JP3134965U - 壁面緑化用構造物 - Google Patents

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【課題】マット植物の基盤が崩れたり、用土が溢れたりすることなく、簡便に立て壁面などの壁面緑化が可能な壁面緑化用マット化物を用いた壁面緑化用構造物を提供することである。
【解決手段】植物生育用の用土と、根域が連続して用土を保持可能な花壇用植物とからなり、マット状に形成された壁面緑化用マット化物4をフェンス2などの立て壁面に支持させることで、簡素な構成でマット植物の基盤が崩れたり、用土が溢れたりすることなく、簡便に立て壁面の緑化が可能となる。また、このような壁面緑化用マット化物4を門型の構造体にも支持させることで、立体的、空間的な緑化が行え、景観や美観に考慮した装飾が可能となる。
【選択図】図3

Description

本考案は、壁面緑化構造物に関するものである。
近年、都市部では、アスファルト舗装、ビルの輻射熱、ビルの冷房の排気熱、車の排気熱などによって、都市部の気温が、夏になると周辺地域よりも数度高くなるいわゆるヒートアイランド現象を引き起こすようになった。特にこのヒートアイランド現象は、大都市の都心部においては深刻な問題になっている。
そして、このヒートアイランド現象を緩和する手法として、ビル等の建物の屋上に植栽する屋上緑化が推奨され、一定の効果を上げている。植栽された植物の蒸散作用により周辺の温度が低下するほか、断熱効果も高く、省エネルギーにつながることが期待されている。また、屋上緑化は、土壌の断熱効果や植物の蒸散効果のみならず、建物の最上階への照り返し防止、雨水の流出緩和、大気の浄化など様々な効果をもたらす。更に植物が二酸化炭素を吸収することによる地球温暖化対策としても有効である。
ビルなどの高層建物は積載重量の制限があるため、これらの建物の屋上緑化には、軽量であること、施工が簡単であることなどから、主にマット植物が利用されている。 マット植物とは、容器の中に不織布製などの薄層基盤で植物を育成し、相互の根が絡み合った1枚のマット状にした植物であり、セダムやタマリュウなどの地面を覆い尽くすような植物「グランドカバープランツ(Ground Cover Plants 以下GCPという)」が代表的なものである。
しかし、ビルなどの屋上だけではなく、建物の壁面(立て壁面)も緑化することで、さらなる緑化効果が期待されることから、壁面の緑化技術が提案されている。また、家屋の壁面や家屋に付随する塀の表面等の緑化技術も脚光を浴びるようになって来た。ここで、屋上緑化の場合はマット植物を平面状に並べればよいため、直射日光による枯渇防止や屋上における排水処理などの観点から、保水・排水システムの構築などに重点が置かれていた。
例えば下記特許文献1では、マット植物の下に不織布シートを設け、更にその下に防根シートを設けて排水と保水が調節できるようにしており、下記特許文献3ではマット植物用の培地の最大容水量を所定範囲になるように肥料と保水材を含有した培地によりマット植物を生育させることで水分保持を可能としている。
しかし、立て壁面などの壁面の緑化の場合は水平面状に並べる屋上緑化の場合とは異なり、マット植物を地面に対して垂直に立てるため、マット植物の基盤が崩れたり、用土が溢れたりするという問題が生じる。
そこで、マット植物の壁面緑化技術として、マット植物の基盤やマット植物を支えるための支持部材(保持部材)、支持構造を工夫した技術が開示されている。
特開2007−6798号公報 特開2006−20621号公報 特開2004−283060号公報 特開2004−97205号公報 特開平11−299353号公報
上記特許文献4によれば、熱可塑性樹脂重合体よりなる立体網状構造体の隙間に用土や植物からなる充填物を保持させて、その上からローラにより圧縮し、充填物を立体網状構造体に補足させて土壌が外部に漏れないようにした構成が記載されている。また、上記特許文献5によれば、蛇カゴユニットを採用することにより壁面全体に対して蛇カゴユニットを構築することで、短期間で壁面全体を地被等の植物で覆い尽くすことが可能となる。また、上記特許文献2によれば、壁面に植物を植え込む基盤を設け、該基盤にポケットを設けて、ポケット内に植物を入れることで、植物の植え付けや交換を簡易にしたものが提案されている。
しかし、上記特許文献4のようにローラを用いる場合は、作業が大がかりなものとなって煩雑となり、立体網状構造体の作製にも手間が掛かる。また、マット植物の根に無理な圧力が掛かって、生育が悪くなること等が懸念される。
また、上記特許文献5のように壁面に取り付ける蛇カゴユニットは、押さえ板や複数の人工土壌パイル、石材、地被等の植物の種子を含んだ土塊と、これらの素材を押さえ板とともに保持するために所要の間隔をおいて設けた複数本の蛇カゴフレーム鋼棒などを固設したものであり、強固な構造であるため、大がかりなものとなる。
また、上記特許文献2のように、基盤にポケットを設けたものでは、壁面に設置する基盤の厚みがポケットの厚さだけ増すため場所を取ることから、設置箇所が限られる。
そして、壁面緑化の場合は、屋上緑化の場合とは違って周囲の景観にも影響を与えることから、施工が簡便で且つ美麗な景観を構築し得るようなものが望まれる。
本考案の課題は、上記問題点を解決することであり、軽量、簡素な構成でマット植物の基盤が崩れたり、用土が溢れたりすることなく、簡便に立て壁面などの壁面緑化が可能な壁面緑化用マット化物を用いた壁面緑化用構造物を提供することである。
本考案は、以下のような構成を採用することにより達成できる。
請求項1記載の考案は、植物生育用の用土と、根域が連続して前記用土を保持可能な花壇用植物とからなる壁面緑化用マット化物を構造体の立て壁に支持させた壁面緑化用構造物である。
請求項2記載の考案は、前記構造体は門型の構造体である請求項1記載の壁面緑化用構造物である。
(作用)
従来の壁面緑化技術においては、マット植物の落下を防ぐために、マット植物を支えるための支持部材や支持構造に重点が置かれていた。しかし、本考案者らは、簡素な支持構造でも壁面緑化を可能とするため、マット植物の植物体自体に着目して本研究を完成させるに至った。
屋上緑化や壁面緑化には、マット植物としてセダム類やタマリュウなどのGCPが主に使用されている。
しかし、壁面緑化の場合は周囲の景観にも影響を与えることから、美麗な景観が構築されることが望ましい。本考案者らは、従来のGCPを中心とした緑化と比べて季節感と彩りを演出できる花壇用の植物に着目し、これらの植物が壁面緑化に利用できるのではないかと考え、鋭意検討を行った。
また、植物には、癒しの効果や空気清浄に効果があるとともに、特に花壇用の植物は、美的観賞の対象となるため、室内でも絵などの装飾品等と同様に立て掛けて配置できると良い。室内に配置する場合、花を観賞するためにはポットに入れたまま置いたり、籠の中に入れてつるしたり、実開平5−21643号公報に開示されているような壁掛け用のプランタなどに入れて飾ることが考えられるが、その場合は立体的になってかさばり、室内のスペースをとってしまう。したがって、室内に配置する場合でも場所を取らずに且つゆっくりと観賞できることが望ましい。
そこで、本考案者は、花壇用植物の中でも根域が連続して用土を保持可能な植物の選定について模索、研究した。そして、種々の花壇用植物のマット化を試み、検討を行った結果、立て壁面の壁面緑化に十分使用可能にマット化した花壇用植物が見出された。なお、マット植物とは、植物体自体をいう場合のみならず、基盤をも含む植物全体として呼称される場合がある。本明細書中においても両方の意味で使用しているが、本明細書中、マット化物とは、基盤をも含む植物全体をいう。
そして、本考案によれば、根が用土(培土、培地とも言う)を保持することから、用土と根だけでしっかりとしたマット状の基盤を形成し、不織布シートや繊維などの用土保持基盤も必要としない。そのため、マット化物の軽量化、薄層化、低価格化が達成され、このようなマット化物を支持する構造体により壁面緑化が簡易にできる。そして、観賞性の高い季節感溢れる色彩豊かな花壇用植物を用いることで、景観に配慮した壁面緑化が可能となる。
また、基盤の薄層化によって根域が制限されている影響により、花壇などの地面に植える場合よりも栄養生長に傾かず、多くの花を長期間観賞できる。更に、植物の生長が抑制される。また、草丈が高くなると、基盤から飛び出す植物の重量が増加して全体的に撓んだり、植物が垂れてきたりすることが懸念されるが、このような心配もない。したがって、全体的にかさが増えることもなく場所を取らないため、例えば室内などの限られたスペースでも、十分、配置が可能となる。
すなわち、請求項1記載の考案によれば、根域が連続して用土を保持しマット状に形成されている軽量化、薄層化したマット化物を用いることで、構造体の立て壁面に設置した場合でも、用土などの落下を防止できる。また、花壇用植物を用いることで、景観に配慮した壁面緑化が可能となる。
更に請求項2記載の考案によれば、請求項1記載の上記作用に加えて、壁面緑化用マット化物を門型の構造体に支持させることで、例えば構造体の天井面に逆さまに設置した場合でも、用土などの落下を防止でき、また、立体的、空間的な緑化が可能となる。
本考案により、簡素な構成でマット植物の基盤が崩れたり、用土が溢れたりすることなく、簡便に立て壁面の緑化が可能となる。具体的には以下の効果を有する。
請求項1記載の考案によれば、用土と根だけで形成された軽量化、薄層化したマット化物を用いて立て壁面に支持させることで、設置面積の広い壁面の緑化が可能となる。また、花壇などの地面に植える場合よりも多くの花を長く観賞でき、更に、草丈も低く抑えられるため、配置に場所を取らない壁面緑化が可能となる。
請求項2記載の考案によれば、請求項1記載の考案の効果に加えて、天井面などにもマット化物を設置することで、立体的、空間的な緑化を行うことができ、景観や美観に考慮した装飾が可能となる。
以下に本考案について詳細に説明する。
本考案で用いられる花壇用植物の品目名としては、アゲラータム、アルテナンテラ、アルメリア、イレシネ、ガイラルディア、キク、ケナリヒナム、サギナ、サルスベリ、サルビア、トウガラシ、フレンチマリーゴールド、ラグルス、ワスレナグサ、アガスターシェ、アブチロン、オシロイバナ、カレンジュラ、クフェア、クロサンドラ、ジニア、センニチコウ、ハボタン、パンジー、ビオラ、ベゴニア・センパフローレンス、ペチュニア、ペンタス、メランポジウム、ノースポール、カスミソウなどがある。ただし、品目名は上記に限らず、根域が連続して用土を保持するようにマット状に形成されるものを選択する。
このように、一年生草本でも多年生草本でもよい。
また、使用する土(用土)としては、通常の花用の用土で良く、例えば、ピートモス、赤土、腐葉土等が挙げられる。育苗用土は花生産者が通常用いている市販の用土を用いる。これは鉢上げ用土と比べ、発芽させたり根を早く出させるためピートモスを中心とした軽量用土で肥料もやや少なめのものである。
鉢上げ用土は生産者によって異なるが、通常は前述のように赤土にピートモス、腐葉土を混ぜる。これにパーライトや堆肥、川砂、活性炭等を混ぜる場合もある。
そしてこれらは植物種に応じて使い分けられ、例えば排水性が高い方が良いものではパーライトを入れることもある。
また、鉢上げ用土に、植物の生育に応じてコーティング肥料などの緩効性肥料や硝酸態窒素を主体とした速効性肥料を添加する。さらに、農薬を添加しても良い。
上記育苗用土を入れたセルトレイに上記植物の種を播種し、本葉が2〜3枚程度で根鉢が形成された植物の苗を、基肥を含む鉢上げ用土を充填した薄い容器(例えば、約25cm×約25cm×約4cmの2連のプラスチックトレイ)に均等になるように(例えば9株〜25株程度ずつ(3×3、4×3、4×4、5×5など)定植する。鉢上げ用土は厚み4cm分入れる。
また、植物の生育に応じて追肥を行う。なお、このように、セルトレイで育苗後、プラスチックトレイに移す方法に限らず、プラスチックトレイに直接播種する直播きでも良い。この場合はプラスチックトレイの各区画に2〜3粒ずつ種を蒔き、そこから生育の良いものを残せばよい。また、各区画にこだわらず、ばらまきにしても良い。
なお、潅水は、通常の水やりと同様に、用土の表面が乾いたときに適宜上面から行えばよい。また、栽培温度は植物種や時期に応じた適正な温度域に設定し、ハウスで育成する場合は15〜25℃程度で適宜換気を行う。
そして、花壇用植物の中でも根域が連続して用土を保持可能な植物の選定、すなわちマット化の判定は、マット化物を水平にして手で持ったときに崩れない、用土が落下しないことなどを総合的に判断すればよい。
そして、マット状に形成されたマット化物を簡単な枠体に支持して、壁や天井などの支持構造物に掛ければよい。例えば、門型の構造体に支持することで、立体的、空間的な緑化を行うことができ、景観や美観に考慮した装飾が可能となる。このような構造体の後ろ側に簡易な灌水チューブを設けると、手の届きにくいところにも水やりが簡便にできる。
また、絵画のように、マット状に形成されたマット化物を簡単な枠体に入れて立てて飾ることができるため、場所を取らずに花を観賞できる。灌水は灌水チューブ等で行うと良い。マット化されていれば、灌水しても土が剥がれ落ちることはない。
実施例1として、品目名がフレンチマリーゴールド、品種名がホナンザイエローのマット化物を作製した例を示す。
8月5日に、セル育苗用土(TM−2、タキイ種苗株式会社製)を充填したセルトレイ288穴(東罐興産株式会社製)に、種を一粒ずつ播種した。
8月24日に、本葉が2〜3枚で根鉢が形成された苗をT−1トレイ(25cm×25cm×4cmの2連のプラスチックトレイ)に9株を均等になるように(3×3ずつ)定植した。鉢上げ用土は、赤土:調整ピートモス:パーライト=2:2:1(容積比)とし、基肥として用土100L当たり、複合肥料(商品名:ロング424(100日タイプ)((株)チッソ旭肥料製)300g、商品名:マグアンプK((株)ハイポネックスジャパン製)200g)、およびリン酸質肥料(商品名:くみあい17.0過燐酸石灰(コープケミカル(株)製))250gを添加した。
マット化物の栽培条件は以下のようにした。
潅水は、用土の表面が乾いたときに適宜上面から行い(天候にもよるが0〜2回/日)、自動換気の設定は20℃とし、適宜行った。また、9月29日に、花が咲き十分生育した時点でトレイから植物を外して水平にして手で持ち、用土が落ちないことを確かめ、マット化を確認した。
図1には、マット化物を地面に対して垂直に立てた時の正面の写真図を示し、図2にはマット化物の側面の写真図を示す。なお、図1は枠体の形状を分かり易くするために花を咲かせる前の(栽培日数が浅い)写真図を示している。
そして、図2に示すように、本実施例によるマット化物は用土上面から下面まで均等に根が張っており、根域が連続して用土を保持して基盤を形成していることが確認できる。そして、水平にして手で持っても用土が落ちない。このように用土を少なくして基盤全体を薄くすることで根が全体に回って強固な基盤を形成することができる。
以上の結果から、フレンチマリーゴールドを用いることで、十分マット状に形成され、衝撃を加えてもほとんど崩壊しないマット化物を得ることができることが確認できた。
次に、実施例2として、品目名がアゲラタム(品種名 F1シェルピンク ハワイ)、アルテナンテラ(品種名 パープルナイト)、アルメリア(品種名 ジョイスティック レッド)、イレシネ(品種名 パープルレディ)、ガイラルディア(品種名 ガイラルディア ドワーフ)、カスミソウ(品種名 ガーデンブライド)、キク(品種名 ファッション スカーレットシェイド)、ノースポール(品種名 パルドサム スノーランド)、ケナリヒナム(品種名 サマーサカイ)、サギナ(品種名 スプラータ)、サルスベリ(品種名 スーパー ソニック)、サルビア(品種名 ストラータ)、トウガラシ(品種名 ヒットパレード)、ラグルス(品種名 オバータスバニータール)、ワスレナグサ(品種名 ドワーフ ブルー)、アガスターシェ(品種名 アプリコット スプライト)、アブチロン(品種名 ベラ ピンク)、オシロイバナ(品種名 ライムライト)、カレンジュラ(品種名 アリス オレンジ)、クフェア(品種名 ダイナマイト)、クロサンドラ(品種名 トロピックフレーム)、ジニア(品種名 プロフュージョンチェリー)、センニチコウ(品種名 ローズネオン)、ハボタン(品種名 つぐみ)、パンジー(品種名 F1イオナ ブルー)、ビオラ(品種名 F1ビビラベンダーアンティーク)、ベゴニア・センパフローレンス(品種名 F1アンバサダーディープローズ)、ペチュニア(品種名 F1フリリチュニア ローズ)、ペンタス(品種名 F1バタフライ ピンク)、メランポジウム(品種名 ミリオン レモン)の花壇用植物を用いて実施例1と同様にマット化物を作製した。
また、比較例として、品目名がサンビタリア(品種名 スプライトイエロー)、ストック(品種名 キスミーサーモン)、ナスタチウム(品種名 チップトップゴールド)、アリッサム(品種名 スノードリフト)、キバナコスモス(品種名 スカーレットオレンジシェードロード)の花壇用植物を用いて実施例1と同様にマット化物を作製した。
表1には、実施例1、実施例2及び比較例による花壇用植物のマット化の判定結果を示す。なお、花が咲かない植物は、茎や葉などがマット上を覆い、十分生育した時点でマット化を判定した。
Figure 0003134965
表1から、アガスターシェやフレンチマリーゴールドなどでは、根域が連続したマットが確認された。一方、サンビタリア、アリッサム、ストックなどの5品目は、マット状に形成されたとは言い難い結果となった。
実施例1及び実施例2によるマット化物を構造体の立て壁に支持して壁面緑化した例を示す。
図3には、実施例1による品目名フレンチマリーゴールド(品種 ボナンザイエロー)のマット化物を家屋のフェンスに取り付ける図を示す。
格子状に枠組みされた枠体1を家屋のフェンス2などの構造体にS字フック3やリング、針金などを用いて固定し、マット化物4を枠体1の中に入れる。また、マット化物4を枠体1の中に入れた後、枠体1をフェンス2などに固定しても良い。なお、マット化しにくいものではマット化物4の形に成形した不織布でマット化物4を覆うと用土が更に崩れにくくなる。
図4には、図3のようにマット化物4を家屋のフェンス2に取り付けた場合の正面写真図を示す。図4に示すように、設置面積の広い壁面の緑化が可能となり、多くの花を長く観賞できる壁面緑化用構造物が得られる。
図5には、実施例1のマット化物を壁掛けした場合と花壇に植えた場合の開花数に与える影響を調べた結果を示す。花壇用のものではセルトレイで育苗した苗を1本ずつポリポットに鉢上げした。
図5に示すように、フレンチマリーゴールドを壁掛けしたものでは、根域が制限されている影響により、栄養生長が抑制され、定植2ヶ月後の開花数が大幅に多くなっていた。したがって、壁掛けにすることで、地面に植える場合よりも多くの花を長く観賞できるという効果が得られる。
また、図6には、実施例1のマット化物を壁掛けした場合と花壇に植えた場合の草丈に与える影響を調べた結果を示す。
図6に示すように、草丈について見てみると、壁掛けの場合の方が生長が抑制されるため、徒長が抑えられることが分かる。草丈が高くなると、基盤から飛び出す植物の重量が増加して全体的に撓んだり、植物が垂れてきたりすることが懸念されるが、このような心配もない。したがって、全体的にかさが増えることなく、例えば室内などの限られたスペースでも十分配置が可能である。例えば、絵画のように、マット状に形成されたマット化物を簡単な枠体に入れて立てて飾ることができ、場所を取らずに花を観賞できる。
そして、実施例1及び2によるマット化物は、天井に掛けても用土などの溢れ落ちを防ぐことができるため、門型の構造体に支持することで、立体的、空間的な緑化が可能となり景観や美観に考慮した装飾を行うことができる。したがって、各種イベントやゲート、アーケードなどにも利用できる。
そして、本実施例によるマット化物は支持構造体や支持部材が簡単なもので良いため、施工も簡便に行えることから、季節や場所、目的などに応じてバリエーションに富んだ緑化を楽しむことができる。
また、マット状に形成される花壇用植物は、通常の花壇に植えた場合と比べて、観賞期間が長く、草丈が抑えられることが分かったため、壁面緑化に適していると言える。
本考案は、室内、室外を問わず、バリエーションに富んだ壁面緑化が可能となるため、農業や建設などの技術分野に限らず、テーマパークや小売店といったサービス業界のエントランス部分等に装飾可能であり、他の産業分野でも利用可能性がある。
実施例1のマット化物を地面に対して垂直に立てた時の正面の写真図である。 実施例1のマット化物の側面の写真図である。 実施例1のマット化物を構造体に取り付ける図である。 実施例1のマット化物を家屋のフェンスに取り付けた場合の写真図である。 実施例1のマット化物を壁掛けした場合と花壇に植えた場合の開花数に与える影響を調べた結果である。 実施例1のマット化物を壁掛けした場合と花壇に植えた場合の草丈に与える影響を調べた結果である。
符号の説明
1 枠体 2 フェンス
3 S字フック 4 マット化物

Claims (2)

  1. 植物生育用の用土と、根域が連続して前記用土を保持可能な花壇用植物とからなる壁面緑化用マット化物を構造体の立て壁に支持させたことを特徴とする壁面緑化用構造物。
  2. 前記構造体は門型の構造体であることを特徴とする請求項1記載の壁面緑化用構造物。
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