JP3136957B2 - 高重合ポリシロキサン分散体の製造方法 - Google Patents

高重合ポリシロキサン分散体の製造方法

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JP3136957B2 JP07206683A JP20668395A JP3136957B2 JP 3136957 B2 JP3136957 B2 JP 3136957B2 JP 07206683 A JP07206683 A JP 07206683A JP 20668395 A JP20668395 A JP 20668395A JP 3136957 B2 JP3136957 B2 JP 3136957B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高重合ポリシロキ
サンの環状シロキサン分散体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】高重合
ポリシロキサンを環状シロキサン又は低粘度ポリシロキ
サンに分散させた材料は、産業上利用価値が高く種々の
分野で使用されており、特に化粧料分野では多量に使用
されている。
【0003】一般にこのような分散体は、高重合ポリシ
ロキサンと環状シロキサンを混合・撹拌溶解することに
より製造されているが、高粘度の高重合度ポリシロキサ
ン(生ゴム)を均一に分散(溶解)するには加熱や長時
間の混合が必要となっている。そこで、特開平5−17
8996号公報では環状シロキサン中で加水分解可能な
オルガノポリシロキサン(ジヒドロキシポリシロキサ
ン)を縮合して高重合ポリシロキサンの分散体を製造す
る方法を提案しているが、ここに示された方法では、反
応に高い温度を必要とし、更に重合中に生成する水分を
除去する装置が必要となってくる。
【0004】このため、効率よく高重合ポリシロキサン
の環状シロキサン分散体を製造する方法が求められてい
る。
【0005】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記要望に応えるため鋭意検討を行った結
果、下記一般式(2)で示される環状トリシロキサンを
開環重合する際に、この環状トリシロキサン(2)を下
記一般式(1a)又は(1b)で示されるシロキサン中
において下記一般式(3)で示されるリチウム化合物を
重合触媒として重合を行った場合、上記環状トリシロキ
サン(2)のみが開環して重合し、下記一般式(4)で
示される高重合ポリシロキサンが上記シロキサン(1
a)又は(1b)中に分散した高重合ポリシロキサン分
散体が得られること、そして、この方法によれば、高い
温度を必要とせず、また水分等の副生物も生成しないた
め、効率よく高重合ポリシロキサンの分散体を製造し得
ることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0006】
【化4】 (式中、R1,R2,R3はそれぞれ互いに同一又は異種
の炭素数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基を示
し、n≧4、m≧0、p≧0の整数である。R4は炭素
数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基又は水酸基
を示し、qは通常650以上の整数である。)
【0007】従って、本発明は、上記式(1a)又は
(1b)のオルガノシロキサン溶液中で上記式(2)の
環状トリシロキサンを上記式(3)のリチウム化合物を
重合触媒として重合することを特徴とする高重合ポリシ
ロキサン分散体の製造方法を提供する。
【0008】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の高重合ポリシロキサン分散体の製造方法において
は、下記一般式(1a)又は(1b)のオルガノシロキ
サン溶液中で下記一般式(2)の環状トリシロキサンの
開環重合を行うもので、この場合下記一般式(3)のリ
チウム化合物を重合触媒として用いるものであり、これ
により上記式(2)の環状トリシロキサンのみが開環重
合し、得られた高重合ポリシロキサンが上記式(1a)
又は(1b)のオルガノシロキサン溶液中に分散した分
散体が製造される。
【0009】
【化5】 (式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の
非置換又は置換一価炭化水素基を示し、n≧4、好まし
くはn≧4〜7、m≧0の整数である。)
【0010】
【化6】 (式中、R2は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の
非置換又は置換一価炭化水素基を示す。)
【0011】
【化7】 (式中、R3は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の
非置換又は置換一価炭化水素基を示し、p≧0、好まし
くはp≧0〜10の整数である。)
【0012】ここで、R1の例としては、メチル基、エ
チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の飽和脂
肪族炭化水素基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等の飽和脂環式炭化水素基、フェニル基、トリル基等の
芳香族炭化水素基、トリフロロプロピル基、ヘプタデカ
フロロデシル基、クロロプロピル基、クロロフェニル基
等のハロゲン化炭化水素基などを挙げることができる。
これらの中では、炭素原子数1〜5の飽和炭化水素基、
特にメチル基が好ましく、具体的には式(1a)の化合
物としてオクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメ
チルシクロヘキサシロキサン等を挙げることができる。
なお、mの上限は式(1b)の化合物を液状とする数で
あり、通常2000以下、好ましくは1000以下、更
に好ましくは500以下である。
【0013】R2の例としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の飽和脂肪族炭化
水素基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の飽和
脂環式炭化水素基、フェニル基、トリル基等の芳香族炭
化水素基、トリフロロプロピル基、ヘプタデカフロロデ
シル基、クロロプロピル基、クロロフェニル基等のハロ
ゲン化炭化水素基などを挙げることができる。これらの
中では、メチル基、トリフロロプロピル基、フェニル基
が好ましく、具体的にはヘキサメチルシクロトリシロキ
サン、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン、1,3,
5−トリス(3,3,3−トリフロロプロピル)−1,
3,5−トリチメルシクロトリシロキサン等を挙げるこ
とができる。
【0014】また、R3の例としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の飽和脂肪
族炭化水素基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等
の飽和脂環式炭化水素基、フェニル基、トリル基等の芳
香族炭化水素基、トリフロロプロピル基、ヘプタデカフ
ロロデシル基、クロロプロピル基、クロロフェニル基等
のハロゲン化炭化水素基などを挙げることができる。こ
れらの中では、炭素原子数1〜5の飽和炭化水素基、フ
ェニル基が好ましい。
【0015】pは0以上の整数であり、好ましくは0〜
10である。pが0の場合、通常市販されている有機リ
チウム化合物であり、pが1以上の場合はオルガノシラ
ンもしくはオルガノポリシロキサンのリチウム塩であ
り、これは分子鎖片末端にシラノール基を有するオルガ
ノポリシロキサンもしくはオルガノシクロポリシロキサ
ンと有機リチウム化合物との反応により容易に得ること
ができる。具体例としては、メチルリチウム、n−ブチ
ルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、
リチウムトリメチルシラノレート、リチウムジメチルビ
ニルシラノレート、リチウムジフェニルメチルシラノレ
ート等が挙げられる。
【0016】上記一般式(2)で示される環状トリシロ
キサンを開環重合する場合、まずこれを上記一般式(1
a)又は(1b)で示されるオルガノシロキサンと窒素
等の不活性雰囲気下に混合する。このとき、一般式(1
a)又は(1b)で示されるオルガノシロキサンと一般
式(2)で示される環状トリシロキサンの混合割合は任
意でよいが、環状トリシロキサンの重合が進行するにつ
れ系内の粘度が上昇するため、重量比として99:1〜
50:50が望ましい。また、一般式(1a)又は(1
b)で示されるオルガノシロキサンと一般式(2)で示
される環状トリシロキサンはそれぞれ2種以上を混合し
て使用してもよい。
【0017】次に、上記混合物に上記一般式(3)で示
される有機リチウム化合物を加え、重合反応を行う。重
合温度は−20℃〜150℃、好ましくは30〜100
℃である。反応時間は通常1〜4時間であり、その後、
重合停止剤の酸又はクロロシランを添加して反応を完結
する。
【0018】また、本発明の製造方法は無溶剤でも差し
支えないが、反応を良好に進行させるために有機溶剤を
添加してもよい。この場合、有機溶剤としては、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン
等のエーテル系、ヘキサン、デカン、トルエン等の炭化
水素系、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド
等の非プロトン性溶剤等が挙げられるが、好ましくはオ
ルガノシロキサン(1a),(1b)よりも揮発性の高
いものが望ましい。有機溶剤の使用量は、環状トリシロ
キサン(2)の濃度が1〜90重量%になるように用い
ることが好ましい。使用した溶剤は、重合反応後、スト
リップにより系外に除去することで所望の分散体を得る
ことができる。
【0019】本発明によれば、上記方法によって下記一
般式(4)で示される高重合ポリシロキサンが上記式
(1a)又は(1b)のオルガノシロキサンに分散した
分散体が得られ、これは化粧料、その他各種分野におけ
る用途に用いることができる。
【0020】
【化8】 (式中、R2,R4は上記と同様の意味を示し、qは通常
650以上、特に1500以上の整数である。)
【0021】なお、重合後における重合触媒の除去は水
洗、濾過等により行うことができる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、オルガノシロキサン溶
液中で環状トリシロキサンの重合を行うことにより、1
段階で高重合ポリシロキサン分散体を製造できるので、
生産性が向上される。
【0023】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
【0024】〔実施例1〕乾燥窒素雰囲気下、反応器に
ヘキサメチルシクロトリシロキサン59.0g(0.2
7mol)、テトラヒドロフラン100ml、デカメチ
ルシクロペンタシロキサン531.0g(1.44mo
l)を加え、次に撹拌しながらリチウムトリメチルシラ
ノレート0.015g(0.16mmol)を添加し
て、80℃で3時間重合した後、トリメチルクロロシラ
ン0.017g(0.16mmol)を添加して30分
反応させた。溶剤を留去して無色透明の粘性液体を得
た。ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーによ
り分析したところ、重量平均分子量が135000の高
重合ジメチルポリシロキサンがデカメチルシクロペンタ
シロキサンに分散していることが確認できた(10%濃
度)。
【0025】〔実施例2〕乾燥窒素雰囲気下、反応器に
ヘキサメチルシクロトリシロキサン118.0g(0.
53mol)、テトラヒドロフラン100ml、デカメ
チルシクロペンタシロキサン472.0g(1.28m
ol)を加え、次に撹拌しながらリチウムトリメチルシ
ラノレート0.06g(0.63mmol)を添加し
て、80℃で3時間重合した後、トリメチルクロロシラ
ン0.068g(0.63mmol)を添加して30分
反応させた。溶剤を留去して無色透明の粘性液体を得
た。ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー分析
より、重量平均分子量が116000の高重合ジメチル
ポリシロキサンの20%デカメチルシクロペンタシロキ
サン溶液が生成していることが確認できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−178996(JP,A) 特開 昭63−27529(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 83/04 C08G 77/08 C08G 77/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1a)又は(1b) 【化1】 (式中、R1は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の
    非置換又は置換一価炭化水素基を示し、n≧4、m≧0
    の整数である。)で示されるオルガノシロキサン溶液中
    で、下記一般式(2) 【化2】 (式中、R2は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の
    非置換又は置換一価炭化水素基を示す。)で示される環
    状トリシロキサンを下記一般式(3) 【化3】 (式中、R3は互いに同一又は異種の炭素数1〜10の
    非置換又は置換一価炭化水素基を示し、p≧0の整数で
    ある。)で示されるリチウム化合物を重合触媒として重
    合することを特徴とする高重合ポリシロキサン分散体の
    製造方法。
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