JP3134359B2 - 薄膜熱電素子 - Google Patents
薄膜熱電素子Info
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- JP3134359B2 JP3134359B2 JP03156794A JP15679491A JP3134359B2 JP 3134359 B2 JP3134359 B2 JP 3134359B2 JP 03156794 A JP03156794 A JP 03156794A JP 15679491 A JP15679491 A JP 15679491A JP 3134359 B2 JP3134359 B2 JP 3134359B2
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- Japan
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- thin film
- thermoelectric element
- film pattern
- iron
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- Silicon Compounds (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、赤外線センサ、温度
センサ、熱センサなどの熱電材料として用いられる薄膜
熱電材料およびそれを用いた薄膜熱電素子に関する。
センサ、熱センサなどの熱電材料として用いられる薄膜
熱電材料およびそれを用いた薄膜熱電素子に関する。
【0002】
【従来の技術】熱電対を多数直列接続したサーモパイル
(熱電堆)型熱電素子が赤外線センサ、温度センサ、熱
センサなどとして従来より用いられている。このような
サーモパイル型熱電素子は、温度差から生じる各熱電対
の熱起電力が加算されるため大きな熱起電力を得ること
ができ、高効率の熱電力変換素子や微小温度差を検知す
る高感度な赤外線センサ、温度センサまたは熱センサと
て利用することができる。特に、センサ用途には小型
化、高感度化、高応答速度化のために、主に薄膜型の熱
電素子が用いられている。
(熱電堆)型熱電素子が赤外線センサ、温度センサ、熱
センサなどとして従来より用いられている。このような
サーモパイル型熱電素子は、温度差から生じる各熱電対
の熱起電力が加算されるため大きな熱起電力を得ること
ができ、高効率の熱電力変換素子や微小温度差を検知す
る高感度な赤外線センサ、温度センサまたは熱センサと
て利用することができる。特に、センサ用途には小型
化、高感度化、高応答速度化のために、主に薄膜型の熱
電素子が用いられている。
【0003】従来の薄膜熱電材料としてはコンスタンタ
ン−ニクロム(特公昭61−40154号)、Si,G
e(特開昭57−7172号)、Bi−Sb−Te(特
開昭53−132282号,特開昭61−22676
号)などの金属系または半導体系材料が用いられてき
た。
ン−ニクロム(特公昭61−40154号)、Si,G
e(特開昭57−7172号)、Bi−Sb−Te(特
開昭53−132282号,特開昭61−22676
号)などの金属系または半導体系材料が用いられてき
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら従来の薄膜用熱
電材料は電気伝導率が高く熱電変換効率が高いという長
所があるが、ゼーベック係数が小さい、ゼーベック係数
の温度変化が大きい、高温下で使用できないなどの欠点
を有している。
電材料は電気伝導率が高く熱電変換効率が高いという長
所があるが、ゼーベック係数が小さい、ゼーベック係数
の温度変化が大きい、高温下で使用できないなどの欠点
を有している。
【0005】この発明の目的は高温域まで使用でき、高
温域までゼーベック係数の変化の少ない薄膜熱電材料お
よびそれを用いた高感度な薄膜熱電素子を提供すること
にある。
温域までゼーベック係数の変化の少ない薄膜熱電材料お
よびそれを用いた高感度な薄膜熱電素子を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】高感度な薄膜熱電素子を
得るためには、ゼーベック係数の高い熱電材料を用いな
ければならない。珪化物半導体、特に鉄珪化物は300
〜700μV/Kという高いゼーベック係数を有し、耐
熱性が高く、高温度下での熱電力変換素子として注目さ
れている。
得るためには、ゼーベック係数の高い熱電材料を用いな
ければならない。珪化物半導体、特に鉄珪化物は300
〜700μV/Kという高いゼーベック係数を有し、耐
熱性が高く、高温度下での熱電力変換素子として注目さ
れている。
【0007】発明者らは、珪化物半導体材料を薄膜化す
ることによって、高温下でも使用可能な薄膜熱電材料お
よびそれを用いた高感度な薄膜熱電素子が得られること
を見出した。
ることによって、高温下でも使用可能な薄膜熱電材料お
よびそれを用いた高感度な薄膜熱電素子が得られること
を見出した。
【0008】
【0009】この発明の薄膜熱電素子は、鉄にドナーと
しての不純物をドープさせた鉄合金によるn型用薄膜パ
ターンと、鉄にアクセプタとしての不純物をドープさせ
た鉄合金によるp型用薄膜パターンを、Siを主体とす
る基板またはSiを主体とする薄膜の表面に熱電堆状に
形成し、熱処理により前記n型用薄膜パターンとp型用
薄膜パターンをそれぞれ珪化物化してなる。
しての不純物をドープさせた鉄合金によるn型用薄膜パ
ターンと、鉄にアクセプタとしての不純物をドープさせ
た鉄合金によるp型用薄膜パターンを、Siを主体とす
る基板またはSiを主体とする薄膜の表面に熱電堆状に
形成し、熱処理により前記n型用薄膜パターンとp型用
薄膜パターンをそれぞれ珪化物化してなる。
【0010】
【0011】
【作用】この発明の薄膜熱電素子では、ドナーとしての
不純物を鉄にドープさせた鉄合金によるn型用薄膜パタ
ーンと、アクセプタとしての不純物をドープさせた鉄合
金によるp型用薄膜パターンがSiを主体とする基板ま
たはSiを主体とする薄膜の表面に熱電堆状に形成さ
れ、熱処理によって両薄膜パターンがそれぞれn型伝導
を示す遷移金属珪化物半導体薄膜パターンおよびp型伝
導を示す遷移金属珪化物半導体薄膜パターンとして形成
されている。これにより遷移金属珪化物半導体薄膜から
なる熱電素子として作用する。
不純物を鉄にドープさせた鉄合金によるn型用薄膜パタ
ーンと、アクセプタとしての不純物をドープさせた鉄合
金によるp型用薄膜パターンがSiを主体とする基板ま
たはSiを主体とする薄膜の表面に熱電堆状に形成さ
れ、熱処理によって両薄膜パターンがそれぞれn型伝導
を示す遷移金属珪化物半導体薄膜パターンおよびp型伝
導を示す遷移金属珪化物半導体薄膜パターンとして形成
されている。これにより遷移金属珪化物半導体薄膜から
なる熱電素子として作用する。
【0012】
【実施例】この発明の実施例である薄膜熱電素子の製造
工程を図1〜図7に基づいて説明する。なお各図におい
て(A)は上面図、(B)は概略正面図である。
工程を図1〜図7に基づいて説明する。なお各図におい
て(A)は上面図、(B)は概略正面図である。
【0013】先ず、図1に示すようにSi単結晶基板1
の表面を酸化させてSiO2 膜を形成する。
の表面を酸化させてSiO2 膜を形成する。
【0014】次に、図2に示すように、後の感熱部とな
る基板中央部を残して、その周囲のSiO2 膜2をエッ
チングにより除去する。
る基板中央部を残して、その周囲のSiO2 膜2をエッ
チングにより除去する。
【0015】続いて、アクセプタとしての不純物をドー
プした鉄合金を、図3に示すようにp型用薄膜パターン
3として形成する。具体的には、Fe 99mol%、
Mn1mol%からなる鉄合金を作成し、マスクを用い
て真空蒸着により膜厚約1μmのp型用薄膜パターンを
製膜する。
プした鉄合金を、図3に示すようにp型用薄膜パターン
3として形成する。具体的には、Fe 99mol%、
Mn1mol%からなる鉄合金を作成し、マスクを用い
て真空蒸着により膜厚約1μmのp型用薄膜パターンを
製膜する。
【0016】次にドナーとしての不純物をドープした鉄
合金を、図4に示すようにn型用薄膜パターン4として
形成する。具体的には、Fe 99mol%、Co 1
mol%からなる鉄合金を作成し、マスクを用いて真空
蒸着により膜厚約1μmのn型用薄膜パターンを製膜す
る。
合金を、図4に示すようにn型用薄膜パターン4として
形成する。具体的には、Fe 99mol%、Co 1
mol%からなる鉄合金を作成し、マスクを用いて真空
蒸着により膜厚約1μmのn型用薄膜パターンを製膜す
る。
【0017】その後、基板全体をArなどの不活性気流
中または真空中で約4時間以上700℃以上で熱処理を
行う。このことにより、図5に示すように、p型用薄膜
パターンとn型用薄膜パターンの材料である鉄合金が基
板1のSiと反応して、p型珪化鉄半導体薄膜パターン
5およびn型珪化鉄半導体薄膜パターン6となる。
中または真空中で約4時間以上700℃以上で熱処理を
行う。このことにより、図5に示すように、p型用薄膜
パターンとn型用薄膜パターンの材料である鉄合金が基
板1のSiと反応して、p型珪化鉄半導体薄膜パターン
5およびn型珪化鉄半導体薄膜パターン6となる。
【0018】以上の処理によって薄膜熱電素子の主要部
が構成される。続いて図6に示すように、SiO2 膜2
の上部に白金黒などの集熱黒体7を形成する。
が構成される。続いて図6に示すように、SiO2 膜2
の上部に白金黒などの集熱黒体7を形成する。
【0019】そして図7に示すように、リード取付部に
Niなどからなる電極8を蒸着し、さらに電極8以外の
基板表面の全面にSiO2 からなるコーティング膜9を
CVD法などにより形成する。最後に同図に示すよう
に、Si基板の裏面側中央部をエッチングなどにより除
去してダイアフラム構造とする。
Niなどからなる電極8を蒸着し、さらに電極8以外の
基板表面の全面にSiO2 からなるコーティング膜9を
CVD法などにより形成する。最後に同図に示すよう
に、Si基板の裏面側中央部をエッチングなどにより除
去してダイアフラム構造とする。
【0020】以上のようにしてSi基板の中央を受光/
受熱部とした薄膜熱電素子が得られる。
受熱部とした薄膜熱電素子が得られる。
【0021】図7に示した構造で、5mm角基板で10
0対の珪化鉄熱電対を有する薄膜熱電素子を作成し、そ
の感度を計測したところ、約100V/Wが得られた。
0対の珪化鉄熱電対を有する薄膜熱電素子を作成し、そ
の感度を計測したところ、約100V/Wが得られた。
【0022】
【発明の効果】この発明によれば、耐熱性が高く且つ高
いゼーベック係数を有する遷移金属珪化物半導体薄膜が
基板上に形成されてなる薄膜熱電材料が得られる。そし
てこの材料を用いた薄膜熱電素子は、高感度で且つ高温
度下で使用可能な赤外線センサ、温度センサまたは熱セ
ンサとして用いることができる。また、基板上に対する
薄膜形成は鉄合金の状態で行えばよいため、薄膜形成を
効率良く行うことができる。
いゼーベック係数を有する遷移金属珪化物半導体薄膜が
基板上に形成されてなる薄膜熱電材料が得られる。そし
てこの材料を用いた薄膜熱電素子は、高感度で且つ高温
度下で使用可能な赤外線センサ、温度センサまたは熱セ
ンサとして用いることができる。また、基板上に対する
薄膜形成は鉄合金の状態で行えばよいため、薄膜形成を
効率良く行うことができる。
【図1】薄膜熱電素子の製造途中の状態を示す図であ
り、(A)は上面図、(B)は概略正面図である。
り、(A)は上面図、(B)は概略正面図である。
【図2】薄膜熱電素子の製造途中の状態を示す図であ
り、(A)は上面図、(B)は概略正面図である。
り、(A)は上面図、(B)は概略正面図である。
【図3】薄膜熱電素子の製造途中の状態を示す図であ
り、(A)は上面図、(B)は概略正面図である。
り、(A)は上面図、(B)は概略正面図である。
【図4】薄膜熱電素子の製造途中の状態を示す図であ
り、(A)は上面図、(B)は概略正面図である。
り、(A)は上面図、(B)は概略正面図である。
【図5】薄膜熱電素子の製造途中の状態を示す図であ
り、(A)は上面図、(B)は概略正面図である。
り、(A)は上面図、(B)は概略正面図である。
【図6】薄膜熱電素子の製造途中の状態を示す図であ
り、(A)は上面図、(B)は概略正面図である。
り、(A)は上面図、(B)は概略正面図である。
【図7】完成した薄膜熱電素子を示す図であり、(A)
は上面図、(B)は概略正面図である。
は上面図、(B)は概略正面図である。
1 Si基板 2 SiO2 膜 3 遷移金属合金(鉄合金)によるp型用薄膜パターン 4 遷移金属合金(鉄合金)によるn型用薄膜パターン 5 p型遷移金属珪化物(珪化鉄)半導体薄膜パターン 6 n型遷移金属珪化物(珪化鉄)半導体薄膜パターン 7 集熱黒体 8 電極 9 SiO2 コーティング膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−258185(JP,A) 特開 平3−129782(JP,A) 特開 昭58−6186(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 35/32
Claims (1)
- 【請求項1】 鉄にドナーとしての不純物をドープさせ
た鉄合金によるn型用薄膜パターンと、鉄にアクセプタ
としての不純物をドープさせた鉄合金によるp型用薄膜
パターンを、Siを主体とする基板またはSiを主体と
する薄膜の表面に熱電堆状に形成し、熱処理により前記
n型用薄膜パターンとp型用薄膜パターンをそれぞれ珪
化物化してなる薄膜熱電素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03156794A JP3134359B2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 薄膜熱電素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03156794A JP3134359B2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 薄膜熱電素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH057020A JPH057020A (ja) | 1993-01-14 |
JP3134359B2 true JP3134359B2 (ja) | 2001-02-13 |
Family
ID=15635457
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03156794A Expired - Fee Related JP3134359B2 (ja) | 1991-06-27 | 1991-06-27 | 薄膜熱電素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3134359B2 (ja) |
-
1991
- 1991-06-27 JP JP03156794A patent/JP3134359B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH057020A (ja) | 1993-01-14 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |