JP2788961B2 - 生分解性不織布 - Google Patents

生分解性不織布

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昌史 西山
純 細川
隆昌 久保
一年 吉原
睦夫 中川
和宏 池田
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Kanai Juyo Kogyo Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、家庭用,衣料用,包装用,医療用,農園芸
用等の分野で使用される不織布に関し、特に使用中や使
用後土壌中で微生物により分解消滅する不織布に関する
ものである。
〔従来の技術及びその課題〕
近年オムツに代表される使い捨て不織布は、その便利
さ故に数多く使用されているが、使用後は一般廃棄物と
して取り扱われる。その処分方法は、土壌中で分解が行
なわれず土壌汚染の原因となり、埋立て法は採用でき
ず、燃えるゴミとして公共の焼却場で焼却する処分方法
が採用されている。したがって、他の使い捨てプラスチ
ック製品廃棄物と同様に、使い捨て不織布の使用量の増
加に伴ない、焼却炉の傷みや排ガス中の有害成分等が社
会問題と成りつつある。
一方、農園芸,土木分野においても育苗マット,育苗
ポット,植生マット等に種々の素材が使用されている。
即ち、鉱物繊維であるロックウールは安物であり、かつ
親水性と適度の空隙を有するために数多く使用されてい
るが、成型性を有していないためシート状でしか使用出
来ず、かつ土中に於いて微生物により分解されないとい
う欠点がある。
また、古紙から再生されたパルプは安価でかつ親水性
および保水性にすぐれており、シート状やポット状に加
工されて使用されているが、パルプに含まれているリグ
ニンによりパルプの分解が阻害される。かつリグニンや
元々の古紙に含有されていたアクリル酸アミドの如き強
度向上剤が土壌中に蓄積され土壌汚染の原因ともなる。
従って、農園芸,土木分野においては、これらの欠点を
解消するため、リグニン含有量の少ない綿又はレーヨン
の如きセルロース系繊維を使用した織物,ニードルパン
チ不織布,ウォーターニードルパンチ不織布,湿式レー
ヨンスパンボンド不織布等が使用されている。
ニードルパンチ不織布,ウォーターニードルパンチ不
織布は、縦方向もしくは横方向に大きな伸びを生じ、湿
式レーヨンスパンボンドは伸びは少ないが通気性に劣
り、又、織物は高価になる欠点があり、これらの繊維集
合体は、土壌中の微生物により分解され、土壌汚染を発
生することはないが、分解期間を6〜12カ月以上必要と
する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、上記の欠点に鑑み十分なる強度と耐水性を
有し、土壌中に於いて微生物により分解される性質を有
し、さらに分解速度を促進または抑制させる効果を発揮
する不織布を提供せんとするものである。即ち、本発明
はキュプラ,ビスコースレーヨン等のセルロース系再生
繊維もしくは半合成繊維に微生物分解可能な炭水化物,
タンパク質,合成化合物のうち少なくとも、1種を含有
する繊維或いは該繊維と紡績可能なる天然繊維で、構成
する繊維をウエブ状となし、これら繊維にキトサン又は
微細セルロース繊維を混合したキトサンを主体とする繊
維間結合剤を用いて繊維が相互に交差接触する表面部を
結合することにより、土壌中において微生物で分解が促
進又は抑制される不織布を構成し、かつ該繊維に混入す
る微生物分解可能な炭水化物,タンパク質等の添加量を
調整する事により、分解速度を調整可能となし、前記課
題を解決したものである。
本発明に使用される天然繊維は、綿,麻,パイナップ
ルなどの植物繊維や、羊毛,絹繊維などの動物繊維等の
微生物分解性を有するものを分解期間により選択するこ
とにより、目的を達成することが可能である。
上記の微生物分解可能な炭水化物,タンパク質,合成
化合物等が含まれた繊維を単独または天然繊維との混合
繊維を公知のウエブ形成機を使用し、パラレルウエブ又
はクロスウエブ又はランダムウエブとなし、これらのウ
エブに上記繊維間結合剤を適用するか直接又はこれらの
ウエブをニードルパンチ加工又はウォーターニードルパ
ンチ加工を施し、予め繊維ウエブの繊維間相互を物理的
に交絡する。
次に、該交絡ウエブは、酢酸又はクエン酸の如き有機
酸の0.5〜1.0%水溶液中にキトサンを0.5〜1.0%濃度に
なるように溶解せしめたキトサン塩水溶液を繊維間結合
剤として浸漬法又はスプレー法等で繊維100部(固形
分)に対し、キトサン1〜5部(固形分)の付着量に調
節後乾燥し、不織布を形成する。
通常キトサン塩水溶液は、乾燥すると固化する事は知
られているが、この固化物はキトサン塩であるためにア
ルカリ固定しなければ水中で膨潤し、さらに溶解してし
まう。またセルロースも乾燥すると固化するが、水中で
溶解してしまう。しかし、キトサン塩をセルロースと共
に加熱すればセルロースとの反応が生じ、水中でも溶解
することはない。
本発明においては、湿潤状態での形態保持力及び耐水
強度を増加せしめるために、加熱乾燥によってキトサン
塩が有するアミノ基とセルロース系繊維表面に存在する
水酸基やカルボニル基とを反応せしめることで繊維間結
合させ、アルカリ固定処理を省略したものである。更に
耐水強度を向上せしめる方法として、パルプを叩解して
なる微細セルロース繊維をキトサン塩水溶液中に混入せ
しめることで耐水強度を向上せしめることができる。ま
た、耐水性を損なわない程度の混合比率でグリセリン又
は澱粉等を可塑剤として利用することにより、風合いを
柔らかくすることができる。
また、キトサン塩とセルロースとの反応は、複合化の
温度、セルロースのカルボニル基量、キトサン量等で分
解時期が制御でき、また、可塑剤である澱粉またはグリ
セリンの添加によっても制御が可能である。
通常、天然繊維は勿論、再生繊維や半合成繊維は、さ
らし粉などの漂白(殺菌)処理や、表面の多孔質化など
により、分解時期を多少は制御できるが、微生物分解性
の物質、例えば、米糠,カゼイン,αアミノ酸類などの
蛋白質や澱粉,麦芽,セルロース,単糖類,多糖類など
の炭水化物を紡糸可能な大きさに粉砕し、レーヨン繊維
紡糸時に混合紡糸する。
レーヨン繊維中の含有量は、5〜50重量%程度で、含
有量により分解期間を調節することが可能である。上記
微生物分解性の物質は、分解速度を促進する為のもので
あるが、遅延させるものとして、窒素源をもつ合成高分
子や、微生物による分解が明らかなポリエーテルなどの
合成高分子があげられる。又、遅延する場合は、リグニ
ンなどの微生物分解性を阻害するものを含む天然高分子
を混入するか、天然繊維を用いるのが好ましい。
以下本発明の一実施例を図面に従って説明する。
〔実施例1〕 ビスコースレーヨン100部に対して米糠微粉末(1)
を30部混合して紡糸したレーヨン繊維(2)の2d×38mm
をセルロース系繊維として使用し、公知のカード或いは
カード及びクロスラッパーや、ランドウエッバー等のウ
エブ形成機を用いて、例えば目付(g/m2)が40g/m2のク
ロスウエブ(3)を形成する。このウエブを用い、キト
サン:乳酸=1:1(重量比)で濃度1%のキトサン塩水
溶液を調製し、1μm以下の直径を有する微細セルロー
ス繊維をキトサン塩:微細セルロース=30:70(重量
比)となるよう混合してなる濃度1%のキトサン塩−微
細セルロース繊維水溶液を用いて、固形分で1g/m2とな
るようにウエブを浸漬加工した後、熱風乾燥機中で100
℃×5min乾燥処理を行ない、繊維の交差接触部を微細セ
ルロース含有キトサン(4)で結合した生分解性不織布
を形成した。
上記の乾燥処理によって形成された生分解性不織布
は、第2図に示す様にキトサン塩(4)が有するアミノ
基と微細セルロース繊維及びセルロース系ビスコースレ
ーヨン繊維表面(5)の相互に存在する水酸基やカルボ
ニル,カルボキシル基等とを反応せしめることで一体に
結合されて複合化し、キトサン塩のアルカリ固定が省略
される。
〔実施例2〕 レーヨン繊維100部に対してウールノイルを30部混合
紡糸した繊維を用い、実施例1と同様にして分解性不織
布を形成した。
〔比較例1〕 一般に市販されているレーヨン繊維を用い、実施例1
と同様に分解性不織布を形成した。
〔比較例2〕 アセテート級パルプ(α−セルロース96%以上)のパ
ルプを用いてレーヨン繊維とし、さらし粉などによる漂
白殺菌処理の工程を省いた繊維を用い、実施例1と同様
に分解性不織布を形成した。
以上の実施例及び比較例で得られた不織布を土壌中に
埋設せしめ、分解日数を調べた結果を第1表に示した。
表に示す如く、本発明に基づく不織布は分解速度を促
進または、遅延させることが可能なる不織布が得られ
た。
〔発明の効果〕
本発明は上記の如くレーヨン,アセテート繊維などの
セルロース系の再生繊維,半合成繊維中に微生物で分解
可能な物質を含有することにより、分解速度を促進また
は遅延することができる。
また、育苗シートなどの農園芸分野において、根のは
り具合など、種類により分解期間を必要とする日数が異
なるものに適用するのに効果的であり、廃棄する場合に
は、促進させたものが埋立てても短期間に微生物により
分解消滅する等の効果を有する発明である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施の1例を示す分解性不織布の概略
構成断面図、第2図は同レーヨン繊維とキトサン塩との
結合反応を示す構造図である。 (1)……米糠 (2)……米糠混入レーヨン繊維 (3)……クロスウエブ (4)……キトサン塩−微細セルロース繊維
フロントページの続き (72)発明者 久保 隆昌 香川県高松市花の宮町2丁目3番3号 工業技術院四国工業技術試験所内 (72)発明者 吉原 一年 香川県高松市花の宮町2丁目3番3号 工業技術院四国工業技術試験所内 (72)発明者 中川 睦夫 兵庫県宝塚市売布1丁目21番15号 (72)発明者 池田 和宏 大阪府吹田市藤が丘町17番7号

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微生物による分解を促進又は抑制が可能な
    る炭水化物,タンパク質,合成化合物のうち少なくとも
    1種を含有するセルロース系の再生繊維又は半合成繊
    維、又は該繊維と天然繊維で構成する繊維ウエブをキト
    サン又は微細セルロース繊維含有キトサン水溶液を繊維
    間結合剤として結合固定してなることを特徴とする生分
    解性不織布。
  2. 【請求項2】繊維間結合剤とするキトサン水溶液がグリ
    セリン又は澱粉を可塑剤として含有してなることを特徴
    とする請求項1記載の生分解性不織布。
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