JP3137851B2 - 相対角度検出装置 - Google Patents

相対角度検出装置

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JP3137851B2
JP3137851B2 JP06305114A JP30511494A JP3137851B2 JP 3137851 B2 JP3137851 B2 JP 3137851B2 JP 06305114 A JP06305114 A JP 06305114A JP 30511494 A JP30511494 A JP 30511494A JP 3137851 B2 JP3137851 B2 JP 3137851B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、相対角度検出装置に係
わり、特に、コンピュータやゲーム装置等の被制御型画
像表示装置の本体側に配置された光源と、携帯用入力装
置側に配置された分割受光素子との相対角度を検出し、
その検出結果を被制御型画像表示装置の表示部に表示す
る相対角度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータやゲーム装置等の被制御型
画像表示装置の本体側に光源を、携帯用入力装置側に分
割受光素子をそれぞれ配置し、本体側の光源の光を入力
装置側の分割受光素子で受光し、分割受光素子に得られ
る電気信号に基づき、光源と分割受光素子との相対角
度、即ち、被制御型画像表示装置と携帯用入力装置との
相対角度を検出し、その検出結果を被制御型画像表示装
置の表示部に表示する相対角度検出装置は、本件出願の
出願人と同じ出願人により既に提案されている。
【0003】図6は、前記提案に係わる相対角度検出装
置の構成の一例を示すブロック構成図であり、図7は、
図6に図示の相対角度検出装置に用いられる分割受光素
子の構成を示す正面図である。
【0004】図6及び図7において、被制御型画像表示
装置(例えば、コンピュータ)51は、画像を表示する
CRT(表示部)53と、CRT53の周縁部、例え
ば、その上側に配置された光源52と、光信号受信部5
4とを備えている。携帯用入力装置55は、全体形状が
細長い直方体型のもので、前面に検出部(図番なし)が
設けられる。検出部は、例えば、フォトダイオードから
なる4分割受光部56a乃至56dを備えた分割受光素
子56と、分割受光素子56の前面側にそれぞれ配置さ
れ、矩形状開口を有する絞り部(図示なし)及び可視光
カットフィルタ(同じく図示なし)とで構成されてい
る。4分割受光部56a乃至56dにおいて、受光部5
6bと56dはそれらの出力電流が加算されるように電
流・電圧(I−V)変換器57aに接続され、受光部5
6aと56cはそれらの出力電流が加算されるように電
流・電圧(I−V)変換器57bに接続される。また、
受光部56aと56bはそれらの出力電流が加算される
ように電流・電圧(I−V)変換器57cに接続され、
受光部56cと56dはそれらの出力電流が加算される
ように電流・電圧(I−V)変換器57dに接続され
る。各I−V変換器57a乃至57dの出力は、各別に
1回路4接点の切換スイッチ58の固定接点端子側に接
続される。切換スイッチ58は、スイッチ切換制御器5
9の制御によって接点の切換が行われるもので、切換ス
イッチ58の可動接点端子は、可変利得増幅器60、バ
ンドパスフィルタ(BPF)回路61、サンプル・ホー
ルド(S/H)回路62、アナログ・デジタル(A/
D)変換器63をそれぞれ介して制御部64に接続され
る。また、BPF回路61の出力は、移相回路65、ト
リガパルス形成回路66をそれぞれ介して同期回路67
に接続されるとともに、波形整形回路68を介してスイ
ッチ切換制御器59に接続される。同期回路67は、ス
イッチ切換制御器59、S/H回路62、制御部64に
それぞれ接続される。制御部64は、スイッチ切換制御
器59及び光信号送信部69にそれぞれ接続される。
【0005】また、X、Y、Zの直角3次元座標で表さ
れる3方向について、携帯用入力装置55の長さ方向を
Z軸方向とし、このZ軸に直交する2つの方向をそれぞ
れX軸方向及びY軸方向とすれば、図7に示されるよう
に、分割受光素子56を構成する4分割受光部56a乃
至56dは、受光部56aと56b、受光部56c及び
56dがそれぞれX軸方向に並ぶように配置され、か
つ、受光部56aと56c、受光部56bと56dがY
軸方向に並ぶように配置されている。
【0006】前記構成による相対角度検出装置は、概
要、次のように動作する。
【0007】いま、操作者が携帯用入力装置55を手に
持ち、検出部側をCRT53の方向(光源52の方向)
に向けると、光源52から発せられた周波数fの赤外領
域の参照光は、携帯用入力装置55の検出部に入射され
る。入射された参照光は、まず、可視光カットフィルタ
(図示なし)で可視光成分が除かれ、次に、絞り部(図
示なし)で光入射量が調整された後、分割受光素子56
を構成する4分割受光部56a乃至56dに照射され
る。このとき、4分割受光部56a乃至56dには、図
7に示されるように、矩形状スポット光αが照射され、
4分割受光部56a乃至56dからスポット光αの照射
面積に対応した電流出力ILU、IRU、ILD、IRDが出力
される。なお、これらの電流出力ILU、IRU、ILD、I
RDは、いずれも、参照光の主要成分である周波数fを含
んでいる。次いで、これらの電流出力ILU、IRU
LD、IRDは、Y軸方向に配置の1組の受光部56aと
56cとで得られた電流出力の和(IRU+IRD)がI−
V変換器57aに、同じくY軸方向に配置の他の1組の
受光部56bと56dとで得られた電流出力の和(ILU
+ILD)がI−V変換器57bに、X軸方向に配置の1
組の受光部56aと56bとで得られた電流出力の和
(ILU+IRU)がI−V変換器57cに、同じくX軸方
向に配置の他の1組の受光部56cと56dとで得られ
た電流出力の和(ILD+IRD)がI−V変換器57dに
それぞれ供給される。各I−V変換器57a乃至57d
は、入力電流を出力電圧に変換し、それぞれ、チャネル
1乃至チャネル4に受光出力電圧V1乃至V4を発生さ
せる。続いて、受光出力電圧V1乃至V4は切換スイッ
チ58に供給されるが、このとき、切換スイッチ58
は、制御部64から供給される切換信号に応答動作する
スイッチ切換制御器59により、可動接点が所定周期で
チャネル1、チャネル2、チャネル3、チャネル4、チ
ャネル1、チャネル2、… … …の順に切換えられる
ので、受光出力電圧V1乃至V4は切換スイッチ58に
おいて時分割的に選択され、切換スイッチ58の出力は
受光出力電圧V1乃至V4を時分割的に順に選択した時
分割出力電圧になる。次に、この時分割出力電圧は、可
変利得増幅器60において、制御部64から供給される
利得制御電圧に応じた利得で増幅され、次いで、BPF
回路61において、周波数f以外の不要な周波数成分が
除去された後、S/H回路62に供給される。
【0008】また、BPF回路61の周波数fの出力電
圧は、移相回路65において、45度だけ進相され、周
波数fの進相出力電圧をトリガパルス形成回路66に供
給する。トリガパルス形成回路66は、周波数fの進相
出力電圧を波形整形してトリガパルスを形成させ、この
トリガパルスを同期回路66に供給する。トリガパルス
は、切換スイッチ58においてチャネル切換えが行われ
た後、周波数fの出力電圧の8周期が経過した後の9周
期目に発生するもので、具体的には、周波数fの進相出
力電圧が負方向から正方向にゼロ交差する時点に立ち上
り、BPF回路61の周波数fの出力電圧のピーク電圧
の到来時に立ち下がるトリガパルスである。さらに、B
PF回路61の周波数fの出力電圧は、波形整形回路6
8において、矩形波パルスに変換された基準信号とな
り、この基準信号はスイッチ切換制御器59に供給され
る。
【0009】一方、スイッチ切換制御器59は、内蔵の
カウンタ(図示なし)によって、切換スイッチ58にお
いてチャネル切換えが行われた後、波形整形回路68か
ら順次供給される基準信号をカウントする。このとき、
スイッチ切換制御器59は、カウンタのカウント値が9
になったときに立ち上り、カウント値が10になったと
きに立ち下がる許可パルスを発生し、同期回路67に供
給する。
【0010】同期回路67は、主に、ANDゲート等の
論理回路からなるもので、トリガパルス形成回路66か
ら供給されるトリガパルスとスイッチ切換制御器59か
ら供給される許可パルスとの演算を行い、その演算によ
ってトリガパルスの供給時に一致したタイミングでサン
プリングパルスを形成し、サンプリングパルスはS/H
回路62及び制御部64に供給される。
【0011】S/H回路62は、BPF回路61から供
給される周波数fの出力電圧を、同期回路67から供給
されるサンプリングパルスによってサンプリングし、こ
のサンプリングにより得られたサンプリング電圧を保持
する。サンプリング電圧は、切換スイッチ29において
チャネル切換えが行われた後、BPF回路61から供給
される周波数fの出力電圧の9周期目の振幅ピークを示
すピーク電圧であり、既に、切換時の過渡現象が終了し
て周波数fの出力電圧が安定状態になったときのもので
ある。次いで、A/D変換器63は、S/H回路62に
保持されているサンプリング電圧をデジタル信号に変換
して相対角度データを発生させ、この相対角度データを
制御部64に供給する。
【0012】制御部64は、切換スイッチ58における
チャネル切換えに応じて順次供給される相対角度データ
の演算を行うが、かかる演算は、受光出力電圧V1、V
2、V3、V4から導出された相対角度データ(デジタ
ルピーク電圧)をそれぞれV1p、V2p、V3p、V
4pとしたとき、{(V1p−V2p)/(V1p+V
2p)}、及び、{(V3p−V4p)/(V3p+V
4p)}を行うもので、前者の演算により携帯用入力装
置55のX軸方向の傾き角度θxが求められ、後者の演
算により同装置55のY軸方向の傾き角度θyが求めら
れる。制御部34は、求めた角度θx、θyに基づい
て、CRT53の表示面のX−Y座標上における距離に
換算した座標計算を行い、計算結果を光信号送信部69
に供給する。光信号送信部69はこの計算結果を光信号
としてし被制御型画像表示装置51の光信号受信部54
に送信し、光信号受信部54は受信した光信号に基づい
てCRT53の表示面の所要個所にカーソルマークのよ
うな形で表示を行う。
【0013】この場合、操作者は、手に持っている携帯
用入力装置55の検出部をCRT53の表示面に略平行
に適宜移動させたり、または、表示面に対する角度を適
宜変化させたりすると、携帯用入力装置55のX軸方向
の傾き角度θx及びY軸方向の傾き角度θyが随時変化
し、その変化に応じてCRT53の表示面に表示される
カーソルマークの位置も随時変化するようになる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記提
案による相対角度検出装置は、分割受光素子56を構成
する4分割受光部56a乃至56dにおいて、入射光量
をそのまま光電変換した電流を出力させるもので、ま
た、各I−V変換器57a乃至57dにおいても、入力
電流を同じ変換利得で変換した電圧を出力させるもので
あるので、4分割受光部56a乃至56dの1つ以上の
ものに大光量の入射光が照射されると、光電変換された
電流出力は相当に大きくなり、その大きな電流が入力さ
れたI−V変換器57a乃至57dの出力電圧も相当に
大きくなる。そして、各I−V変換器57a乃至57d
の出力電圧が切換スイッチ58に供給され、そこで時分
割出力電圧が形成された場合、このように大きな電圧が
時分割出力電圧の中に含まれていると、その大きな電圧
が次続の可変利得増幅器60に入力されたとき、可変利
得増幅器60が一時的に飽和状態になり、その飽和時点
に入力された電圧に正確に対応した出力電圧を再現させ
ることができなくなるという問題がある。
【0015】本発明は、前記問題点を解決するもので、
その目的は、分割受光部のいずれかに大光量の入射光が
照射されても、可変利得増幅器を飽和させずに、入力電
圧に正確に対応した出力電圧の再現可能な相対角度検出
装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、光源と、前記光源の光を受ける分割受光
素子と、前記分割受光素子の各出力電流を個別に電圧に
変換する複数の電流・電圧変換部と、前記複数の電流・
電圧変換部の出力電圧を所定周期で時分割選択し、前記
時分割出力電圧に変換する切換回路と、前記時分割出力
電圧を可変利得増幅する増幅回路と、前記増幅回路の出
力電圧から不要成分を除去するフィルタ回路と、前記不
要成分を除去した出力電圧のピーク値を保持するピーク
値保持回路及び前記不要成分を除去した出力電圧を整形
する波形整形回路と、前記ピーク値保持回路の保持電圧
をデジタル信号に変換し、前記光源と分割受光素子との
相対角度データを発生するアナログ・デジタル変換回路
と、制御部とからなり、前記制御部は、前記相対角度デ
ータを演算し、前記相対角度データが表す座標計算を行
うとともに、利得設定信号を供給して前記複数の電流・
電圧変換部の出力電圧振幅を制御し、前記増幅回路の飽
和を防止する手段を備える。
【0017】
【作用】前記手段によれば、制御部は、入力される相対
角度データに基づいて利得設定信号を発生し、この利得
設定信号を、分割受光素子の入力(光量)制御部、分割
受光部の出力(電流)制御部、電流・電圧変換部の入力
回路、電流・電圧変換部の帰還回路のいずれか1つの部
分に供給し、それにより、分割受光素子の出力電流の大
きさ、または、電流・電圧変換部の変換利得を制御する
ようにしている。この場合、制御部は、相対角度データ
に基づき、電流・電圧変換部の出力電圧のいずれかに相
当大きな電圧が含まれていると判断したとき、分割受光
素子の出力電流の大きさを減少させるか、または、電流
・電圧変換部の変換利得を低下させるような利得設定信
号を発生し、一方、電流・電圧変換部の出力電圧のいず
れにも大きな電圧が含まれていないと判断したとき、分
割受光素子の出力電流の大きさを通常値に戻すととも
に、電流・電圧変換部の変換利得を通常値に戻すような
利得設定信号を発生する。
【0018】このように、前記手段によれば、電流・電
圧変換部の出力電圧は、分割受光素子への入射光量に係
わりなく、その大きさが所定値を超えることがなくな
り、大きな電圧が可変利得増幅器に入力され、可変利得
増幅器が飽和状態に駆動されることがなくなり、可変利
得増幅器においては、常時、入力電圧に正確に対応した
出力電圧を得ることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0020】図1は、本発明に係わる相対角度検出装置
の第1の実施例の構成を示すブロック構成図であって、
1がコンピュータである例を示すものである。
【0021】図1において、コンピュータ(被制御型画
像表示装置)1は、画像表示用のCRT(表示部)3
と、CRT3の周縁部、例えば、その上側に配置された
赤外光光源2と、光信号受信部4とを備えている。携帯
用入力装置5は、既に提案されている前述の携帯用入力
装置55とほぼ同形状のもので、全体が細長い直方体型
のものからなり、前述の携帯用入力装置55と同様に、
前面に検出部(図番なし)が設けられている。検出部
は、例えば、フォトダイオードからなる4分割受光部6
a乃至6dを備えた分割受光素子6と、分割受光素子6
の前面側にそれぞれ配置され、矩形状開口を有する絞り
部(図示なし)及び可視光カットフィルタ(図示なし)
とで構成されている。この4分割受光部5a乃至5d
は、前述の4分割受光部56a乃至56d(図7参照)
と同様に、携帯用入力装置5の長さ方向をZ軸方向と
し、このZ軸に直交する2つの方向をそれぞれX軸方向
及びY軸方向としたとき、分割受光素子6を構成する4
分割受光部6a乃至6dの中で、受光部6aと6bそれ
に受光部6cと6dがそれぞれX軸方向に並ぶように配
置され、受光部6aと6cそれに受光部6bと6dがそ
れぞれY軸方向に並ぶように配置されている。
【0022】受光部6bと6dの出力は加算回路7aの
入力に接続され、受光部6aと6cの出力は加算回路7
bの入力に接続される。受光部6aと6bの出力は加算
回路7cの入力に接続され、受光部6cと6dの出力は
加算回路7dの入力に接続される。加算回路7aの出力
は電流・電圧(I−V)変換器8aに、加算回路7bの
出力は電流・電圧(I−V)変換器8bにそれぞれ接続
され、加算回路7cの出力は電流・電圧(I−V)変換
器8cに、加算回路7dの出力は電流・電圧(I−V)
変換器8dにそれぞれ接続される。各I−V変換器8a
乃至8dの出力は各別に1回路4接点の切換スイッチ
(切換回路)9の固定接点端子に接続され、切換スイッ
チ9の可動接点端子は可変利得増幅器10の入力に接続
される。可変利得増幅器10の出力はバンドパスフィル
タ(BPF)回路11の入力に接続され、BPF回路1
1の出力はサンプル・ホールド(S/H)回路12及び
波形整形回路15の各入力に接続される。S/H回路1
0の出力はアナログ・デジタル(A/D)変換器13の
入力に接続され、A/D変換器13及び波形整形回路1
5の各出力は制御部12に接続される。この場合、切換
スイッチ9、可変利得増幅器10、BPF回路11、S
/H回路12、A/D変換器13、波形整形回路15の
それぞれは、信号処理部17を構成している。
【0023】また、CPU(制御部)14は、光信号送
信部16に接続されるとともに、内部に、相対角度デー
タの演算及び計算を行うために本来保有している演算及
び計算プログラムに加え、信号処理部17の動作を制御
するとともに、各I−V変換器8a乃至8dの変換利得
を制御する付加プログラムを内蔵している。
【0024】前記構成による第1の実施例の相対角度検
出装置は、次のように動作する。
【0025】いま、操作者が携帯用入力装置5を手に持
ち、検出部側をCRT3の方向(光源2の方向)に向け
ると、光源2から発せられた周波数fの赤外領域の参照
光が携帯用入力装置5の検出部に入射される。入射され
た参照光は、まず、可視光カットフィルタ(図示なし)
で可視光成分が除かれ、次に、絞り部(図示なし)で光
入射量が適宜調整された後、分割受光素子6を構成する
4分割受光部6a乃至6dに照射される。このとき、4
分割受光部6a乃至6dには、図7に示されるように、
矩形状スポット光αが照射され、4分割受光部6a乃至
6dからスポット光αの照射面積に対応した電流出力I
LU、IRU、ILD、IRDがそれぞれ出力される。この場合
に、これらの電流出力ILU、IRU、ILD、IRDは、いず
れも、参照光の主要成分である周波数fを含んでいる。
次いで、これらの電流出力ILU、IRU、ILD、IRDは、
Y軸方向に配置の1組の受光部6bと6dとで得られた
電流出力ILU、ILDが加算回路7aで加算されてそれら
の和の電流(ILU+ILD)がI−V変換器8aに供給さ
れ、Y軸方向に配置の他の1組の受光部6aと6cとで
得られた電流出力IRU、IRDが加算回路7bで加算され
てそれらの和の電流(IRU+IRD)がI−V変換器8b
に供給される。同じように、X軸方向に配置の1組の受
光部6aと6bとで得られた電流出力ILU、IRUが加算
回路7cで加算されてそれらの和の電流(ILU+IRU
がI−V変換器8cに供給され、X軸方向に配置の他の
1組の受光部6cと6dとで得られた電流出力ILD、I
RDが加算回路7dで加算されてそれらの和の電流(ILD
+IRD)がI−V変換器8dに供給される。各I−V変
換器8a乃至8dは、入力された和の電流を電圧に変換
し、それぞれ、チャネル1乃至チャネル4に受光出力電
圧V1乃至V4を発生させる。
【0026】受光出力電圧V1乃至V4は切換スイッチ
9に供給されるが、このとき、切換スイッチ9は制御部
14から供給される切換制御信号により可動接点が所定
周期でチャネル1、チャネル2、チャネル3、チャネル
4、チャネル1、チャネル2、… … …の順に切換え
られるので、受光出力電圧V1乃至V4は切換スイッチ
9において時分割的に選択され、切換スイッチ9の出力
は受光出力電圧V1乃至V4を時分割的に順次選択した
時分割出力電圧になる。次に、この時分割出力電圧は、
可変利得増幅器10において、制御部14から供給され
る利得制御電圧に応じた利得で増幅され、次いで、増幅
された時分割出力電圧は、BPF回路11において、周
波数f以外の不要な周波数成分の除去が行われる。さら
に、BPF回路11の出力に得られた時分割出力電圧
は、S/H回路12及び波形整形回路15にそれぞれ供
給される。
【0027】BPF回路11から出力された周波数fの
時分割出力電圧は、S/H回路12において、制御部1
4から供給されるサンプリングパルスによってサンプリ
ングされ、このサンプリングによって得られたサンプリ
ング電圧が保持される。この場合、後述するように、制
御部14から供給されるサンプリングパルスの印加タイ
ミングが選択され、S/H回路12に保持されるサンプ
リング電圧は、切換スイッチ9におけるチャネル切換が
行われた後の、時分割出力電圧に生じる過渡現象が終了
した後の安定状態のものである。次いで、S/H回路1
2に保持されているサンプリング電圧は、A/D変換器
13において、後述するように、制御部14から供給さ
れる変換開始及び変換終了指令に基づいてデジタル信号
に変換され、このデジタル信号が相対角度データとして
制御部14に供給される。
【0028】一方、BPF回路11から出力された周波
数fの時分割出力電圧は、波形整形回路15に供給され
るが、波形整形回路15は、図3に示されるように、周
波数fの信号成分の各周期ごとに、所要のタイミング
で、即ち、周波数fの信号が負極性から正極性に転換し
た直後に幅狭パルスを発生し、この幅狭パルスは制御部
14に供給される。
【0029】ここで、制御部14は、内蔵のプログラム
に基づいて次のような制御動作を実行する。
【0030】始めに、制御部14は、切換スイッチ9の
可動接点がチャネル1に切換えられるように、切換スイ
ッチ9に供給するスイッチ切換信号を初期設定し、同時
に、利得制御増幅器10の利得が所定利得になるよう
に、利得制御増幅器10に供給する利得制御電圧を初期
設定する。
【0031】次に、制御部14は、波形整形回路15か
ら供給される幅狭パルスを所定値に達するまでカウント
する。この場合、幅狭パルスのカウント値が前記所定値
に達するまでカウントを行うのは、切換スイッチ9によ
るチャネル切換え後に、BPF回路11から出力される
周波数fの信号の振幅が安定化するまで待つためであ
る。
【0032】続いて、制御部14は、幅狭パルスのカウ
ント値が前記所定値に達すると、図4に示すように、幅
狭パルスの立ち上り(もしくは立ち下がり)を検出し、
タイマー(図示なし)をリセットし、タイマーを動作さ
せる。そして、制御部14は、タイマーが規定の時間t
に達すると、図4に示すように、S/H回路12にサン
プリング開始指令及びA/D変換器13に変換開始指令
がそれぞれ発せられ、その直後、S/H回路12におい
て、BPF回路11から出力される周波数fの信号のサ
ンプリング及びそのサンプリング電圧の保持が行われ、
同時に、A/D変換器13において、保持されたサンプ
リング電圧がデジタル変換され、相対角度データを発生
させる。このとき、BPF回路11から出力される周波
数fの信号のサンプリングのタイミングは、周波数fの
信号のピーク値に一致している。なお、その後引き続い
て、BPF回路11から出力される周波数fの信号のピ
ーク値を検出する場合には、タイマーにより、規定の時
間tに周波数fの周期に対応する時間t’を加えた時間
(t+t’)に、再度、S/H回路12に対してサンプ
リング開始指令、及び、A/D変換器13に対して変換
開始指令を出力すればよい。一方、サンプリング電圧と
して、BPF回路11から出力される周波数fの信号の
ピーク値を検出する代わりに、BPF回路11から出力
される周波数fの信号のボトム値を検出する場合は、図
4に示すように、同じくタイマーにより、規定の時間t
に周波数fの周期に対応する時間t’の半分の時間
(t’/2)を加えた時間{t+(t’/2)}に、S
/H回路12に対してサンプリング開始指令、及び、A
/D変換器13に対して変換開始指令を出力すればよ
い。
【0033】次いで、制御部14は、切換スイッチ9を
チャネル1、チャネル2、チャネル3、チャネル4に順
に切換え、それぞれのチャネルに切換えた際に、A/D
変換器13で発生される相対角度データを読み取り、読
み取った相対角度データに基づいて演算及び計算を行
う。この場合、制御部14で行われる演算は、既に提案
されている前述の相対角度検出装置の制御部34で行わ
れる演算とほぼ同じで、受光出力電圧V1、V2、V
3、V4から導出された相対角度データ(デジタルピー
ク電圧)をそれぞれV1p、V2p、V3p、V4pと
したとき、{(V1p−V2p)/(V1p+V2
p)}、及び、{(V3p−V4p)/(V3p+V4
p)}の各演算を行うものであって、前者の演算によ
り、携帯用入力装置5のX軸方向の傾き角度θxが求め
られ、後者の演算により、同装置5のY軸方向の傾き角
度θyが求められる。このとき、求めた傾き角度θx、
θyは内部メモリに格納される。
【0034】続いて、制御部14は、メモリに収納され
ている傾き角度θx、θyに基づいて、CRT3の表示
面のX−Y座標上における距離に換算した座標計算を行
う。座標計算の結果は、光信号送信部16に供給され、
光信号送信部16からこの計算結果が光信号としてし被
制御型画像表示装置1の光信号受信部4に送信される。
光信号受信部4は、光信号を受信すると、その光信号の
内容に基づいてCRT3の表示面の所要個所にカーソル
マークのような形で表示を行う。
【0035】また、制御部14は、切換スイッチ9がチ
ャネル1から順にチャネル2、チャネル3、チャネル4
まで切換えられ、その切換えに対応した相対角度データ
が得られた際に、この相対角度データに基づいて利得設
定信号を発生し、この利得設定信号を各電流・電圧(I
−V)変換器8a乃至8dに供給する。
【0036】ここで、図2は、第1の実施例に用いられ
る各電流・電圧(I−V)変換器8a乃至8dの中の1
つ、例えば、電流・電圧(I−V)変換器8aの構成の
一例を示す回路構成図であって、図2(a)は複数の並
列抵抗がオペアンプの入力回路に設けられた例であり、
図2(b)は複数の並列抵抗がオペアンプの帰還回路に
設けられた例である。なお、他の電流・電圧(I−V)
変換器8b乃至8dの構成は、いずれも、電流・電圧
(I−V)変換器8aの構成と同一である。
【0037】図2(a)において、オペアンプ18の非
反転入力(+)は、加算回路7aの出力に接続されると
ともに、切替接点21及び複数の並列抵抗列19を介し
て接地点に接続され、オペアンプ18の反転入力(−)
は帰還抵抗22aを介してオペアンプ18の出力に接続
されるとともに、帰還抵抗22bを介して接地点に接続
される。
【0038】また、図2(b)において、オペアンプ1
8の反転入力(−)は、加算回路7aの出力に接続され
るとともに、切替接点21及び複数の並列抵抗列19を
介してオペアンプ18の出力に接続され、オペアンプ1
8の非反転入力(+)は直接接地される。
【0039】さらに、図2(a)、(b)の回路におい
ては、切替回路20は、制御部14に接続されて利得設
定信号が供給され、その利得設定信号に対応して切替接
点21を選択駆動するように構成されている。
【0040】かかる構成の電流・電圧(I−V)変換器
8a(乃至8d)は、次のように動作する。
【0041】いま、4分割受光部6a乃至6dのそれぞ
れの入射光量が多くなく、各電流・電圧(I−V)変換
器8a乃至8dの出力電圧の最大値が所定範囲内に留ま
っているときには、制御部14が発生する利得設定信号
に応答して、切替回路20は切替接点21の選択接続に
よって複数の並列抵抗列19の中の最大の抵抗値を持つ
抵抗、例えば、抵抗19aをオペアンプ18に接続し、
各電流・電圧(I−V)変換器8a乃至8dの変換利得
を標準的な値に設定する。
【0042】4分割受光部6a乃至6dのそれぞれの入
射光量がやや多くなり、各電流・電圧(I−V)変換器
8a乃至8dの出力電圧の最大値が所定範囲内を僅かに
超すようになったときには、制御部14が発生する利得
設定信号に応答して、切替回路20は切替接点21の選
択接続によって複数の並列抵抗列19の中の2番目に大
きい抵抗値を持つ抵抗、例えば、抵抗19bをオペアン
プ18に接続し、各電流・電圧(I−V)変換器8a乃
至8dの変換利得を標準的な値よりもやや低下させた値
に設定する。
【0043】4分割受光部6a乃至6dのそれぞれの入
射光量がもっと多くなり、各電流・電圧(I−V)変換
器8a乃至8dの出力電圧の最大値が所定範囲内を中程
度に超すようになったときには、制御部14が発生する
利得設定信号に応答して、切替回路20は切替接点21
の選択接続によって複数の並列抵抗列19の中の3番目
に大きい抵抗値を持つ抵抗、例えば、抵抗19cをオペ
アンプ18に接続し、各電流・電圧(I−V)変換器8
a乃至8dの変換利得を標準的な値よりもかなり低下さ
せた値に設定する。
【0044】4分割受光部6a乃至6dのそれぞれの入
射光量が最大になり、各電流・電圧(I−V)変換器8
a乃至8dの出力電圧の最大値が所定範囲内を大きく超
すようになったときには、制御部14が発生する利得設
定信号に応答して、切替回路20は切替接点21の選択
接続によって複数の並列抵抗列19の中の最小の抵抗値
を持つ抵抗、例えば、抵抗19dをオペアンプ18に接
続し、各電流・電圧(I−V)変換器8a乃至8dの変
換利得を最低の値に設定する。
【0045】このように、第1の実施例においては、4
分割受光部6a乃至6dのそれぞれの入射光量の大きさ
に応じて、各電流・電圧(I−V)変換器8a乃至8d
の変換利得を変更させているもので、4分割受光部6a
乃至6dのいずれかに入射される光量が相当に増大して
も、その入射光量の増大に対応して電流・電圧(I−
V)変換器8a乃至8dの変換利得が低下するので、各
電流・電圧(I−V)変換器8a乃至8dの出力電圧
は、常時、所定範囲内に留まり、次続の可変利得増幅器
10が飽和状態に駆動されることはない。
【0046】また、第1の実施例においては、制御部1
4内部で実行される相対角度データに対する所要の演算
や計算の本来のプログラムに加え、信号処理部17の各
部を動作制御させる付加プログラムを内蔵し、この付加
プログラムに基づき、信号処理部17においては、切換
回路(切換スイッチ)9における切換制御、可変利得増
幅回路10における利得の設定、ピーク値保持回路(S
/H回路)12におけるピーク値のサンプリング及びホ
ールド(保持)、それにA/D変換器13におけるホー
ルド(保持)値のデジタル変換が互いに関連した状態で
行われるので、このような動作を実行させるための回路
構成(図6参照)を設ける必要がなくなり、その分、相
対角度検出装置の全体の回路構成が簡略になり、小型化
を達成することができるという利点もある。ただし、第
1の実施例においても、制御部14内に信号処理部17
の各部を動作制御させる付加プログラムを内蔵させる代
わりに、図6に図示のように、各部を動作制御させる回
路構成を別途設けるようにしてもよい。
【0047】次に、図4は、本発明に係わる相対角度検
出装置の第2の実施例を示すブロック構成図である。
【0048】図4に図示の第2の実施例と前記第1の実
施例との違いは、第1の実施例が各電流・電圧(I−
V)変換器8a乃至8dに制御部14から利得設定信号
を供給するようにしているのに対し、第2の実施例が4
分割受光部6a乃至6dに関連配置された光量制御部2
3a乃至23dまたは電流制御部24a乃至24dに制
御部14から利得設定信号を供給するようにしている点
だけであって、その他、第2の実施例と第1の実施例と
の間に構成上の違いはない。
【0049】また、第2実施例の動作は、制御部14か
ら導出される利得設定信号が光量制御部23a乃至23
dまたは電流制御部24a乃至24dに供給される点を
除けば、第1の実施例の動作と殆んど同じであるので、
この第2の実施例についての動作説明は、省略する。た
だし、利得設定信号によって光量制御部23a乃至23
dまたは電流制御部24a乃至24dを駆動動作させる
点は、第2の実施例に特有のものであるので、以下、こ
の駆動動作についてのみ説明する。
【0050】ここで、図5(a)は電流制御部24a乃
至24dの中の1つ、例えば、電流制御部24aの構成
の一例を示す回路構成図であり、図5(b)乃至(d)
は、光量制御部23a乃至23dの中の1つ、例えば、
光量制御部23aを構成する場合の3つの例を示す構成
図である。この場合、他の電流制御部24b乃至24d
の構成は電流制御部24aの構成と同じであり、他の光
量制御部23b乃至23dの構成は光量制御部23aの
構成と同じである。
【0051】図5(a)において、複数の並列抵抗列2
5と切替接点27とによって電流制御部24aが構成さ
れ、この電流制御部24aは分割受光部6aと接地点間
に接続される。切替回路26は、制御部14に接続され
て利得設定信号が供給され、利得設定信号に対応して切
替接点27を選択駆動するように構成されている。
【0052】図5(b)において、液晶板29により光
量制御部23aが構成され、この液晶板29は絞り部2
8とともに分割受光素子6の前面(光入射面)に配置さ
れる。液晶板29は、制御部14に接続されて利得設定
信号が供給され、その利得設定信号に対応して液晶板2
9の光透過率が変更されるように構成されている。
【0053】図5(c)において、2つの偏光板30
a、30bにより光量制御部23aが構成され、これら
偏光板30a、30bは絞り部28とともに分割受光素
子6の前面(光入射面)に配置される。モーター31に
は制御部14に接続されて利得設定信号が供給され、そ
の利得設定信号に対応して、一方の偏光板30aが回転
駆動されて2つの偏光板30a、30bの間の偏光面に
変化を生じ、それにより2つの偏光板30a、30bの
光透過率が変更されるように構成されている。
【0054】図5(d)において、NDフィルタアレイ
板32により光量制御部23aが構成され、NDフィル
タアレイ板32は絞り部28とともに分割受光素子6の
前面(光入射面)に配置される。モーター31には制御
部14に接続されて利得設定信号が供給され、その利得
設定信号に対応して、NDフィルタアレイ板32が回転
していずれかのフィルタ素子が選択され、それによりN
Dフィルタアレイ板32の光透過率が変更されるように
構成されている。
【0055】かかる構成の電流制御部24a及び光量制
御部23aは、それぞれ次のように動作する。
【0056】始めに、図5(a)に図示された電流制御
部24aの動作について述べると、4分割受光部6a乃
至6dのそれぞれの入射光量が多くなく、各電流・電圧
(I−V)変換器8a乃至8dの出力電圧の最大値が所
定範囲内に留まるときには、制御部14が発生する利得
設定信号に応答して、切替回路26は接点27の選択接
続によって複数の並列抵抗列25の中の最大の抵抗値を
持つ抵抗、例えば、抵抗25aを分割受光部6aに接続
し、電流制御部24aにおける電流損失を最低にする。
【0057】4分割受光部6a乃至6dのそれぞれの入
射光量がやや多くなり、各電流・電圧(I−V)変換器
8a乃至8dの出力電圧の最大値が所定範囲内を僅かに
超すようになったときには、制御部14が発生する利得
設定信号に応答して、切替回路26は接点27の選択接
続によって複数の並列抵抗列25の中の2番目に大きい
抵抗値を持つ抵抗、例えば、抵抗25bを分割受光部6
aに接続し、電流制御部24aにおける電流損失をやや
大きな値に設定する。
【0058】4分割受光部6a乃至6dのそれぞれの入
射光量がもっと多くなり、各電流・電圧(I−V)変換
器8a乃至8dの出力電圧の最大値が所定範囲内を中程
度に超すようになったときには、制御部14が発生する
利得設定信号に応答して、切替回路26は接点27の選
択接続によって複数の並列抵抗列25の中の3番目に大
きい抵抗値を持つ抵抗、例えば、抵抗25cを分割受光
部6aに接続し、電流制御部24aにおける電流損失を
かなり大きな値に設定する。
【0059】4分割受光部6a乃至6dのそれぞれの入
射光量が最大になり、各電流・電圧(I−V)変換器8
a乃至8dの出力電圧の最大値が所定範囲内を大きく超
すようになったときには、制御部14が発生する利得設
定信号に応答して、切替回路26は接点27の選択接続
によって複数の並列抵抗列25の中の最小の抵抗値を持
つ抵抗、例えば、抵抗25dを分割受光部6aに接続
し、電流制御部24aにおける電流損失を最大の値に設
定する。
【0060】続いて、図5(b)乃至(d)に図示され
た光量制御部23aの動作について述べると、4分割受
光部6a乃至6dのそれぞれの入射光量が多くないとき
には、制御部14が発生する利得設定信号に応答し、図
5(b)に図示の例の場合は液晶板29の透過率が最大
になるように、図5(c)に図示の例の場合は2つの偏
光板30a、30bの間の偏光面が一致するように、図
5(d)に図示の例の場合はNDフィルタアレイ板32
の中の最も透過率の高いフィルタ素子が選択されるよう
に制御され、光量制御部23aにおける光透過率を最大
の値に設定する。
【0061】4分割受光部6a乃至6dのそれぞれの入
射光量がやや多くなったときには、制御部14が発生す
る利得設定信号に応答して、図5(b)に図示の例の場
合は液晶板29の透過率が最大よりもやや小さくなるよ
うに、図5(c)に図示の例の場合は2つの偏光板30
a、30bの間の偏光面が多少ずれるように、図5
(d)に図示の例の場合はNDフィルタアレイ板32の
中の2番目に透過率の高いフィルタ素子が選択されるよ
うに制御され、光量制御部23aにおける光透過率を最
大の値よりもやや小さな値に設定する。
【0062】4分割受光部6a乃至6dのそれぞれの入
射光量がもっと多くなったときには、制御部14が発生
する利得設定信号に応答して、図5(b)に図示の例の
場合は液晶板29の透過率が最大よりもかなり小さくな
るように、図5(c)に図示の例の場合は2つの偏光板
30a、30bの間の偏光面がかなりずれるように、図
5(d)に図示の例の場合はNDフィルタアレイ板32
の中の3番目に透過率の高いフィルタ素子が選択される
ように制御され、光量制御部23aにおける光透過率を
最大の値よりもかなり小さな値に設定する。
【0063】4分割受光部6a乃至6dのそれぞれの入
射光量が最大になったときには、制御部14が発生する
利得設定信号に応答して、図5(b)に図示の例の場合
は液晶板29の透過率が最小になるように、図5(c)
に図示の例の場合は2つの偏光板30a、30bの間の
偏光面が相当にずれるように、図5(d)に図示の例の
場合はNDフィルタアレイ板32の中の最も透過率の低
いフィルタ素子が選択されるように制御され、光量制御
部23aにおける光透過率を最小の値に設定する。
【0064】このように、第2の実施例においては、4
分割受光部6a乃至6dのそれぞれの入射光量の大きさ
に応じて、4分割受光部6a乃至6dの出力電流または
入射光量を変更させているもので、4分割受光部6a乃
至6dのいずれかに入射される光量が相当に増大して
も、その入射光量の増大に対応して4分割受光部6a乃
至6dの出力電流または入射光量が低下するので、各電
流・電圧(I−V)変換器8a乃至8dの出力電圧は、
常時、所定範囲内に留まり、次続の可変利得増幅器10
が飽和状態に駆動されることはない。
【0065】また、第2の実施例においても、第1の実
施例と同様に、制御部14内部で実行される相対角度デ
ータに対する所要の演算や計算の本来のプログラムに加
え、信号処理部17の各部を動作制御させる付加プログ
ラムを内蔵し、この付加プログラムに基づき、信号処理
部17において互いに関連した状態の動作制御を行って
いるので、このような動作制御を実行させるための回路
構成(図6参照)を設ける必要がなく、その分、相対角
度検出装置の全体の回路構成が簡略になり、小型化の達
成が可能になるという利点がある。ただし、この第2の
実施例においても、制御部14内に信号処理部17の各
部を動作制御させる付加プログラムを設ける代わりに、
図6に図示のように、各部を動作制御させる回路構成を
別途設けてもよい。
【0066】なお、第1の実施例及び第2の実施例にお
いては、被制御型画像表示装置1がコンピュータである
場合を例に挙げて説明したが、本発明による被制御型画
像表示装置1はコンピュータである場合に限られるもの
ではなく、ゲーム装置やAV機器である場合も同様に適
用可能である。
【0067】また、第1の実施例及び第2の実施例にお
いては、分割受光素子6として4分割受光部6a乃至6
dを用いた例を挙げて説明したが、本発明による分割受
光素子6は4分割受光部6a乃至6dである場合に限ら
れず、6分割受光部や他の数の分割受光部である場合も
同様に適用可能である。ただし、分割受光素子6の分割
受光部を4以外の数に設定した場合は、その設定数に応
じて、加算回路7a乃至7d、電流・電圧(I−V)変
換器8a乃至8dの数が変更されることは勿論である。
【0068】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明にお
いては、制御部14は、入力される相対角度データに基
づいて利得設定信号を発生し、この利得設定信号を、分
割受光素子6の入力(光量)制御部、分割受光部6a乃
至6dの出力(電流)制御部、各電流・電圧変換部8a
乃至8dの入力回路、各電流・電圧変換部8a乃至8d
の帰還回路のいずれか1つの部分に供給し、それによ
り、分割受光部6a乃至6dの出力電流の大きさ、また
は、電流・電圧変換部8a乃至8dの変換利得を制御す
るようにしている。この場合、制御部14は、相対角度
データに基づき、電流・電圧変換部8a乃至8dの出力
電圧のいずれかに相当大きな電圧が含まれていると判断
したとき、分割受光素子6の出力電流の大きさを減少さ
せるか、または、各電流・電圧変換部の8a乃至8d変
換利得を低下させるような利得設定信号を発生し、一
方、各電流・電圧変換部8a乃至8dの出力電圧のいず
れにも大きな電圧が含まれていないと判断したとき、分
割受光素子6の出力電流の大きさを通常値に戻すととも
に、各電流・電圧変換部8a乃至8dの変換利得を通常
値に戻すような利得設定信号を発生する。
【0069】このように、本発明によれば、各電流・電
圧変換部8a乃至8dの出力電圧は、分割受光素子6へ
の入射光量に係わりなく、その大きさが所定値を超える
ことがなくなり、大きな電圧が可変利得増幅器10に入
力され、可変利得増幅器10が飽和状態に駆動されるこ
とがなくなり、可変利得増幅器10においては、常時、
入力電圧に正確に対応した出力電圧を得ることができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる相対角度検出装置の第1の実施
例の構成を示すブロック構成図である。
【図2】図1に図示の第1の実施例に用いられる電流・
電圧(I−V)変換器の構成の一例を示す回路構成図で
ある。
【図3】BPF回路から出力される周波数fの信号と、
幅狭パルスの発生タイミング及びS/H回路やA/D変
換器の動作タイミングとの関係を示す説明図である。
【図4】本発明に係わる相対角度検出装置の第2の実施
例の構成を示すブロック構成図である。
【図5】図4に図示の第2の実施例に用いられる電流制
御部及び光量制御部の各構成例を示す構成図である。
【図6】既に提案されている相対角度検出装置の構成の
一例を示すブロック構成図である。
【図7】図6に図示の相対角度検出装置に用いられる分
割受光素子の構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1 コンピュータ(被制御型画像表示装置) 2 赤外光光源 3 表示用CRT(表示部) 4 光信号受信部 5 携帯用入力装置 6 分割受光素子 6a乃至6d 4分割受光部 7a乃至7d 加算回路 8a乃至8d 電流・電圧(I−V)変換器 9 切換スイッチ(切換回路) 10 可変利得増幅器 11 バンドパスフィルタ(BPF)回路 12 サンプル・ホールド(S/H)回路 13 アナログ・デジタル(A/D)変換器 14 CPU(制御部) 15 波形整形回路 16 光信号送信部 17 信号処理部 18 オペアンプ 19、25 複数の並列抵抗列 19a乃至19d、25a乃至25d 抵抗 20、26 切替回路 21、27 切替接点 22a、22b 帰還抵抗 23a乃至23d 光量制御部 24a乃至24d 電流制御部 28 矩形状の開口を有する絞り部 29 液晶板 30a、30b 偏光板 31 モーター 32 NDフィルタアレイ板

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、前記光源の光を受ける複数の
    光素子と、前記受光素子の各出力電流を個別に電圧に変
    換する複数の電流・電圧変換部と、前記複数の電流・電
    圧変換部の出力電圧を所定周期で時分割選択し、前記時
    分割出力電圧に変換する切換回路と、前記時分割出力電
    圧を可変利得増幅する増幅回路と、前記増幅回路の出力
    電圧から不要成分を除去するフィルタ回路と、前記不要
    成分を除去した出力電圧のピーク値を保持するピーク値
    保持回路及び前記不要成分を除去した出力電圧を整形す
    る波形整形回路と、前記ピーク値保持回路の保持電圧を
    デジタル信号に変換し、前記光源と受光素子との相対角
    度データを発生するアナログ・デジタル変換回路と、制
    御部とからなり、前記制御部は、前記相対角度データを
    演算し、前記相対角度データが表す座標計算を行うとと
    もに、利得設定信号の供給して前記複数の電流・電圧変
    換部の出力電圧振幅を制御し、前記増幅回路の飽和を防
    止することを特徴とする相対角度検出装置。
  2. 【請求項2】 前記利得設定信号は、前記複数の電流・
    電圧変換部に供給され、それにより前記複数の電流・電
    圧変換部の変換利得が制御されることを特徴とする請求
    項1記載の相対角度検出装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の電流・電圧変換部は、選択可
    能な複数の並列入力抵抗もしくは並列帰還抵抗を備え、
    前記変換利得制御信号の供給により、前記複数の並列入
    力抵抗もしくは並列帰還抵抗の1つが選択されることを
    ことを特徴とする請求項2記載の相対角度検出装置。
  4. 【請求項4】 前記利得設定信号は、前記受光素子の入
    力制御部に供給され、それにより前記受光素子への受光
    量が制御されることを特徴とする請求項1記載の相対角
    度検出装置。
  5. 【請求項5】 前記受光素子の入力制御部は、前記受光
    素子の前面に、矩形状開口を有する絞り部とともに配置
    され、前記利得設定信号により伝送光量が制御される液
    晶、偏光板またはNDフィルタアレイ盤のいずれかであ
    ることを特徴とする請求項4記載の相対角度検出装置。
  6. 【請求項6】 前記利得設定信号は、前記受光素子の出
    力制御部に供給され、それにより前記受光素子の出力電
    流が制御されることを特徴とする請求項1記載の相対角
    度検出装置。
  7. 【請求項7】 前記受光素子の出力制御部は、選択可能
    な複数の並列負荷抵抗を備え、前記変換利得制御信号の
    供給により、前記複数の並列負荷抵抗の1つが選択され
    ることをことを特徴とする請求項6記載の相対角度検出
    装置。
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