JP3137536U - 利器工具用鞘 - Google Patents

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芳英 石田
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株式会社石鋸工業
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Abstract

【課題】 鞘から利器工具の刃部を引き抜く際に、使用者の手に刃部が当たってしまうことを好適に防止することが可能な利器工具用鞘を提供する。
【解決手段】 使用者が一方の手で鞘100をつかみ、他方の手で利器工具10の把手11をつかんで鞘100から刃部を引き抜く際に、鞘100をつかむ手が鞘100から引き抜かれた刃部の方にはみ出すことを防止する保護部4を備える。保護部4は、刃部が挿入される鞘100の開口端15よりも、鞘100から刃部を引き抜く方向に延長して形成されている。
【選択図】図4

Description

本考案は利器工具を収納する鞘に関する。
従来、斧、鎌、鋸その他の利器工具の不使用時における安全のため、これら利器工具の刃部を収納するための鞘が用いられる。
図8は従来の鞘1000に利器工具1001の刃部(図示略)を収納した状態を示す要部拡大図である。
図8の状態から利器工具1001を使用するためには、使用者は、一方の手(例えば左手)で鞘1000をつかみ、他方の手(例えば右手)で利器工具1001の把手1002をつかんで、鞘1000から利器工具1001の刃部を引き抜く。
なお、利器工具用の鞘を開示した先行技術文献としては、例えば、特開2005−131073号公報、実願平7−37585公報、登録実用新案第3034625公報などがある。
図9は、図8に示した従来の鞘1000における問題点を説明するための要部拡大図である。
従来の鞘1000には、図9に示すように、例えば、手1003の人差し指1004が鞘1000から把手1002側にはみ出した状態で鞘1000から利器工具1000の刃部を引き抜くと、刃部が指に当たって不快な思いをすることがある、という問題があった。
なお、市場には、プラスチックケースからなる鞘であって、開口端部付近が外周側に膨らんだものが存在するが、このような構成では、例えば、手の人差し指が鞘から把手側にはみ出すようなつかみ方を自然に行うことができるため、上記の問題を解決することができない。
同様に、先行技術文献として挙げた特開2005−131073号公報の図5乃至図7、実開平7−37585公報の図1及び図2、登録実用新案第3034625公報の図1には、開口端部付近が外周側に膨らんだ鞘が記載されているが、やはり、手の人差し指が鞘から把手側にはみ出すようなつかみ方を自然に行うことができるため、上記の問題を解決することができない。
本考案は以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、鞘から利器工具の刃部を引き抜く際に、使用者の手に刃部が当たってしまうことを好適に防止することが可能な利器工具用鞘を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本考案は、刃部と、前記刃部の一端に取り付けられた把手とからなる利器工具の前記刃部を収納する鞘であって、使用者が一方の手で前記鞘をつかみ、他方の手で前記把手をつかんで前記鞘から前記刃部を引き抜く際に、前記鞘をつかむ手が前記鞘から引き抜かれた刃部の方にはみ出すことを防止する保護部を備え、前記保護部は、前記刃部が挿入される前記鞘の開口端よりも、前記鞘から前記刃部を引き抜く方向に延長して形成されていることを特徴とする利器工具用鞘を提供する。
本考案に係る鞘においては、前記鞘の開口端からの前記保護部の延長長さが少なくとも10mm以上であることが好ましい。この延長長さは、15mm以上であることがより好ましい。
本考案に係る鞘においては、前記保護部は、前記鞘から前記刃部を引き抜く方向に向かうにつれて、前記鞘から引き抜かれた前記刃部が通過する位置より遠ざかるように反り返ったストッパー部を有し、前記ストッパー部により、前記鞘をつかむ手が前記保護部上から前記刃部を引き抜く方向に脱落することが好ましい。
この場合、前記ストッパー部の反り返り高さが少なくとも5mm以上であることが好ましい。この反り返り高さは、7mm以上であることがより好ましい。
本考案に係る鞘は、前記刃部が諸刃に形成された利器工具の刃部を収納するものである場合、前記鞘の両辺にそれぞれ前記保護部を備えることが好ましい。
また、本考案は、刃部と、前記刃部の一端に取り付けられた把手とからなる利器工具の前記刃部を収納する利器工具用鞘に取り付けて用いられる保護部材であって、使用者が一方の手で前記利器工具用鞘をつかみ、他方の手で前記把手をつかんで前記利器工具用鞘から前記刃部を引き抜く際に、前記利器工具用鞘をつかむ手が前記利器工具用鞘から引き抜かれた刃部の方にはみ出すことを防止するものであり、前記利器工具用鞘に取り付けられた状態において、前記刃部が挿入される前記利器工具用鞘の開口端よりも、前記利器工具用鞘から前記刃部を引き抜く方向に延在することを特徴とする保護部材を提供する。
鞘の開口端よりも、鞘から刃部を引き抜く方向に延長して形成された保護部を備えるので、使用者が一方の手で鞘をつかみ、他方の手で利器工具の把手をつかんで鞘から刃部を引き抜く際に、鞘をつかむ手が鞘から引き抜かれた刃部の方にはみ出すことを好適に防止することができる。よって、鞘から利器工具の刃部を引き抜く際に、使用者の手に刃部が当たってしまうことを好適に防止することが可能である。
〔第1の実施形態〕
図1乃至図4は第1の実施形態に係る鞘100を示す図であり、このうち図1は鞘100の表側を示し、図2は鞘100の裏側を示し、図3は図1の矢印A方向から見た図(一部は破断した断面図となっている)、図4は鞘100に利器工具10の刃部(図示略)を収納した状態を示す要部拡大図である。
利器工具10(図4)は、鋸、斧、鎌その他の刃物であり、刃部(図示略)と、この刃部の一端に取り付けられた把手11と、からなる。
図1乃至図4に示すように、本実施形態に係る鞘100は、利器工具10の刃部を収納する本体部1と、この本体部1に設けられた抜け落ち防止部材2、ベルトフック3及び指保護部(保護部)4と、を備えて構成されている。
このうち本体部1は、扁平かつ長尺な形状に形成され、内部には、扁平かつ長尺なスリット状の中空部が形成されている。
本体部1の一端側から利器工具10の刃部を本体部1の内部の中空部に挿入して収納させることが可能なように、該一端側には開口部5が形成されている。
利器工具10の不使用時には、安全のため、その刃部を鞘100の本体部1の内部に収納しておく。
使用者が利器工具10を使うには、一方の手(例えば左手)で鞘100の本体部1をつかみ、他方の手(例えば右手)で利器工具10の把手11をつかんだ状態で、例えば、把手11を図4の矢印B方向に移動させることにより、利器工具10の刃部を鞘100の本体部1から引き抜く。
抜け落ち防止部材2は、図3に示すように、本体部1の開口端15(開口部5が形成された端部)よりも、鞘100の本体部1から利器工具10の刃部を引き抜く方向(図4の矢印B方向)に延在するように、本体部1の裏面側に固定された板状の部材であり、例えば、金属或いはその他の弾性を有する材料からなる。
ここで、図4の矢印B方向と平行で、かつ、開口部5の中心を通る線を開口部5の軸線14と称することとすると、抜け落ち防止部材2において、開口部5側に望む面は、開口部5の軸線側に向けて隆起した隆起部6を有している。更に、隆起部6の表面には、利器工具10の把手11との摩擦力向上のための凹凸が形成されている。
鞘100の本体部1内に利器工具10の刃部を挿入する過程では、利器工具10の把手11が抜け落ち防止部材2の隆起部6に当接する。なおも利器工具10の刃部を本体部1内に挿入すると、隆起部6が利器工具10の把手11により図3の矢印C方向、すなわち、開口部5の軸線から遠ざかる方向に押されて、抜け落ち防止部材2は矢印C方向側に撓むように弾性変形する。
その結果、把手11は、抜け落ち防止部材2の隆起部6からの反力を矢印C方向の反対方向に受けるので、この把手11、ひいては刃部を含む利器工具10の全体が、鞘100の本体部1から抜け落ちてしまうことが防止される。
また、ベルトフック3は、本体部1の開口端15よりも、図4の矢印B方向(鞘100の本体部1から利器工具10の刃部を引き抜く方向)に延在するように、本体部1の裏面側に固定されている。
具体的には、例えば、ベルトフック3は、抜け落ち防止部材2の外側から該抜け落ち防止部材2と重ねて配置され、該抜け落ち防止部材2と一括して、ビス或いはその他の止着部材7(図2)により本体部1の裏面に固定されている。
ここで、ベルトフック3は、抜け落ち防止部材2の変形動作を妨げないように図3の矢印C方向、すなわち開口部5の軸線から遠ざかる方向に斜めに起立する起立部8と、この起立部8よりも先端側に位置し、本体部1と平行に延在するフックベース部9と、を備える。
ベルトフック2のフックベース部9の中央には、使用者のベルトを図1の矢印A方向に通すことが可能なスリット状の開口部12が形成されている。
使用者がベルトフック2の開口部12にベルトを通した状態では、鞘100(及びこの鞘100に挿入された利器工具10)をベルトからぶら下げて作業を行うことができる。
なお、ベルトフック2のフックベース部9の先端には、壁に設けられたフックなどに鞘100(及びこの鞘100に挿入された利器工具10)を吊り下げるための切欠孔13が形成されている。
次に、指保護部4は、使用者が一方の手(例えば左手)で鞘100の本体部1をつかみ、他方の手(例えば右手)で利器工具10の把手11をつかんで、本体部1から利器工具10の刃部を引き抜く際に、本体部1をつかむ手が、本体部1から引き抜かれた刃部の方にはみ出すことを防止するためのものである。
ここで、鞘100の本体部1を使用者が左手でつかんだ場合の親指の位置が、開口端15間際の図4に示す位置17であるとすると、人差し指の位置18は、例えば、位置17よりも矢印B方向側にオフセットされた位置となる。
このオフセット量を考慮し、指保護部4は、本体部1の開口端15よりも、本体部1から利器工具10の刃部を引き抜く方向(矢印B方向)に延長して形成された延出部19を有する。
ここで、延出部19の長さ、すなわち、開口端15からの指保護部4の延長長さD(図1)は、少なくとも10mm以上であることが好ましく、15mm以上であることがより好ましい。
具体的には、延長長さDは、例えば、20mm程度に設定することができる。
このような延出部19を備えることにより、鞘100の本体部1をつかんだ手の指が、確実に、延出部19上に留まるようにでき、本体部1から引き抜かれた刃部の方にはみ出す(例えば、図4の位置22にはみ出す)ことを防止できる。
更に、指保護部4は、その矢印B方向側の端部に、本体部1をつかむ手が指保護部4上から矢印B方向側に脱落することを防止するストッパー部16を有している。
このストッパー部16は、矢印B方向に向かうにつれて、図1の矢印E方向側に向けて反り返った形状に形成されている。すなわちストッパー部16は、本体部1から刃部を引き抜く方向に向かうにつれて、本体部1から引き抜かれた刃部が通過する位置より遠ざかるように反り返った形状に形成されている。
ここで、ストッパー部16の反り返り高さF(図1)は、少なくとも5mm以上であることが好ましく、7mm以上であることがより好ましい。
具体的には、反り返り高さFは、例えば、8mm程度に設定することができる。
このようなストッパー部16を備えることにより、鞘100の本体部1をつかんだ手の指が、より確実に延出部19上に留まるようにできる。
このような構成の指保護部4は、例えば、本体部1とは別体に構成された指保護部材(保護部材)20を本体部1に固定することにより設けられている。
図5は指保護部材20を示す図であり、図5(c)は本体部1の表側に位置する側を見た図、図5(a)は図5(c)の矢印G方向から見た図、図5(b)は図5(c)の矢印H方向から見た図、図5(d)は図5(c)の矢印I方向から見た図、図5(e)は図5(c)の矢印J方向から見た図である。
図5に示すように、指保護部材20は、上記において説明した指保護部4の各構成の他に、指保護部材20を本体部1に対して止着するための止着孔21を備えている。
この止着孔21(例えば、一対の止着孔21)を介して、ビス或いはその他の止着部材23により、指保護部材20が本体部1の一辺側の端部に固定されている。
なお、本体部1及び指保護部材20は、例えば、プラスチック(樹脂)により形成しても良いし、木により形成しても良い。
以上のような第1の実施形態によれば、鞘100の本体部1の開口端15よりも、本体部1から利器工具10の刃部を引き抜く方向(矢印B方向)に延長して形成された指保護部4を備えるので、使用者が一方の手で鞘100の本体部1をつかみ、他方の手で利器工具10の把手11をつかんで鞘100の本体部1から刃部を引き抜く際に、本体部1をつかむ手が、本体部1から引き抜かれた刃部の方にはみ出すことを好適に防止することができる。よって、鞘100から利器工具10の刃部を引き抜く際に、使用者の手に刃部が当たってしまうことを好適に防止することが可能である。
〔第2の実施形態〕
上記の第1の実施形態では、鞘の本体部1に指保護部4が1つだけ設けられている例を説明したが、第2の実施形態では、本体部1の両辺にそれぞれ指保護部4が設けられている例を説明する。
図6は第2の実施形態に係る鞘200の表側を示す図である。
本実施形態に係る鞘200は、諸刃(両辺が刃)に形成された刃部を有する利器工具(図示略)の刃部を収納するためのものであり、図6に示すように、本体部1の両辺にそれぞれ指保護部4を備える。
指保護部4の構成は上記の第1の実施形態と同様である。また、その他、上記の第1の実施形態におけるのと同様の構成要素には同一の符号を付している。
このような第2の実施形態によれば、鞘200の本体部1の両辺にそれぞれ指保護部4を備えるので、諸刃に形成された刃部を有する利器工具を本体部1内に収納した状態から、刃部を引き出す際に、刃部の両辺に手が当たることを各々の指保護部4により防止できる。
〔第3の実施形態〕
上記の第1及び第2の実施形態では、鞘の本体部1とは別体の指保護部材20を本体部1に固定することにより指保護部4が設けられている例を説明したが、第3の実施形態では、指保護部4は本体部1と一体的に形成されている例を説明する。
図7は第3の実施形態に係る鞘300の表側を示す図である。
図7に示しように、本実施形態の場合、指保護部4は本体部1と一体的に形成されている。
なお、指保護部4の構成は上記の第1の実施形態と同様であり、その他の上記の第1の実施形態におけるのと同様の構成要素には同一の符号を付している。
ここで、本体部1及び指保護部4は、例えば、プラスチック(樹脂)により形成しても良いし、木により形成しても良い。
第1の実施形態に係る鞘の表側を示す図である。 第1の実施形態に係る鞘の裏側を示す図である。 第1の実施形態に係る鞘の側面を示す図である。 第1の実施形態に係る鞘に利器工具の刃部を収納した状態の要部拡大図である。 保護部を構成する部材を示す図である。 第2の実施形態に係る鞘の表側を示す図である。 第3の実施形態に係る鞘の表側を示す図である。 従来の鞘に利器工具の刃部を収納した状態の要部拡大図である。 従来の鞘における問題点を説明するための要部拡大図である。
符号の説明
1 鞘の本体部
4 指保護部(保護部)
5 開口部
10 利器工具
11 把手
15 開口端
16 ストッパー部
19 延出部
20 指保護部材(保護部材)
100 鞘(利器工具用鞘)
200 鞘(利器工具用鞘)
300 鞘(利器工具用鞘)

Claims (6)

  1. 刃部と、前記刃部の一端に取り付けられた把手とからなる利器工具の前記刃部を収納する鞘であって、
    使用者が一方の手で前記鞘をつかみ、他方の手で前記把手をつかんで前記鞘から前記刃部を引き抜く際に、前記鞘をつかむ手が前記鞘から引き抜かれた刃部の方にはみ出すことを防止する保護部を備え、
    前記保護部は、前記刃部が挿入される前記鞘の開口端よりも、前記鞘から前記刃部を引き抜く方向に延長して形成されていることを特徴とする利器工具用鞘。
  2. 前記鞘の開口端からの前記保護部の延長長さが少なくとも10mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の利器工具用鞘。
  3. 前記保護部は、前記鞘から前記刃部を引き抜く方向に向かうにつれて、前記鞘から引き抜かれた前記刃部が通過する位置より遠ざかるように反り返ったストッパー部を有し、
    前記ストッパー部により、前記鞘をつかむ手が前記保護部上から前記刃部を引き抜く方向に脱落することを防止することを特徴とする請求項1又は2に記載の利器工具用鞘。
  4. 前記ストッパー部の反り返り高さが少なくとも5mm以上であることを特徴とする請求項3に記載の利器工具用鞘。
  5. 前記鞘は、前記刃部が諸刃に形成された利器工具の刃部を収納するものであり、前記鞘の両辺にそれぞれ前記保護部を備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の利器工具用鞘。
  6. 刃部と、前記刃部の一端に取り付けられた把手とからなる利器工具の前記刃部を収納する利器工具用鞘に取り付けて用いられる保護部材であって、
    使用者が一方の手で前記利器工具用鞘をつかみ、他方の手で前記把手をつかんで前記利器工具用鞘から前記刃部を引き抜く際に、前記利器工具用鞘をつかむ手が前記利器工具用鞘から引き抜かれた刃部の方にはみ出すことを防止するものであり、
    前記利器工具用鞘に取り付けられた状態において、前記刃部が挿入される前記利器工具用鞘の開口端よりも、前記利器工具用鞘から前記刃部を引き抜く方向に延在することを特徴とする保護部材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009201733A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Okada Kinzoku Kogyosho:Kk 鋸用鞘

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