JP3136021B2 - 生物分解性繊維組成物及びこれに有用な熱接着性繊維 - Google Patents

生物分解性繊維組成物及びこれに有用な熱接着性繊維

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JP3136021B2 JP3363293A JP3363293A JP3136021B2 JP 3136021 B2 JP3136021 B2 JP 3136021B2 JP 3363293 A JP3363293 A JP 3363293A JP 3363293 A JP3363293 A JP 3363293A JP 3136021 B2 JP3136021 B2 JP 3136021B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生物分解性の熱接着性
繊維及びこれを用いた繊維組成物に関する。さらに詳し
くは、溶融紡糸が可能な生物分解性繊維組成物及びこれ
に有用な熱接着性繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】耐水性があり、汚水中で数週間以内に離
解してばらばらの繊維になり、かつ経済的な熱接着加工
で容易に不織布化でき、水洗可能な使い捨て不織布など
は、従来から求められている。たとえば、赤ちゃんのお
尻ふき用ウェットティッシュなど、土中で離解してしま
う不織布製の根巻シートやポットなど、あるいは、生体
適合性があり、白血球が捕食可能な組合せの場合は手術
用または火傷用ガーゼなどメディカル不織布などとして
用いると都合が良い微生物崩壊の熱接着性繊維およびそ
の繊維組成物などである。
【0003】水によって形態を崩す性質(以下「水離解
性」という。)の紙の代表例は、トイレットペーパーで
あり、これらはポバールやCMC(carboxymethyl cell
ulose )などの水溶性高分子をバインダーとして用い、
水中に投じられるとバインダーが溶解し、繊維がばらば
らになり、水洗可能となる。
【0004】水離解性の不織布は、特開昭61−296
159号公報および特開平1−306661号公報に見
られる様に、水離解性の紙と同様、基本的には、水溶性
高分子をバインダーとして用いており、使用時の耐水性
に工夫がはらわれている。
【0005】これらの水離解性の不織布および紙は、い
ずれもバインダー水溶液に含浸する方法で作られてお
り、経済的な熱接着加工法によって作られたものではな
い。また、生体適合性繊維には、キチン繊維などが知ら
れているが、熱接着性の生体適合性繊維ではなく、これ
らの熱接着不織布もない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の水洗可能な使い
捨て不織布は、バインダーに水溶性高分子を用いた水離
解性の不織布であり、耐水性が不十分なため、ウエット
ティッシュなどの湿潤状態での用途に適さず問題があっ
た。特開昭62−184193号公報に見られる水不溶
性樹脂を部分使用したものもあるが、水不溶性樹脂で接
着された部分は、水に離解せず繊維の塊となり、水洗パ
イプがつまりやすく問題があった。
【0007】また、従来の水離解性の不織布を相巻シー
トやポットなどに用いると、相巻作業中に破損したり、
育苗中にポットが破損してしまい目的を達しえず問題が
あった。
【0008】本発明は、前記従来の課題を解決するた
め、接着成分として生物分解性熱可塑性樹脂を用いた生
物分解性繊維組成物及びこれに有用な熱接着性繊維を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の生物分解性繊維組成物は、第一成分と第二
成分とから少なくとも構成される複合繊維からなる熱接
着性繊維を少なくとも30重量%と前記熱接着性繊維以
外の繊維とを含み、前記熱接着性繊維によって接着一体
化している繊維組成物であって、前記複合繊維を構成す
る第一成分は、微生物によって捕食可能な熱可塑性樹脂
からなり、その融点(Tm1 ℃)、50<Tm1 <2
00の温度範囲にあり、かつ熱接着成分として前記複合
繊維表面の少なくとも30%を占め、前記第二成分の熱
可塑性樹脂(ただし、エチレンテレフタレート系ポリエ
ステルを除く)の融点(Tm2 ℃)は、100<Tm2
<230、かつTm1 +20≦Tm2 の温度範囲である
ことを特徴とする。
【0010】前記構成においては、熱接着性繊維以外の
繊維が、レーヨン、木綿およびパルプなどのセルロース
繊維、キチン繊維、蛋白繊維及び脂肪族ポリエステルか
ら選ばれる少なくとも一つの微生物崩壊性繊維であるこ
とが好ましい。
【0011】また前記構成においては、繊維組成物の実
質的なすべてが微生物崩壊性材料で構成されていること
が好ましい。また前記構成においては、繊維組成物が、
脂肪族ポリエステル同士の組合せからなる鞘芯型複合繊
維である熱接着性繊維または、前記熱接着性繊維と前記
熱接着繊維の熱接着成分の融点より少なくとも20℃高
い融点を持つ脂肪族ポリエステルの繊維からなることが
好ましい。
【0012】次に本発明の熱接着繊維は、第一成分と第
二成分とから少なくとも構成される複合繊維からなる熱
接着性繊維を少なくとも30重量%と前記熱接着性繊維
以外の繊維とを含み、前記熱接着性繊維によって接着一
体化する繊維組成物を得るための熱接着性繊維であっ
て、前記第一成分の融点(Tm1 ℃)、50<Tm1
<200の温度範囲にあり、かつ微生物によって捕食可
能な熱可塑性樹脂からなる熱接着成分で繊維表面の少な
くとも30%を占め、前記第二成分の熱可塑性樹脂(た
だし、エチレンテレフタレート系ポリエステルを除く)
の融点(Tm2 ℃)は100<Tm2 <230、かつT
m1 +20≦Tm2 の温度範囲の複合繊維であることを
特徴とする。
【0013】前記構成においては、複合繊維が、微生物
によって捕食可能な熱可塑性樹脂を鞘成分とする鞘芯型
複合繊維であることが好ましい。この場合はさらに、芯
成分が、微生物によって捕食可能な熱可塑性樹脂からな
ることが好ましい。
【0014】
【作用】前記した本発明の構成によれば、接着成分とし
て生物分解性熱可塑性樹脂を用いた生物分解性繊維組成
物及びこれに有用な熱接着性繊維を実現できる。すなわ
ち、本発明の複合繊維の少なくとも一成分は、微生物に
よって捕食可能な熱可塑性樹脂であるので、この成分が
微生物等により分解を受けると、繊維または布帛(たと
えば不織布)の形態が保持できなくなる。これにより土
中に埋めたり、浄化槽内で消化することができる。
【0015】また本発明の一成分として用いる微生物に
よって捕食可能な熱可塑性樹脂は、熱可塑性の特徴を発
揮するため少なくともその融点より20℃高い熱分解温
度を持ち、かつ微生物によって捕食を可能とするため親
水性であるが、主として主鎖に親水基を持たないかもし
くは化学的に安定な樹脂であるため、水に難溶である。
そのため生物分解を受ける前は、本発明の繊維または布
帛(たとえば不織布)は、水洗が可能でありかつ耐久性
がある。
【0016】また、本発明の生物分解性繊維組成物は微
生物によって捕食可能な熱可塑性樹脂を熱接着成分とす
る熱接着性繊維を熱接着性繊維として用いるため、一般
に多用されている熱風加工機、熱ロール加工機およびヤ
ンキードライヤー式抄紙機などで容易に製造でき、この
ため安価に提供できるのでディスポ商品として都合が良
い。
【0017】特に主成分繊維をレーヨンあるいはパルプ
などとすると、数ヵ月の内に浄化槽内で消化され特に都
合が良い。無論土中に埋めても同様である。本発明の生
物分解性繊維組成物からなる不織布と紙は耐水性を持つ
ため、あらかじめ界面活性剤水溶液などを含浸したウエ
ットティッシュあるいは果樹園での防虫果実包装袋など
として用いると、使用中は耐水性だが不要になった時、
トイレに流したり近くの土中に埋めたりして手軽に処分
できるので、都合が良い。
【0018】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。本発明の熱接着性繊維とは、紙用短カット繊
維、ステープル繊維、マルチフィラメント、モノフィラ
メント、スパンボンド手法もしくはメルトブロー手法に
よって得られる繊維など溶融紡糸手法によって得られる
繊維状物をいう。
【0019】本発明の繊維組成物とは、紡績糸またはマ
ルチフィラメントの燃り糸、これらの織編物、不織布、
固綿および紙などをいう。本発明の微生物によって捕食
可能な熱可塑性樹脂からなる熱接着成分は、その融点
(Tm1 ℃)を200℃未満、より好ましくは140℃
以下とするのが熱接着加工上都合良く、50℃以下であ
ると保管に制限を生じ好ましくない。
【0020】本発明に用いる微生物によって捕食可能な
熱可塑性樹脂には融点(Tm℃)が90<Tm<170
の、微生物によって生産された脂肪族ポリエステル、融
点(Tm℃)が50<Tmの、合成脂肪族ポリエステ
ル、および、融点(Tm℃)が100<Tm<160
の、変成でんぷんと変成ポリビニルアルコールからなる
ポリマーアロイ、などが都合よく、熱可塑性の変成リグ
ニンなど、動植物由来の熱可塑性樹脂も用いることがで
きる。これらのなかで本発明に用いる熱接着成分として
特に融点(Tm℃)が60≦Tm<130の合成脂肪族
ポリエステルが都合良い。また、結晶化速度が遅いが、
融点(Tm℃)が110≦Tm<140の、微生物によ
って生産された脂肪族ポリエステルも用いることができ
る。
【0021】また微生物によって捕食可能な繊維成形成
分としては、融点(Tm℃)が130<Tm<170
の、微生物によって生産された脂肪族ポリエステルが都
合が良く、160〜170℃のものが特に都合が良い。
なお前記脂肪族ポリエステルは結晶化速度が遅いため、
鞘芯型複合繊維とするのが特に好ましい。
【0022】本発明に用いる微生物によって捕食可能な
熱可塑性樹脂は、熱分解しやすいので、溶解融紡糸温度
をあまり高くしないのが好ましい。したがって、繊維成
形成分であるもう一つの熱可塑性樹脂の融点(Tm
2 ℃)を100<Tm2 <230とするのが都合良く、
熱接着加工上、Tm1 +20≦Tm2 とする必要があ
る。前記樹脂としては、上記脂肪族ポリエステルなどの
微生物によって捕食可能な熱可塑性樹脂、ホリプロピレ
ンなどのポリオレフィン、ナイロン12、ナイロン6な
どのポリアミド、およびポリブチレンテレフタレートな
どのポリエステルなどのホモポリマー、コポリマーおよ
び変成体がある。
【0023】また、すべてが微生物崩壊性であると都合
が良いメディカル不織布などの用途では、繊維成形成分
を前記脂肪族ポリエステルなどの微生物によって捕食可
能な熱可塑性樹脂を用いるのが都合良い。
【0024】本発明の熱可塑性樹脂は、微生物によって
捕食可能な熱可塑性樹脂を熱接着成分とし、前記樹脂よ
り融点が少なくとも20℃高い熱可塑性樹脂を繊維成形
成分とする複合繊維である。その繊維断面は、偏心もし
くは円心円状の鞘芯型、両成分が背腹状のサイドバイサ
イド型、両成分が交互に配列された風車型もしくは積層
型、繊維成形成分を芯成分とする多芯型、および、両成
分が単に混合されて溶融紡糸された混合紡糸型等が都合
良い。繊維組成物として熱接着し組成物の強力を保つ都
合上、熱接着成分は、繊維表面の少なくとも30%を占
めることが好ましい。
【0025】また両成分の面積複合比(熱接着成分/繊
維成形成分)は、80/20〜30/70が都合良く、
この範囲以外では溶融紡糸しがたい。本発明の熱接着繊
維の溶融紡糸温度は、繊維成形成分の融点(Tm2 ℃)
より少なくとも高い温度、より好ましくはこれより20
℃以上高い温度であって、熱接着成分すなわち微生物に
よって捕食可能な熱可塑性樹脂が熱分解する温度(Tm
3 ℃)より低い温度、より好ましくは20℃以上低い温
度である。
【0026】前記熱分解温度(Tm3 ℃)は、樹脂によ
って異なり、例えば脂肪族ポリエステルは230〜28
0℃であるので、好ましい溶融紡糸温度(T℃)はこの
場合、210〜260℃以下となる。したがって、用い
る繊維成形成分の融点(Tm 2 ℃)は、190〜240
℃以下、より好ましくは230℃未満、最も好ましくは
150〜220℃が良い。なお繊維成形成分の融点(T
2 ℃)は100℃を超えることが、使用上および熱加
工上都合が良い。
【0027】溶融複合紡糸して得られた未延伸糸は、熱
接着成分の融点(Tm1 ℃)より少なくとも15℃低い
温度で少なくとも2倍、より好ましくは2.5倍以上延
伸して繊維強力を向上させるのが最も好ましいが、変成
リグニンなど延伸性のない場合も多く、これらの場合は
延伸せずに用いる。
【0028】本発明の熱接着性繊維の繊度(デニール、
d)は、一般には、0.5〜500dであり、機械捲縮
をしていない紙用短カット繊維は、0.5〜10d(繊
維長3〜20mm)、ローラーカードなどの機械的開織
手法を用いる不織布などの用途向けの機械捲縮などの捲
縮を付与したステープル繊維は、0.5〜50d(繊維
長20〜150mm)、および、マルチフィラメントも
しくはモノフィラメントにあっては、3〜500dが都
合良い。
【0029】本発明の熱接着性繊維を熱接着する場合、
その熱接着加工温度(Tk℃)は、熱風加工法において
は、Tm1 +10≦Tk≦Tm2 +20が最も好まし
く、熱ロール加工法においては、Tm1 −10≦Tk≦
Tm2 +20が最も好ましく、Tm1 +5≦Tk≦Tm
1 +25かつTk≦Tm2 +20が最も好ましい。
【0030】本発明の生物分解性繊維組成物は、本発明
の熱接着性繊維のみで構成されるのが好ましいが、用途
によると100%でなくても良い場合も多い。この場合
は本発明の熱接着性繊維を熱接着繊維として用い、他の
繊維(主体繊維)と混合使用するが、熱接着性繊維の比
率を少なくとも30重量%とするのが好ましい。
【0031】主体繊維は、レーヨン、木綿およびパルプ
などのセルロース繊維、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)な
どのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロ
ン12、ナイロン46などのポリアミド、ポリアクリロ
ニトリル、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、およ
び、ポリビニルアルコールのホルマル化物などのホモポ
リマー、コポリマーおよびこれらの変成体からなる繊維
などの、一般に繊維と言われているものをいう。
【0032】また、紙の場合はパルプおよびSWP(合
成パルプ)などの繊維状物をいう。前記主体繊維の融点
もしくは分解温度は、160℃以上、より好ましくは2
00℃以上であり、最も好ましくは220℃以上であ
る。もし融点が220℃未満の時は、本発明の熱可塑性
樹脂はその融点が前記融点より少なくとも20℃低い樹
脂より選ぶのが望ましい。
【0033】なお本発明の繊維組成物は微生物崩壊性を
特徴とするため、主体繊維も微生物で崩壊するのが望ま
しく、レーヨン、木綿およびパルプなどのセルロース繊
維もしくは大豆蛋白繊維などの蛋白繊維が好ましい。以
下具体的実施例を説明する。
【0034】実施例1 UC社の融点60℃、メルトインデックス(以下、MI
という)30g/10min.の微生物崩壊性脂肪族ポ
リエステル「TONE」P767Eを鞘成分とし、融点
160℃、MI23g/10min.のポリプロピレン
を芯成分とする鞘芯型複合繊維を、210℃で溶融紡糸
し30℃の水の中で3.0倍に延伸して延伸糸となし、
繊維処理剤を付与した。そののち、氷冷したスタフィン
グボックスで機械捲縮し冷風貫通型乾燥機で乾かし切断
して、繊度5d、長さ51mmのステープルとした。こ
のステープル40重量部と、繊度2d、長さ51mmの
レーヨンステープル60重量部とを混合し、ローラーカ
ードで60g/m2 目付のカードウェッブとし、90℃
の、熱風貫通型熱加工機を用いて熱接着不織布とした。
この不織布は嵩だかい不織布であった。
【0035】この不織布を無菌水に一昼夜浸漬したが、
不織布の形態を保持しており、不織布強力も変化がなか
った。また、この不織布をエアーポンプで曝気している
潅漑用溜め池の泥水に1か月間漬けておいたところ、レ
ーヨンステープルは消失し、芯成分繊維の単なる固まり
となっていた。
【0036】また、この不織布で市販の野菜苗の根を土
と共にくるみ、畑に埋め、3か月後掘り起こしたとこ
ろ、いずれも不織布の形態を保たず繊維がばらけた状態
となっており、レーヨンステープルはほとんど見当たら
なかった。
【0037】上記鞘芯型複合繊維は、繊度5.0d,繊
維強力2.3g/d,伸度100%、ヤング率60kg
/mm2 であった。上記60kg/m2 目付の熱接着不
織布は、厚み1.1mm、比容積20cm3 /g、縦方
向の強力が5kg/5cmで伸度38%、横方向の強力
が1kg/5cmで伸度50%であり、汎用の不織布と
して仕様可能であった。
【0038】また、上記鞘芯型複合繊維のカードウェッ
ブを70℃の熱ロールに通すと、厚み0.2mm、縦方
向の強力が9kg/5cmで伸度36%、横方向の強力
が2kg/5cmで伸度44%の熱接着不織布となっ
た。
【0039】比較例1 上記レーヨンステープルで60g/m2 目付のガードウ
ェッブを作成し、ネットにはさんで、でんぷん水溶液を
含浸させ、次いでニッドロープで絞り、でんぷんを繊維
に対し10重量%添加した66g/m2 のウエッブと
し、110℃のコンベヤー式揮熱風貫通型乾燥機で乾燥
し不織布とした。この不織布は薄く紙状であった。
【0040】この不織布で市販の野菜苗の根を湿潤状態
の土とともに包もうとしたところ、きわめて破れやすく
手早く作業する必要があった。また、この不織布を実施
例1と同様にして無菌水に浸漬したところ、繊維がばら
ばらになり形態を保っていなかった。
【0041】実施例2 実施例1の延伸糸に繊維処理をほどこし、5mm長さに
切断して短カット繊維とした。この繊維20重量部と、
繊度2d、長さ5mmのレーヨン短カット80重量部を
水中に分散させて抄紙し、70℃のフェロ板に挟んで乾
燥し紙とした。これを実施例1と同様にして試験した
所、同様の結果を得た。
【0042】実施例3 実施例1で得られたステープル繊維のみでなる57g/
2 目付の不織布を熱風温度70℃で、実施例1と同様
にして作成した。得られた不織布は、厚み1.1mmの
嵩だかい不織布で、比容積が20cm3 /g、縦方向の
強力が15g/cmで伸度38%であり、汎用の不織布
として仕様可能であった。また、上記ステープル繊維の
カードウェッブを60℃の熱ロールに通すと、厚み0.
2mm、縦方向の強力が22kg/5cmで伸度35
%、横方向の強力が5kg/5cmで伸度31%の熱接
着不織布となった。これを実施例1と同様にして試験し
た所、同様の結果を得た。
【0043】実施例4 UC社の脂肪族ポリエステル「TONE」P767Eを
鞘成分とし、融点208℃、230℃でのMFR(me
lt flow rate)が50g/min.ポリプ
ラスチックス社製ポリブチレンテレフタレート共重合体
XD590を芯成分とする鞘芯型複合繊維を225℃で
溶解融紡糸し、30℃水中で2.5倍に延伸して延伸糸
となし、繊維処理剤を付与したのち、氷冷したスタフィ
ンボックスで機械捲縮し、冷風貫通型乾燥機で乾燥した
のち切断して、繊度5d、長さ51mmのステープルと
した。
【0044】このステープル30重量部と、繊度2d、
長さ51mmのレーヨンステープル70重量部とを混綿
し、ローラーカードで60g/m2 目付のカードウェッ
ブとなし、100℃の、熱風貫通型熱加工機を用いて熱
接着不織布とした。この不織布は嵩だかい不織布であっ
た。また、この延伸糸を実施例2と同様にして、短カッ
ト繊維とし、さらに同様にして紙とした。これら不織布
と紙とを、それぞれ実施例1と同様にして試験したとこ
ろ、実施例1と同様の結果を得た。
【0045】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、接
着成分として生物分解性熱可塑性樹脂を用いた生物分解
性繊維組成物及びこれに有用な熱接着性繊維を実現でき
る。また、接着成分が微生物によって捕食可能な熱可塑
性樹脂のため、耐水性は実用上十分で、かつ微生物によ
って崩壊可能な不織布などの繊維組成物を得ることがで
きる。
【0046】さらに、生産が容易で安価に供給可能な熱
接着加工法によって作られるので、水洗可能な使い捨て
不織布、たとえば、赤ちゃんのお尻ふき用ウェットティ
ッシュなど、あるいは、土中で離解してしまう不織布製
の根捲きシートやポットなどとして用いると大変便利で
あり都合が良い。
【0047】また、ハイキング、山登りあるいはキャン
プなどの使い捨てシートや包装材として用いると、使用
した場所に埋めて処分しても、環境破壊が従来の不織布
に比べ少ないので都合が良いものとすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D04H 1/42 D04H 1/42 K (56)参考文献 特開 平6−93516(JP,A) 特開 平6−248516(JP,A) 特開 平6−212548(JP,A) 特開 平5−76258(JP,A) 特開 平5−93316(JP,A) 特開 平5−93317(JP,A) 特開 平5−93318(JP,A) 特開 平6−207320(JP,A) 特開 平6−207323(JP,A) 特開 平6−207324(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00 D01F 1/00 - 6/96 D01F 9/00 - 9/04 D01D 1/00 - 13/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一成分と第二成分とから少なくとも構
    成される複合繊維からなる熱接着性繊維を少なくとも3
    0重量%と前記熱接着性繊維以外の繊維とを含み、前記
    熱接着性繊維によって接着一体化している繊維組成物で
    あって、前記複合繊維を構成する第一成分は、微生物によって捕
    食可能な熱可塑性樹脂からなり、その 融点(Tm1 ℃)
    、50<Tm1 <200の温度範囲にあり、かつ熱接
    着成分として前記複合繊維表面の少なくとも30%を占
    め、 前記第二成分の熱可塑性樹脂(ただし、エチレンテレフ
    タレート系ポリエステルを除く)の融点(Tm2 ℃)
    は、100<Tm2 <230、かつTm1 +20≦Tm
    2 の温度範囲であることを特徴とする生物分解性繊維組
    成物。
  2. 【請求項2】 熱接着性繊維以外の繊維が、レーヨン、
    木綿およびパルプなどのセルロース繊維、キチン繊維、
    蛋白繊維及び脂肪族ポリエステルから選ばれる少なくと
    も一つの微生物崩壊性繊維である請求項1に記載の生物
    分解性繊維組成物。
  3. 【請求項3】 繊維組成物の実質的なすべてが微生物崩
    壊性材料で構成されている請求項1に記載の生物分解性
    繊維組成物。
  4. 【請求項4】 繊維組成物が、脂肪族ポリエステル同士
    の組合せからなる鞘芯型複合繊維である熱接着性繊維ま
    たは、該熱接着性繊維と該熱接着繊維の熱接着成分の融
    点より少なくとも20℃高い融点を持つ脂肪族ポリエス
    テルの繊維からなる請求項1に記載の生物分解性繊維組
    成物。
  5. 【請求項5】 第一成分と第二成分とから少なくとも構
    成される複合繊維からなる熱接着性繊維を少なくとも3
    0重量%と前記熱接着性繊維以外の繊維とを含み、前記
    熱接着性繊維によって接着一体化する繊維組成物を得る
    ための熱接着性繊維であって、 前記第一成分の融点(Tm1 ℃)、50<Tm1 <2
    00の温度範囲にあり、かつ微生物によって捕食可能な
    熱可塑性樹脂からなる熱接着成分で繊維表面の少なくと
    も30%を占め、前記第二成分の熱可塑性樹脂(ただ
    し、エチレンテレフタレート系ポリエステルを除く)
    融点(Tm2 ℃)は100<Tm2 <230、かつTm
    1 +20≦Tm2 の温度範囲の複合繊維であることを特
    徴とする熱接着性繊維。
  6. 【請求項6】 複合繊維が、微生物によって捕食可能な
    熱可塑性樹脂を鞘成分とする鞘芯型複合繊維である請求
    項5に記載の熱接着性繊維。
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