JP3096622B2 - 2次元映像を3次元映像に変換する方法 - Google Patents

2次元映像を3次元映像に変換する方法

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JP3096622B2 JP07228402A JP22840295A JP3096622B2 JP 3096622 B2 JP3096622 B2 JP 3096622B2 JP 07228402 A JP07228402 A JP 07228402A JP 22840295 A JP22840295 A JP 22840295A JP 3096622 B2 JP3096622 B2 JP 3096622B2
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俊哉 飯沼
晋 棚瀬
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、VTR、ビデオカメ
ラ等から出力されたり、CATV放送、TV放送等によ
って伝送されてきたりする2次元映像を3次元映像に変
換する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近話題になっている3次元映像表示シ
ステムに使用される3次元映像ソフトは、その大半が3
次元映像表示システム用に特別に作成されたものであ
る。このような3次元映像ソフトは、一般には2台のカ
メラを用いて左目用映像と右目用映像とを撮像して記録
されたものである。3次元映像ソフトに記録された左右
の映像は、ほぼ同時に表示装置に重ね合わされて表示さ
れる。そして、重ね合わされて表示される左目用映像と
右目用映像とを、観察者の左右の目にそれぞれ別々に入
射させることによって、観察者に3次元映像が認識され
る。
【0003】ところで、現在、2次元映像ソフトが多数
存在している。したがって、これらの2次元映像ソフト
から3次元映像を生成することができれば、既存の2次
元映像ソフトと同じ内容の3次元映像ソフトを最初から
作り直すといった手間が省ける。
【0004】このようなことから、2次元映像を3次元
映像に変換する方法が既に提案されている。2次元映像
を3次元映像に変換する従来方法として、次のようなも
のが挙げられる。すなわち、左から右方向に移動する物
体が映っている2次元映像の場合、この元の2次元映像
を左目用映像とし、この左目用映像に対して数フレーム
前の映像を右目用映像とする方法である。このようにす
ると、左目用映像と右目用映像との間に視差が生じるの
で、この両映像をほぼ同時に画面上に表示することによ
り、移動する物体が背景に対して前方に浮き出される。
【0005】なお、左目用映像に対して数フレーム前の
映像は、元の2次元映像をフイールドメモリに記憶さ
せ、所定フィールド数分、遅延して読み出すことにより
得られる。以上のような、従来方法をフィールド遅延方
式ということにする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来方法において
は、左目用映像および右目用映像の一方に対する他方の
遅延量を一定にした場合には、移動物体の動きが速くな
るほど視差が大きくなるため、立体感が変化し3次元映
像がみにくくなる。
【0007】そこで、本出願人は、安定した立体感を得
るために、移動物体の動きが速くなるほど、左目用映像
および右目用映像の一方に対する他方の遅延量を小さく
することを考案した。このようにすると、動きの速い映
像に対しては比較的新しいフィールドが遅延画像として
提示され、動きの遅い映像に対しては比較的古いフィー
ルドが遅延画像として提示される。
【0008】このように、左目用映像および右目用映像
の一方に対する他方の遅延量を変化させる場合において
は、左目用映像および右目用映像の一方に対する他方の
最大遅延量の数に応じたフィールドメモリが必要とな
る。
【0009】そこで、本出願人は、入力映像の動きが速
いときには、1フィールド毎に入力映像をフィールドメ
モリに書き込んでいき、入力映像の動きが遅いときに
は、1フィールドずつ間隔をおいて入力映像をフィール
ドメモリに書き込んでいくことによって、フィールド数
の低減化が図れる2次元映像を3次元映像に変換する方
法をすでに開発し、平成6年11月22日に特許出願し
ている(平成6年特許願第287657号)。
【0010】この発明は、映画フィルムをテレビジョン
信号にテレシネ変換することによって作成された2次元
映像、TVゲーム機等から出力される映像のように同じ
コマが連続して現れる2次元映像を3次元映像信号に変
換する場合において、フィールドメモリ数が少なくて済
む2次元映像を3次元映像に変換する方法を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明による2次元映
像を3次元映像に変換する方法は、同じコマが連続して
現れる2次元映像から、主映像と、フィールドメモリを
利用して主映像に対して遅延された副映像とを生成する
ことにより、2次元映像を3次元映像に変換する方法に
おいて、同じコマが連続して現れる各フィールド群ごと
に、各フィールド群内の複数のフィールドのうち、1つ
のフィールドの映像のみを前記フィールドメモリに書き
込むことを特徴とする。
【0012】副映像の選択は例えば次のように行われ
る。すなわち、主映像の動きの速さに基づいて、主映像
のコマに対する副映像のコマの遅延量を算出し、算出さ
れた遅延量に基づいて、副映像が選択される。この場
合、主映像の動きが遅いほど、主映像のコマに対する副
映像のコマの遅延量が大きくなるように、主映像のコマ
に対する副映像のコマの遅延量が決定される。
【0013】前記フィールドメモリに書き込まれる映像
のフィールド属性が、全て同じフィールド属性となるよ
うに、各フィールド群から前記フィールドメモリに書き
込まれる1つの映像を選択することが好ましい。
【0014】
【作用】同じコマが連続して現れる各フィールド群ごと
に、各フィールド群内の複数のフィールドのうち、1つ
のフィールドの映像のみがフィールドメモリに書き込ま
れる。このため、フィールドメモリ数を削減できる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。
【0016】図1は、2次元映像を3次元映像に変換す
るための2D/3D変換装置の構成を示している。この
実施例では、2D/3D変換装置には、映画フィルムを
テレビジョン信号にテレシネ変換することによって作成
された2次元映像等のように同じコマが連続して現れる
2次元映像が入力されるものとする。
【0017】この2D/3D変換装置は、フィールド遅
延方式によって左目用映像と右目用映像とを生成するこ
とにより視差を発生させ、生成された左目用映像と右目
用映像の両方または一方に位相ずらしを施すことによ
り、被写体と基準スクリーン面との位置関係を変化させ
る。
【0018】入力端子1には、テレシネ変換することに
よって作成された2次元映像が2次元映像信号aが入力
される。この2次元映像信号aは、動きベクトル検出回
路16、複数のフィールドメモリ11および映像切換回
路13にそれぞれ送られる。
【0019】動きベクトル検出回路16は、よく知られ
ているように、代表点マッチング法に基づいて、動きベ
クトルを検出するためのデータを生成するものである。
動きベクトル検出回路16によって生成されたデータ
は、CPU20に送られる。
【0020】代表点マッチング法について、簡単に説明
する。各フィールドの映像エリア内に複数の動きベクト
ル検出領域が設定されており、各動きベクトル検出領域
が複数の小領域に分割されている。そして、各小領域そ
れぞれに、複数のサンプリング点と1つの代表点とが設
定されている。
【0021】現フィールドにおける各小領域内のサンプ
リング点の映像信号レベルと、前フィールドにおける対
応する小領域の代表点の映像信号レベルとの差(各サン
プリング点における相関値)が、各動きベクトル検出領
域ごとに求められる。そして、各動きベクトル検出領域
内の各小領域間において、代表点に対する偏位が同じサ
ンプリング点どうしの相関値が累積加算される。そし
て、各動きベクトル検出領域内において、相関累積値が
最小となる点の偏位、すなわち相関性が最も高い点の偏
位が、当該動きベクトル検出領域の動きベクトル(被写
体の動き)として抽出される。
【0022】フィールドメモリ11は、2次元映像信号
aをフイールド単位で遅延させて出力させるために設け
られており、複数個設けられている。各フィールドメモ
リ11の書込みおよび読出しは、メモリ制御回路24に
よって制御される。
【0023】フィールドメモリ11の出力b(遅延され
た2次元映像信号)は、映像切換回路13および補間回
路12にそれぞれ送られる。補間回路12は、入力信号
bに対して、垂直方向の補間信号を生成するものであ
る。補間回路12の出力c(遅延された2次元映像信号
の垂直方向補間信号)は、映像切換回路13に送られ
る。
【0024】したがって、映像切換回路13には、入力
された2次元映像信号a、遅延された2次元映像信号b
および遅延された2次元映像信号bの垂直方向補間信号
cが入力される。映像切換回路13は、左画像用位相制
御回路14と右画像用位相制御回路15とに対し、信号
bおよび信号cのうちの一方の信号(副映像信号)と、
信号a(主映像信号)とを、被写体の動き方向に応じて
切り換えて出力する。ただし、遅延量が0の場合には、
左画像用位相制御回路14と右画像用位相制御回路15
との両方に、信号aが送られる。
【0025】信号bおよび信号cのうちから1方の選択
は、2次元映像信号aが奇数フィールドか偶数フィール
ドかに基づいて行なわれる。すなわち、信号bおよび信
号cのうち、2次元映像信号aのフィールド種類(奇数
フィールドか偶数フィールド)に対応するものが選択さ
れる。映像切換回路13による映像の切り換えは、CP
U20によって制御される。
【0026】各位相制御回路14、15は、入力される
映像信号の位相をずらすことにより、入力される映像の
表示位置を水平方向に移動させるために設けられてい
る。位相のずらし量およびずらし方向は、メモリ制御回
路24によって制御される。左画像用位相制御回路14
の出力は、左画像出力端子2に送られる。また、右画像
用位相制御回路15の出力は、右画像出力端子3に送ら
れる。
【0027】CPU20は、メモリ制御回路24および
映像切換回路13を制御する。CPU20は、そのプロ
グラム等を記憶するROM21および必要なデータを記
憶するRAM22を備えている。CPU20には、動き
ベクトル検出回路16から動きベクトル検出に必要なデ
ータが送られてくる。また、CPU20には、各種入力
手段および表示器を備えた操作・表示部23が接続され
ている。
【0028】CPU20は、動きベクトルに基づいて、
フィールドメモリ11による遅延量(遅延フィールド
数)を算出する。つまり、原則的には、動きベクトルが
大きい場合には、遅延量が小さくなるように、動きベク
トルが小さい場合には、遅延量が大きくなるように、遅
延量を決定する。
【0029】また、CPU20は、動きベクトルの方向
に基づいて、映像切換回路13を制御する。つまり、動
きベクトルの方向が左から右の場合には、入力された2
次元映像信号aを左目用位相制御回路14に、遅延され
た2次元映像信号bまたはcを右目用位相制御回路15
に送る。動きベクトルの方向が右から左の場合には、入
力された2次元映像信号aを右目用位相制御回路14
に、遅延された2次元映像信号bまたはcを左目用位相
制御回路15に送る。
【0030】この2D/3D変換装置では、フィールド
遅延方式によって左目用画像と右目用画像とを生成する
ことにより視差を発生させ、生成された左目用画像と右
目用画像の両方または一方に位相ずらしを施すことによ
り、被写体と基準スクリーン面との位置関係を変化させ
ている。
【0031】図2は、CPUによる2D/3D変換処理
手順を示している。
【0032】CPUによる2D/3D変換処理は、入力
映像信号aのフィールドの切り換えタイミングがくるご
とに行なわれる。
【0033】(1)ステップ1では、今回入力された1
フィールド分の2次元映像信号を書き込むか書き込まな
いかを示すデータ、書き込みを行う場合には書き込むべ
きフィールドメモリ(書込みメモリ)を示すデータ、2
次元映像信号を読み出すべきフィールドメモリ(読み出
しメモリ)を示すデータがメモリ制御回路24に出力さ
れる。これらのデータは、前回の2D/3D変換処理の
ステップ11のフィールドメモリ制御用データ生成処理
で生成される。
【0034】また、ステップ1では、各位相制御回路1
4、15による位相ずれ量および向きを示すデータがメ
モリ制御回路24に出力される。さらに、映像切換回路
13に映像切り換え制御信号が出力される。各位相制御
回路14、15による位相ずれ量および向きは、前回の
2D/3D変換処理のステップ2で既に取り込まれて記
憶されているデータに基づいて決定される。
【0035】また、遅延された2次元映像信号bおよび
cのうちの一方の選択は、フィールドメモリ11から読
み出されるべき2次元映像信号bのフィールド種類と、
2次元映像信号aのフィールド種類とに基づいて決定さ
れる。さらに、選択された信号bまたはcと、信号aと
の切り換えは、前回の2D/3D変換処理で求められた
水平方向の動きベクトルの方向に基づいて決定される。
選択された信号bまたはcと、信号aとの切り換え方向
は、遅延量の極性によって表される。
【0036】(2)ステップ2では、操作・表示部23
からの各種入力信号が取り込まれて記憶される。各種入
力信号には、位相ずれ量および向きを設定する信号、遅
延量を自動で算出するか(自動モード)、手動で設定す
るか(手動モード)を示す自動・手動モード設定信号、
自動モードが設定されるときに行なわれる遅延量倍率設
定信号、手動モードが設定されるときに行なわれる遅延
量設定信号等がある。
【0037】(3)ステップ3では、前回の2D/3D
変換処理のステップ10で求められた各動きベクトル検
出領域ごとの動きベクトルに対する信頼性結果に基づい
て、信頼性のある動きベクトルのみが抽出される。
【0038】(4)ステップ4では、ステップ3で抽出
された信頼性のある動きベクトルのうち、垂直方向成分
が所定値より小さいもののみが抽出される。
【0039】(5)ステップ5では、ステップ4で抽出
された信頼性のある動きベクトルの水平方向成分(有効
水平方向動きベクトル)の平均値が算出される。
【0040】(6)ステップ6では、ステップ5で算出
された有効水平方向動きベクトルの平均値に基づく、遅
延量算出処理が行なわれる。この遅延量算出処理の詳細
については、後述する。
【0041】(7)ステップ7では、ステップ2で取り
込まれて記憶されているデータに基づいて、自動モード
か手動モードかが判別される。
【0042】(8)ステップ7で手動モードが設定され
ていると判別された場合には、遅延量が、ステップ2で
取り込まれた設定値に固定される(ステップ8)。
【0043】(9)ステップ7で自動モードが設定され
ていると判別された場合には、ステップ6の遅延量算出
処理で用いられる履歴データが更新される(ステップ
9)。
【0044】(10)ステップ10では、動きベクトル
検出回路16から動きベクトル検出に必要なデータが取
り込まれ、各動きベクトル検出領域に対する動きベクト
ルが算出される。また、各動きベクトル検出領域ごとの
相関累積値の平均値および最小値に基づいて、各動きベ
クトル検出領域ごとに動きベクトルの信頼性が判別され
る。そして、算出された動きベクトルおよび信頼性判別
結果がRAM22に記憶される。
【0045】(11)ステップ11では、フィールドメ
モリ制御用データ生成処理が行なわれる。つまり、遅延
量設定モードが自動モードである場合に、ステップ6で
算出された遅延量(遅延フィールド数)に基づいて、次
回のフィールドに対する2次元映像信号を書き込むか否
かを示すデータ、書き込む場合には書込みメモリを示す
データおよび読出しメモリを示すデータが生成される。
フィールドメモリ制御用データ生成処理の詳細について
は後述する。
【0046】図3は、図2のステップ6の遅延量算出処
理の詳細な手順を示している。
【0047】まず、上記ステップ2で設定されて記憶さ
れている遅延量倍率設定値および上記ステップ5で求め
られた有効水平方向動きベクトルの平均値v(以下、動
きベクトル平均値という)に基づいて、第1遅延量d1
が求められる(ステップ21)。
【0048】図4は、動きベクトル平均値と、遅延量と
の関係を示している。図4に示すような関係が遅延量テ
ーブルとしてROM21に記憶されている。そして、ま
ず、動きベクトル平均値に対応する遅延量が、遅延量テ
ーブルから求められる。
【0049】ところで、同じ3次元映像信号であって
も、立体表示装置(モニタ)の条件、すなわち、モニタ
の種類およびモニタを見る条件によって、視差が異な
る。そこで、モニタの条件にかかわらず、同じような立
体感を得るために、あるいは観察者の好みに合うよう
に、上記ステップ2で設定されて記憶されている遅延量
倍率設定値を、遅延量テーブルから求められた遅延量に
積算することにより、第1遅延量d1が求められる。
【0050】モニタの条件にかかわらず、同じような立
体感を得るために、複数種類の遅延量テーブルを格納し
ておき、操作・表示部23から、モニタの条件または観
察者の好みに応じた遅延量テーブルを選択するための命
令を入力するようにしてもよい。
【0051】また、遅延量テーブルではなく、予め定め
られた関係式に基づいて、第1遅延量を求めるようにし
てもよい。この場合の関係式の求め方について図5を参
照して説明する。
【0052】モニタ面Sと、観察者の目31、32との
好適な間隔を適視距離A〔mm〕とする。また、モニタ
面S上での注視物体の右画像Rと左画像Lとの間隔を視
差B〔mm〕とする。また、眼間距離をC〔mm〕とす
る。適視距離Aは、モニタの条件によって決定される。
注視物体の視差Bは、3次元映像信号が同じであって
も、モニタの条件によって異なる。
【0053】適視距離Aと、視差Bと、眼間距離Cとに
より、注視物体の立体像位置Pは決まる。つまり、注視
物体のモニタ面Sからの飛び出し量D〔mm〕は、適視
距離Aと視差Bと眼間距離Cとによって決まる。
【0054】モニタの条件にかかわらず、注視物体のモ
ニタ面Sからの飛び出し量を一定量Dにするための視差
Bは、次の数式1で表される。
【0055】
【数1】B=D・C/(A−D)
【0056】モニタの水平長をH〔mm〕、モニタの水
平方向画素数をh〔画素〕とし、動きベクトル平均値を
v〔画素/フィールド〕、第1遅延量をd1〔フィール
ド〕とすると、次の関係が成り立つ。
【0057】
【数2】d1・v=(h/H)・B
【0058】ここで、視差Bの画素換算量( =(h/
H)・B)を操作・表示部23によって設定される調整
量X(モニタの条件に関するデータまたは観察者の好み
に応じたデータ)とすると、第1遅延量d1は、次の関
係式で求められる。
【0059】
【数3】d1=X/v
【0060】ステップ21で、第1遅延量d1が求めら
れると、遅延量履歴データに基づいて、今回から過去9
回までの10フィールド分の遅延量の平均値、前回から
その過去9回までの10フィールド分の遅延量の平均
値、前前回からその過去9回までの10フィールド分の
遅延量の平均値がそれぞれ算出される(ステップ2
2)。
【0061】ステップ22で用いられた遅延量履歴デー
タは、過去において、ステップ21で得られた第1遅延
量d1である。
【0062】次に、3組の平均値のうち、2つ以上が同
じ値であれば、その値(多数値)が第2遅延量d2とし
て選択され、すべてが異なる値であればその中間値が第
2遅延量d2として選択される(ステップ23)。
【0063】次に、ステップ23で選択された第2遅延
量d2と、12〜18フィールド前のうちの1つ(たと
えば、15フィールド前)の第2遅延量d2と、30フ
ィールド前の第2遅延量d2とが比較される(ステップ
24)。ステップ24で用いられた遅延量履歴データ
は、過去において、ステップ23で得られた第2遅延量
d2である。
【0064】全ての第2遅延量d2が一致する場合には
(ステップ25でYES)、目標遅延量Pdがステップ
23で選択された第2遅延量に変更された後(Pd=d
2)(ステップ26)、ステップ30に進む。したがっ
て、図6に示すように、3つの第2遅延量d2(過去の
ものから順にd2−1、d2−2、d2−3で表す)が
変化し、全ての第2遅延量d2が一致すると、目標遅延
量Pdが第2遅延量(d2−3)に変更される。
【0065】全ての第2遅延量d2が一致しない場合に
は(ステップ25でNO)、全ての第2遅延量d2が現
在の目標遅延量Pdより大きいか、全ての第2遅延量d
2が現在の目標遅延量Pdより小さいか、またはそれら
の条件に該当しないかが判別される(ステップ27)。
【0066】全ての第2遅延量d2が現在の目標遅延量
Pdより大きいときには、目標遅延量Pdが+1された
後(Pd=Pd+1)(ステップ28)、ステップ30
に進む。たとえば、図7に示すように、3つの第2遅延
量d2(過去のものから順にd2−1、d2−2、d2
−3で表す)が変化し、全ての第2遅延量d2が現在の
目標遅延量Pdより大きいときには、目標遅延量Pdが
+1される。
【0067】全ての第2遅延量d2が現在の目標遅延量
Pdより小さいときには、目標遅延量Pdが−1された
後(Pd=Pd−1)(ステップ29)、ステップ30
に進む。全ての第2遅延量d2が現在の目標遅延量Pd
より大きくなくかつ全ての第2遅延量d2が現在の目標
遅延量dより小さくないときには、目標遅延量Pdを変
更することなくステップ30に進む。
【0068】ステップ30では、目標遅延量Pdと現在
実際に設定されている遅延量(設定遅延量d3)とが一
致するか否かが判別される。目標遅延量Pdと設定遅延
量d3とが一致していない場合には、現在の設定遅延量
d3が既に4フィールド継続しているか否かが判別され
る(ステップ31)。現在の設定遅延量d3が既に4フ
ィールド継続している場合には、設定遅延量d3が目標
遅延量Pdに近づく方向に1だけ変更される(d3=d
3±1)(ステップ32)。そして、図2のステップ7
に移行する。
【0069】上記ステップ30で、目標遅延量と現在の
設定遅延量とが一致している場合または、上記ステップ
31で現在の設定遅延量が既に4フィールド継続してい
ない場合には、遅延量を変更することなく、図2のステ
ップ7に移行する。
【0070】つまり、この例では、設定遅延量d3は4
フィールド周期単位でかつ1フィールド分ずつ目標遅延
量Pdに近づくように制御される。
【0071】なお、電源投入後において、ステップ21
において、初めて第1遅延量d1が算出されたときに
は、第2遅延量d2、目標遅延量Pdおよび設定遅延量
d3はd1と等しくなる。
【0072】図3の処理において、ステップ22で、今
回から過去9回までの10フィールド分の遅延量の平均
値のみを算出し、これを目標遅延量とし、ステップ2
3、24、25、26、27、28、29の処理を省略
してもよい。
【0073】また、ステップ22において、今回から過
去9回の10フィールド分の遅延量の平均値のみを算出
し、これを第2遅延量とし、ステップ23の処理を省略
してもよい。
【0074】また、ステップ23で求められた第2遅延
量を目標遅延量とし、ステップ24、25、26、2
7、28、29の処理を省略してもよい。
【0075】また、ステップ22および23の処理を省
略してもよい。この場合には、ステップ24で用いられ
る第2遅延量として、ステップ21で求められた第1遅
延量d1が用いられる。
【0076】次に、図8〜図21を参照して、図2のス
テップ11のフィールドメモリ制御用データ生成処理に
ついて説明する。
【0077】フィールドメモリ制御用データ生成処理を
説明する前に、テレシネ変換の概要について説明する。
【0078】映画フィルムの毎秒像数(コマ数)とテレ
ビの1秒間のフレーム数との違いは、テレシネシステム
によって調整される。35mm、16mm標準映画フィ
ルムの毎秒コマ数は、24コマである。8mm映画フィ
ルムの毎秒コマ数は、16コマまたは18コマである。
これに対して、NTSCの毎秒フレーム数は、30フレ
ーム(60フィールド)である。
【0079】テレシネシステムとして、一般的な間欠式
映写機は表1に示すように、フィルムを間欠的に送り、
画像アパーチャにフィルムが停止した期間に照射を行
い、これをフィルムカメラで受けて映像信号に変換す
る。
【0080】
【表1】
【0081】テレシネシステムによって得られた映像を
1フィールドごとにコマ送りして見ると、動きのないフ
ィールドが規則的な間隔で現れる。したがって、フィー
ルドごとに検出した動きベクトルは、ノイズ等の外乱を
無視すれば、規則的な間隔で動き0のベクトルが検出さ
れる。
【0082】図8は、毎秒24コマの映画フィルムから
得られた映像に対する動きベクトルの変化例を示してい
る。この例では、動きベクトルは、フィールドの切れ目
ごとに、α1→0→β1→0→0→α2→0→β2→0
→0
【0083】図1の入力端子1に入力される映像信号a
がどのようなテレシネ変換が施されたものかを決定する
パラメータは、動きベクトルである。すなわち、動きベ
クトルがどのような規則性をもって0となるかを知るこ
とによって、テレシネ変換規則および周期パターンを把
握することができる。実際には、代表点マッチング法に
よって動きベクトル検出時に得られる相関累積値の最小
値(の1フィールドを構成する領域の各々の値)の和に
基づいて、テレシネ変換規則および周期パターンが把握
される。
【0084】ところで、図2のステップ6で算出される
遅延量の最大値(最大遅延数)がたとえば6である場合
に、入力される各フィールドの2次元映像信号aをフィ
ールドメモリ11に順次書き込んでいくようにすると、
6個のフィールドメモリが必要となる。
【0085】テレシネ変換された映像は、図10に示す
ように、同じコマが数フィールド連続して出現する。こ
の実施例では、図9に示すように、同じコマが連続して
現れる各フィールド群ごとに、各フィールド群の複数の
フィールドのうち、最終のフィールドのみをフィールド
メモリに退避させることにより、フィールドメモリ数の
削減を図っている。ここでは、フィールドメモリ数を6
から3に削減した例について説明する。
【0086】2−3プルダウン方式によってテレシネ変
換された2次元映像信号が入力されている場合のフィー
ルドメモリ制御用データ生成処理について説明する。
【0087】この場合のフィールドメモリへの書き込み
・読み出し規則は次の通りである。 (a)テレシネ周期が安定している場合、同じコマが連
続して現れる複数のフィールドのうち、最終フィールド
のみをフィールドメモリに退避させる。 (b)両眼のコマの遅延量がなるべく一定となるように
遅延フィールド数を変換する。 (c)変換後1コマに割り当てられるフィールド数は、
2フィールド〜3フィールドとする。 (d)変換後の遅延フィールド数(次フィールドの遅延
フィールド数)は、通常時の遅延フィールド数(図2の
ステップ6で決定された設定遅延量d3)が1〜2(−
1〜−2)のときには1コマ遅延、通常時の遅延フィー
ルド数が3〜4(−3〜−4)のときには2コマ遅延、
通常時の遅延フィールド数が5〜6(−5〜−6)のと
きには3コマ遅延、となるように割り当てる。 (e)遅延コマ数が大きくなる方向に変化する際には、
1コマに3フィールドを割り当てる。逆に、遅延コマ数
が小さくなる方向に変化する際には、1コマに2フィー
ルドを割り当てる。
【0088】2−3プルダウンモードでテレシネ変換さ
れた映像信号を、図10に示すように表す。ここで符号
A、B、C…は、コマの種類を示し、添字1、2、3…
はフィールド番号を示している。
【0089】図11〜図16は、入力映像信号aが図1
0に示す映像信号である場合に、実際に出力される遅延
画像を示している。
【0090】図11は、通常時の遅延フィールド数が1
〜2(−1〜−2)のときの実際に出力される遅延画像
(信号b)を示している。この場合は、1コマ遅延とな
る。この図において、上欄のスルーに対応する画像は、
片目用の映像信号として出力される現フィールドの画像
を表している。また上欄のA、B、Cは、フィールドメ
モリを示している。そして、括弧で囲まれた画像が、実
際に出力される遅延画像を示している。
【0091】図12は、通常時の遅延フィールド数が3
〜4(−3〜−4)のときの実際に出力される遅延画像
を示している。この場合は、2コマ遅延となる。
【0092】図13は、通常時の遅延フィールド数が5
〜6(−5〜−6)のときの実際に出力される遅延画像
を示している。この場合は、3コマ遅延となる。
【0093】図14は、通常時の遅延フィールド数が2
→3→4→5と変化する場合の実際に出力される遅延画
像を示している。
【0094】図15は、通常時の遅延フィールド数が5
→4→3→2と変化する場合の実際に出力される遅延画
像を示している。
【0095】次に、2−2プルダウン方式によってテレ
シネ変換された2次元映像信号が入力されている場合の
フィールドメモリ制御用データ生成処理について説明す
る。
【0096】この場合のフィールドメモリへの書き込み
・読み出し規則は次の通りである。 (a)テレシネ周期が安定している場合、同じコマが連
続して現れる複数のフィールドのうち、最終フィールド
のみをフィールドメモリに退避させる。 (b)両眼のコマの遅延量がなるべく一定となるように
遅延フィールド数を変換する。 (c)変換後1コマに割り当てられるフィールド数は、
1フィールド〜3フィールドとする。 (d)変換後の遅延フィールド数(次フィールドの遅延
フィールド数)は、通常時の遅延フィールド数(図2の
ステップ6で決定された設定遅延量d3)が1〜2(−
1〜−2)のときには1コマ遅延、通常時の遅延フィー
ルド数が3〜4(−3〜−4)のときには2コマ遅延、
通常時の遅延フィールド数が5〜6(−5〜−6)のと
きには3コマ遅延、となるように割り当てる。 (e)遅延コマ数が大きくなる方向に変化する際には、
1コマに3フィールドを割り当てる。逆に、遅延コマ数
が小さくなる方向に変化する際には、1コマに1フィー
ルドを割り当てる。
【0097】2−2プルダウンモードでテレシネ変換さ
れた映像信号を、図16に示すように表す。ここで符号
A、B、C…は、コマの種類を示し、添字1、2、3…
はフィールド番号を示している。
【0098】図17〜図20は、入力映像信号が図16
に示す映像信号である場合に、実際に出力される遅延画
像を示している。
【0099】図17は、通常時の遅延フィールド数が1
〜2(−1〜−2)のときの実際に出力される遅延画像
を示している。この場合は、1コマ遅延となる。
【0100】図18は、通常時の遅延フィールド数が3
〜4(−3〜−4)のときの実際に出力される遅延画像
を示している。この場合は、2コマ遅延となる。
【0101】図19は、通常時の遅延フィールド数が5
〜6(−5〜−6)のときの実際に出力される遅延画像
を示している。この場合は、3コマ遅延となる。
【0102】図20は、通常時の遅延フィールド数が2
→3→4→5→6と変化する場合の実際に出力される遅
延画像を示している。
【0103】表2は、2−3プルダウン方式でテレシネ
変換された画像の動きベクトルのピーク履歴による周期
パターンの割り付け表を示している。2−3プルダウン
方式でテレシネ変換された画像では、動きのないフィー
ルド(動きベクトル0)が規則的な間隔で現れ、その周
期パターンは表2の0〜4のいずれかとなる。このよう
な割り付け表は、周期パターン割り付けテーブルとして
ROM21に記憶されている。
【0104】
【表2】
【0105】表2において、上覧の遅延フィールド数0
は、現フィールドを示し、遅延フィールド数1〜6は、
現フィールドに対して1〜6遅れたフィールドをそれぞ
れ示している。
【0106】表3は、2−2プルダウン方式でテレシネ
変換された画像の動きベクトルのピーク履歴による周期
パターンの割り付け表を示している。2−2プルダウン
方式でテレシネ変換された画像では、動きのないフィー
ルドが規則的な間隔で現れ、その周期パターンは表3の
0または1のいずれかとなる。このような割り付け表
は、周期パターン割り付けテーブルとしてROM21に
記憶されている。
【0107】
【表3】
【0108】以下、図21に基づいて、フィールドメモ
リ制御データ生成処理について説明する。ここでは、2
−3プルダウン方式によってテレシネ変換された映像信
号および2−2プルダウン方式によってテレシネ変換さ
れた映像信号のいずれかが入力される場合を示してい
る。
【0109】まず、今回検出された動きベクトルおよび
過去の動きベクトル履歴に基づいて、入力映像信号が2
−3プルダウン方式によって変換された信号か2−2プ
ルダウン方式によって変換された信号かが判別されると
ともに、現フィールドでの周期パターンが判定され、そ
の判別結果がRAM22に記憶される(ステップ1)。
【0110】次に、書き込みフラグFがセットされてい
る(F=1)か否かが判定される(ステップ2)。書き
込みフラグFは、現フィールドの入力映像信号がフィー
ルドメモリに書き込まれたか否かを記憶している。書き
込みフラグFが、セットされている場合には現フィール
ドの入力映像信号がフィールドメモリに書き込まれたこ
とを示している。
【0111】書き込みフラグFがセットされている場合
には、現フィールドの入力映像信号がフィールドメモリ
に書き込まれたのであるから、次にデータを書き込むべ
きフィールドメモリの番号が更新される(ステップ
3)。なお、3つのフィールドメモリA、B、Cへのデ
ータの書き込み順序は、たとえば、A→B→C→Aとい
うように予め定まっている。
【0112】また、予想遅延コマ数nが1だけインクリ
メントされる。予想遅延コマ数nとは、一方の目用とし
て提示される入力映像のコマに対し、他方の目用として
提示される遅延された映像のコマが何コマ遅れているか
を遅延コマ数とすると、現フィールドで表示されている
遅延コマが次フィールドにおいて表示されたと仮定した
場合の、次フィールドでの遅延コマ数をいう。上記ステ
ップ2で書き込みフラグFがセットされている場合に
は、次フィールドにおいて入力される映像のコマは、現
フィールドで入力された映像のコマより1つ新しいコマ
となるため、予想遅延コマ数nが更新される。
【0113】この後、書き込みフラグFの更新処理が行
われる(ステップ4)。つまり、次フィールドが、同じ
コマが連続して現れる複数のフィールドのうちの最終フ
ィールドであれば、書き込みフラグFがセットされ、そ
うでなければ書き込みフラグFはリセット状態にされ
る。
【0114】入力信号が2−3プルダウン方式によって
テレシネ変換された信号である場合においては、周期パ
ターンが0のときおよび周期パターンが2のときに、入
力フィールドは同じコマが連続して現れる複数のフィー
ルドのうちの最終フィールドとなる。ステップ4での書
き込みフラグの更新は、次フィールドにおいて、入力映
像信号をフィールドメモリに書き込むか否かを指定する
ためのものであるため、上記ステップ1によって判定さ
れた現フィールドでの周期パターンが4または1のとき
に、書き込みフラグFがセットされる。
【0115】入力信号が2−2プルダウン方式によって
テレシネ変換された信号である場合においては、周期パ
ターンが0のときに、入力フィールドは同じコマが連続
して現れる複数のフィールドのうちの最終フィールドと
なる。したがって、上記ステップ1によって判定された
現フィールドでの周期パターンが1のときに、書き込み
フラグFがセットされる。
【0116】なお、上記ステップ2で書き込みフラグF
がセットされていないときには(F=0)、書き込みメ
モリの番号および遅延コマ数nは変化しないので、これ
らの更新(ステップ3の処理)を行うことなくステップ
4に進み、書き込みフラグFの更新処理が行われる。
【0117】ステップ4の処理が行われると、フィール
ドメモリへの書き込み・読み出し規則に応じた遅延コマ
数(以下、所望遅延コマ数mという)が決定される(ス
テップ5)。つまり、通常時の遅延フィールド数(d
3)が1または2のときには、所望遅延コマ数mは1と
される。通常時の遅延フィールド数(d3)が1または
2のときには、所望遅延コマ数mは1と決定される。通
常時の遅延フィールド数(d3)が3または4のときに
は、所望遅延コマ数mは2と決定される。通常時の遅延
フィールド数(d3)が5または6のときには、所望遅
延コマ数mは3と決定される。
【0118】次に、所望遅延コマ数mと、予想遅延コマ
数nとが比較され、m=n、m<n、またはm<nの3
つに場合分けされる(ステップ6)。
【0119】(1)所望遅延コマ数mと予想遅延コマ数
nとが等しい場合(m=n) まず、m=nの場合の処理内容の概要について説明す
る。
【0120】(i) 現フィールドで表示された遅延コマ
を、次フィールドにおいても遅延コマとして表示する。
【0121】(ii) ただし、現フィールドにおいて表示
された遅延コマの連続表示回数(同一コマの連続表示回
数)Kが、予め定められた最大連続表示回数Kmax に達
している場合には、現フィールドにおいて表示された遅
延コマより1つ新しいコマを、次フィールドにおいて遅
延コマとして表示する。
【0122】(iii) (ii)の場合であっても、現フィー
ルドにおいて表示された遅延コマより1つ新しいコマ
が、次フィールドにおいて存在しない場合には、現フィ
ールドにおいて表示された遅延コマを、次フィールドに
おいて遅延コマとして表示する。
【0123】所望遅延コマ数mと予想遅延コマ数nとが
等しい場合には、まず、現フィールドにおいて表示され
た遅延コマの連続表示回数(同一コマの連続表示回数)
Kが、予め定められた最大連続表示回数Kmax 以上か否
かが判別される(ステップ7)。入力信号が2−3プル
ダウン方式によってテレシネ変換された信号である場合
においても、入力信号が2−2プルダウン方式によって
テレシネ変換された信号である場合においても、フィー
ルドメモリへの書き込み・読み出し規則により、最大連
続表示回数Kmax は3である。
【0124】同一コマの連続表示回数Kが最大連続表示
回数Kmax より小さい場合には、次フィールドにおい
て、現フィールドでの遅延コマと同じものを遅延コマと
して表示させるために、所望遅延コマ数mが予想遅延コ
マ数nに設定される(m←n)とともに、同一コマの連
続表示回数Kが1だけインクリメントされる(ステップ
9)。
【0125】同一コマの連続表示回数Kが最大連続表示
回数Kmax 以上の場合には、予想遅延コマ数nが0か否
か、すなわち、現フィールドにおいて遅延コマとして表
示された映像は、次フィールドにおいてもスルー映像
(入力映像信号a)であるか否かが判別される(ステッ
プ8)。
【0126】予想遅延コマ数nが0でない場合には、現
フィールドにおいて遅延コマとして表示された映像は、
次フィールドにおいてスルー映像ではないので、現フィ
ールドにおいて表示された遅延コマより新しいコマが次
フィールドにおいて存在する。そこで、次フィールドに
おいて、現フィールドで表示された遅延コマより、1つ
だけ新しいコマを遅延コマとして表示させるために、所
望遅延コマ数mが予想遅延コマ数nより1だけ小さい値
に設定される(m←n−1)とともに、同一コマの連続
表示回数Kが1に設定される(ステップ10)。
【0127】予想遅延コマ数nが0である場合には、現
フィールドにおいて遅延コマとして表示された映像は、
次フィールドにおいてもスルー映像なので、次フィール
ドにおいては新しいコマが存在しない。そこで、次フィ
ールドにおいて現フィールドでの遅延コマと同じもの
を、止むを得ず、遅延コマとして表示させるために、所
望遅延コマ数mが予想遅延コマ数nに設定される(m←
n)とともに、同一コマの連続表示回数Kが1だけイン
クリメントされる(ステップ9)。
【0128】(2)所望遅延コマ数mが予想遅延コマ数
nより小さい場合(m<n) まず、m<nの場合の処理内容の概要について説明す
る。
【0129】(i) 現フィールドで表示された遅延コマ
より1つ新しいコマを、次フィールドにおいても遅延コ
マとして表示する。
【0130】(ii) ただし、現フィールドにおいて表示
された遅延コマの連続表示回数(同一コマの連続表示回
数)Kが、予め定められた最小連続表示回数Kmin に達
していない場合には、現フィールドにおいて表示された
遅延コマを、次フィールドにおいて遅延コマとして表示
する。
【0131】(iii) (ii)の場合であっても、現フィー
ルドにおいて表示された遅延コマが、次フィールドにお
いていずれのフィールドメモリ内にも存在しなくなる場
合には、次フィールドにおいてフィールドメモリ内に存
在する最も古いコマを、次フィールドにおいて遅延コマ
として表示する。
【0132】(iv) 現フィールドにおいて表示された遅
延コマの連続表示回数Kが、予め定められた最小連続表
示回数Kmin に達していても、現フィールドにおいて表
示された遅延コマより1つ新しいコマが、次フィールド
において存在しない場合には、現フィールドにおいて表
示された遅延コマを、次フィールドにおいて遅延コマと
して表示する。
【0133】所望遅延コマ数mが予想遅延コマ数nより
小さい場合には、まず、現フィールドにおいて表示され
た遅延コマの連続表示回数(同一コマの連続表示回数)
Kが、予め定められた最小連続表示回数Kmin より小さ
いか否かが判別される(ステップ11)。
【0134】入力信号が2−3プルダウン方式によって
テレシネ変換された信号である場合には最小連続表示回
数Kmin は2であり、入力信号が2−2プルダウン方式
によってテレシネ変換された信号である場合には最小連
続表示回数Kmin は1である。
【0135】同一コマの連続表示回数Kが最小連続表示
回数Kmin 以上の場合には、予想遅延コマ数nが0か否
か、すなわち、現フィールドにおいて遅延コマとして表
示された映像は、次フィールドにおいてもスルー映像
(入力映像信号a)であるか否かが判別される(ステッ
プ8)。
【0136】予想遅延コマ数nが0でない場合には、現
フィールドにおいて遅延コマとして表示された映像は、
次フィールドにおいてスルー映像ではないので、現フィ
ールドにおいて表示された遅延コマより新しいコマが次
フィールドにおいて存在する。そこで、次フィールドに
おいて、現フィールドで表示された遅延コマより、1つ
だけ新しいコマを遅延コマとして表示させるために、所
望遅延コマ数mが予想遅延コマ数nより1だけ小さい値
に設定される(m←n−1)とともに、同一コマの連続
表示回数Kが1に設定される(ステップ10)。
【0137】予想遅延コマ数nが0である場合には、現
フィールドにおいて遅延コマとして表示された映像は、
次フィールドにおいてもスルー映像なので、次フィール
ドにおいては新しいコマが存在しない。そこで、次フィ
ールドにおいて現フィールドでの遅延コマと同じもの
を、止むを得ず、遅延コマとして表示させるために、所
望遅延コマ数mが予想遅延コマ数nに設定される(m←
n)とともに、同一コマの連続表示回数Kが1だけイン
クリメントされる(ステップ9)。
【0138】上記ステップ11において、同一コマの連
続表示回数Kが最小連続表示回数Kmin より小さい場合
には、予想遅延コマ数nがフィールドメモリ総数L(こ
の例では3)より大きいか否か、すなわち、次フィール
ドにおいて現フィールドで表示された遅延コマが全フィ
ールドメモリ内に存在しなくなるか否かが判別される
(ステップ12)。
【0139】予想遅延コマ数nがフィールドメモリ総数
L以下である場合には、次フィールドにおいて現フィー
ルドで表示された遅延コマがいずれかのフィールドメモ
リ内に存在するので、次フィールドにおいて現フィール
ドでの遅延コマと同じものを遅延コマとして表示させる
ために、所望遅延コマ数mが予想遅延コマ数nに設定さ
れる(m←n)とともに、同一コマの表示回数Kが1だ
けインクリメントされる(ステップ9)。
【0140】予想遅延コマ数nがフィールドメモリ総数
Lより大きい場合には、次フィールドにおいて現フィー
ルドで表示された遅延コマがいずれのフィールドメモリ
内にも存在しないので、次フィールドにおいて現フィー
ルドでの遅延コマと同じものを遅延コマとして表示でき
ない。そこで、次フィールドにおいて、全フィールドメ
モリ内の最も古いコマを遅延コマとして表示させるため
に、所望遅延コマ数mがフィールドメモリ総数Lに設定
される(m←L)とともに、同一コマの表示回数Kが1
に設定される(ステップ13)。
【0141】(3)所望遅延コマ数mが予想遅延コマ数
nより大きい場合(m>n) まず、m>nの場合の処理内容の概要について説明す
る。
【0142】(i) 所望遅延コマ数mに従うと、次フィー
ルドにおいては、現フィールドで表示された遅延コマよ
り古いコマが表示されてしまう。そこで、これを防止す
るために、現フィールドで表示された遅延コマを、次フ
ィールドにおいて、遅延コマとして表示する。
【0143】(ii) ただし、現フィールドで表示された
遅延コマの連続表示回数Kが最大連続表示回数Kmax に
達していれば、次フィールドにおいては現フィールドで
表示された遅延コマより1つだけ新しいコマを遅延コマ
として表示する。
【0144】(iii) (ii) の場合であっても、次フィー
ルドにおいて、現フィールドで表示された遅延コマより
1つだけ新しいコマが存在しない場合には、現フィール
ドで表示された遅延コマを次フィールドにおいても遅延
コマとして表示する。
【0145】(iv) 現フィールドで表示された遅延コマ
の連続表示回数Kが最大連続表示回数Kmax に達してい
ても、次フィールドにおいて現フィールドで表示された
遅延コマがいずれのフィールドメモリにも存在しなくな
る場合には、次フィールドにおいて全フィールドメモリ
内の最も古いコマを、次フィールドにおいて遅延コマと
して表示する。
【0146】所望遅延コマ数mが予想遅延コマ数nより
大きい場合には、まず、現フィールドにおいて表示され
た遅延コマの連続表示回数(同一コマの連続表示回数)
Kが、最大連続表示回数Kmax 以上か否かが判別される
(ステップ14)。
【0147】同一コマの連続表示回数Kが最大連続表示
回数Kmax 以上の場合には、予想遅延コマ数nが0か否
か、すなわち、現フィールドにおいて遅延コマとして表
示された映像は、次フィールドにおいてもスルー映像
(入力映像信号a)であるか否かが判別される(ステッ
プ8)。
【0148】予想遅延コマ数nが0でない場合には、現
フィールドにおいて遅延コマとして表示された映像は、
次フィールドにおいてスルー映像ではないので、現フィ
ールドにおいて表示された遅延コマより新しいコマが次
フィールドにおいて存在する。そこで、次フィールドに
おいて、現フィールドで表示された遅延コマより、1つ
だけ新しいコマを遅延コマとして表示させるために、所
望遅延コマ数mが予想遅延コマ数nより1だけ小さい値
に設定される(m←n−1)とともに、同一コマの連続
表示回数Kが1に設定される(ステップ10)。
【0149】予想遅延コマ数nが0である場合には、現
フィールドにおいて遅延コマとして表示された映像は、
次フィールドにおいてもスルー映像なので、次フィール
ドにおいては新しいコマが存在しない。そこで、次フィ
ールドにおいて現フィールドでの遅延コマと同じもの
を、止むを得ず、遅延コマとして表示させるために、所
望遅延コマ数mが予想遅延コマ数nに設定される(m←
n)とともに、同一コマの連続表示回数Kが1だけイン
クリメントされる(ステップ9)。
【0150】上記ステップ14において、同一コマの連
続表示回数Kが最大連続表示回数Kmax より小さい場合
には、予想遅延コマ数nがフィールドメモリ総数L(こ
の例では3)より大きいか否か、すなわち、次フィール
ドにおいて現フィールドで表示された遅延コマがいずれ
のフィールドメモリ内にも存在しなくなるか否かが判別
される(ステップ12)。
【0151】予想遅延コマ数nがフィールドメモリ総数
L以下である場合には、次フィールドにおいて現フィー
ルドで表示された遅延コマがいずれかのフィールドメモ
リ内に存在するので、次フィールドにおいて現フィール
ドでの遅延コマと同じものを遅延コマとして表示させる
ために、所望遅延コマ数mが予想遅延コマ数nに設定さ
れる(m←n)とともに、同一コマの表示回数Kが1だ
けインクリメントされる(ステップ9)。
【0152】予想遅延コマ数nがフィールドメモリ総数
Lより大きい場合には、次フィールドにおいて現フィー
ルドで表示された遅延コマがいずれのフィールドメモリ
内にも存在しないので、次フィールドにおいて現フィー
ルドでの遅延コマと同じものを遅延コマとして表示でき
ない。そこで、次フィールドにおいて、全フィールドメ
モリ内の最も古いコマを遅延コマとして表示させるため
に、所望遅延コマ数mがフィールドメモリ総数Lに設定
される(m←L)とともに、同一コマの表示回数Kが1
に設定される(ステップ13)。
【0153】上記ステップ9、10または13において
所望遅延コマ数mが決定されると、ステップ15に移行
する。ステップ15では、上記ステップ9、10または
13において決定された所望遅延コマ数mに、予想遅延
コマ数nの値が設定される(n←m)。そして、今回の
処理は終了する。
【0154】2−3プルダウン方式によるテレシネ変換
映像のように同じコマに属するフィールドが奇数回連続
する部分を持つ映像では、上記実施の形態のように、同
じコマが連続して現れる各フィールド群ごとに、各フィ
ールド群内の複数のフィールドのうちの最終フィールド
のみを、フィールドメモリに書き込むと、フィールドメ
モリに奇数フィールドの映像と、偶数フィールドの映像
とが混在することになり、遅延映像にちらつきが発生す
る場合がある。つまり、奇数フィールドと偶数フィール
ドのどちらか一方にのみ存在するラインがあると、同じ
コマが連続するフィールド数に応じて、見えなかったり
見えたりするラインフリッカが発生する。
【0155】そこで、2−3プルダウン方式によるテレ
シネ変換映像に対するフィールドメモリ制御データ生成
処理においては、同じコマが連続して現れる各フィール
ド群ごとに、各フィールド群内の複数のフィールドのう
ちの所定のフィールド属性(奇数または偶数)を持つ1
つのフィールドのみを、フィールドメモリに書き込むこ
とが好ましい。
【0156】ところで、テレシネ変換映像は、同じコマ
が連続して現れる2次元映像信号であって、同じコマが
連続する周期を特定できる映像である。
【0157】これに対して、TVゲーム機から出力され
る映像のように、同じコマが連続して現れる2次元映像
信号であって、同じコマが連続する周期を特定できない
映像がある。以下、このような映像を、テレシネ変換映
像と区別するために、間欠映像ということにする。
【0158】以下、図22および図23に基づいて、間
欠映像が入力された場合のフィールドメモリ制御データ
生成処理について説明する。ここでは、同じコマが必ず
3フィールド以上連続するような間欠映像に対するフィ
ールドメモリ制御データ生成処理について説明する。
【0159】まず、現フィールドの入力映像信号がフィ
ールドメモリに書き込まれたか否かを記憶する書き込み
フラグF1がセットされている(F=1)か否かが判定
される(ステップ21)。書き込みフラグF1がセット
されている場合には、現フィールドの入力映像信号がフ
ィールドメモリに書き込まれたことを示している。
【0160】書き込みフラグF1がセットされている場
合には、現フィールドの入力映像信号がフィールドメモ
リに書き込まれたのであるから、次にデータを書き込む
べきフィールドメモリの番号が更新される(ステップ2
2)。なお、3つのフィールドメモリA、B、Cへのデ
ータの書き込み順序は、たとえば、A→B→C→Aとい
うように予め定まっている。
【0161】また、最新書き込みコマに対する遅延コマ
数nが1だけインクリメントされる。最新書き込みコマ
に対する遅延コマ数nとは、フィールドメモリに最新に
書き込まれたコマを基準として、現フィールドで表示さ
れている遅延コマが何コマ前の映像であるかを表す。上
記ステップ22で次にデータを書き込むべきフィールド
メモリの番号が更新されたため、最新書き込みコマに対
する遅延コマ数nが更新される。
【0162】この後、次フィールドにおいてスルー映像
(入力映像)をフィールドメモリに書き込むか否かを示
す書き込みフラグF1の更新処理が行われる(ステップ
23)。
【0163】原則的には、コマの更新が検知されたフィ
ールドの次のフィールドで入力される映像が、フィール
ドメモリに格納される。しかしながら、間欠映像におい
ては同じコマが奇数回連続することがあるので、ライン
フリッカを防止することが好ましい。つまり、フィール
ドメモリに格納される映像のフィルド属性を、常に同じ
にすることが好ましい。
【0164】そこで、コマの更新が検知されたフィール
ドの属性が、フィールドメモリ制御データ生成処理の開
始時のフィールド属性と同じである場合には、コマの更
新が検知されたフィールドの次のフィールドで入力され
る映像をフィールドメモリに格納し、コマの更新が検知
されたフィールドの属性が、フィールドメモリ制御デー
タ生成処理の開始時のフィールド属性と異なる場合に
は、コマの更新が検知されたフィールドの、次の次のフ
ィールドで入力される映像をフィールドメモリに格納す
るようにする。
【0165】書き込みフラグF1の更新処理は、図23
に示すように、まず、前フィールドにおいて、コマの更
新が検知されかつそのフィールドの属性が、フィールド
メモリ制御データ生成処理の開始時のフィールド属性と
異なると判定されたことを記憶する属性フラグF2がセ
ットされているか否かが調べられる(ステップ41)。
【0166】属性フラグF2がセットされていない場合
には、つまり、前フィールドにおいて、コマの更新が検
知されなかったか、あるいはコマの更新が検知されたが
そのフィールドの属性が、フィールドメモリ制御データ
生成処理の開始時のフィールド属性と同じであると判定
されている場合には、現フィールドでコマが更新された
か否かが、コマ変化検出フラグF3に基づいて判定され
る(ステップ42)。コマ変化検出フラグF3は、現フ
ィールドでコマが更新されたことが検出されたときにセ
ット(F3=1)される。
【0167】現フィールドでコマが更新されたか否かの
検出は、各動きベクトル検出領域で得られた相関累積値
の最小値を加算し、その加算結果を全動きベクトル検出
領域数で除算することによって得られた値(相関累積値
の最小値の平均値MIN)に基づいて行なわれる。つま
り、現フィールドのMINj と、前フィールドのMIN
j-1 との差が、所定値より大きいときに、現フィールド
でコマが更新されたとする。
【0168】上記ステップ42において、コマ変化検出
フラグF3がセットされているときには、現フィールド
の属性が、フィールドメモリ制御データ生成処理の開始
時のフィールド属性と同じか否かか判定される(ステッ
プ43)。
【0169】現フィールドの属性が、フィールドメモリ
制御データ生成処理の開始時のフィールド属性と同じで
ある場合には、次フィールドで入力される映像をフィー
ルドメモリに格納するために、書き込みフラグF1がセ
ットされる(ステップ44)。また、属性フラグF2が
リセット(F2=0)にされる(ステップ45)。
【0170】上記ステップ44で、現フィールドの属性
が、フィールドメモリ制御データ生成処理の開始時のフ
ィールド属性と異なる場合には、次の次のフィールドで
入力される映像をフィールドメモリに格納するために、
属性フラグF2がセット(F2=1)される(ステップ
46)。また、書き込みフラグF1がリセット状態(F
1=0)にされる(ステップ47)。
【0171】上記ステップ42において、コマ変化検出
フラグF3がセットされていないときには、書き込みフ
ラグF1がリセット状態(F1=0)にされるとともに
(ステップ48)、属性フラグF2がリセット状態(F
2=0)にされる(ステップ49)。
【0172】なお、上記ステップ41で、属性フラグF
2がセットされている場合には、つまり、前フィールド
において、コマの更新が検知されかつそのフィールドの
属性が、フィールドメモリ制御データ生成処理の開始時
のフィールド属性と異なると判定されている場合には、
次フィールドで入力される映像をフィールドメモリに格
納するために、書き込みフラグF1がセットされる(ス
テップ44)。また、属性フラグF2がリセット(F2
=0)にされる(ステップ45)。
【0173】図22に戻って、上記ステップ21で書き
込みフラグF1がセットされていないときには(F1=
0)、書き込みメモリの番号および最新書き込みコマに
対する遅延コマ数nは変化しないので、これらの更新
(ステップ22の処理)を行うことなくステップ23に
進み、書き込みフラグF1の更新処理が行われる。
【0174】ステップ23の処理が行われると、所望遅
延コマ数mが決定される(ステップ24)。所望遅延コ
マ数mは、次のようにして決定される。つまり、フィー
ルドメモリに格納されている過去のコマの各々の連続フ
ィールド数を、新しいコマから順にPC1 ,PC2 …P
L とする。ここで、Lはフィールドメモリの総数であ
る。
【0175】まず、最新に書き込まれたコマの連続フィ
ールド連続PC1 が、通常時の遅延フィールド数d3を
越えているか否かが判定され、越えていれば所望遅延コ
マ数mは1とされる。
【0176】越えていなければ、最新に書き込まれたコ
マから1つ古いコマまでの2つのコマのフィールド連続
数の和((PC1 +PC2 )が通常時の遅延フィールド
数d3を越えているか否かが判定され、越えていれば所
望遅延コマ数mは2とされる。
【0177】越えていなければ、最新に書き込まれたコ
マから2つ古いコマまでの3つのコマのフィールド連続
数の和((PC1 +PC2 +PC3 )が通常時の遅延フ
ィールド数d3を越えているか否かが判定され、越えて
いれば所望遅延コマ数mは3とされる。このような処理
により、所望遅延コマ数mが決定される。
【0178】たとえば、フィールドメモリの総数Lが3
である場合には、まず、PC1 >d3の条件を満たして
いるか否かが判定される。この条件を満たしていれば、
所望遅延コマ数mは1とされる。PC1 ≦d3であれ
ば、(PC1 +PC2 )>d3の条件を満たしているか
否かが判定される。この条件を満たしていれば、所望遅
延コマ数mは2とされる。この条件を満たしていない場
合には、所望遅延コマ数mは3とされる。
【0179】次に、所望遅延コマ数mと、最新書き込み
コマに対する遅延コマ数nとが比較され、m=n、m<
n、またはm<nの3つに場合分けされる(ステップ2
5)。ステップ25〜ステップ34の処理は、図21の
ステップ6〜ステップ15の処理とほぼ同じである。ス
テップ25〜ステップ34の処理と、図21のステップ
6〜ステップ15の処理とでは、最大連続表示回数Kma
x および最小連続表示回数Kmin の決定方法のみが異な
るので図22のステップ25〜ステップ34で用いられ
る最大連続表示回数Kmax および最小連続表示回数Kmi
n についてのみ説明する。
【0180】図22のステップ25〜ステップ34の処
理で用いられる最大連続表示回数Kmax および最小連続
表示回数Kmin とは、間欠映像では各コマの連続フィー
ルド数を特定できないため、過去4コマの連続フィール
ド数の最大値PCmax と、過去4コマの連続フィールド
数の最大値PCmin とを用いて、次の数式4により決定
される。
【0181】
【数4】
【0182】ステップ25〜34では、最終的な所望遅
延コマ数mが決定されるとともに(ステップ28、29
または32)、決定された所望遅延コマ数mに、最新書
き込みコマに対する遅延コマ数nの値が設定される(ス
テップ34)。
【0183】ステップ25〜34の処理が終了すると、
コマ変化検出フラグF3がセットされているか否かが判
定される(ステップ35)。コマ変化検出フラグF3が
セットされていなければ(Fa=0)、今回の処理は終
了する。コマ変化検出フラグF3がセットされていれば
(F=1)、履歴データに基づいて最大連続表示回数K
max および最小連続表示回数Kmin が更新された後(ス
テップ36)、今回の処理は終了する。
【0184】
【発明の効果】この発明によれば、映画フィルムをテレ
ビジョン信号にテレシネ変換することによって作成され
た2次元映像、TVゲーム機等から出力される映像等の
ように同じコマが連続して現れる2次元映像を3次元映
像信号に変換する場合において、フィールドメモリ数が
少なくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】2D/3D変換装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】CPUによる2D/3D変換処理の全体的に手
順を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップ6の遅延量算出処理の詳細な手
順をフローチャートである。
【図4】動きベクトル平均値と、第1遅延量との関係を
示すグラフである。
【図5】動きベクトル平均値から第1遅延量を求める関
係式の導き方を説明するための模式図である。
【図6】3つの第2遅延量が全て一致した場合に、目標
遅延量が変更される様子を示すタイムチャートである。
【図7】3つの第2遅延量の全てが現在の目標遅延量よ
り大きくなったときに、目標遅延量が変更される様子を
示すタイムチャートである。
【図8】2−3プルダウン方式でテレシネ変換された映
像のフィールドに対する動きベクトルの変化を示すグラ
フである。
【図9】本実施例で行なわれるフィールドメモリ制御用
データ生成処理の基本的な考え方を説明するための説明
図である。
【図10】2−3プルダウン方式でテレシネ変換された
映像のコマをフィールドごとに示す模式図である。
【図11】2−3プルダウン方式でテレシネ変換された
映像が入力されている場合において、通常時の遅延フィ
ールド数が1または2のときに実際に出力される遅延画
像を示す模式図である。
【図12】2−3プルダウン方式でテレシネ変換された
映像が入力されている場合において、通常時の遅延フィ
ールド数が3または4のときに実際に出力される遅延画
像を示す模式図である。
【図13】2−3プルダウン方式でテレシネ変換された
映像が入力されている場合において、通常時の遅延フィ
ールド数が5または6のときに実際に出力される遅延画
像を示す模式図である。
【図14】2−3プルダウン方式でテレシネ変換された
映像が入力されている場合において、通常時の遅延フィ
ールド数が2→3→4→5と変化したときに実際に出力
される遅延画像を示す模式図である。
【図15】2−3プルダウン方式でテレシネ変換された
映像が入力されている場合において、通常時の遅延フィ
ールド数が5→4→3→2と変化したときに実際に出力
される遅延画像を示す模式図である。
【図16】2−2プルダウン方式でテレシネ変換された
映像のコマをフィールドごとに示す模式図である。
【図17】2−2プルダウン方式でテレシネ変換された
映像が入力されている場合において、通常時の遅延フィ
ールド数が1または2のときに実際に出力される遅延画
像を示す模式図である。
【図18】2−2プルダウン方式でテレシネ変換された
映像が入力されている場合において、通常時の遅延フィ
ールド数が3または4のときに実際に出力される遅延画
像を示す模式図である。
【図19】2−2プルダウン方式でテレシネ変換された
映像が入力されている場合において、通常時の遅延フィ
ールド数が5または6のときに実際に出力される遅延画
像を示す模式図である。
【図20】2−3プルダウン方式でテレシネ変換された
映像が入力されている場合において、通常時の遅延フィ
ールド数が2→3→4→5→6と変化したときに実際に
出力される遅延画像を示す模式図である。
【図21】テレシネ変換映像に対するフィールドメモリ
制御用データ生成処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図22】間欠映像に対するフィールドメモリ制御用デ
ータ生成処理手順を示すフローチャートである。
【図23】図22のステップ23の処理の詳細を示すフ
ローチャートである。
【符号の説明】
11 フィールドメモリ 12 補間回路 13 映像切換回路 14、15 位相制御回路 20 CPU 21 ROM 22 RAM 23 操作・表示部 24 メモリ制御回路
フロントページの続き (72)発明者 棚瀬 晋 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 村田 治彦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 森 幸夫 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 内田 秀和 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機ソフトウェア株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 13/00 - 15/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同じコマが連続して現れる2次元映像か
    ら、主映像と、フィールドメモリを利用して主映像に対
    して遅延された副映像とを生成することにより、2次元
    映像を3次元映像に変換する方法において、 同じコマが連続して現れる各フィールド群ごとに、各フ
    ィールド群内の複数のフィールドのうち、1つのフィー
    ルドの映像のみを前記フィールドメモリに書き込むこと
    を特徴とする2次元映像を3次元映像に変換する方法。
  2. 【請求項2】 主映像の動きの速さに基づいて、主映像
    のコマに対する副映像のコマの遅延量を算出し、算出さ
    れた遅延量に基づいて、副映像が選択される請求項1に
    記載の2次元映像を3次元映像に変換する方法。
  3. 【請求項3】 主映像の動きが遅いほど、主映像のコマ
    に対する副映像のコマの遅延量が大きくなるように、主
    映像のコマに対する副映像のコマの遅延量が決定される
    ことを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の
    2次元映像を3次元映像に変換する方法。
  4. 【請求項4】 前記フィールドメモリに書き込まれる映
    像のフィールド属性が、全て同じフィールド属性となる
    ように、各フィールド群から前記フィールドメモリに書
    き込まれる1つの映像が選択されることを特徴とする請
    求項1、2および3のいずれかに記載の2次元映像を3
    次元映像に変換する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH04101520U (ja) * 1991-02-06 1992-09-02 長谷川眼鏡株式会社 2又テンプルの合せこま構造を有する眼鏡

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