JP3135423U - 低誘虫照明システムに使用する保護膜付低誘虫メタルハライドランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】青色光光源を用いて積極的に昆虫類を誘引することにより、施設利用客が滞在する領域外に昆虫を殺戮することなく留め置くとともに、外的要因でランプの外球破損が起こってもガラス破片がランプ外に飛散しない低誘虫照明システムに適したメタルハライドランプを提供する。
【解決手段】発光物質として少なくとも1種以上の希土類沃化物を含む発光管と、前記発光管の周囲を取り囲む円筒状の石英ガラス製透光性スリーブと、それらを含むランプ構成部品を透光性外管内に保持するための外管マウントとを有し、前記透光性スリーブには、その内外表面の少なくとも一方に、粒径0.01μm以上0.1μm以下の酸化亜鉛微粒子を用いた膜厚0.5μm以上3μm未満の薄膜からなる紫外線反射膜を有し、前記透光性外管の外表面にフッ素樹脂からなる保護膜が被覆され、前記発光管は透光性セラミック材料からなる保護膜付メタルハライドランプとした。
【選択図】図1

Description

本考案は、スポーツ施設、食品工場、薬品工場、製紙工場、店舗などの照明システムにおいて、昆虫類の誘引による不快感あるいは昆虫類の商品や生産過程の商品への混入を防止するための昆虫係留型低誘虫照明システム、特に殺虫剤などの化学的防除を行なうことなく、光源の光放射を利用した自然生態系にやさしい物理的な昆虫制御システムに適したメタルハライドランプの改良に関する。以下、文中で単に「ランプ」と記載した場合には高圧金属蒸気放電灯の一種である「メタルハライドランプ」を意味する。
ゴルフ練習場や打撃練習場などのスポーツ施設、または野球場やサッカー競技場などのスポーツ施設においては、照明施設の周辺にガ類、アブ、ハエ、カ等の昆虫類が集まり、施設周辺の民家に対して直接的な被害あるいは二次的な被害をもたらしていた。また、郊外型の大型店舗あるいは食品工場等においては、商品等への昆虫類の混入を防止するために、昆虫類の忌避あるいは誘引後の殺戮等により、照明施設の改善を行なっている。
一般に光に誘引される昆虫類の数を低減するための対処方法として、紫外放射用蛍光ランプを利用して昆虫を誘引し殺戮している電撃殺虫器等があるが、これはむやみに昆虫を殺戮することと、殺戮され殺虫器に貼りついた昆虫の死骸を処理する必要があることなどが問題となっている。近年、自然生態系の保全という見地から、昆虫類をむやみに殺戮するのではなく、適切に管理して保全するという考え方が浸透してきている。
そこで、前記した施設の夜間照明施設において、昆虫類の誘引を低減するため、昆虫の誘引効果が低い光源として、波長365nm前後をカットした低誘虫形のメタルハライドランプや低誘虫形の蛍光ランプが使用されている。すなわち低誘虫形のランプでは、図2の分光分布図に例示したように昆虫の視感度範囲の波長をカットしているため、昆虫にとっては点灯しても非常に暗いランプに見える。多くの夜行性昆虫は光走行性を持ち、他に明るい光源があればそちらに向かうため、結果として低誘虫形ランプには昆虫が誘引されにくくなる。しかし、当該施設のみに紫外放射をカットしたランプを使用するという方法では、照明施設周辺に他の光源がない場合や、他の光源も同様に紫外放射をカットしている場合には、当然、昆虫類の誘引低減効果は低下する。
そこで、昆虫類の誘引効果が低い紫外放射カット形の光源を使用する照明システムにおいて、施設の周辺に誘引光源を設け、目的とするエリア内での昆虫類の誘引を低減する方法も提案されている(特許文献1)。
一方、上記の低誘虫照明システムを使用する施設の内、食品工場や薬品工場、製紙工場などに使用する照明には、万一透光性外管が破損した場合でもガラスの破片がランプ外部に飛散せず、微小な欠片一片でも製品に混入させてはならないという要求がある。屋外スポーツ施設の照明においても、特にゴルフや野球などの球技用施設では流れ弾によってランプが破壊される可能性があり、そのような場合でもガラス破片が施設利用客を傷つけることがあってはならない。
上記の条件、すなわち十分な光量の可視光を放出しながら紫外線はほとんど放出せず、なおかつランプ外管が破損してもその破片がランプ外部に飛散しないという条件を満たすためには、外管の外表面にフッ素樹脂などの保護膜を設け且つ紫外線遮蔽手段を有するランプであることが必要となる。そのようなランプに関する従来技術として、例えば外管の外表面に紫外線抑制剤を混入したフッ素樹脂よりなる被膜を形成したものがある(特許文献2)。また親油性超微粒子とエマルジョン樹脂とを混合した下地を外管の外表面に設けてからフッ素樹脂膜を成膜する技術も公開されている(特許文献3)。
特許文献2に記載されている技術では、フッ素樹脂に拡散させた紫外線抑制剤を増加するとランプの発光管から放射される可視光が散乱されてしまう。紫外線抑制剤の含有比率を特許文献2に規定されている範囲に抑えるとUVAの範囲の紫外線を十分に遮蔽することができない。
特許文献3に記載されている技術では、親油性超微粒子を製造する工程が追加されるという手間がある。また親水性超微粒子よりエマルジョン樹脂への分散性が改善されているといっても、紫外線吸収特性を向上させるために酸化亜鉛などの紫外線吸収剤の比率を上げると、ガラスおよびフッ素樹脂からなる皮膜との密着性や透明性を低下させることになる。
ランプ外管破損時の破片飛散防止手段として外管に単純(純粋)なフッ素樹被膜を形成することは周知慣用技術であり、問題はほとんどない。また、紫外線遮蔽手段として外管にUVカット被膜のみを形成することも周知慣用技術である。
例えば、外管表面に0.5μm以下の平均粒径を有する酸化亜鉛微粒子の被膜を設けることでUVカットする技術が特許文献4に公開されている。特許文献4には外管のみならず、外管がなく裸の発光管のみを有するメタルハライドランプにおいても前記発光管の表面に0.5μm以下の平均粒径を有する酸化亜鉛微粒子の被膜を設けることでUVカットできるという趣旨の記載がある(特許文献4の実施例参照)。
しかしながら、外管表面はともかく、発光管の表面に酸化亜鉛被膜を設けた場合、ランプ点滅時の温度履歴による膨張収縮の繰り返しにより、酸化亜鉛被膜が基板である石英ガラスの面から剥離し、剥がれ落ちるという問題があった。
発光管の代わりに、発光管を覆う石英ガラス製の透光性スリーブ表面に酸化亜鉛被膜を設けることも考えられる。この透光性スリーブは特許文献5に開示されているように、ランプ点灯中の粘度が1×1014〜1×1025ポアズとなる条件で使用するのが好適である。特許文献5の図3を参照するとランプ点灯中の透光性スリーブ温度は700℃以上となる。このような条件ではやはりランプ点滅時の温度履歴による膨張収縮の繰り返しにより、ランプの寿命が尽きる前に透光性スリーブから酸化亜鉛被膜が剥がれ落ちるため実用にならない。このような事情により、外管以外に酸化亜鉛のUVカット被膜を設けたランプは現在まで市場に出ていない。
酸化亜鉛被膜の代わりに発光管を覆う石英ガラス製の透光性スリーブ内側に干渉フィルタを固定するとともに前記透光性スリーブ外側にアルミノケイ酸ガラス製の透光性スリーブを設けてUVカットする技術は公開されている(特許文献6参照)。これは干渉フィルタのみでは330nm以下の波長の紫外線を透過してしまうため、330nm以下の波長を遮断するアルミノケイ酸ガラスの透光性スリーブを補助的に設け、合わせて400nm以下の光を遮断するものである。酸化亜鉛膜が使用できないと、UVカットのためにはこのように複雑な構成が必要となる。
また発光管を覆う石英ガラス製の透光性スリーブ表面に直接酸化チタン及び酸化ケイ素からなる干渉膜を設けて特定の波長を反射させる技術は公開されている(特許文献7参照)。このような干渉膜は成膜成分を含むアルコキシド系の溶液を石英ガラスにディップコートし、乾燥、焼成することで成膜成分を重合させているため石英ガラス基板に対する固着力が強い。しかし酸化亜鉛のUVカット膜は酸化亜鉛の微粒子形状を保ったまま被膜化しており、前記干渉膜よりも剥がれやすい。
さらに近年石英ガラス自体にUVカット機能を持たせたガラスが市販されているが、この製品はUVカット率が50〜70%と低く、価格も通常の石英ガラスより大幅に高い。このようなガラスを透光性スリーブとして採用するよりも、硬質ガラスの外管表面に酸化亜鉛皮膜を形成するほうが、性能も良く、コストも安い。例えば粒径0.01〜0.1μmの超微粒子の酸化亜鉛からなり、膜厚を0.5〜6.0μmとした被膜を外管表面に形成することにより、波長380〜780nmの可視放射の透過率を90%以上とし、波長400nm以下の紫外放射を75%以下に低減することができる(特許文献8参照)。
以上説明したように、コストと性能のバランスを考慮すると、外管破損保護のためには外管表面に単純なフッ素樹脂膜を被覆するのが良く、発光管からのUV放射を遮断するためには単純な酸化亜鉛被膜のみを被覆するのが良い。しかしこの2種類の膜を同時に外管表面に形成することはできないため、特許文献2または3のような複合膜とするか、どちらか一方の機能で妥協するしかなかった。
特開2003―009744号公報 特開平03−295148号公報 特開平05−094805号公報 特開平03−034254号公報 特開2001―143657号公報 特開平03−101048号公報 特開平05−205702号公報 特開2001―143657号公報
本考案は、昆虫類の無駄な殺戮を避けつつ昆虫類が与える被害を抑制する低誘虫照明システムに使用でき、万一透光性外管が破損した場合でもガラス破片が施設利用客を傷つけることがないランプを提供するためになされたもので、従来技術を利用したランプよりも低コストかつ量産性に優れたランプを提供するものである。
本考案の第1の側面は、発光物質を含む発光管と、前記発光管の周囲を取り囲む円筒状の石英ガラス製透光性スリーブと、それらを含むランプ構成部品を透光性外管内に保持するための外管マウントとを有し、前記透光性スリーブには、その内外表面の少なくとも一方に、粒径0.01μm以上0.1μm以下の酸化亜鉛微粒子を用いた膜厚0.5μm以上3μm未満の薄膜からなる紫外線反射膜を有し、前記透光性外管の外表面にフッ素樹脂からなる保護膜が被覆される保護膜付メタルハライドランプである。
本考案の第2の側面は、請求項1に記載された保護膜付メタルハライドランプにおいて、前記発光管内に発光物質として少なくとも1種以上の希土類沃化物を含み、前記発光管は透光性セラミック材料からなり、前記透光性外管内部は真空雰囲気であり、前記外管マウントの一方に付設されたマウント支持板はランプ外部からの給電部と電気的に接続している保護膜付メタルハライドランプである。
請求項1または請求項2に係る本考案はランプ外への紫外線放出を抑える効果とランプ外管の保護効果とを同時に発揮できる構成となっている。また昆虫が近寄らないこと、万一透光性外管を破損してもガラス破片が飛散しないことから食品工場やデパートなど、微小な破片の飛散も許されない場所の照明にも適している。
背景技術の説明で述べたように、酸化亜鉛被膜を発光管表面または発光管周囲に設けた透光製スリーブに被膜するとランプ点滅時の温度履歴による膨張収縮の繰り返しにより、ランプの寿命が尽きる前に酸化亜鉛被膜が剥がれ落ちるという問題が過去にあった。そのため前記透光性スリーブに酸化亜鉛被膜を被覆したランプは市場に出ていなかった。しかし本考案の考案者は前記特許文献4に記載されている酸化亜鉛微粒子より一桁小さい粒径の酸化亜鉛微粒子が市販されるようになったことで、透光性スリーブに酸化亜鉛被膜を形成する技術開発に再挑戦し、ランプ寿命中に剥がれ落ちることなく、外管表面の被膜と同等のUVカット性能を満足させるUVカット被膜を形成できる条件を見出した。これにより、発光管からの紫外線放射は発光管周囲に設けた酸化亜鉛被膜付透光性スリーブでカットし、外管破損時の破片飛散防止は外管外表面に設けたフッ素樹脂膜で防止するという役割分担が可能となり、低コストで量産可能な保護膜付低誘虫メタルハライドランプを完成することができた。
また本考案のランプは、紫外線反射膜を有する透光性スリーブによってランプ外への紫外線放出をカットするとともに、透光性外管の外表面にフッ素樹脂からなる保護膜が被覆されている保護膜付メタルハライドランプであるため、透光性外管外表面にキズがつきにくく透光性外管が割れにくいうえ、万一発光管が破裂した場合や外的要因によってランプの透光性外管に衝撃が加わった場合に透光性外管を構成するガラスが破損しても、透光性外管に被覆されているフッ素樹脂膜は破れないので、ガラスが破片となって周囲に飛散することがない。このため特許文献1の低誘虫照明システムに使用すれば、このシステムの長所を継承しつつ、施設利用客にとってより安全な照明システムを実現できる。
すなわち、低誘虫照明は利用客が通常滞在する打席の上空に設置されているが、本考案のランプを使用すれば、鳥が照明器具に飛び込んだり打球がランプに当たったりといった突発事故で透光性外管が破損してもガラス破片が利用客の頭上に降り注ぐことはない。
本考案によるメタルハライドランプの最良の実施形態は、石英もしくは、透光性セラミック材料からな発光管の周囲を取り囲む円筒状の石英ガラス製透光性スリーブと、それらを含むランプ構成部品を透光性外管内に保持するための外管マウントとを有し、前記透光性スリーブには、その内外表面の少なくとも一方に、粒径0.01μm以上0.1μm以下の酸化亜鉛微粒子を用いた膜厚0.5μm以上3μm未満の薄膜からなる紫外線反射膜を有しており、さらに、前記透光性外管の外表面にフッ素樹脂からなる保護膜が被覆される保護膜付メタルハライドランプとする。
本発明に係る保護膜付メタルハライドランプの一例を図1に示す。ランプのほぼ中央には発光管4があり、その周囲にUVカット膜11を被覆された透光性スリーブ6が透光性スリーブ固定板5a5bにより位置固定されている。透光性スリーブ固定板5a5bはそれぞれ金属製のフレーム3に接合され、フレーム3はマウント支持板13およびステム2の導入線と接続することによりフッ素樹脂皮膜12が被覆された透光性外管7内に位置固定されている。フレーム3は位置固定用の部材であると同時に電気的接続用の部材を兼ねており、図示しない外部給電システムからの電力をステム2の導入線を介して発光管リード線9aまで伝えている。
図1の中で、口金8及び透光性外管7を除いた部品は、あらかじめ相互に接合され、外管マウント20として組み立てられた後、透光性外管7の材料であるガラス球に挿入され、溶封される。透光性外管7の内部には不活性ガスが充填されている。
発光管4の内部には、沃化ホルミウム、沃化ツリウム、沃化ディスプロシウム、沃化ナトリウム、沃化タリウム、沃化セシウム、水銀、Arガスが封入されている。この発光管4自体の構成は、周知のセラミックメタルハライドランプと特に変わるものではなく、点灯時には発光管から可視光を中心として紫外線や赤外線を含む連続した波長を有する光が放出される。
発光管4の周囲に設けられた透光性スリーブ6にはUVカット膜11として酸化亜鉛膜が被着されている。この被膜を構成する酸化亜鉛は、粒径が0.01〜0.1μmの超微粒子よりなり、該被膜の膜厚は0.5μm以上3.0μm未満が好適である。膜厚0.5μm未満では紫外線遮蔽効果が後述する性能を満足せず、3.0μm以上ではランプ寿命を1万2千時間以上としたときに前記被膜が剥がれ落ちる危険がある。さらに膜厚1.5μm以上2.5μm以下の範囲でUV遮蔽特性と透光性スリーブ6への膜付着強度とのバランスが最も良い。なお、透光性スリーブ6外表面への酸化亜鉛被膜の形成は、酸化亜鉛の超微粒子と結着剤としてのシリカを混合して懸濁液を形成し、該懸濁液をスプレー塗装法により透光性スリーブ6へ噴霧した後、加熱することにより行なう。または、前記懸濁液へ透光性スリーブを浸漬した後、一定速度で引き上げてから乾燥、焼成を行なう、いわゆる「ディップ法」を適用すると、透光性スリーブの内外表面に同時に酸化亜鉛被膜を形成できる。このとき、前記透光性スリーブの内側に前記懸濁液が入らないように栓をすれば該透光性スリーブの外面のみに酸化亜鉛皮膜を形成することができる。またディップ法の変形で、前記透光性スリーブを前記懸濁液の液面に接触させた状態を保ちながら前記透光性スリーブ内を負圧にして懸濁液を透光性スリーブ内に引き上げた後、透光性スリーブ内圧力を調整しながら懸濁液面を一定速度で下げていくことによって透光性スリーブ内面のみに酸化亜鉛皮膜を形成することができる。また透光性スリーブの一端を塞いでディップすれば透光性スリーブ外表面のみに皮膜を形成できる。
なお、本考案によれば、塗布対象物が透光性スリーブであり、外管よりも寸法が小さいため、塗布乾燥装置全体も小型化可能となる。前記懸濁液の使用量も外管に皮膜を形成する場合の十分の一以下にできる。
前記透光性外管7の外表面にフッ素樹脂膜12を被覆するには、ランプをフッ素樹脂膜12無しで図1の形状まで加工した後、外表面を洗浄、乾燥後、プライマ−層を塗布後、フッ素樹脂の微粒子を静電塗装の方式で吹き付け、炉体に入れて加熱焼成する。
本実施例のランプは透光性外管内部に不活性ガスが充填されているので、前記外管マウントの一方に付設されたマウント支持板はランプ外部からの給電部と電気的に接続している必要は無い。前記マウント支持板及びマウント支持板側の発光管マウント部材が外部給電線と絶縁されている、いわゆる「セパレートマウント」の構成も可能となる。セパレートマウントは発光管からの放射光をほとんど遮蔽せず、発光管封入物が金属支柱に引き寄せられる心配も無いため、これを利用すれば前記発光管は透光性セラミック材料に制限されず、従来と同様の石英発光管も使用可能となる。
本考案の保護膜付ランプにおいては、発光管周囲に設けられた紫外線反射膜付透光性スリーブによって短波長側の光が発光管側に戻されるため、ランプ外に出る光は、400nm以下の光の相対強度が20%未満、380nm以下の光の相対強度が1.5%未満である。この結果、図2からわかるように、人間にとっては明るくきれいな照明だが、昆虫はこのランプから発生する光の数%しか感じることができないため非常に暗い照明となる。
第2の実施例ではランプの形状および発光管内封入物は図1に示すものと同じだが、透光性外管7の内部が真空雰囲気となっている。前項の静電塗装工程において、透光性外管7内に不活性ガスが充填されている場合、透光性外管7の内表面に帯電した電荷は透光性外管7内に充填されているガスを介して金属部材に伝達され、ランプ外に流出する。しかし透光性外管7内が真空雰囲気の場合、透光性外管7の内表面に帯電した電荷はなかなか除去されず、フッ素樹脂粒子の付着を阻害する。そのためできあがったフッ素樹脂膜12の膜厚が大きくばらつくなど、外表面の一部に被覆できない部分が残ることがある。
この場合、請求項2に係る本考案のように、外管マウント20の一方に付設されたマウント支持板13がランプ外部からの給電部と電気的に接続しているように構成してあれば、透光性外管7の内表面に外部と電気的に導通している金属部品が直接接触しているため、透光性外管7の内表面に帯電した電荷が速やかに除去され、ムラのないフッ素樹脂被膜を形成することができる。その他の構成は全て実施例1及び図3に示す構成と同じでよい。
請求項2に係る本考案のランプは透光性外管7の内部が真空であるため、発光管4外表面からの放熱は放射に限られ、発光管壁面温度を高く保つことが可能になることから、封入されている金属ハロゲン化物の分子発光比率が増加する。このような構成とすることの利点としては、紫外域の発光が減少するので低誘虫ランプとして有利であることと、高演色・高効率性を同時に実現できることが挙げられる。
図3に本考案のランプを適用した例として、ゴルフ練習場の照明配置図を示す。利用者が位置する打席101側には、主光源として複数の真空雰囲気の透光性外管内部に、発光管と前記発光管の周囲を取り囲む円筒状の透光性スリーブと透光性外管内表面に接触するとともに外部からの給電部に電気的に接続しているマウント支持板とを含むランプ構成部品を前記透光性外管内に保持する外管マウントを有し、前記透光性スリーブの内外表面の少なくとも一方に紫外線反射膜を有し、前記透光性外管の外表面にフッ素樹脂からなる保護膜が被覆されている保護膜付メタルハライドランプを用いた投光器(低誘虫照明103)が設置されており、飛翔するボールやフェアウェイ等を照明するようにしてある。このランプは、波長380nmから780nmの可視放射領域での透過率は90%以上であり、かつ波長380nm未満の紫外放射領域では10%未満であり、紫外放射を低減することにより、昆虫類の光の走行性に基づく誘虫性を抑制することができる。
また、練習場の周囲には誘虫用光源として青色光を発するランプを使用した昆虫係留用の投光器(青色光照明104)が複数設置され、フィールド102の周辺部を照明している。青色光照明104に使用するランプとしては周知の高圧水銀ランプが好適である。透光性外管内表面に蛍光体を塗布していない透明タイプがよい。また、さらに短波長領域の発光効率を高めた希土類系またはインジウム系メタルハライドランプを使用すればより好適である。
このような構成により、ゴルフ練習場の外周近傍に昆虫を係留してむやみに殺戮することなく、打席101の近くには昆虫が入り込まない照明システムを構築でき、さらに万一打席近くの主要照明であるランプが破損した場合にも、透光性外管のガラス片が周囲に飛散しない照明システムにすることができる。
なお、ゴルフ練習場に本考案を適用した例について説明したが、野球場の夜間照明においても、低誘虫の主光源に本考案のランプを使用して施設利用客が通常滞在するグランドおよび観客席を照明し、青色光の誘虫用光源を使用してバックスクリーンなど人がいない場所を照明することにより、ほぼ同様の効果を得ることができる。野球場のグランド照明用器具は通常観客席の上方に設置されているために万一ランプの破片が降り注ぐと利用客に害をなすという従来システムの問題点もゴルフ練習場と同様である。
本考案は、万一透光性外管が破損した場合でもガラス破片が施設利用客を傷つけることがないランプを提供するためになされたもので、従来技術を利用したランプよりも低コストかつ量産性に優れたランプを提供するものである。
本考案に係る保護膜付メタルハライドランプの一例を示す一部断面図。 本考案に係る保護膜付メタルハライドランプの分光放射照度及び昆虫の分光視感度を示す図。 本考案に係る低誘虫照明システムのランプ配置例を示す配置図。
符号の説明
3 フレーム
4 発光管
6 透光性スリーブ
7 透光性外管
11 UVカット膜
12 フッ素樹脂膜
13 マウント支持板
103 低誘虫照明
104 青色光照明

Claims (2)

  1. 発光物質を含む発光管と、前記発光管の周囲を取り囲む円筒状の石英ガラス製透光性スリーブと、それらを含むランプ構成部品を透光性外管内に保持するための外管マウントとを有し、前記透光性スリーブには、その内外表面の少なくとも一方に、粒径0.01μm以上0.1μm以下の酸化亜鉛微粒子を用いた膜厚0.5μm以上3μm未満の薄膜からなる紫外線反射膜を有し、前記透光性外管の外表面にフッ素樹脂からなる保護膜が被覆される保護膜付メタルハライドランプ。
  2. 請求項1に記載された保護膜付メタルハライドランプにおいて、前記発光管内に発光物質として少なくとも1種以上の希土類沃化物を含み、前記発光管は透光性セラミック材料からなり、前記透光性外管内部は真空雰囲気であり、前記外管マウントの一方に付設されたマウント支持板はランプ外部からの給電部と電気的に接続している保護膜付メタルハライドランプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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