JP3130737B2 - 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム - Google Patents
磁気記録媒体用ポリエステルフイルムInfo
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Description
テルフイルムに関し、さらに詳しくは平坦性、接着性、
巻取り性等に優れ、磁気記録媒体のベースフイルムとし
て有用なポリエステルフイルムに関する。
軸延伸ポリエステルフイルム、特に二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフイルムが広く使用されている。しか
し、近年ビデオテープ、コンピューターテープ、フレキ
シブルディスク等に用いるベースフイルムには、高品質
化(例えば高密度記録、長時間記録等)に対応する品質
が要求されている。そして、例えば長時間記録化には、
厚さがより薄くかつ強度がより大きいベースフイルムが
要求され、また電磁変換特性の向上には磁性層形成側の
フイルム表面をより平坦にすることが要求されている。
この平坦性向上は、ベースフイルムの上に設ける易接着
塗膜(プライマー層)の表面平坦性についても同じであ
る。しかし、フイルム表面を平坦にするほど薄いフイル
ムの巻取り性が低下する。このため、これら特性をバラ
ンスさせることは、従来、難しい状況にあった。
性、接着性、巻取り性に優れた磁気記録媒体用ポリエス
テルフイルムを提供することにある。
達成するために、次の構成からなる。
ナフタレンジカルボキシレートからなる層Aと平均粒径
10〜200nmの微粒子を含有するポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレートからなる層Bの
複合フイルムをベースとし、該層Aの外表面に二次転移
点が45〜165℃の親水性ポリエステル樹脂を含みか
つ造膜温度が5〜80℃の水性塗液を用いた、厚さ1〜
100nmの易接着性塗膜が設けられていることを特徴
とする磁気記録媒体用ポリエステルフイルム。
子を含まないポリエチレン―2,6―ナフタレンジカル
ボキシレートからなり、該ポリエチレン―2,6―ナフ
タレンジカルボキシレートはホモポリマーをはじめとし
て部分的に第三成分を共重合したコポリマーを包含す
る。この第三成分としては、例えばテレフタル酸、イソ
フタル酸、4,4′―ジフェニルジカルボン酸、ジエチ
レングリコール、1,4―ブタンジオール、1,6―ヘ
キサンジオール、ビスフェノールAのアルキレンオキシ
ド付加体等を挙げることができる。コポリマー中のエチ
レン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート成分は8
0モル%以上、特に90モル%以上であることが好まし
い。該ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシ
レートは微粒子を含まないが、ポリエステル重合時に副
生することのある、極く微量の触媒残渣の析出物は含ま
れていてもよい。
粒径10〜200nmの微粒子を含有するポリエチレン
―2,6―ナフタレンジカルボキシレートからなり、該
ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート
は層Aのポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキ
シレートと同様にホモポリマーをはじめとしてコポリマ
ーを包含する。このコポリマーの説明は層Aのときと同
じである。
化鉄、カオリン、酸化アルミニウム、珪酸アルミニウ
ム、炭酸カルシウム、酸化チタン、カーボンブラックな
どの無機粒子、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、シリ
コーン樹脂、メラミン樹脂などの架橋有機粒子等を挙げ
ることができる。かかる微粒子の平均粒径は10〜20
0nmである必要がある。この平均粒径が10nm未満
であると複合フイルムの滑り性が不足し、一方200n
mを超えると磁性層面の平坦性に悪影響を与えるので好
ましくない。微粒子の含有量は0.001〜5重量%、
特に0.01〜1重量%が好ましい。
で製造することが好ましい。すなわち、層Aのポリエチ
レン―2,6―ナフタレンジカルボキシレートと層Bの
ポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート
とを多層ダイから共押出し或いはダイ内で積層してから
共押出し、回転冷却ドラム上で急冷固化して未延伸積層
フイルムとし、次いで該積層フイルムを少くとも一軸方
向に延伸することで製造するのが好ましい。延伸は二軸
方向に行なうのが好ましく、特に逐次二軸延伸法で行な
うのが好ましい。延伸は、一つの方向に通常ポリマーの
二次転移点以上の温度で2倍以上、好ましくは2〜8倍
の倍率で行なう。得られる延伸フイルムは少くとも一方
向のヤング率が700kg/mm2 以上であることが好
ましい。
〜10μm、さらには1〜5μmであることが好まし
く、また層Bの厚さは1〜25μm、さらには3〜10
μmであることが好ましい。さらに層Aの厚さは層Bの
厚さより小さい、換言すると層Bの厚さが層Aの厚さよ
り厚いことが好ましい。
ルムの層Aの表面(外表面)に、二次転移点が45〜1
65℃の親水性ポリエステル樹脂(以下、ポリエステル
樹脂ということがある)を含みかつ造膜温度が5〜80
℃の水性塗液を塗布することで形成する。水性塗液の塗
布は一軸延伸フイルムに行なうのが好ましい。
165℃、好ましくは45〜120℃である。この二次
転移点が45℃未満では塗膜の耐ブロッキング性が劣
り、一方165℃を超えると耐削れ性が低下し、好まし
くない。
レフタル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、イソフ
タル酸、セバシン酸、アジピン酸、4,4′―ジフェニ
ルジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、4―
Naスルホイソフタル酸、4―Kスルホイソフタル酸、
Naスルホコハク酸等のジカルボン酸を主たる対象と
し、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多官能カルボ
ン酸を少量含むことができる。また、グリコール成分は
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、プロピレングリコール、1,3―プロ
パンジオール、1,4―ブタンジオール、1,6―ヘキ
サンジオール、ジプロピレングリコール、ジメチロール
プロピオン酸、ポリエチレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール、ビスフェノールAのアルキレンオキ
シド付加体、水添ビスフェノールAのアルキレンオキシ
ド付加体等を主たる対象とし、グリセリン、トリメチロ
ールプロパン、トリメチロールエタン等のポリオールを
少量含むことができる。
エステル樹脂中に親水基を導入する。例えば、分子内に
スルホン酸塩基を有する化合物(酸又はグリコール)を
共重合し、ポリマー分子中に該スルホン酸塩基を17モ
ル%以下(酸又はグリコール成分当り)の割合で含有さ
せるのが好ましい。前記ポリエステル樹脂の分子量は、
通常4,000〜50,000、好ましくは7,000
〜35,000である。
リウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ビニル共重
合樹脂、セルロース樹脂、ポリビニルアルコール、フェ
ノキシ樹脂、アクリル変性ポリエステル、シリコーン樹
脂等の樹脂;帯電防止剤;例えばシリカ、カーボンブラ
ック、酸化アルミニウム、酸化鉄、カオリン、炭酸カル
シウム、酸化亜鉛、シリコーン樹脂、架橋アクリル樹
脂、架橋ポリスチレン、メラミン樹脂等のフィラー;界
面活性剤;分散剤;架橋剤(エポキシ化合物、ブロック
ドイソシアネート化合物、メラミン系化合物、ポリオキ
サゾリン等);粘度調整剤;可塑剤;安定剤;酸化防止
剤;着色剤;紫外線吸収剤;金属粉等を添加することが
できる。但し、水性塗液の造膜温度を0〜80℃とする
量範囲内で用いる。
る必要があり、好ましい造膜温度は5〜75℃である。
この造膜温度が5℃未満では塗膜の耐ブロッキング性、
耐水性が劣り、一方80℃を超えると耐削れ性が低下す
る。造膜温度はポリエステル樹脂の組成、フィラーの種
類と量、界面活性剤や他の成分等によって調整すること
ができる。
が、2〜20重量%であることが好ましい。
ム又は二軸延伸フイルムに塗布するのが好ましい。塗布
は例えばグラビアコーター、キスロールコーター、リバ
ースロールコーター、ダイコーター等で行なうことがで
きる。塗布後は単に乾燥するか、乾燥しつつ延伸する
か、或いは乾燥後延伸するかの処理を行なう。この中乾
燥しつつ延伸するのが好ましい。延伸はポリエチレン―
2,6―ナフタレンジカルボキシレートの二次転移点以
上の温度で、1〜8倍の延伸で行なうのが好ましい。縦
延伸フイルムに塗布し、横延伸し、更に縦や横方向に再
延伸する、いわゆる3〜4段延伸も可能である。二軸延
伸フイルムを再縦延伸後に塗布してから必要により更に
横延伸し熱処理することができる。
〜80nmであることが好ましい。この厚さが1nm未
満では膜形成が難しく、一方100nmを超えると塗膜
の平坦性が低下しやすくなる。
膜(プライマー)面上に磁性層を設けることが好まし
い。磁性層としては塗布型磁性層(例えば酸化鉄、Ni
―Co、純鉄メタル等の強磁性粉をバインダーと共に塗
布したもの)又は金属薄膜型磁性層(例えば強磁性の金
属や合金を蒸着又はスパッタしたもの)のいずれでもよ
い。
ハンドリング性、走行特性と共に高い接着性、電磁変換
特性、磁気特性を奏し得るものであり、磁気記録媒体用
ベースフイルムとして有用である。
明する。なお、例中の物性は次の方法によって測定し
た。
精密社(株)製の触針式表面粗さ計(SURFCOM
3B)を用いて、針の半径2μ、荷重0.07gの条件
下にチャートにフイルム表面(層Aの表面:A面)粗さ
曲線をかかせ、得られるフイルム表面粗さ曲線からその
中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き
取り部分の中心線をX軸とし、縦倍率の方向をY軸とし
て、粗さ曲線Y=f(x)で表わしたとき、次の式で与
えられる値(Ra:μm)をフイルム表面粗さとして定
義する。
8個測定し、値の大きい方から3個除いた5個の平均値
としてRaを表わす。
RHにおいて1kg荷重下での静摩擦係数μsを東洋テ
スター社製のスリッパリー測定試験器を用いて測定す
る。
ーで乾燥後の厚さが約4μmになるように塗布し、10
0℃で3分間乾燥する。その後60℃で24時間エージ
ングし、次いでスコッチテープNo.600(3M社
製)巾12.7mm、長さ15cmを気泡の入らないよ
うに粘着し、この上をJIS C2701(1975)
記載の手動式荷重ロールでならし密着させ、テープ巾に
切り出す。これを180度剥離した時の強力を測定す
る。
合溶剤に溶解し、40%液にし、サンドグラインダーで
2時間分散する。その後架橋剤のコロネートL25重量
部(固形分換算)を添加し、よく攪拌して磁性塗料を得
る。
cm×15cm角に切り、これに50℃×50%RHの
雰囲気中で17時間、50kg/cm2 の荷重をかけ、
次いでこの10cm巾の剥離強度を測定する。このとき
の剥離スピードは100mm/分である。
レン―2,6―ナフタレンジカルボキシレート(固有粘
度0.65)(A)と平均粒径100nmのシリカを含
有するポリエチレン―2,6―ナフタレンジカルボキシ
レート(固有粘度0.63)(B)を共押出し、急冷固
化して得られた未延伸積層フイルムを縦方向に2.3倍
延伸した後、層Aの表面に2,6―ナフタレンジカルボ
ン酸―テレフタル酸―イソフタル酸―4―Naスルホイ
ソフタル酸―エチレングリコール―ネオペンチルグリコ
ール―ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体から
なる共重合ポリエステル(二次転移点92℃、C―1)
70wt%、平均粒径45nmのシリカ(D―1)15
wt%、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル8
wt%及びエチレンオキシド・プロピレンオキシド共重
合体7wt%からなる固形分の4wt%水性塗液(造膜
温度69℃)をグラビアコーターで塗布した。続いて乾
燥しつつ横方向に3.9倍延伸し、熱処理してから、再
び縦方向に1.8倍延伸し、更に横方向に1.2倍延伸
し、次いで233℃で熱処理した。層Aの厚さは1.2
μm、層Bの厚さは4.7μmであり、塗膜厚さは37
nmであった。このフイルムの特性を表1に示す。
において塗剤、塗膜厚さを表1に示すように変える以外
は同様に行なった。その結果を表1に示す。なお、実施
例4〜8の水性塗液の造膜温度は68〜71℃であっ
た。
ン酸―アジピン酸―4―Kスルホイソフタル酸―エチレ
ングリコール―1,4―ブタンジオール系共重合ポリエ
ステル(二次転移点:97℃) D―2:架橋ポリスチレン微粒子(平均粒径39nm)
り性等に優れ、磁気記録媒体のベースフイルムとして有
用なポリエステルフイルムを提供することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 微粒子を含まないポリエチレン−2,6
−ナフタレンジカルボキシレートからなる層Aと平均粒
径10〜200nmの微粒子を含有するポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレートからなる層Bの
複合フイルムをベースとし、該層Aの外表面に二次転移
点が45〜165℃の親水性ポリエステル樹脂を含みか
つ造膜温度が5〜80℃の水性塗液を用いた、厚さ1〜
100nmの易接着性塗膜が設けられていることを特徴
とする磁気記録媒体用ポリエステルフイルム。 - 【請求項2】 層Bの厚みが層Aの厚みより厚い請求項
1記載の磁気記録媒体用ポリエステルフイルム。 - 【請求項3】 フイルムの少くとも一方向のヤング率が
700kg/mm2以上である請求項1記載の磁気記録
媒体用ポリエステルフイルム。 - 【請求項4】 親水性ポリエステル樹脂の酸成分がスル
ホン酸塩基を有するジカルボン酸成分を17モル%以下
含んでいる請求項1記載の磁気記録媒体用ポリエステル
フイルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06185838A JP3130737B2 (ja) | 1994-08-08 | 1994-08-08 | 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06185838A JP3130737B2 (ja) | 1994-08-08 | 1994-08-08 | 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0848011A JPH0848011A (ja) | 1996-02-20 |
JP3130737B2 true JP3130737B2 (ja) | 2001-01-31 |
Family
ID=16177768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06185838A Expired - Lifetime JP3130737B2 (ja) | 1994-08-08 | 1994-08-08 | 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3130737B2 (ja) |
-
1994
- 1994-08-08 JP JP06185838A patent/JP3130737B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0848011A (ja) | 1996-02-20 |
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