JP3133483B2 - 冷凍ドーナツ生地の解凍と発酵方法 - Google Patents

冷凍ドーナツ生地の解凍と発酵方法

Info

Publication number
JP3133483B2
JP3133483B2 JP04132495A JP13249592A JP3133483B2 JP 3133483 B2 JP3133483 B2 JP 3133483B2 JP 04132495 A JP04132495 A JP 04132495A JP 13249592 A JP13249592 A JP 13249592A JP 3133483 B2 JP3133483 B2 JP 3133483B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
dough
thawing
fermentation
humidity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04132495A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05316926A (ja
Inventor
勝美 前川
日出雄 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP04132495A priority Critical patent/JP3133483B2/ja
Publication of JPH05316926A publication Critical patent/JPH05316926A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3133483B2 publication Critical patent/JP3133483B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍ド−ナツ生地の解
凍と発酵方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、冷凍ド−ナツ生地の解凍と発酵
は、10〜20℃の温度で解凍するか、或るいは室温で
解凍した後、発酵室へ移して発酵を行うという方法で行
われてきた。このような従来の方法では、冷凍ド−ナツ
生地の解凍と発酵に早くても、2時間以上の時間を要す
るので昼間の仕事時間において、人手がかかるという欠
点がある上、夜間に解凍及び発酵を行うと、朝には発酵
し過ぎの状態となっており、良好なド−ナツが得られな
いという問題がある。
【0003】これらの問題以外に、解凍中にイ−スト菌
を含む冷凍ド−ナツ生地が不均一に発酵する。生地の温
度と解凍温度の差が大きいため生地の表面に結露が生じ
る。生地と表面と中心部とで温度差がでる。表面ベタツ
キがでる。逆に表面が乾燥し過ぎる。発酵のし過ぎや発
酵不足或るいは発酵ムラがでるなどの問題が生じる。そ
して、ホイロ工程後或るいはフライング後において、ボ
リュウムバランス(形の均一性)が悪い。生地ダレが起
こる。表面状態などが悪い。表皮が厚くなるなどの問題
が生じ、冷凍ド−ナツ生地からの製品は、冷凍ド−ナツ
生地を用いない通常のド−ナツ生地製造方法で得られた
製品より品質が劣るという欠点があった。
【0004】また、これらの問題以外にも、室温解凍で
は、落下菌等の混入という衛生上の問題が生じていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】菌等の混入という衛生
上の問題がなく、冷凍ド−ナツ生地の解凍と発酵を2時
間以内に終了させることができる方法、或るいは夜間に
リタ−ド、解凍、発酵を行うと、朝には良好な発酵状態
が得られる方法であって、しかも冷凍してないド−ナツ
生地を用いた場合と同等の品質の製品が得られるような
冷凍ド−ナツ生地の解凍と発酵方法を開発することを課
題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の点に鑑み
て、鋭意研究した結果、冷凍ド−ナツ生地の解凍工程、
予熱工程及びホイロ工程の温度、湿度、風速及び時間の
条件を夫々特定することにより、これらを2時間以内に
終了させることができ、且つベストの発酵状態が得られ
ること、また、冷凍ドーナツ生地のリタ−ド解凍工程、
予熱工程及びホイロ工程の温度、湿度、風速及び時間の
条件を夫々特定することにより、夜間に解凍と発酵を完
了し、朝には良好な発酵状態が得られること、そして発
酵完了後にフライングするボリュウムバランスや表面状
態などに優れ、且つ表皮が軟らかく魅力のある品質を有
するド−ナツ製品が得られることを見いだして本発明を
完成した。
【0007】
【0008】本発明は、下記の(1)〜(4)の工程か
らなる冷凍ドーナツ生地のリタ−ド及び解凍と発酵方
法。 (1)冷凍ド−ナツ生地を温度−22〜−15℃で8〜
48時間リタ−ドする工程。 (2)その後、温度15〜22℃、湿度60〜65%、
風速0.6〜0.9m/sで、40〜50分間解凍する
工程。 (3)さらに、湿度60〜65%、風速0.6〜0.9
m/sで、20〜60分間で、解凍温度から予熱最終到
達温度28〜40℃まで段階的に温度を上昇させる予熱
工程。 (4)そして、温度35〜42℃、湿度50〜70%、
風速0.15〜1.2m/sで、10〜40分間発酵さ
せるホイロ工程。
【0009】尚、本発明でいうド−ナツとは、リング
状、ボ−ル状、フィンガ−状などの形状のイースト・ド
−ナツやケ−キ・ド−ナツなどであり、ドーナツ製品は
箱詰めにされることが多く、ボリュウムバランスや表面
状態などの外観が商品価値を高める上で重要視される。
【0010】
【作用】冷凍ド−ナツ生地の解凍工程、予熱工程及びホ
イロ工程における温度、湿度、風速及び時間の条件は、
発酵完了時の生地の品質やフライング後のド−ナツ製品
の品質に大きく影響し、これらを夫々特定することによ
り、これらの工程を2時間以内に終了させることがで
き、且つベストの発酵状態を得ることができる。
【0011】また、冷凍ド−ナツ生地のリタ−ド工程、
解凍工程、予熱工程及びホイロ工程における温度、湿
度、風速及び時間の条件も、発酵完了時の生地の品質や
フライング後のド−ナツ製品の品質に大きく影響し、こ
れらを夫々特定することにより、夜間に解凍と発酵を完
了し、朝には良好な発酵状態を得ることができる。例え
ば、ホイロ工程における温度は、高くなる程、ド−ナツ
の生地をタテ方向(上下方向)へ広げるように作用し、
ホイロ工程における湿度は、高くなる程、ヨコ方向(左
右方向)へ広げるように作用し、ホイロ工程における風
速は、速くなるほど、生地の形を整えながら生地表面を
乾かすように作用する。
【0012】そして、発酵完了後にフライングするとボ
リュウムバランスや表面状態などに優れ、且つ表皮が軟
らかく魅力ある品質を有するド−ナツ製品を得ることが
できる。
【0013】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
る。 (冷凍ド−ナツ生地を用いた解凍、予熱、発酵、フライ
ングテスト) テスト方法 (1)テスト機 :三洋電機製、ドウコンディショナ
− (2)テスト形態 :冷凍ド−ナツ生地重量 44.2
±0.2g/個(市販品を使用) :冷凍ド−ナツ生地16個〜252個をテスト機内に入
れて行った(4〜7個は生地温度測定に使用した)。 (3)設定条件 :外気温度 30℃、60% :庫内温度ディファレンシャル;1deg :風速は、熱線風速計で測定した。 (テスト機)次に、上述テスト機の構成を第1図を参照
して説明する。
【0014】1は箱型のドウコンディショナ−であり、
該ドウコンディショナ−1は外郭を形成する断熱材にて
形成された断熱箱2と、該断熱箱2の前面側に開閉自在
に取り付けられたドア3と、内部に配設された内箱4と
から構成されている。この内箱4は伝熱パネルで形成さ
れ、断熱箱2の内側に所定の間隔をもって取り付けら
れ、その内箱4と断熱箱2との間の空間を冷気循環通路
2Aとし、その冷気循環通路2A内の上部に蒸発器5と
冷気循環ファン6とからなる冷却手段が配設され、前記
蒸発器5は断熱箱2外に配設されたコンプレッサ7、凝
縮器8、キャピラリ−チュ−ブ9、アキュ−ムレ−タ1
0と接続されて冷凍サイクルを形成するものである。
【0015】更に、前記内箱4には上部と底部とに、前
記断熱箱2との間の空間、即ち冷気循環通路2Aと連通
する上部貫通口15と底部貫通口16とが設けられ、こ
れら貫通口は夫々冷気循環ファン6と熱気循環ファン1
2との前方側に設けられると共に、各貫通口は夫々電動
ダンパ17、18により開閉自在になっており、電動ダ
ンパ17、18を開いたときに内箱4内と、内箱4と断
熱箱2との間の冷気循環通路2Aとが連通して、冷気循
環が良好に行われるようになっている。更に、電動ダン
パ−17、18の開閉度を調節することにより湿度調整
も可能となる。
【0016】また、ドウコンディショナ−1の内部に
は、庫内温度センサ−25と湿度センサ−26が設けら
れると共に、庫外にある凝縮器8の温度センサ−27が
設けられ、これらはワンチップマイコン等からなる制御
部28に接続されている。そして、制御部28は前記庫
内温度センサ−25及び湿度センサ−26からデ−タを
基に、前記電動ダンパ−17、18の開閉及び開閉度を
調節する。また、この制御部28は解凍、予熱、ホイロ
工程(発酵工程)を規定時間行うための時計機能が設け
られている。
【0017】また、前記内箱4内の底部近傍には、周囲
の空気を加熱するための加熱ヒ−タ11と、熱気循環フ
ァン12と、加湿ヒ−タ13を備えた加湿器14とが設
けられている。また、加熱ヒータ11はPID制御にて
温度の上昇率を調整するものである。ここで、加熱ヒー
タ11を従来の方法で制御したもの(表1)と、本発明
の制御を行ったもの(表2)との比較をしてみる。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】表1及び表2を見比べると、冷凍ドーナツ
生地の中心温度と、庫内温度との差が表1の従来のもの
より、表2の本発明の方が小さくなっている。この庫内
温度と生地中心温度との温度差が小さいということは、
結露しにくく、発酵も均一に行えるということである。
上述したようなドウコンディショナ−1を用いて発明を
実施するものであり、以下に第1発明を説明する。
【0021】第1発明は、通常−18℃〜−30℃で冷
凍保存された冷凍ド−ナツ生地を温度10〜22℃、湿
度60〜65%、風速0.6〜0.9m/sで40〜5
0分間かけて解凍する。但し、風速は湿度60%設定の
時に0.6m/sで、湿度65%設定時には風速は0.
9m/sとなる。この解凍は、温度、湿度、風速、時間
などをコントロ−ルすることができるようなドウコンデ
ィショナ−を用いて行うが、マイクロウエ−ブなどで加
熱できるような電子レンジなどを用いても差し支えな
い。
【0022】解凍時の温度、湿度、風速、所要時間など
が上記の範囲外であると、解凍温度と生地の温度との温
度差が大きくなって、生地の表面に結露が生じたり、ま
た解凍中のイーストの均一な発酵ができなくなる。
【0023】
【表5】
【0024】尚、風速は湿度と密接な関係があるため、
表5にて0.05、0.15、0.3、0.6、1.2
のデータを開示しており、湿度60%の時に風速0.6
m/sであり、湿度70%の時に風速1.2m/sであ
るため、湿度65%に対応した風速は0.9m/sとし
たものである。そして、解凍が終わった生地は予熱工程
で徐々に温度を上げて、結露を防止すると共に生地の内
外の温度差を無くして生地内外の発酵が均一に行われる
ようにするために湿度60〜65%、風速0.6〜0.
9m/sで温度25〜40℃まで20〜60分かけて温
度を上昇させる。
【0025】予熱時の温度、湿度、風速、所要時間が上
記の範囲外であると、周囲温度と生地の温度との温度差
が大きくなって生地の表面に結露が生じ、また均一発酵
を行うことができなくなる。ここで、イ−スト菌にはそ
の活性に最適な温度があり、ある温度範囲を越えると活
性が低下したり死滅したりする。約10℃以下では活性
は殆ど停止し、約60℃約10分で致死する。約38℃
以下の温度では温度が上がる程活性が上がり、約38℃
でイ−スト菌の活性が最高になる。
【0026】また、湿度と風速に関しては、表5に開示
したような関係になるため、予熱後は、予熱後はイース
ト菌の発酵活性の最も高い温度である35〜42℃で、
湿度50〜70%、風速0.15〜1.2m/sで10
〜40分間発酵させる。ホイロ工程の湿度、風速、温
度、所要時間などが上記の範囲外であると、周囲温度と
生地の温度との温度差が大きくなって生地の表面に結露
が生じたり、不均一発酵が生じたりして、表面の乾燥し
過ぎ、表面ベタツキの発生、生地ダレ、発酵状態のバラ
ツキなどが生じ、フライング後に品質の良好なド−ナツ
製品が得られない。
【0027】また、イ−ストド−ナツ生地などは粘弾性
体であるため、最終発酵時(ファイナルプル−フ)時
に、温度を上げると生地が上下方向に伸び、湿度を上げ
ると生地が左右方向に広がる傾向が強く、生地がダレて
外観が悪くなり易い。このように、冷凍ド−ナツ生地の
解凍工程、予熱工程及び発酵工程の温度、湿度、風速及
び時間の条件を夫々特定して、生地の粘弾性、生地表面
の結露や乾燥状態、生地表皮厚さなどをコントロ−ルす
ることによってベストの発酵状態を2時間以内の短時間
に終了させることができる。
【0028】次に、実施例1〜4(本発明の方法を用い
た例)と比較例1〜4(従来の方法を用いた例)の説明
をする。解凍工程では温度、湿度、風速、時間を変化さ
せ、予熱工程では温度を段階的に上昇させ、発酵工程に
おいては温度、湿度、風速を一定にして時間を種々変化
させて解凍、予熱、発酵を行い、次いで温度190℃、
片面、45秒間フライングしてド−ナツを作ったテスト
結果を表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】実施例1〜4の結果から分かるように、解
凍工程中の温度は10〜22℃、湿度60〜65%、風
速0.6〜0.9m/s、時間は40〜50分で解凍
し、予熱工程中は湿度60〜65%を保ちながら、風速
0.6〜0.9m/sで、時間20〜60分間、温度2
5〜40℃まで段階的に昇温し、更に、発酵中は温度4
0℃、湿度50〜70%、風速0.15〜1.2m/
s、時間は10〜40分間発酵させるという条件で行う
と品質的にも最良となる。
【0031】比較例1〜4の結果から分かるように、解
凍工程、予熱工程における温度、湿度、風速、時間が本
発明の範囲外であると、発酵後の生地の表皮が厚くなっ
たり、表面がウエットになったり、オ−バ−プル−フィ
ング或るいは逆にアンダ−プル−フィングとなったりし
て、フライング後のド−ナツは総合評価が悪くなり、製
品価値を失ってしまう。
【0032】尚、総合評価は使用したスクリ−ンにより
ド−ナツの表面にできたスクリ−ンマ−クとボリュウム
バランスから判定した。 ○:優れている、×:商品価値がない。 次に第2発明の説明を行う。使用する装置は第1発明と
同じドウコンディショナ−を用いる。
【0033】第2発明は、通常−18℃〜−30℃で冷
凍保存された冷凍ド−ナツ生地を温度−22〜−15
℃、8〜48時間かけてリタ−ドする。リタ−ド時の温
度、所要時間などが上記の範囲外であると、イーストの
発酵を抑制できなくなる。そして、リタ−ドが終わった
生地は、解凍工程で徐々に温度を上げて、結露を防止す
ると共に、生地の内外の温度差を無くして生地内外の発
酵が均一に行われるようにするために湿度60〜65
%、風速0.6〜0.9m/sで温度15〜22℃まで
40〜50分かけて解凍する。
【0034】解凍時の温度、湿度、風速、所要時間など
が上記の範囲外であると、庫内温度と生地の温度との温
度差が大きくなって生地表面が乾燥したり、結露が生じ
たり、また、均一な発酵を行うことができなくなったり
する。その後、予熱工程で徐々に温度を上げて、結露を
防止すると共に、生地の内外の温度差を無くして生地内
外の発酵が均一に行われるようにするため、湿度60〜
65%、風速0.6〜0.9m/s、温度28〜40℃
まで40〜50分かけて予熱する。
【0035】予熱時の湿度、風速、最終温度、所要時間
などが上記の範囲外であると、表皮が厚くなったり(風
速が大きい場合)、生地がダレたり(湿度が高い場
合)、周囲温度と生地の温度との温度差が大きくなっ
て、生地の表面に結露が生じたり、また均一な発酵を行
うことができなくなったりするので好ましくない。予熱
後は表5の如く、イ−ストの発酵活性の最も高い温度で
ある35〜40℃で、湿度50〜70%、風速0.15
〜1.2m/sで10〜40分間発酵させる。
【0036】湿度、風速、最終温度、所要時間などが上
記の範囲内であれば最良の発酵であるが、この範囲外で
あっても下記に示す範囲内であれば問題はない。ホイロ
工程の湿度、風速、温度、所要時間などが上記の範囲該
であると、例えば、湿度が70%以上であると生地表皮
がウエット状態となり、生地がダレる、また、湿度が5
5%以下であると生地表面が厚くなり、形が悪くなる。
また、風速が0.2m/s以下であると生地表皮がウエ
ット状態となり、風速が1.2m/s以上であると生地
表皮が厚くなる傾向がある。
【0037】このように、冷凍ド−ナツ生地のリタ−ド
工程、解凍工程、予熱工程及びホイロ工程の温度、湿
度、風速及び時間の条件をそれぞれ特定して、生地の粘
弾性、生地表面の結露や乾燥状態、生地表皮厚さなどを
コントロ−ルすることによって、夜間に解凍と発酵を完
了し、朝には良好な発酵状態を得ることができる。本発
明の方法の実施態様としては、夜間にリタ−ド、解凍、
予熱及び発酵を行う方法以外に、夜間にリタ−ド、解
凍、予熱を行い、朝或るいは日中に予熱及び発酵を行う
方法、夜間にリタ−ド、解凍と予熱を行い、朝或るいは
日中に発酵を行う方法などがあり、これらの工程を適宜
組み合わせて作業を行うことができる。
【0038】これらの予熱工程、ホイロ工程では、上記
解凍工程に用いた温度、湿度、風速、時間などをコント
ロ−ルすることができるような装置、設備、各種コンデ
ィショナ−などを用いて行うことができ、また、解凍時
のものと同一であっても、別の物であってもよい。次に
オ−バ−ナイトでリタ−ド、解凍、予熱、発酵を行った
実施例5〜8(本発明の方法を用いた例)と比較例5〜
8(従来の方法を用いた例)とを説明する。
【0039】表4に示すように、リタ−ド工程において
は、温度、時間を変化させ、解凍工程、予熱工程におい
ては温度、湿度、風速、時間を変化させ、ホイロ工程に
おいては温度、湿度、風速を一定にして時間を変化させ
てリタ−ド、解凍、予熱、発酵を行い、次いで、温度1
90℃、片面、45秒間フライングしてド−ナツを作っ
たテスト結果を表4に示す。
【0040】
【表4】
【0041】実施例5〜8の結果から分かるように、リ
タ−ド工程中の温度は−22〜−15で、時間は8〜4
8時間でリタ−ドし、解凍工程中の温度は10〜25
℃、湿度60〜65%、風速0.6〜0.9m/s、時
間は40〜50分で解凍し、予熱工程中は湿度60〜6
5%を保ちながら、風速0.6〜0.9m/sで、時間
20〜60分間、温度25〜40℃まで段階的に昇温さ
せ、更にホイロ中は温度40℃、湿度50〜70%、風
速0.15〜1.2m/s、時間は10〜40分間発酵
させるという条件で行うと品質的にも最良となる。
【0042】比較例5〜8の結果から分かるように、解
凍工程、予熱工程における温度、湿度、風速、時間が本
発明の範囲外であると、発酵後の生地の表皮が厚くなっ
たり、表面がウエットになったり、オ−バ−プル−フィ
ング或るいはアンダ−プル−フィングとなったりして、
フライング後のド−ナツは総合評価が悪くなり、製品価
値を失ってしまう。
【0043】尚、総合評価は使用したスクリ−ンにより
ド−ナツの表面にできたスクリ−ンマ−クとボリュ−ム
バランス等から判定した。 ○:優れている、×:商品価値がない。 以上の方法を前述したドウ・コンディショナ−を用いて
行うが、以下のその説明をする。
【0044】まず、第1発明における解凍工程である
が、内箱4内の底部に設けられた加熱ヒータ11にて庫
内温度を10〜22℃に保ち、湿度60%の時には風速
0.6m/sで湿度65%の時には風速0.9m/sな
るよう加湿器14及び熱気循環ファン12を制御する。
この制御を40〜50分間行う。そして、解凍温度、例
えば10℃で解凍したら10〜25℃まで昇温し、湿度
及び風速は解凍時と同様に制御する。この制御は20〜
60分間かけて段階的に昇温するように行われる。尚、
解凍温度が22℃である場合、予熱最終到達温度は40
℃とする。
【0045】次に、温度を35〜42℃で湿度は50〜
70%、風速は0.15〜1.2m/sに前記加湿器1
4、熱気循環ファン12、加温ヒータ11を制御する。
この制御を10〜45分間行うことにより良好な発酵が
可能となる。次に、第2発明においては、まず蒸発器5
と冷気循環ファン6とにより、−22〜−15℃で、加
湿器14にて湿度60〜65%、冷気循環ファン6にて
風速0.6〜0.9m/sで制御する。この制御は8〜
48時間かけて行う。
【0046】その後、加温ヒータ11にて温度15〜2
2℃、加湿器14にて湿度60〜65%、熱気循環ファ
ンにて風速0.6〜0.9m/sで解凍制御する。この
制御は40〜50分間行う。さらに、同じ湿度、風速
で、温度を15℃で解凍したなら28℃まで昇温させ、
22℃で解凍したなら40℃まで段階的に昇温させるよ
う制御する。この制御は20〜60分間で行う。
【0047】そして、温度を35〜42℃で湿度は50
〜70%、風速は0.15〜1.2m/sに前記加湿器
14、熱気循環ファン12、加温ヒータ11を制御す
る。この制御を10〜45分間行うことにより良好な発
酵が可能となる。
【0048】
【0049】
【発明の効果】本発明の方法によれば、夜間に冷凍ド−
ナツ生地のリタ−ド解凍(発酵の進行抑えながら解凍す
る)と発酵を行い、朝には良好な発酵状態を得ることが
できる。又、菌等の混入という衛生上の問題のない方法
であり、しかも冷凍していないド−ナツ生地を用いた場
合と同様にボリューム・バランス(形の均一性)が良
く、表皮が柔らかく、魅力のあるドーナツを得ることが
できる
【0050】更に、夜の時間や電力を有効に使用するの
で省力化、省電力化、作業の能率アップなどの効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのドウコンディショナ−
の縦側断面図である。
【符号の説明】
2 断熱箱 2a 冷気循環通路 4 内箱 5 蒸発器 6 冷気循環ファン 12 熱気循環ファン 13 加熱ヒ−タ 14 加湿器 15 上部開口 16 底部開口 17 電動ダンパ− 18 電動ダンパ−

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(1)〜(4)の工程からなる冷
    凍ドーナツ生地のリタ−ド及び解凍と発酵方法。 (1)冷凍ド−ナツ生地を温度−22〜−15℃で8〜
    48時間リタ−ドする工程。 (2)その後、温度15〜22℃、湿度60〜65%、
    風速0.6〜0.9m/sで、40〜50分間解凍する
    工程。 (3)さらに、湿度60〜65%、風速0.6〜0.9
    m/sで、20〜60分間で、解凍温度から予熱最終到
    達温度28〜40℃まで段階的に温度を上昇させる予熱
    工程。 (4)そして、温度35〜42℃、湿度50〜70%、
    風速0.15〜1.2m/sで、10〜40分間発酵さ
    せるホイロ工程。
JP04132495A 1992-05-25 1992-05-25 冷凍ドーナツ生地の解凍と発酵方法 Expired - Fee Related JP3133483B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04132495A JP3133483B2 (ja) 1992-05-25 1992-05-25 冷凍ドーナツ生地の解凍と発酵方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04132495A JP3133483B2 (ja) 1992-05-25 1992-05-25 冷凍ドーナツ生地の解凍と発酵方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05316926A JPH05316926A (ja) 1993-12-03
JP3133483B2 true JP3133483B2 (ja) 2001-02-05

Family

ID=15082715

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04132495A Expired - Fee Related JP3133483B2 (ja) 1992-05-25 1992-05-25 冷凍ドーナツ生地の解凍と発酵方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3133483B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7137334B2 (en) * 2002-10-04 2006-11-21 Belshaw Bros., Inc. Devices, systems and methods for thawing, heating and/or glazing previously frozen baked goods or dough-based products
WO2006125260A1 (en) * 2005-05-24 2006-11-30 Moffat Pty Limited Scheduling and tracking system and method for bakery products
AU2006251860B2 (en) * 2005-05-24 2011-10-06 Moffat Pty Limited Improved bakery process

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05316926A (ja) 1993-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8844432B2 (en) Dough conditioning apparatus and method
CN108302901A (zh) 一种腊味干燥方法及装置
JP3133483B2 (ja) 冷凍ドーナツ生地の解凍と発酵方法
JP3066169B2 (ja) 冷凍ド−ナツ生地の解凍と発酵方法及び解凍・発酵装置
CN215983540U (zh) 恒温设备
CN105674446B (zh) 一种恒温床式空调器及其控制方法
JP3066168B2 (ja) 冷凍パン生地の解凍と発酵方法及び解凍・発酵装置
CN112902407B (zh) 一种通过室外湿度控制变频空调器运行频率的方法
JP3977125B2 (ja) 冷凍パン生地のホイロ装置
CN106288682A (zh) 腐竹低温烘干箱
CN208751173U (zh) 铁皮石斛鲜条烘烤装置
JPH0662677A (ja) 苗育成貯蔵庫
CN205963833U (zh) 一种烤玉米炉
JP3371094B2 (ja) 冷凍パン生地を用いたパンの調理装置
JP7159523B2 (ja) 雰囲気調整機能付きパン生地貯蔵庫
JP2001078657A (ja) ドウコンディショナー
JPH0284125A (ja) パン生地の収蔵庫
CN212878970U (zh) 一种双温区电烤盘
CN212645141U (zh) 优质玉米种子生产用温控烤房
CN1213264C (zh) 泡菜冰箱
JP2000157147A (ja) 成形冷凍パン生地の焼成前処理方法
JPH0611229A (ja) 冷蔵庫
CN115316415A (zh) 一种面包生产用的原料发酵设备
AU2007203114B2 (en) Dough conditioning apparatus and method
JPH1198918A (ja) 農産物貯蔵庫

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081124

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081124

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091124

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees