JP3135576B2 - インターロイキン−10(il−10)のための哺乳類レセプター - Google Patents

インターロイキン−10(il−10)のための哺乳類レセプター

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、一般的には哺乳類のインターロイキン−10
のためのレセプターの特性を示す核酸およびポリペプチ
ド、およびより具体的には種々のレセプター関連性医学
的症状を診断もしくは治療するのに役立つ試薬の調製に
おけるそれらの使用に関する。
発明の背景 活性化された造血細胞は多数の蛋白質を分泌し、それ
らの幾つかはサイトカインと呼ばれている。サイトカイ
ンは、免疫細胞の増殖、分化、およびエフェクター機能
を調節することによる免疫応答の調節において種々の重
要な役割を担っている。
サイトカインの作用は典型的には、標的細胞上に見い
だされる特異的レセプター分子により媒介される。標的
細胞上のこれらのレセプターの構造および作用メカニズ
ムは良くは理解されていないものの、多くのものが少な
くとも2つの別々のポリペプチド鎖からできていること
が知られている。
典型的にα鎖として表示される一方の鎖は、低い親和
性でそのサイトカインリガンドに結合することができ
る。この相互作用によって、あるシグナルが細胞へと伝
達されるようになることも、あるいはならないこともあ
る。β鎖と表示されるもう一方の鎖は、α鎖と会合する
とそのヘテロ二量体レセプターがサイトカインに対して
より高親和性で結合するようになる。このβ鎖は通常単
独では有意なリガンド結合親和性を示さない。レセプタ
ーの二量体形態は、サイトカインを例とするリガンドの
結合の結果として、シグナルを細胞内へ伝達することが
可能である。
数々の他のサイトカインの合成を阻害するあるサイト
カインはインターロイキン−10(IL−10)と呼ばれてい
る。Fiorentino et al.、J.Exptl.Med.170:2081(198
9);およびMosmann et al.、Immunol.Today 12:A49
−A53(1991)を参照せよ。マウスとヒトとの両方の等
価物が単離されている。Moore et al.、Sciencv 24
8:1230(1990);およびVieira et al.、Proc.Nat'l.
Acad.Sci.USA 88:1172(1991)を参照せよ。
vIL−10もしくはBCRF1のいずれかとして知られるヒト
のウイルス性アナログが記載されており、これは天然の
ヒト形態のものと数々の特徴的活性を共有している。Hu
s et al.、Scienci 250:830(1990)を参照せよ。ウ
マのヘルペスウイルスからの他のウイルス性相互物が記
載されている。Rode et al.、Viral Genes :111
(1993)を参照せよ。
IL−10は生物学的に重要であり、かつIL−10はまず細
胞性レセプターに結合することにより作用するために、
このようなレセプターの単離構成成分、およびこのよう
な構成成分を作製および使用するための材料および方法
が必要とされている。
発明の要約 本発明は、IL−10のためのレセプターの構成成分の核
酸および蛋白質配列を提供することによりこれらの要求
を満たすものである。ヒトのIL−10レセプター構成成分
とマウス等価物の両方共を実例として挙げるが、他の哺
乳類種からの等価構成成分を類時報により、あるいはそ
れらから得られる他の特性に基づいて見いだすことがで
きるであろう。
より具体的には、本発明は、IL−10のための哺乳類レ
セプター、その断片、もしくはその独特な部分をコード
する配列に対して相同性を示す配列を含む組換えもしく
は単離核酸を提供する。好ましい態様においては、この
核酸はデオキシリボ核酸を含み、単離され、更にIL−10
のためのレセプターをコードする遺伝子に隣接する5′
もしくは3′配列からの制御配列を含むか、あるいは遺
伝子制御要素に操作的しうるように連結されている。別
の態様においては、レセプター、断片、もしくはその一
部分は、IL−10のためのレセプターのある特徴を示すも
の等の生物学的活性を有するか、あるいはマウスもしく
はヒトを初めとする哺乳類からのものである。
特別な態様においては、その核酸は配列番号1もしく
は3に対して高緊縮(stringency)下でハイブリダイズ
可能であるか、あるいはIL−10についてのヒトレセプタ
ー遺伝子に対して高緊縮下でハイブリダイズするプロー
ブを使用してその核酸を単離する。本発明は、ヌクレオ
チド置換、ヌクレオチド欠失、ヌクレオチド挿入、およ
びヌクレオチド部分配列(stretches)の逆位からなる
群から選択される突然変異を含むことを例とするこれら
の配列にハイブリダイズ可能な核酸をも含む。別の態様
は、ウイルス性プロモーターを初めとする原核生物のプ
ロモーター要素、もしくは真核生物の発現制御要素を例
とする遺伝子制御要素に操作的に連結してある組換え核
酸を含む。
様々な態様としては、IL−10のためのレセプターもし
くはその断片をコードするDNAを発現するための発現ベ
クター、あるいはこれらの配列および選択標識を含むベ
クターが含まれる。本発明はまた、これらのレセプター
を発現しうる発現ベクターを含む宿主細胞をも含む。好
ましい宿主細胞の態様には、大腸菌(E.coli)を初めと
するグラム陰性およびグラム陽性細菌を含む原核生物、
イーストを初めとする下等真核生物、ならびにヒトを初
めとする哺乳類および霊長類のような動物細胞を含む高
等真核生物が含まれる。レセプターは、IL−10について
のヒトレセプター、もしくはIL−10のためのマウスレセ
プターから選択することが好ましい。他の態様は、第二
の蛋白質もしくはポリペプチドを更にコードする核酸を
含み、例えばこれらの核酸においてはこの第二ポリペプ
チドはレセプターもしくはその断片に融合されている。
本発明は更に、これらの核酸を含む細胞下構造、細胞、
もしくは生物体を含む。
本発明はまた、これらのDNA配列によりコードされる
蛋白質もしくはポリペプチドを含み、これらが、組換え
宿主から得られるもの以外の蛋白質もしくは細胞性混入
物を実質的に含まないことが好ましい。これらのレセプ
ター蛋白質もしくはポリペプチドはマウスもしくはヒト
を初めとする哺乳類からのものであることがよくあり、
そして配列番号2もしくは4に示されるアミノ酸配列、
あるいはそれらの対立遺伝子もしくは種の変異体、ある
いはそれらの独特な部分を有していてもよい。これらの
レセプター蛋白質もしくはポリペプチドは固体支持体に
結合していてもよく、実質的に純粋であってもよく、あ
るいは追加的担体もしくは賦形剤と共に、またはそれら
無しの状態で薬剤学的に許容される形態をとることがで
きる。本発明については更に、第二のレセプター蛋白質
からの配列を更に含むものを初めとする融合蛋白質もし
くはポリペプチドも考えられる。他の態様には、このよ
うなレセプター蛋白質もしくはポリペプチドを含む細胞
下構造、細胞、もしくは生物体が含まれる。
本発明はまた、栄養培地で既述の核酸を含む細胞を培
養し、そしてその細胞中でそのレセプター蛋白質もしく
はポリペプチドを発現させることを含む、レセプター蛋
白質もしくはポリペプチドの製造方法をも提供する。別
の様々な態様は更に、レセプター蛋白質もしくはポリペ
プチドの精製段階も含み、ここではレセプター蛋白質も
しくはポリペプチドを培地内に分泌させ、その培地から
の精製を行う。またこのレセプターは、マウスもしくは
ヒトを初めとする哺乳類からのものである。本発明はま
た、これらの方法により製造され、かつグリコシル化、
アルキル化、およびカルボキシル化を例とする、正常な
天然レセプターのものとは異なる翻訳後修飾パターンを
示すレセプターをも提供する。レセプターは、非天然の
レセプターのグリコシル化パターンを示すレセプターを
発現する細胞株内で製造することができる。本発明はま
た、宿主からの試料を、(i)IL−10のためのレセプタ
ーもしくはその断片をコードする核酸、あるいは(ii)
IL−10のためのレセプターもしくはその断片に対する特
異的結合試薬と接触させ、そしてその試料に対するその
試薬の結合レベルを測定することを含む、ある宿主内の
不適切なIL−10応答を特徴とする医学的症状を診断する
ための方法をも提供する。様々な別法においては、この
結合試薬は、レセプターもしくはその断片をコードする
遺伝子のための核酸プローブ、IL−10のためのレセプタ
ーもしくはその断片を認識する抗体、あるいはIL−10の
ためのレセプターのためのリガンド、アゴニスト、もし
くはアンタゴニストである。このレセプターが、マウス
もしくはヒトを初めとする哺乳類からのものであること
が好ましい。
本発明はまた、IL−10のためのレセプターに対する結
合親和性を有する化合物のスクリーニング法をも提供す
る。このスクリーニング法は、既述の方法により単離も
しくは組換えレセプターを製造し、そしてそのレセプタ
ーに対するその化合物の結合のためのアッセイを行い、
それによりそのレセプターに対する特定の結合親和性を
有する化合物を同定することを含む。その化合物が、そ
れらのレセプターのリガンド、アゴニスト、もしくはア
ンタゴニストであることが好ましい。
本発明はまた、天然の状態で会合している蛋白質を含
まず、かつIL−10のためのレセプターの断片と相同なア
ミノ酸配列を有するものを例とする蛋白質およびポリペ
プチドをも提供する。典型的にはこのレセプターは、マ
ウスもしくはヒトを初めとする哺乳類からのものであ
り、そして具体的な態様は配列番号2もしくは4の配列
を有する。
本発明は、IL−10のためのレセプターのアミノ酸配列
に対して実質的な同一性を示す領域を含む組換えポリペ
プチド、もしくは実質的に純粋なポリペプチドを含む。
具体的な態様は、配列番号2もしくは4から選択される
配列を有するポリペプチド、あるいは固体支持体に付着
させてあるポリペプチドを含む。
本発明は、IL−10のための組換えレセプターもしくは
その断片に対して結合親和性を有する様々な抗体を提供
する。好ましい態様はIL−10のための抗体に対して作製
したものであり、そしてこれは、毒性部分に対して融合
させてあるか、あるいは放射線核種を初めとする標識部
分にコンジュゲートさせてある中和抗体もしくは非中和
抗体のいずれかであることができる。FabおよびFVのよ
うな結合性断片も提供される。抗体もしくは断片は、マ
ウスもしくはヒトを初めとする哺乳類からのレセプター
に結合することが好ましい。
その上本発明は、(a)IL−10のためのレセプターも
しくはその断片に結合する抗体、(b)IL−10のための
レセプター用のリガンド、アゴニスト、もしくはアンタ
ゴニスト、あるいは(c)IL−10のためのリガンド結合
性レセプターもしくはその断片を含む組成物の治療学的
有効量を宿主に投与することを含む、不適切なIl−10応
答、あるいはIL−10のためのレセプターの異常発現を示
すことを特徴とする医学的症状を有する宿主を治療する
方法を提供する。ある態様においては、抗体はモノクロ
ーナル抗体もしくはその抗原結合性断片である。他の態
様においては、アゴニストもしくはアンタゴニストは、
標的化合物を、(a)IL−10のための単離もしくは組換
えレセプター、あるいは(b)そのレセプターのリガン
ド結合性断片と接触させ、そしてIL−10のための単離も
しくは組換えレセプター、あるいはそのレセプターのリ
ガンド結合性断片を用いてその標的化合物を同定し、そ
してその接触効果に基づいて標的化合物を同定する方法
により選択する。
本発明はまた、IL−10のためのレセプターに対するテ
スト化合物の結合親和性を評価する方法をも提供し、こ
の方法は、(a)レセプターもしくはその断片を含む試
料を、そのレセプターに対する既知の親和性を有するラ
ベル化化合物および(b)テスト化合物と接触させ、そ
して結合したラベル化化合物のレベルを測定することを
含み、その値は、レセプターに結合するテスト化合物の
量に逆比例する。このレセプターは、マウスもしくはヒ
トを初めとする哺乳類からのものであることが好まし
い。別の態様はIL−10のためのレセプターの生物学的活
性を調節する方法であり、この方法は、このレセプター
を、そのレセプターに結合する抗体、IL−10のためのリ
ガンド、アゴニスト、もしくはアンタゴニスト、ならび
にIL−10のためのレセプターからのリガンド結合性断片
から選択される組成物と接触させることを含む。
本発明はまた、キット形態の有用な試薬をも提供す
る。例えば本発明は、(a)IL−10のためのレセプター
を定量するか、もしくは(b)IL−10のためのレセプタ
ーに対するテスト試料の結合親和性を決定するのに役立
つキットを提供し、そのキットには、そのレセプターに
対する結合親和性を有するラベル化化合物および結合し
たラベル化化合物を測定するための手段が含まれてい
る。
様々な態様としては、組換えレセプターを更に含むキ
ットが含まれており、この場合ラベル化化合物はIL−10
を初めとするレセプター用のリガンドであるか、その化
合物が抗体であるか、測定用の手段がそのレセプターを
固定化するための固体相であるか、あるいはその固体相
が捕獲分子を含む。本発明はまた、レセプターおよび抗
体検出用手段を含む、IL−10のためのレセプターに対す
る抗体で試料中でアッセイするためのキットをも提供す
る。ある態様においてはそのレセプターを固体支持体に
付着させる。ヒトIL−10のmRNA等をアッセイするのに用
いるためのDNAプローブを含むキットも提供される。
本発明はまた、IL−10のためのレセプターの活性を調
節することが知られている化合物をも提供するが、その
化合物は、その化合物をIL−10のための単離もしくは組
換えレセプター、あるいはその断片と接触させ、そして
その接触による生物学的活性への効果を評定する方法に
より選択される。
本発明はまた、インターフェロンレセプターを例とす
るクラス2サイトカインレセプターのシグナルの伝達を
例とする生物学的メカニズムを妨害する段階を含む、IL
−10の生物学的効果を調節する方法をも提供する。本発
明は更に、IL−10レセプターの生物学的メカニズムを妨
害する段階を含む、インターフェロンを例とするクラス
2レセプターの生物学的効果を調節する方法をも提供す
る。
発明の説明 本明細書に引用される全ての引用文献は、引用するこ
とによりそれらの全内容が本明細書に取り込まれる。
本発明は、哺乳類のIL−10レセプターサブユニットに
ついてのアミノ酸およびDNA配列を提供し、ヒトおよび
マウスのIL−10サブユニットを実例として挙げている。
これらの配列は、cDNA発現ライブラリー産物を含む細胞
プールをIL−10への特異的結合についてスクリーニング
することにより取得した。このようにして産生されるレ
セプター−リガンド複合体を化学的に架橋結合させ、そ
して、結合性蛋白質をコードする核酸を単離する方法を
適用した。
組換え核酸、および単離もしくは精製核酸は、IL−10
レセプターサブユニットもしくはその断片をコードする
配列に対して実質的に相同である。融合ポリペプチドを
コードする核酸、ならびにこのような核酸を含むベクタ
ー、形質転換宿主細胞、および生物体も考えられる。こ
のような核酸から得られる組換え、および単離もしくは
精製IL−10レセプターサブユニットもしくはその断片
も、本発明の一部分である。
本発明はまた、そのレセプターサブユニット上のエピ
トープに特異的な抗体をも提供する。これらには、異な
る種からのIL−10のためのレセプターに共通なエピトー
プもしくはある種からのレセプターに独特なエピトープ
に特異的に結合する抗体が含まれる。
これらの材料を含むキットは本発明に含まれる。その
キット中の様々な核酸、ポリペプチド、および抗体は、
様々な診断もしくは治療目的に使用することができる。
様々な材料を哺乳類、特に自己免疫疾患、Tヘルパー
2クラスの不適切な免疫応答、クラスII MHCの不適切
な機能、抑制された単球もしくはマクロファージに関連
する免疫機能、敗血症もしくは毒素のショック応答、お
よび細胞内病原体介在性疾患等の望ましくないレセプタ
ー機能を患う哺乳類の治療のための方法に用いることが
できものである。これらの方法には、それらの材料の有
効量を投与すること、もしくはそれらと生物学的試料を
接触させることが含まれる。
本発明の材料はまた、それらのレセプターに特異的な
アゴニストおよびアンタゴニストについての選択および
スクリーニングを行うのにも用いることができる。例え
ば、細胞質ドメインおよび/または貫膜ドメインを持た
ないレセプターサブユニットの可溶性形態を調製し、標
準法により固体支持体上に固定化し、そしてリガンドを
特異的に結合させるのに用いることができる。このよう
にしてIL−10レセプターの細胞外結合部位もしくは細胞
内ドメインに特異的に結合するリガンドを同定すること
ができる。IL−10レセプターが所属するクラス、すなわ
ちクラス2レセプタータイプの多重レセプタータイプに
影響を及ぼすリガンドは特に有用である。クラス2レセ
プターはこれ以降に更に詳細に記載してある。
リガンド認識部位、もしくはこのレセプターの他の領
域に特異的に結合する抗体も調製することができる。こ
のレセプターサブユニットもしくはその断片、あるいは
そのサブユニットのサブ配列に相当する配列を有する合
成ポリペプチドを常法により抗原として用いてこのよう
な抗体を作製することができる。
以下の記載は主にマウスもしくはヒトIL−10レセプタ
ーのいずれかについてのものであるが、構造的もしくは
生物学的な両方の特徴のほとんどのものはこれら2つの
抗体と、ラット、ブタ、ヒツジ、ヤギなどを例とする他
の哺乳類等価物との間で共通しているであろう。従っ
て、類似の利用法および他の種から得られる材料を、本
明細書において開示される方法に従って取得することが
できる。このような他の種には、鳥類もしくは霊長類の
ような他の温血種が含まれる。
本明細書では、Maniatis et al.、1982、Molecular
Cloning,A Laboratory Manual、Cold Spring Har
bor Laboratory、Cold Spring Harbor Press;Wu e
t al.、(eds)、1989、Methods in Enzymology、Ac
ademic Press、NY、からの“Recombinant DNA Metho
dology":Sambrook et al.、1989、Molecular Clonin
g:A Laboratory Manual、(2d ed.)、vol 1−
3、CSH Press、NY;Ausubel et al.、Biology、Gree
n Publishing Associates、Brooklyn、NY;もしくはAu
subel et al.、1987、およびSupplements、Current
Protocols in Molecular Biology、Green/Wiley、Ne
w York、において記載されるものを例とする標準法を
用いる。
IL−10レセプターサブユニットをコードする核酸を取
得するために、IL−10に対して反応性を示す細胞から単
離したメッセンジャーRNA(mRNA)を用いて相補的DNA
(cDNA)ライブラリーを作製した。BJABと表示されるB
細胞株を用いてヒト起源のcDNAライブラリーを作製し、
そしてそれぞれMC/9およびJ774と表示される肥満細胞株
およびマクロファージ細胞株を用いてマウス起源のcDNA
を作製した。
発現クローニング法によってcDNAクローンを単離する
ことに関する問題点を解決するために数々の改変法およ
び独特な技術を利用する必要があった。具体的には、所
望のIL−10結合性活性をコードするcDNAライブラリーを
調製することができる細胞株から適切な細胞株を同定す
ることが必要であった。IL−10がクローンとして単離さ
れた発現産物に対して結合するか否かを立証し、そして
IL−10結合性活性のバックグラウンドが低い発現用細胞
株を選択することも重要であった。
リガンドとして用いるIL−10(「IL−10」および「リ
ガンド」という言葉は今後互換的に用いる)を、リガン
ド−レセプター架橋結合複合体を検出するための手段を
提供するN−末端伸長部分を添加することにより改変さ
せた。用いた伸長部分はFLAGペプチドであり、これはあ
る抗体により特異的に認識されるものであるが、この代
わりに他の伸長部分を用いることもできた。Hopp et
al.、Bio/Technology :1204(1988)、を参照せよ。
この伸長部分がリガンド−レセプター相互作用を妨害す
るか否か、あるいは観察されるIL−10結合性蛋白質相互
作用がいずれも生理学的に適切なものであるか否かは未
知のことがらであった。
伸長部分を使用することにより、レセプター構成成分
を発現する細胞を検出すること、および細胞表面に架橋
結合複合体を保持する細胞を親和性により固定化するこ
とが可能となった。これらの方法の両方供を適用してIL
−10レセプターサブユニットを濃縮し、そしてその同一
性を立証した。
マウスおよびヒト細胞からのレセプターサブユニット
についてのcDNAを調製した後、それらの配列決定を行っ
た。
本発明は、天然の細胞および組換え発現系において用
いる宿主細胞を初めとする異なるタイプの細胞により産
生される、実際に配列決定が行われている非グリコシル
化レセプター、その蛋白質の対立遺伝子変異体、および
翻訳後の修飾を例とする様々な代謝変異体を含む。様々
なグリコシル化変異体および翻訳後修飾変異体は、適切
な源細胞を選択することにより産生することができる。
ヒトIL−10レセプターサブユニイット(IL−10R)の
全ヌクレオチド配列および予想アミノ酸配列が各々配列
番号1および2により特定されている。マウスのヌクレ
オチド配列およびそこから予想されるアミノ酸配列が各
々配列番号3および4により特定されている。配列番号
3中の開始コドンは塩基61で開始している。
ヒトの配列はSW8.1と表示されるクローンから取得し
たが、このクローンは1992年12月4日にアメリカンタイ
プカルチャーコレクション(American Type Culture
Collection)、Rockville、MD(ATCC)にプラスミド
内に入れた状態で寄託されており、受託番号ATCC 6914
6を受けている。疎水性膜貫通(spanning)セグメント
はヒトレセプター構成成分のアミノ酸217−243に相当す
るものと思われる。従って、可溶性の結合性断片は、お
およそ残基1−216もしくはそれより短い区間に広がる
配列に相当するであろう。
マウスの配列はpMR29と表示されるクローンから取得
され、これは1992年12月4日にプラスミド内に入れた状
態でATCCに寄託されており、そして受託番号ATCC 6914
7を受けている。
本明細書において用いられる場合、用語「IL−10レセ
プターサブユニット」は、配列番号2もしくは4により
特定されるアミノ酸配列、あるいは配列番号1もしくは
3により特定される核酸配列によりコードされるアミノ
酸配列を含む蛋白質もしくはペプチドを含む。この用語
はまた、IL−10に特異的に結合するこのような蛋白質も
しくはポリペプチドの断片をも含む。このような断片
は、蛋白質加水分解による開裂、化学合成、もしくは組
換え法により作製することができる。
本発明のIL−10レセプターサブユニットの内の幾つか
のものは、例えば、少なくとも約10nMであり、通常約3n
Mよりも良好で、好ましくは約1nMよりも良好で、そして
より好ましくは約0.5nMよりも良好な高い親和性でヒト
もしくはマウスIL−10のようなIL−10に結合する。追加
的蛋白質構成成分がα−様鎖を例とする本明細書に開示
される構成成分に会合する際には、リガンドに対する多
重蛋白質(multiprotein)複合体の結合親和性は更に高
いものになるであろう。
本発明はまた、本明細書において特定されるアミノ酸
配列との実質的なアミノ酸配列相同性を有する蛋白質も
しくはペプチドをも含むが、既知のG−CSF、GM−CSF、
EPO、TNF、IFN−γ、IL−2、IL−3、IL−4、IL−
5、IL−6、もしくはIL−7レセプターサブユニット配
列が示すのと比較して実質的に同一もしくはより低いア
ミノ酸配列相同性を示すいかなる蛋白質もしくはペプチ
ドは除外される。
幾つかのペプチドはIL−10に結合しないが、その代わ
りにシグナル伝達もしくはそのレセプターとの他の相互
作用に係わるこれまでに特性未決定の細胞内分子に結合
することができる。これらのペプチドはレセプターの細
胞内ドメインもしくは貫膜ドメインの配列に相当するア
ミノ酸配列を有するであろう。
既知の結合能を持たない可能性のある他のペプチドも
提供される。それらのペプチドはレセプター分子の一部
分に相当するアミノ酸配列を有するため、例えば抗体産
生用の抗原として有用である。
アミノ酸配列の相同性すなわち配列の同一性は、必要
であらば必要なギャップを導入することにより残基対合
形成を最適化することにより決定する。これは保存的置
換を対合形成と考えることにより変化する。保存的置換
には典型的には以下に示す群に含まれる置換が含まれ
る:[グリシン、アラニン];[バリン、イソロイシ
ン、ロイシン];[アスパラギン酸、グルタミン酸];
[アスパラギン、グルタミン];[セリン、スレオニ
ン];[リシン、アルギニン];および[フェニルアラ
ニン、チロシン]。相同性アミノ酸配列とは、各レセプ
ター配列における天然の対立遺伝子変異体および種内変
異体を含むことを意図する。
典型的な相同性蛋白質もしくはペプチドは、本明細書
において特定されるアミノ酸配列と25−100%の相同性
(ギャップが導入可能である場合)から50−100%の相
同性(保存的置換を含む場合)を有するであろう。相同
性測定値は少なくとも約50%、一般的には少なくとも約
56%、より一般的には少なくとも62%、頻繁には少なく
とも67%、より頻繁には少なくとも72%、典型的には少
なくとも77%、より典型的には少なくとも82%、普通に
は少なくとも86%、より普通には少なくとも90%、好ま
しくは少なくとも93%、そしてより好ましくは少なくと
も96%、そして特に好ましい態様においては少なくとも
98%もしくはそれを上回るであろう。様々なレセプター
サブタイプのような幾つかの相同性蛋白質もしくはペプ
チドは、本発明を説明するのに用いられる態様を例とす
るIL−10のためのレセプターの構成成分と、様々な生物
学的活性を共有するであろう。
本明細書において用いられる場合、用語「生物学的活
性」は、制限を伴うことなく、リガンド(例えば、IL−
10−様蛋白質)結合、各レセプター構成成分に対して作
製した抗体との交差反応性、およびリガンド依存的シグ
ナル伝達を含むものとして特定される。「リガンド関連
活性」は、リガンド結合それ自体、もしくは第二メッセ
ンジャー調節、Ca++キレート化合物形成、リン酸化、蛋
白質会合などを例とするものを含むリガンド結合により
介在される生物学的活性のいずれかを意味する。
用語「リガンド」は、ペプチド−リガンド結合に関与
するセグメントを介してレセプターに結合する分子であ
る、通常はサイトカイン様ペプチドの一族の一員である
分子を意味する。またリガンドは、レセプターもしくは
そのアナログのいずれかが結合する天然のリガンド、あ
るいはある天然のリガンドの機能的アナログである分子
である。機能的アナログは、構造に改変を加えてあるリ
ガンドであることもあるし、あるいは適切なリガンド結
合性決定基と相互作用を行う分子形状を有する完全に無
関係の分子であることもある。これらのリガンドはアゴ
ニストもしくはアンタゴニストとして作用する可能性が
ある。Goodman et al.、(eds)、Goodman & Ginm
an's:The Pharmacological Bases of Therapeutics
(8th ed)、1990、Pergamon Press、を参照せよ。
レセプターサブユニットの特に有用な可溶性断片はIL
−10リガンドに結合する。完全なレセプターはリガンド
が結合すべき細胞外ドメインを含むと思われるため、残
基217−243に広がる貫膜へリックスセグメントのアミノ
近位に細胞外セグメントを含む蛋白質がこのような結合
活性を示すであろう。細胞外ドメインと他の蛋白質との
融合物、およびそれより短いセグメントをリガンド結合
活性について容易にテストすることができる。細胞内ド
メインからなる断片も有用でありうる。
ヒトとマウスとのIL−10レセプターサブユニットはDN
Aおよび蛋白質配列レベルで70−75%の相同性を示す。
特徴のある構造モチーフを基にすると、IL−10レセプタ
ーサブユニットは、サイトカインレセプタースーパーフ
ァミリーのクラス2群の一員である。Bazan、Immunolog
y Today 11:350(1990);およびBazan、Proc.Nat'l.
Acad.Sci.USA 87:6934(1990)、を参照せよ。
クラス1レセプターの特徴的なモチーフには、4つの
保存システインおよび一つのトリプトファン残基からな
るアミノ末端セット、ならびに間隔をおいて並ぶ(spac
ed)芳香族性残基からなるカルボキシ−末端(膜−近
位)集団が含まれる。クラス2レセプターのモチーフの
特徴は、アミノ末端側の半分の配列中の保存トリプトフ
ァンおよび第二システイン対、カルボキシ−末端側の半
分の配列中のWSxWSボックスアナログ、ならびに第二保
存システイン対である。
クラス2の他の一員は、インターフェロン−α(IFN
−α)、インターフェロン−γ(IFN−γ)、組織因子
のためのレセプター、ならびに第二の可溶性ウイルス性
IFNレセプター相同物である。本明細書に記載されるIL
−10レセプター構成成分は特にインターフェロン−γレ
セプターに密接に関連している。これらのドメイン構造
が類似していることにより、そのレセプター上でのIL−
10の作用メカニズムがIFN−γとそのレセプターとの相
互作用に関与すものに類似している可能性が示唆される
が、それが真実であるか否かは本発明の題材ではない。
例えば、Levy、et al.、New Biologist :923(199
0);Sen et al.、J.Biol.Chem.267:5017(1992);お
よびUze et al.、Proc.Nat'l Acad.Sci.USA 89:477
4(1992)、を参照せよ。
例えばIFN−γによるマクロファージ活性化の際のIL
−10のアンタゴニスト効果はIFN反応のシグナルカスケ
ードを直接妨害する可能性がある。これは、IFNシグナ
ル経路中の構成成分とIL−10経路中の構成成分との相互
作用により遂行される可能性がある。共有されるβ−様
サブニットを例とする活性レセプター複合体中の一つも
しくは複数の構成成分の直接的な構造重複を初めとし
て、2つの経路で複数の構成成分が共有されているとい
うことは実際に可能なことである。
あるいはまた、IFNとIL−10レセプターとの構成成分
とが構造的に類似していることにより、一方の経路にお
いて重要なレセプター構造の領域と他方の経路における
保存領域とは似たような重要性を有することが予測され
るであろう。この予測を、リガアンド分子表面の形状
と、下流のシグナル経路の構成成分と相互作用をすると
思われる細胞内の特徴との両方に当てはめる。このこと
により、インターフェロンレセプターのシグナル伝達を
妨害する段階を含むIL−10の生物学的影響を変化される
方法が示唆され、それらには、例えばIFNのアゴニスト
もしくはアンタゴニスト、あるいはIFNレセプター突然
変異体に対して相同なIL−10レセプター変異体が含まれ
る。従って保存領域に対する中和抗体がこの一族の他の
レセプターに類似効果を及ぼすことが予期されるであろ
う。
本発明については、IL−10レセプターサブユニットを
コードするDNAもしくは断片を例とする単離核酸の利用
が考えられる。その上本発明は、各々の種変異体または
レセプターにそれぞれ相同である蛋白質をコードするも
のであるか、あるいはIL−10のためのレセプターをコー
ドするcDNAをプローブとして使用して単離した、単離も
しくは組換えDNAもしくはその断片の利用を含む。単離D
NAは、プロモーター、エンハンサー、ポリ−A追加シグ
ナル、および当該技術分野における他のものを例とする
各々の制御配列を5′および3′フランク部分内に有す
ることができる。このような核酸は一般的に、IL−10レ
セプターもしくはその断片をコードするmRNAの遺伝子を
例とするもののためのプローブとして役立つ。
本明細書において特定される「単離された」核酸は、
RNA、DNA、もしくは混合ポリマーを例とする核酸であ
り、これは実質的に、リボソーム、ポリメラーゼ、およ
びもともとの起源となっている種からのフランクゲノム
配列を例とする天然の配列を天然の状態で随伴する他の
構成成分から分離されている。この用語はその天然の環
境から予め取り出してきてある核酸配列を含み、そして
組換えもしくはクローン化DNA単離物および化学的に合
成したアナログ、もしくは異種の系により生物学的に合
成したアナログを含む。実質的に純粋な分子にはその分
子の単離形態が含まれる。
単離された核酸は一般的には均一組成の分子であろう
が、幾つかの態様においては微量の異種成分を含むであ
ろう。この異種成分は典型的には、所望される生物学的
機能もしくは活性にとって重要ではないポリマー末端も
しくはその一部分において見いだされる。
「組換え」核酸は、その産生方法もしくはその構造の
いずれかにより特定される。あるプロセスにより作製さ
れる産物を例としてその組換え核酸の産生方法を参照す
ると、そのプロセスは、ヌクレオチド配列にヒトが介入
することを例とする組換え核酸技術の利用である。別法
では、これは天然の状態では互いに隣接し会わない2つ
の断片の融合物を含む配列を作製することにより作られ
る核酸である可能性があるが、天然に生じる突然変異体
を例とする天然の産物を除外することを意味する。
従って、例えば、天然でない状態で生じるいずれかの
ベクターで細胞を形質転換させることにより作製した産
物、ならびにいずれかの合成オリゴヌクレオチドプロセ
スを使用して取得する配列を含む核酸がそれに含まれ
る。これは、典型的には配列認識部位を導入もしくは除
去するのと同時に、同一もしくは保存アミノ酸をコード
する余計なコドンであるコドンを置換するために行われ
ることが良くある。別法では、この方法を、所望の機能
の核酸セグメントを繋ぎ合わせて、普通に入手すること
ができる天然形態では見いだされない所望の機能組み合
わせ物を含む単一の遺伝子構造物を作製するために実施
する。
核酸「断片」は、本明細書では少なくとも約17ヌクレ
オチド、一般的には少なくとも21ヌクレオチド、より一
般的には少なくとも25ヌクレオチド、普通には少なくと
も30ヌクレオチド、より普通には少なくとも35ヌクレオ
チド、頻繁には少なくとも42ヌクレオチド、より頻繁に
は少なくとも49ヌクレオチド、典型的には少なくとも58
ヌクレオチド、より典型的には少なくとも75ヌクレオチ
ド、平常は少なくとも100ヌクレオチド、より平常には
少なくとも200ヌクレオチド、好ましくは少なくとも300
ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも500ヌクレオ
チド、そして特に好ましい態様においては少なくとも80
0もしくはそれを上回るヌクレオチドの連続セグメント
として特定される。
IL−10レセプターサブユニットもしくはその断片をコ
ードするDNAを、関連レセプターもしくは相同レセプタ
ーをコードする遺伝子、mRNA、およびcDNA種、ならびに
これらのレセプター構成成分の種変異体をコードする核
酸を同定するのに使用することができる。このような使
用法に好ましいプローブは異なる種変異体の間で保存さ
れているレセプターの領域をコードしている。保存領域
は配列比較により同定することができる。
本発明は更に、本明細書に示される単離DNAと同一も
しくはかなり相同であるDNA配列を有する組換えDNA分子
および断片を含む。具体的には、これらの配列は、転
写、翻訳、およびDNA複製を調節するDNAセグメントに操
作的に連結してあることが良くあるであろう。イントロ
ンを含むゲノム配列も、それらを単離するための方法と
共に使用することが可能である。
比較を行うと、相同性核酸配列は有意な類似性を示
す。核酸における相同性についての基準は、当該技術分
野で一般的に用いられる相同性についての配列比較によ
る測定値であるか、あるいはハイブリッド形成条件に基
づくものかのいずれかである。このハイブリッド形成条
件を以下により詳細に記載してあるが、既述のレセプタ
ー構成成分を例とするサイトカインについての他の既知
のレセプターに対する相同性によって更に限定される。
相同性測定値は、既述のいずれかのパラメーターに加え
て、GM−CSF、IL−3、IL−4、およびIL−5レセプタ
ー構成成分を例とするこれらのレセプターに対するその
ような類似性をいずれも越えることが制限とされるであ
ろう。
実質的な核酸配列相同性は、それらのセグメントもし
くはそのセグメントの相補性鎖が、適切なヌクレオチド
挿入もしくは欠損を補った状態での最適条件で整列させ
た場合に、少なくとも約50%のヌクレオチド、通常では
少なくとも56%、より通常では少なくとも59%、普通に
は少なくとも62%、より普通には少なくとも65%、頻繁
には少なくとも68%、より頻繁には少なくとも71%、典
型的には少なくとも74%、より典型的には少なくとも77
%、平常は少なくとも80%、より平常には少なくとも約
85%、好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少
なくとも約95−98%もしくはそれを上回り、そして具体
的な態様においては約99%もしくはそれを上回る程多く
のヌクレオチドが相同であることのいずれかを意味す
る。
実質的な相同性は、典型的には本明細書中に特定され
る配列を用いて、選択的(緊縮性)ハイブリッド形成条
件下でそれらのセグメントがある鎖もしくはその相補物
に対してハイブリダイズするであろう場合に存在する。
既述の相補性比較の長さは、より長い配列部分にわた
っており、そして特定の態様においてはこれは少なくと
も約17ヌクレオチド、普通には少なくとも約20ヌクレオ
チド、より普通には少なくとも約24ヌクレオチド、典型
的には少なくとも約28ヌクレオチド、より典型的には少
なくとも約40ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約50
ヌクレオチド、そしてより好ましくは少なくとも約75−
100もしくはそれを上回るヌクレオチドの配列部分にわ
たるであろう。
ハイブリッド形成環境における相同性を参照すると、
緊縮条件は、塩、温度、有機溶媒、および典型的にはハ
イブリッド形成反応において調節される他のパラメータ
ーからなる緊縮組み合わせ条件であろう。緊縮温度条件
には、通常は約30℃を越える、より普通には約37℃を越
える、典型的には約45℃を越える、より典型的には約55
℃を越える、好ましくは65℃を越える、そしてより好ま
しくは約70℃を越える温度がある。緊縮塩条件は、通常
は約1000mMを下回る、頻繁には約700mMを下回る、普通
には約500mMを下回る、より普通には約400mMを下回る、
典型的には約300mMを下回る、好ましくは約200mMを下回
る、そしてより好ましくは約150mMを下回るであろう。
しかしながらパラメーターの組み合わせが、いずれかの
単一のパラメーターの測定値よりも更に重要である[We
tmur et al.、J.Mol.Biol.31:349(1968)]。
本明細書において単離および性質決定されている核酸
を用いて変異体および突然変異体を作製することができ
る。これらを用いて、例えば、遺伝子「ノックアウト」
動物を例とする相同組換えを初めとするトランスジェニ
ック細胞、および遺伝子療法に役立つベクター構築物を
作製することもできる。例えば、Roitt(ed.)、Encycl
opedia of Immunology、1992、Academic Press,San
Diego中のGoodnow、“Transgenic Animals"、pp.150
2−1504;Travis、Sience 256:1392(1992);Kuhn et
al.、Scienci 254:707(1991);Capecchi、Science
244:1228(1989);Robertson、(ed.),Teratocarcin
omas and Embryonic Stem Cells:A Practical Ap
proach、1987、IRL Press、Oxford;およびRosenberg、
J.Clinical Oncology 10:180(1992)、を参照せよ。
単離レセプターDNAは、ヌクレオチド置換、欠失、挿
入、および逆位により容易に改変することができる。IL
−10結合能は発現産物において維持されている。このよ
うにして製造される突然変異体レセプターは、本明細書
において開示される要領でIL−10への特異的結合につい
て容易に検査することができる。これらの改変配列は、
部位特異的突然変異誘発のような良く知られる方法を用
いて製造することができる。改変配列は、例えば、改変
プライマー、本明細書に記載される配列、およびポリメ
ラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて調製することもでき
る。
本発明はまた、レセプターサブユニットからのセグメ
ントを用いる異種融合蛋白質を例とする組換え蛋白質も
提供する。異種融合蛋白質は、天然の状態では普通はこ
の同一様式では融合することのない蛋白質もしくはセグ
メントの融合物である。従って、免疫グロブリンとレセ
プターペプチドトの融合産物は、典型的には単一の翻訳
産物として作製されるような典型的なペプチド結合で融
合されている配列を有し、かつ各源ペプチドから得られ
る特性を示す連続的な蛋白質分子である。
その上新規の構築物は、他の蛋白質からの類似の機能
的ドメインを組み合わせることにより作製することがで
きる。例えば、リガンド結合性セグメントもしくは他の
セグメントを、様々な新規の融合ポリペプチドもしくは
断片の間で「交換」することができる。例えば、Cunnin
gham et al.、Science 243:1330(1989);およびO'
Dowd et al.、J.Biol.Chem.263:15985(1988)、を参
照せよ。従って、新規に組み合わせた特異性を示す新規
のキメラポリペプチドが、リガンド結合性という特異性
と細胞内領域との機能的連結によりもたらされるであろ
う。例えば、他の関連レセプターからのリガンド結合性
ドメインを、これらのレセプターの他の結合性ドメイン
に添加するかもしくはそれと置換することができる。得
られる蛋白質はハイブリッド機能および特性を有するこ
とがよくあるだろう。
Beaucage et al.、Tetra.Letts.22:1859(1981)に
より記載されるホスホルアミダイト法により適切な合成
DNA断片を製造することができる。二重鎖断片は、相補
鎖を合成し、そしてその鎖を適切な条件下で一緒にアニ
ールすることによるか、あるいはDNAポリメラーゼを適
切なプライマー配列と共に用いてその相補鎖を加えるか
のいずれかにより取得することがよくあるであろう。
本発明は、融合蛋白質を産生するための手段を提供す
る。様々なレセプター変異体は、それらが優位な構造類
似性を共有しているとしてもわずかながら異なる機能も
しくは生物学的活性をする可能性がある。特にサイトカ
インレセプターの関連一族間の変異体と比較する場合、
それらのレセプターにより提供される様々な生理学的機
能もしくは生物学的活性に影響を与える構造成分の切除
は、現代の分子生物学の標準的な技術を用いれば可能で
ある。例えば、Cunningham et al.、上述、において
記載されるホモログースキャニング(homolog−scannin
g)突然変異誘発技術、ならびにO'Dowd et al.、上述
およびLechleiter et al.、EMBO J.9:4381(1990)
において用いられる研究法を参照せよ。リガンド結合の
親和性および特異性の両方においてどの構造特性が重要
であるかを決定するために、リガンド結合性セグメント
をレセプター間で置換することができる。細胞外リガン
ドに接近可能なレセプターのセグメントはこのような分
析の第一標的であろう。対立遺伝子変異体を例とする一
連の異なるレセプター変異体を用いてそれらとの相互作
用の特色を組み合わせて示すリガンドについてのスクリ
ーニングを行うことができる。細胞内機能は恐らく、通
常はサイトゾルに接近可能なレセプターのセグメントに
関与しているものと思われる。しかしながら、レセプタ
ーの内在化(internalization)が所定の環境下で生じ
ることがあり、そして細胞内構成成分と指定「細胞外」
セグメントとの間の相互作用が生じることがある。これ
らの細胞内機能は通常、リガンド結合からのシグナル伝
達を含む。レセプターと他の蛋白質との相互作用の特異
的セグメントは、突然変異誘発、あるいは架橋結合を例
とする直接的な生化学的手法、あるいは親和性法により
同定することができる。結晶学的方法もしくは他の物理
学的方法による構造解析も応用可能であろう。区別しう
る機能を示すレセプター変異体間の類似性および差異を
同定することが、新規の診断および治療用試薬もしくは
治療法につながるであろう。
IL−10レセプターサブユニットもしくはその断片をコ
ードする核酸はpMR29およびpSW8.1クローンにおいて入
手することができるか、あるいは化学合成により、ある
いはcDNAまたは細胞株もしくは組織試料から取得するゲ
ノムライブラリーをスクリーニングすることにより取得
することができる。
このような核酸は、完全長レセプターサブユニットも
しくはその断片の合成用に多種多様の宿主細胞内で発現
させることができ、そしてそれを次に、例えば、ポリク
ローナルもしくはモノクローナル抗体の作製、結合性の
検討、改変させたレセプター分子の構築および発現およ
び、構造/機能の検討に使用することができる。各レセ
プターもしくはその断片を、適切な発現ベクターで形質
転換もしくはトランスフェクトさせた宿主細胞内で発現
させることができる。これらの分子は組換え宿主から得
られるもの以外の蛋白質もしくは細胞性混入物を実質的
には含まず、そしてそのため、薬剤学的に許容される担
体および/または希釈剤と配合させた場合に薬剤学的組
成物として特に役立つ。レセプターもしくはその一部分
を他の蛋白質との融合物として発現することができる。
発現ベクターは典型的には、適切な宿主細胞内で認識
される適切な遺伝子制御要素に通常は操作的に連結され
ている所望のレセプター遺伝子もしくはその断片を例と
するものを含む自己−複製性DNAもしくはRNA構築物であ
る。これらの制御要素は適切な宿主内で発現させること
ができる。発現させるのに必須な制御要素の具体的な種
類は用いる最終的な宿主細胞に依存するであろう。一般
的に、遺伝子制御要素は原核生物のプロモーター系もし
くは真核生物のプロモーター発現制御系を含むことがで
き、そして典型的には転写プロモーター、転写開始を調
節するための任意のオペレーター、mRNA発現のレベルを
上昇させるための転写エンハンサー、適切なリボソーム
結合部位をコードする配列、ならびに転写および翻訳を
停止させる配列を含む。発現ベクターはまた、通常ベク
ターを宿主細胞とは独立に複製させる複製起点を含む。
本発明のベクターは、IL−10−様ペプチドのためのレ
セプターをコードするDNA、もしくは生物学的に活性な
レセプターポリペプチドをコードするその断片を含む。
このDNAはウイルス性プロモーターの制御下に存在する
ことが可能であり、そして選択マーカーをコードするこ
とが可能である。本発明については更に、原核生物もし
くは真核生物宿主以内でレセプターをコードする真核生
物のcDNAを発現させことが可能である発現ベクターの利
用も考えられるが、この場合、このベクターは宿主との
適合性を示し、かつそのレセプターをコードする真核生
物のcDNAは、そのベクターを含む宿主を増殖させる際に
問題となるcDNAが発現されるようにそのベクター内に挿
入されている。通常発現ベクターは、それぞれの宿主細
胞内で安定に複製するように、あるいは細胞当たりの所
望の遺伝子の総コピー数をかなり増加させるための増幅
を行うように設計されている。発現ベクターが宿細胞内
での複製することは必ずしも必要でなく、例えば、宿主
細胞により認識される複製起点を含まないベクターを用
いて様々な宿主内でのIL−10レセプターもしくはその断
片を一時的に発現させることが可能である。組換えによ
り宿主DNA内にIL−10レセプターもしくはその断片をイ
ンテグレートさせるベクターを使用することも可能であ
る。
本明細書で使用されるベターには、プラスミド、ウイ
ルス、バクテリオファージ、インテグレート可能なDNA
断片、および宿主のゲノム内にDNA断片を取り込ませる
ことを可能にする他のベヒクルが含まれる。発現ベクタ
ーは、操作的に連結された遺伝子を発現させる遺伝子制
御要素を含む特別のベクターである。プラスミドは最も
一般的に用いられるベクター形態であるが、等価機能を
果たし、かつ当該技術分野において知られるもしくは知
られるようになる他の形態のベクターが本明細書におけ
る利用に適する。例えば、Pouwels et al.、Cloning
Vectors:A Laboratory Manual、1985、およびSuppl
ements、Elsevjer、N.Y.;ならびにRodriquez et al.
(eds)、Vectors:A Survey of Molecular Cloning
Vectors and Their Usus、1988、Buttersworth、B
oston、を参照せよ。
形質転換細胞は組換えDNA技術を使用して作製したレ
セターベクターで形質転換もしくはトランスフェクトさ
せてある細胞、好ましくは哺乳類細胞である。形質転換
宿主細胞は通常レセプターもしくはその断片を発現する
が、そのDNAのクローニング、増幅、および操作の目的
ではレセプターを発現させる必要はない。本発明につい
ては更に、栄養培地中で形質転換細胞を培養し、そのこ
とにより可溶性蛋白質を例とするレセプターもしくはそ
の断片をその培養物中に蓄積可能にさせることも考えら
れる。このレセプター蛋白質は、その細胞もしくはその
培養培地から回収することができる。
本発明の目的のためには、DNA配列が互いに機能的に
関連している際にはそれらのDNA配列を操作的に連結さ
せる。例えば、プレ配列すなわち分泌リーダーのための
DNAをあるポリペプチドに操作的に連結させるが、その
場合にはそのポリペプチドはプレ蛋白質として発現さ
れ、すなわちそのポリペプチドはポリペプチドを細胞膜
に向かって移動させることもしくはそのポリペプチドの
分泌に関与する。プロモーターは、それがそのポリペプ
チドの転写を制御する場合にはコーディング配列に操作
的に連結されており、リボソーム結合部位は、それが翻
訳を可能にさせる位置におかれる場合にはコーディング
配列に操作的に連結されている。通常、操作的に連結さ
せる、とは連続的かつ読み枠内でのことを意味するが、
抑制遺伝子のような特定の遺伝子成分は連続的には連結
されていないが、オペレータ配列に結合し、発現を調節
する。
適切な宿主細胞には、原核生物、下等真核生物、およ
び高等真核生物がある。原核生物には、大腸菌(E.col
i)およびB.スブチリス(B.subtilis)を例とするグラ
ム陰性およびグラム陽性生物体の両方が含まれる。下等
真核生物には、S.セレビシアエ(S.cerevisiae)および
ピキア(Pichia)を例とするイースト、およびディクチ
オステリウム(Dicryostelium)属の各種が含まれる。
高等真核生物には、昆虫細胞および鳥類を例とする非哺
乳類起源、ならびにヒト、霊長類、および齧歯類を例と
する哺乳類起源の両方の動物細胞からの樹立組織培養細
胞株が含まれる。
原核生物の宿主−ベクター系には、多くの異なる種か
らの多種多用のベクターがある。本明細書において用い
られる際には、大腸菌(E.coli)およびそのベクター
は、他の原核生物において用いられる等価ベクターを含
むように包括的に用いられるであろう。DNAを増幅する
ための代表的なベクターはpBR322もしくはその多くの誘
導体である。レセプターもしくはその断片を発現するの
に用いることができるベクターには、lacプロモーター
(pUC−シリーズ)、trpプロモーター(pBR322−tr
p)、Ippプロモーター(pIN−シリーズ)、ラムダー−p
PもしくはpRプロモーター(pOTS)、あるいはptac(pDR
540)のようなハイブリッドプロモータを含むもののよ
うなベクターがあるが、これらには限定されない。Vect
ors:A Survey of Molecular Cloning Vectors an
d Their Uss、(eds.Rodriguez and Denhardt)、1
988、Buttersworth、Boston、Chapter10、pp205−236中
の、Brosius et al.、“Expression Vecrtors Empl
oying Lambda−、trp−、lac−、and Ipp−derived
promoters"、を参照せよ。
イーストおよびディクチオステリウム(Dictyosteliu
m)を例とする下等真核節物は、IL−10レセプター配列
含有性ベクターで形質転換させることができる。本発明
の目的については、最も一般的な下等真核生物宿主は製
パン用イーストであるサッカロマイセス セレビシアエ
(Saccharomyces cerevisiae)である。これは包括的
に下等真核生物を示すように用いられるであろうが、数
々の他の株および種も利用可能である。イーストベクタ
ーは典型的には、複製起点(インテグレーション型でな
い限り)、選択遺伝子、プロモーター、レセプターもし
くはその断片をコードするDNA、ならびに翻訳停止、ポ
リアデニル化、および転写停止のための複数の配列で成
り立っている。イーストに適する発現ベクターには、3
−ホスホグリセレートキナーゼおよび他の様々な解糖酵
素遺伝子プロモーターのような構成性プロモーター、あ
るいはアルコールデヒドロゲナーゼ2プロモーターもし
くはメタロチオネインプロモーターのような誘導可能な
プロモーターがある。適切なベクターには以下に示す種
類の誘導体があり、それらは、自己複製性の低コピー型
ベクター(YRp−シリーズのようなもの)、自己複製性
の高コピー型ベクター(YEp−シリーズのようなも
の)、インテグレーション型ベクター(YIp−シリーズ
のようなもの)、もしくはミニ−染色体(YCp−シリー
ズのようなもの)である。
組織培養物内で生育する高等真核生物細胞が機能的に
活性なIL−10レセプター蛋白質の発現に好ましい宿主細
胞であることがよくある。原理的には昆虫のバキュロバ
イラス発現系を例とするいずれの高等真核生物組織培養
細胞株も実行可能であり、それは無脊椎動物もしくは脊
椎動物起源のいずれかからのものであってもよい。しか
しながら哺乳類細胞が好ましいことがしばしばである。
このような細胞の形質転換もしくはトランスクション、
および継代は日常的な作業となっている。有用な細胞株
の例には、HeLa細胞、チャイニーズハムスターの卵巣
(CHO)細胞株、雌仔ラットの腎臓(BRK)細胞株、昆虫
細胞株、鳥類細胞株、およびサル(COS)細胞株が含ま
れる。
このような細胞株用の発現ベクターには通常、複製起
点、プロモーター、翻訳開始部位、RNAスプライス部位
(ゲノムDNAを用いる場合)、ポリアデニル化部位、お
よび転写停止部位が含まれる。これらのベクターはま
た、通常選択遺伝子もしくは増幅遺伝子も含んでいる。
適切な発現ベクターは、アデノウイルス、SV40,パルボ
ウイルス、ワクシニアウイルス、もしくはサイトメガロ
ウイルスのような源を例とするものから取得されるプロ
モーターを保持するプラスミド、ウイルス、もしくはレ
トロウイルスを含むことが可能である。適切な発現ベク
ターの代表例には、pCDNA1(Invitrogen社、San Dieg
o、CA)、pCD[Okayama et al.、Mol.Cell.Biol.:1
136(1985)]、pMC1neo Poly−1[Thomas et a
l.、Cell 51:503(1987)]、ならびにpAC373もしくは
pAC610[O'Reilly et al.、Baculovirus Expression
Vectors:A Laboratory Manual、1992、Freeman &
Co.、N.Y.]のようなバキュロバイラスベクターがあ
る。
特異的もしくは特定されるグリコシル化パターンを提
供する系内でレセプターポリペプチドを発現することが
所望されることがよくあるであろう。この場合、通常の
パターンはその発現系により天然に供給されるものにな
るであろう。しかしながらこのパターンは、例えば非グ
リコシル化形態のそのポリペプチドを異種発現系内に取
り込ませてある適切なグリコシル化蛋白質に露出させる
ことにより改変されるであろう。例えばそのレセプター
遺伝子を、哺乳類もしくは他のグリコシル化酵素をコー
ドする一つもしくは複数の遺伝子で同時形質転換させる
ことができる。この方法を用いると所定の哺乳類グリコ
シル化パターンを原核生物もしくは他の細胞内で達成す
ることが可能であろう。
本発明の核酸は高レベルのレセプター蛋白質を保持す
る有用な源材料を提供するであろう。これらの蛋白質を
発現する細胞は、天然のレセプター形態もしくはそれら
の変異体の蛋白質精製のための源となることが可能であ
る。その上、精製セグメントをレセプターの適切な部分
に融合させて単離および産生を補助することができる。
例えば、FLAG配列もしくは機能等価物をプロテアーゼで
除去することが可能な配列を介してその蛋白質に融合さ
せて、そのFLAG配列が親和性試薬により認識されるよう
にし、そして精製蛋白質をプロテアーゼ消化に供してそ
の伸長部分を除去する。
多くの他の等価セグメントが存在し、その例は重金属
カラム試薬に対する親和性を保持するポリ−ヒスチジン
セグメントである。例えば、Hochuli、Chemische Indu
strie 12:69(1989);Setlow(ed)、Genetic Engine
ering、Principle and Methods 12:87、1990、Plenu
m Press、N.Y中のHochuli、“Purification of Reco
mbinant Proteins with Metal Chelate Adsorben
t";およびCrowe et al.、QIAexpress:The High Lev
el Expression & Protein Purification Syste
m、1992、QUIAGEN、Inc.Chatsworth、CA、を参照せよ。
その上、適切な宿主細胞を用いてレセプター蛋白質を
高レベルで、そしてグリコシル化変異体を例とする所望
の翻訳後プロセシングを可能とする生理学的条件下で発
現させることができる。
高レベル発現源を製造したのち、標準的な蛋白質精製
技術を適用してほぼ均一になるまでIL−10レセプター構
成成分を精製する。これらの方法には、硫酸アンモニウ
ム沈殿、カラムクロマトグラフィー、電気泳動、遠心、
結晶化のような方法などが含まれるであろう。例えば、
Ausubel et al.、1987 and Periodic supplement
s、Current Protocols in Molecular Biology;Meth
ods in Enzymology Vol 182、1990中のDeutscher、
“Guide to Protein Purification"およびこのシリ
ーズ中の他の巻、ならびにPharmacia社、Piscataway、
N.J.、もしくはBio−Rad社、Richmond、CA、を例とする
蛋白質精製用産物の使用についての製造業者の説明書を
参照せよ。
本発明はまた、IL−10レセプターサブユニットの塩お
よびラベル化誘導体を提供する。このような誘導体は化
学的部分との共有結合もしくは凝縮会合に関与する。こ
れらの誘導体は一般的には3つのクラスに属し、それら
は(1)塩、(2)側鎖および末端残基の共有結合によ
る修飾、および(3)細胞膜とのものを例とする吸着複
合体である。このような共有結合による誘導体もしくは
凝縮誘導体は免疫原として、あるいは免疫アッセイまた
はIL−10もしくは他の結合性リガンドの親和性精製のた
めのもののような精製法における試薬として有用であ
る。
例えば、IL−10レセプターもしくはその可溶性形態を
共有結合によって、臭化シアンにより活性化させてある
Sepahroseのような固体支持体に当該技術分野において
よく知られる方法により固定化させるか、あるいはグル
タルアルデヒド架橋結合を有するもしくは有さないポリ
オレフィン表面に吸着させて抗−IL−10レセプター抗体
もしくはIL−10のアッセイもしくは精製の際に利用する
ことができる。IL−10レセプターは検出可能な基でラベ
ル化することも可能であり、その例は、クロラミンT法
による放射性ヨウ素化、稀土類のキレート化合物への共
有結合、もしくは診断用アッセイにおける利用のための
他の蛍光部分への複合体形成を行うことである。
本発明の可溶化IL−10レセプターは、そのレセプター
もしくはその断片に特異的な抗血清もしくは抗体を産生
させるための免疫原として使用することができる。この
精製済みレセプターを使用して、IL−10レセプターを含
む様々な形態の不純調製物で免疫化することにより調製
したモノクローナル抗体もしくは抗原結合性断片をスク
リーニングすることができる。
用語「抗体」は、天然の抗体の抗原結合性断片をも含
む。精製済みレセプターは、高いレベルでのIL−10レセ
プターもしくはIL−10レセプターを含む細胞断片の存在
に応答して生じる抗体を検出するための試薬として使用
することができる。その上IL−10レセプター断片も、直
ぐ下に記載するように本発明の抗体を産生させるための
免疫原として作用することが可能である。例えば本発明
については、本明細書において特定されるアミノ酸配列
もしくはその断片に対する結合親和性を有する抗体、あ
るいはそれらの配列に対して作製された抗体が考えられ
る。
本発明については具体的には、脂質二分子層の外側に
存在することが予想される特異的断片に対する結合親和
性を有する抗体か、あるいはその断片に対して作製され
た抗体が考えられる。これらの断片はヒトもしくはマウ
スレセプターの配列が完成した際には容易に明らかにさ
れるはずである。その上本発明は、膜の細胞外側に存在
することが予測されるIL−10レセプターの断片も含む。
膜結合性領域を同定するための蛋白質構造の分析は、例
えばvon Heijne、J.Mol.Biol.225:487(1992);およ
びFasman et al.、Trends in Biochemical Scienc
es 15:89(1990)、において記載されている。
抗体は、天然に存在する形態およびそれらの組換え形
態の両方において、レセプターサブユニットおよびその
断片の様々な種の変異体に対して作製することができ
る。その上抗体をそれらの活性形態もしくは不活性形態
のいずれかの抗体をIL−10レセプターに対して作製する
ことができ、これらの両形態は、活性レセプターに対す
る抗体が活性レセプター内にのみ存在するエピトープを
より認識しやすいことのみがその違いとなっている。抗
−イディオタイプ抗体も標準法により調製することがで
きる。
IL−10レセプターの予め決定してある断片に対する抗
体(結合性断片および一本鎖を含む)は、その断片と免
疫原性蛋白質との複合体で動物を免疫化することにより
作製することができる。モノクローナル抗体は、所望の
抗体を産生する細胞から調製する。これらの抗体は、正
常もしくは欠損型のIL−10レセプターに対する結合につ
いてスクリーニングするか、あるいはアルゴニストもし
くはアンタゴニストとしてのIL−10レセプター活性につ
いてスクリーニングすることができる。
これらのモノクローナル抗体は、通常は、少なくとも
約1mM、より通常は少なくとも300μM、一般的には少な
くとも100μM、より一般的には少なくとも30μM、普
通には少なくとも10μM、より普通には少なくとも3μ
M、頻繁には少なくとも1μM、より頻繁には少なくと
も300nM、典型的には少なくとも100nM、より典型的には
少なくとも30nM、呈上では少なくとも10nM、より平常で
は少なくとも3nM、好ましくは少なくとも1nM、より好ま
しくは少なくとも300pM、そして特に好ましい態様にお
いては少なくとも100−10pMもしくはそれよりも良好なK
d値で結合するであろう。
本発明の抗体(抗原結合性断片を含む)は、有意な診
断的および治療的価値を有する可能性がある。これら
は、IL−10レセプターに結合し、そしてそのレセプター
に対するリガンド結合を阻害するか、もしくは生物学的
応答を誘導するIL−10−様ペプチドの能力を阻害する強
力なアンタゴニストである可能性がある。これらはまた
非中和用抗体としても有用であり、そして毒素もしくは
放射性核種にコンジュゲートさせることができ、その結
果この抗体がレセプターに結合する際には細胞自体が殺
されるようになる。その上これらの抗体は、直接的ある
いはリンカーによって間接的に薬剤もしくは他の治療用
試薬に対して複合体形成することができる。
本発明の抗体はまた、診断的応用法にも有用である可
能性がある。捕獲抗体もしくは非中和抗体として、それ
らはリガンド結合を阻害することなくIL−10レセプター
に結合することができる。中和抗体としては、それらは
競合的結合アッセイにおいて有用である可能性がある。
これらはまた、IL−10もしくはIL−10レセプターの検出
もしくは定量にも有用であろう。
レセプター断片は、免疫原として使用するべき融合済
みもしは共役結合連結済みのポリペプチドとして他の材
料、具体的にはポリペプチドに対して連結させることが
できる。IL−10レセプターおよびその断片は、カサガイ
(Keyhole limpet)のヘモシアニン、ウシ血清アルブ
ミン、破傷風毒素などのよな多用な免疫原に対して融合
させるか、もしくは共役結合により連結させることがで
きる。ポリクローナル抗血清を調製する方法の既述につ
いては、Microbiology、Hoeber Medical Division、H
arper and Row、1969;Landsteiner、Specificity of
Serological Reactions、1962、Dover Publication
s、New York;およびWilliamu et al.、Methods in
Immunology and Immunochemistry.Vol.1.1967、Aca
demic Press、New York、を参照せよ。
幾つかの事例においては、マウス、齧歯類、ウシ、ヒ
ツジ、ヤギ、ロバ、霊長類、ヒトなどの様々な哺乳類宿
主からモノクローナル抗体を調製することが所望され
る。このようなモノクローナル抗体を調製するために用
いられる技術の記載は、例えば、Stites et al.(ed
s)、Basic and Clinical Immunology、4th ed.、L
ange Medical Publications、Los Altos、CA;Harlow
and Lane、Antibodies:A Laboratory Manual、198
8、CSH Press;Goding、Monoclonal Antibodies:Princ
iples and Practice(2d ed)、1986、Academic Pr
ess、New York;および特に、Kohler and Milstein、
Nature 256:495(1975)、において見いだすことがで
きる。
簡便に記載すると、この方法はある動物を免疫源で注
射することを含む。その後この動物を屠殺し、そして細
胞をその脾臓から採取し、その後これを骨髄腫細胞と融
合させる。インビトロで複製可能なハイブリッド細胞す
なわち「ハイブリドーマ」がこの結果として生じる。そ
の後ハイブリドーマの全体群をスクリーニングして個々
のクローンを単離するが、各クローンはその免疫原に対
する単一の抗体種を分泌する。この方法では、取得され
る個々の抗体種は免疫原物質上で認識される特異的部位
に応答して生じる免疫動物からの不死化かつクローン化
済み単一B細胞の産物である。
他の適切な技術は、インビトロで白血球を抗原性ポリ
ペプチドに対して露出させること、あるいは別法として
ファージもしくは類似ベクター内の抗体のライブラリー
を選択することを含む。Huse et al.、“Generation
of a Large Combinatorial Library of the
Immunogloblin Repertoire in Phage Lambda"、Sci
ence 246:1275(1989)、およびWard et al.、Natur
e 341:544(1989)、を参照せよ。
キメラ抗体もしくはヒト化抗体を初めとする本発明の
ポリペプチドおよび抗体は、改変を加えて、もしくは加
えずに使用することができる。これらのポリペプチドお
よび抗体は、検出可能なシグナルを提供する物質を共有
結合もしくは非共有結合のいずれかによって連結させる
ことによりラベルされるであろう。多種多様のラベル化
物および複合体形成技術は既知のものであり、そしてこ
れらは科学誌および特許刊行物の両方において広く報告
されている。適切なラベル化物には、放射性核種、酵
素、基質、補因子、阻害剤、蛍光部分、ケミルミネセン
ト部分、および磁性粒子などが含まれる。このようなラ
ベル化物の利用法を開示している特許には、米国特許第
3,817,837号、第3,850,752号、第3,939、350号、第3,99
6,345号、第4,277,437号、第4,275,149号、および第4,3
36,241号がある。また組換え免疫グロブリンも作製する
ことができ、これについてはCabilly、米国特許第4,81
6,567号、およびMoore et al.、米国特許第4,642,334
号を参照せよ。
本発明の抗体は、そのレセプターを単離する際の親和
性クロマトグラフィー用に使用することができる。それ
らの抗体をアガロースおよびSephadexなどのような粒子
を例とする固体支持体に連結させてカラムを調製するこ
とができ、この場合、細胞溶菌物をそのカラムに通し、
そのカラムを洗浄し、そしてその後に緩和な変性剤の濃
度を増加させ、それによって精製済みレセプター蛋白質
が放出されるであろう。
これらの抗体を使用して、具体的な発現産物について
発現ライブラリーをスクリーニングすることもできる。
このような方法において用いられるこれらの抗体は通常
ある部分でラベル化されており、抗体結合による抗原の
存在の検出が容易に行われるようにしてある。抗−イデ
ィオタイプ抗体は各々のレセプターの発現に関与する様
々な免疫学的症状を検出もしくは診断するのに役立つ。
可溶性レセプター断片をIL−10用の担体として使用し
て、例えば様々な変性活性もしくは他の活性からサイト
カインを保護することもできる。この複合体は、所定の
状況では徐放性組成物として有用である可能性があり、
サイトカインもしくはアンタゴニストの機能上の徐放出
を可能にする。その上、IL−10のアンタゴニストとして
は、膜結合性セグメントを含まないサイトカイン結合性
部分を含む断片を例とするそのレセプターの可溶性形態
が有用な診断もしくは治療用組成物であろう。診断用試
薬としては、このような断片をIL−10に対する抗体の代
用物として用いることができるが、これらは恐らく中和
抗体と等価であろう。
その上、本明細書に記載される単離済み構成成分は他
のサイトカインレセプターのαサブユニットに類似して
いそうである。このことにより、IL−10レセプターのた
めの独特なβ構成成分が存在する可能性があり、そして
このβ構成成分は前記構成成分と会合する際にIL−10結
合からの活性を調節していそうであることが示唆され
る。このことにより、この過程的なβサブユニットを単
離するための都合のよい手段が提供されるであろう。例
えば、Hayashida et al.、Proc.Nat'l.Acad.Sci.USA
87:9655(1990)、を参照せよ。別法として、蛋白質
を例とする種もしくは組織特異的アクセサリー分子は、
レセプター蛋白質の特性もしくは活性の改変のための環
境を提供することができる。
本発明のIL−10レセプターサブユニットの天然および
組換え形態の両方は、そのレセプターに対する結合活性
について化合物をスクリーニングすることが可能なキッ
トおよびアッセイ法に役立つ。近年では数々の自動アッ
セイ法が開発されており、そのため年間数万もの化合物
のスクリーニングが可能になっている。例えば、固体基
質上で合成される複数の特定ポリマーにより結合親和性
をテストするための方法を記載しているFodor et a
l.、Science 251:767(1991)、を参照せよ。様々なラ
ンダムポリペプチド配列のファージライブラリーもしく
は他のライブラリーも有用であろう。適切なアッセイの
開発は、本発明により提供されるもののような大量の精
製済み可溶性レセプターが利用可能になることによりか
なり容易になる可能性がある。
例えば、アンタゴニストは通常いったんレセプターの
特徴決定が行われてから見いだされる可能性がある。強
力なレセプターアンタゴニストのテストは、精製済みレ
セプターを用いる高度に自動化されたアッセイ法が開発
されれば直ぐに可能になる。具体的には、新規のアゴニ
ストおよびアンタゴニストは、本明細書において提供さ
れる試薬により利用可能になるスクリーニング技術を用
いて発見されるであろう。
本発明は特に、様々な薬剤スクリーニング技術のいず
れかにおいて組換えレセプターを使用することにより化
合物をスクリーニングするのに役立つ。レセプター反応
性薬剤についてのスクリーニングの際に組換えレセプタ
ーを使用することの利点には、(a)特異的源からの再
生可能な改善レセプター源、(b)細胞当たりのレセプ
ター数がより多く、アッセイにおいてより良好なシグナ
ル−対−ノイズ比を生じる可能性、および(c)種変異
型特異性(論理的には生物学的特異性および疾患特性を
増大させる)がある。
薬剤スクリーニングのある方法は真核生物もしくは源
核生物宿主細胞を利用し、その宿主を、レセプターを発
現する組換えDNA分子で安定に形質転換させる。他のい
ずれかのものからも単離された状態でレセプターを発現
する細胞を単離することができる。そのような細胞は、
生きている状態もしくは固定化形態のいずれかで、標準
的なレセプター/リガンド結合アッセイに使用すること
ができる。Parce et al.、Science 246:243(198
9);およびOwicki et al.、Proc.Nat'l.Acad.Sci.US
A 87:4007(1990)、を参照せよ。
競合アッセイは特に有用であり、この場合、細胞(IL
−10レセプターの源)を、125I−IL−10のような、その
レセプターに対する既知の結合親和性を有するラベル化
リガンドおよびIL−10レセプターに対する結合親和性を
測定すべきテスト化合物と接触およびインキュベートさ
せる。その後結合リガンドと遊離リガンドとを分離させ
てリガンド結合の度合いを評価する。結合したテスト化
合物の量は測定されるラベル化リガンドの量に逆比例す
る。多数の技術の内のいずれか一つを用いて遊離リガン
ドから結合リガンドを分離して、リガンド結合の度合い
を評定することができる。この分離段階は、典型的には
フィルターへの吸着およびその後の洗浄、プラスチック
への吸着およびその後の洗浄、もしくは細胞膜の遠心の
ような操作を含むであろう。
生きている細胞を使用して、第二メッセンジャーレベ
ルすなわちCa++、細胞増殖、イノシトールリン酸プール
交換、リン酸化レベル、窒素酸化物レベル、およびその
他のものを例とするIL−10レセプター介在性機能につい
ての薬剤効果のためののスクリーニングを行うこともで
きる。近接感受性検出系(proximity sensitive dete
ction system)を例とする幾つかの検出法は、分離段
階を排除することを考慮している。カルシウム感受性染
料は、蛍光光度計もしくは蛍光細胞選別装置を用いてCa
++レベルを検出するのに役立つであろう。Lowenstein
et al.、Cell 70:705(1992)、を参照せよ。
他の方法は、形質転換させた真核生物もしくは源核生
物宿主細胞からの膜をIL−10レセプターの源として利用
する。これらの細胞はIL−10レセプターの発現を指令す
るDNAベクターで安定に形質転換される。本質的には、
膜をその細胞から調製し、そして既述の競合アッセイを
例とする適切なレセプター/リガンド結合アッセイに用
いるであろう。
更に別の研究方法は、形質転換させた真核生物もしく
は源核生物宿主細胞からの、可溶化済みの未精製レセタ
ーもしくは可溶化済みの精製済みのレセプターを使用す
ることである。このことにより、特異性の増大、自動化
能、および高い薬剤テスト物処理量という利点を有する
「分子性」結合アッセイが可能となる。
薬剤スクリーニングについての他の技術は、IL−10レ
セプターに対して適切な結合親和性を有する化合物につ
いての高処理量スクリーニングを提供する研究方法を含
み、そしてその詳細が、Geysen、欧州特許出願第84/035
64号に記載されている。最初に多数の異なる小ペプチド
テスト化合物をプラスチック性のピンもしくは他の幾つ
かの適切な表面を例とする固体基質上に合成する。その
後全てのピンを、可溶化してある未精製のIL−10レセプ
ターもしくは可溶化してある精製済みのIL−10レセプタ
ーと反応させ、そして洗浄する。次の段階は、結合した
IL−10レセプターを検出することを含む。
合理的な薬剤設計も、レセプターおよび他のエフェク
ターもしくはリガンドの分子形状の構造的研究に基づく
可能性がある。エフェクターはリガンド結合に応答する
他の機能を介在する他の蛋白質、もしくは正常な状態で
そのレセプターと相互作用を行う他の蛋白質である可能
性がある。どの部位が特異的な他の蛋白質と相互作用す
るかを決定するための1つの方法は、x−線結晶解析も
しくはNMR技術(2次元もしくは3次元)を例とする物
理学的構造決定法である。これらの方法により、どのア
ミノ酸残基が分子接触領域を形成しているかについての
指標が与えられるであろう。
精製済みのレセプターは、既述の薬剤スクリーニング
技術における利用のために直接プレート上にコートする
ことが可能である。しかしながら、これらのレセプター
に対する非中和性抗体を各レセプターを固体相に固定化
するための捕獲抗体として使用することができる。
IL−10−様ペプチドに対する生理学的応答の遮断は、
恐らくは競合阻害を介するそのレセプターに対するリガ
ンドの結合阻害の結果生じる可能性がある。従って、本
発明のインビトロでのアッセイは、組換えレセプターを
発現する細胞からの単離膜、これらのレセプターのリガ
ンド結合性セグメントを含む可溶性断片、もしくは固体
相基質に結合させた断片を使用することがよくあるであ
ろう。これらのアッセイもやはり、結合性セグメントの
突然変異体および改変物、もしくはリガンドアナログを
例とするリガンドの突然変異体および改変物のいずれか
の効果の診断的決定法を可能とするであろう。
本発明についてはまた、そのレセプターもしくはレセ
プター断片に対する中和抗体がそのレセプターへの結合
についてテスト化合物と競合することを例とする、競合
性薬剤スクリーニングアッセイの利用も考えられる。こ
の態様においては、抗体を使用してそのレセプターの一
つもしくは複数の結合部位を共有するいずれのポリペプ
チドの存在をも検出することができ、そしてその抗体を
使用して、他の状況ではIL−10により占領されてしまう
であろうレセプター上の結合部位を占領することができ
る。
その上、その抗体ならびにリガンド結合部位を含むそ
の抗体の可溶性断片に対する中和抗体を使用して、マク
ロファージ、B細胞、T細胞、もしくは関連する細胞タ
イプを例とするものにおいてIL−10レセプター機能を阻
害することができる。
本発明についてはまた、IL−10レセプターの存在を検
出するための様々な診断用キットおよび方法におけるIL
−10レセプター、その断片、ペプチド、およびそれらの
融合産物の利用も考えられる。典型的にはキットは、特
定されるレセプターペプチドもしくは遺伝子セグメン
ト、あるいはその一方もしくは他方を認識する試薬のい
ずれかを含む容器を有するであろう。
IL−10レセプターに対するあるテスト化合物の結合親
和性を決定するためのキットは、典型的には、テスト化
合物、IL−10レセプターについての既知の結合親和性を
有するリガンドもしくは抗体を例とするラベル化化合
物、IL−10レセプターの源(天然もしくは組換えのも
の)、およびIL−10レセプターを固定化するための固体
相のような遊離のラベル化化合物から結合物を分離する
ための材料を含むであろう。いったん化合物のスクリー
ニングが済んだら、IL−10レセプターに対して適切な結
合親和性を有するものを当該技術分野においてよく知ら
れる適切な生物学的アッセイにおいて評価して、それら
がアゴニストもしくはアンタゴニストとして作用するか
否かを決定することができる。組換えレセプターポリペ
プチドが使用可能であれば、このようなアッセイを検量
するための洗練された標準物質も提供される。
試料中のIL−10レセプターを例とするものの濃度を決
定するための好ましいキットは、典型的にそのレセプタ
ーについての既知の結合親和性を有するリガンドもしく
は抗体を例とするラベル化化合物、IL−10レセプターの
源(天然もしくは組換えのもの)、およびIL−10レセプ
ターを固定化するための固体相を例とする遊離のラベル
化化合物から結合物質を分離するための手段を含むであ
ろう。試薬を含む容器および説明書が通常は提供される
であろう。
レセプターもしくはレセプター断片に特異的な抗体
(抗原結合性断片を含む)は、そのレセプターおよび/
またはその断片のレベルの上昇の存在を検出するための
診断的応用法に有用である。このような診断アッセイ
は、溶菌液、生きた細胞、固定化させた細胞、免疫蛍光
物質、細胞培養物、体液を利用することができ、そして
更に血清などの中のIL−10レセプターに関連する抗原の
検出を含むことができる。診断アッセイは均一系(遊離
試薬とレセプター−リガンド複合体との間の分離段階を
伴わない)もしくは不均一系(遊離段階を伴う)ものも
であることができる。放射性免疫アッセイ(RIA)、酵
素関連免疫吸着アッセイ技術(ELISA)、酵素免疫アッ
セイ(EIA)、酵素多重化免疫アッセイ技術(EMIT)、
および基質ラベル化蛍光免疫アッセイ(SLFIA)などの
様々な既製アッセイが存在する。例えば非ラベル化抗体
は、ラベル化されていてかつIL−10レセプターもしくは
その特有な断片に対する抗体を認識する第二抗体を使用
することにより利用可能である。これらのアッセイも刊
行物において広く議論されている。例えば、Harlow et
al.、Antibodies:A Loboratory Manual、1988、CS
H、を参照せよ。
抗−イディオタイプ抗体は、様々な異常状況の診断等
の、レセプターに対する抗体の存在を診断するための類
似利用法を有する可能性がある。例えば、IL−10レセプ
ターの過剰産生もしくは不適切な産生により様々な免疫
学的反応がもたらされる可能性があり、これらは特に癌
のような増殖性細胞症状における異常レセプター発現の
診断に役立つ可能性がある。
診断アッセイのための試薬は、アッセイ感度を最適化
するためにキットで供給されることがよくある。本発明
については、アッセイの性質に依存して、実験計画書、
およびラベル化物、ラベル化もしくは非ラベル化抗体、
あるいはラベル化レセプターのいずれかが提供される。
これは通常は、緩衝液、安定化剤、および酵素用の基質
のようなシグナル産生に必要な材料などと組合わされて
いる。キットは適切な利用法および使用後の処分法につ
いての説明書も含むであろうことが好ましい。典型的に
はキットは、有用な各試薬用の容器を有している。これ
らの試薬が乾いた凍結乾燥粉末として供給されることが
所望され、この場合これらの試薬をアッセイを実施する
のに適切な濃度を有する水性培地中に再構成させること
ができる。
薬剤スクリーニングおよび診断的アッセイのいずれの
構成成分も改変を加える異なく使用することができる
か、あるいは数々の方法で改変することができる。例え
ば、それらを既述のようにラベル化することができる。
遊離リガンドから結合したものを分離する、あるいは
別法として遊離のテスト化合物から結合したものを分離
する多数の方法も存在する。レセプターは様々なマトリ
ックス上に固定化し、その後に洗浄することができる。
適切なマトリックスには、ELISAプレート、フィルタ
ー、およびビーズのようなプラスチックが含まれる。あ
るマトリックスにレセプターを固定化させる方法には、
プラスチックへの直接的吸着、捕獲抗体の利用、化学的
共役、およびビオチン−アビジンが含まれるが、これら
には限定されない。この研究法の最終段階は、ポリエチ
レングリコールのような有機溶媒もしくは硫酸アンモニ
ウムのような塩を例とするものを利用する方法を初めと
する数々の方法の内のいずれかによるレセプター/リガ
ンド複合体の沈殿化を必要とする。他の適切な分離技術
には、Rattle et al.[Clin.Chem.30:1457(1984)]
により記載される蛍光抗体磁化用粒子法、および米国特
許第4,659,678号に記載される二重抗体磁気粒子分離法
があるが、これらに限定はされない。
本発明の他の診断的態様には、IL−10のためのレセプ
ターの配列から採用したオリゴヌクレオチドもしくはポ
リヌクレオチド配列の利用がある。これらの配列は、例
えば自己免疫症状、感染もしくは炎症に対する適切応答
不能、もしくは癌のような増殖性細胞状況を例とするも
のの疑いのある患者の特定の細胞内のレセプターの異常
レベルを検出するためのプローブとして使用することが
できる。RNAとDNAの両方のヌクレオチド配列の調製法、
それらの配列のラベル化法、およびそれらの配列の好ま
しいサイズについては刊行物において十分な記載および
論議が行われている。
普通はオリゴヌクレオチドプローブは少なくとも約14
ヌクレオチド、通常少なくとも約18ヌクレオチドを有す
るべきであり、そしてこれらのポリヌクレオチドプロー
ブは最高で数キロベースである可能性がある。様々なラ
ベル化物を利用することができ、最も一般的なものは放
射線核種、具体的には32Pである。しかしながら、ポリ
ヌクレオチド内へ組み込ませるための光反応性ヌクレオ
チドもしくはビオチン修飾化ヌクレオチドを用いるもの
のような他の技術も利用することができる。その後、ビ
オチンは、放射線核種、蛍光染料、もしくは酵素などの
ような多種多様のラベル化物でラベル化することができ
るアビジンもしくは抗体への結合用の部位として作用す
る。
別法では、DNA二重らせん、RNA二重らせん、DNA−RNA
ハイブリッド二重らせん、もしくはDNA−蛋白質複合体
を初めとする特異的二重らせんを認識することができる
抗体が利用可能である。次に抗体をラベル化し、そして
その二重らせんが表面に結合するアッセイを実施し、そ
の結果その表面上に二重らせんが形成され、その二重ら
せんに結合している抗体の存在を検出することができ
る。新規のアンチセンスRNAに対するプローブの利用
は、核酸ハイブリッド形成、プラスおよびマイナススリ
ーニング、組換え探索(probing)、ハイブリッド放出
翻訳法(HRT)、およびハイブリッド捕獲翻訳法(HAR
T)のようないずれかの通常の技術で実施することがで
きる。これにはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような
増幅技術も含まれる。
他のマーカーの定性的もしくは定量的存在についても
テストする診断用キットも考えられる。診断もしくは予
知は、マーカーとして用いる多重指示薬の組み合わせに
依存する可能性がある。従って、キットでマーカーの組
み合わせについてのテストを行うことができる。例え
ば、Viallet et al.、Progress in Growth Factor
Res.:89(1989)、を参照せよ。
本発明は、優位な治療価値を有する試薬を提供する。
IL−10レセプターに対する結合親和性を有するとして同
定された化合物に加え、IL−10レセプター(天然もしく
は組換えのもの)、その断片、およびそれに対する抗体
は、自己免疫性症状、敗血症および毒素のショック状
態、ならびに感染症状を例とする様々な症状の治療に有
用であるはずである。例えば、Hsu et al.、Int'l I
mmunol.:563(1992);de Waal Malefyt et al.、
J.Expt'l Med.174:1209(1991);Fiorentino et a
l.、J.Immunol,147:3815(1991);およびIshida et
al.、J.Expt'l Med.175:1213(1992)、を参照せよ。
その上本発明は、IL−10のためのレセプターの異常発現
もしくは異常トリガー反応に関連するいずれの疾患もし
くは障害における治療価値を有するはずである。例え
ば、IL−10レセプターは免疫機能における多くの基本的
な制御過程における役割を担っているらしいと考えられ
る。サイトカインのアゴニストおよびアンタゴニストは
本発明を使用して開発されるであろう。例えば、拮抗用
レセプター機能に役立つレセプターセグメントを同定し
ている、Harada et al.、J.Biol.Chem.267:22752(19
92)、も参照せよ。
組換えIL−10レセプター(その可溶性断片を含む)も
しくはIL−10レセプター抗体を精製し、次に患者に投与
することができる。これらの試薬は治療的利用のために
は追加的活性成分と配合されており、例えば、通常の薬
剤学的に許容される担体もしくは希釈剤中に含まれる
か、生理学的に無害な安定剤および賦形剤と配合されて
いる。これらの配合物をフィルター滅菌にかけ、そして
凍結乾燥によるような方法で用量形態にさせた上で用量
バイアル中に入れるか、あるいは安定化させた水性調製
物の状態で保存することができる。本発明についてはま
た、例えば可溶性であり、補対結合性でないような、抗
体もしくはその結合性断片の利用も考えられる。
IL−10レセプターもしくはその断片を利用する薬剤ス
クリーニングを実施して、IL−10レセプターに対して結
合親和性を有する化合物を同定することができる。その
後に後続する生物学的アッテイを利用して、その化合物
が本質的な刺激活性を有するか、そしてそのためそれは
IL−10の活性を遮断するという点で遮断剤すなわちアン
タゴニストとなるか否かを決定することができる。同様
に、本質的な刺激活性を有する化合物はレセプターを活
性化し、そしてそのためそれはIL−10の活性を刺激する
という点でアゴニストになることができる。本発明につ
いては更に、アンタゴニストとしてのIL−10レセプター
に対する抗体の治療的利用も考えられる。
効果的な治療に必要な試薬の質は、投与手段、標的部
位、患者の生理学的状態、および投与される他の医療剤
を初めとする多くの様々な因子に依存するであろう。従
って、治療用用量を滴定して安全性および効力を最適化
するべきである。典型的には、インビトロで用いられる
用量は、それらの試薬をインサイチューでの投与に有用
な量についての有用な指標を提供することができる。具
体的な障害の治療のための有効用量についての動物テス
トによってヒトの用量の予測的目安が提供されるであろ
う。様々な考慮項目が、例えば、Gilman et al.(ed
s).Goodman and Gilman's;The Pharmacological B
ases of Therapeutics、8th Ed.、1990、Pergamon
Press;およびRemington's Pharmacerutical Science
s.17th ed.、1990、Mack Publishing Co.、Easton,P
enn、に記載されている。
経口投与、静脈内投与、腹膜内投与、もしくは筋肉内
投与、および皮内拡散などを例とする投与法はそれらの
刊行物およびこれ以降に論議してある。薬剤学的に許容
される担体には、水、食塩水、緩衝液、および例えばme
rk Index、Merk Co.、Rahway、New Jeruey、におい
て記載される他のものが含まれるであろう。IL−10とそ
のレセプターとの間の結合親和性が高いために、それら
の試薬は低用量でも効力を示すものと当初は期待される
であろう。従って、用量範囲は、適切な担体に関して、
通常は1mM濃度を下回る量、典型的には約10μM濃度を
下回り、普通には約100nMを下回り、好ましくは約10pM
(ピコモル)を下回り、そして最も好ましくは約100fM
(フェムトモル)を下回る量であると予測されるであろ
う。徐放性製剤もしくは徐放性装置が継続投与のために
利用されることがよくあるであろう。レセプター、すな
わちIL−10レセプターおよび関連レセプターの両方の細
胞内セグメントにより、以下に詳細を記載する追加的な
利用法が発見されるであろう。
IL−10レセプター、その断片、ならびにそのレセプタ
ーに対する抗体もしくはその断片、アンタゴニストおよ
びアゴニストは治療すべき宿主に直接投与することがで
きるか、あるいはその化合物のサイズに依存して、それ
らを投与する前にそれらをオバルブミンもしくは血清ア
ルブミンのような担体蛋白質に対して複合体形成させる
ことが所望される場合がある。治療用製剤は、通常の投
与用製剤のいずれかで投与することができる。活性成分
は単独で投与することが可能であるものの、それを薬剤
学的組成物として与えることが好ましい。
このような組成物は、先に特定される少なくとも一つ
の活性成分を、一つもしくは複数の許容されるそれらの
担体と共に含む。各担体は他の成分との適合性を示すと
いう点で薬剤学的および薬理学的の両方で許容されるも
のであり、そして患者に対して無害である必要がある。
製剤には、経口投与、経腸投与、経鼻投与、もしくは非
経口投与(皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、および
皮内投与を含む)に適するものが含まれる。
簡便には、これらの製剤は単位用量形態で存在するこ
とができ、そして製剤学の分野においてよく知られるい
ずれの方法によっても調製することができる。例えば、
Avis et al.(eds.)、Pharmaceutical Dosage For
ms:Parenteral Medications、1993、Dekker、New Yor
k;Lieberman et al.(eds)、Pharmaceutical Dpsag
e Forms:Tablets、1990、Dekkers、New York;およびL
ieberman et al.(eds.)、Pharmaceutical Dosage
Forms:Disperse Systems、1990、Dekker、New Yor
k、を参照せよ。本発明の治療法は、他の化学療法剤も
しくは化学予防剤と組み合わせること、あるいはそれら
と一緒に使用することができる。
本発明の材料は、例えば組織内への直接的DNA注射、
組換えウイルス性ベクターの利用、およびトランスフェ
クトさせた細胞の移植を初めとする標準的な遺伝子療法
技術により輸送することもできる。例えば、Rosenber
g、J.Clin.Oncl.10:180−199(1992)、を参照せよ。
IL−10レセプターの追加サブユニットが存在する可能
性が強そうである。IL−10は異なる生物学的アッセイに
おいて異なる比活性(蛋白質のmg当たりの単位量)を示
す。例えば、IL−10がマクロファージに作用するサイト
カイン合成阻害因子アッセイにおけるIL−10の比活性
は、マウス胸腺もしくはマウス肥満細胞増殖の同時刺激
において観察されるものよりも高くなる。
本明細書において提供されるヒトおよびマウスIL−10
レセプターはIL−10に結合するものの、vIL−10に結合
する単独での各構成成分の能力は未だに照明されていな
い。組換えIL−10レセプターの見かけのKd(100−400p
M)は、マクロファージおよび単球におけるIL−10のEC
50(5−20pM)と比較するとかなり高い。IFN−α、IFN
−β、もしくはIFN−γを例とする関連するクラス2サ
イトカインレセプターについて類推すると(これらの構
造モチーフは類似している)、IL−10結合の際のシグナ
ル伝達にはアクセサリー分子が必要になるはずである。
様々な研究法を使用してこのようなアクセサリー構成
成分についてのスクリーニングを行うことができる。こ
れらの研究方法には物理学的親和性法および活性スリー
ニングの両方が含まれる。ヒトIL−10に関して本明細書
内で用いられる類似の親和性法をvIL−10に関して使用
することができる。vIL−10は生物学的に活性であるが
サブユニットに対して結合することが未だに証明されて
いないため、このレセプターの幾つかの改変形態が存在
する可能性がある。FLAG−vIL−10融合構築物は、この
ようなレセプター形態を含む細胞の選択性精製に有用で
あるはずである。
ある研究方法は、vIL−10に応答可能な細胞を例とす
る適切な細胞から作製したライブラリーをトランスフェ
クトさせて、他の状況ではvIL−10に対して不応答性で
あるかあるいはvIL−10に結合しないトランスフェクト
済み細胞(すなわちFLAG−vIL−10融合体)をスクリー
ニングすることである。このようなトランスフェクト済
み細胞のライブラリーは、本発明のレセプターサブユニ
ットに対して効果的に結合することができない程の低い
濃度でFLAG−vIL−10マーカーを使用してスクリーニン
グすることができる。例えば、Kitamura et al.、Cel
l 66:1165(1991)、を参照せよ。
別法では、FLAG−vIL−10融合構築物を、例えば以下
に記載するようにパニングもしくはFACS分離するのに使
用することができる。これらの技術を既に単離してある
IL−10構成成分を用いるコトランスフェクションと組み
合わせて、例えば結合特性を改変させるアクセサリー構
成成分を単離することができる。会合する際にリガンド
結合親和性を増加させる構成成分が特に所望される。こ
の様式で単離されるcDNAクローンの特徴を配列決定を例
とする方法により決定し、そして他のレセプターにおい
て同定された他のサブユニットもしくはアクセサリー蛋
白質と構造面での比較を行う。
実施例 本発明は、以下に示される比制限的実施例により説明
することができる。特に記載がない限り、固体混合物の
固体、液体中の液体、および液体中の固体について以下
に与えられるパーセンテージは、各々wt/wt、vol/vol、
およびwt/vol、を基にしてある。
以下に記載する実施例は、高比活性のヨウ素化ヒトIL
−10(hIL−10)レセプターが数々のマウスおよびヒト
細胞株のIL−10レセプターに特異的かつ飽和可能様式で
結合可能であることを示している。MC/9増殖アッセイに
より、このラベル化蛋白質が50%を上回る生物学的活性
を保持することが示された。精製済みであってヨウ素化
済みの蛋白質の分子量サイズ決定により、この蛋白質は
主として二量体として存在しており、そしてこの形態に
おいてそのレセプターに対して特異的に結合可能である
ことが示された。ヒトIL−10の37kDaの二量体は、還元
条件下においてドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルア
ミドゲル電気泳動[SDS−PAGE:Laemmli、Nature 227:6
80(1970)]により調べた場合、界面活性剤により単一
の18kDa種に解離することができる。このことは、37kDa
種がそのサイトカインの非共有結合的に連結される二量
体を示すことと一致する。その上このことにより、活性
を示すhIL−10は非共役結合的に連結される二量体であ
ることが示唆される。
マウスおよびヒト起源の幾つかの細胞株との特異的結
合についてのスクリーニングにより、マウスの肥満細胞
株MC/9およびヒトBリンパ腫株JYは細胞当たりのアクセ
ス可能なレセプター(例えば、占領されていないレセプ
ター)の数が最も多いことが示されている。ヒトB細胞
株RamosおよびBH5、ならびに赤白血病株TF−1は、MC/9
およびJYに比較すると結合レベルが低く、この後にヒト
T細胞およびマクロファージ株が続く。これらの細胞株
は、肥満細胞、マクロファージ/単球、B細胞、および
T細胞がIL−10に応答するという報告所見に基づき選択
した。もともとは赤白血病患者に由来するTF−1細胞株
は、長期増殖のためにはIL−3、エリスロポイエチン、
もしくはGM−CSFに依存する。この細胞株は、増殖アッ
セイ中にIL−4、IL−5、およびIL−6に対しても応答
を示す。TF−1細胞株は様々なサイトカインに応答を示
すものの、単独もしくは他のサイトカインと組み合わせ
た状態のいずれでもhIL−10に応答するTF−1細胞の増
殖的効果は全く検出されていない。
スキャチャード分析から取得されるKd値により、hIL
−10は比較的高い親和性でマウスおよびヒトの両方の細
胞上のレセプターに結合し、そして細胞当たり100と300
との間の未占領レセプターが存在することが示されてい
る。マウス肥満細胞株MC/9およびヒト細胞株JYにおける
ヒトおよびマウスのIL−10との競合結合アッセイによ
り、マウスのリガンドはマウス細胞株に対するヨウ素化
hIL−10の結合と競合可能である一方で、ヒト細胞株を
用いるとそうはならないことが証明されている。利用し
た結合条件下においては、hIL−10はマウスおよびヒト
レセプターの両方を認識および結合することができる一
方で、マウスIL−10はマウスレセプターのみを認識可能
であるに過ぎないということがその一つの解釈である。
結合に際するマウスリガンドの種特異性のこの概念の支
持は、ヒト細胞におけるマウスIL−10の有意な生物学的
交差反応性はいずれも存在していないことである。
実施例1:一般法 細胞株および組織培養物 MC/9細胞(ATCC# CRL1649)は、3−5%のマイト
ジェン刺激化脾臓条件培地、100U/mlのmIL−4、10U/ml
のペニシリン/ストレプトマイシン、2mMのグルタミ
ン、1mMのピルビン酸ナトリウム、1×MEMの必須および
非必須アミノ酸、1×MEMのビタミン類、50μmのβ−
メルカプトエタノール、6mg/リットルの葉酸、116mg/リ
ットルのL−アルギニン、および36mg/リットルのL−
アスパラギンを含み10%のウシ血清アルブミン(FBS)
を補足してあるダルベッコー(Dulbecco's)の改変型必
須培地(DMEM)中で常時増殖させた。TF−1細胞[Kita
mura et al.、J.Cell.Phyiol.140:323(1989)]は、
10%のFBSおよび1μg/リットルのマウスGM−CSFを補足
してあるRPMI1640内で増殖させた。JY細胞(J.de Vrie
s、DNAX、Palo Alto、CA、より提供された)は、10%
のFBS、6mMのグルタミン、および抗生物質を補足してあ
るDMEM中で増殖させた。他の細胞株[Ramos(ATCC# C
RL1596)、WEHI265.1(TIB204)、U937(CRL1593)、HL
−60(CCL240)、JD(CRL8163)、Jijoye(CCL87)、TH
P−1(TIB202)、B−JAB(J.Banchereal、Schering−
Plogh France、より提供された)、およびBH−5(W.T
admori、Schering−Plogh Research Institute、SPR
I、より提供された)]は、10%のFBS、6mMのグルタミ
ン、および抗生物質を補足してあるRPMI中で増殖させ
た。その上BH−5およびTHP−1細胞のための培養培地
には50μMのβ−メルカプトエタノールを補足した。全
ての組織培養試薬はGIBCO社(Gaithersburg、MD)から
のものであった。
蛍光活性化細胞選別(FACS) FACSは、Becton−Dickinson FACStar PLUSで標準法
を使用して実施した。例えば、Spapiro、Practical Fl
on Cytometry(2d ed.)、1988、Alan Liss、New Y
ork、を参照せよ。
サイトカインおよび抗体 組換えCHO−由来のヒトIL−10およびIL−5、ならび
に大腸菌(E.coli)由来のヒトGM−CSF、IFNpγ、およ
びマウスIL−10は、Schering−Plogh Research Insti
tute(SPRI)社、New Jersey、より入手した。これら
の調製物の生物学的比活性は、MC/9増殖アッセイ(以下
を参照せよ)により測定したところ、hIL−10について
は2.3×107単位/mgであり、そしてmIL−10については1.
6×107単位/mlであった。組換えhIL−6はGenzyme社(C
ambridge、MA)から購入した。IL−10およびIL−5に対
するモノクローナル抗体は、J.Abrams[DYAX、Palo Al
to、CA;Abrams et al.、Immunol.Rev.127:5(1992)
を参照せよ]より入手したが、標準法により作製するこ
とも可能であった。
ヒトIL−10のヨウ素化 精製済みhIL−10蛋白質を、製造業者の実験計画書に
従って、ラクトパーオキシダーゼとグルコースオキシダ
ーゼの固定化調製物であるEnzymobead放射ヨウ素化試薬
(Bio−Rad社、Richmond、CA)を使用してラベル化し
た。この精製済み蛋白質をPD−10カラム(Pharmacia L
KB Biotechnology社、Piscataway、NJ)に通して遊離
ラベル化物を除去しぃた。追加試料もラクトパーオキシ
ダーゼ法(NEN Research Porducts社、Boston、MA)
を使用してヨウ素化した。得られた放射比活性は、100
−180μCi/μg hIL−10の範囲であった。その後この
ヨウ素化物質を120mlのSephadex G−75カラム(Pharm
acia LKB社)に通してリン酸緩衝化食塩水(PBS)中に
各1.1mlの分画を採取した。TCA沈殿は、それらの分画の
分注を10%トリクロロ酢酸中で4℃下、1時間インキュ
ベートすることにより実施した。遠心後に形成されるペ
レットをその後Clinigamma計測機(Pharmacia LKB社)
内で計数した。
MC/9増殖アッセイ hIL−10の生物学的活性は、比色分析であるMTT染料−
還元アッセイを使用して決定した。例えば、Tada et
al.、J.Immun.Meth.93:157(1986);およびMosmann、
J.Immun.Meth.65:55(1983)、を参照せよ。簡便に述べ
ると、96マイクロタイターウエル中の100UのmIL−4/ml
を含む100μlの培地中、ウエル当たり5×103のMC/9細
胞を48時間、様々な量のヒトIL−10で処理した。200単
位/100μlの最大濃度およびその2倍希釈列のhIL−10
標準を使用した。25マイクロリットルの5mg/mlのMTTを
添加し、そして3−5時間インキュベートした。その後
この細胞を10mMのHClを用いて10%SDS中で洗剤溶菌さ
せ、そしてこのプレートの吸光度を570nmで計測した。
結合アッセイおよびスキャチャード分析 テストした各細胞株の約5×106の細胞を200×gでの
10分間の遠心によりペレットにし、PBS中で洗浄し、そ
して100−500pMのヨウ素化hIL−10を含む200μlの結合
用緩衝液(PBS、10%ウシ胎児血清、0.1%NaN3)中に再
懸濁させた。4℃で2時間、回転式ミキサー内でインキ
ュベートした後、細胞を200×gで10分間遠心し、ラベ
ル化hIL−10を含まない100μlの結合用緩衝液中に再懸
濁させ、伸長型マイクロ遠心機用試験管内で200μlの
ジブチル−およびジオクチル−フタレート油脂の1:1混
合物に重層させ、400×gで5分間4℃で遠心し、そし
て液体窒素内で瞬間凍結させた。その後細胞ペレットを
切り出し、そしてClinigamma1272計数機(Pharmacia L
KB社)内で計数した。非特異的結合は、500−1000−倍
モル過剰の非ラベル化hIL−10の存在下で結合を実施す
ることにより決定した。
飽和結合実験については、約600pM溶液のヨウ素化hIL
−10の2倍希釈列を使用するが、同時に同一の希釈列を
使用して非特異的結合も決定した。スキャチャード分析
は、EBDA Program(Elsevier−Biosoft社、Cambridg
e、U.K.)を使用して取得するデータポイントにおいて
実施した。抗体阻害は、100−倍モル過剰の各モノロー
ナル抗体を添加した以外は上述の結合条件下で実施し
た。サイトカインの特異性は、500−倍モル過剰の表示
されるサイトカインを添加した以外は類似条件下で決定
した。
化学的架橋結合 約2×108の細胞を、200nMの非ラベル化hIL−10が添
加してある、もしくは添加していない、PBS、0.1%のNa
N3、10%のウシ胎児血清、および200pMの125I−hIL−10
からなる2mlの結合用培地中で4℃で4時間インキュベ
ートした。この際棒をPBSで2度洗浄し、そして1mLのPB
Sに再懸濁させた。10マイクロリットルの15Mの保存用塩
酸1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド(EDC;Pierce Chemical Co.社)をこの
際棒懸濁液に添加し、そして細胞を常時震盪させながら
室温で1時間インキュベートした。
この反応は、細胞を冷却PBSで2度洗浄し、そしてそ
の後にトリス−HClで緩衝化させた150mMのグリシン、pH
7.2を添加することにより停止させた。この細胞を遠心
により回収し、10mMのトリス−HCl(pH7.5)、140mMのN
aCl、2mMのEDTA、1mg/mlのロイペプシン(Sigma社)、2
mMのPrefabloc SC(Boehringer Mannheim社)、2mMの
ヨードアセトアミド(Sigma社)、2mMのo−フェナント
ロリン(Sigma社)、および1%のTriton X−100(Si
gma社)を含む1mlの溶菌用緩衝液を添加することにより
溶菌させた。この溶菌液を10,000×gで20分間、4℃で
遠心した。
上清を回収し、そして標準法により予め調製してあ
り、かつプロテインG樹脂(Pierce Chmical Co.社)
に予め吸着させてあるウサギ抗−hIL−10ポリクローナ
ル抗血清と共に、4℃で一晩インキュベートした。各試
料は20μlの樹脂を含んでいた。インキュベーション
後、その樹脂をPBSで3度洗浄し、そして還元剤を含ま
ない20μlのSDS−PAGE緩衝液中に再懸濁させた。その
後、20マイクロリットルの各試料を非還元用条件下で、
4−15%の濃度勾配ゲル(Daiichi Chemical Co.社、
Tokyo)中でのSDS−PAGEに供した。予め染色してある一
連の分子量マーカー(Life Technologies,Inc.社)を
平行して流して架橋結合されている複合体のサイズを決
定した。電気泳動動後、そのゲルを乾燥させ、そして2
枚の増感用スクリーンを使用しながらKodak XARフィル
ムに48時間、−80℃で露出させた。
COS 7トランスフェクション 5マイクログラムのプラスミドDNAを、電気穿孔法用
キュベット(Bio−Rad社、Richmond、CA)内で、10%の
FBSおよび抗生物質を添加してある250μlのDMEM中、5
×106のCOS 7細胞とを混合させた。この細胞を、0.20
kVを用いるBio−Rad Gene Pulserで、960μFのキャ
パシタンス設定および200オームの抵抗を用いて電気穿
孔法にかけた。室温で10分経過させた後、細胞を、10ml
の完全培地を含む10cmのディッシュに移し、そして付着
させた。
37℃で一晩インキュベーションさせた後、培地を無血
清の同一培地と交換した。2日後、4mMのEDTAおよび0.0
3%のNaN3が添加してあるPBS中でインキュベートするこ
とにより細胞をプレートから引き離し、細胞の回収を行
い、そしてこれを結合アッセイに用いた。約1×106
細胞を各結合決定法に使用した。
実施例2:FLAG配列を有するヒトおよびマウスIL−10融合
蛋白質の調製 融合蛋白質をコードする拡散構築物は、標準的な分子
生物学の技術を使用して調製した。FLAG配列は市販品と
して入手可能な抗体(IBI−Kodak社、Rochester、NY)
により認識され、かつIL−10活性についての生物学的ア
ッセイにおける測定の際にIL−10融合蛋白質と結合性蛋
白質との会合を有意に妨害することはない。
実施例3:cDNAライブラリーの調製 cDNAライブラリーは、IL−10に対する感受性を示す細
胞株から標準的な技術を使用して作製した。SuperScrip
t Plasmid System for cDNA Systems and Plasm
id Cloning、Life Technologies、BRL、Gaithersbur
g、MD、を参照せよ。BJAB Bヒト細胞株を、マウスMC/
9肥満細胞およびJ774マクロファージ細胞株と同様に使
用した。
実施例4:IL−10結合性蛋白質の発現量が増加している形
質転換細胞の濃縮 cDNAライブラリーでトランスフェクトさせた細胞を、
マーカーとしてビオチン化させた蛍光FLAG抗体を用いる
FACS選別法に供した。形質転換細胞をその抗体に露出さ
せた後、フィコエリトリン−ストレプトアビジン(PE−
ストレプトアビジン)を添加した。その後標識化させた
細胞をFACSにより分析して、最大量のIL−10結合を示す
3−5%の細胞を回収した。選択した細胞を使用してcD
NAライブラリーを作製し、そしてその細胞を3サイクル
の濃縮に供した。このことにより、IL−10はFLAG−IL−
10結合と競合可能なことが見いだされた。
IL−10結合性蛋白質を発現する細胞を、抗−FLAG抗体
でコートしたプレート上での親和性精製、すなわちパニ
ングにより選択した。こうして同定された細胞を多サイ
クルのパニング過程に供し、そして外因性ベクター挿入
断片の単離および性質決定を行った。
実施例5:IL−10結合性蛋白質をコードする拡散の特徴決
定 ヒトとマウスとの両方のcDNAの源からの単離挿入断片
は、標準法による配列決定により更に詳しい特徴決定を
行った。
選択後には大部分の細胞はより高い蛍光強度を示し、
そして結合シグナルは50倍過剰のIL−10との競合により
大幅に引き下げられた。
実施例6:ラクトパーオキシダーゼでラベル化したヒトIL
−10の生物学的活性 精製済みCHO−由来のhIL−10をラクトパーオキシダー
ゼ頬を使用して高比活性(100−200μCi/μg蛋白質)
になるまでヨウ素化した。IODO−GEN試薬(Pierce社、R
ockford、IL)でCHO−由来のhIL−10をラベル化する最
初の試みによっては、レセプターの特徴決定に用いるに
は不十分な比活性の蛋白質が生じてしまった。ラクトパ
ーオキシダーゼ法によっては、IODO−GENを用いて取得
した場合のものと比較すると約5倍高い比活性のヨウ素
化hIL−10が得られた。
高比活性ラベル化hIL−10が生物学的に活性か否かを
決定するために、Thompson−Snipes et al.、J.Exp.M
ed.173:507(1991)の方法によりMC/9細胞増殖を誘導す
る能力について試料を調査した。各々50ng/mlの濃度を
用いて、ラベル化および非ラベル化IL−10についての評
定活性が各々7.48×102および1.16×103単位/mlである
ことを見いだした。従って、ラベル化IL−10は64%の生
物学的活性を保持していた。他の試料のヨウ素化hIL−1
0をアッセイしたところ常時50%を上回る生物学的活性
が保持されていることが示された。
実施例7:放射ラベル化hIL−10の活性形態の二量体特性 ラベル化蛋白質混合物はSephadex G−75ゲル濾過カ
ラムを通した際に3つの異なる種に解離した。この分画
化は標的細胞に対するバックグラウンド結合を減少させ
るには必須であることを見いだした。最も大きな種は排
除体積で溶出する高分子量形態であった。最も小さな種
は最小分子量標準(13.7kDa)と染料マーカーであるブ
ロモフェノールブルー(Bromophenol Blue)との間に
溶出した。
分子量標準でのサイズ決定により、第二の種は約37kD
aであることが示され、hIL−10二量体についての予想分
子量に一致した。3つの種のSDS−PAGEにより、高分子
量形態は凝縮物として43kDaと200kDaとの間に泳動され
ることが明らかにされた。第二の種はこれらの条件下で
約18kDaの所に遊走した一方で、第三の種は全く観察さ
れなかった。最大の種および第二の種に関連する放射活
性はTCAで沈殿したが、最小種に関するものはそのよう
な沈殿を示さなかった。
実施例8:細胞性レセプターへの放射ヨウ素化ヒトIL−10
の結合 放射ヨウ素化hIL−10は生物学的に活性であるという
所見に基づき、候補となる細胞株に対して特異的に結合
する能力について分画化済み試料をテストした。MC/9細
胞は増殖によりhIL−10に応答するので、それを最初に
用いてhIL−10の結合特性を決定した。G−75カラムか
ら分画化された3つの種をMC/9細胞に対する結合につい
てテストしたところ、37kDaの種が高い度合いで結合す
ることができ、その上500−倍モル過剰の非ラベル化IL
−10蛋白質が90%を上回るこのラベル化IL−10結合を遮
断することができたが、他の2つのものはそのような結
果を示さなかった。
IL−10結合のそのレセプターへの特異性を実証するた
めに、他のサイトカインならびにhIL−10に対するモノ
クローナル抗体を、細胞表面レセプターに対するヨウ素
化hIL−10の結合を阻害する能力についてテストした。
過剰のhIL−10は、TF−1細胞に対して結合する際にラ
ベル化hIL−10と競合可能であることが見いだされた。
それとは対照的に、hIL−5、hIL−4、IFN−γ、GM−C
SF、およびhIL−6は競合についての効果を示さなかっ
た。
hIL−10のTF−1細胞への結合が特異的であることを
更に詳しく証明するために、hIL−10およびhIL−5に対
するモノクローナル抗体を、ヨウ素化hIL−10のそのレ
セプターに対する結合を遮断する能力について調査し
た。hIL−10に対して作製した中和用モノクローナル抗
体はTF−1細胞に対するラベル化hIL−10の結合を阻害
したが、抗−ヒトIL−5モノローナル抗体はそのような
阻害効果を示さなかった。
数々の異なる細胞株での結合アッセイにより、hIL−1
0は様々な程度でこれらの株の大部分のものに結合可能
であることが示された。最高の度合いの結合はマウス肥
満細胞株MC/9とヒトB−リンパ腫株JYとに見いだされ
た。TF−1(ヒト赤白血球株)、ならびにRamosおよびB
H5(ヒトB−リンパ腫株)は、JYおよびMC/9と比較する
と結合レベルが減少していた。ヒトIL−10は調査した他
の細胞株には比較的低いレベルで結合した。マウスの単
球細胞株であるWEHI265.1との結合アッセイでも比較的
低いレベルの結合が見られた。
実施例9:細胞性レセプターへのヒトIL−10結合の親和性 結合親和性を決定しそして細胞当たりの結合部位/レ
セプター数を評定するために、典型的な飽和結合曲線を
JYおよびMC/9細胞で実施した。最大結合は両方の細胞株
について約300−400pMのラベル化hIL−10で生じた。代
表的な結合データのスキャチャード分析により、JY細胞
株については約150pMの、そしてMC/9株については49pM
のKdを生じる傾きの直線グラフが得られた。得られるBm
ax値は細胞に対して結合したリガンドの最大濃度を示す
が、これはMC/9およびLY細胞についてそれぞれ4.0pMお
よび7.5pMであった。一つのhIL−10二量体リガンド分子
が一つのレセプターに結合すると仮定すると、MC/9につ
いては細胞当たり約100の未占領レセプターが、そしてJ
Yについては細胞当たり180の未占領セレプターが存在す
ることが予測された。数々の独立な実験から、JYおよび
MC/9細胞についてのヒトIL−10結合親和性は、細胞当た
り100と300との間の未占領レセプターに関しては約50−
170pMであった。
実施例10:ヒトおよびマウスIL−10レセプター結合の種
特異性 レセプター結合の種特異性を調査するために、マウス
およびヒト細胞株に対する結合についてラベル化ヒトIL
−10と競合するマウスおよびヒトIL−10の能力を調査し
た。MC/9の生物学的アッセイにより決定したところ、大
腸菌由来のマウスIL−10の生物学的比活性はヒトIL−10
の60−70%であったため、競合実験におけるヒトおよび
マウスIL−10の濃度をそれに従って調節した。マウスと
ヒトとの両方のIL−10共、マウスMC/9株に対するラベル
化hIL−10の結合を阻害することができた。それとは対
照的にヒトIL−10はヒトBリンパ腫株JYに対するラベル
化hIL−10の結合とうまく競合することが可能であった
が、マウスIL−10はそうではなかった。
実施例11:細胞性レセプターに対するヒトIL−10の化学
的架橋結合の後に生じる多重複合体 hIL−10レセプター結合性複合体のサイズを評定する
ために125I−hIL−10をJYおよびMC/9(ATCC CRL1649)
細胞に結合させ、そしてそれらの細胞を既述の用量でED
Cで処理した。両細胞株内のhIL−10レセプター数が少な
いため、細胞溶菌液は、抗−hIL−10ポリクローナル抗
血清と架橋結合させた後に免疫沈降させて結合性複合体
を濃縮した。
既述の要領でSDS−PAGEおよびオートラジオグラフィ
ーを実施したところ、JY細胞とMC/9細胞との両方がhIL
−10−特異的結合性複合体を産生することを見いだし
た。約97kDaの推定分子量を有する結合性複合体の主要
形態が両方の細胞株から産生された。JY細胞は約190お
よび210kDaの推定分子量を有する2つの対バンドも生じ
たが、MC/9細胞ではこのようなバンドは見られなかっ
た。
幾つかのマイナーなバンドも見られ、これらは68kDa
マーカーと43kDaマーカーとの間に移動した。これらは
より大きな複合体の分解産物である可能性があった。架
橋結合した125I−hIL−10はあたかも43kDaマーカーと29
kDaマーカーとの間に移動するバンドのように見えた。
全ての架橋結合複合体の形成は1000−倍モル過剰の非ラ
ベル化hIL−10の存在下で完全に阻害された。
実施例12:ヒトIL−10に対する結合の特異性 COS7細胞をヒトもしくはマウスcDNAクローンでトラン
スフェクトさせ、72時間ベクターを発現させ、そして放
射性ヨウ素化ヒトIL−10に対する結合についてテストし
た。ベクター単独の場合とは異なり、クローン化レセプ
ターcDNAはCOS細胞にヒトIL−10についての特異的結合
能を付与することが可能であった。ヒトおよびマウスク
ローンの両方共がヒトIL−10に結合可能であった。
実施例13:ヒトIL−10レセプターサブユニットの可溶性
および融合誘導体の調製 これ以降の実施例においては、PCRに用いた様々なオ
リゴヌクレオチドプライマーを特定する配列番号を開示
する。従って、これらのプライマーのヌクレオチド配列
は配列表を参照にすることにより見いだすことができ
る。
以下に示す本発明を説明すために用いた融合誘導体
は、ヒトIL−10レセプター細胞外ドメイン、ヒトIL−4
細胞内ドメイン、およびヒトIL−10もしくはヒトIL−4
のいずれかの貫膜ドメインを含む蛋白質である。このよ
うな構築物は、例えば、関連するサイトカインによるシ
グナル伝達のメカニズムの解明に有用である。
大腸菌内における組換えプラスミドクローニングおよ
びトランスフェクト済みCOS細胞内での高産生発現を容
易にするために、pSV.Sportベクター(Life Technolog
ies社、Gaithersburg、MD)の誘導体をまず調製した。
これは、SV40oriとpSV.Sportからの初期プロモーターと
を含むPst I−Cla I(末端充填済み)断片を、SRαプロ
モータとプラスミドpDSRG(ATCC68233)からのSV40 t
抗原イントロンとを含むPst I−Hind III(末端充填済
み)断片と入れ替えることにより実施した。得られるプ
ラスミドをpSR.Sportと表示した。
ヒトIL−4レセプターの細胞内ドメイン(IC)の再構成 手順としては、hIL−4のICを、組み合わさってICを
形成する2つの個々の構成部分に分割した。BamH I−Ps
t I断片を、C3632CC(配列番号5)およびC3633CC(配
列番号6)と表示されるプライマー、ならびに鋳型とし
てのプラスミドpME18S−hIL−4R(ATCC68263)を使用す
るPCRにより合成した。このようにしてもともとのSau3A
部位をサイレント突然変異によりBamH I部位に替えてク
ローニングを容易にさせた。この断片をBamH IおよびPs
t Iにより制限消化させ、pUC19(GIBCO−BRL社;Gaither
sburg、MD)内にクローン化させ、そしてDNA配列決定に
よる照査を行った。
その後プラスミドpME18S−hIL−4RをPst Iで処理して
900bpのPst I−Pst I断片を遊離させ、これを既述の要
領で予め改変させてあるプラスミドpUC19のPst I部位に
挿入した。得られる構築物は完全なヒトIL−4 ICを含
み、これをDNA配列決定により照査した。こうしてhIL−
4 ICを、pUC19内のBamH I−−−−−−Pst I−−−−
−−Pst I挿入断片として再構成した。
ヒトIL−10レセプターの細胞外ドメイン(EC)の再構成 ECの構築も2本の制限消化断片の連結により達成し
た。hIL−10レセプターサブユニット(配列番号1)の
塩基346(グリシン95のためのコドンの第三塩基)のサ
イレント突然変異によりKpn I部位を作製してクローニ
ングを容易にさせた。5′および3′端断片はPCRによ
り独立に合成し、そして各々EcoR I/Sal I−−Kpn I断
片およびKpn I−−BstE II−Stop/EcoR I/BamH I断片と
してpUC19内にクローン化させた。クローンSW8.1のDNA
(ATCC69146)を、両方の断片の合成用の鋳型として用
いた。C3628CC(配列番号7)およびC3629CC(配列番号
8)と表示されるプライマーを用いて5′断片を作製
し、一方でC3630CC(配列番号9)およびC3631CC(配列
番号10)と表示されるプライマーを用いて3′断片を作
製した。
BstE II部位は塩基757(発列番号1)のサイレント突
然変異により作製した。可溶性hIL−10の作製のために
一つのストップコドンを、以下に記載する要領でEcoR I
−EcoR I断片としてクローン化予定のECの末端に添加し
た。
EcoR I/Sal I−−Kpn IおよびKpn I−−BstE II−Sto
p/EcoR I/BamH I断片をDNA配列決定により照査し、そし
てその後にKpnI−−BstE II−Stop/EcoR I/BamH I断片
をもう一方の断片に連結させてhIL−10のEC、すなわちE
coR I/Sal I−−Kpn I−−BstE II−Stop/EcoR I/BamH
I断片を形成した。
貫膜ドメイン(TM)の再構成 hIL−4R TMをコードするDNAは、鋳型としてのプラス
ミドpMEI8S−hIL−4R(ATCC68263:1990年3月20日に寄
託)、ならびにC3634CC(配列番号11)およびC3635CC
(配列番号12)と表示されるプライマーを用いるPCRに
よりEcoR I/BstE II−BamH I断片として合成した。サイ
レント変化を導入して制限部位を作製し、そしてこの構
築物は、pUC19内にTMをクローン化させた後にDNA配列決
定により照査した。
完全長キメラレセプターDNAの組み立て hIL−4R ICをBamH I−Hind III断片として既述のベ
クターから切り出し、そして既にhIL−10R ECを含むpU
C19ベクター内に挿入した。その後hIL−4Rからの合成TM
をBstE II−BamH I断片としてpUC19内に挿入して完全長
キメラレセプターDNAを含むプラスミドを作製した。そ
の後このDNAをそのプラスミドから切り出し、Sal I−−
−−−−Hind III断片として発現ベクターpSR.Sport内
にクローン化し、そして発現させてキメラレセプターを
産生させた。
可溶性ヒトIL−10レセプター 既述のEcoR I/Sal I−−Kpn I−−BstE II−Stop/Eco
R I/BamH I断片をEcoR I−−−−−EcoR I断片としてそ
のベクターから切り出し、そして直接的トランスフェク
ション用にpDSRG内にクローン化するか、あるいはEcoR
I−末端充填した上でSal I末端にさせた断片として切り
出し、そしてpDSRGでのコトランスフェクション用にSal
I/SnaB I制限消化してあるpSR.Sport内にクローン化さ
せた。
可溶性ヒトIL−10レセプターの精製および特徴決定 ヒトIL−10親和性カラムは、標準法(Mosmann et a
l.に対する米国特許第5,231,012号を参照せよ)により
調製したhIL−10を、N−ヒドロキシスクシンイミドエ
ステル−活性化アガロースゲルビーズに架橋結合させる
ことにより作製した。可溶性レセプターを産生する形質
転換細胞からの条件培地(conditioned medium)をそ
のカラムにかけ、そしてそのカラムを0.5MのNaClおよび
0.1%のオクチルグルコシドを含むPBSで洗浄した。その
後このカラムに2MのMgCl2(pH7.5)を適用して結合した
可溶性hIL−10レセプターを放出させ、そしてこの溶出
産物を銀染色を用いるSDS−PAGEにより分析した。
約43kDaの見かけの分子量を有する一群の3本のバン
ド、すなわち2本の主要バンドと一本の弱いバンドが観
察された。標準法により調製されたポリクローナル抗−
レセプターペプチド(配列番号1の残基147−168を含
む)抗血清を用いるウエスタンブロット分析により銀染
色により検出されたバンドに相当する3本のバンドが確
認され、このことによりこれら全てがhIL−10R−関連の
ものであることが示された。前免疫血清を用いる対照か
らは検出可能なシグナルは生じなかった。
hIL−10レセプター蛋白質の予想されるアミノ酸配列
は数々の潜在的N−グリコシル化部位を含むため、精製
済みレセプター蛋白質について観察される複雑度は異な
るグリコシル化がその原因である可能性がある。この可
能性を調査するために、溶出産物をまずPBS内で透析
し、そしてその後にエンドグリカナーゼF(N−グリカ
ナーゼ)で処理し、そして未処理産物と共に電気泳動お
よびウエスタンブロットにより分析した。
グリカナーゼ処理済み試料においては、約43kDaの3
本のバンドが約25kDaの見かけの分子量を有する単一バ
ンドとして一緒に移動したが、これはグリコシル化され
ていない組換え可溶性hIL−10レセプターの予想サイズ
であった。その上、親和性カラムからの溶出産物のアミ
ノ端配列決定により、最初の15アミノ酸残基はhIL−10
レセプターDNAのヌクレオチド配列から予測される残基2
2−36(配列番号2)に相当することが示された。従っ
て、精製済み可溶性レセプターのポリペプチド主鎖は、
分子サイズという点では均一であるように思われる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 5/10 A61K 37/02 ABB C12P 21/02 ADZ G01N 33/577 C12N 5/00 B C12R 1:91) (31)優先権主張番号 110,683 (32)優先日 平成5年8月23日(1993.8.23) (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 リウ,イン アメリカ合衆国カリフォルニア州94040, マウンテン・ヴュー,フィリス・アベニ ュー 1105 (72)発明者 ホー,アリス・スク−ユー アメリカ合衆国カリフォルニア州95035, ミルピタス,カントン・ドライブ 1871 (72)発明者 スー,ディ−ウェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94306, パロ・アルト,ヴェントゥラ・アベニュ ー 246 (72)発明者 タン,ジミー・シー アメリカ合衆国ニュージャージー州 07110,ナトリー,コッポラ・ストリー ト 3 (72)発明者 チョウ,チュアン−チュー アメリカ合衆国ニュージャージー州 07090,ウエストフィールド,プロスペ クト・ストリート 909 (72)発明者 バザン,ジェイ・フェルナンド アメリカ合衆国カリフォルニア州94025, メンロ・パーク,ユニバーシティ・ドラ イブ 775

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列番号2によって定義されるヒトポリペ
    プチド若しくは配列番号4によって定義されるマウスポ
    リペプチドをコードする核酸とストリンジェントな条件
    下でハイブリダイズし、かつIL−10と特異的に結合する
    IL−10レセプター蛋白質をコードする核酸、又はIL−10
    と特異的に結合するその蛋白質断片をコードする核酸。
  2. 【請求項2】請求項1に記載された核酸にコードされた
    蛋白質。
  3. 【請求項3】配列番号2の配列を有する、請求項2記載
    の単離されたレセプター蛋白質。
  4. 【請求項4】ヒトIL−10レセプターの可溶性形態であ
    る、請求項2記載の単離されたレセプター蛋白質。
  5. 【請求項5】IL−10と特異的に結合する、配列番号2の
    残基217から243に広がる膜貫通セグメントのアミノ近位
    のヒトIL−10レセプター細胞外ドメイン、及びヒトIL−
    4レセプター細胞内ドメインを含む、キメラレセプター
    蛋白質。
  6. 【請求項6】細胞外ドメインが配列番号2のアミノ酸22
    から216に広がる、請求項5記載のキメラレセプター蛋
    白質。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の核酸を含む組換えベクタ
    ー。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の組換えベクターを含む宿
    主細胞。
  9. 【請求項9】哺乳類IL−10レセプター蛋白質又はその断
    片を産生させる方法であって、請求項8記載の宿主細胞
    をその核酸が発現される条件下で培養することを含む方
    法。
  10. 【請求項10】請求項2〜4のいずれか1項に記載され
    ているか、又は請求項9の方法により産生可能である蛋
    白質に対する抗体又はそれら抗体の結合性断片。
  11. 【請求項11】請求項2〜4のいずれか1項に記載の蛋
    白質を含む容器を含むキット。
  12. 【請求項12】請求項1に記載された核酸を含む容器を
    含むキット。
  13. 【請求項13】請求項10に記載された抗体又は該抗体の
    結合性断片を含む容器を含むキット。
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US011,066 1993-01-29
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