に嵌入させ、噴射ボタンの移動を規制する。これにより、ステムが噴射ボタンによって常時押圧されるため、開放状態が維持される。この状態で、エアゾール容器内の残留物が放出される。
ところで、従来のエアゾール装置では、上述した噴射ボタンに限らず、ステムを押圧操作するための様々なタイプの操作部材が用いられている(例えば特許文献2を参照)。このため、エアゾール装置では、操作部材のタイプに合わせた残留物排出機構を設けることが必要である。例えば、押しボタンタイプでは、上述した噴射ボタンを取り外して向きを入れ替えるものの他に、噴射ボタンをカバーキャップ等で押し込んで固定するものなどがある。また、特許文献2に記載されるトリガータイプの場合には、楊枝やコインなどの治具を用いてトリガーを噴射位置に固定するものなどがある。
ここで、治具を用いるタイプでは、このような治具を別途用意したり、エアゾール装置に付属したりする必要があるが、エアゾール缶を廃棄する際に紛失してしまう虞がある。このため、治具を紛失することがないようエアゾール装置に取り付けておくことが好ましい。
特開2007−210644号公報 特開2004−275473号公報
そこで、本考案は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、エアゾール缶内に残留したガスを治具を用いて容易且つ安全に排出することができ、なお且つ、そのような治具を製品の外観を損なうことなく取り付けることを可能としたエアゾール装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る考案は、内容物が収容されたエアゾール缶と、エアゾール缶の上部に取り付けられた固定部材と、固定部材に回動自在に取り付けられた操作部材と、操作部材に設けられた噴射口とを有し、操作部材を回動操作し、噴射位置まで回動された操作部材がエアゾール缶のステムを押圧することによって、当該ステムから噴出された内容物を噴射口から噴射させるエアゾール装置であって、操作部材に着脱自在に装着された治具を備え、エアゾール缶内に残留したガスを排出する際に、治具を操作部材から取り外し、噴射位置まで回動された操作部材と固定部材との間に形成された隙間に当該治具を差し込むことによって、操作部材の回動を規制し、エアゾール缶内に残留したガスを噴射口から連続的に噴射可能としたことを特徴とするエアゾール装置である。
また、請求項2に係る考案は、操作部材が、固定部材にヒンジを介して回動自在に支持された回動アームと、回動アームの先端から回動方向に沿った方向に筒状に形成されたバレル部と、回動アームよりも前方に位置するバレル部の下面から突出されたトリガー部とを有し、噴射口が、バレル部の先端に設けられ、治具が、バレル部の後端に着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項1に記載のエアゾール装置である。
また、請求項3に係る考案は、治具が、バレル部の後端に嵌合されるキャップ部と、キャップ部の外周から突出される鍔部とを有し、固定部材が、ヒンジを介して回動アームを回動自在に支持する一対の支持アームを有し、噴射位置まで回動された回動アームの基端部と、固定部材の一対の支持アームとの間に形成される隙間に、バレル部の後端側から治具の鍔部を差し込むことによって、操作部材の回動が規制されることを特徴とする請求項2に記載のエアゾール装置である。
また、請求項4に係る考案は、鍔部の少なくとも一方の面に係合部が設けられ、回動アームの基端部に、突片が設けられ、隙間に差し込まれた鍔部の係合部に、回動アームの突片が係合されることによって、治具が抜け止めされることを特徴とする請求項3に記載のエアゾール装置である。
また、請求項5に係る考案は、係合部が、鍔部の差込み方向において山部と谷部とを交互に繰り返す凹凸形状を有することを特徴とする請求項4に記載のエアゾール装置である。
以上のように、本考案の請求項1に係るエアゾール装置では、エアゾール缶内に残留したガスを治具を用いて容易且つ安全に排出することが可能であり、なお且つ、そのような治具を製品の外観を損なうことなく操作部材に着脱自在に装着することが可能である。
また、本考案の請求項2に係るエアゾール装置では、操作部材がいわゆるトリガータイプである場合において、エアゾール缶内に残留したガスを治具を用いて容易且つ安全に排出することができ、なお且つ、そのような治具を製品の外観を損なうことなくバレル部の後端に着脱自在に装着することが可能である。
さらに、本考案の請求項3に係るエアゾール装置では、噴射位置まで回動された回動アームの基端部と、固定部材の一対の支持アームとの間に形成される隙間に、治具の鍔部を差し込むことによって、エアゾール缶内に残留したガスを治具を用いて容易且つ安全に排出することができ、なお且つ、治具のキャップ部をバレルの後端に嵌合することによって、製品の外観を損なうことなくバレル部の後端に治具を着脱自在に装着することが可能である。
さらにまた、本考案の請求項4に係るエアゾール装置では、隙間に差し込まれた鍔部の係合部に回動アームの突片が係合されることによって、治具が抜け止めされることから、エアゾール缶内に残留したガスをより安全に排出することが可能である。
さらにまた、本考案の請求項5に係るエアゾール装置では、係合部が鍔部の差込み方向において山部と谷部とを交互に繰り返す凹凸形状を有することで、この係合部に回動アームの突片を確実に係合させて、治具の抜け止めを安定的に行うことが可能である。
以下、本考案を適用したエアゾール装置について、図面を参照して詳細に説明する。
本考案の実施形態として図1に示すエアゾール1は、エアゾール缶2と、このエアゾール缶2の上部に取り付けられた固定部材3と、この固定部材3に回動自在に取り付けられた操作部材4とを備えている。
エアゾール缶2は、例えばスチールやアルミニウム等からなる略円筒状の耐圧容器からなり、この耐圧容器に収容された内容物をガスの圧力を利用して霧状や泡状に噴射することが可能となっている。具体的に、このエアゾール缶2は、図示を省略するものの、その上部中央から突出されてバネにより上方に付勢された状態で上下方向に移動可能に支持されたステムと、このステムをバネの付勢に抗して押し下げることにより開放されるバルブ機構とを有し、ステムを押し下げることによってバルブ機構を開放し、ステムの先端から内容物を噴出することが可能となっている。
なお、エアゾール缶2に収容される内容物は、例えば殺虫剤や忌避剤、殺菌剤、芳香剤、消臭剤などの中から選ばれる有効成分の他に、必要に応じて溶剤や補助剤などを含む原液と、液体ガスや圧縮ガスなどの噴射剤とが充填されたものからなる。
固定部材3は、エアゾール缶2の上部に設けられた巻締め部(図示せず。)に固定されている。また、この固定部材3は、ヒンジ(図示せず。)を介して操作部材4を回動自在に支持する一対の支持アーム5を有している。
操作部材4は、一対の支持アーム5の間でヒンジを介して回動自在に支持された回動アーム6と、回動アーム6の先端から回動方向に沿った方向に略円筒状に形成されたバレル部7と、回動アーム6よりも前方に位置するバレル部7の下面から突出されたトリガー部8とを有している。
回動アーム6の基端側には、一対の支持アーム5の間から突出されたエアゾール缶2のステムと嵌合されるステム嵌合部(図示せず。)が設けられている。また、バレル部7の先端には、噴射口9が設けられている。そして、操作部材4は、この噴射口9とステム嵌合部との間が連通された構造となっている。また、回動アーム6の基端部には、突片10が下方に向かって突出形成されている。
バレル部7の先端側と後端側の上面には、照準器を構成する一対のサイト部11a,11bが突出形成されており、これら一対のサイト部11a,11bによって噴射目標に対して照準を合わせることが可能となっている。
操作部材4には、エアゾール缶2内に残留したガスを排出する際に用いられる治具20が着脱自在に装着されており、使用中に治具20が紛失することを防止している。
具体的に、この治具20は、図1、図2及び図3に示すように、バレル部7の後端に嵌合されるキャップ部21と、このキャップ部21の外周から突出される鍔部22とを有している。このうち、キャップ部21には、バレル部7の後端に嵌合される際に、サイト部10bを逃がすスリット21aが設けられている。一方、鍔部22の両面には、係合部23が設けられている。この係合部23は、鍔部22の差込み方向において山部23aと谷部23bとを交互に繰り返す凹凸形状を有している。
以上のような構造を有するエアゾール装置1では、使用者がエアゾール缶2を把持した状態からトリガー部8を人差し指で引く操作を行うことで、操作部材4が前方に向かって回動操作される。このとき、噴射位置まで回動された操作部材4がエアゾール缶2のステムを押し下げる。これにより、ステムの先端から噴出された内容物を噴射口9から噴射させることが可能となっている。なお、このエアゾール装置1では、トリガー部8を引く操作を解除することで、操作部材4が噴射位置から後方に向かって回動操作されて再び元の位置へと戻り、内容物の噴射が停止される。
ところで、このエアゾール装置1では、上述した治具20を用いることによって、使用済みとなったエアゾール缶2内に残留したガス(内容物)を容易且つ安全に排出することが可能となっている。
具体的に、このエアゾール缶2内に残留したガスを排出する際は、先ず、図4(a)に示すように、治具20を操作部材4から取り外し、上述したトリガー部8を引く操作を行うことによって、操作部材4を噴射位置まで回動させて、このエアゾール装置1を噴射状態とする。
次に、図4(b)に示すように、噴射位置まで回動された回動アーム5の基端部と、固定部材3の一対の支持アーム5との間に形成される隙間Sに、バレル部7の後端側から治具20の鍔部22を差し込む。これにより、操作部材4の回動が規制されるため、図4(c)に示すように、上述したトリガー部8を引く操作を解除しても、エアゾール缶2内に残留したガスは、噴射口4から連続的に噴射されることになる。
また、このエアゾール装置1では、隙間Sに差し込まれた鍔部22の係合部23に、回動アーム5の突片10が係合されることによって、治具20が抜け止めされた状態となっている。そして、残留したガスが抜け切るまでこの状態を安定的に保持することができ、全量噴射後は、このエアゾール装置1を安全に廃棄することが可能となっている。
以上のように、本考案を適用したエアゾール装置1では、エアゾール缶2内に残留したガスを治具20を用いて容易且つ安全に排出することが可能であり、なお且つ、そのような治具20を製品の外観を損なうことなく操作部材4に着脱自在に装着することが可能である。
また、このエアゾール装置1では、係合部23が鍔部22の差込み方向において山部23aと谷部23bとを交互に繰り返す凹凸形状を有することで、この係合部23に回動アーム6の突片10を確実に係合させて、治具20の抜け止めを安定的に行うことが可能である。また、このような係合部22を鍔部22の両面に設けることで、鍔部22の上下どちらの面を突片10側に向けた状態で隙間Sに差し込んでも、治具20の抜け止めを確実に行うことが可能である。なお、上記係合部22は、鍔部22の両面に設けた構成に必ずしも限定されるものではなく、鍔部22の一方の面のみに設けた構成とすることも可能である。
図1は、本考案を適用したエアゾール装置の一例を示す斜視図である。 図2は、エアゾール装置の治具を取り外した状態を示す斜視図である。 図3(a)は、治具を一方の側から見た斜視図、図3(b)は、治具を他方の側から見た斜視図である。 図4は、残留ガスの排出操作を説明するための図であり、(a)は、治具を隙間に差し込む前の状態、(b)は、治具を隙間に差し込んだ状態、(c)は、残留ガスが排出された状態を示す斜視図である。
符号の説明
1…エアゾール装置 2…エアゾール缶 3…固定部材 4…操作部材 5…支持アーム 6…回動アーム 7…バレル部 8…トリガー部 9…噴射口 10…突片 11a,11b…一対のサイト部 20…治具 21…キャップ部 21a…スリット 22…鍔部 23…係合部 23a…山部 23b…谷部 S…隙間

Claims (5)

  1. 内容物が収容されたエアゾール缶と、前記エアゾール缶の上部に取り付けられた固定部材と、前記固定部材に回動自在に取り付けられた操作部材と、前記操作部材に設けられた噴射口とを有し、前記操作部材を回動操作し、噴射位置まで回動された操作部材が前記エアゾール缶のステムを押圧することによって、当該ステムから噴出された内容物を前記噴射口から噴射させるエアゾール装置であって、
    前記操作部材に着脱自在に装着された治具を備え、前記エアゾール缶内に残留したガスを排出する際に、前記治具を前記操作部材から取り外し、前記噴射位置まで回動された操作部材と前記固定部材との間に形成された隙間に当該治具を差し込むことによって、前記操作部材の回動を規制し、前記エアゾール缶内に残留したガスを前記噴射口から連続的に噴射可能としたことを特徴とするエアゾール装置。
  2. 前記操作部材は、前記固定部材にヒンジを介して回動自在に支持された回動アームと、前記回動アームの先端から回動方向に沿った方向に筒状に形成されたバレル部と、前記回動アームよりも前方に位置するバレル部の下面から突出されたトリガー部とを有し、
    前記噴射口は、前記バレル部の先端に設けられ、
    前記治具は、前記バレル部の後端に着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項1に記載のエアゾール装置。
  3. 前記治具は、前記バレル部の後端に嵌合されるキャップ部と、前記キャップ部の外周から突出される鍔部とを有し、
    前記固定部材は、前記ヒンジを介して前記回動アームを回動自在に支持する一対の支持アームを有し、
    前記噴射位置まで回動された回動アームの基端部と、前記固定部材の一対の支持アームとの間に形成される隙間に、前記バレル部の後端側から前記治具の鍔部を差し込むことによって、前記操作部材の回動が規制されることを特徴とする請求項2に記載のエアゾール装置。
  4. 前記鍔部には、少なくとも一方の面に係合部が設けられ、
    前記回動アームの基端部には、突片が設けられ、
    前記隙間に差し込まれた鍔部の係合部に、前記回動アームの突片が係合されることによって、前記治具が抜け止めされることを特徴とする請求項3に記載のエアゾール装置。
  5. 前記係合部は、前記鍔部の差込み方向において山部と谷部とを交互に繰り返す凹凸形状を有することを特徴とする請求項4に記載のエアゾール装置。
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