JP3137048U - エアポンプの集塵機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンパクトな構造で、集塵能力の効率化が実現でき、そのうえ組み立て作業が簡単なエアポンプとりわけ電磁振動形ポンプ用集塵機構を提供する。
【解決手段】筐体の少なくとも一部に設けられた隔室に流体の入口6と出口7とが設けられ、隔室内に1または2以上の通気口が設けられた複数の隔壁4が配設され、複数の隔壁のうち、少なくとも隣接する隔壁の通気口の位置が異なっていることを特徴としている。
【選択図】図13

Description

本考案はエアポンプの集塵機構に関する。さらに詳しくは、主として家庭用浄化槽や養魚用水槽などへの酸素供給に利用される電磁振動型エアポンプの集塵機構に関する。しかしながら、本考案の集塵機構は、かかる特定のタイプのエアポンプ(電磁振動型エアポンプ)への適用に限定されるものではなく、一般のエアポンプに適用可能である。
従来技術にかかわるポンプとして、図17〜18に示されるようなダイヤフラム式ポンプが開示されている(特許文献1参照)。そして、図18のダイヤフラム式ポンプは、ポンプ筐体200内のフレームに対向して配置されている電磁石と、永久磁石を備えた振動子と、該振動子の両端に連結されたダイヤフラムと、前記フレームの両端側にそれぞれ固定されたポンプケーシング部とから構成されている。また、前記ポンプ筐体200の上部には、大気中の砂塵や埃などを除いて吸気するために、集塵部201が設けられている。この集塵部201は、ポンプ筐体200に形成されたほぼ四角形状またはほぼ円形の集塵室202に順次設けられた、合成繊維の不織布であるフィルター203、フィルターパッキン204およびフィルターカバー205から構成されている。また、前記集塵室202の上部底面には、空気の吸入用の吸気口Suが設けられており、フィルターカバー205で覆われたフィルターパッキン204のあいだに、大気の空気の取入口206が形成されている。このポンプの場合、大気中の砂塵や埃を除去するために合成樹脂の不織布が設けられているが、小さい砂塵や埃を除去するにはフィルターのメッシュを細かくする必要があり、そのためフィルターの目詰まりが発生しやすく、頻繁にフィルターの洗浄や取替えメンテナンス作業と目詰まりの状態のままでポンプの継続運転を行うと、流量低下やポンプが異常発熱を引き起こしてポンプの寿命の低減や客先からのクレームに繋がるという問題が生じるのである。
特開2004−76727号公報
叙上の特許文献1に記載された電磁振動形ポンプの場合(図17参照)、デッドスペースが大きくなり、小型化できず、コストが高くつくという問題がある。
本考案は、コンパクトな構造で、集塵能力の効率化が実現でき、そのうえ組み立て作業とメンテナンスが簡単で、そのうえコストの低減が可能な、エアポンプ(とりわけ電磁振動形ポンプ)用集塵機構を提供することを目的とするものである。
さらに、ピストン式やダイヤフラム式の電磁振動形ポンプにおいては、ポンプの寿命を左右するものは、ピストンの摩滅や損傷、ダイヤフラムの破損や弁の損傷等による性能低下、ポンプ機能の低下である。大気中あるいはポンプの外部から流入する流体に含まれる砂塵や異物(例えば、硬くて尖った微小異物)等が機能部品であるピストンおよびダイヤフラムに損傷、破損や弁の損傷、破損などが著しく寿命を低下させる要因となっている。本考案は、前記大気中あるいはポンプの外部から流入する流体に含まれる砂塵や異物等を除去して清浄化された流体を後段のポンプ部に提供することを目的とする。
本考案の第1の態様にかかわるエアポンプの集塵機構は、筐体の少なくとも一部に設けられた隔室に流体の入口と出口とが設けられ、当該隔室内に1または2以上の通気口が設けられた複数の隔壁が配設され、
前記複数の隔壁のうち、少なくとも隣接する隔壁の通気口の位置が異なっている
ことを特徴としている。
また、前記隔室が着脱可能に設けられてなるようにしてもよい。
本考案の第2の態様にかかわるエアポンプの集塵機構は、内カバーと外カバーからなる二重構造を有する筐体を備え、
当該内カバーの外側面と当該外カバーの内側面との間に空間が設けられ、
当該空間内に流体の入口と出口とが設けられ、
前記内カバーの外側面と前記外カバーの内側面に、1または2以上の通気口が設けられた複数の隔壁が配設されたエアポンプにおいて、
前記複数の隔壁のうち、少なくとも隣接する隔壁の通気口の位置が異なっており、
前記内カバーの外側面と当該外カバーの内側面との間に設けられた空間と、複数の隔壁と、通気口とが流体の通気路を蛇行させ通気路障害物を画定してなる
ことを特徴としている。
また、前記エアポンプの集塵機構において、通気路に、1または2以上の開口部とふきだまり部とが設けられることが好ましい。そして、当該ふきだまり部には偏向板が配設されてもよい。
本考案の第3の態様にかかわる電磁振動型エアポンプの集塵機構は、
内カバーと外カバーからなる二重構造を有する筐体を備え、
当該内カバーの外側面と当該外カバーの内側面との間に空間が設けられ、
当該空間内に、流体の入口と出口とが設けられた略円筒状または略角筒状の通気路を画定し、
当該通気路に、1または2以上の開口部とふきだまり部とが設けられてなる
ことを特徴としている。
また、前記ふきだまり部に偏向板が配設されてなることが好ましい。
また、前記開口部とふきだまり部が合対応して配設されてなることが好ましい。
また、前記通気路は放熱手段として機能することができる。
また、前記通気路は消音手段として機能することができる。
また、前記内カバーの外側面、および当該外カバーの内側面が、いずれか波状の曲面形状を有してなることが好ましい。
本考案の集塵機構によれば、ポンプの筐体の少なくとも一部に設けられた隔室内に通気路が蛇行するように形成されるため、ポンプに流入する流体が、蛇行した通気路を通過するときに、流速に差異が生ぜしめることができ、その結果、乱流が発生する。かかる乱流の発生によって塵埃の重力と落下で集塵作用が得られる。
また、本考案によれば、IEC(国際電気標準会議)60529によって規定された電気機械器具の外郭による保護等級のIP33またはIP34を満たす(言い換えれば、雨水の浸入のみならず、砂塵の侵入を防止する構造を有する)蛇行した通気路を筐体の少なくとも一部に設けられた隔室内に画定しているため、集塵機構のための余計なスペースを必要としないため、コンパクトな構造を実現することができ、組み立て作業が簡単な電磁振動形ポンプを提供することができる。
本実施の形態の電磁振動形ポンプについて添付図面を参照しつつ、以下に詳細に説明する。図1は本考案の一実施の形態にかかわる集塵機構が適用された電磁振動形ポンプを示す説明図、図2は本考案の集塵機構の一例を示す側面説明図、図3は本考案の集塵機構の他の例を示す上面説明図、図4は本考案の集塵機構のさらに他の例を示す上面説明図、図5は本考案の集塵機構のさらに他の例を示す上面説明図、図6は本考案の集塵機構のさらに他の例を示す上面説明図、図7は流量と渦の量との関係を示すグラフ、図8は本考案の集塵機構の他の例を示す側面説明図、図9は本考案の集塵機構のさらに他の例を示す側面説明図、図10は本考案の集塵機構の概念を示す説明図、図11は本考案の集塵機構に適用される通路の形態を示す説明図、図12は本考案の一態様にかかわる集塵機構が設けられたエアポンプの説明図、図13は本考案の他の態様にかかわる集塵機構が設けられたエアポンプの説明図、図14は本考案のさらに他の態様にかかわる集塵機構が設けられたエアポンプの説明図、図15は本考案のさらに他の態様にかかわる集塵機構が設けられたエアポンプの説明図、図16は本考案のさらに他の態様にかかわる集塵機構が設けられたエアポンプの説明図である。
本実施の形態のエアポンプ1の集塵機構10(図1参照)は、内カバー3と外カバー2からなる二重構造を有する筐体Hを備えている。そして、当該内カバー3の外側面と当該外カバー2の内側面との間に空間5が設けられている。当該空間5内に流体の入口6と出口7とが設けられている。一層の集塵効果を高めるため二重フィルターの方式を採用してもよく、その場合エアポンプ1の上部にフィルター12を設けることにより対応することも可能である。
しかしながら、本考案の集塵機構は、図12〜16に示されるように、筐体Hの少なくとも一部(図示された例では、筐体Hの側面に設けられた凹所Ca)に隔室Rが設けられておりさえすればよく、当該隔室Rには流体の入口6と出口7とが設けられ(図13参照)、さらに当該隔室R内に1または2以上の通気口Pが設けられた複数の隔壁4が配設されている。したがって、筐体Hが二重構造を有していることは必須ではない。
図12に示された例では、筐体Hの凹所Ca内に取り付けられた複数の隔壁4によって隔室Rが画定されている。そして、隔室Rを覆う蓋Lがネジによって着脱可能に設けられる。
図13に示された例では、隔室Rは、凹所Caの側面に支持プレートSPを介して取り付けられ、隔室Rの側面と対向する側は蓋Lで閉鎖された後、凹所Caの側面に設けられた雌ネジS1に、蓋Lの表側から挿通される雄ネジS2を螺着することによって固定される。
図14に示された例では、隔室Rは、凹所Caの側面に支持プレートSPを介して取り付けられる蓋L内に設けられている。
図15に示された例では、隔室Rは、凹所Caの側面に支持プレートSPを介して着脱自在に取り付けられるモジュールM(一種のカセット)内に設けられている。
図16に示された例では、隔室Rは、凹所Caの側面に形成された溝Gに嵌入される枠体F内に設けられている。
本考案の集塵機構は、筐体Hが二重構造ないしは半二重構造を有するものにも好適に適用される。そして、本考案において二重構造とは、図10(a)に示されるように、当該内カバー3の外側面が当該外カバー2の内側面によって部分的に覆われたもの(一部二重構造)と、図10(b)示されるように、当該内カバー3の外側面が当該外カバー2の内側面によって完全に覆われたもの(全二重構造)とを含む概念であり、この点でポンプ本体とは別体として設けられた空間Cを備えた従来技術のフィルタ(図10(c))の構造と異なる。
前述の図1〜6の集塵器10の場合、内カバー3の外側面と前記外カバー2の内側面には、1または2以上の通気口4aが設けられた複数の隔壁4が配設されている。隔壁4の厚さは特定の厚さに限定されるものではないが、隔壁4の厚さを変えることによって通路Pの容積を変化させることができ、ひいては集塵器自体の処理能力を変えることができる(図12〜16も同様)。
図2に示されるように、前記複数の隔壁4のうち、少なくとも隣接する隔壁4、4の通気口4aの位置が異なっている。そして、前記内カバー3の外側面と外カバー2の内側面との間に設けられた空間5と、複数の隔壁4と、通気口4aとが流体の通気路Pを画定している。
図11を参照すると、本考案の通気口4aは、たとえば、隔壁に単に孔を開けたもののほか、スリット型のもの(図11(a)および(b))と、尾管型のもの(図11(c))が好適に採用される。また、尾管型の通気口4aの場合、断面形状としては、たとえば略円形状のもの(図11(d))や、略楕円形状のもの(図11(e))を採用することができる。
さらに、本実施の形態においては、前記エアポンプ1の集塵機構10(図2〜6参照)において、通気路Pに、1または2以上の開口部11とふきだまり部9とが設けられ、当該ふきだまり部9に偏向板8が配設されている(図4〜6参照)。なお、図3〜6は、集塵機構10における隔壁4の構成を紙面に対して垂直方向から見た図(すなわち、図1のエアポンプ1を上方から見た図)である。しかし、図3〜6に示された集塵機構10の隔壁4の構成は、当然のことながら水平状態でも機能し得る。たとえば、図3の隔壁4の構成(すなわち、図1のエアポンプ1の側部に設けられた隔壁4の構成)は、前述の図1のエアポンプ1上部のエアフィルタ12を設ける領域に採用することも可能である。
また、本実施の形態の電磁振動型エアポンプ1の集塵機構10は、内カバー3と外カバー2からなる二重構造を有する筐体Hを備え、当該内カバー3の外側面と当該外カバー2の内側面との間に空間5が設けられている。
そして、空間5内には、通気路が画定されている(図1の矢印参照)。
前記開口部11とふきだまり部9は、図5または図6に示されるように、合対応して配設することも可能である。
通気路Pは、ポンプ本体(図1参照)が発生した熱と、通気路Pを通過する空気とのあいだで熱交換するので、一種の冷却効果を奏する。
さらに、通気路Pは、消音効果を奏する。
叙上のような構成により、本考案のエアポンプ1の通気路Pは、いわば蛇行した経路を画定しているので、流体が通気口4aを介して通気路Pを通過するたびに、乱流を発生させることができる。蛇行したジグザグの通気路Pに砂塵を含んだ流体が通過するとき(通過するたび)に乱流が発生して、篩にかかり、重い砂塵(微小異物)ほど通気路Pの底部に落下して集塵される。
乱流は、空間内に不規則かつ非定常な連続的スペクトルをもつ流体の流速変動を含む流れである。すなわち、乱流は、本実施の形態において、通気路P内の流体の流速の差異によって発生するのであり、レイノルズ数Reの値が大きいほど、乱流が発生する。
Re=ρvd/μ=Vd/ν・・・(式1)
ここに、ρは流体の密度、μは流体の粘度、Vは通気路内の流速、dは通気路(パイプと仮定した場合)の直径、ν(=μ/ρ)は流体の動粘度である。
前記式1から、レイノズル数Reは通気路P内の流速、通気路(パイプと仮定した場合)の直径に比例する。
本考案の一態様では、筐体Hを内カバー3と外カバー2からなる二重構造としており、内カバー3と外カバー2の間の空間を集塵作用に機能的に利用するものである。そして、本考案は、偏向板8および8x(図4、5、6参照)を流体の流れの中におくと、その流れの後方に渦が発生するのであるが、発生する渦の数や大きさは流速に比例することを応用したのである。ただし、図4〜6に示した例は一例にすぎず、本考案はかかる構成に限られない。
以下に、実施例にもとづいて本考案の集塵機構をさらに詳しく説明するが、本考案は、実施例に限定されるものではない。
実施例1
図8に示されるとおり、4つの隔壁4によって仕切られた5つのセルから構成され、該5つのセルが互い違いに配設された通気口4aによって連通された容器を作製した。図8において、参照符号8で示された部材は偏向板であり、偏向板8は通気口4aに接近するように隔壁4に対して角度θ(θ=25度)だけ傾斜している。
そして、入口6から塵埃が混入された空気を流入させた結果、(1)偏向板8を有するセル内には渦の発生が少ないこと、(2)塵埃が偏向板8を乗り越えること、そして(3)出口7が設けられたセルに塵埃が溜り易く、出口7からポンプに塵埃が流出する虞があることが判明した。
実施例2
図9に示されるとおり、4つの隔壁4によって仕切られた5つのセルから構成され、該5つのセルが互い違いに配設された通気口4aによって連通された容器を作製した。図9において、参照符号8で示された部材は偏向板であり、上部偏向板8aおよび下部偏向板8bとも通気口から遠ざかるように隔壁4に対して角度θ(θ=45度)だけ傾斜している。
そして、入口6から塵埃が混入された空気を流入させた結果、図9において偏光板8bは下部に設けられているが上下部にそれぞれ設けることもできる。偏向板8bの下側にふきだまり9が発生することが判明した。
本考案の一実施の形態にかかわる集塵機構が適用された電磁振動形ポンプを示す説明図である。 本考案の集塵機構の一例を示す側面説明図である。 本考案の集塵機構の他の例を示す上面説明図である。 本考案の集塵機構のさらに他の例を示す上面説明図である。 本考案の集塵機構のさらに他の例を示す上面説明図である。 本考案の集塵機構のさらに他の例を示す上面説明図である。 流量と渦の量との関係を示すグラフである。 本考案の集塵機構の他の例を示す側面説明図である 本考案の集塵機構のさらに他の例を示す側面説明図である。 本考案の集塵機構の概念を示す説明図である。 本考案の集塵機構に適用される通路の形態を示す説明図である。 本考案の一態様にかかわる集塵機構が設けられたエアポンプの説明図である。 本考案の他の態様にかかわる集塵機構が設けられたエアポンプの説明図である。 本考案のさらに他の態様にかかわる集塵機構が設けられたエアポンプの説明図である。 本考案のさらに他の態様にかかわる集塵機構が設けられたエアポンプの説明図である。 本考案のさらに他の態様にかかわる集塵機構が設けられたエアポンプの説明図である。 従来のエアポンプの一例を示す説明図である。 従来のエアポンプの一例を示す説明図である。
符号の説明
1 エアポンプ
2 外カバー
3 内カバー
4 隔壁
4a 通気口
5 空間
6 入口
7 出口
8 偏向板
9 ふきだまり部
10 集塵機構
11 開口部
C 空間
Ca 凹所
H 筐体
P 通気路

Claims (5)

  1. 筐体の少なくとも一部に設けられた隔室に流体の入口と出口とが設けられ、当該隔室内に1または2以上の通気口が設けられた複数の隔壁が配設され、
    前記複数の隔壁のうち、少なくとも隣接する隔壁の通気口の位置が異なっており、
    前記隔室が着脱可能に設けられてなる
    ことを特徴とするエアポンプの集塵機構。
  2. 前記隔室内の通気路に、1または2以上の開口部とふきだまり部とが設けられてなる請求項1記載の集塵機構。
  3. 前記ふきだまり部に偏向板が配設されてなる請求項2記載の集塵機構。
  4. 前記通気路が放熱手段として機能する請求項2または3記載の集塵機構。
  5. 前記通気路が消音手段として機能する請求項2または3記載の集塵機構。
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