JP3138251U - 容器用蓋 - Google Patents
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Abstract
【課題】容器を容易に密閉することができると共に、容器から容易に取り外すことができる容器用蓋を提供する。
【解決手段】シリコン製の盤状蓋本体2に設けられた取付孔15に、その板厚方向に貫通する複数の気道溝19を形成すると共に、取付孔15に内嵌する嵌着部22を備えたシリコン製の把手体3が、取付孔15の孔周縁を表裏から支持する表側支持部23と裏側支持部21とを備え、表側支持部23が気道溝19の溝表端19aを被覆し且つ裏側支持部21が気道溝19の溝裏端19bを遮蔽しないようにしてなる構成である。容器内を密閉した後に、把手体3の掴み部24を掴んで引き上げることにより、表側支持部23と取付孔15の孔周縁との間に隙間が生じて、気道溝19により容器内外を連通し、容器用蓋1と容器との密着性を低減でき、比較的容易に容器用蓋1を取り外すことができる。
【選択図】図2
【解決手段】シリコン製の盤状蓋本体2に設けられた取付孔15に、その板厚方向に貫通する複数の気道溝19を形成すると共に、取付孔15に内嵌する嵌着部22を備えたシリコン製の把手体3が、取付孔15の孔周縁を表裏から支持する表側支持部23と裏側支持部21とを備え、表側支持部23が気道溝19の溝表端19aを被覆し且つ裏側支持部21が気道溝19の溝裏端19bを遮蔽しないようにしてなる構成である。容器内を密閉した後に、把手体3の掴み部24を掴んで引き上げることにより、表側支持部23と取付孔15の孔周縁との間に隙間が生じて、気道溝19により容器内外を連通し、容器用蓋1と容器との密着性を低減でき、比較的容易に容器用蓋1を取り外すことができる。
【選択図】図2
Description
本考案は、容器の開口縁に密着して該容器を密閉するための容器用蓋に関するものである。
一般的に、椀や皿などの容器で食品を保存する場合には、所定のフィルムにより密閉するようにしている。このフィルムは、ロール状に巻き付けられた状態から容器の大きさに応じて切り取られて使用され、使用後は破棄されてしまう。一方、このようなフィルムの他に、前記容器の開口縁に密着するようにした、シリコン製の円形シート状からなる蓋が提案されている(例えば、特許文献1)。かかる蓋にあっては、容器の開口縁上に置くことにより密閉できるため、比較的容易に食品などを保存することができる。また、繰り返し使用することもできる。
上記したシリコン製の蓋(特許文献1)にあっては、比較的柔軟な弾性材であるシリコン材料から形成されている。この蓋を、容器の開口縁を閉鎖するように設置すれば、その自重により撓み、容器内部に負圧が生じて開口縁と密着する。また、容器の開口縁を閉鎖するように設置し、さらに押し込むことによって、容器内部に強制的に負圧を生じさせて、開口縁との密着性を高めることもできる。この蓋には、その外周端に凸耳が形成されており、この凸耳を抓んで引き上げることにより、容器から取り外すことができるようになっている。
特開2006−160372号公報
上記した従来構成の蓋(特許文献1)にあっては、シリコン材料が良好な断熱性を有していることから、例えば、温かい食品を容器に保存する場合には、良好な保温効果も発揮される。ところが、比較的高い温度の食品を容器に保存するために、この従来構成の蓋により容器を密閉した場合、当該蓋を取り外す際にその凸耳を抓んで引き上げたときに、容器内で保温されていた熱気が流出する。このときに、容器内から流出した熱気が、凸耳を抓んでいる指に直接的にかかるために、誤って容器を倒してしまったり、食品を零してしまうこと等が懸念される。また、高温の食品が保存されている場合には、凸耳を抓んでいる指を火傷してしまうことも懸念される。そのため、蓋の外周端に設けた凸耳以外に、当該蓋を開けるための構成を有するものが求められている。
尚、上記した従来構成の蓋(特許文献1)には、その中央部分に抓み部が設けられているが、蓋と容器との密着性が極めて高いために、この抓み部は、容器に蓋をしたままの状態で持ち運ぶためのものとなっている。そして、この抓み部を抓んで蓋を開けるためには、容器と蓋とを引き剥がすために強力な力を要するため、容器を落としたり倒したりして破損してしまうことや、容器内の食品を零してしまう等の恐れがある。
本考案は、上記した問題点を解決し、例え、高い温度の食品を保管した場合にも、安全かつ容易に開けることができる容器用蓋を提供する。
本考案は、容器の開口縁に密着するシリコン製の盤状蓋本体と、該盤状蓋本体の中央に取り付けられて表方へ突出するシリコン製の把手体とを備えてなる、容器を密閉するための容器用蓋であって、盤状蓋本体は、その中央に設けられた、把手体を嵌合する取付孔と、該取付孔の孔内面に形成された、板厚方向に貫通する複数の気道溝とを備えてなり、把手体は、各気道溝の溝裏端を遮蔽しないように、盤状蓋本体の取付孔の孔周縁を裏側から支持する裏側支持部と、該裏側支持部から表方へ連成された、取付孔に内嵌する嵌着部と、該嵌着部から表方へ連成された、取付孔の孔周縁を表側から支持して各気道溝の溝表端を被覆する表側支持部と、該表側支持部から表方へ延成された掴み部とからなるものであることを特徴とする容器用蓋である。
かかる構成にあっては、容器の開口縁に密着して該容器内を密閉した後に開放する際に、把手体の掴み部を掴んで引き上げることにより、比較的容易に容器から取り外すことができるものである。詳述すると、容器用蓋の把手体を引き上げると、把手体の表側支持部と盤状蓋本体の取付孔の孔周縁との間に隙間が生じ、気道溝により容器内外が連通する。これにより、容器内外の圧力差が低減し、容器と当該容器用蓋との密着性を低減できるため、容器用蓋を比較的容易に取り外すことができ得る。尚、この把手体の掴み部を引き上げる際に、横方向に曲げるように動かすと、取付孔の孔周縁との間に隙間を生じ易くなるため、一層容易に取り外すことができる。このように容器用蓋は、その中央に設けた把手体の掴み部を掴んで取り外すことができるため、例え、比較的高温の食品を保存している場合にあっても、容器内から流出した熱気が指に直接的にかからず、該熱気によって指を火傷したり、容器を倒してしまうこと等を生じない。
尚、把手体の裏側支持部にあっては、各気道溝の溝裏端を遮蔽しないようにすればよく、部分的に覆う構成や全く覆わない構成のいずれとすることもできる。
上述した容器用蓋にあって、盤状蓋本体の取付孔に設けられた複数の気道溝は、その溝表端に比して溝裏端を側方へ延出した構成をなし、且つ、該溝裏端が、把手体の裏側支持部から側方へはみ出るように形成してなるものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、気道溝を、その溝表端の側方への長さを短くし、且つ溝裏端の側方への長さを長くするようにしたものであり、表側支持部により溝表端を被覆し、さらに、裏側支持部により溝裏端を遮蔽しないように設ける構成となる。そのため、上述したように、把手体を引き上げることにより、表側支持部と取付孔の孔周縁との間に隙間を生じれば、気道溝が容器内外に連通する。
上述した容器用蓋にあって、把手体が、表裏いずれか一端を閉じた中空柱状をなすものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、中空柱状の掴み部を掴むことにより、押し潰したり、折り曲げたりする等の変形を容易に生じさせ得る。そのため、把手体の表側支持部と盤状蓋本体の取付孔の孔周縁との間に、隙間が一層容易に生じ易く、当該容器用蓋の密着性を低減する効果に優れる。尚、中空柱状の把手体の一端が閉じているため、容器を密閉できる。
ここで、中空柱状の把手体としては、円筒形状や、横断面を三角形や四角形等の多角形の枠形状としてなる構成とすることができる。また、長手方向で横断面形状が異なる中空柱状とすることも可能である。
上述した容器用蓋にあって、把手体が、その裏側支持部を、表側支持部に比して厚肉に形成してなるものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、把手体の掴み部を掴んで引き上げる際に、裏側支持部により盤状蓋本体を持ち上げることとなるため、当該裏側支持部を厚肉形状として剛性と強度とを確保することにより、容易かつ安定して盤状蓋本体を支えて持ち上げることができる。尚、表側支持部は、裏側支持部より薄肉形状であることから、把手体の掴み部を引き上げる際に変形し易くなっており、上述したように、表側支持部と盤状蓋本体の取付孔の孔周縁との間に、隙間を容易に生じ易くなっている。
上述した容器用蓋にあって、盤状蓋本体が、把手体を取り付ける取付孔が設けられた所定板厚の中央円盤部と、該中央円盤部から側方へ延成されて、容器の開口縁と密着する、中央円盤部に比して薄肉の円環状易変形盤部とを備えてなるものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、中央円盤部に比して円環状易変形盤部が弾性変形し易いことから、容器の開口縁に設置した際に、中央円盤部の自重により円環状易変形盤部が撓み易く、容器内に負圧を生じて充分に密着することができる。また、中央円盤部の剛性が高いことから、把手体の掴み部を引張った場合に、裏側支持部により中央円板部を安定して支持して引き上げることができる。そして、把手体の表側支持部と、中央円盤部の取付孔の孔周縁との間に隙間を生じ易く、密着性を低減する効果に優れる。また、盤状蓋本体が円形であることから、円形の開口縁の容器だけでなく、多角形の開口縁を有する容器にあっても、該開口縁と安定して密着することができる。特に、円形状の開口縁を有する容器に用いることにより、該開口縁に亘って均等に密着することができ、このような容器に好適に用い得る。
上述した容器用蓋にあって、盤状蓋本体が、その中央から外周端に向かって裏方へ緩やかに湾曲する形状をなすものである構成が提案される。
かかる構成にあっては、比較的柔軟なシリコン製の盤状蓋本体の強度と剛性とを向上することができ、その形態を安定して保持する作用に優れ、長期間に渡って容器を密閉する作用を安定して発揮できる。また、容器の開口縁との接触面積を、該開口縁の幅方向に狭くすることができるため、当該容器用蓋と容器の開口縁とが過剰に密着してしまうことを抑制することができ得る。
本考案は上述したように、シリコン製の盤状蓋本体に設けられた取付孔に、その板厚方向に貫通する複数の気道溝を形成すると共に、該取付孔に内嵌する嵌着部を備えたシリコン製の把手体が、取付孔の孔周縁を表裏から夫々に支持する表側支持部と裏側支持部とを備えてなり、表側支持部が気道溝の溝表端を被覆し且つ裏側支持部が気道溝の溝裏端を遮蔽しないようにしてなる構成である。かかる構成によれば、容器内を密閉した後に、把手体の掴み部を掴んで引き上げることにより、表側支持部と取付孔の孔周縁との間に隙間が生じて、気道溝により容器内外を連通する。これにより、容器用蓋と容器との密着性を低減でき、比較的容易に容器用蓋を取り外すことができる。したがって、例えば、比較的高温の食品を保存している場合にあっても、容器内から流出する熱気に触れることなく、容器用蓋を容易に取り外すことができる。
上述した容器用蓋にあって、盤状蓋本体の取付孔に設けられた複数の気道溝は、その溝表端に比して溝裏端を側方へ延出した構成をなし、且つ、該溝裏端が、把手体の裏側支持部から側方へはみ出るように形成してなる構成とした場合には、把手体の掴み部を引っ張り上げて表側支持部と取付孔の孔周縁との間に隙間を生じれば、気道溝により安定かつ充分に容器内外を連通することができるため、上述した本発明の作用効果を一層適正に発揮し得る。
上述した容器用蓋にあって、把手体が、表裏いずれか一端を閉じた中空柱状をなす構成とした場合には、掴み部を押し潰したり折り曲げたりする等の変形を容易に生じさせ得るため、これら変形によって、表側支持部と取付孔の孔周縁との間に隙間を一層容易に生じ易く、上述した本発明の作用効果を一層適正に発揮し得る。
上述した容器用蓋にあって、把手体が、その裏側支持部を、表側支持部に比して厚肉に形成してなる構成とした場合には、裏側支持部の剛性と強度が充分に確保されるため、把手体を引っ張り上げることにより、盤状蓋本体を容易かつ安定して支持して持ち上げることができ得る。
上述した容器用蓋にあって、盤状蓋本体が、把手体を取り付ける取付孔が設けられた所定板厚の中央円盤部と、該中央円盤部から側方へ延成されて、容器の開口縁と密着する、中央円盤部に比して薄肉の円環状易変形盤部とを備えてなる構成とした場合には、円環状易変形盤部が撓み易く、容器の開口縁に充分に密着することができると共に、中央円盤部の剛性が高いことから、裏側支持部により一層安定して支持することができる。また、盤状蓋本体が円形であるため、開口縁が円形や多角形である様々な容器に用いても、該開口縁と安定して密着することができ得る。
上述した容器用蓋にあって、盤状蓋本体が、その中央から外周端に向かって裏方へ緩やかに湾曲する形状をなす構成とした場合には、当該盤状蓋本体の強度と剛性とを向上でき、その形態が安定するため、容器を密閉する作用を長期に渡って安定して維持できる。また、容器の開口縁との接触面積を狭くできるため、過剰な密着を抑制でき得る。
本考案の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
図1に、本実施例の容器用蓋1の平面図を示し、図2に、該容器用蓋1の縦断面図を示す。この容器用蓋1は、円盤状の盤状蓋本体2と、中空円筒形状の把手体3とから構成されてなる。そして、盤状蓋本体2および把手体3とは、シリコン製のものであり、比較的柔軟に弾性変形すると共に、良好な断熱性を有している。
図1に、本実施例の容器用蓋1の平面図を示し、図2に、該容器用蓋1の縦断面図を示す。この容器用蓋1は、円盤状の盤状蓋本体2と、中空円筒形状の把手体3とから構成されてなる。そして、盤状蓋本体2および把手体3とは、シリコン製のものであり、比較的柔軟に弾性変形すると共に、良好な断熱性を有している。
尚、容器用蓋1の表裏としては、容器を密閉する際に、該容器に向いた方を裏とし、反対に向いた方を表とする。また、この表方が外方である。また、容器用蓋1の中心軸線(図示省略)に対してその周囲に拡がっていく方向が側方である。
容器用蓋1を構成する盤状蓋本体2は、図1,2のように、中央に円形の取付孔15が設けられた中央円盤部11と、該中央円盤部11から側方へ延出された円環状易変形盤部12とからなる。ここで、円環状易変形盤部12は、中央円盤部11に比して薄肉に形成されており、比較的容易に弾性変形し易くなっている。尚、本実施例にあっては、中央円盤部11の板厚を約3.5mm、円環状易変形盤部12の板厚を約1.8mmとしている。
この盤状蓋本体2は、その中央円盤部11および円環状易変形盤部12が平板形状とした構成である。これにより、容器の開口縁が多角形状の場合にも、当該開口縁に均等に密着することができる。
盤状蓋本体2の中央円盤部11に設けられた取付孔15は、その孔内面(図示省略)に、中央円盤部11を板厚方向に貫通するように気道溝19が設けられている。この気道溝19は、取付孔15の周方向に沿って均等間隔で四つ形成されている。各気道溝19は、図3のように、盤状蓋本体2の表面に開口する溝表端19aに比して、裏面に開口する溝裏端19bが側方へ延出しているように設けられている。そして、溝表端19aから溝裏端19bに至って側方へ傾斜する形状となっている。
一方、把手体3は、円筒形状の中空柱状をなし、その表端部が閉鎖されている。そして、把手体3の裏端部には、側方へ延出してなる円環状の裏側支持部21が設けられており、さらに、取付孔15に内嵌する嵌着部22が、裏側支持部21から表方へ連成して設けられている。嵌着部22の直上には、側方へ延出してなる円環状の表側支持部23が連成されており、この表側支持部23と裏側支持部21との間に形成された嵌着部22は、その長さが、盤状蓋本体2の中央円盤部11の板厚とほぼ等しくなるように設定している。さらに、この表側支持部23から表方に、掴み部24が延成されており、該掴み部24の表端部が閉鎖されている。このように把手体3は、掴み部24、表側支持部23、嵌着部22、裏側支持部21の順で、表裏方向に連成されてなる構成となっている。
ここで、把手体3の表側支持部23は、当該把手体3を盤状蓋本体2に取り付けた状態で、取付孔15の孔周縁(図示省略)を表側から支持すると共に、各気道溝19の溝表端19aを被覆するように形成されている。すなわち、表側支持部23は、嵌着部22から側方へ突出する長さが、気道溝19の溝表端19aの側方への長さに比して長くなるように設定している。これに対して、裏側支持部21は、把手体3を取り付けた状態で、取付孔15の孔周縁を裏側から支持すると共に、各気道溝19の溝裏端19bの孔寄り部位のみを覆い、該溝裏端19bの側端部を被覆しないようになっている。すなわち、裏側支持部23は、嵌着部22から側方へ突出する長さが、気道溝19の溝裏端19bの側方への長さに比して短くなっている。このように、各気道溝19では、その溝裏端19bが常に開放されている。
また、把手体3は、その裏側支持部21を、その長手方向に沿った板厚が、表側支持部23に比して厚肉となるように設けられている。これにより、裏側支持部21が高い剛性を有している。
上述した把手体3を、その嵌着部22が取付孔15に嵌合するように、盤状蓋本体2に取り付けて、本考案の容器用蓋1を構成する。ここで、把手体3は、盤状蓋本体2の取付孔15の孔周縁を、表側支持部23と裏側支持部21とにより挟持している。これにより、容器用蓋1は、把手体3の掴み部24を掴んで持ち運びできる。
このような容器用蓋1は、容器を覆うようにその開口縁上に、盤状蓋本体2の円環状易変形盤部12を設置すると、中央円盤部11の自重により容器内に負圧が生じて、開口縁と円環状易変形盤部12とが密着する。これにより、容器用蓋1は容器を密閉する。尚、中央円盤部11や把手体3を押し込むことにより、容器内に強制的に負圧を生じさせることでも、円環状易変形盤部12と容器の開口縁とを密着することができる。このように容器用蓋1で容器を密閉することにより、容器内の食品を保存することができる。尚、この容器用蓋1は、上記したように断熱性を有するシリコン製であるため、容器内で保存する食品の保温性にも優れている。
その後、容器用蓋1を取り外す場合にあっては、把手体3の掴み部24を掴み、例えば、該掴み部24を扁平して横方向に屈曲し、引っ張り上げることにより、比較的容易に容器から取り外すことができる。詳述すれば、図4(A)のように、容器用蓋1が密閉されている状態では、該容器用蓋1に設けられた四つの気道溝19は、把手体3の表側支持部23により被覆されており、容器内外を遮断している。図4(B)のように、把手体3の掴み部24を掴み、扁平して横方向に屈曲する。これは、上記のように、把手体3が中空円筒形状を成しており、比較的容易に弾性変形可能となっているからである。このように掴み部24を扁平して屈曲することにより、表側支持部23にも弾性変形が生じ、該表側支持部23と取付孔15の孔周縁との間に隙間が生ずる。そのため、気道溝19の溝表端19aが外部と連通し、気道溝19を介して、容器の内外が連通することから、容器内外の圧力差が減少し、当該容器用蓋1と容器の開口縁との密着性が低減する。そして、把手体3を引っ張り上げることにより、当該容器用蓋1を容易かつ安定して取り外すことができる。
尚ここで、容器用蓋1が、容器を密閉している状態では、容器の開口縁と過剰に密着している。そのため、例えば、上述した従来構成の蓋では、その抓み部を抓んで持ち運ぶことができるが、該抓み部を抓んで容器から取り外すことは、極めて困難である。これに対して本構成の容器用蓋1にあっては、把手体3を掴んで引っ張り上げる際に、該把手体3を取り付けた取付孔15に設けられた気道溝19を容器内外で連通することによって、前記した過剰な密着を緩和する。そのため、把手体3を掴んで取り外すことができる。
このように本構成の容器用蓋1にあっては、容器を密閉した状態で、把手体3を掴んで変形して引っ張りあげることにより、容器から取り外すことができるため、例えば、比較的高い温度の食品を保温している場合にも、容器内の熱気が直接的に指に触れることを防ぎ得る。そのため、容器内の熱気によって、容器を倒してしまったり、火傷したりする等を生じない。
また、本構成の容器用蓋1は、容器を密閉した状態では把手体3の表側支持部23により各気道溝19の溝表端19aが遮蔽されていることから、容器の密閉状態が保たれる。
上述した実施例にあっては、盤状蓋本体2の取付孔15に四つの気道溝19を設けた構成であるが、この気道溝19は、二つ、三つ、五つなどの複数個形成することもできる。気道溝19をいずれの個数形成する場合にあっても、取付孔15の周方向に沿って均等間隔で設ける構成が好適である。また、気道溝としては、上述した実施例のように横断面が長方形状とした構成だけでなく、横断面を台形状、半円形状、半楕円形状などとすることも可能である。さらにまた、気道溝は、その溝表端に比して溝裏端を細形状とした構成が好適である。溝裏端は溝表端よりも側方へ延出していることから、中央円盤部の孔周縁は表側に比して裏側の剛性が低下する傾向にある。そのため、前記のように溝裏端を細形状とすることにより、中央円盤部の孔周縁の剛性を向上するという利点が生ずる。
また、上述した実施例にあっては、盤状蓋本体2を平板形状とした構成であるが、その他の構成として、中央から外周端に緩やかに湾曲する形状とした構成とすることもできる。また、中央から外周端に傾斜する形状とした構成としてもよい。
また、上述した実施例にあっては、盤状蓋本体2の中央円盤部11の板厚を約3.5mmとし、円環状易変形盤部12の板厚を約1.8mmとした構成であるが、これら各板厚は適宜変更可能である。ここで、円環状易変形盤部12の板厚としては、1mm以上且つ2mm未満とする構成が好適であり、中央円盤部11の板厚としては、円環状易変形盤部12の板厚よりも厚く且つ7mm以下とする構成が好適である。
また、上述した実施例にあっては、盤状蓋本体2の中央円盤部11と円環状易変形盤部12とを備えた構成であるが、盤状蓋本体が多角形状の中央盤部と多角形状の易変形盤部とを備えた構成とすることもできる。これら多角形状の中央盤部や多角形状の易変形盤部としては、蓋として使用するための対象となる容器の形状に応じて、三角形や四角形など適宜設定することができる。そして、容器の開口縁の形状に合わせて、中央盤部や易変形盤部の形状を設定することが好適である。尚、中央盤部と易変形盤部の形状とを異なる形状とすることも可能である。
また、上述した実施例にあっては、盤状蓋本体2の中央円盤部11に円形の取付孔15を備えた構成であるが、該取付孔は円形の他に四角形や五角形などの多角形とすることも可能である。
また、上述した実施例にあっては、把手体3を円筒形状とした構成であるが、その他の構成として、例えば、横断面を三角形の枠形状や四角形の枠形状などの多角形の枠形状とした中空柱状とした構成とすることもできる。また、外形状を多角形状とし、その内部に円形の中空域をなす構成とすることもでき得る。また、把手体の長手方向で、横断面の形状が異なるようにした中空形状とすることも可能である。さらには、把手体の掴み部を湾曲した形状とすることもできる。
尚、本考案は、上記実施例の形態に限定されるものではなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、盤状蓋本体の円環状易変形盤部の外周端の一部分に、側方へ延成してなる突出耳部を設ける構成とすることもできる。この場合には、突出耳部を掴んで、当該容器用蓋を取り外すことも可能である。
1 容器用蓋
2 盤状蓋本体
3 把手体
11 中央円盤部
12 円環状易変形盤部
15 取付孔
19 気道溝
19a 溝表端
19b 溝裏端
21 裏側支持部
22 嵌着部
23 表側支持部
24 掴み部
2 盤状蓋本体
3 把手体
11 中央円盤部
12 円環状易変形盤部
15 取付孔
19 気道溝
19a 溝表端
19b 溝裏端
21 裏側支持部
22 嵌着部
23 表側支持部
24 掴み部
Claims (6)
- 容器の開口縁に密着するシリコン製の盤状蓋本体と、該盤状蓋本体の中央に取り付けられて表方へ突出するシリコン製の把手体とを備えてなる、容器を密閉するための容器用蓋であって、
盤状蓋本体は、その中央に設けられた、把手体を嵌合する取付孔と、該取付孔の孔内面に形成された、板厚方向に貫通する複数の気道溝とを備えてなり、
把手体は、各気道溝の溝裏端を遮蔽しないように、盤状蓋本体の取付孔の孔周縁を裏側から支持する裏側支持部と、該裏側支持部から表方へ連成された、取付孔に内嵌する嵌着部と、該嵌着部から表方へ連成された、取付孔の孔周縁を表側から支持して各気道溝の溝表端を被覆する表側支持部と、該表側支持部から表方へ延成された掴み部とからなるものであることを特徴とする容器用蓋。 - 盤状蓋本体の取付孔に設けられた複数の気道溝は、その溝表端に比して溝裏端を側方へ延出した構成をなし、且つ、該溝裏端が、把手体の裏側支持部から側方へはみ出るように形成してなるものであることを特徴とする請求項1に記載の容器用蓋。
- 把手体が、表裏いずれか一端を閉じた中空柱状をなすものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の容器用蓋。
- 把手体が、その裏側支持部を、表側支持部に比して厚肉に形成してなるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の容器用蓋。
- 盤状蓋本体が、把手体を取り付ける取付孔が設けられた所定板厚の中央円盤部と、該中央円盤部から側方へ延成されて、容器の開口縁と密着する、中央円盤部に比して薄肉の円環状易変形盤部とを備えてなるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の容器用蓋。
- 盤状蓋本体が、その中央から外周端に向かって裏方へ緩やかに湾曲する形状をなすものであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の容器用蓋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007007845U JP3138251U (ja) | 2007-10-12 | 2007-10-12 | 容器用蓋 |
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JP2007007845U JP3138251U (ja) | 2007-10-12 | 2007-10-12 | 容器用蓋 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3138251U true JP3138251U (ja) | 2007-12-27 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011079545A (ja) * | 2009-10-07 | 2011-04-21 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ケース |
JP2015105058A (ja) * | 2013-12-02 | 2015-06-08 | 株式会社タケヒロ | デッキボードの把手構造 |
-
2007
- 2007-10-12 JP JP2007007845U patent/JP3138251U/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011079545A (ja) * | 2009-10-07 | 2011-04-21 | Asahi Kasei E-Materials Corp | ケース |
JP2015105058A (ja) * | 2013-12-02 | 2015-06-08 | 株式会社タケヒロ | デッキボードの把手構造 |
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