JP3130450B2 - 流量制御弁 - Google Patents

流量制御弁

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JP3130450B2
JP3130450B2 JP07164875A JP16487595A JP3130450B2 JP 3130450 B2 JP3130450 B2 JP 3130450B2 JP 07164875 A JP07164875 A JP 07164875A JP 16487595 A JP16487595 A JP 16487595A JP 3130450 B2 JP3130450 B2 JP 3130450B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水道などの各種流路の
開閉や流量調整のために用いられる流量制御弁に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】この種の流量制御弁として従来から知ら
れているものに、多孔可変オリフィス弁がある。この多
孔可変オリフィス弁は、多数の孔を有する固定板を弁箱
内に固定し、この固定板側の孔に対応する多数のオリフ
ィス用孔を有する可動板を上記固定板の上流側面に摺動
可能に当接させており、この可動板を外部から弁棒を介
して摺動操作して、可動板側の孔を固定板側の孔に一致
させたときを全開状態とし、また、可動板側の孔をその
直径分だけ移動させて該可動板の非孔部で固定板側の孔
を閉塞したときを全閉状態とし、さらに、上記可動板の
全開位置と全閉位置との中間で両孔の開度を調整するこ
とにより、流量を制御するように構成されたものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような構成の
多孔可変オリフィス弁からなる従来の流量制御弁では、
可動板が全開あるいは中間開度にあるとき、流体が可動
板側の孔および固定板側の孔からそのまま下流側に噴き
出されるので、その噴出音によって比較的大きな騒音を
発生し、また、全閉時には固定板と可動板という2枚の
板同士の流体圧による面圧のみで止水するものであるた
めに、流体圧が小さい場合や長期間使用にともない板面
が摩耗したような場合の漏れ量が多くなるといった問題
があった。
【0004】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、従来の多孔可変オリフィス弁と同様に小ストローク
で全開、全閉を含む流量制御が可能であるのはもちろ
ん、流体の噴出による騒音の発生を抑制することができ
るとともに、全閉時の止水性能を向上することができる
流量制御弁を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明に係る流量制御弁は、弁箱内に上流側と
下流側とを仕切って形成し、下方向に貫通する開口を有
する隔壁と、隔壁の開口に設けた弁座と、弁座の上方に
垂直姿勢で固定し、周壁に多数の孔を有するとともに下
端側が隔壁の開口に連通する固定筒と、固定筒内に筒軸
心方向に摺動可能に嵌合する可動筒とを備え、可動筒
は、底壁の外周部に一体形成したつば部を有する有底筒
状をなし、周壁に固定筒の孔に対応する孔を有するとと
もに、つば部に弁座に圧接するシートを有し、筒軸心方
向への摺動移動によって固定筒の孔を開閉し、全閉位置
で隔壁の開口を全閉し、開位置で弁箱内に流入した流体
を孔を通して外側から内側に噴出させるものである。
【0006】
【作用】本発明によれば、外部からの操作により可動筒
をそれに設けた孔の直径相当分だけ固定筒に対して筒軸
心方向に移動させることによって、該可動筒側の孔と固
定筒側の孔とが一致した全開状態と可動板の非孔部で固
定板側の孔を閉塞した全閉状態およびその中間開度とい
う流量制御を任意に行える。そして、可動板が全開ある
いは中間開度にあるときは、弁箱内に流入した流体が上
記両筒の外側から両孔を通して筒の内側に噴出し、それ
ら噴出流が筒内で相互にぶつかり合うことによる消音機
能が発揮されて、騒音の発生を抑制することができる。
また、全閉状態では上記可動筒と弁箱との間にゴムシー
トなどを設けることで止水することが可能であり、した
がって、両筒の面圧に関係なく、止水性能を向上させる
ことができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1および図2はそれぞれ本発明の一実施例によ
る流量制御弁を全開状態と全閉状態で示す縦断側面図で
ある。図1および図2において、1は弁箱本体であり、
その一側部に流体Qの流入口1aが、他側部に流出口1
bがそれぞれ形成され、さらに、その中央部には、内部
に連通する筒部1cが垂直に形成されており、この筒部
1cの上端開口1dは上記弁箱本体1にボルト2などを
介して固定される上蓋3で閉塞されている。また、上記
筒部1cに対応して弁箱本体1の中央下部に形成された
孔部1eは該弁箱本体1にボルト4などを介して固定さ
れる下蓋5で閉塞されている。上記弁箱本体1、上蓋3
および下蓋5などにより弁箱6が構成されている。
【0008】7は上記弁箱6内の上流側と下流側を仕切
る状態で該弁箱6内に設けられた隔壁であり、この隔壁
7の中央水平部7aには、上記筒部1cと同心状で上下
方向に貫通する円形の開口8が形成されており、この開
口8の内周面には、環状の弁座9が固定されている。
【0009】10はその周壁に多数のオリフィス用孔1
1を有し、上記筒部1cに同心状で垂直に配設された固
定筒であり、その上端側つば部10aは上記筒部1cの
上端開口側段部1fに係止固定される一方、その下端側
10bは上記弁座9を介して上記開口8に接続されてい
る。12はその周壁に上記固定筒10側の孔11に対応
する多数の孔13を有し、上記固定筒10に対して筒軸
心方向に摺動移動可能に内嵌された有底可動筒であり、
上記孔13の直径相当分の筒軸心方向の移動によって固
定筒10側の孔11を開閉し、その開位置では、弁箱6
内に流入した流体Qを上記孔11,13を介して両筒1
0,12の外側から内側に噴出させるように構成されて
いる。14は上記可動筒12の下部側に形成されて、上
記開位置で該可動筒12内に噴き出した流体Qを隔壁7
よりも下流側に流下させるための流通孔である。
【0010】上記可動筒12の底壁12aの外周部に
は、つば部12bが一体形成されており、このつば部1
2bの上面に形成された環状凹所15には、可動筒8の
全閉時に上記弁座9の下面に圧接する環状のゴムシート
16が配置されている。
【0011】17は上記筒部1cと同軸上に配設されて
上記上蓋3を貫通する弁棒であり、その下端17aが上
記可動筒12の底壁12aの中央に連結されており、ま
た、この弁棒17の上端部側には、雄ねじ部18が形成
されている。19は上記上蓋3の上面に筒形取付体20
を介して取り付けられた駆動装置であり、この駆動装置
19には、上記弁棒17の雄ねじ部18に螺合して回転
により上記弁棒17を上下方向に変位させる雌ねじ部2
1が設けられている。
【0012】なお、図中、22は上記下蓋5に設けられ
て上記可動筒12の下限位置を調整するボルトである。
以下、上記した構成の流量制御弁の作用について説明す
る。駆動装置19により雌ねじ部21を回転させて、弁
棒17を介して上記可動筒12を筒軸心方向の下方に移
動させて図1の全開位置に設定すると、固定筒10側の
孔11と可動筒12側の孔13とが図3のように一致す
るので、弁箱6内に流入した流体Qは上記孔11,13
を通して可動筒12の外側から内側に噴き出された後、
流通孔14を経て弁箱6の流出口1b側へと流出する。
また、上記可動筒12側の孔13を固定筒10側の孔1
1に対して直径以内の範囲でずらして中間開度とするこ
とにより、上記流体Qの流量を任意に調整することがで
きる。上記のような全開状態および中間開度の状態にお
いては、流体Qが孔11,13を通して可動筒12の外
側から内側に噴出し、それら噴出流が可動筒12内でぶ
つかり合うために消音機能が発揮され、騒音の発生が効
果的に抑制される。
【0013】また、上記駆動装置19により雌ねじ部2
1を回転させて、弁棒17を介して上記可動筒12を図
1の全開位置から筒軸心方向の上方に移動させて図2の
全閉位置に設定すると、固定筒10側の孔11が図4の
ように可動筒12の非孔部で閉塞されるので、弁箱6内
の流路が遮断断される。この全閉状態では、該可動筒1
2のつば部12b側のゴムシート16が上記弁座9の下
面に圧接して、可動筒12と弁箱6との間で止水される
ことにな里、全閉時の止水性能が高められ、漏れ量を著
しく低減させることができる。
【0014】なお、上記固定筒10を有底とし、この有
底固定筒10に対して上方から可動筒12を内嵌させる
構成としてもよい。
【0015】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ともに
周壁に多数の孔を有し、互いに内外二重に嵌合する可動
筒および固定筒を弁箱内に設け、可動筒の開位置におい
て弁箱内に流入した流体を上記孔を通して上記筒の外側
から内側に向けて噴き出させるようにしたので、流体が
筒内部で相互にぶつかり合って消音機能が発揮されるた
めに、騒音を著しく低減することができる。しかも、全
閉時には、可動筒の筒軸線方向の一端部と弁箱との間で
ゴムシートなどを用いた止水構造を採用することができ
るため、板同士の面圧で止水する従来のものに比べて、
止水性能の著しい向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による流量制御弁を全開状態
で示す縦断側面図である。
【図2】同上実施例による流量制御弁を全閉状態で示す
縦断側面図である。
【図3】全開位置での可動筒側の孔と固定筒側の孔との
位置関係を示す縦断側面図である。
【図4】全閉位置での可動筒側の孔と固定筒側の孔との
位置関係を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
6 弁箱 7 隔壁 8 開口 10 固定筒 10b 固定筒の下端側 11 固定筒側の孔 12 可動筒 13 可動筒側の孔 Q 流体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−190980(JP,A) 特開 昭48−65530(JP,A) 特開 昭62−297570(JP,A) 特開 昭55−40356(JP,A) 実開 昭55−93776(JP,U) 実開 平2−81970(JP,U) 特公 平4−47195(JP,B2) 特公 昭58−44910(JP,B2) 特公 昭60−48669(JP,B2) 特公 平2−53661(JP,B2) 実公 昭54−12735(JP,Y2) 実公 昭63−11430(JP,Y2) 実公 昭62−38060(JP,Y2) 実公 昭45−3253(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 3/00 - 3/36 F16K 47/00 - 47/02 F16K 1/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁箱内に上流側と下流側とを仕切って形
    成し、下方向に貫通する開口を有する隔壁と、隔壁の開
    口に設けた弁座と、弁座の上方に垂直姿勢で固定し、周
    壁に多数の孔を有するとともに下端側が隔壁の開口に連
    通する固定筒と、固定筒内に筒軸心方向に摺動可能に嵌
    合する可動筒とを備え、 可動筒は、底壁の外周部に一体形成したつば部を有する
    有底筒状をなし、周壁に固定筒の孔に対応する孔を有す
    るとともに、つば部に弁座に圧接するシートを有し、筒
    軸心方向への摺動移動によって固定筒の孔を開閉し、全
    閉位置で隔壁の開口を全閉し、開位置で弁箱内に流入し
    た流体を孔を通して外側から内側に噴出させる ことを特
    徴とする流量制御弁。
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