JP3130228B2 - 電解液およびそれを用いた電気化学素子 - Google Patents
電解液およびそれを用いた電気化学素子Info
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Description
二重層コンデンサ、イオンの電荷移動による充電/放電
機構を有する電池、エレクトロクロミック表示素子など
に使用する電解液およびそれを用いた電気化学素子に関
するものである。
は、芳香族カルボン酸(フタル酸等)の第4級アンモニ
ウム塩を電解質としたもの(特開昭62−145715
号)、マレイン酸の第4級アンモニウム塩を電解質とし
たもの(特開昭62−145713号)、脂肪族飽和モ
ノカルボン酸(蟻酸等)の第4級アンモニウム塩を電解
質としたもの(特開昭62−226614号)、脂肪族
飽和ジカルボン酸(マロン酸等)の第4級アンモニウム
塩を電解質としたもの(特開昭62−248217号)
などが知られている。
酸の第4級アンモニウム塩を電解質としたものは電導度
が不十分であり、またマレイン酸、蟻酸、マロン酸等の
第4級アンモニウム塩を電解質としたものは高温での安
定性が不十分であった。
質とした電解液は、第4級アンモニウムの電気化学的な
変質により、コンデンサを構成する材料である樹脂やゴ
ム、金属を劣化させたり、腐食させる等の不具合があっ
た。
で、電導度が高く、電気化学的な変質時にも樹脂やゴ
ム、金属を劣化させたり、腐食させたりすることなく、
熱的にも安定性の高い電解液およびそれを用いた電気化
学素子を提供することを目的とするものである。
に本発明の電解液は、(化3)で示されるイミダゾリン
化合物を陽イオン成分とする塩を電解質としたもので、
さらに本発明の電気化学素子は前記電解液を用いるよう
にしたものである。
アルキル基であり、R1、R2、R3の2つ以上が同じ炭
素数のアルキル基でも良い。R4は炭素数1〜3のアル
キル基または水素であり、炭素数1〜3のアルキル基の
場合、R4はR1、R2、R3のいずれかと同じ炭素数のア
ルキル基でも良い。)
場と異なり、本発明のイミダゾリン化合物を陽イオン成
分とする塩は非局在化したN−C−Nのアミジン基が4
級化されているため、陽イオンが共鳴安定化してイオン
解離が促進され、高い電導度が得られる。
キル基を導入することにより、イミダゾリン環の熱的な
安定性が向上することになるため、ガス発生も少ない。
水酸化物イオンが生じた場合にも、水酸化物イオンとN
−C−Nのアミジン基との反応、分解開環により速やか
に電解生成物が消失するため、コンデンサを構成する材
料である樹脂やゴム、金属を劣化させたり、腐食させる
ことはなくなる。
ダゾリン化合物を陽イオン成分とする塩を電解質とした
電解液である。
アルキル基であり、R1、R2、R3の2つ以上が同じ炭
素数のアルキル基でも良い。R4は炭素数1〜3のアル
キル基または水素であり、炭素数1〜3のアルキル基の
場合、R4はR1、R2、R3のいずれかと同じ炭素数のア
ルキル基でも良い。) 本発明の電解液に用いるイミダゾリン化合物の陽イオン
の例としては、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾ
リニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダ
ゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミ
ダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイ
ミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチル
イミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミ
ダゾリニウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリニウ
ム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、
1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリニウム、1,
2,3−トリエチルイミダゾリニウムなどが挙げられ
る。
1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,
3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウムであ
る。
ポリカルボン酸(2〜4価):脂肪族ポリカルボン酸
[飽和ポリカルボン酸、例えばシュウ酸,マロン酸,コ
ハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベリ
ン酸,アゼライン酸,セバチン酸,1,6−デカンジカ
ルボン酸,5,6−デカンジカルボン酸:不飽和ポリカ
ルボン酸、例えばマレイン酸,フマル酸,イコタン
酸];芳香族ポリカルボン酸、例えばフタル酸,イソフ
タル酸,テレフタル酸,トリメリット酸,ピロメリット
酸;脂環式ポリカルボン酸、例えばテトロヒドロフタル
酸(シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸等),ヘキ
サヒドロフタル酸;これらのポリカルボン酸のアルキル
(炭素数1〜3)もしくはニトロ置換体、例えばシトコ
ラン酸,ジメチルマレイン酸,ニトロフタル酸(3−ニ
トロフタル酸,4−ニトロフタル酸);および硫黄含有
ポリカルボン酸、例えばチオプロピオン酸;モノカルボ
ン酸;脂肪族モノカルボン酸(炭素数1〜30)[飽和
モノカルボン酸、例えばギ酸,酢酸,プロピオン酸,酪
酸,イソ酪酸,吉草酸,カプロン酸,エナント酸,カプ
リル酸,ペラルゴン酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,ス
テアリン酸,ベヘン酸:不飽和モノカルボン酸、例えば
アクリル酸,メタクリル酸,オレイン酸];芳香族モノ
カルボン酸、例えば安息香酸,o−ニトロ安息香酸、p
−ニトロ安息香酸、ケイ皮酸,ナフトエ酸;オキシカル
ボン酸、例えばサリチル酸,マンデル酸,レゾルシル酸 無機酸;リン酸、ホウ酸、ホウフッ酸、4フッ化ホウ
酸、過塩素酸、6フッ化リン酸、6フッ化アンチモン
酸、6フッ化ヒ素酸、などが例として挙げられる。
く熱的にも安定な、マレイン酸,フタル酸,アジピン
酸,安息香酸である。
トラアルキルイミダゾリニウムとの割合は、電解液のp
Hにして、通常4〜11、好ましくは6〜9である。こ
の範囲外では、電解液の火花電圧が低下する。
は、アルコール類[1価アルコール(ブチルアルコー
ル、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、アミ
ノアルコールなど);2価アルコール(エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、
ヘキシレングリコール、フェニルグリコールなど);3
価アルコール(グリセリン、3−メチルペンタン−1,
3,5−トリオールなど);ヘキシトールなど]、エー
テル類[モノエーテル(エチレングリコールモノメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレング
リコールモノフェニルエーテルなど);ジエーテル(エ
チレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)
など]、アミド類[ホルムアミド類(N−メチルホルム
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエ
チルホルムアミドなど);アセトアミド類(N−メチル
アセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エ
チルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミドな
ど);プロピオンアミド類(N,N−ジメチルプロピオ
ンアミドなど);ヘキサメチルホスホリルアミドな
ど]、オキサゾリジノン類(1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジン−2−オン
など)、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンお
よびこれら2種以上の混合物が挙げられる。
く熱的にも安定な、エチレングリコール、1,3−ジメ
チル−2−イミダゾリジノン、3−メチルオキサゾリジ
ン−2−オン、γ−ブチロラクトン単独およびこれらの
群より選ばれる2種以上との混合溶媒である。そしてこ
の中でも特に好ましいのは、γ−ブチロラクトン単独、
またはγ−ブチロラクトンとエチレングリコールとの混
合溶媒であり、そのときのγ−ブチロラクトンの含有量
は、溶媒の重量に基づいて50〜100%が好ましい。
なお、γ−ブチロラクトンの含有量が50%未満では電
導度が著しく低下するものである。
させることもできる。その含有量は電解液の重量に基づ
いて通常10%未満である。水の含有量が10%以上で
はガス発生が大きくなり、電解コンデンサの特性を著し
く劣化させる。
添加剤を混合しても良い。添加剤としては、リン系化合
物[リン酸、リン酸エステルなど]、ホウ酸系化合物
[ホウ酸、ホウ酸と多糖類(マンニット、ソルビット、
など)との錯化合物、ホウ酸と多価アルコール(エチレ
ングリコール、グリセリン、など)]との錯化合物、ニ
トロ化合物[p−ニトロ安息香酸、p−ニトロフェノー
ル、など]が挙げられる。
は、電解液の重量に基づいて通常1〜70重量%、好ま
しくは5〜40重量%である。この範囲外では電導度が
著しく低下する。
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以
下、部はすべて重量部を示す。
来例1〜2の電解液組成と30℃で測定した電導度とこ
れらの電解液に熱処理(105℃、500時間)を施し
た後、30℃で測定した電導度を示したものである。
例1〜3の電解液は、従来例1の電解液と比較して電導
度が高い。また、本発明の実施例1〜3の電解液は、従
来例2の電解液と比較して電導度の熱的な安定性も高
い。
1〜2の電解液を使用して巻き取り形のアルミ電解コン
デンサ(定格電圧35V−静電容量2200μF、サイ
ズ;φ16mm×L35mm)を作成した。アルミ引き
出しリードには両極共に陽極酸化処理を施し、封口ゴム
には硫黄加硫のブチルゴムを使用した。このアルミ電解
コンデンサに逆電圧−2.0Vを印加して、125℃の
恒温槽中で劣化させ、封口部の外観を経時的に観察し
た。その結果を(表2)に示す。
施例1〜3の電解液は、1000時間経過した時点でも
封口ゴムの劣化による液漏れ等の異常は観察されなかっ
た。
導度を示し、かつその熱的な安定性にも優れ、また電気
化学的な変質時においても、樹脂やゴム、金属を劣化さ
せたり、腐食させる等の不具合もないもので、この本発
明の電解液を電解コンデンサに使用した場合は、低損失
で、かつ高温でも電気的特性の安定した、長寿命で信頼
性の高い電解コンデンサを得ることができる。
ンサ、イオンの電荷移動による充電/放電機構を有する
電池、エレクトロクロミック表示素子などに使用した場
合は、電解液と接触する樹脂やゴム、金属を劣化させた
り、腐食させる等の不具合もないため、信頼性の高い電
気化学素子を構成できるものである。
Claims (7)
- 【請求項1】 (化1)で示されるイミダゾリン化合物
を陽イオン成分とする塩を電解質とした電解液。 【化1】 (式中、R1、R2、R3は炭素数1〜3のアルキル基で
あり、R1、R2、R3の2つ以上が同じ炭素数のアルキ
ル基でも良い。R4は炭素数1〜3のアルキル基または
水素であり、炭素数1〜3のアルキル基の場合、R4は
R1、R2、R3のいずれかと同じ炭素数のアルキル基で
も良い。) - 【請求項2】 イミダゾリン化合物が1,2,3,4−
テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチ
ル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−
2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル
−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−
2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,
3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,2,3−
トリメチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−
エチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3−エチ
ルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾ
リニウムから選ばれる1種以上である請求項1記載の電
解液。 - 【請求項3】 イミダゾリン化合物を陽イオン成分とす
る塩を構成する酸がカルボン酸、リン酸、モノまたはジ
アルキルリン酸エステル、無機酸からなる群から選ばれ
る1種以上である請求項1または2記載の電解液。 - 【請求項4】 イミダゾリン化合物を陽イオン成分とす
る塩を構成する酸がフタル酸および/またはマレイン酸
である請求項1〜3のいずれかに記載の電解液。 - 【請求項5】 溶媒としてγ−ブチロラクトンおよび/
またはエチレングリコールを含有する請求項1〜4のい
ずれかに記載の電解液。 - 【請求項6】 (化2)で示されるイミダゾリン化合物
を陽イオン成分とする塩を電解質とした電解液を用いて
なる電気化学素子。 【化2】 (式中、R1、R2、R3は炭素数1〜3のアルキル基で
あり、R1、R2、R3の2つ以上が同じ炭素数のアルキ
ル基でも良い。R4は炭素数1〜3のアルキル基または
水素であり、炭素数1〜3のアルキル基の場合、R4は
R1、R2、R3のいずれかと同じ炭素数のアルキル基で
も良い。) - 【請求項7】 電気化学素子が電解コンデンサである請
求項6記載の電気化学素子。
Priority Applications (1)
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JP07127841A JP3130228B2 (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 電解液およびそれを用いた電気化学素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07127841A JP3130228B2 (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 電解液およびそれを用いた電気化学素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08321440A JPH08321440A (ja) | 1996-12-03 |
JP3130228B2 true JP3130228B2 (ja) | 2001-01-31 |
Family
ID=14969995
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP07127841A Expired - Lifetime JP3130228B2 (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 電解液およびそれを用いた電気化学素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Families Citing this family (8)
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JP4745470B2 (ja) * | 1998-02-03 | 2011-08-10 | 日本ケミコン株式会社 | 電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ |
JP4780811B2 (ja) * | 1998-02-18 | 2011-09-28 | 日本ケミコン株式会社 | 電解コンデンサ用電解液およびそれを用いた電解コンデンサ |
JP4198796B2 (ja) * | 1998-10-21 | 2008-12-17 | ニチコン株式会社 | アルミニウム電解コンデンサの製造方法 |
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KR101843549B1 (ko) | 2011-01-07 | 2018-03-30 | 삼성전자주식회사 | 전기 변색 소자 |
CN112582179B (zh) * | 2019-09-30 | 2022-07-19 | 深圳新宙邦科技股份有限公司 | 一种电解电容器 |
-
1995
- 1995-05-26 JP JP07127841A patent/JP3130228B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH08321440A (ja) | 1996-12-03 |
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