JP3133190B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JP3133190B2
JP3133190B2 JP05105404A JP10540493A JP3133190B2 JP 3133190 B2 JP3133190 B2 JP 3133190B2 JP 05105404 A JP05105404 A JP 05105404A JP 10540493 A JP10540493 A JP 10540493A JP 3133190 B2 JP3133190 B2 JP 3133190B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハイギヤクラッチの解
放及びローギヤクラッチの係合によるクラッチツウクラ
ッチのダウンシフトを実行する自動変速機の油圧制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機の特定の変速を実行する場合
に、2つのクラッチ(広義のクラッチ;ブレーキを含
む)の係合と解放とを同時に行わなければならないこと
がよくある(いわゆるクラッチツウクラッチ変速)。こ
の場合、各クラッチの係合と解放との同期を適確にとら
ないと、出力軸トルクが落ち込んだり、エンジンが噴き
上がったりする。
【0003】このため、従来はこのような制御を行わせ
る場合には、一般に、一方のクラッチの機能と実質的に
同等な機能を果たす一方向クラッチを設け、こうした不
具合が発生しないように配慮していた。
【0004】しかしながら、このように一方向クラッチ
を用いることによって各クラッチの同期をとる方法は、
当該一方向クラッチを付設する分コストが上昇し、又、
重量が増大したり収容スペースを占める等の問題が発生
する。
【0005】このような点に鑑み、近年、各種センサ技
術の向上、油圧制御装置の電子制御技術の向上を背景と
して、一方向クラッチを用いることなく「クラッチツウ
クラッチ変速」を直接実行させるようにする試みが再び
活発化している。
【0006】ところで、クラッチツウクラッチのダウン
シフトを実行する場合、一般にハイギヤクラッチの解放
とローギヤクラッチの係合とを同期させながら行わなけ
ればならない。
【0007】特開平1−224553号公報において
は、低速段が同期するまでローギヤクラッチの油圧を低
目に保持・待機させ、その後ローギヤクラッチの油圧を
高める技術が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、油圧制
御系には必ず応答遅れやばらつき等があり、上述したよ
うな方法ではメンバ回転が同期する瞬間にローギヤクラ
ッチを確実につかむことは現実には難しく、タイミング
にずれが生じ易いというのが実状であった。
【0009】前述したように、ローギヤクラッチの係合
タイミングが早すぎると、出力軸トルクが落ち込み、逆
に係合タイミングが遅すぎるとエンジンの噴き上りが生
じるという問題が発生する。
【0010】特に、低車速では変速前後の回転差が小さ
いため、ハイギヤクラッチの容量低下に対しローギヤク
ラッチの立上がりが遅れると、変速段が低速側へ滑って
しまうという問題もある。例えば、第3速段から第2速
段へのダウンシフト時に、ローギヤクラッチの立上がり
が遅れると、第3速段から一旦第1速段に滑り、その
後、第2速段に変速されるという現象が発生し、変速シ
ョックが大になるという問題がある。そこで、この不具
合の発生を防止するためにはローギヤクラッチの立上が
りが多少遅れても、なおハイギヤクラッチが確実にトル
クを受け持てるようにオーバーラップぎみの変速を行う
必要が生じてくる。
【0011】しかし、オーバーラップ変速にすると、回
転変化の速度が遅くなるため変速時間が長くかかってし
まう。ダウンシフトでは、運転者がトルク増大を意図し
て変速を指示している場合が多く、変速時間が長くなっ
て、トルクの立上がりが遅れると、変速フィーリングが
低下する。
【0012】なお、本出願人は、先に特願平3−344
123号(未公知)において、クラッチツウクラッチの
ダウンシフト時に、ローギヤクラッチを入力軸が所定の
回転数となるまで低圧状態で待機させ、その後、入力ト
ルクの検出値に基づく油圧で該ローギヤクラッチを昇圧
させる技術を提案している。この技術はハイギヤクラッ
チに必要且つ十分なだけのトルクを確実に受け持たせる
ことにより、エンジンの噴き上りを防止しようとするも
のであるが、この技術によっても、クラッチ容量のばら
つきを見込んで、実際にはハイギヤクラッチによるトル
クの受け持ち時間を若干長く設定する必要があり、その
結果、同期までの時間が長くかかり、(前記技術ほどで
はないにしても)変速フィーリングの低下を招く恐れが
あるという問題がなお残存する。
【0013】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、クラッチツウクラッチのダウン
シフトをより適確に制御し、出力軸トルクの落ち込みや
エンジンの噴き上り等を生じることなくこれを円滑に実
行できるようにし、しかも変速フィーリングの向上を図
るようにした、自動変速機の油圧制御装置を提供するこ
とにより、上記課題を解決せんとしたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1にその要
旨を示すように、ハイギヤクラッチの解放及びローギヤ
クラッチの係合によるクラッチツウクラッチのダウンシ
フトを実行する自動変速機の油圧制御装置において、前
記ダウンシフトを実行すべき判断があったことを検出す
るダウンシフト判断手段と、前記ダウンシフトを実行す
べき判断があったときに、前記ハイギヤクラッチの油圧
を所定値以上に保持すると共に、前記ローギヤクラッチ
の油圧を徐々に高める手段と、前記ダウンシフトによっ
て回転変化が生じる回転メンバの回転検出手段と、該検
出手段によって回転メンバの角加速度が減少する方向に
変化したことが検出されたとき前記ハイギヤクラッチの
油圧を前記所定値から減少させる手段とを備えたことに
より、上記課題を解決したものである。
【0015】
【作用】本発明においては、ダウンシフト判断がある
と、まずハイギヤクラッチの油圧が所定値以上に保持さ
れ、その状態でローギヤクラッチの油圧が徐々に高めら
れる。これにより、変速初期に、ローギヤクラッチが容
量を持ってもなお回転数変化が生じない状態(トルク
相)が形成される。回転数変化が不可なので、ローギヤ
クラッチが容量を持つことにより、角加速度が瞬間的に
落ち込む。トルク相中のこの角加速度変化が検出される
ことにより、ローギヤクラッチのピストンストロークの
完了時期(正確にはピストンが動いて摩擦材に突き当た
り、トルク容量を持ち始めた時期)が判定される。そし
て、ピストンストロークの完了時期の判定後、ハイギヤ
クラッチの油圧を前記所定値より下げて、イナーシャ相
(変速のため回転数変化を生じている期間)に移行させ
る。
【0016】これによりハイギヤクラッチのトルク受け
持ちの役割をばらつき等にかかわらず、より適確に制御
できるようになる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0018】まず、本発明が適用される自動変速機の具
体的な一例を図2にスケルトンで示す。この自動変速機
は、トルクコンバータ111、副変速部112及び主変
速部113を備える。
【0019】前記トルクコンバータ111は、ロックア
ップクラッチ124を備える。このロックアップクラッ
チ124は、ポンプインペラ126に一体化させてある
フロントカバー127とタービンランナ128を一体に
取付けた部材(ハブ)129との間に設けられている。
【0020】エンジンのクランクシャフト(図示せず)
はフロントカバー127に連結されている。タービンラ
ンナ128に連結された入力軸130は、副変速部11
2を構成するオーバードライブ用遊星歯車機構131の
キャリヤ132に連結されている。
【0021】この遊星歯車機構131におけるキャリヤ
132とサンギヤ133との間には、クラッチC0 と一
方向クラッチF0 とが設けられている。この一方向クラ
ッチF0 はサンギヤ133がキャリヤ132に対して相
対的に正回転(入力軸130の回転方向の回転)する場
合に係合するようになっている。
【0022】一方、サンギヤ133の回転を選択的に止
めるブレーキB0 が設けられている。又、この副変速部
112の出力要素であるリングギヤ134が、主変速部
113の入力要素である中間軸135に接続されてい
る。
【0023】副変速部112は、クラッチC0 もしくは
一方向クラッチF0 が係合した状態では遊星歯車機構1
31の全体が一体となって回転するため、中間軸135
が入力軸130と同速度で回転する。又ブレーキB0 を
係合させてサンギヤ133の回転を止めた状態では、リ
ングギヤ134が入力軸130に対して増速されて正回
転する。即ち、副変速部112はハイ・ローの2段の切
換えを設定することができる。
【0024】前記主変速部113は三組の遊星歯車機構
140、150、160を備えており、これらの歯車機
構140、150、160が以下のように連結されてい
る。
【0025】即ち、第1遊星歯車機構140のサンギヤ
141と第2遊星歯車機構150のサンギヤ151とが
互いに一体的に連結され、第1遊星歯車機構140のリ
ングギヤ143と第2遊星歯車機構150のキャリヤ1
52と第3遊星歯車機構160のキャリヤ162との三
者が連結されている。又、第3遊星歯車機構160のキ
ャリヤ162に出力軸170が連結されている。更に第
2遊星歯車機構150のリングギヤ153が第3遊星歯
車機構160のサンギヤ161に連結されている。
【0026】この主変速部113の歯車列では後進1段
と前進4段とを設定することができ、そのためのクラッ
チ及びブレーキが以下のように設けられている。
【0027】即ち、第2遊星歯車機構150のリングギ
ヤ153及び第3遊星歯車機構160のサンギヤ161
と中間軸135との間にクラッチC1 が設けられ、又第
1遊星歯車機構140のサンギヤ141及び第2遊星歯
車機構150のサンギヤ151と中間軸135との間に
クラッチC2 が設けられている。
【0028】第1遊星歯車機構140及び第2遊星歯車
機構150のサンギヤ141、151の回転を止めるブ
レーキB1 が配置されている。又、これらのサンギヤ1
41、151とケーシング171との間には、一方向ク
ラッチF1 とブレーキB2 とが直列に配列されている。
一方向クラッチF1 はサンギヤ141、151が逆回転
(入力軸135の回転方向とは反対方向の回転)しよう
とする際に係合するようになっている。
【0029】第1遊星歯車機構140のキャリヤ142
とケーシング171との間にはブレーキB3 が設けられ
ている。又、第3遊星歯車機構160のリングギヤ16
3の回転をとめる要素としてブレーキB4 と、一方向ク
ラッチF2 とがケーシング171との間に並列に配置さ
れている。なお、この一方向クラッチF2 はリングギヤ
163が逆回転しようとする際に係合するようになって
いる。
【0030】上記の自動変速機の各変速段を設定するた
めの各クラッチ及びブレーキの係合作動表を図3に示
す。なお、図3において、○印は係合状態、●印はエン
ジンブレーキ時に係合状態、空欄は解放状態をそれぞれ
示す。
【0031】この図から明らかなように、第3速段から
第2速段へのダウンシフトがブレーキB2 (ハイギヤク
ラッチに相当)の解放と、ブレーキB3 (ローギヤクラ
ッチに相当)の係合によるクラッチツウクラッチ変速と
なっていることが分かる。
【0032】各クラッチ及びブレーキの係合あるいは解
放は、油圧制御装置200内の電磁弁やリニアソレノイ
ドが、コンピュータ(以下「ECU」と言う)300か
らの指令に基づいて駆動されることによって実行され
る。ECU300には、各種センサ群400からの信
号、例えば車速センサ441からの車速信号(出力軸回
転速度N0 の信号)、スロットルセンサ442からのス
ロットル開度信号(アクセル開度信号)、パターンセレ
クトスイッチ443からのパターンセレクト信号(運転
者の選択した動力重視走行、燃費重視走行等の選択信
号)、シフトポジションスイッチ444からのシフトポ
ジション信号、ブレーキスイッチ445からのフットブ
レーキ信号等の基本的な信号の他、C2 センサ446か
らのクラッチC2 の回転速度信号が入力されている。
【0033】次に、油圧制御装置の中のブレーキB2 及
びブレーキB3 の係合圧を制御する回路部分の構成につ
いて図4を参照しながら説明する。図4に示すように、
同回路部分は、2−3シフト弁1、B3 コントロール弁
2、SLUリニアソレノイド弁3、B2 アキュムレータ
4、B3 アキュムレータ5及びそれらの背圧を制御する
アキュムレータ背圧制御装置6を備えている。
【0034】さらに、各部の構成について詳述すると、
調圧手段を構成するB3 コントロール弁2は、2−3シ
フト弁1からブレーキB3 のサーボ手段(以下「B3 サ
ーボ手段」という)に至る給排油路L1,L2中に、チ
ェックボール付きオリフィス14と並行して介装されて
おり、その弁孔2aには、大径オリフィス2bを介して
給排油路L1に連通する給排ポート21と、給排油路L
2に連通する給排ポート22と、同じく給排油路に連通
する供給圧入力ポート23と、ECU300からの制御
信号で制御されるSLUリニアソレノイド弁3により調
圧された信号油圧が供給される入力回転信号ポート24
とが設けられている。なお、符号25は3速信号圧の入
力ポート、26はドレーン連絡ポートを示す。
【0035】この弁孔2a内に挿入されたスプール2c
には、ポート21への連通とポート26への連通を制御
する一対のランド27、28と、ランド27の端部から
延びる小径のランド29を備えており、ランド28の一
端側はスプリング2dを介して受圧ピストン2eに当接
している。そして、ランド27の外端はポート23から
の供給圧の受圧面を構成し、受圧ピストン2eの外端面
は、入力回転信号ポート24からの信号圧の受圧面を構
成し、内端面は入力ポート25からの信号圧の受圧面を
構成している。
【0036】B2 アキュムレータ4は、ブレーキB2 の
サーボ手段(以下、「B2 サーボ手段」という)に通じ
る油路L3にオリフィス4aを介して接続されており、
B3サーボ手段用のB3 アキュムレータ5と同様、アキ
ュムレータ背圧制御装置6の背圧制御により、排圧中に
も供給油路L3のドレーン圧の調圧が可能とされてい
る。なお、図において、符号10は、B2 サーボ手段へ
の油圧供給を、その初期において迅速化するファースト
フィル手段を構成するB2 オリフィスコントロール弁を
示し、11は第2速段から第3速段への変速に関与し、
B2 サーボ手段からの排圧をSLUリニアソレノイド弁
3からの信号で調圧する2−3タイミング弁2を示す。
これらについては、本発明の主題とするB3 サーボ油圧
の制御には直接関与しないので、詳細な説明は省略す
る。
【0037】上記のように構成された油圧制御装置にお
いて、第3速段(3rd)の状態では、図示しないマニ
ュアル弁を経たドライブレンジ圧Dが1−2シフト弁1
2、2−3シフト弁1、給排油路L3を経てB2サーボ
手段に供給されて、ブレーキB2 は係合状態にある。
【0038】ここで、車両の走行条件に応じてECU3
00の制御信号により、SLNリニアソレノイド弁が駆
動され、2−3シフト弁1が第2速段位置(その弁内油
路を実線で示す)に切り換えられると、B2 サーボ手段
の油圧は、給排油路L3から2−3シフト弁1を経てド
レーンされる。一方、ドライブレンジ圧Dは、2−3シ
フト弁1から給排油路L1、L2を経てB3 サーボ手段
に供給される。これにより、ブレーキB2 が解放され、
ブレーキB3 が係合されて、第3速段から第2速段への
ダウンシフトが実施される。このダウンシフト時に図5
のフローチャートに示す係合圧制御が実行される。
【0039】その制御の説明の前に、第3速段から第2
速段へダウンシフトする場合のトルクバランスについて
述べる。但し、各符号の意味は次の通りである。
【0040】TIN … 入力トルク ρ1 … 第1列のプラネタリギヤのリングギヤとサン
ギヤの歯数比 ρ2 … 第2列のプラネタリギヤのリングギヤとサン
ギヤの歯数比 TB2 … ブレーキB2 のトルク TB3 … ブレーキB3 のトルク
【0041】(1)第3速段時は図6に示すトルクバラ
ンスとなる。このとき、ブレーキB2のトルク容量はρ
2 IN以上で第3速段が保持され、力学的な釣り合いか
ら出力軸トルクは(1+ρ2 )・TINとなる。 (2)第3速段から第2速段への移行時のトルク相にお
いては、図7に示すトルクバランスとなる。即ち、変速
出力に応じてブレーキB3 の油圧が高められ、ブレーキ
B3 のトルク容量が増加すると、それに従って出力軸ト
ルクは(1+ρ2)・TIN−〔1/(1+ρ1 )〕・T
B3に落ち込む。ブレーキB2 のトルク容量が〔ρ1
(1+ρ1 )〕・TB3+ρ2 ・TIN以上の場合は、ブレ
ーキB3 が容量を持っても、なお回転変化は発生せず、
トルク相が維持される。 (3)第3速段から第2速段への移行時のイナーシャ相
においては、図8に示すトルクバランスとなる。即ち、
ブレーキB2 のトルク容量が〔ρ1 /(1+ρ1)〕・
B3+ρ2 ・TIN以下になると、入力系と出力系の間に
回転変化が生ずる程のトルクのアンバランスが生じたこ
とになり、入力系が加速される。
【0042】上記のトルク相中にブレーキB3 のピスト
ンストロークが完了し、ブレーキB3 がトルク容量を持
つと出力軸トルクが落ち込むので、この出力軸トルクの
落ち込みを検出することで、ブレーキB3 のピストンス
トローク完了時を検出できることが分かる。出力軸トル
クの落込みは出力軸角加速度 dω0 の落込みを検出する
ことによって把握できる。
【0043】次に、図5のフローチャートに基づいて、
係合圧制御の内容を説明する。
【0044】ステップS1で、低車速の3→2ダウンシ
フト(第3速段から第2速段へのダウンシフト)の指令
が発生したと判断すると、ステップS2に進む。NOの
場合はステップS17にてフラグF=0としてリターン
する。ステップS2では、図示しない変速用ソレノイド
弁による制御で、2−3シフト弁1を図4中実線で示す
連通状態とし、B2 アキュムレータ4の背圧をフィード
バック制御し、OFF側(解放側)のブレーキB2 の油
圧を所定値以上に保持して、ブレーキB2 のトルク容量
が〔ρ1 /(1+ρ1 )〕・TB3+ρ2 ・TIN以上にな
るようにする。つまりトルク相を維持できる状態にす
る。
【0045】ついで、ステップS3でフラグF≠2か否
かを判断し、YESの場合はステップS4〜S6で、ブ
レーキスイッチがONか、悪路走行しているか、カーブ
を曲がっているかを順次判断する。いずれもNOの場合
はステップS7に進み、いずれかがYESの場合はステ
ップS18に進んでフラグF=2とする。つまりフラグ
F=2は、これらの条件の少なくとも一つにあてはまっ
ていることを示す。
【0046】ステップS7では、出力軸の回転から出力
軸角加速度 dω0 を計算する。ステップS8では、この
角加速度の揺れが大きいか否かを判断し、揺れが大きい
場合は、ステップS18に進む。つまり、ステップS
4、5、6、8の条件判断がYESのときは、角加速度
の値が信頼できないので、次の制御に進まない。
【0047】ステップS8の判断がNOのときは、ステ
ップS9にてフラグF=1か否かを判断し、NOの場合
はステップS10にて回転センサからの信号でイナーシ
ャ相にあるか否かを判断する。NOの場合はステップS
11にて、信号処理により前記角加速度 dω0 の落ち込
みを検出したか否かを判断する。落ち込みを検出した場
合は、ステップS12にて、ON側(係合側)のブレー
キB3 のピストンストローク完了と判断する。
【0048】ステップS13にてフラグF=1とし、ス
テップS14にてOFF側のブレーキB2 の油圧を下
げ、ブレーキB2 のトルク容量が〔ρ1 /(1+
ρ1 )〕・T B3+ρ2 ・TIN以下になるようにし、イナ
ーシャ相に移行させて、リターンする。
【0049】ステップS11で落ち込みを検出しない場
合はそのままリターンする。また、フラグF=1になっ
た場合は、ステップS9の判断がYESとなってステッ
プS15に進み、回転変化を見ながらON側のブレーキ
B3 の油圧を制御する。回転センサの信号に基づいてイ
ナーシャ相を検出した場合も、ステップS10からステ
ップS16に進み、回転変化を見ながらON側のブレー
キB3 の油圧を制御し、リターンする。
【0050】前記イナーシャ相では、回転変化を見なが
ら適正な変速時間で、かつ同期時に滑らないようにブレ
ーキB3 のトルク容量を確保するように、SLUリニア
ソレノイド弁によってブレーキB3 の油圧を制御する。
このとき、SLNリニアソレノイド弁によってブレーキ
B2 の油圧を制御して変速時間を調節してもよい。同期
後は、ブレーキB3 の油圧をSLUリニアソレノイド弁
を制御することで急増させ、ブレーキB2 の油圧は急速
ドレンし、出力軸トルクの立上がりを早めると共に、第
2速段保持に必要なブレーキB3 のトルク容量を確保す
る。
【0051】図9はスロットルを踏み込んだ場合の変速
過渡特性を示す。
【0052】アキュムレータ背圧の制御により、ブレー
キB2 への油圧PB2及びブレーキB3 への油圧PB3は図
のように変化し、その結果、出力軸トルクは図のように
変化し、良好な変速特性が得られる。
【0053】入力トルクが増加する分、及びギヤ比増加
分、出力軸トルクも増加している。入力トルクが一定の
変速においても、ブレーキB3 がピストンストローク完
了した時点で出力軸角加速度は落ち込むので、本制御は
実行できる。
【0054】なお、初期のSLUリニアソレノイド弁の
入力値は、種々のばらつきを考慮しても、ブレーキB3
がピストンストローク完了する余裕のある値でなければ
ならない。この余裕は、B3 コントロールバルブのスプ
リングを、種々のばらつきを考慮してもブレーキB3 が
ピストンストローク完了する荷重に設定することによっ
て確保してもよい。
【0055】本制御を実施しない場合、ピストンストロ
ークのばらつきを考慮した時間分、OFF側ブレーキB
2 の容量を、第1速段への滑りが発生しないレベルに、
長く設定したタイマ等で保持する必要があり、その分だ
け変速時間が長くなってしまうが、本制御を実施した場
合は、ON側のブレーキB3 が容量を持つまで、OFF
側のブレーキB2 が第3速段保持に必要な容量を持って
いるため、第1速段側への滑りは発生しない。従って、
変速ショックが大となることがない。また、ON側のブ
レーキB3 のピストンストローク完了時期を正確に検出
してから、回転変化を見ながら変速時間を調整できるた
め、適正な変速時間を決めることができ、運転者にタイ
ムラグによる違和感を与えることがなく、運転者の意図
した駆動力を早期に達成することができる。
【0056】なお、回転メンバの回転速度の検出は、出
力軸で行ってもよいし、変速中に回転変化が生じるプラ
ネタリギヤのどの回転メンバで検出してもよい。
【0057】また、上記実施例では、低車速のダウンシ
フトの場合を例示したが、本発明は中、高車速に適用し
てもよい。但し、本発明は低車速のダウンシフトの場合
に特に有効と言える。
【0058】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、ク
ラッチツウクラッチのダウンシフトを行う際、ハイギヤ
クラッチの油圧を所定値以上に保つことによってトルク
相を形成可能とし、ローギヤクラッチの係合が進行し、
ローギヤクラッチがトルク容量を持ったことを確認した
段階で、ハイギヤクラッチの解放を開始するので、迅速
な変速制御を実行することができると共に、出力軸トル
クの落ち込みやエンジンの噴き上り等も有効に防止する
ことができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要旨を示すブロック図
【図2】本発明が適用された車両用自動変速機の概略を
示すブロック図
【図3】上記自動変速機の各摩擦係合装置の車両状態を
示す線図
【図4】上記自動変速機に油圧制御装置の要部回路図
【図5】前記自動変速機を制御するためのコンピュータ
において実行される制御フローを示す流れ図
【図6】上記自動変速機の第3速段時のトルクバランス
を示すスケルトン図
【図7】上記自動変速機の第3速段から第2速段への移
行時のトルク相におけるトルクバランスを示すスケルト
ン図
【図8】上記自動変速機の第3速段から第2速段への移
行時のイナーシャ相におけるトルクバランスを示すスケ
ルトン図
【図9】前記制御フローが実行されたときの変速過渡特
性を示す線図
【符号の説明】
B2 …ブレーキ(ハイギヤクラッチ) B3 …ブレーキ(ローギヤクラッチ) 200…油圧制御装置 300…コンピュータ 400…各種センサ群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 雅彦 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エイ・ダブリュ株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−282049(JP,A) 特開 平3−260460(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/00 - 61/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハイギヤクラッチの解放及びローギヤクラ
    ッチの係合によるクラッチツウクラッチのダウンシフト
    を実行する自動変速機の油圧制御装置において、 前記ダウンシフトを実行すべき判断があったことを検出
    するダウンシフト判断手段と、 前記ダウンシフトを実行すべき判断があったときに、前
    記ハイギヤクラッチの油圧を所定値以上に保持すると共
    に、前記ローギヤクラッチの油圧を徐々に高める手段
    と、 前記ダウンシフトによって回転変化が生じる回転メンバ
    の回転検出手段と、 該検出手段によって回転メンバの角加速度が減少する方
    向に変化したことが検出されたとき前記ハイギヤクラッ
    チの油圧を前記所定値から減少させる手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
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