JP3132851B2 - 射出成形機におけるスクリューの逆流防止装置 - Google Patents

射出成形機におけるスクリューの逆流防止装置

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JP3132851B2 JP03202506A JP20250691A JP3132851B2 JP 3132851 B2 JP3132851 B2 JP 3132851B2 JP 03202506 A JP03202506 A JP 03202506A JP 20250691 A JP20250691 A JP 20250691A JP 3132851 B2 JP3132851 B2 JP 3132851B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、射出成形機のスクリ
ュー先端に設けられる逆流防止装置に関するもので、可
塑化時にはスクリュー溝とスクリュー先端側の樹脂の貯
留室とを連通し、射出時には当該貯留室とスクリュー溝
とを遮断してスクリュー溝内への樹脂の逆流を防止する
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】射出成形機のスクリューの逆流防止装置
として、スクリューの先端部に逆流防止リングを軸方向
遊動自在に設けた構造および同様な逆流防止リングを遊
動回動自在に設けた構造が公知である(特開平3−45
325号参照)。
【0003】逆流防止リングを軸方向遊動自在に設けた
構造では、逆流防止リングがスクリューの先端側に移動
したときに、スクリュー溝からスクリュー先端側の樹脂
の貯留室に連なる樹脂流路が開放され、逆流防止リング
がスクリュー側に移動したときに、逆流防止リングの端
面がスクリューの外周に設けた座面に当接して樹脂流路
を閉鎖する構造となっている。この構造では、可塑化時
にはスクリュー溝内の樹脂圧によって逆流防止リングを
スクリュー先端側に移動させ、射出時には貯留室の樹脂
圧によりスクリューの基端側に移動させて樹脂の逆流を
防止している。
【0004】一方逆流防止リングを遊動回動自在に設け
たものでは、可塑化時にスクリューを正転させたとき
は、逆流防止リングがこれに作用する回転抵抗によって
一方の回動端に押し付けられた後、スクリューと一体と
なって回転し、このときスクリュー先端部に設けた第2
流路と逆流防止リングに設けた第1流路とが連通してス
クリュー溝とスクリュー先端側の貯留室とが連通される
ようにし、可塑化が終了した後、スクリューを逆転さ
せ、逆流防止リングに作用する回転抵抗によって停止状
態を保っている逆流防止リングを他方の回動端に相対回
動させ、この相対回動により前記第1流路と第2流路と
を遮断して貯留室からスクリュー溝への樹脂の逆流を防
止している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】逆流防止リングをスク
リューの軸方向に遊動自在に設けた構造のものは、射出
開始時のスクリューの軸方向移動に伴って逆流防止リン
グが移動して樹脂流路を閉鎖するので、スクリューが射
出動作を開始してから流路が完全に閉鎖されるまでの間
に生じる樹脂の逆流を防止することができない。そして
このときの逆流量は、貯留室の樹脂圧の上昇速度、樹脂
の粘度、スクリューの軸方向移動速度などによって変化
することとなり、貯留室内の樹脂量が射出開始時点でば
らつくことになる。
【0006】一方逆流防止リングを遊動回動自在に設け
るものは、流路閉鎖時にリングの軸方向移動を伴わない
分だけ樹脂の計量を正確に行うことができるが、逆流防
止リングの内周面とこれを回動自在に支持しているスク
リュー本体との間に入り込んだ樹脂が固化した場合な
ど、スクリューと逆流防止リングとの間の滑り抵抗が大
きくなってスクリューを逆回転させたときに逆流防止リ
ングも共回りして流路が閉鎖されなくなる可能性があ
り、しかもこれを検出することができないという問題が
ある。従ってこの構造は、材料が長く滞留したときに材
料が固化したり変成したりする虞があるときには使用す
ることができない。
【0007】また上記従来装置の共通の問題として、射
出時に高圧の樹脂が逆流防止リングの内周側に入り込ん
で逆流防止リングを拡径させるため、インラインスクリ
ュー式の射出装置では逆流防止リングがバレルの内面に
強く押し付けられた状態で摺動する危険があり、樹脂の
焼付やバレル内面の傷付きを生ずる虞がある。
【0008】この発明は、以上のような問題点を解決す
ることを課題としてなされたもので、スクリュー先端側
の貯留室とスクリュー溝との間の流路の開閉をスクリュ
ー本体の逆転や軸方向移動を伴うことなく行うことがで
き、かつその開閉動作を確認することも可能な逆流防止
装置を得ることを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の逆流防止装置
では、スクリュー22をスクリュー本体10とこれに対
して相対回動可能なスクリューヘッド18とで形成し、
スクリュー本体10を貫通する作動杆17により、スク
リュー本体10を停止させたまま、スクリューヘッド1
8を積極的に回動させることにより、スクリューヘッド
18に設けた第1流路41とスクリュー本体10の先端
部34に設けた第2流路42とを連通遮断し、貯留室4
9とスクリュー溝50との間の樹脂流路を開閉する構造
を採用している。
【0010】第1の流路41は、スクリューヘッド18
の先端側に形成される樹脂の貯留室49に連通されてお
り、第2の流路42は、スクリュー溝50に連通されて
いる。またこのときのスクリューヘッド18の回動角θ
1 は、スクリューヘッド18に設けた第1流路41の配
設ピッチの1/2に相当する角度である。
【0011】この発明の最も好ましい構成は、スクリュ
ー本体10を駆動する駆動軸5(可塑化モータ1によっ
て駆動される。)によってスクリュー本体10を停止さ
せたままスクリューヘッド18を所定の角度だけ回動さ
せることができるようにした構造で、そのためには、ス
クリューヘッド18を作動杆17を介して駆動軸5に相
対回動不能に連結し、スクリュー本体10を所定の角度
だけ遊動回動可能に駆動軸5に連結する。
【0012】そしてスクリューヘッドに設けた第1流路
41と、スクリュー本体10の先端部34に設けた第2
流路42とは、スクリューヘッド18がスクリュー22
の正転方向(可塑化時のスクリューの回転方向)に回動
したとき連通され、逆転方向に回動したときに閉鎖され
る構造とする。
【0013】スクリューヘッド18の回動角θ1 を規制
する角度規制手段(ストッパ)43、44は、作動杆1
7のねじり変形による停止位置のばらつきを避けるため
に、スクリューヘッド18とスクリュー本体10の先端
部34との間に設けるのが好ましい。この場合におい
て、スクリューヘッド18をスクリューを駆動する駆動
軸5で相対回動させる構造を採用したときには、スクリ
ューヘッド18の許容回動角θ1 をスクリュー本体10
と駆動軸5との間の許容回動角θ2 より小さい角度に設
定し、その角度差は作動杆17のねじり変形によって吸
収される構造としている。スクリューヘッド18は溶融
した樹脂内で回動するのに対し、スクリュー本体10は
未溶融材料内で回動し、かつその長さもスクリューヘッ
ド18に比べて遥かに長いので、スクリューヘッド18
を相対回動させる駆動力に比べてスクリュー本体10を
回転させる駆動力は遥かに大きい。従って上記のような
角度関係とした場合、駆動軸5の正逆転時にスクリュー
ヘッド18がまずその相対回動端に達した後、作動杆1
7がわずかにねじられ、その後駆動軸5の回転がスクリ
ュー本体10に伝達されることになり、スクリューヘッ
ド18の両回動端への確実な位置決めを保証できる。
【0014】
【作用】上記構成のこの発明の逆流防止装置では、スク
リュー本体10を貫通する作動杆17を正逆方向に回転
駆動することにより、可塑化工程開始前および可塑化工
程終了後のスクリュー22が停止している状態におい
て、スクリューヘッド18を積極的に相対回動させて、
スクリュー先端側の貯留室49とスクリュー溝50との
間の樹脂流路を開閉する。
【0015】スクリューヘッド18を駆動軸5に連結し
て可塑化モータ1で相対回動させる構成のものについ
て、以下にその動作を述べる。
【0016】可塑化工程中は駆動軸5が正転しており、
その正転回転は作動杆17を介してスクリューヘッド1
8に伝達されるとともに、駆動軸5に対するスクリュー
本体10の逆転方向の回動端を規定しているストッパ
7、13を介して、スクリュー本体10が正転駆動され
る。このときスクリューヘッド18は、スクリュー本体
10との関係において、正転方向の相対回動端に達して
おり、この状態でスクリューヘッドの第1流路41とス
クリュー本体10の先端部の第2流路42とが連通して
おり、スクリュー溝50から押し出された溶融材料は、
第2流路42および第1流路41を経てスクリュー先端
側の貯留室49に流出する。
【0017】所望量の溶融材料が貯留室49に貯留され
たら、可塑化モータ1を停止し、次いで所定角度だけ逆
転させる。このときの逆転角は、スクリュー本体10と
駆動軸5との間の許容回動角θ2 の範囲内である。従っ
て駆動軸5の逆転は、スクリュー本体10には伝達され
ず、スクリュー本体10は、スクリュー溝50と可塑化
バレル23との間で圧縮された未溶融ないし半溶融材料
によって高い回転抵抗が与えられているので、停止状態
を保つ。一方、駆動軸5の逆転は作動杆17を介してス
クリューヘッド18に伝達される。スクリューヘッド1
8は溶融材料の中に位置しているため、これに働く回転
抵抗は小さく、従ってスクリューヘッド18のみが逆転
してその回動端に達する。この位置においては、スクリ
ューヘッドの第1流路41とスクリュー本体先端部の第
2流路42との位相ずれによって、スクリュー溝50と
貯留室49とを繋ぐ樹脂流路が遮断される。
【0018】この流路の遮断状態は、スクリュー本体1
0と駆動軸5との連結部に両者の位相差を検出するセン
サ30、31を設けることによって検出することが可能
であり、樹脂流路の遮断を検出した後、インラインスク
リュー式の射出成形機であれば、スクリューを軸方向に
前進させて材料の射出を行う。
【0019】射出工程が完了した後、可塑化モータ1を
正転すると、駆動軸5の正転動作が作動杆17を介して
スクリューヘッド18に伝達されて、スクリューヘッド
18が正転側の回動端に達して、第1流路41と第2流
路42従ってスクリュー溝50と貯留室49とが連通さ
れた状態となり、その後スクリュー本体10が逆転側の
回動端に達して、駆動軸5に連係されて正転方向に回転
駆動され、可塑化工程が開始される。
【0020】この発明の構成では、材料流路の開閉時に
スクリューヘッド18が回転してスクリュー本体10が
停止している点において、逆流防止リングが停止してス
クリュー本体が回転する従来構造のものとは逆である。
そして回転抵抗の大きいスクリュー本体10を停止させ
て回転抵抗の小さいスクリューヘッド18を回動させ
る。この発明の構成によれば、スクリューヘッド18と
スクリュー本体10との共回りという現象が起こるおそ
れがなく、従って材料流路の確実な開閉動作が保証でき
る。
【0021】またスクリューヘッド18の回動は、作動
杆17を介してスクリュー本体10の基端部に伝達され
るので、この部分において、スクリューヘッド18とス
クリュー本体10との位相差を検出することにより、材
料流路の開閉状態を容易に検知できる。
【0022】
【実施例】図1ないし図8は、この発明の第1実施例を
示した図である。図1において、可塑化モータ1の出力
軸は、スプライン2で軸方向移動自在かつ相対回動不能
にして、射出油圧シリンダ3に嵌装された射出ピストン
4に連結されている。射出ピストン4と実質上一体の駆
動軸5には、駆動側フランジ6が設けられ、ショルダー
ボルト7を介して結合部材8の従動側フランジ9が連結
され、スプライン11を介してスクリュー本体10が連
結されている。
【0023】結合部材8とスクリュー本体10との間に
はカップリング12が設けられ、結合部材8の軸方向移
動(特にサックバックのためのスクリュー引き戻し方向
の移動)がこのカップリング12を介してスクリュー本
体10に伝達される。
【0024】ショルダーボルト7は従動側フランジ9に
螺合されており、駆動側フランジ6のボルト挿通孔13
は、図8に示すように、所定角度の円弧孔とされ、結合
部材8すなわちスクリュー本体10がボルト挿通孔13
の円弧長さに相当する分だけ駆動軸5に対して遊動回転
可能な構造となっている。
【0025】駆動軸5の中心には、図7に示す角孔15
と角棒端16との嵌合により、相対回動不能に作動杆1
7が連結されており、この作動杆17の先端は、スクリ
ュー本体10の先端に回動可能に設けたスクリューヘッ
ド18に同様な角孔1と角棒端20の嵌合(図2)に
より、相対回動不能に連結されている。
【0026】スクリュー本体10とスクリューヘッド1
8で形成されるスクリュー22は、可塑化バレル23に
回転かつ軸方向移動自在に嵌装され、可塑化バレル23
の先端に射出ノズル24が設けられ、全体としてインラ
インスクリュー式の射出装置が形成されている。可塑化
バレル23および射出油圧シリンダ3を固定する射出ボ
ディ25には、ホッパ26が固定され、材料供給孔27
を通して可塑化バレル23内に材料を供給している。
【0027】駆動フランジ6と従動フランジ9の周面に
は、歯車のように歯28、29が設けられており、この
歯28、29を検出するセンサ30、31が射出ボディ
25に固定して設けられている。センサ30、31の検
出信号は、差分検出用のカウンタ32を介して、図示し
ない制御器へと与えられている。
【0028】図2はスクリュー先端部の構造を示す断面
図で、スクリューヘッド18は、スクリューヘッドシャ
ンク33部分においてサブスクリュー34に回転自在に
支持され、サブスクリュー34は、これに設けたねじ3
5によってスクリュー本体10の先端に螺合されてい
る。スクリューヘッドシャンク33の先端は、前述した
角孔15を介して作動杆17に連結されており、かつス
クリューヘッドシャンク33の先端外周には、調整ナッ
ト36が螺合され、この調整ナット36とサブスクリュ
ー34の端部との間に介装された予圧バネ37の付勢力
により、スクリューヘッド18とスクリュー本体10の
先端部を構成するサブスクリュー34の摺接面38が互
いに押接されている。この回転摺接面38には、耐摩耗
性を備えた硬質合金性の座金リング39が介装され、回
転摺面38の摩耗を防止するとともに、スクリュー2
2内部への溶融材料の流入を防止している。
【0029】スクリューヘッド18およびサブスクリュ
ー34の外周面には、図3ないし図6に示すように、第
1流路41および第2流路42がその周面を等分する位
置に軸方向に溝状に設けられている。そしてスクリュー
ヘッド18とサブスクリュー34の連接部には、スクリ
ューヘッド側から羽根状の角度規制突起43が突出形成
され、サブスクリュー34側から円弧状の角度規制突起
44が内側に向けて突出され、両角度規制突起43、4
4の当接により、スクリュー本体10に対するスクリュ
ーヘッド18の回動角θ1 は、図4に示す正転側相対回
動端の位置と、図6に示す逆転側相対回動端の位置との
間に規制されている。
【0030】そしてスクリューヘッド18が正転側相対
回動端に位置するときは、図3に示すように、第1流路
41と第2流路42とが連通し、逆転側の相対回動端に
位置するときには、図5に示すように、第1流路41と
第2流路42とが遮断されるようになっている。
【0031】図7および図8はスクリュー本体10と駆
動軸5の連結部の構造を示した詳細図で、作動杆17が
位相調整ロッド47およびピン48を介して駆動軸5に
連結されていることが示されている。この構造は、前記
角度規制突起43と44との当接によって規定されるス
クリューヘッド18の相対回動端の位置(図4、6)
と、ショルダーボルト7が円弧状のボルト挿通孔13
(図8)の端部に衝突して規制されるスクリュー本体1
0の回動端の位置とを調整するために設けられたもの
で、駆動軸5を正転させたときにおけるスクリューヘッ
ド18の正転側相対回動端の位置とスクリュー本体10
の逆転側回動端の位置とが前記作用の項で述べた位置関
係となるように、位相調整ロッド47と駆動軸5の回動
位置を決定した後、ピン孔を穿設してピン48を挿通す
ることにより、位置関係を規定している。
【0032】この第1実施例の動作については前記作用
の項で説明したが、以下に若干の説明を補足する。駆動
軸5が正転方向に回転したときには、その回転が作動杆
17を介してスクリューヘッド18に伝達されるととも
に、ショルダーボルト7が図8に実線で示す位置で円弧
状のボルト挿通孔13の一端に当接してスクリュー本体
10を駆動する。このときスクリュー本体10とスクリ
ューヘッド18の位置関係は、図4に示すように、スク
リューヘッド18が正転側の相対回動端に達した位置と
なっており、このとき図3に示すように第1流路41と
第2流路42とが連通している。
【0033】可塑化工程が終了した後、駆動軸5を逆転
させると、ショルダーボルト7がボルト挿通孔13に沿
って移動し、スクリュー本体10が停止した状態で駆動
軸5が逆転する。このときのスクリュー本体10と駆動
軸5の位相差は、センサ30、31のカウント差として
検出される。一方駆動軸5の逆回転は作動杆17を介し
てスクリューヘッド18に伝達され、スクリューヘッド
18は、図3、4に示す状態から図5、6に示す逆転側
相対回動端の位置へと回動していく。
【0034】そしてスクリューヘッド18が逆転側相対
回動端に達したことがセンサ30、31によって検出さ
れたときに、駆動軸5の逆転を停止する。このときショ
ルダーボルト7は、図8に想像線で示すように、ボルト
挿通孔13の反対側の端部に位置している。この状態で
図5に示すように、第1流路41と第2流路42とが遮
断され、スクリュー22を前進させて射出動作を行った
ときにも、貯留室49の樹脂がスクリュー溝50に逆流
しない。
【0035】なお、スクリューヘッド18とサブスクリ
ュー34との間に摩擦抵抗があるために作動杆17にね
じれが発生するので、作動杆17の許容ねじれ角以内の
大きさだけボルト挿通孔13の円弧角θ2 をスクリュー
ヘッド18の回動角θ1 より大きくし、角度規制突起4
3、44の確実な当接を確保する。
【0036】図9ないし図13に示す実施例は、スクリ
ューヘッド18の回転角の規制をスクリュー基端部の遊
動カップリング52によって行い、スクリュー本体10
と駆動軸5の駆動力の伝達もこの遊動カップリング52
を介して行われるようにした実施例を示したものであ
る。この第2実施例に示すものでは、駆動軸5の回転が
スプライン11を介して結合部材8に伝達されており、
駆動軸5と結合部材8の軸方向移動は、カップリング1
2によって固定されている。結合部材8の中心には、キ
ー53およびナット54で作動杆17が固定されてお
り、作動杆17の先端にキー60およびセットスクリュ
ー55でスクリューヘッド18が固定されている。
【0037】スクリュー本体10は、スクリューヘッド
18と結合部材8との間で挟まれて軸方向移動が防止さ
れるようにして装着されており、スクリューヘッド18
とスクリュー本体10との間には、両者の相対回転角を
規制する手段は設けられておらず、スクリュー本体10
と結合部材8との間には、結合部材8から延びる第1の
爪56とスクリュー本体10から延びる第2の爪57と
が円周方向の遊隙58をもって嵌合されることにより、
遊動カップリング52が形成されている。
【0038】この第2実施例の構造は、スクリュー22
のトルク強度に余裕があり、作動杆17をそのねじり変
形が無視し得る程度に剛性の高いものとすることができ
るときには、構造を簡単にできるという点で有効であ
る。
【0039】
【発明の効果】前記作用の項で述べた理由により、この
発明によれば、樹脂流路の開閉時にスクリューヘッドと
スクリュー本体が共回りを起こす可能性が皆無となるの
で、逆転防止リングを回動させて樹脂流路の開閉を行う
従来構造に比較して、動作の信頼性を格段に向上させる
ことができ、固化しやすい材料や変成しやすい材料を用
いたときにも、確実な開閉動作を保証することができ
る。
【0040】また上記第1実施例の構造のものによれ
ば、流路開閉時のスクリューヘッドの位相がスクリュー
先端部において規制されるので、流路の遮断および連通
を確実に行わせることができ、またスクリューヘッドと
スクリュー本体の位相差をスクリュー基端部で検出する
ことができるので、流路の開閉状態を確認したうえで、
射出工程や可塑化工程に移行することができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の可塑化装置の模式的な断面図
【図2】スクリュー先端部の詳細構造を示す断面図
【図3】流路連通時のスクリュー先端の側面図
【図4】流路連通時のスクリューの正面図
【図5】流路閉鎖時のスクリュー先端の側面図
【図6】流路閉鎖時のスクリューの正面図
【図7】スクリュー基端部の連結構造を示す断面図
【図8】 図7のA−A矢視断面図
【図9】第2実施例の射出装置を模式的に示す断面図
【図10】スクリュー先端部の拡大断面図
【図11】スクリュー先端部の側面図
【図12】スクリュー基端部の拡大断面図
【図13】スクリュー基端部の側面図
【符号の説明】4 スクリュー 5 駆動軸6 駆動フランジ 7 ショルダーボルト9 従動フランジ 10 スクリュー本体 13 ボルト貫通孔 17 作動杆 18 スクリューヘッド 22 スクリュー28、29 歯 30、31 センサ 32 カウンタ 34 サブスクリュー 37 予圧バネ 41 第1流路 42 第2流路 43 角度規制突起 44 角度規制突起 49 貯留室 50 スクリュー溝 52 遊動カップリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−45325(JP,A) 特開 平1−242222(JP,A) 特開 昭61−100427(JP,A) 特開 平4−119812(JP,A) 実開 平2−124127(JP,U) 実開 昭62−182716(JP,U) 実開 昭58−112522(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 45/52

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクリュー(22)の先端のスクリュー
    ヘッド(18)がスクリュー本体(10)に回動可能に
    装着され、スクリュー本体(10)に対するスクリュー
    ヘッド(18)の相対回動角を規制する角度規制手段
    (43,44),(52)を備え、スクリューヘッド
    (18)にはスクリュー本体(10)の中心を貫通する
    作動杆(17)が相対回動不能に連結され、スクリュー
    ヘッド(18)とスクリュー本体(10)の先端部(3
    4)とにはスクリューヘッド(18)の相対回動により
    互いに連通遮断される第1流路(41)と第2流路(4
    2)とが設けられており、第1流路(41)はスクリュ
    ー(22)の先端側の樹脂の貯留室(49)に連通し、
    第2流路(42)はスクリュー本体(10)のスクリュ
    ー溝(50)に連通しており、スクリュー本体(10)
    の回転が停止している状態で作動杆(17)を介してス
    クリューヘッド(18)を相対回動させることにより、
    スクリュー溝(50)とスクリュー先端側の貯留室(4
    9)との連通遮断を行うことを特徴とする、射出成形機
    におけるスクリューの逆流防止装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の作動杆(17)がスクリ
    ュー本体(10)を駆動する駆動軸(5)に相対回動不
    能に連結されており、スクリュー本体(10)と駆動軸
    (5)とは相対回動可能であり、かつその回動角を規制
    する第2の角度規制手段(7,13)が設けられてい
    る、請求項1記載の射出成形機におけるスクリューの
    流防止装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の第1の角度規制手段(4
    3,44)がスクリューヘッド(18)とスクリュー本
    体(10)の先端部(34)との間に設けられ、請求項
    2記載の第2の角度規制手段(7,13)がスクリュー
    本体(10)と駆動軸(5)の連結部に設けられてお
    り、第1の角度規制手段(43,44)の規制角が第2
    の角度規制手段(7,13)の規制角より小さい角度で
    ある、請求項2記載の射出成形機におけるスクリューの
    逆流防止装置。
  4. 【請求項4】 スクリュー(4)と駆動軸(5)とは、
    外周に歯(28),(29)を刻設した駆動フランジ
    (6)と従動フランジ(9)とで連結され、この歯(2
    8),(29)にはセンサ(30),(31)を対向せ
    しめるとともに、差分検出用カウンタ(32)を設け
    て、歯(28),(29)の位相差を検出 することを特
    徴とする、請求項2または3記載の射出成形機における
    スクリューの逆流防止装置。
  5. 【請求項5】 スクリューヘッド(18)とスクリュー
    本体(10)の先端部(34)との間に形成される回転
    摺接部がスクリューヘッド(18)をスクリュー本体
    (10)に向けて付勢する予圧バネ(37)で押接され
    ていることを特徴とする、請求項1、2、3または4記
    載の射出成形機におけるスクリューの逆流防止装置。
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