しかしながら、上記の洗面化粧台において、鏡を下方へ移動させると、鏡と照明との距離が遠くなり、鏡に写される者等に対する照度が低くなる問題があった。
特に、女性が化粧する際、座った状態で化粧をすることが多いが、顔が写るように鏡を下方へ移動させた際には、照明からの光は上方から照射されることとなるため、鏡に写される顔には髪や鼻等の影が生じ、上記の洗面化粧台は、使い勝手の悪いものとなっていた。
そこで、本考案は上記の実情に鑑み、化粧等を行う際、鏡の高さ位置に拘わらず適切な照度で鏡を使用することが可能な洗面化粧台の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本考案にかかる洗面化粧台は「前面に開口部を有し、化粧用品又は洗面用品を収容可能とした収容棚と、該収容棚の前方に配置され、上限位置と下限位置との間で上下方向へ移動可能に支持されると共に、前記開口部を部分的に閉鎖する鏡と、該鏡の縁に固定状態で取付けられ、前記鏡と共に上下方向に移動可能とされた照明装置と、該照明装置と前記鏡とを任意の高さで保持する保持装置と、前記鏡と前記収容棚との間を通して配線され、前記照明装置に電力を供給する電源コードとを具備する」ものである。
ここで、「上限位置」とは、鏡が上方向に移動した際に、位置することのできる最も上方の高さのことをいう。また、「下限位置」とは、鏡が下方向に移動した際に、位置することのできる最も下方の高さのことをいう。
また、「上限位置と下限位置との間で上下方向に移動可能に支持される」として、「収容棚の対向する側板の前方に上下方向に延びる凹状のガイドレールを備え、鏡の左右両端がガイドレールに沿って上下方向に移動可能に支持されるもの」を例示することができる。
更に、「任意の高さで保持する保持装置」として、「鏡と錘とを吊り合わせて、鏡の高さを保持するもの」を例示することができる。
従って、本考案の洗面化粧台は、上限位置と下限位置との間で上下方向へ移動可能に支持された鏡を備えているため、立った状態で化粧をする際には、鏡を上方へ移動させることにより、鏡に写された顔を見ることができる。また、座った状態で化粧をする際には、鏡を下方へ移動させることにより、鏡に写された顔を見ることができる。
そして、鏡を上下方向に移動させると、鏡の縁に固定状態で取付けられた照明装置が鏡と共に上下方向へ移動され、鏡に写される使用者に対する照度を一定に保つことができ、使用者は常に鏡に適切な照度で写された顔を見ることができる。
また、鏡を移動させた際に、保持装置が鏡を任意の高さで保持するため、使い勝手の良いものとすることができる。
更に、化粧棚の前方において、鏡が上下方向に移動するため、鏡を上方向に移動させることにより、収容棚の下部に対して化粧品等を出し入れすることができる。また、鏡を下方向に移動させることにより、収容棚の上部に対して化粧品等を出し入れすることができる。
また、電源コードは、鏡と収容棚との間を通して配線されているため、鏡により遮蔽され、意匠性に優れたものとすることができる。
上記の構成に加え、本考案の洗面化粧台は「前記上限位置における前記鏡の下縁の高さより、前記下限位置における前記鏡の上縁の高さが高くなるように、前記鏡の移動範囲が設定され、前記収容棚の側板は、前記電源コードが挿通される配設通路を内部に備えると共に、該配設通路に挿通された前記電源コードが取出される配線出口を備え、前記配線出口は、前記鏡の後方であると共に、前記上限位置における前記鏡の下縁より高く、且つ前記下限位置における前記鏡の上縁よりも低い位置に配置され、前記電源コードは、前記配線出口に対して前記照明装置が近傍位置に配置される際に、前記配線出口より取出された電源コード取出部分が短寸状態となり、前記配線出口に対して前記照明装置が離隔位置に配置される際に、前記配線出口より取出された電源コード取出部分が長寸状態となる」ものであってもよい。
ここで、「配線出口より取出された電源コード取出部分が短寸状態となり」及び「配線出口より取出された電源コード取出部分が長寸状態となり」として、「配線出口より取出された部位を螺旋状に形成して、螺旋状の電源コード取出部分が伸び縮みすることにより、短寸状態及び長寸状態となるもの」及び「配線出口にコードリールを備え、配線出口より取出される電源コード取出部分が巻取り又は引き出されることにより、短寸状態及び長寸状態となるもの」を例示できる。
本考案の洗面化粧台は、上限位置における鏡の下縁の高さより、下限位置における鏡の上縁の高さが高くなるように、鏡の移動範囲が設定されているので、移動された鏡の高さに拘わらず、開口部の一部は、常に遮蔽されることとなる。
そして、電源コードは、収容棚の側板内に備えられた配設通路へ挿通され、鏡の後方であり常に遮蔽される収容棚の前方に配置された配線出口より取出されるため、鏡の高さに拘わらず、常に鏡の後方に位置することとなり、前方から見えないので、意匠性に優れたものとすることができる。
また、配線出口に対して照明装置が近傍位置に配置される際には、電源コードにおける、配線出口より取出された電源コード取出部分が短寸状態となるため、電源コードが無用に垂れ下がったり、収容棚内に配置された化粧用品及び洗面用品に絡まることがなく、使い勝手の良いものとすることができる。
そして、配線出口に対して照明装置が離隔位置に配置される際には、電源コードにおける、配線出口より取出された電源コード取出部分が長寸状態となるため、鏡及び照明装置を容易に移動させることができ、使い勝手の良いものとすることができる。
また、本考案の洗面化粧台は「洗面ボール及びカランを有した洗面台と、該洗面台の上方後側に立設された固定鏡、及び該固定鏡の上方又は左右両側に固定状態で配置された洗面側照明装置を有した洗面側上部と、前記洗面台の右側又は左側のいずれか一方に並設された化粧机と、該化粧机の上方後側に配置され前面に開口部を有すると共に化粧用品又は洗面用品を収容可能とした収容棚と、該収容棚の前方に配置され上限位置と下限位置との間で上下方向に移動可能に支持されると共に、前記開口部を部分的に閉鎖する移動鏡と、前記移動鏡の縁に固定状態で取付けられ前記移動鏡と共に上下方向に移動可能とされた化粧側照明装置と、該化粧側照明装置と前記移動鏡とを任意の高さで保持する保持装置と、前記移動鏡と前記収容棚との間を通して配線され前記化粧側照明装置に電力を供給する電源コードとを具備し、部屋内の床面に配置され壁面に固定状態で取付けられる洗面化粧台であって、前記上限位置における前記移動鏡の下縁の高さより、前記下限位置における前記移動鏡の上縁の高さが高くなるように、前記移動鏡の移動範囲が設定され、前記収容棚の側板は、前記電源コードが挿通される配設通路を内部に備えると共に、該配設通路に挿通された前記電源コードが取出される配線出口を備え、前記配線出口は、前記移動鏡の後方であると共に、前記上限位置における前記移動鏡の下縁より高く、且つ前記下限位置における前記移動鏡の上縁よりも低い位置に配置され、前記電源コードは、前記配線出口に対して前記化粧側照明装置が近傍位置に配置される際に、前記配線出口より取出された電源コード取出部分が短寸状態となり、前記配線出口に対して前記化粧側照明装置が離隔位置に配置される際に、前記配線出口より取出された電源コード取出部分が長寸状態となる」ものであってもよい。
本考案の洗面化粧台は、上限位置と下限位置との間で上下方向へ移動可能に支持された移動鏡を備えているため、立った状態で化粧をする際には、移動鏡を上方へ移動させることにより、移動鏡に写された顔を見ることができる。また、座った状態で化粧をする際には、移動鏡を下方へ移動させることにより、移動鏡に写された顔を見ることができる。
本考案の洗面化粧台において、移動鏡を上下方向に移動させると、移動鏡の縁に固定状態で取付けられた化粧側照明装置が、移動鏡と共に上下方向へ移動され、移動鏡に写される使用者に対する照度を一定に保つことができ、使用者は常に移動鏡に適切な照度で写された顔を見ることができる。また、移動鏡を移動させた際に、保持装置が移動鏡を任意の高さで保持するため、使い勝手の良いものとすることができる。
また、収容棚の前方において、移動鏡が上下方向に移動するため、移動鏡を上方向に移動させることにより、収容棚の下部に対して化粧品等を出し入れすることができる。また、移動鏡を下方向に移動させることにより、収容棚の上部に対して化粧品等を出し入れすることができる。
更に、電源コードは、移動鏡と収容棚との間を通して配線されているため、移動鏡により遮蔽され、意匠性に優れたものとすることができる。
また、上限位置における移動鏡の下縁の高さより、下限位置における移動鏡の上縁の高さが高くなるように、移動鏡の移動範囲が設定されているので、移動された移動鏡の位置に拘わらず、開口部の一部は、常に遮蔽されることとなる。
そして、電源コードは、収容棚の側板内に備えられた配設通路へ挿通され、移動鏡の後方であり常に遮蔽される収容棚の前方に配置された配線出口より取出されるため、移動鏡の位置に拘わらず、常に移動鏡の後方に位置することとなり、前方から見えないので、意匠性に優れたものとすることができる。
また、配線出口に対して化粧側照明装置が近傍位置に配置される際には、電源コードにおける、配線出口より取出された電源コード取出部分が短寸状態となるため、電源コードが無用に垂れ下がったり、収容棚内に配置された化粧用品及び洗面用品に絡まることがなく、使い勝手の良いものとすることができる。
そして、配線出口に対して化粧側照明装置が離隔位置に配置される際には、電源コードにおける、配線出口より取出された電源コード取出部分が長寸状態となるため、移動鏡及び化粧側照明装置を容易に移動させることができ、使い勝手の良いものとすることができる。
また、本考案の洗面化粧台は、移動鏡の下方に配置された化粧机を備えているため、化粧をする際に、使用する化粧品等を予め全て化粧机の上部に配置しておくことができ、夫々の化粧品等を用意するために体勢を変えることなく化粧を行うことができる。
また、化粧机と並設された洗面台を備えているため、使用者は殆んど移動することなく、手、顔、及び髪等を洗うことができる。更に、洗面側上部は、固定鏡を有しているため、構成が簡単なものとされ、使用者側へ無用に突出されることがなく、使用者が髪等を洗う際、邪魔にならないものとすることができる。なお、固定鏡は、移動されないため、洗面側上部の上部側から下部側までの大きさとすることができ、固定鏡に対向する広い範囲を写すことができる。
以上のように本考案によると、化粧等を行う際、鏡の高さ位置に拘わらず適切な照度で鏡を使用することが可能な洗面化粧台の提供をすることができる。
以下、本考案を実施するための最良の形態である洗面化粧台について、図1乃至図4に基づき説明する。図1は本考案の洗面化粧台を示す正面図であり、図2は洗面化粧台を示す斜視図であり、図3は図1の洗面化粧台における化粧側上部を示す拡大正面図であり、図4は図3におけるA−A断面図であり、(a)は移動鏡が下限位置にある状態を示し、(b)は移動鏡が上限位置にある状態を示す断面図である。
本実施形態の洗面化粧台1は、図1及び図2に示すように、洗面ボール2及びカラン3を上部に有した洗面台4と、洗面台4の上方後側に立設された固定鏡5を有した洗面側上部6と、洗面台4に並設された化粧机7と、化粧机7の上方後側に配置され前面に開口部8を有すると共に化粧用品又は洗面用品等を収容可能とした第一収容棚9、及び第一収容棚9の前方に配置され上限位置と下限位置との間で上下方向に移動可能に支持されると共に、開口部8を部分的に閉鎖する移動鏡10を有した化粧側上部11とを備え、部屋内の床面に配置され壁面に固定状態で取付けられている。ここで、移動鏡10は、図3及び図4に示すように、上限位置における移動鏡10の下縁の高さBより、下限位置における移動鏡10の上縁の高さCが高くなるように移動範囲が設定されている。なお、図3において、実線で示された移動鏡10は、下限位置における移動鏡10を示したものであり、二点鎖線で示された移動鏡10は、上限位置における移動鏡10を示したものである。また、移動鏡10が本考案における鏡に相当するものであり、第一収容棚9が本考案における収容棚に相当するものである。
本実施形態の洗面台4は、図1及び図2に示すように、収納物を収納可能な収納空間が内部に形成され、前面に収納空間を開閉可能に閉鎖する扉12を備えている。また、洗面台4におけるカラン3は、冷水及び温水が吐水される吐水口13が延出されている。なお、吐水口13は、先端側が伸縮可能であると共に直流吐水とシャワー吐水とに切替可能である。
洗面側上部6には、図1及び図2に示すように、洗面側上部6の上部側であると共に固定鏡5の左右両側に固定状態で配置された洗面側照明装置14と、洗面側上部6の下部側であると共に固定鏡5の左右両側より床面に対して略平行状態に前方へ突出した板状の突出板15、及び突出板15の僅か上方に固定状態で取付けられ平面視で略コ字状を呈した落下防止枠16を有し、化粧品等の小物が配置される小物配置体17とが備えられている。なお、小物配置体17は、上下に列設されている。更に、固定鏡5の右側(図1中、右側)であり上下に配設された小物配置体17の間には、洗面側照明装置14の照明をON・OFFする電源スイッチ18及びドライヤー等の家電製品を利用可能にする電源コンセント19からなる洗面側電源部20が備えられている。
また、化粧机7は、図1及び図2に示すように、一対の側板21、側板21の後部を閉鎖する背板22、及び背板22と側板21の上側に配置される天板23より形成され、天板23の高さが洗面台4と同じ高さにされている。
また、化粧側上部11は、図3に示すように、移動鏡10の上側に固定状態で取付けられた化粧側照明装置24と、化粧側照明装置24と移動鏡10とを任意の高さで保持する保持装置25(図4参照)と、移動鏡10と第一収容棚9の間を通して配線され、化粧側照明装置24に電力を供給する電源コード26と、第一収容棚9に並設された第二収容棚27とを更に備えている。ここで、化粧側照明装置24が本考案における照明装置に相当するものである。
第一収容棚9は、図3及び図4に示すように、縦長の長方形状を呈した対向する一対の側板28、側板28の上部に設けられた天板29、側板28の下部に設けられた底板30、及び後側を閉鎖する背面板31から形成されており、第一収容棚9内を上下方向に仕切る仕切り板32と、側板28同士の対向する面の開口部8側に配置され天板29の下面から底板30の上面まで延びるガイドレール33と、側板28の後端における上部側及び下部側より一対の側板28の内側方向に夫々延出され、部屋内の壁面(図示しない)に固定状態で取付けられる一対の延出板34とを更に備えている。ここで、仕切り板32は、上下方向に複数列配設されており、上面に化粧用品及び洗面用品等が収容可能になっている。また、延出板34が壁面に固定状態で取付けられることにより、化粧側上部11は、壁面に固定状態で取付けられるようになっている。
そして、第一収容棚9の第二収容棚27側の側板28は、図3に示すように、電源コード26が挿通されるように側板28内部が中空とされた配設通路35と、配設通路35に挿通された電源コード26が取出されるように穿設された配線出口36と、配線出口36の下方であると共に配線出口36とは反対側に貫通され第二収容棚27側と配設通路35とを連通する貫通口37とを備えている。また、配線出口36は、移動鏡10の後方であると共に上限位置における移動鏡10の下縁の高さBよりも高く、且つ下限位置における移動鏡10の上縁の高さCよりも低い高さに配置されている。
移動鏡10は、対向するガイドレール33同士の距離に対応する左右幅に形成されている。また、移動鏡10は、図4に示すように、平板状の板材38と、板材38の前面上側に固定状態で取り付けられ、下方より上方が突出するように板材38の前面に対して約30度傾斜している傾斜面39を有した傾斜部材40と、傾斜部材40の下方に配置されると共に板材38の前面に固定状態で取り付けられ使用者等が写される鏡部41と、鏡部41と板材38との下端を被うと共に下方へ延出され、前側に凹みが形成された引手部42とを備えている。
そして、移動鏡10は、第一収容棚9に備えられたガイドレール33に移動鏡10の左右方向の両端を対応させ嵌合させることにより、上下方向へ移動可能に支持される。また、ガイドレール33の長さは、移動鏡10の上下方向の長さの2倍よりも短くされている。これにより、移動鏡10の移動範囲は、上限位置における移動鏡10の下縁の高さBより、下限位置における移動鏡10の上縁の高さCが高くなるようになっている。
また、化粧側照明装置24は、LED(図示しない)を備えるものであり、裏面が傾斜部材40の傾斜面39と略同じ表面積とされ、傾斜面39と略並行方向に厚みが設けられている。また、化粧側照明装置24は、電源コード26と連結され電力が供給されるコード部(図示しない)を裏面に備えている。そして、化粧側照明装置24の裏面が、移動鏡10における傾斜面39に固定状態で取り付けられ、コード部(図示しない)が傾斜部材40の表面から板材38の裏面まで貫通される貫通孔(図示しない)に挿通され、電源コード26と連結されている。また、化粧側照明装置24は、傾斜面39と略並行とされた表面より光を照射する。
更に、保持装置25は、図4に示すように、移動鏡10の正面左右方向上部両端に、一端を取付けられる一対の紐材43と、紐材43が掛け渡されガイドレール33の僅かに後側で側板28の上側に回動可能な状態で取付けられた前方プーリー44と、前方プーリー44の後方に固定状態で配置された紐材案内部45と、背面板31の後方に配置されると共に前方プーリー44と略同じ高さに回動可能な状態で取付けられ、紐材43が掛け渡される後方プーリー46と、背面板31の後方に配置され紐材43の他端が取付けられると共に移動鏡10と化粧側照明装置24とを合わせた重量と略同じ重量とされた保持錘47とを備えている。
また、電源コード26は、図4に示すように、配設通路35に挿通されて、続いて、配線出口36より移動鏡10の後方に取出されて螺旋状に形成され、化粧側照明装置24のコード部(図示しない)に取付けられている。以下、電源コード26における、配設通路35内に配置された部位を直線部26aとし、螺旋状に形成された部位を螺旋部26bとする。
また、第二収容棚27は、図3に示すように、前面に設けられた開口部48と、開口部48内の下側に傾動自在に取付けられた傾動収納部49と、傾動収納部49の上方に固定状態で配置された化粧側電源部50と、化粧側電源部50の上方に配置され、開口部48を上下方向に仕切る仕切り板51とを備えている。
そして、第二収容棚27における開口部48内下部に取付けられた傾動収納部49は、前面を閉鎖する前面板52、一対の側板(図示しない)、側板の後側を塞ぐ背板(図示しない)、底面を閉鎖する底板(図示しない)より形成されており、ドライヤー等を内部に収納できるようになっている。また、傾動収納部49は、側板の外側の面に回転軸(図示しない)を備えており、回転軸によって第二収容棚27に傾動自在に軸支され、傾動収納部49の上側が前方下側へ傾斜される。
化粧側電源部50は、前面に化粧側照明装置24の照明をON・OFFする電源スイッチ53及びドライヤー等の家電製品を利用可能にする電源コンセント54を有しており、上面に化粧品等を配置できるように天板(図示しない)を設けている。また、化粧側電源部50の内部に電源コード26が挿通されており、挿通された電源コード26は電源コンセント54に電力を供給する側と電源スイッチ53を介して化粧側照明装置24に電力を供給する側に分けられている。また、化粧側照明装置24に電力を供給する側の電源コード26は、貫通口37から配設通路35内へ挿通される。
また、洗面化粧台1は、化粧机7及び洗面台4の後端より化粧側上部11及び洗面側上部6まで略鉛直方向に延びる板状の中間鏡55を更に備えており、中間鏡55に対向する景色を写すことにより、部屋内を広く見せるようになっている。
次に、本実施形態の洗面化粧台1における移動鏡10の動作について、図4を基に説明する。図4(a)の状態にある洗面化粧台1における移動鏡10の引手部42に手を掛け、移動鏡10を上方に持ち上げると、移動鏡10の両端がガイドレール33に沿って上方へ移動され、図4(b)の状態になる。この際に、移動鏡10の上側には、化粧側照明装置24が固定状態で取付けられているため、化粧側照明装置24も移動鏡10と共に上方へ移動される。また、化粧側照明装置24が上方に配置された際(配線出口36に対して化粧側照明装置24が離隔位置に配置)に、電源コード26は、螺旋部26bが伸びて長寸状態とされる。
また、図4(b)の状態にある移動鏡10を、引手部42に手を掛け下方に引き下げると、移動鏡10の両端がガイドレール33に沿って下方へ移動される。化粧側照明装置24が下方に配置される際(配線出口36に対して化粧側照明装置24が近傍位置に配置)に、電源コード26は、螺旋部26bが縮んで短寸状態とされる。
ここで、移動鏡10は、紐材43により連結された保持錘47と略同じ重量とされており、更に、紐材43と紐材案内部45との間、及び移動鏡10とガイドレール33との間には摩擦力が生じるため、移動された際の高さで保持される。
このように、本実施形態における洗面化粧台1では、化粧側上部11に、上限位置と下限位置との間で上下方向へ移動可能に支持された移動鏡10を備えているため、立った状態において化粧等で鏡を使用する際には、移動鏡10を上方へ移動させることにより、移動鏡10に写された顔を見ることができる。また、座った状態において化粧等で鏡を使用する際には、移動鏡10を下方へ移動させることにより、移動鏡10に写された顔を見ることができる。
また、移動鏡10を上下方向に移動させると、移動鏡10の上側に固定状態で取付けられた化粧側照明装置24が、移動鏡10と共に上下方向へ移動され、移動鏡10に写される使用者に対する照度を一定に保つことができ、使用者は常に移動鏡10に適切な照度で写された顔を見ることができる。また、移動鏡10を移動させた際に、保持装置25が移動鏡10を任意の高さで保持するため、使い勝手の良いものとすることができる。
また、第一収容棚9の前方において、移動鏡10が上下方向に移動するため、移動鏡10を上方向に移動させることにより、第一収容棚9の下部に対して化粧品等を出し入れすることができる。また、移動鏡10を下方向に移動させることにより、第一収容棚9の上部に対して化粧品等を出し入れすることができる。
更に、電源コード26は、移動鏡10と第一収容棚9との間を通して配線されているため、移動鏡10により遮蔽され、意匠性に優れたものとすることができる。
また、電源コード26は、第一収容棚9の側板28内に備えられた配設通路35へ挿通され、移動鏡10の後方であり常に遮蔽される第一収容棚9の前方に配置された配線出口36より取出されるため、移動鏡10の位置に拘わらず、常に移動鏡10の後方に位置することとなり、前方から見えないので、意匠性に優れたものとすることができる。
また、電源コード26は、螺旋部26bを備えており、配線出口36に対して化粧側照明装置24を近傍位置に配置する際には、収縮され短寸状態となるため、電源コード26が無用に垂れ下がったり、第一収容棚9内に配置された化粧品等に絡まることなく、使い勝手の良いものとすることができる。
そして、電源コード26は、配線出口36に対して化粧側照明装置24を離隔位置に配置する際には、伸びて長寸状態となるため、移動鏡10及び化粧側照明装置24を容易に移動させることができ、使い勝手の良いものとすることができる。
また、洗面化粧台1は、移動鏡10の下方に配置された化粧机7を備えているため、化粧をする際に、使用する化粧品等を予め全て化粧机7の上部に配置しておくことができ、夫々の化粧品等を用意するために体勢を変えることなく化粧をすることができる。
また、洗面化粧台1は、化粧机7と並設された洗面台4を備えているため、使用者は殆んど移動することなく、手、顔、及び髪等を洗うことができる。更に、洗面側上部6は、固定鏡5を有しているため、構成が簡単なものとされ、使用者側へ無用に突出されることがなく、使用者が髪等を洗う際、邪魔にならないものとすることができる。なお、固定鏡5は、移動されないため、洗面側上部6の上部側から下部側までの大きさとすることができ、固定鏡5に対向する広い範囲を写すことができる。
以上、本考案について好適な実施形態を挙げて説明した。しかし、本考案はこの実施形態に限定されるものではない。以下に示すように、本考案の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
上記実施形態の洗面化粧台1では、洗面台4と、洗面側上部6と、化粧机7と、化粧側上部11とを備えたものを示したが、これに限定するものではなく、洗面台4と、洗面側上部6とを備えないものとしても良い。
また、上記実施形態の洗面化粧台1では、電源コード26における、配線出口36より取出された電源コード取出部分を螺旋状に形成することにより、「短寸状態」、「長寸状態」となるものを示したが、これに限定するものではなく、配線出口にコードリールを備え、電源コードにおける、配線出口より取出される電源コード取出部分が巻取り又は引き出されることにより「短寸状態」、「長寸状態」となるものとしても良く、これにより、上記と同様の作用効果を奏することができる。
更に、上記実施形態の洗面化粧台1では、移動鏡10が平板状の板材38と、板材38の前面上側に固定状態で取付けられた傾斜部材40と、傾斜部材40の下方に取付けられた鏡部41とを備え、化粧側照明装置24が傾斜部材40に固定状態で取付けられているものを示したが、これに限定するものではなく、鏡部の上端等に照明装置を取付けるようにしても良く、このようにすれば、構成が簡単なものとすることができる。また、より使い勝手の良いように、化粧側照明装置24の照明角度を可変できる構成にしても良い。