JP3136173U - 薬剤揮散容器。 - Google Patents

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Abstract

【課題】薬剤がハニカム材を痛めることなく、再利用が可能であり、薬剤の揮散範囲を広く確保できる薬剤揮散容器とする。
【解決手段】 薬剤又は薬剤を含有した薬剤担持体4を固定するための保持部5を有する基板体2と、この基板体2に取り付けられて前記保持部5の周囲を覆うカバー体3を備え、前記カバー体は、折り畳み状態と開拡状態に変形可能な立体的ハニカム構造を呈して多数の通気孔8が形成されており、このカバー体3の内側には前記保持部5を避けるようにして周囲に空間部9が設けられてカバー体3の内外が連通されている。
【選択図】図1

Description

本考案は、芳香剤や消臭剤、或いは殺虫剤等の揮散性の薬剤やこれらの薬剤を含有した薬剤担持体を収容するための簡易な揮散容器であり、主として室内や車内において使用されるものに関する。
従来、この種の薬剤揮散容器としては、特許文献1に開示されるようなハニカム構造体の内部に薬剤を嵌挿したものが存在する。
この従来例は、図9(a)に示すように多数の薄葉シートをその各シートに交互に半ピッチずらして条線状に接着剤を塗布して接着することにより積層一体化した拡巾自在のハニカム材101に、その折り畳み状態において切り込み102を設けると共に、該切り込みに薬剤103を嵌挿したものである。
実開昭61−203049号公報
しかし、上記従来のものは、薬剤103をハニカム材101の切り込み102に直接挟み込んでいるので、薬剤103がハニカム材101に浸出し、ハニカム材101を痛めて容器の再利用ができないという不都合が生ずる。
また、薬剤103がハニカム構造体の条線状の通気孔に沿って嵌挿されているので、図9(b)のように、薬剤103がハニカム構造体の外側と連通する領域Hは、極めて限定された狭い範囲となっており、薬剤103を充分に揮散させることができず、その揮散量も好みに合わせて調整できないという問題もあった。
そこで、本考案は、薬剤がハニカム材を痛めることなく、揮散範囲を広く確保できる薬剤揮散容器を提供することを目的とする。
本考案は上記の目的を達成するために以下の技術的手段を講じた。
(1)すなわち、本考案に係る薬剤揮散容器は、薬剤又は薬剤を含有した薬剤担持体を固定するための保持部を有する基板体と、この基板体に取り付けられて前記保持部の周囲を覆うカバー体を備え、
このカバー体は、折り畳み状態と開拡状態に変形可能な立体的ハニカム構造を呈して多数の通気孔が形成されており、このカバー体の内側には前記保持部を避けるようにして周囲に空間部が設けられ、この空間部と前記通気孔を介してこのカバー体の内外が連通されている。
本考案では、薬剤又は薬剤を含有した薬剤担持体が、立体的ハニカム構造のカバー体とは別の基板体の保持部に固定され、このカバー体の内側には前記保持部を避けるようにして周囲に空間部が設けられているので、カバー体に薬剤が浸出してカバー体を痛めることがなく、薬剤を交換することにより、容器の再利用ができる。
しかも、カバー体の内外が保持部の周囲の空間部と通気孔を介して連通しているので、空間部において薬剤が揮散し、カバー体の広い範囲の通気孔を通じて容器外方に揮散させることができる。
(2)また、基板体に設けられた保持部は、基板体の表裏を貫通する孔で構成され、この孔の縦横の開口幅が異なる構成とすることができる。
保持部が貫通孔で構成されているので、薬剤等は挿入するだけで固定することが出来、薬剤等が基板体に接する面積が少なく、基板体に薬剤が浸出することも少なくなる。
しかも、保持部を構成する孔は、縦横の開口幅が異なる例えば楕円形とすることにより、薬剤等の幅、乃至は厚みに応じて挿入方向を変えることにより、好適に薬剤を保持できる。また、薬剤担持体がシート状のものである場合には、これを丸めて挿入し、薬剤担持体の弾性復元力により、好適に薬剤を保持できる。
(3)さらに、前記カバー体は、折り畳み状態においてその一方の端面が前記基板体に取り付けられ、他方の自由端面には、カバー体を補強するための保形板体を備えた構造とすることができる。
これにより、カバー体のハニカム部分が薄い紙葉材で構成されていても、その形状が崩れることがない。
(4)また、前記カバー体は、前記基板体の表裏両面に設けられ、それぞれの折り畳み状態において前記基板体を挟んで鏡状対称位置に取り付けられており、開拡状態においてそれぞれの保形板体の端部から外方に突出形成された係合片を相互に交錯させることにより、前記基板体周りの全周を覆う開拡状態が維持されるようにすることができる。
カバー体を基板体の表裏両面に個別に設ける場合、各カバー体をそれぞれの折り畳み状態において前記基板体を挟んで鏡状対称位置に取り付けることにより、各カバー体を開拡状態にする際に両カバー体の自由端どうしを重合する形式とすることができる。そうすると、両カバー体に係合片を突設し、相互に係合し得るような簡単な構造で、特別な仕組みを要することなく開拡維持をすることができる。
(5)前記カバー体は、前記基板体の表裏の少なくとも片面側に2つ設けられ、各カバー体は折り畳み状態においてそれぞれの一方の端面が前記保持部を中心として左右対称に取り付けられ、それぞれの自由端面が相互に重ね合わされる構造とすることができる。
これにより、例えば一方のカバー体のみを最大限の開拡状態にし、他方のカバー体を折り畳み状態としておけば、ハニカム構造の通気孔は広くなり、薬剤の揮散量が大となる。
また、両カバー体を同じ程度(平面視の角度90°)の開拡状態すれば、各ハニカム構造の通気孔は上記に比べて狭くなり、薬剤の揮散量が少なくなる。さらに、両カバー体を例えば、一方が平面視の角度30°に開拡し、他方を角度150°開拡すれば、揮散量の調整と共に揮散方向の調整も可能となる。
(6)さらに、前記カバー体の外周には、このカバー体を覆う外側のカバー体が設けられ、この外側のカバー体は折り畳み状態と開拡状態に変形可能な立体的ハニカム構造を呈して多数の通気孔が形成されており、この外側のカバー体の前記通気孔は、その内側に存在する前記カバー体の通気孔と空間部とを介して外側のカバー体及びその内側に存在するカバー体の内外が連通され、これらの内外のカバー体のそれぞれの開拡状態を変更することにより薬剤の揮散量の調整が可能とすることもできる。
これにより、より多様な形での薬剤の揮散量の調整が可能となる。
本考案によれば、室内や車内において薬剤を徐々に揮散させる薬剤揮散容器において、揮散薬剤がハニカム材を痛めることなく、揮散範囲を広く確保できるものとすることができる。
以下、図面を参照しながら本考案の実施の形態を説明する。
図1〜5に示すように、本考案の薬剤揮散容器1は、主として、基板体2と、この基板体2に取り付けられたカバー体3で構成されている。
前記基板体2は、厚手の紙等で構成され、適宜動物等のマスコットの顔や手が設けられ、親近感のある形状とされている。また、基板体2のほぼ中央部分には、後述する薬剤又は薬剤を含有した薬剤担持体4を固定するための保持部5が設けられている。この保持部5は、基板体2の表裏を貫通する孔で構成され、この孔の縦横の開口幅が異なる楕円形状とされている。
そして、基板体2の頂部には吊り下げ用の紐を挿通するための孔6を有する吊り下げ片7が突設されている。
カバー体3は、前記基板体2の保持部5の周囲を覆うものであり、紙等の多数の薄葉シートをその各シートに交互に半ピッチずらして条線状に接着剤を塗布する等して接着することにより積層一体化されたハニカム構造体に形成されている。そして、かかるハニカム構造体は、折り畳み状態と開拡状態に変形可能であり、多数の通気孔8が形成されている。
このカバー体の内側には前記保持部を避けるようなくり抜いたような形状とされて周囲に空間部9が設けられ、この空間部9とカバー体3を開拡状態にした際に開口される前記通気孔8を介してこのカバー体3の内外が連通されている。
また、カバー体3は、折り畳み状態においてその一方の端面が前記基板体2に取り付けられ、他方の自由端面には、カバー体を補強するための保形板体10を備えている。
図2、図3に示すように、カバー体3は、前記基板体2の表面のみならず裏面にも設けられ、それぞれの折り畳み状態において前記基板体3を挟んで鏡状対称位置に取り付けられている。
そして、各カバー体3の保形板体10には外方突出状に係合片11が設けられている。この係合片11は、本実施形態では、一方のカバー体3のものが上方に傾斜突出し、他方のカバー体3のものが下方に傾斜突出しており、両カバー体3を開拡状態にした際に係合片11を相互に交錯させることにより、前記基板体2の周りの全周を覆う開拡状態が維持されるようにすることができる。
なお、カバー体3の基板体2への取り付けは、カバー体3の下端部3Bと基板体2の下端部2Bが面一となるようにされることが好ましい。
基板体2の保持部5に固定される薬剤又は薬剤を含有した薬剤担持体4は、固形の薬剤や適宜容器に収容された薬剤、或いは不織布等のシート材料に液状の薬剤を含浸させた薬剤担持体である。薬剤あるいは含浸される薬剤としては、芳香剤や消臭剤の他、防虫剤や殺虫剤、害虫誘因剤、害虫忌避剤、或いは殺菌剤、鮮度保持剤などの公知の揮発性薬剤が使用される。
次に、上記実施形態における使用方法を説明する。
本考案の薬剤揮散容器1は、カバー体3を折り畳んだ状態で、基板体2の保持部5に薬剤又は薬剤担持体4を挿入して固定する。この際、保持部5が貫通孔で構成されているので、薬剤等4は挿入するだけで固定することが出来、薬剤等4が基板体2に接する面積が少なく、基板体2に薬剤が浸出することも少なくなる。
しかも、保持部5を構成する孔は、縦横の開口幅が異なる楕円形とすることにより、図5(a)〜(d)のような態様で、薬剤等4の幅や厚みに応じて挿入方向を変えることにより、好適に薬剤を保持できる。また、薬剤担持体4がシート状のものである場合には、図5(a)のように丸めて挿入し、薬剤担持体4の弾性復元力により、好適に薬剤を保持できる。薬効が強すぎる場合には、薬剤担持体4を適宜の大きさに切って使用することもできる。
次いで、基板体2の表裏両面のカバー体3をそれぞれ開拡し、両カバー体3の自由端(保形板体10)どうしを重合して、両カバー体3の係合片11を相互に係合すれば、薬剤又は薬剤担持体4の周囲がカバー体3で覆われる。なお、係合片11には孔11’が設けられているので、必要で有れば紐等を通して係合片11どうしを結びつけておくことも可能である。
この薬剤揮散容器1は、基板体2の吊り下げ片7の孔6に通した紐等で吊り下げて使用することもできるが、テーブル等の家具の上に載置して使用することもできる。このような載置使用の場合には、基板体2の下端部2Bとカバー体3の下端部3Bが面一となっているので、カバー体3の立体的なハニカム構造により薬剤揮散容器1は容易に倒れることがない。
しかして、薬剤又は薬剤担持体4は、立体的ハニカム構造のカバー体3とは別の基板体2の保持部に固定され、このカバー体3の内側には前記保持部5を避けるようにして周囲に空間部9が設けられているので、カバー体3に薬剤が浸出してカバー体3を痛めることがなく、薬剤を交換することにより、容器の再利用ができる。
しかも、カバー体3の内外が保持部5の周囲の空間部9と通気孔8を介して連通しているので、空間部9において薬剤が揮散し、カバー体3の広い範囲の通気孔8を通じて薬剤揮散容器1の外方に揮散させることができる。
図6及び図7は、その他の実施形態を開示している。なお、上記実施形態と同様部分は同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
この実施形態では、前記カバー体3は、前記基板体2の表裏の片面側(表面側)に2つ設けられ、各カバー体3は、その折り畳み状態においてそれぞれの一方の端面が前記保持部5を中心として左右対称に取り付けられ、それぞれの自由端面(保形板体10)が相互に重ね合わされる構造とされている。
従って、例えば一方のカバー体3のみを最大限の開拡状態にし、他方のカバー体3を折り畳み状態としておけば、ハニカム構造の通気孔8は広くなり、薬剤の揮散量が大となる。 また、両カバー体3を同じ程度(平面視の角度90°)の開拡状態すれば、各ハニカム構造の通気孔8は上記に比べて狭くなり、薬剤の揮散量が少なくなる。さらに、図7に示すように、両カバー体3を例えば、一方が平面視の角度30°に開拡し、他方を角度150°開拡すれば、揮散量の調整と共に揮散方向の調整も可能となる。
図8は、さらに別のの実施形態を開示している。なお、上記実施形態と同様部分は同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
この実施形態では、前記カバー体3の外周に、このカバー体3を覆う外側のカバー体12が設けられ、この外側のカバー体12は折り畳み状態と開拡状態に変形可能な立体的ハニカム構造を呈して多数の通気孔8が形成されており、この外側のカバー体12の前記通気孔8は、その内側に存在する前記カバー体3の通気孔8と空間部9とを介して外側のカバー体12及びその内側に存在するカバー体3の内外が連通され、これらの内外のカバー体12,3のそれぞれの開拡状態を変更することにより薬剤の揮散量の調整が可能としたものである。なお、本実施形態の内側に存在するカバー体3はの保形板体10には、係合片11aが突設され、基板体2に設けたスリット11bに挿入係合する形で、内側に存在するカバー体3の開拡状態を維持する構造となっている。
ところで、本考案の薬剤揮散容器1は、上記実施形態に限定されず、本考案の技術的思想の範囲内で種々の変更が可能である。また、基板体2に表現されるマスコット等の顔(例えば、笑い顔やはにかみ顔、リラックスした顔等)と基板体2やカバー体3の色、及び薬剤としての芳香剤の香りの種類を種々組み合わせて、最近流行の風水や占いのイメージに適合するように「開運招福」「厄除安全」「恋愛成就」「病除長寿」と組合せて販売するような販促上での工夫も可能である。
カバー体を少し拡開した状態の本考案の一実施形態の斜視図である。 カバー体を折り畳んだ状態の本考案の一実施形態の正面図である。 カバー体を折り畳んだ状態の本考案の一実施形態の背面図である。 本考案の一実施形態の使用状態の外観斜視図である。 本考案の一実施形態の保持部の使用例を示す参考図である。 カバー体を折り畳んだ状態の本考案の他の実施形態の正面図である。 カバー体を拡開した状態の本考案の他の実施形態の平面図である。 カバー体を折り畳んだ状態の本考案の他の実施形態の正面図である。 従来の薬剤揮散容器を示す参考図であり、(a)はハニカム構造体を折り畳んだ状態の斜視図、(b)はハニカム構造体を拡開した正面図である。
符号の説明
1 薬剤揮散容器
2 基板体
3 カバー体
4 薬剤又は薬剤を含有した薬剤担持体
5 保持部
8 通気孔
9 空間部
10 保形板体
11 係合片
12 外側のカバー体

Claims (6)

  1. 薬剤又は薬剤を含有した薬剤担持体を固定するための保持部を有する基板体と、
    この基板体に取り付けられて前記保持部の周囲を覆うカバー体を備え、
    このカバー体は、折り畳み状態と開拡状態に変形可能な立体的ハニカム構造を呈して多数の通気孔が形成されており、このカバー体の内側には前記保持部を避けるようにして周囲に空間部が設けられ、この空間部と前記通気孔を介してこのカバー体の内外が連通されていることを特徴とする薬剤揮散容器。
  2. 前記基板体の保持部は、基板体の表裏を貫通する孔で構成され、この孔の縦横の開口幅が異なっていることを特徴とする請求項1に記載の薬剤揮散容器。
  3. 前記カバー体は、折り畳み状態においてその一方の端面が前記基板体に取り付けられ、他方の自由端面には、カバー体を補強するための保形板体を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤揮散容器。
  4. 前記カバー体は、前記基板体の表裏両面に設けられ、それぞれの折り畳み状態において前記基板体を挟んで鏡状対称位置に取り付けられており、開拡状態においてそれぞれの保形板体の端部から外方に突出形成された係合片を相互に交錯させることにより、前記基板体周りの全周を覆う開拡状態が維持されることを特徴とする請求項3に記載の薬剤揮散容器。
  5. 前記カバー体は、前記基板体の表裏の少なくとも片面側に2つ設けられ、各カバー体は折り畳み状態においてそれぞれの一方の端面が前記保持部を中心として左右対称に取り付けられ、それぞれの自由端面が相互に重ね合わされて、それぞれの開拡状態を変更することにより薬剤の揮散量の調整が可能とされていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の薬剤揮散容器。
  6. 前記カバー体の外周には、このカバー体を覆う外側のカバー体が設けられ、この外側のカバー体は折り畳み状態と開拡状態に変形可能な立体的ハニカム構造を呈して多数の通気孔が形成されており、この外側のカバー体の前記通気孔は、その内側に存在する前記カバー体の通気孔と空間部とを介して外側のカバー体及びその内側に存在するカバー体の内外が連通され、これらの内外のカバー体のそれぞれの開拡状態を変更することにより薬剤の揮散量の調整が可能とされていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の薬剤揮散容器。
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