JP3128467B2 - 2次元映像を3次元映像に変換する方法 - Google Patents

2次元映像を3次元映像に変換する方法

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JP3128467B2 JP07085715A JP8571595A JP3128467B2 JP 3128467 B2 JP3128467 B2 JP 3128467B2 JP 07085715 A JP07085715 A JP 07085715A JP 8571595 A JP8571595 A JP 8571595A JP 3128467 B2 JP3128467 B2 JP 3128467B2
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晋 棚瀬
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  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、VTR、ビデオカメ
ラ等から出力されたり、CATV放送、TV放送等によ
って伝送されてきたりする2次元映像を3次元映像に変
換する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近話題になっている3次元映像表示シ
ステムに使用される3次元映像ソフトは、その大半が3
次元映像表示システム用に特別に作成されたものであ
る。このような3次元映像ソフトは、一般には2台のカ
メラを用いて左目用映像と右目用映像とを撮像して記録
されたものである。3次元映像ソフトに記録された左右
の映像は、ほぼ同時に表示装置に重ね合わされて表示さ
れる。そして、重ね合わされて表示される左目用映像と
右目用映像とを、観察者の左右の目にそれぞれ別々に入
射させることによって、観察者に3次元映像が認識され
る。
【0003】ところで、現在、2次元映像ソフトが多数
存在している。したがって、これらの2次元映像ソフト
から3次元映像を生成することができれば、既存の2次
元映像ソフトと同じ内容の3次元映像ソフトを最初から
作り直すといった手間が省ける。
【0004】このようなことから、2次元映像を3次元
映像に変換する方法が既に提案されている。2次元映像
を3次元映像に変換する従来方法として、次のようなも
のが挙げられる。すなわち、左から右方向に移動する物
体が映っている2次元映像の場合、この元の2次元映像
を左目用映像とし、この左目用映像に対して数フレーム
前の映像を右目用映像とする方法である。このようにす
ると、左目用映像と右目用映像との間に視差が生じるの
で、この両映像をほぼ同時に画面上に表示することによ
り、移動する物体が背景に対して前方に浮き出される。
【0005】なお、左目用映像に対して数フレーム前の
映像は、元の2次元映像をフイールドメモリに記憶さ
せ、所定フィールド数分、遅延して読み出すことにより
得られる。以上のような、従来方法をフィールド遅延方
式ということにする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来方法において
は、左目用映像および右目用映像の一方に対する他方の
遅延量を一定にした場合には、移動物体の動きが速くな
るほど視差が大きくなるため、立体感が変化し3次元映
像がみにくくなる。
【0007】そこで、本出願人は、安定した立体感を得
るために、移動物体の動きが速くなるほど、左目用映像
および右目用映像の一方に対する他方の遅延量を小さく
することを考案した。このようにすると、動きの速い映
像に対しては比較的新しいフィールドが遅延画像として
提示され、動きの遅い映像に対しては比較的古いフィー
ルドが遅延画像として提示される。
【0008】移動物体の動きの速さは、動きベクトルを
検出することによって行われている。この動きベクトル
の検出は、代表点マッチング法に基づいて行われてい
る。つまり、図11に示すように、各フィールドの映像
エリア100内に、複数の動きベクトル検出領域E1
12が設定されている。各動きベクトル検出領域E1
12の大きさは同じである。また、各動きベクトル検出
領域E1 〜E12は、図12に示すように、さらに複数の
小領域eに分割されている。そして、図13に示すよう
に、各小領域eそれぞれに、複数のサンプリング点Sと
1つの代表点Rとが設定されている。
【0009】現フィールドにおける小領域e内の各サン
プリング点Sの映像信号レベルと、前フィールドにおけ
る対応する小領域eの代表点Rの映像信号レベルとの差
(各サンプリング点における相関値)が、各動きベクト
ル検出領域E1 〜E12ごとに求められる。そして、各動
きベクトル検出領域E1 〜E12ごとに、動きベクトル検
出領域内の全ての小領域間において、代表点Sに対する
偏位が同じサンプリング点どうしの相関値が累積加算さ
れる。したがって、各動きベクトル検出領域E 1 〜E12
ごとに、1つの小領域e内のサンプリング点の数に応じ
た数の相関累積値が求められる。
【0010】各動きベクトル検出領域E1 〜E12内にお
いて、相関累積値が最小となる点の偏位、すなわち相関
性が最も高い点の偏位が、当該動きベクトル検出領域E
1 〜E12の動きベクトル(被写体の動き)として抽出さ
れる。そして、各動きベクトル検出領域E1 〜E12の動
きベクトルのうち、信頼性の高い動きベクトルを用い
て、被写体の動きの速度等が算出される。
【0011】各動きベクトル検出領域E1 〜E12ごとに
得られる動きベクトルの信頼性の判断は、各動きベクト
ル検出領域E1 〜E12ごとの、相関累積値の最小値、最
大値、平均値、最小値と平均値との比率、または最小値
と最大値との比率の絶対値に基づいて行われている。つ
まり、これらのいずれかの値と、予め定められた基準値
(固定値)とを比較することにより、対応する動きベク
トル検出領域E1 〜E 12から検出される動きベクトルに
ついて、信頼性があるかないかを判断している。
【0012】このような信頼性判断では、比較的輝度の
低い映像(比較的暗い映像)、繰り返し映像等では、各
動きベクトル検出領域E1 〜E12から検出される動きベ
クトルの全てが信頼性なしとして、全ての動きベクトル
が無効とされてしまうことがある。そうすると、動きの
ある映像であっても動きがないと判定されてしまう。
【0013】移動物体の移動速度が遅いほど遅延量を大
きくさせる2D/3D変換方法において、動きのある映
像であっても動きがないと判定されてしまうと、遅延量
が大きくなりすぎることがあり、つまり視差量が大きく
なりすぎることがあり、2D/3D変換後の映像が非常
に見づらい映像となってしまうという問題がある。
【0014】この発明は、各動きベクトル検出領域から
検出された全ての動きベクトルが、信頼性なしとして、
無効とされてしまうのを防止でき、2D/3D変換後の
映像が見づらくなるのを回避できる2次元映像を3次元
映像に変換する方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明による第1の2
次元映像を3次元映像に変換する方法は、2次元映像信
号から、主映像信号と、主映像信号に対して遅延された
副映像信号とを生成することにより、2次元映像を3次
元映像に変換する方法であって、主映像信号に対する副
映像信号の遅延量が主映像の動きの速度に応じて変化せ
しめられ、主映像の動きの速度は、主映像の映像エリア
内に設定された複数の動きベクトル検出領域それぞれか
ら検出される動きベクトルのうち、少なくとも信頼性あ
りと判定されたものから求められる、2次元映像を3次
元映像に変換する方法において、各動きベクトル検出領
域ごとの相関累積値の平均値、相関累積値の最小値、相
関累積値の最小値に対する相関累積値の平均値の比、お
よび相関累積値の最小値に対する相関累積値の最大値の
比のうちから任意に選択された1つの、全動きベクトル
検出領域分の平均値を算出し、算出された全動きベクト
ル検出領域分の平均値に基づいて、信頼性判定用基準値
を算出し、各動きベクトル検出領域ごとの相関累積値の
平均値、相関累積値の最小値、相関累積値の最小値に対
する相関累積値の平均値の比、および相関累積値の最小
値に対する相関累積値の最大値の比のうちの上記選択さ
れた1と、信頼性判定用基準値とに基づいて、各動きベ
クトル検出領域について算出される動きベクトルの信頼
性を判断することを特徴とする。
【0016】この発明による第2の2次元映像を3次元
映像に変換する方法は、2次元映像信号から、主映像信
号と、主映像信号に対して遅延された副映像信号とを生
成することにより、2次元映像を3次元映像に変換する
方法であって、主映像信号に対する副映像信号の遅延量
が主映像の動きの速度に応じて変化せしめられ、主映像
の動きの速度は、主映像の映像エリア内に設定された複
数の動きベクトル検出領域それぞれから検出される動き
ベクトルのうち、少なくとも信頼性ありと判定されたも
のから求められる、2次元映像を3次元映像に変換する
方法において、各動きベクトル検出領域ごとに算出され
た相関累積値の平均値の、全動きベクトル検出領域分の
平均値を算出し、算出された全動きベクトル検出領域分
の平均値に基づいて、信頼性判定用基準値を算出し、各
動きベクトル検出領域ごとに算出された相関累積値の平
均値が、信頼性判定用基準値以上か否かを判定し、相関
累積値の平均値が、信頼性判定用基準値以上であるとき
に、当該動きベクトル検出領域について算出される動き
ベクトルの信頼性があると判定し、相関累積値の平均値
が、信頼性判定用基準値より小さいときに、当該動きベ
クトル検出領域について算出される動きベクトルの信頼
性がないと判定することを特徴とする。
【0017】この発明による第3の2次元映像を3次元
映像に変換する方法は、2次元映像信号から、主映像信
号と、主映像信号に対して遅延された副映像信号とを生
成することにより、2次元映像を3次元映像に変換する
方法であって、主映像信号に対する副映像信号の遅延量
が主映像の動きの速度に応じて変化せしめられ、主映像
の動きの速度は、主映像の映像エリア内に設定された複
数の動きベクトル検出領域それぞれから検出される動き
ベクトルのうち、少なくとも信頼性ありと判定されたも
のから求められる、2次元映像を3次元映像に変換する
方法において、各動きベクトル検出領域ごとに算出され
た相関累積値の最小値に対する相関累積値の平均値の比
の、全動きベクトル検出領域分の平均値を算出し、算出
された全動きベクトル検出領域分の平均値に基づいて、
信頼性判定用基準値を算出し、各動きベクトル検出領域
ごとに算出された相関累積値の最小値に対する相関累積
値の平均値の比が、信頼性判定用基準値以上か否かを判
定し、相関累積値の最小値に対する相関累積値の平均値
の比が、信頼性判定用基準値以上であるときに、当該動
きベクトル検出領域について算出される動きベクトルの
信頼性があると判定し、相関累積値の最小値に対する相
関累積値の平均値の比が、信頼性判定用基準値より小さ
いときに、当該動きベクトル検出領域について算出され
る動きベクトルの信頼性がないと判定することを特徴と
する。
【0018】この発明による第4の2次元映像を3次元
映像に変換する方法は、2次元映像信号から、主映像信
号と、主映像信号に対して遅延された副映像信号とを生
成することにより、2次元映像を3次元映像に変換する
方法であって、主映像信号に対する副映像信号の遅延量
が主映像の動きの速度に応じて変化せしめられ、主映像
の動きの速度は、主映像の映像エリア内に設定された複
数の動きベクトル検出領域それぞれから検出される動き
ベクトルのうち、少なくとも信頼性ありと判定されたも
のから求められる、2次元映像を3次元映像に変換する
方法において、各動きベクトル検出領域ごとに算出され
た相関累積値の最小値に対する相関累積値の最大値の比
の、全動きベクトル検出領域分の平均値を算出し、算出
された全動きベクトル検出領域分の平均値に基づいて、
信頼性判定用基準値を算出し、各動きベクトル検出領域
ごとに算出された相関累積値の最小値に対する相関累積
値の最大値の比が、信頼性判定用基準値以上か否かを判
定し、相関累積値の最小値に対する相関累積値の最大値
の比が、信頼性判定用基準値以上であるときに、当該動
きベクトル検出領域について算出される動きベクトルの
信頼性があると判定し、相関累積値の最小値に対する相
関累積値の最大値の比が、信頼性判定用基準値より小さ
いときに、当該動きベクトル検出領域について算出され
る動きベクトルの信頼性がないと判定することを特徴と
する。
【0019】この発明による第5の2次元映像を3次元
映像に変換する方法は、2次元映像信号から、主映像信
号と、主映像信号に対して遅延された副映像信号とを生
成することにより、2次元映像を3次元映像に変換する
方法であって、主映像信号に対する副映像信号の遅延量
が主映像の動きの速度に応じて変化せしめられ、主映像
の動きの速度は、主映像の映像エリア内に設定された複
数の動きベクトル検出領域それぞれから検出される動き
ベクトルのうち、少なくとも信頼性ありと判定されたも
のから求められる、2次元映像を3次元映像に変換する
方法において、各動きベクトル検出領域ごとに算出され
た相関累積値の最小値の、全動きベクトル検出領域分の
平均値を算出し、算出された全動きベクトル検出領域分
の平均値に基づいて、信頼性判定用基準値を算出し、各
動きベクトル検出領域ごとに算出された相関累積値の最
小値が、信頼性判定用基準値以下か否かを判定し、相関
累積値の最小値が、信頼性判定用基準値以下であるとき
に、当該動きベクトル検出領域について算出される動き
ベクトルの信頼性があると判定し、相関累積値の最小値
が、信頼性判定用基準値より大きいときに、当該動きベ
クトル検出領域について算出される動きベクトルの信頼
性がないと判定することを特徴とする。
【0020】
【作用】この発明による第1の2次元映像を3次元映像
に変換する方法では、各動きベクトル検出領域ごとの相
関累積値の平均値、相関累積値の最小値、相関累積値の
最小値に対する相関累積値の平均値の比、および相関累
積値の最小値に対する相関累積値の最大値の比のうちか
ら任意に選択された1つの、全動きベクトル検出領域分
の平均値が算出される。算出された全動きベクトル検出
領域分の平均値に基づいて、信頼性判定用基準値が算出
される。そして、各動きベクトル検出領域ごとの相関累
積値の平均値、相関累積値の最小値、相関累積値の最小
値に対する相関累積値の平均値の比、および相関累積値
の最小値に対する相関累積値の最大値の比のうちの上記
選択された1と、信頼性判定用基準値とに基づいて、各
動きベクトル検出領域について算出される動きベクトル
の信頼性が判断される。
【0021】この発明による第2の2次元映像を3次元
映像に変換する方法では、各動きベクトル検出領域ごと
に算出された相関累積値の平均値の、全動きベクトル検
出領域分の平均値が算出される。算出された全動きベク
トル検出領域分の平均値に基づいて、信頼性判定用基準
値が算出される。各動きベクトル検出領域ごとに算出さ
れた相関累積値の平均値が、信頼性判定用基準値以上か
否かが判定される。
【0022】相関累積値の平均値が、信頼性判定用基準
値以上であるときには、当該動きベクトル検出領域につ
いて算出される動きベクトルの信頼性があると判定され
る。相関累積値の平均値が、信頼性判定用基準値より小
さいときには、当該動きベクトル検出領域について算出
される動きベクトルの信頼性がないと判定される。
【0023】この発明による第3の2次元映像を3次元
映像に変換する方法では、各動きベクトル検出領域ごと
に算出された相関累積値の最小値に対する相関累積値の
平均値の比の、全動きベクトル検出領域分の平均値が算
出される。算出された全動きベクトル検出領域分の平均
値に基づいて、信頼性判定用基準値が算出される。各動
きベクトル検出領域ごとに算出された相関累積値の最小
値に対する相関累積値の平均値の比が、信頼性判定用基
準値以上か否かが判定される。
【0024】相関累積値の最小値に対する相関累積値の
平均値の比が、信頼性判定用基準値以上であるときに
は、当該動きベクトル検出領域について算出される動き
ベクトルの信頼性があると判定される。相関累積値の最
小値に対する相関累積値の平均値の比が、信頼性判定用
基準値より小さいときには、当該動きベクトル検出領域
について算出される動きベクトルの信頼性がないと判定
される。
【0025】この発明による第4の2次元映像を3次元
映像に変換する方法では、各動きベクトル検出領域ごと
に算出された相関累積値の最小値に対する相関累積値の
最大値の比の、全動きベクトル検出領域分の平均値が算
出される。算出された全動きベクトル検出領域分の平均
値に基づいて、信頼性判定用基準値が算出される。各動
きベクトル検出領域ごとに算出された相関累積値の最小
値に対する相関累積値の最大値の比が、信頼性判定用基
準値以上か否かが判定される。
【0026】相関累積値の最小値に対する相関累積値の
最大値の比が、信頼性判定用基準値以上であるときに
は、当該動きベクトル検出領域について算出される動き
ベクトルの信頼性があると判定される。相関累積値の最
小値に対する相関累積値の最大値の比が、信頼性判定用
基準値より小さいときには、当該動きベクトル検出領域
について算出される動きベクトルの信頼性がないと判定
される。
【0027】この発明による第5の2次元映像を3次元
映像に変換する方法では、各動きベクトル検出領域ごと
に算出された相関累積値の最小値の、全動きベクトル検
出領域分の平均値が算出される。算出された全動きベク
トル検出領域分の平均値に基づいて、信頼性判定用基準
値が算出される。各動きベクトル検出領域ごとに算出さ
れた相関累積値の最小値が、信頼性判定用基準値以下か
否かが判定される。
【0028】相関累積値の最小値が、信頼性判定用基準
値以下であるときには、当該動きベクトル検出領域につ
いて算出される動きベクトルの信頼性があると判定され
る。相関累積値の最小値が、信頼性判定用基準値より大
きいときには、当該動きベクトル検出領域について算出
される動きベクトルの信頼性がないと判定される。
【0029】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。
【0030】図1は、2次元映像を3次元映像に変換す
るための2D/3D変換装置の構成を示している。
【0031】この2D/3D変換装置は、フィールド遅
延方式によって左目用映像と右目用映像とを生成するこ
とにより視差を発生させ、生成された左目用映像と右目
用映像の両方または一方に位相ずらしを施すことによ
り、被写体と基準スクリーン面との位置関係を変化させ
る。
【0032】入力端子1には、2次元映像信号aが入力
される。この2次元映像信号aは、動きベクトル検出回
路16、複数のフィールドメモリ11および映像切換回
路13にそれぞれ送られる。
【0033】動きベクトル検出回路16は、図11〜図
13を用いて既に説明したように、代表点マッチング法
に基づいて、動きベクトルを検出するためのデータを生
成するものである。動きベクトル検出回路16によって
生成されたデータは、CPU20に送られる。
【0034】フィールドメモリ11は、2次元映像信号
aをフイールド単位で遅延させて出力させるために設け
られており、複数個設けられている。各フィールドメモ
リ11の書込みおよび読出しは、メモリ制御回路24に
よって制御される。
【0035】フィールドメモリ11の出力b(遅延され
た2次元映像信号)は、映像切換回路13および補間回
路12にそれぞれ送られる。補間回路12は、入力信号
bに対して、垂直方向の補間信号を生成するものであ
る。補間回路12の出力c(遅延された2次元映像信号
の垂直方向補間信号)は、映像切換回路13に送られ
る。
【0036】したがって、映像切換回路13には、入力
された2次元映像信号a、遅延された2次元映像信号b
および遅延された2次元映像信号bの垂直方向補間信号
cが入力される。映像切換回路13は、左画像用位相制
御回路14と右画像用位相制御回路15とに対し、信号
bおよび信号cのうちの一方の信号(副映像信号)と、
信号a(主映像信号)とを、被写体の動き方向に応じて
切り換えて出力する。ただし、遅延量が0の場合には、
左画像用位相制御回路14と右画像用位相制御回路15
との両方に、信号aが送られる。
【0037】信号bおよび信号cのうちから1方の選択
は、2次元映像信号aが奇数フィールドか偶数フィール
ドかに基づいて行なわれる。すなわち、信号bおよび信
号cのうち、2次元映像信号aのフィールド種類(奇数
フィールドか偶数フィールド)に対応するものが選択さ
れる。映像切換回路13による映像の切り換えは、CP
U20によって制御される。
【0038】各位相制御回路14、15は、入力される
映像信号の位相をずらすことにより、入力される映像の
表示位置を水平方向に移動させるために設けられてい
る。位相のずらし量およびずらし方向は、メモリ制御回
路24によって制御される。左画像用位相制御回路14
の出力は、左画像出力端子2に送られる。また、右画像
用位相制御回路15の出力は、右画像出力端子3に送ら
れる。
【0039】CPU20は、メモリ制御回路24および
映像切換回路13を制御する。CPU20は、そのプロ
グラム等を記憶するROM21および必要なデータを記
憶するRAM22を備えている。CPU20には、動き
ベクトル検出回路16から動きベクトル検出に必要なデ
ータが送られてくる。また、CPU20には、各種入力
手段および表示器を備えた操作・表示部23が接続され
ている。
【0040】CPU20は、動きベクトルに基づいて、
フィールドメモリ11による遅延フィールド数(遅延
量)を算出する。つまり、原則的には、動きベクトルが
大きい場合には、遅延量が小さくなるように、動きベク
トルが小さい場合には、遅延量が大きくなるように、遅
延量を決定する。
【0041】また、CPU20は、動きベクトルの方向
に基づいて、映像切換回路13を制御する。つまり、動
きベクトルの方向が左から右の場合には、入力された2
次元映像信号aを左目用位相制御回路14に、遅延され
た2次元映像信号bまたはcを右目用位相制御回路15
に送る。動きベクトルの方向が右から左の場合には、入
力された2次元映像信号aを右目用位相制御回路14
に、遅延された2次元映像信号bまたはcを左目用位相
制御回路15に送る。
【0042】この2D/3D変換装置では、フィールド
遅延方式によって左目用画像と右目用画像とを生成する
ことにより視差を発生させ、生成された左目用画像と右
目用画像の両方または一方に位相ずらしを施すことによ
り、被写体と基準スクリーン面との位置関係を変化させ
ている。
【0043】図2は、CPUによる2D/3D変換処理
手順を示している。
【0044】CPUによる2D/3D変換処理は、入力
映像信号aのフィールドの切り換えタイミングがくるご
とに行なわれる。
【0045】(1)ステップ1では、複数のフィールド
メモリ11のうち、今回のフィールドに対する2次元映
像信号を書き込むべきメモリ(書込みメモリ)および既
に記憶されている2次元映像信号を読み出すべきメモリ
(読み出しメモリ)をそれぞれ示すデータがメモリ制御
回路24に出力される。また、各位相制御回路14、1
5による位相ずれ量および向きを示すデータがメモリ制
御回路24に出力される。さらに、映像切換回路13に
映像切り換え制御信号が出力される。
【0046】読み出しメモリは、前回の2D/3D変換
処理において決定された遅延量に基づいて決定される。
また、各位相制御回路14、15による位相ずれ量およ
び向きは、2D/3D変換処理のステップ2で既に取り
込まれて記憶されているデータに基づいて決定される。
【0047】また、遅延された2次元映像信号bおよび
cのうちの一方の選択は、フィールドメモリ11から読
み出されるべき2次元映像信号bのフィールド種類と、
2次元映像信号aのフィールド種類とに基づいて決定さ
れる。さらに、選択された信号bまたはcと、信号aと
の切り換えは、前回の2D/3D変換処理で求められた
水平方向の動きベクトルの方向に基づいて決定される。
選択された信号bまたはcと、信号aとの切り換え方向
は、遅延量の極性によって表される。
【0048】(2)ステップ2では、操作・表示部23
からの各種入力信号が取り込まれて記憶される。各種入
力信号には、位相ずれ量および向きを設定する信号、遅
延量を自動で算出するか(自動モード)、手動で設定す
るか(手動モード)を示す自動・手動モード設定信号、
自動モードが設定されるときに行なわれる遅延量倍率設
定信号、手動モードが設定されるときに行なわれる遅延
量設定信号等がある。
【0049】(3)ステップ3では、前回の2D/3D
変換処理のステップ10で求められた各動きベクトル検
出領域ごとの動きベクトルに対する信頼性結果に基づい
て、信頼性のある動きベクトルのみが抽出される。
【0050】(4)ステップ4では、ステップ3で抽出
された信頼性のある動きベクトルのうち、垂直方向成分
が所定値より小さいもののみが抽出される。
【0051】(5)ステップ5では、ステップ4で抽出
された信頼性のある動きベクトルの水平方向成分(有効
水平方向動きベクトル)の平均値が算出される。
【0052】(6)ステップ6では、ステップ5で算出
された有効水平方向動きベクトルの平均値に基づく、遅
延量算出処理が行なわれる。この遅延量算出処理の詳細
については、後述する。
【0053】(7)ステップ7では、ステップ2で取り
込まれて記憶されているデータに基づいて、自動モード
か手動モードかが判別される。
【0054】(8)ステップ7で手動モードが設定され
ていると判別された場合には、遅延量が、ステップ2で
取り込まれた設定値に固定される(ステップ8)。
【0055】(9)ステップ7で自動モードが設定され
ていると判別された場合には、ステップ6の遅延量算出
処理で用いられる履歴データが更新される(ステップ
9)。
【0056】(10)ステップ10では、動きベクトル
検出回路16から動きベクトル検出に必要なデータが取
り込まれ、各動きベクトル検出領域に対する動きベクト
ルが算出される。また、各動きベクトル検出領域ごとの
相関累積値の平均値等に基づいて、各動きベクトル検出
領域ごとに動きベクトルの信頼性が判別される。そし
て、算出された動きベクトルおよび信頼性判別結果がR
AM22に記憶される。動きベクトルの信頼性判断手法
の詳細については、後述する。
【0057】図3は、図2のステップ6の遅延量算出処
理の詳細な手順を示している。
【0058】まず、上記ステップ2で設定されて記憶さ
れている遅延量倍率設定値および上記ステップ5で求め
られた有効水平方向動きベクトルの平均値v(以下、動
きベクトル平均値という)に基づいて、第1遅延量d1
が求められる(ステップ21)。
【0059】図4は、動きベクトル平均値と、遅延量と
の関係を示している。図4に示すような関係が遅延量テ
ーブルとしてROM21に記憶されている。そして、ま
ず、動きベクトル平均値に対応する遅延量が、遅延量テ
ーブルから求められる。
【0060】ところで、同じ3次元映像信号であって
も、立体表示装置(モニタ)の条件、すなわち、モニタ
の種類およびモニタを見る条件によって、視差が異な
る。そこで、モニタの条件にかかわらず、同じような立
体感を得るために、あるいは観察者の好みに合うよう
に、上記ステップ2で設定されて記憶されている遅延量
倍率設定値を、遅延量テーブルから求められた遅延量に
積算することにより、第1遅延量d1が求められる。
【0061】モニタの条件にかかわらず、同じような立
体感を得るために、複数種類の遅延量テーブルを格納し
ておき、操作・表示部23から、モニタの条件または観
察者の好みに応じた遅延量テーブルを選択するための命
令を入力するようにしてもよい。
【0062】また、遅延量テーブルではなく、予め定め
られた関係式に基づいて、第1遅延量を求めるようにし
てもよい。この場合の関係式の求め方について図5を参
照して説明する。
【0063】モニタ面Sと、観察者の目31、32との
好適な間隔を適視距離A〔mm〕とする。また、モニタ
面S上での注視物体の右画像Rと左画像Lとの間隔を視
差B〔mm〕とする。また、眼間距離をC〔mm〕とす
る。適視距離Aは、モニタの条件によって決定される。
注視物体の視差Bは、3次元映像信号が同じであって
も、モニタの条件によって異なる。
【0064】適視距離Aと、視差Bと、眼間距離Cとに
より、注視物体の立体像位置Pは決まる。つまり、注視
物体のモニタ面Sからの飛び出し量D〔mm〕は、適視
距離Aと視差Bと眼間距離Cとによって決まる。
【0065】モニタの条件にかかわらず、注視物体のモ
ニタ面Sからの飛び出し量を一定量Dにするための視差
Bは、次の数式1で表される。
【0066】
【数1】B=D・C/(A−D)
【0067】モニタの水平長をH〔mm〕、モニタの水
平方向画素数をh〔画素〕とし、動きベクトル平均値を
v〔画素/フィールド〕、第1遅延量をd1〔フィール
ド〕とすると、次の関係が成り立つ。
【0068】
【数2】d1・v=(h/H)・B
【0069】ここで、視差Bの画素換算量( =(h/
H)・B)を操作・表示部23によって設定される調整
量X(モニタの条件に関するデータまたは観察者の好み
に応じたデータ)とすると、第1遅延量d1は、次の関
係式で求められる。
【0070】
【数3】d1=X/v
【0071】ステップ21で、第1遅延量d1が求めら
れると、遅延量履歴データに基づいて、今回から過去9
回までの10フィールド分の遅延量の平均値、前回から
その過去9回までの10フィールド分の遅延量の平均
値、前前回からその過去9回までの10フィールド分の
遅延量の平均値がそれぞれ算出される(ステップ2
2)。
【0072】ステップ22で用いられた遅延量履歴デー
タは、過去において、ステップ21で得られた第1遅延
量d1である。
【0073】次に、3組の平均値のうち、2つ以上が同
じ値であれば、その値(多数値)が第2遅延量d2とし
て選択され、すべてが異なる値であればその中間値が第
2遅延量d2として選択される(ステップ23)。
【0074】次に、ステップ23で選択された第2遅延
量d2と、12〜18フィールド前(たとえば、15フ
ィールド前)の第2遅延量d2のいずれかと、30フィ
ールド前の第2遅延量d2とが比較される(ステップ2
4)。ステップ24で用いられた遅延量履歴データは、
過去において、ステップ23で得られた第2遅延量d2
である。
【0075】全ての第2遅延量d2が一致する場合には
(ステップ25でYES)、目標遅延量Pdがステップ
23で選択された第2遅延量に変更された後(Pd=d
2)(ステップ26)、ステップ30に進む。したがっ
て、図6に示すように、3つの第2遅延量d2(過去の
ものから順にd2−1、d2−2、d2−3で表す)が
変化し、全ての第2遅延量d2が一致すると、目標遅延
量Pdが第2遅延量(d2−3)に変更される。
【0076】全ての第2遅延量d2が一致しない場合に
は(ステップ25でNO)、全ての第2遅延量d2が現
在の目標遅延量Pdより大きいか、全ての第2遅延量d
2が現在の目標遅延量Pdより小さいか、またはそれら
の条件に該当しないかが判別される(ステップ27)。
【0077】全ての第2遅延量d2が現在の目標遅延量
Pdより大きいときには、目標遅延量Pdが+1された
後(Pd=Pd+1)(ステップ28)、ステップ30
に進む。たとえば、図7に示すように、3つの第2遅延
量d2(過去のものから順にd2−1、d2−2、d2
−3で表す)が変化し、全ての第2遅延量d2が現在の
目標遅延量Pdより大きいときには、目標遅延量Pdが
+1される。
【0078】全ての第2遅延量d2が現在の目標遅延量
Pdより小さいときには、目標遅延量Pdが−1された
後(Pd=Pd−1)(ステップ29)、ステップ30
に進む。全ての第2遅延量d2が現在の目標遅延量Pd
より大きくなくかつ全ての第2遅延量d2が現在の目標
遅延量dより小さくないときには、ステップ30に進
む。
【0079】ステップ30では、目標遅延量Pdと現在
実際に設定されている遅延量(設定遅延量d3)とが一
致するか否かが判別される。目標遅延量Pdと設定遅延
量d3とが一致していない場合には、現在の設定遅延量
d3が既に4フィールド継続しているか否かが判別され
る(ステップ31)。現在の設定遅延量d3が既に4フ
ィールド継続している場合には、設定遅延量d3が目標
遅延量Pdに近づく方向に1だけ変更される(d3=d
3±1)(ステップ32)。そして、図2のステップ7
に移行する。
【0080】上記ステップ30で、目標遅延量と現在の
設定遅延量とが一致している場合または、上記ステップ
31で現在の設定遅延量が既に4フィールド継続してい
ない場合には、遅延量を変更することなく、図2のステ
ップ7に移行する。
【0081】つまり、この例では、設定遅延量d3は4
フィールド周期単位でかつ1フィールド分ずつ目標遅延
量Pdに近づくように制御される。
【0082】なお、電源投入後において、ステップ21
において、初めて第1遅延量d1が算出されたときに
は、第2遅延量d2、目標遅延量Pdおよび設定遅延量
d3はd1と等しくなる。
【0083】図3の処理において、ステップ22で、今
回から過去9回までの10フィールド分の遅延量の平均
値のみを算出し、これを目標遅延量とし、ステップ2
3、24、25、26、27、28、29の処理を省略
してもよい。
【0084】また、ステップ22において、今回から過
去9回の10フィールド分の遅延量の平均値のみを算出
し、これを第2遅延量とし、ステップ23の処理を省略
してもよい。
【0085】また、ステップ23で求められた第2遅延
量を目標遅延とし、ステップ24、25、26、27、
28、29の処理を省略してもよい。
【0086】また、ステップ22および23の処理を省
略してもよい。この場合には、ステップ24で用いられ
る第2遅延量として、ステップ21で求められた第1遅
延量d1が用いられる。
【0087】図8は、図2のステップ10における動き
ベクトルの信頼性判断手法を示している。ここでは、図
11に示すように、各フィールドの映像エリア100内
に、12個の動きベクトル検出領域E1 〜E12が設定さ
れているものとする。また、各動きベクトル検出領域E
1 〜E12ごとの相関累積値の平均値をQave1〜Qave1 2
とする。
【0088】まず、全ての相関累積値の平均値Qave1
ave12 の平均AVE ave が算出される(ステップ4
1)。
【0089】次に、算出された平均値AVE ave に基づ
いて、信頼性判定用基準値Zが算出される(ステップ4
2)。信頼性判定用基準値Zは、例えば数式{AVE
ave ÷n(nは自然数)}に基づいて求められる。ここ
では、信頼性判定用基準値Zは、たとえば{AVE ave
/4}に設定されたとする。
【0090】次に、各動きベクトル検出領域E1 〜E12
ごとの相関累積値の平均値Qave1〜Qave12 と信頼性判
定用基準値Zとを用いて、各検出領域E1 〜E12につい
て算出される動きベクトルの信頼性が判定される(ステ
ップ43)。つまり、各相関累積値の平均値Qave1〜Q
ave12 それぞれについて、信頼性判定用基準値Z以上か
否かが判定される。図9に示すように、相関累積値の平
均値Qave1〜Qave12が、信頼性判定用基準値Z以上で
あれば信頼性有りと判定され、信頼性判定用基準値Zよ
り小さければ信頼性なしと判定される。
【0091】上記の例では、各動きベクトル検出領域E
1 〜E12ごとの相関累積値の平均値Qave1〜Qave12
基づいて、各検出領域E1 〜E12について算出される動
きベクトルの信頼性が判定されているが、各動きベクト
ル検出領域E1 〜E12ごとの相関累積値の最小値に対す
る平均値の比Qave1/Qmin1〜Qave12 /Qmin12 また
は相関累積値の最小値に対する最大値の比Qmax1/Q
min1〜Qmax12 /Qmin1 2 に基づいて、各検出領域E1
〜E12について算出される動きベクトルの信頼性を判定
してもよい。
【0092】各動きベクトル検出領域E1 〜E12ごとの
相関累積値の最小値に対する平均値の比Qave1/Qmin1
〜Qave12 /Qmin12 を用いる場合には、これらの比Q
ave1/Qmin1〜Qave12 /Qmin12 の、全検出領域E1
〜E12分の平均値AVE ave/Qmin が算出される。次
に、数式{(AVE ave /Qmin )÷n}に基づいて、
信頼性判定用基準値Zが算出される。そして、各動きベ
クトル検出領域E1 〜E12ごとの相関累積値の最小値に
対する平均値の比Qave1/Qmin1〜Qave12 /Qmin12
と信頼性判定用基準値Zとを用いて、各動きベクトル検
出領域E1 〜E 12ごとの動きベクトルの信頼性が判定さ
れる。つまり、相関累積値の最小値に対する平均値の比
ave1/Qmin1〜Qave12 /Qmin12 が、信頼性判定用
基準値Z以上であれば信頼性有りと判定され、信頼性判
定用基準値Zより小さければ信頼性なしと判定される。
【0093】各動きベクトル検出領域E1 〜E12ごとの
相関累積値の最小値に対する最大値の比Qmax1/Qmin1
〜Qmax12 /Qmin12 を用いる場合も、上述した相関累
積値の最小値に対する平均値の比Qave1/Qmin1〜Q
ave12 /Qmin12 を用いる場合と同様の手法によって、
各動きベクトル検出領域E1 〜E12ごとの動きベクトル
の信頼性が判定される。
【0094】図10は、動きベクトルの信頼性判断手法
の他の例を示している。ここでは、図11に示すよう
に、各フィールドの映像エリア100内に、12個の動
きベクトル検出領域E1 〜E12が設定されているものと
する。
【0095】まず、全ての相関累積値の最小値Qmin1
min12 の平均AVE min が算出される(ステップ5
1)。
【0096】次に、算出された平均値ave min に基づ
いて、信頼性判定用基準値Zが算出される(ステップ5
2)。信頼性判定用基準値Zは、例えば数式{n×ave
mi n (nは自然数)}に基づいて求められる。信頼性
判定用基準値Zは、たとえば ave min に設定される。
【0097】次に、各動きベクトル検出領域E1 〜E12
ごとの相関累積値の最小値Qmin1〜Qmin12 について、
信頼性判定用基準値Zを用いて信頼性が判定される(ス
テップ54)。つまり、各相関累積値の平均値Qmin1
min12 それぞれについて、信頼性判定用基準値Z以下
か否かが判定され、信頼性判定用基準値Z以下であれば
信頼性有りと判定され、信頼性判定用基準値Zより大き
ければ信頼性なしと判定される。
【0098】上記実施例では、各動きベクトル検出領域
ごとの動きベクトルの信頼性判断は、相関累積値の平均
値、相関累積値の最小値、相関累積値の最小値に対する
平均値の比、または相関累積値の最小値に対する最大値
の比といった信頼性判定用データと、信頼性判定用デー
タの全動きベクトル検出領域分の平均値に基づいて算出
された信頼性判定用基準値とに基づいて行われている。
このように、信頼性判定用基準値が、信頼性判定用デー
タの全動きベクトル検出領域分の平均値に基づいて算出
されているため、各動きベクトル検出領域から検出され
た全ての動きベクトルが、信頼性なしとして、無効とさ
れてしまうのを防止できる。
【0099】
【発明の効果】この発明によれば、各動きベクトル検出
領域から検出された全ての動きベクトルが、信頼性なし
として、無効とされてしまうのを防止できる。この結
果、2D/3D変換後の映像が見づらくなるのを回避す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2D/3D変換装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】CPUによる2D/3D変換処理の全体的U手
順を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップ6の遅延量算出処理の詳細な手
順を示すフローチャートである。
【図4】動きベクトル平均値と、第1遅延量との関係を
示すグラフである。
【図5】動きベクトル平均値から第1遅延量を求める関
係式の導き方を説明するための模式図である。
【図6】3つの第2遅延量が全て一致した場合に、目標
遅延量が変更される様子を示すタイムチャートである。
【図7】3つの第2遅延量の全てが現在の目標遅延量よ
り大きくなったときに、目標遅延量が変更される様子を
示すタイムチャートである。
【図8】図2のステップ10における動きベクトルの信
頼性判断手法を示すフローチャートである。
【図9】全ての相関累積値の平均値Qave1〜Qave12
、それらの平均値AVE aveと、信頼性判定用基準値
Zとを示すグラフである。
【図10】動きベクトルの信頼性判断手法の他の例を示
すフローチャートである。
【図11】各フィールドの映像エリア内に設定される複
数の動きベクトル検出領域E1 〜E12を示す模式図であ
る。
【図12】動きベクトル検出領域内の複数の小領域eを
示す模式図である。
【図13】小領域e内に設定される複数のサンプリング
点Sと、1つの代表点Rとを示す模式図である。
【符号の説明】
11 フィールドメモリ 12 補間回路 13 映像切換回路 14、15 位相制御回路 20 CPU 21 ROM 22 RAM 23 操作・表示部 24 メモリ制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 13/00 - 15/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元映像信号から、主映像信号と、主
    映像信号に対して遅延された副映像信号とを生成するこ
    とにより、2次元映像を3次元映像に変換する方法であ
    って、主映像信号に対する副映像信号の遅延量が主映像
    の動きの速度に応じて変化せしめられ、主映像の動きの
    速度は、主映像の映像エリア内に設定された複数の動き
    ベクトル検出領域それぞれから検出される動きベクトル
    のうち、少なくとも信頼性ありと判定されたものから求
    められる、2次元映像を3次元映像に変換する方法にお
    いて、 各動きベクトル検出領域ごとの相関累積値の平均値、相
    関累積値の最小値、相関累積値の最小値に対する相関累
    積値の平均値の比、および相関累積値の最小値に対する
    相関累積値の最大値の比のうちから任意に選択された1
    つの、全動きベクトル検出領域分の平均値を算出し、 算出された全動きベクトル検出領域分の平均値に基づい
    て、信頼性判定用基準値を算出し、 各動きベクトル検出領域ごとの相関累積値の平均値、相
    関累積値の最小値、相関累積値の最小値に対する相関累
    積値の平均値の比、および相関累積値の最小値に対する
    相関累積値の最大値の比のうちの上記選択された1と、
    信頼性判定用基準値とに基づいて、各動きベクトル検出
    領域について算出される動きベクトルの信頼性を判断す
    ることを特徴とする2次元映像を3次元映像に変換する
    方法。
  2. 【請求項2】 2次元映像信号から、主映像信号と、主
    映像信号に対して遅延された副映像信号とを生成するこ
    とにより、2次元映像を3次元映像に変換する方法であ
    って、主映像信号に対する副映像信号の遅延量が主映像
    の動きの速度に応じて変化せしめられ、主映像の動きの
    速度は、主映像の映像エリア内に設定された複数の動き
    ベクトル検出領域それぞれから検出される動きベクトル
    のうち、少なくとも信頼性ありと判定されたものから求
    められる、2次元映像を3次元映像に変換する方法にお
    いて、 各動きベクトル検出領域ごとに算出された相関累積値の
    平均値の、全動きベクトル検出領域分の平均値を算出
    し、 算出された全動きベクトル検出領域分の平均値に基づい
    て、信頼性判定用基準値を算出し、 各動きベクトル検出領域ごとに算出された相関累積値の
    平均値が、信頼性判定用基準値以上か否かを判定し、 相関累積値の平均値が、信頼性判定用基準値以上である
    ときに、当該動きベクトル検出領域について算出される
    動きベクトルの信頼性があると判定し、 相関累積値の平均値が、信頼性判定用基準値より小さい
    ときに、当該動きベクトル検出領域について算出される
    動きベクトルの信頼性がないと判定することを特徴とす
    る2次元映像を3次元映像に変換する方法。
  3. 【請求項3】 2次元映像信号から、主映像信号と、主
    映像信号に対して遅延された副映像信号とを生成するこ
    とにより、2次元映像を3次元映像に変換する方法であ
    って、主映像信号に対する副映像信号の遅延量が主映像
    の動きの速度に応じて変化せしめられ、主映像の動きの
    速度は、主映像の映像エリア内に設定された複数の動き
    ベクトル検出領域それぞれから検出される動きベクトル
    のうち、少なくとも信頼性ありと判定されたものから求
    められる、2次元映像を3次元映像に変換する方法にお
    いて、 各動きベクトル検出領域ごとに算出された相関累積値の
    最小値に対する相関累積値の平均値の比の、全動きベク
    トル検出領域分の平均値を算出し、 算出された全動きベクトル検出領域分の平均値に基づい
    て、信頼性判定用基準値を算出し、 各動きベクトル検出領域ごとに算出された相関累積値の
    最小値に対する相関累積値の平均値の比が、信頼性判定
    用基準値以上か否かを判定し、 相関累積値の最小値に対する相関累積値の平均値の比
    が、信頼性判定用基準値以上であるときに、当該動きベ
    クトル検出領域について算出される動きベクトルの信頼
    性があると判定し、 相関累積値の最小値に対する相関累積値の平均値の比
    が、信頼性判定用基準値より小さいときに、当該動きベ
    クトル検出領域について算出される動きベクトルの信頼
    性がないと判定することを特徴とする2次元映像を3次
    元映像に変換する方法。
  4. 【請求項4】 2次元映像信号から、主映像信号と、主
    映像信号に対して遅延された副映像信号とを生成するこ
    とにより、2次元映像を3次元映像に変換する方法であ
    って、主映像信号に対する副映像信号の遅延量が主映像
    の動きの速度に応じて変化せしめられ、主映像の動きの
    速度は、主映像の映像エリア内に設定された複数の動き
    ベクトル検出領域それぞれから検出される動きベクトル
    のうち、少なくとも信頼性ありと判定されたものから求
    められる、2次元映像を3次元映像に変換する方法にお
    いて、 各動きベクトル検出領域ごとに算出された相関累積値の
    最小値に対する相関累積値の最大値の比の、全動きベク
    トル検出領域分の平均値を算出し、 算出された全動きベクトル検出領域分の平均値に基づい
    て、信頼性判定用基準値を算出し、 各動きベクトル検出領域ごとに算出された相関累積値の
    最小値に対する相関累積値の最大値の比が、信頼性判定
    用基準値以上か否かを判定し、 相関累積値の最小値に対する相関累積値の最大値の比
    が、信頼性判定用基準値以上であるときに、当該動きベ
    クトル検出領域について算出される動きベクトルの信頼
    性があると判定し、 相関累積値の最小値に対する相関累積値の最大値の比
    が、信頼性判定用基準値より小さいときに、当該動きベ
    クトル検出領域について算出される動きベクトルの信頼
    性がないと判定することを特徴とする2次元映像を3次
    元映像に変換する方法。
  5. 【請求項5】 2次元映像信号から、主映像信号と、主
    映像信号に対して遅延された副映像信号とを生成するこ
    とにより、2次元映像を3次元映像に変換する方法であ
    って、主映像信号に対する副映像信号の遅延量が主映像
    の動きの速度に応じて変化せしめられ、主映像の動きの
    速度は、主映像の映像エリア内に設定された複数の動き
    ベクトル検出領域それぞれから検出される動きベクトル
    のうち、少なくとも信頼性ありと判定されたものから求
    められる、2次元映像を3次元映像に変換する方法にお
    いて、 各動きベクトル検出領域ごとに算出された相関累積値の
    最小値の、全動きベクトル検出領域分の平均値を算出
    し、 算出された全動きベクトル検出領域分の平均値に基づい
    て、信頼性判定用基準値を算出し、 各動きベクトル検出領域ごとに算出された相関累積値の
    最小値が、信頼性判定用基準値以下か否かを判定し、 相関累積値の最小値が、信頼性判定用基準値以下である
    ときに、当該動きベクトル検出領域について算出される
    動きベクトルの信頼性があると判定し、 相関累積値の最小値が、信頼性判定用基準値より大きい
    ときに、当該動きベクトル検出領域について算出される
    動きベクトルの信頼性がないと判定することを特徴とす
    る2次元映像を3次元映像に変換する方法。
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