JP3135790B2 - 空気清浄力を有する脱臭剤 - Google Patents
空気清浄力を有する脱臭剤Info
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Description
であるアセトアルデヒド類とアンモニアやトリメチルア
ミン等の窒素系の臭気成分を除去する空気清浄化用吸着
材に関する。本発明の吸着材は、例えば塗装工場の脱臭
材、食品加工工場の脱臭材、家庭用の脱臭剤、乗物の脱
臭剤として用いることができる。
用いる吸着法や、他の香料を用いるマスキング法や、臭
気を化学反応させる化学的方法で除去、あるいは不快感
の軽減が行われている。しかし、活性炭を用いる吸着法
は脱臭性能が短期間で劣化するという問題がありまた可
燃性のため火災の原因となりやすい欠点がある。他の香
料を用いるマスキング法では香料が新たな不快感を与え
ることがあり、根本的な解決策とならない。化学反応さ
せる化学的方法では例えばオゾンにより、悪臭ガスを酸
化分解する方法等があるが、過剰なオゾンが人体に有害
であるために新たな害を引き起こす。すなわち、悪臭ガ
スとちょうど反応してくれる化学物質の量を制御するこ
とが困難なために不要な化学物質を発生させることにな
り、根本的な解決と成りがたい。
ルデヒド除去については活性炭でもとれにくく、特開昭
５６−５３７４４号のように活性炭に化学反応性の高い
アニリンを添着させて除去性能を改善したり、特開昭５
６−９５３１９号のようにフェニルヒドラジンと化学反
応させて除去する等様々な対策が採られてきたが、本発
明者等の知見によれば化学反応性物質自体の悪臭が問題
となったり、化学物質の活性維持が困難で寿命が短い等
の弱点があり根本的な解決とは成りがたかった。
れた組成物の開発については全く異なる観点からの研究
が必要であると考え広範な研究を進めて脱アセトアルデ
ヒド性能の優れた組成物の開発に成功した。すなわち担
体としてセピオライト等の鎖状珪酸マグネシウム、活性
白土、シリカゲル等の表層がシリカで構成される多孔質
鉱物を選定し、金属塩水溶液とヒドラジンの複塩水溶液
に浸漬した後、乾燥する方法で開発を進め脱アセトアル
デヒド性能の吸着材の開発に成功し先に特開平５−３０
１０４２号で特許出願した。それはアセトアルデヒドの
みならず、ホルムアルデヒドや高分子アルデヒド類の吸
着性能において画期的な性能を有するものであり、それ
に匹敵する吸着容量を有する素材は開発されていない。
は地球環境維持の観点からすべての生産物に対してそれ
が不要になった段階での処理方法、リサイクル性を問わ
れるようになっている。すなわち廃棄処分するときに公
害や環境汚染につながらないことだけでは充分とは言え
ず、何か有効な使い方ができることを要求されるように
なっている。鎖状珪酸マグネシウム、活性白土、シリカ
ゲル等の表層がシリカで構成される多孔質鉱物に金属塩
ヒドラジン複塩を担持した脱臭材は担体が粘土鉱物であ
り、そのまま畑に投棄しても大きな問題とはならないも
のの、特に付加価値を生み出すものではない。脱臭剤で
は吸着容量が破過した素材の投棄においても有効に利用
可能なものが求められている。本発明者等には畑に投棄
した場合に付加価値を生み出し、すなわち廃棄処理段階
でも有効な肥料となる脱臭剤の開発をすることが大きな
課題であった。
するためのものであって、表層がシリカで構成される多
孔質鉱物に燐酸とヒドラジンの複塩を担持させたことを
特徴とする空気清浄力を有する脱臭剤である。またここ
において表層がシリカで構成される多孔質鉱物がシリカ
ゲル、活性白土、鎖状珪酸マグネシウムの１種または２
種以上であることも特徴とする。
物の改良方法について研究し、畑にとって必ずしも好ま
しい成分とは言えない金属塩の代わりに肥料として必須
の成分である燐酸を使用した脱臭材の製造方法を発明す
るに到った。ヒドラジンはアミノ基を持ち、アルデヒド
類の化学吸着のために有効な働きをするが通常は極めて
反応性が高く、空気中の酸素と容易に反応し水と窒素に
分解する。したがってヒドラジンのみを使用すると数時
間でアルデヒド類の吸着作用は低下する。ヒドラジンを
安定化するとともにそのアミノ基の作用を失わせないた
めには金属塩とヒドラジンを混合して複塩を形成させる
ことが有効であり、特にアルミニウム塩が適することを
発見して発明を完成させたのが特開平５−３０１０４２
号の発明である。
が４前後でアルデヒド類の吸着特性が優れるため、それ
を畑に投棄した場合は土壌の酸性化が心配された。それ
に対して今回は半導体元素である燐の酸化物酸と複塩を
形成させることによりリサイクル性の優れた吸着材を製
造するに到った。すなわちシリカゲル、活性白土、鎖状
珪酸マグネシウム等は多孔質のシリカ、マグネシウム等
を含有する粘土であり、それに燐酸を含有したものは肥
料の必須成分である燐の供給源として有用である。もち
ろん、単独で充分な肥料とはならないが肥料の一部とな
りうるため付加価値が加わり、安価な肥料原料として使
われる。その結果、廃棄段階でも環境汚染等の問題を起
こさず、安心して使える素材として供給できる。燐酸と
ヒドラジン複塩の場合はｐＨが５前後でアルデヒド類の
吸着特性が優れるため土壌の酸性化抑制の点においても
有利である。
ライト微粉末、シリカゲル微粉末、活性白土微粉末を燐
酸とヒドラジンの混合水溶液で混練し、厚さ０．５ｍｍ
の箔に圧延して成型した。それを電子レンジで乾燥し、
１カ月室内に放置した後、吸着性能を評価した。
り、通気性が保持できたので５ｍｍ角〜１０ｍｍ角に試
料サイズを調整し、図２に示したバッチ式の評価装置を
使ってアセトアルデヒドとアンモニアの吸着容量を評価
した。図２において１は密閉容器で、３が評価試料であ
る脱臭剤であり、循環ファン２により矢印６の方向にガ
スを循環させる。４はガス導入口、５はガスサンプル採
取口である。評価装置の容積は１立方メートル、循環風
量は約４００リットル／分であった。評価試料はサイズ
が縦８０ｍｍ、横１００ｍｍ、高さ１５ｍｍの底が不織
布、周囲が厚紙でできた箱に入れて評価した。試料重量
は４０ｇに調製した。
臭の主成分であるアセトアルデヒドとアンモニアの混合
ガスを使用した。初期濃度はアセトアルデヒド２５ｐｐ
ｍ、アンモニア５０ｐｐｍの混合ガスを使用した。脱臭
率の計測は１０分、２０分、３０分の３回実施し、１０
分で１００％の脱臭率を達成しているものもあるが代表
的な例について３０分後の脱臭率のみを表１に示した。
水溶液の配合濃度とｐＨも表１に例示したが燐酸に対し
てヒドラジンの比率が高いものは水溶液のｐＨが高くな
りアンモニアの吸着容量が小さくなるがアセトアルデヒ
ドの吸着容量に対しては大きく影響しない。アンモニア
に対する性能とアセトアルデヒドに対する性能を両立さ
せるにはモル比で燐酸／ヒドラジンを１以上にすること
が好ましく、その結果水溶液のｐＨは６以下になる。ア
セトアルデヒドの吸着性能に対する経時劣化の観点から
も同様のことが考えられる。
反応で実用的にも通用する脱臭材が開発されているがア
セトアルデヒドでは本発明者等の発明以外には充分な性
能のものは市販されていない。それで、特にアセトアル
デヒドについての性能の差をより鮮明にするために平衡
濃度吸着容量を評価した。試験方法は簡略法として、図
３に示した要領で行った。すなわち５リットルのテドラ
ーパック７に乾燥空気５リットルと２０００ｐｐｍ相当
のアセトアルデヒドと評価試料８を０．１ｇ〜１ｇ投入
し、２４時間後の到達濃度を平衡濃度とし、濃度の低下
分を吸着量として求めた。図３において９はガス導入口
兼ガス濃度検知口である。本発明品の箔状成型品、金属
塩ヒドラジン複塩を使用したセピオライト、比較のため
に入手した市販の活性炭はすべて１００μｍ以下に微粉
砕して用いた。また市販の活性炭素繊維は綿状の製品を
そのまま使用した。
の吸着性能については本発明のものは活性炭や活性炭素
繊維に対比して圧倒的に吸着容量が大きく、特に低濃度
での吸着容量が大きいため、実用的である。図１には燐
酸とヒドラジンの配合比を色々と変えた中の燐酸０．５
ｍｏｌ／リットル、ヒドラジン０．５ｍｏｌ／リットル
のもので、セピオライト微粉末、シリカゲル微粉末、活
性白土微粉末の各ベストデータである。硫酸アルミニウ
ムのデータは硫酸アルミニウム０．５ｍｏｌ／リット
ル、ヒドラジン１．０ｍｏｌ／リットルのものである。
同じ、セピオライト微粉末を担体としたデータでは燐酸
系と硫酸アルミニウム系で大きな差が無く、アセトアル
デヒドの吸着特性では活性炭や活性炭素繊維の性能を圧
倒している。
と脱アンモニア性能が高くかつ吸着材としての機能が無
くなった段階でも肥料として使えるリサイクル性の優れ
た脱臭素材が製造できる。
を示すグラフ
図
を示す説明図
Claims (2)
- 【請求項１】 表層がシリカで構成される多孔質鉱物に
燐酸とヒドラジンの複塩を担持させたことを特徴とする
空気清浄力を有する脱臭剤。 - 【請求項２】 表層がシリカで構成される多孔質鉱物が
シリカゲル、活性白土、鎖状珪酸マグネシウムの１種ま
たは２種以上であることを特徴とする請求項１に記載の
空気清浄力を有する脱臭剤。
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|---|---|---|---|
| JP06136750A JP3135790B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 空気清浄力を有する脱臭剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06136750A JP3135790B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 空気清浄力を有する脱臭剤 |
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| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07313872A JPH07313872A (ja) | 1995-12-05 |
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|---|---|---|---|
| JP06136750A Expired - Fee Related JP3135790B2 (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 空気清浄力を有する脱臭剤 |
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| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3135790B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101859365B1 (ko) * | 2015-04-23 | 2018-05-18 | 서강대학교산학협력단 | 무수 히드라진 또는 이의 유도체가 담지된 다공성 재료 및 이의 제조 방법 |
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-
1994
- 1994-05-27 JP JP06136750A patent/JP3135790B2/ja not_active Expired - Fee Related
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