JP3129953B2 - 分解、改質等の反応処理装置 - Google Patents

分解、改質等の反応処理装置

Info

Publication number
JP3129953B2
JP3129953B2 JP07327583A JP32758395A JP3129953B2 JP 3129953 B2 JP3129953 B2 JP 3129953B2 JP 07327583 A JP07327583 A JP 07327583A JP 32758395 A JP32758395 A JP 32758395A JP 3129953 B2 JP3129953 B2 JP 3129953B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
reaction fluid
cooling
fluid
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP07327583A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09166227A (ja
Inventor
喜久 斎藤
武彦 守谷
正澄 金澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Electric Power Co Inc
Original Assignee
Tohoku Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Electric Power Co Inc filed Critical Tohoku Electric Power Co Inc
Priority to JP07327583A priority Critical patent/JP3129953B2/ja
Publication of JPH09166227A publication Critical patent/JPH09166227A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3129953B2 publication Critical patent/JP3129953B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lift Valve (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば水熱反応等
に用いる高圧、高温下の反応処理装置において、反応処
理対象流体中に存在する粉粒体が流路内に詰まるのを防
止することのできる超臨界流体反応処理装置、水熱反応
処理装置の反応容器内の圧力および反応流体の流量を調
整するのに好適の圧力調整弁と、そのための冷却装置を
備える分解、改質等の反応処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、廃棄物の分解処理、有機・無
機化合物の合成、微粒子の生成を行うために超臨界流体
を溶媒として用いる超臨界流体反応処理方法、高温・高
圧の水と処理対象物を接触させる水熱反応処理方法が試
みられ、これらの処理方法により石炭、重質油、ゴム、
廃プラスチック、し尿、PCBの分解処理、微粒子の製
造を行うことが具体的に提案されている。
【0003】これらの処理方法は、バッチ式オートクレ
ーブを用いて行われる実験室規模程度のものであって、
大量の処理を可能として工業化を実現するためには、反
応流体(反応処理装置を流れる処理対象物、溶媒、水、
反応促進剤等の混合液である反応処理対象流体を総称す
る)を連続的に処理することのできる反応処理装置の開
発が要望されるが、水熱反応処理等では、処理を安定か
つ効率よく行うために、反応容器内で反応流体の圧力、
温度、流量を一定に保つことが必要であり、このため、
反応容器の出口側に圧力調整弁を設けて連続的に反応流
体を排出することが試みられている。
【0004】水熱反応により、例えばフロン12を分解
する場合、フロンは加水分解作用により(1)式により
分解される。
【0005】溶媒に水だけを用いた場合(1)式の反応
により強い酸性物質であるHC1(塩酸)とHF(フッ
酸)が生成し、溶液は強い酸性となり装置を腐食させて
しまい装置が長期間使用できない。従って、NaOH
(水酸化ナトリウム)を添加し、腐食生成物であるHC
1とHFを瞬時に中和し、腐食を防止することが必要に
なる。このときの反応は(1)式と同様に総括的に示す
と(2)、(3)、(4)式で表すことができる。但
し、分解反応は種々の反応が同時併発的に進行するため
に、反応の解析は容易ではない。
【0006】 CCl22+2H2O→CO2+2HCl+2HF (1) NaOH+CO2→NaHCO3 (2) NaOH+HCl→NaCl+H2O (3) NaOH+HF→NaF+H2O (4) これらの反応で副生するNaF(フッ化ナトリウム)は
常温の水に対する溶解度は低いものの高温熱水中におい
ては溶解度が増大するためにNaFが副生しても水熱反
応処理が進行する反応パイプ等の反応流体の流路中に集
積することはない。上述の通り、反応は種々の反応が同
時併発的に進行し複雑になるため、反応条件等によって
はフロンの分解に伴い様々な粉体が副生する。粉体生成
物のX線回折によれば、NaFの他に蓚酸ナトリウム、
炭酸ナトリウム、蓚酸水素ナトリウムなどが粉粒体生成
物として生成している。
【0007】しかし冷却装置において反応流体の温度を
下げると、副生したNaF量が反応流体に対する可溶解
量よりも多い場合、溶解しきれずに、冷却による温度の
減少とともに急激に粉粒体となって析出する。
【0008】このNaFは冷却と同時に析出し冷却装置
のチューブに付着し、徐々に成長し時間とともにチュー
ブが閉塞する。
【0009】また、チューブの曲げ部分や断面変化部分
では流速の変化などによりチューブ曲げ部分などにこれ
らの生成物が集まり成長して結晶となりやがてこの部分
を閉塞するに至る。
【0010】図1、図2に示す圧力調整弁50は、入口
51と出口52とが直交して連通するポート53内にお
いて、弁座54が入口側に設けられ、この弁座54に対
面して先端が半球形状の弁体55がスリーブ56内をス
プリング57の付勢力により摺動可能に配設されてい
る。調整ネジ機構58を手動操作することによりスプリ
ング57の付勢力が調整され、スプリング57の付勢力
を調節することにより流路内の反応流体の圧力、流量調
整を行うことができる。図1の一部を拡大して模式的に
図2として示すように、反応流体中に粉粒体61が存在
する場合には、ポート53内に詰まり易くなり、ポート
53に粉粒体61の堆積が生じると、反応処理に支障を
来たすだけでなく安全性の低下という事態を招く。
【0011】閉塞に至らない場合でも、反応流体中に粉
粒体61が存在する場合、圧力調整弁50内では流路が
詰まることが考えられ、この流路の詰まりは圧力調整弁
50の機能の低下を招くから、水熱反応処理に限らず本
質的に好ましくないものであるが、従来の水熱反応処理
装置では、この欠点を補うために、反応容器に加熱装
置、冷却装置の両方を装備し、必要なときにこれらの装
置を稼働させなければならず、過剰の設備を要求され、
そのコントロールが複雑化するという事態を招くに至っ
ていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みて為されたもので、その課題の第1は反応流体中
に存在する粉粒体が流路内に詰まるのを防止することの
できる、とりわけ超臨界流体反応処理装置、水熱反応処
理装置を提供することにある。
【0013】課題の第2は、冷却過程で析出する粉粒体
を予め極力除去し、調整弁の流路に入り込む粉粒体の詰
まりに伴うトラブルを本質的に事前に解決するための冷
却装置を備えた反応処理装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、反応流体の流路開口内に進退する直棒
状のロッドからなるロッド弁体と、該ロッド弁体をその
軸線のまわりに回転駆動する回転駆動源とを備え、ロッ
ド弁体の外周には生成した粉粒体を粉砕しつつ案内し排
出するのに好適な螺旋状の案内溝を形成する。好ましく
は、さらにこのロッド弁体は、螺旋状の案内溝を有する
とともにその流路開口への進入先端がテーパ面とされ、
更に、その流路への先端部の進入量を調整できる機構と
する。
【0015】本発明の反応処理装置は、反応流体の導入
・導出流路よりも断面積が大きく、周囲を冷却流体で冷
却される冷却筒の構造をとり、この冷却筒の軸方向の底
面壁に反応流体の導入流路を構成するチューブが接続し
てあり、同上面壁には冷却された反応流体の導出流路
(チューブ)が接続された冷却装置を備える。
【0016】更に冷却筒内に、スクリュー羽根を回転可
能に設置し、反応流体がスクリュー羽根に沿って回転し
ながら移動するようにする。所定時間の使用後スクリュ
ー羽根を回転させ析出した粉粒体等を取り出す。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明によれば、案内溝を有する
ロッド弁体の回転により、反応流体中に存在する粉粒体
が粉砕されつつ排出される。すなわち、ロッド弁体の外
周に粉粒体を粉砕しつつ案内する螺旋状の案内溝を形成
することで、スムーズに粉粒体を排出でき、このロッド
弁体を設置した部位例えば圧力調整弁の詰まりを防止で
きる。ロッド弁体の回転数を調整することにより、反応
流体の流量、圧力調整が可能である。
【0018】本発明によれば、冷却筒体の底面壁から反
応流体の導入路を構成するチューブが所定長だけ突出し
ており、反応流体が冷却装置本体に流入するまでは冷却
水の影響をほとんど受けないので、底面壁から反応流体
の導入路を構成するチューブ内で粉粒体が析出すること
なく、しかも析出量は最小限に抑えることができ、冷却
装置に導入された反応流体は上面壁に達する間に冷却さ
れ、粉体生成物を析出させる。析出した粉粒体は下方に
沈降するので反応流体中に混合して導出することはな
い。粉粒体が相当量析出しても底面壁に沈降するので反
応流体の導入路を構成するチューブや上面壁付近に起因
する閉塞は生じない。
【0019】スクリューを回転しない状態にすると、反
応流体はスクリュー羽根に沿って移動する(羽根は回転
させない)ので冷却経路と時間が長くなるとともに冷却
が緩やかに進行し、このため急激な粉粒体の析出が抑制
される。冷却装置の端面壁を取り出し、モータで羽根を
回転させることにより冷却装置内に沈降した粉粒体を簡
単に取り出すことができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を圧力調整弁を備えた水熱反応
処理装置に適用した実施例を図面を参照しつつ説明す
る。
【0021】図3は水熱反応処理装置のシステムフロー
を示し、ここでは、フロンの分解処理について説明す
る。図3において、タンク1には処理対象としてのフロ
ン液、カセイソーダ液、メタノールの混合液が収容され
ている。この混合液はポンプ2により流量計3で計量さ
れ、配管4により熱交換器5を経由して水熱反応器6に
圧送され、ここで水熱反応処理が行われる。そして、そ
の水熱反応処理流体は再び熱交換器5を経由して冷却装
置7に圧送され、圧力調整弁8を経由して分離器9に導
かれ、この分離器9により反応流体はフロンが分解され
てこれを含有しなくなった清浄水と清浄固体状物とに分
離される。なお、図3において、タンク1、ポンプ2、
流量計3からなる系統と並列に設けられているタンクl
a、ポンプ2a、流量計3aからなる系統は、フロンガ
スの種類によっては常温でガス化するものがあるので、
これらのフロンガスを処理する際に使用する。
【0022】ポンプ2、2aには公知のスラリーポンプ
が用いられ、図4に示すように、このスラリーポンプ
は、シリンダーポンプ10の両端部近傍でその一側にチ
ェック弁11a、11bが設けられ、このチェック弁1
1a、11bに配管12a、12bがそれぞれ連結さ
れ、これらの配管12a、12bはひとまとめにして配
管13とされ、この配管13はタンク1、1aに接続さ
れている。シリンダーポンプ10の両端部近傍でその他
側には、チェック弁11c、11dが設けられ、このチ
ェック弁11c、11dに配管14a、14bがそれぞ
れ連結され、これらの配管14a、14bはひとまとめ
にして配管15とされ、この配管15は水熱反応器6に
接続される。
【0023】シリンダーポンプ10にはピストン17が
挿入され、このピストン17にはシャフト18が連結さ
れ、このシャフト18はシリンダーポンプ10内を貫通
し、その一端部は自由端部とされ、その他端部には駆動
シリンダー19が連結されている。駆動シリンダー19
はシリンダーポンプ10から所定の間隔を開けて配置さ
れ、シャフト18をその軸方向に往復動させる。シャフ
ト18には、シリンダーポンプ10と駆動シリンダー1
9との間にカップリング20が設けられ、このカップリ
ング20の往復動域に臨ませてリミットスイッチ21,
22が設けられている。水熱反応器6は図7に示すよう
に、反応流体がポンプ2から熱交換器5を経由して入口
35に入りかつ出口36から排出され、蛇行したパイプ
37にバンドヒーター38が巻き付けられて構成され
る。バンドヒーター38は、図8に示すように、パイプ
37の外周面を包囲する筒状体39に電熱コイルを収納
して構成され、この電熱コイルは電源40に接続され、
パイプ37内の温度が一定となるように図6に示す制御
部34Aにより通電制御される。熱交換器5は、水熱反
応器6への反応流体の導入路と反応器からの導出路を並
設し、ポンプで注入された反応流体を反応後の反応流体
で熱交換により予熱する。
【0024】水熱反応装置における圧力調整弁8は、冷
却器7の反応処理パイプ23出口側に設けられている
(図3、図5参照)。この圧力調整弁8はスリーブ24
を有し、このスリーブ24の先端には平板部24aが設
けられている。平板部24aには嵌合孔24bが形成さ
れ、この嵌合孔24bには反応処理パイプ23が摺動可
能に嵌合されている。スリーブ24の後端部にはブラケ
ット25が取り付けられ、このブラケット25に回転駆
動源としてのギヤモータ26が固定されている。このギ
ャモータ26の出力軸26aにはカップリング部材27
を介して直棒状のロッド弁体28が連結されている。ロ
ッド弁体28の先端部分はテーパ部28aとされてい
る。このテーパ部28aは、反応処理パイプ23の流路
開口23aから反応処理パイプ23そのものに進入する
ようになされている。そのロッド弁体28の外周には先
端から後端に向かって螺旋形状の案内溝28bが形成さ
れている。
【0025】スリーブ24の壁部には出口29が形成さ
れている。そのスリーブ24の壁部に支持ブラケット3
0が取り付けられている。23cは反応処理パイプ23
を固定支持する反応容器壁構体でACサーボモータ31
が固定されている。このACサーボモータ31の出力軸
31aにはカップリング部材32を介して位置調整ロッ
ド33が連結されている。この位置調整ロッド33の先
端は反応容器壁構体部に当接されている。位置調整ロッ
ド33にはネジ部33aが形成され、このネジ部33a
には支持ブラケット30に形成されたネジ孔30aに螺
合されている。ACサーボモータ31を回転させると、
位置調整ロッド33に対して相対的に支持ブラケット3
0が矢印A−A方向に可動される。これにより、ロッド
弁体28の反応処理パイプ23内への進入量が調整さ
れ、流路開口23aとテーパ部28aとの間の隙間Hが
調節変更され、反応流体の圧力調整、流量が制御され
る。このように、位置調整ロッド33とACサーボモー
タ31とはロッド弁体28の流路内への進入量を調整す
る調整機構を構成している。
【0026】シリンダーポンプ10は、その移動が図6
に示すように、例えばロータリーエンコーダ34により
検出される。このロータリーエンコーダ34の検出出力
は制御部34Aに入力され、この制御部34AによりA
Cサーボモータ31の回転数が制御され、流路開口23
aとテーパ部28aとの間の隙間Hが調節される。
【0027】本発明に関わる反応処理装置によれば、圧
力調整弁8の部位においてロッド弁体28の回転によ
り、反応流体中に存在する粉粒体61が粉砕されつつ排
出される。ロッド弁体28の外周に粉粒体61を粉砕し
つつ案内する螺旋状の案内溝28bが形成されているの
で、スムーズに粉粒体61を粉砕しつつ排出できる。
【0028】図9(a)、(b)、(c)は本発明の反
応処理装置に係わる圧力調整弁8の変形例を示し、この
変形例では、反応処理パイプ23に支持金具23bを介
してスリーブ24を取り付け、このスリーブ24の後端
にACサーボモータ31′を固定し、その出力軸31
a′にカップリング部材32′を介して棒状のロッド弁
体28′を連結している。このロッド弁体28′の外周
には、図9(b)、(c)に拡大して示すように、螺旋
形状の案内溝28b′が形成されており、ロッド弁体2
8′の径の同一部分が所定長さだけ反応処理パイプ23
に進入され、ロータリーエンコーダによりACサーボモ
ータ31′の回転数が制御される。
【0029】この変形例によれば、ロッド弁体28′は
その軸方向に進退する位置調整はなされず、専らその回
転数により圧力調整、流量制御が行われ、隙間Hがほぼ
一定に保たれるので、その調整量は図5に示す圧力調整
弁と比べて小さいが、反応流体に存在する粉粒体の詰ま
りは防止できる。なお、図9(a)において、42はA
Cサーボ端子台、43はロータリーエンコーダ端子台、
44はシールを示す。
【0030】次に、反応処理装置の反応流体の流路に設
置される圧力調整弁の前段において析出した粉粒体を除
去する冷却装置7は、図10に示すように冷却水入口7
3a、同出口73bを有した冷却ジャケット73で囲繞
して、その周囲を冷却水等で冷却される冷却筒70で構
成されており、この冷却筒70の断面は反応流体の導入
路71、導出路72の断面より十分に大きくしてある。
反応流体は、冷却装置7に至る流路71〜71aの間で
冷却されないように冷却筒70の底面壁70aに接続さ
れた反応流体の導入路を構成するチューブから導入され
る。
【0031】導入路71と導出路72を構成するチュー
ブは図10に示すように底面壁70a及び上面壁70b
から突出させて接続し、好ましくは双方のチューブ先端
を冷却筒70の周囲で冷却流体が供給されている位置レ
ベルにそれぞれ一致させると良い。反応流体が冷却装置
7本体に流入するまでは冷却水の影響をほとんど受けな
いので、底面壁70aから反応流体の導入路71を構成
するチューブ内で粉粒体が析出することはない。反応流
体は冷却装置7内で急に流速が低下し、緩やかに冷却さ
れ、この冷却の過程で粉粒体75が析出すると下方に沈
降する。
【0032】冷却速度は冷却筒70の構造の設計等を含
めて任意に調整でき、粉粒体の析出速度を調節できるの
で、粉粒体75の生成量が多くなり得る場合でも粉粒体
が下方に沈降して反応流体中には混合して導出されない
ようにすることができる。
【0033】この冷却装置7の使用により、分解、改
質、合成による反応処理装置における反応流体の流路や
圧力調整弁に粉粒体の詰まりを生じることがなくなり、
反応流体の圧力・流量変動が発生することを防ぎ、安定
した反応を継続することができ、また反応装置の安全性
も向上できる。
【0034】この冷却装置は以上のような特徴があるが
さらに、図11に示すように、冷却筒70′内に軸78
と羽根79からなるスクリュー80を設置し、横型とし
て使用することも可能である。このとき反応流体はスク
リュー80の羽根79に沿って軸78の回りを回転しな
がら迂回経路をとって移動するから冷却時間を適当に長
くとることができる(スクリュー80は回転しない)。
これに伴って冷却が緩やかに進行し、急激に粉粒体が析
出することはない。反応流体の導入路71′は断熱材8
1で包囲してもよい。
【0035】一定時間使用すると、冷却装置7′内に粉
粒体が残留するので定期的に冷却装置7′のフランジ7
7a、77bを取り外し、中に残留している沈降物を取
り出す。さらに、図12のようにモーター82を取り付
けスクリュー80を回転させて排出開口84より取り出
してもよい。
【0036】この清浄操作の後には元通り復元すること
が可能なので再度使用できる。従って、複数の冷却装置
を並列し交互に使用するようにすれば連続作業が可能と
なり運転効率は改善される。
【0037】ここまではフロン12で説明したが、その
他のフロンの処理についても同様に可能である。
【0038】また、フロンと同様に本発明により1,
1,1−トリクロロエタンの分解無害化も可能である
が、アルカリ水熱条件下で1,1,1−トリクロロエタ
ンを処理すると、1,1,1−トリクロロエタン内の塩
素と水素は、分子内脱塩化水素あるいは分子間脱塩化水
素などにより脱離し、最終的には炭化まで進行する。こ
の場合においても炭素などの粉粒体が発生し同様の障害
が起こるが、本発明の冷却装置を使用すれば閉塞を引き
起こすことなく連続運転が可能となる。このことは1,
1,1−トリクロロエタンのみではなく他のハロゲン化
炭化水素化合物を処理する場合についても同様なことが
言える。
【0039】反応処理装置における分解、改質、合成に
際して粉粒体量が多いことが予測される時は、並列(図
13)に上記冷却装置7を必要数接続したものを設置し
て、反応流体は反応流体導入集合チューブ91より導入
して反応流体導出集合チューブ92より導出すればよ
く、分解物質の生成物の量、性状によって自在に対応可
能となる。この場合、図11、12に示す冷却装置7′
を使用してもよい。
【0040】また、鉛直管中の上昇反応流体中の粉粒体
の運動は、鉛直管の内径、上昇反応流体の流速、生成す
る粒子の粒径、形状などにより異なるが、内径、鉛直方
向の距離が異なった冷却装置7を直列(図14)に必要
数接続することにより、生成する粒子を粒径別に分離で
きる。このように、冷却装置7を直列に必要数接続する
ことにより微粒子を製造する場合や、フロン、トリクロ
ロエタン等のように、粉流体が副生成物として生成され
る場合であっても、粉粒体の粒径別に冷却装置7で分離
することにより安定した処理が可能となる。
【0041】本発明は、流体経路に圧力調整弁および冷
却装置をそれぞれ単独で使用しても反応処理過程の粉粒
体生成に伴うトラブルを防止できるものであるが、両者
を併用することによっても極めて信頼性の高い反応処理
装置を構成することができる。
【0042】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成した
ので、反応流体中に存在したり生成する粉粒体を反応系
統から円滑に排出し、流体流路内に詰まるのを防止する
ことができ、この結果とりわけ、超臨界流体反応処理装
置、水熱反応処理装置の反応系統の圧力および流量を調
整するのに好適であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の反応処理装置に用いる圧力調整弁の一例
を示す断面図である。
【図2】従来の反応処理装置における圧力調整弁の不具
合の一例を示す断面図で、図1に示す圧力調整弁の入口
近傍を部分的に拡大して模式的に示した図である。
【図3】本発明が適用される水熱反応処理装置のシステ
ムフロー図である。
【図4】図1に示すポンプの詳細構成を示す平面図であ
る。
【図5】本発明の反応処理装置に係わる圧力調整弁部分
の一例を示す断面図である。
【図6】図5に係わる制御系統の一例を示す図である。
【図7】水熱反応器の一例を示す平面図である。
【図8】水熱反応器の一部を示す破断斜視図である。
【図9】本発明の反応処理装置に係わる圧力調整弁の変
形例を示す図であって、(a)は圧力調整弁部分の部分
断面図、(b)は(a)のB−B線に沿う拡大断面図、
(c)はロッド弁体の部分破断拡大図である。
【図10】本発明の反応処理装置に係わる冷却装置の一
例を示す断面図である。
【図11】本発明の反応処理装置に係わる冷却装置の変
形例を示す部分破断断面図である。
【図12】図11のさらに変形例の部分図である。
【図13】図10の冷却装置を複数並列使用する例を示
す。
【図14】図10の冷却装置を複数直列使用する例を示
す。
【符号の説明】
7、7′ 冷却装置 8 圧力調整弁 23 反応流体の流路パイプ 23a H流路開口 28、28′ ロッド弁体 28a テーパ面 26、31′ 回転駆動源 28b、28b′ 螺旋状の案内溝 30,31,32,33 進入量の調整機構 70、70′ 冷却筒 71、71′ 反応流体導入チューブ 71a 先端部 72、72′ 反応流体導出チューブ 73、73′ 冷却ジャケット 73a、73a′ 冷却水入口 73b、73b′ 冷却水出口 74、74′ 冷却水流路 75 粉粒体生成物(沈降物) 76a、76b フランジ 77a、77b 蓋部材 78 軸 79 スクリュー羽根 80 スクリュー 81 断熱材 82 モーター 84 排出開口 91 反応流体導入集合チューブ 92 反応流体導出集合チューブ
フロントページの続き (72)発明者 斎藤 喜久 宮城県仙台市青葉区中山七丁目2番1号 東北電力株式会社 研究開発センター 内 (72)発明者 守谷 武彦 宮城県仙台市青葉区中山七丁目2番1号 東北電力株式会社 研究開発センター 内 (72)発明者 金澤 正澄 高知県高知市新屋敷1丁目2−12−8 (56)参考文献 特開 昭62−196471(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理対象物を含む反応流体を高温、高圧
    状態下で連続的に分解、改質、合成処理し、該処理後反
    応流体を冷却し、圧力調整弁を介して処理済の反応流体
    を排出する分解、改質等の反応処理装置であり、 前記圧力調整弁は、外周に螺旋状の案内溝を形成し反応
    流体の流路内に進入する直棒状のロッド弁体と、該ロッ
    ド弁体をその軸線のまわりに回転駆動する回転駆動源と
    を備え、ロッド弁体の回転により反応流体の圧力及び流
    量を調整することを特徴とする分解、改質等の反応処理
    装置。
  2. 【請求項2】 処理対象物を含む反応流体を高温、高圧
    状態下で連続的に分解、改質、合成処理し、該処理後反
    応流体を冷却装置で冷却し、圧力調整弁を介して処理済
    の反応流体を排出する分解、改質等の反応処理装置であ
    り、 前記冷却装置は、反応流体の導入路を構成する反応流体
    導入チューブと、反応流体の導出路を構成する反応流体
    導出チューブと、前記反応流体導入チューブおよび反応
    流体導出チューブよりも断面積が大きく周囲を冷却流体
    で冷却される冷却筒と、から成ることを特徴とする請求
    項1に記載の分解、改質等の反応処理装置。
  3. 【請求項3】 前記冷却筒内にスクリュー羽根を設置し
    たことを特徴とする請求項2に記載の分解、改質等の反
    応処理装置。
  4. 【請求項4】 前記スクリュー羽根が回転可能であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の分解、改質等の反応処
    理装置。
  5. 【請求項5】 反応流体の流路に複数の前記冷却筒を直
    列に設置したことを特徴とする請求項2から4のいずれ
    か一に記載の分解、改質等の反応処理装置。
  6. 【請求項6】 反応流体の流路に複数の前記冷却筒を並
    列に設置したことを特徴とする請求項2から4のいずれ
    か一に記載の分解、改質等の反応処理装置。
JP07327583A 1995-12-15 1995-12-15 分解、改質等の反応処理装置 Expired - Fee Related JP3129953B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07327583A JP3129953B2 (ja) 1995-12-15 1995-12-15 分解、改質等の反応処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07327583A JP3129953B2 (ja) 1995-12-15 1995-12-15 分解、改質等の反応処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09166227A JPH09166227A (ja) 1997-06-24
JP3129953B2 true JP3129953B2 (ja) 2001-01-31

Family

ID=18200682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07327583A Expired - Fee Related JP3129953B2 (ja) 1995-12-15 1995-12-15 分解、改質等の反応処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3129953B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1679198B1 (en) 2004-12-27 2010-12-01 Seiko Epson Corporation Printer for printing labels with a peeling mechanism for peeling labels from a web

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2555316B2 (ja) * 1986-02-21 1996-11-20 住友シチックス株式会社 圧力調整バルブ

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09166227A (ja) 1997-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5620606A (en) Method and apparatus for reacting oxidizable matter with particles
CN103831074B (zh) 逆流混合反应器
AU656995B2 (en) Supercritical water oxidation process and apparatus of organics with inorganics
JP3273118B2 (ja) 高圧処理装置
CN103130356B (zh) 废液处理装置和废液处理方法
EP2129973B1 (en) A method of generating heat
EP3151892B1 (en) Systems and methods for processing solid materials using shockwaves produced in a supersonic gaseous vortex
EP0905090A2 (en) Downflow hydrothermal treatment
JP2011121052A (ja) 酸化分解処理装置
Abeln et al. Supercritical Water Oxidation (SCWO): A process for the treatment of industrial waste effluents
EP0739313B1 (en) Method for the supercritical water oxidation of organic compounds
JP5156903B2 (ja) 遠心分離原理によるガスハイドレートの連続製造及び脱水装置及び方法
JP5688724B2 (ja) バイオマス処理方法
JP2003181273A (ja) 水熱処理装置及び処理方法
JP3129953B2 (ja) 分解、改質等の反応処理装置
EP1085927B1 (en) Method and apparatus for treating salt streams
US5755974A (en) Method and apparatus for reacting oxidizable matter with a salt
JP4334162B2 (ja) 反応容器
RU2686150C1 (ru) Установка плазмохимического синтеза наноразмерных порошков и используемый в ней циклон
CN109678194B (zh) 一种二氧化铈氯化装置
Marrone et al. Supercritical water oxidation
CN103086443B (zh) 利用氯化镍溶液制备氧化镍产品及回收盐酸的设备
JP5859713B1 (ja) バイオマスガス化システムおよびバイオマスガス化方法
CN102910690A (zh) 一种废水提温和除盐的方法及设备
JP2002193613A (ja) 加熱反応管接触による連続式白色人工ゼオライト組成物の製造方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071117

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081117

Year of fee payment: 8

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081117

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081117

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091117

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091117

Year of fee payment: 9

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091117

Year of fee payment: 9

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091117

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091117

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101117

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111117

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121117

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees