JP2846830B2 - 2次元映像を3次元映像に変換する方法 - Google Patents

2次元映像を3次元映像に変換する方法

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JP2846830B2 JP7029888A JP2988895A JP2846830B2 JP 2846830 B2 JP2846830 B2 JP 2846830B2 JP 7029888 A JP7029888 A JP 7029888A JP 2988895 A JP2988895 A JP 2988895A JP 2846830 B2 JP2846830 B2 JP 2846830B2
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治彦 村田
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  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
  • Television Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、VTR、ビデオカメ
ラ等から出力されたり、CATV放送、TV放送等によ
って伝送されてきたりする2次元映像を3次元映像に変
換する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近話題になっている3次元映像表示シ
ステムに使用される3次元映像ソフトは、その大半が3
次元映像表示システム用に特別に作成されたものであ
る。このような3次元映像ソフトは、一般には2台のカ
メラを用いて左目用映像と右目用映像とを撮像して記録
されたものである。3次元映像ソフトに記録された左右
の映像は、ほぼ同時に表示装置に重ね合わされて表示さ
れる。そして、重ね合わされて表示される左目用映像と
右目用映像とを、観察者の左右の目にそれぞれ別々に入
射させることによって、観察者に3次元映像が認識され
る。
【0003】ところで、現在、2次元映像ソフトが多数
存在している。したがって、これらの2次元映像ソフト
から3次元映像を生成することができれば、既存の2次
元映像ソフトと同じ内容の3次元映像ソフトを最初から
作り直すといった手間が省ける。
【0004】このようなことから、2次元映像を3次元
映像に変換する方法が既に提案されている。2次元映像
を3次元映像に変換する従来方法として、次のようなも
のが挙げられる。すなわち、左から右方向に移動する物
体が映っている2次元映像の場合、この元の2次元映像
を左目用映像とし、この左目用映像に対して数フレーム
前の映像を右目用映像とする方法である。このようにす
ると、左目用映像と右目用映像との間に視差が生じるの
で、この両映像をほぼ同時に画面上に表示することによ
り、移動する物体が背景に対して前方に浮き出される。
【0005】なお、左目用映像に対して数フレーム前の
映像は、元の2次元映像をフイールドメモリに記憶さ
せ、所定フィールド数分、遅延して読み出すことにより
得られる。以上のような、従来方法をフィールド遅延方
式ということにする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来方法において
は、左目用映像および右目用映像の一方に対する他方の
遅延量を一定にした場合には、移動物体の動きが速くな
るほど視差が大きくなるため、立体感が変化し3次元映
像がみにくくなる。
【0007】そこで、本出願人は、安定した立体感を得
るために、移動物体の動きが速くなるほど、左目用映像
および右目用映像の一方に対する他方の遅延量を小さく
することを考案した。このようにすると、動きの速い映
像に対しては比較的新しいフィールドが遅延画像として
提示され、動きの遅い映像に対しては比較的古いフィー
ルドが遅延画像として提示される。
【0008】このように、左目用映像および右目用映像
の一方に対する他方の遅延量を変化させる場合において
は、左目用映像および右目用映像の一方に対する他方の
最大遅延量の数に応じたフィールドメモリが必要とな
る。
【0009】この発明は、左目用映像および右目用映像
の一方に対する他方の遅延量を変化させる場合におい
て、フィールドメモリ数の低減化を図ることができる2
次元映像信号を3次元映像に変換する方法を提供するこ
とを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明による第1の2
次元映像を3次元映像に変換する方法は、2次元映像か
ら、主映像と、フィールドメモリを利用して主映像に対
して遅延された副映像とを生成することにより、2次元
映像を3次元映像に変換する方法において、主映像の動
きが速いときには、主映像を1フィールド毎にフィール
ドメモリに書き込んでいき、主映像の動きが遅いときに
は、主映像を所定フィールド数ずつ間隔をおいてフィー
ルドメモリに書き込んでいき、主映像の動きの速度に基
づいて、フィールドメモリから副映像として読み出すべ
き映像を決定することを特徴とする。
【0011】主映像の動きが遅い場合には、たとえば、
1フィールドずつ間隔をおいて主映像がフィールドメモ
リに書き込まれる。
【0012】主映像の動きの速さに基づいて、主映像に
対する副映像の好適な遅延量を算出し、算出された遅延
量に基づいて、主映像の動きの速度を判定するようにし
てもよい。
【0013】主映像に対する副映像の遅延量は、主映像
の動きが遅いほど大きくなるように決定される。
【0014】この発明による第2の2次元映像を3次元
映像に変換する方法は、2次元入力映像から、主映像
と、主映像に対して遅延された副映像とを生成すること
により、2次元映像を3次元映像に変換する方法におい
て、2次元入力映像をフィールド単位で記憶するための
フィールドメモリを設け、2次元入力映像の動きが速い
ときには、2次元入力映像を1フィールド毎にフィール
ドメモリに書き込んでいき、2次元入力映像の動きが遅
いときには、2次元入力映像を所定フィールド数ずつ間
隔をおいてフィールドメモリに書き込んでいき、主映像
に対する副映像の遅延量が2次元入力映像の動きの速度
にに基づいて決定された値となるように、2次元入力映
像およびフィールドメモリ内の映像のうちから主映像を
選択するとともにフィールドメモリ内の映像のうちから
副映像を選択することを特徴とする。
【0015】この発明による第3の2次元映像を3次元
映像に変換する方法は、2次元入力映像から、主映像
と、主映像に対して遅延された副映像とを生成すること
により、2次元映像を3次元映像に変換する方法におい
て、2次元入力映像をフィールド単位で記憶するための
フィールドメモリを設け、2次元入力映像の動きが速い
ときには、2次元入力映像を1フィールド毎にフィール
ドメモリに書き込んでいき、2次元入力映像の動きが遅
いときには、1つのフィールドメモリを除く他のフィー
ルドメモリに、2次元入力映像を所定フィールド数ずつ
間隔をおいて書き込んでいくとともに、上記除かれた1
つのフィールドメモリに、他のフィールドメモリに書き
込まれないフィールドの2次元入力映像を書き込んでい
き、主映像に対する副映像の遅延量が2次元入力映像の
動きの速度に基づいて決定された値となるように、2次
元入力映像およびフィールドメモリ内の映像のうちから
主映像を選択するとともにフィールドメモリ内の映像の
うちから副映像を選択することを特徴とする。
【0016】この発明による第4の2次元映像を3次元
映像に変換する方法は、2次元入力映像から、主映像
と、主映像に対して遅延された副映像とを生成すること
により、2次元映像を3次元映像に変換する方法におい
て、2次元入力映像をフィールド単位で記憶するための
フィールドメモリを設け、2次元入力映像の動きが速い
ときには、2次元入力映像を1フィールド毎にフィール
ドメモリに書き込んでいき、2次元入力映像の動きが遅
いときには、2次元入力映像を所定フィールド数ずつ間
隔をおいてフィールドメモリに書き込んでいく第1書き
込みモード、および1つのフィールドメモリを除く他の
フィールドメモリに、2次元入力映像を所定フィールド
数ずつ間隔をおいて書き込んでいくとともに、上記除か
れた1つのフィールドメモリに、他のフィールドメモリ
に書き込まれないフィールドの2次元入力映像を書き込
んでいく第2書き込みモードのうち、2次元入力映像の
動きの速度に応じた書き込みモードによる処理を行い、
主映像に対する副映像の遅延量が2次元入力映像の動き
の速度に基づいて決定された値となるように、2次元入
力映像およびフィールドメモリ内の映像のうちから主映
像を選択するとともにフィールドメモリ内の映像のうち
から副映像を選択することを特徴とする。
【0017】
【作用】この発明による第1の2次元映像を3次元映像
に変換する方法では、主映像の動きが速いときには、1
フィールド毎に主映像信号がフィールドメモリに書き込
まれる。主映像の動きが遅いときには所定フィールド数
ずつ間隔をおいて主映像信号がフィールドメモリに書き
込まれる。そして、主映像の動きの速度に基づいて、フ
ィールドメモリから副映像として読み出すべき映像が決
定される。
【0018】ところで、主映像信号に対する副映像信号
の遅延量は、主映像の動きが遅いほど、主映像信号に対
する副映像信号の遅延量が大きくなるように決定される
ので、最大遅延量は主映像の動きが遅いときの遅延量に
よって定まる。この発明による第1の2次元映像を3次
元映像に変換する方法では、主映像の動きが遅いときに
は所定フィールド数ずつ間隔をおいて主映像信号がフィ
ールドメモリに書き込まれるので、最大遅延量よりも、
フィールドメモリ数を少なくすることができる。
【0019】この発明による第2の2次元映像を3次元
映像に変換する方法では、2次元入力映像の動きが速い
ときには、2次元入力映像が1フィールド毎にフィール
ドメモリに書き込まれる。2次元入力映像の動きが遅い
ときには、2次元入力映像が所定フィールド数ずつ間隔
をおいてフィールドメモリに書き込まれる。そして、主
映像に対する副映像の遅延量が2次元入力映像の動きの
速度に基づいて決定された値となるように、2次元入力
映像およびフィールドメモリ内の映像のうちから主映像
が選択されるとともにフィールドメモリ内の映像のうち
から副映像が選択される。
【0020】この発明による第3の2次元映像を3次元
映像に変換する方法では、2次元入力映像の動きが速い
ときには、2次元入力映像が1フィールド毎にフィール
ドメモリに書き込まれる。2次元入力映像の動きが遅い
ときには、1つのフィールドメモリを除く他のフィール
ドメモリに、2次元入力映像が所定フィールド数ずつ間
隔をおいて書き込まれるとともに、上記除かれた1つの
フィールドメモリに、他のフィールドメモリに書き込ま
れないフィールドの2次元入力映像が書き込まれる。そ
して、主映像に対する副映像の遅延量が2次元入力映像
の動きの速度に基づいて決定された値となるように、2
次元入力映像およびフィールドメモリ内の映像のうちか
ら主映像が選択されるとともにフィールドメモリ内の映
像のうちから副映像が選択される。
【0021】この発明による第4の2次元映像を3次元
映像に変換する方法では、2次元入力映像の動きが速い
ときには、2次元入力映像が1フィールド毎にフィール
ドメモリに書き込まれる。2次元入力映像の動きが遅い
ときには、2次元入力映像を所定フィールド数ずつ間隔
をおいてフィールドメモリに書き込んでいく第1書き込
みモード、および1つのフィールドメモリを除く他のフ
ィールドメモリに、2次元入力映像を所定フィールド数
ずつ間隔をおいて書き込んでいくとともに、上記除かれ
た1つのフィールドメモリに、他のフィールドメモリに
書き込まれないフィールドの2次元入力映像を書き込ん
でいく第2書き込みモードのうち、2次元入力映像の動
きの速度に応じた書き込みモードによる処理が行われ
る。そして、主映像に対する副映像の遅延量が2次元入
力映像の動きの速度に基づいて決定された値となるよう
に、2次元入力映像およびフィールドメモリ内の映像の
うちから主映像が選択されるとともにフィールドメモリ
内の映像のうちから副映像が選択される。
【0022】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例に
ついて説明する。
【0023】図1は、2次元映像を3次元映像に変換す
るための2D/3D変換装置の構成を示している。
【0024】この2D/3D変換装置は、フィールド遅
延方式によって左目用映像と右目用映像とを生成するこ
とにより視差を発生させ、生成された左目用映像と右目
用映像の両方または一方に位相ずらしを施すことによ
り、被写体と基準スクリーン面との位置関係を変化させ
る。
【0025】入力端子1には、2次元映像信号a(入力
映像信号a)が入力される。この入力映像信号aは、動
きベクトル検出回路16、複数のフィールドメモリ11
およびセレクタ17にそれぞれ送られる。
【0026】動きベクトル検出回路16は、よく知られ
ているように、代表点マッチング法に基づいて、動きベ
クトルを検出するためのデータを生成するものである。
動きベクトル検出回路16によって生成されたデータ
は、CPU20に送られる。
【0027】代表点マッチング法について、簡単に説明
する。各フィールドの映像エリア内に複数の動きベクト
ル検出領域が設定されており、各動きベクトル検出領域
が複数の小領域に分割されている。そして、各小領域そ
れぞれに、複数のサンプリング点と1つの代表点とが設
定されている。
【0028】現フィールドにおける各小領域内のサンプ
リング点の映像信号レベルと、前フィールドにおける対
応する小領域の代表点の映像信号レベルとの差(各サン
プリング点における相関値)が、各動きベクトル検出領
域ごとに求められる。そして、各動きベクトル検出領域
内の各小領域間において、代表点に対する偏位が同じサ
ンプリング点どうしの相関値が累積加算される。そし
て、各動きベクトル検出領域内において、相関累積値が
最小となる点の偏位、すなわち相関性が最も高い点の偏
位が、当該動きベクトル検出領域の動きベクトル(被写
体の動き)として抽出される。
【0029】フィールドメモリ11は、入力映像信号a
をフイールド単位で遅延させて出力させるために設けら
れており、複数個設けられている。各フィールドメモリ
11の書込みおよび読出しは、メモリ制御回路24によ
って制御される。
【0030】フィールドメモリ11内のいずれかの2次
元映像信号が、入力映像信号aのフィールドが切り替わ
る毎に、副映像信号bとして出力される。また、後述す
るフィールドメモリ制御データ生成処理の第2実施例に
おいては、フィールドメモリ11内のいずれかの2次元
映像信号が、主映像信号dとして選択されることがあ
る。この場合には、フィールドメモリ11内から主映像
信号dとして選択されるべき映像信号cが読み出され
る。
【0031】フィールドメモリ11の出力信号cは、セ
レクタ17に送られる。セレクタ17は、入力映像信号
aと映像信号cとの一方を選択し、選択した映像信号を
主映像信号dとして補間回路18および映像切換回路1
3に送る。補間回路18は、入力信号d(aまたはc)
に対して、垂直方向の補間信号を生成するものである。
補間回路18の出力e(信号dの垂直方向補間信号)
は、映像切換回路13に送られる。セレクタ17による
映像の切り換えは、CPU20によって制御される。
【0032】フィールドメモリ11から出力される副映
像信号bは、映像切換回路13および補間回路12にそ
れぞれ送られる。補間回路12は、入力信号bに対し
て、垂直方向の補間信号を生成するものである。補間回
路12の出力f(信号bの垂直方向補間信号)は、映像
切換回路13に送られる。
【0033】したがって、映像切換回路13には、信号
d、e、bおよびfが入力される。映像切換回路13
は、左画像用位相制御回路14と右画像用位相制御回路
15とに対し、信号dおよび信号eのうちの一方の信号
(主映像信号)と、信号bおよび信号fのうちの一方の
信号(副映像信号)とを、被写体の動き方向に応じて切
り換えて出力する。ただし、遅延量が0の場合には、左
画像用位相制御回路14と右画像用位相制御回路15と
の両方に、入力映像信号aが送られる。
【0034】信号dおよび信号eのうちから1方の選択
は、入力映像信号aが奇数フィールドか偶数フィールド
かに基づいて行なわれる。すなわち、信号dおよび信号
eのうち、入力映像信号aのフィールド種類(奇数フィ
ールドか偶数フィールド)に対応するものが選択され
る。同様に、信号bおよび信号fのうち、入力映像信号
aのフィールド種類(奇数フィールドか偶数フィール
ド)に対応するものが選択される。映像切換回路13に
よる映像の切り換えは、CPU20によって制御され
る。
【0035】各位相制御回路14、15は、入力される
映像信号の位相をずらすことにより、入力される映像の
表示位置を水平方向に移動させるために設けられてい
る。位相のずらし量およびずらし方向は、メモリ制御回
路24によって制御される。左画像用位相制御回路14
の出力は、左画像出力端子2に送られる。また、右画像
用位相制御回路15の出力は、右画像出力端子3に送ら
れる。
【0036】CPU20は、セレクタ17、メモリ制御
回路24および映像切換回路13を制御する。CPU2
0は、そのプログラム等を記憶するROM21および必
要なデータを記憶するRAM22を備えている。CPU
20には、動きベクトル検出回路16から動きベクトル
検出に必要なデータが送られてくる。また、CPU20
には、各種入力手段および表示器を備えた操作・表示部
23が接続されている。
【0037】CPU20は、動きベクトルに基づいて、
フィールドメモリ11による遅延フィールド数(遅延
量)を算出する。ここで、遅延フィールド数は、副映像
が主映像に対して何フィールド遅延しているかを示すも
のである。原則的には、動きベクトルが大きい場合に
は、遅延量が小さくなるように、動きベクトルが小さい
場合には、遅延量が大きくなるように、遅延量を決定す
る。
【0038】また、CPU20は、動きベクトルの方向
に基づいて、映像切換回路13を制御する。つまり、動
きベクトルの方向が左から右の場合には、主映像信号
(信号eまたはf)を左目用位相制御回路14に、副映
像信号(bまたはf)を右目用位相制御回路15に送
る。動きベクトルの方向が右から左の場合には、主映像
信号(信号eまたはf)を右目用位相制御回路14に、
副映像信号(bまたはf)を左目用位相制御回路15に
送る。
【0039】この2D/3D変換装置では、フィールド
遅延方式によって主映像と副映像とを生成することによ
り視差を発生させ、生成された主映像と副映像の両方ま
たは一方に位相ずらしを施すことにより、被写体と基準
スクリーン面との位置関係を変化させている。
【0040】図2は、CPUによる2D/3D変換処理
手順を示している。
【0041】CPUによる2D/3D変換処理は、入力
映像信号aのフィールドの切り換えタイミングがくるご
とに行なわれる。
【0042】(1)ステップ1では、今回入力された1
フィールド分の映像信号aを書き込むか書き込まないか
を示すデータ、書き込みを行う場合には書き込むべきフ
ィールドメモリ(書込みメモリ)を示すデータ、および
2次元映像信号を読み出すべきフィールドメモリ(読み
出しメモリ)を示すデータがメモリ制御回路24に出力
される。これらのデータは、前回の2D/3D変換処理
のステップ11のフィールドメモリ制御用データ生成処
理で生成される。
【0043】また、ステップ1では、各位相制御回路1
4、15による位相ずれ量および向きを示すデータがメ
モリ制御回路24に出力される。さらに、映像切換回路
13に映像切り換え制御信号が出力される。各位相制御
回路14、15による位相ずれ量および向きは、前回の
2D/3D変換処理のステップ2で既に取り込まれて記
憶されているデータに基づいて決定される。
【0044】セレクタ17による信号aおよびcのうち
の一方の選択(主映像の選択)は、後述するフィールド
メモリ制御データ生成処理によって得られたデータに基
づいて決定される。ただし、フィールドメモリ制御デー
タ生成処理の第1実施例では、入力映像信号aが常に主
映像信号dとして選択される。また、信号dおよびeの
うちの一方の選択は、信号dのフィールド種類と、入力
映像信号aのフィールド種類とに基づいて決定される。
同様に、信号bおよびfのうちの一方の選択は、信号b
のフィールド種類と、入力映像信号aのフィールド種類
とに基づいて決定される。
【0045】さらに、選択された主映像信号(dまたは
e)と、副映像信号(bまたはf)との切り換えは、前
回の2D/3D変換処理で求められた水平方向の動きベ
クトルの方向に基づいて決定される。なお、主映像(d
またはe)と、副映像(bまたはf)との切り換え方向
は、遅延量の極性によって表される。
【0046】(2)ステップ2では、操作・表示部23
からの各種入力信号が取り込まれて記憶される。各種入
力信号には、位相ずれ量および向きを設定する信号、遅
延量を自動で算出するか(自動モード)、手動で設定す
るか(手動モード)を示す自動・手動モード設定信号、
自動モードが設定されるときに行なわれる遅延量倍率設
定信号、手動モードが設定されるときに行なわれる遅延
量設定信号等がある。
【0047】(3)ステップ3では、前回の2D/3D
変換処理のステップ10で求められた各動きベクトル検
出領域ごとの動きベクトルに対する信頼性結果に基づい
て、信頼性のある動きベクトルのみが抽出される。
【0048】(4)ステップ4では、ステップ3で抽出
された信頼性のある動きベクトルのうち、垂直方向成分
が所定値より小さいもののみが抽出される。
【0049】(5)ステップ5では、ステップ4で抽出
された信頼性のある動きベクトルの水平方向成分(有効
水平方向動きベクトル)の平均値が算出される。
【0050】(6)ステップ6では、ステップ5で算出
された有効水平方向動きベクトルの平均値に基づく、遅
延量算出処理が行なわれる。この遅延量算出処理の詳細
については、後述する。
【0051】(7)ステップ7では、ステップ2で取り
込まれて記憶されているデータに基づいて、自動モード
か手動モードかが判別される。
【0052】(8)ステップ7で手動モードが設定され
ていると判別された場合には、遅延量が、ステップ2で
取り込まれた設定値に固定される(ステップ8)。
【0053】(9)ステップ7で自動モードが設定され
ていると判別された場合には、ステップ6の遅延量算出
処理で用いられる履歴データが更新される(ステップ
9)。
【0054】(10)ステップ10では、動きベクトル
検出回路16から動きベクトル検出に必要なデータが取
り込まれ、各動きベクトル検出領域に対する動きベクト
ルが算出される。また、各動きベクトル検出領域ごとの
相関累積値の平均値および最小値に基づいて、各動きベ
クトル検出領域ごとに動きベクトルの信頼性が判別され
る。そして、算出された動きベクトルおよび信頼性判別
結果がRAM22に記憶される。
【0055】(11)ステップ11では、フィールドメ
モリ制御用データ生成処理が行なわれる。つまり、遅延
量設定モードが自動モードである場合に、ステップ6で
算出された遅延量に基づいて、次フィールドの入力映像
信号aを書き込むか否かを示すデータ、書き込む場合に
は書込みメモリを示すデータおよび読出しメモリを示す
データが生成される。フィールドメモリ制御用データ生
成処理の詳細については後述する。
【0056】図3は、図2のステップ6の遅延量算出処
理の詳細な手順を示している。
【0057】まず、上記ステップ2で設定されて記憶さ
れている遅延量倍率設定値および上記ステップ5で求め
られた有効水平方向動きベクトルの平均値v(以下、動
きベクトル平均値という)に基づいて、第1遅延量d1
が求められる(ステップ21)。
【0058】図4は、動きベクトル平均値と、遅延量と
の関係を示している。図4に示すような関係が遅延量テ
ーブルとしてROM21に記憶されている。そして、ま
ず、動きベクトル平均値に対応する遅延量が、遅延量テ
ーブルから求められる。
【0059】ところで、同じ3次元映像信号であって
も、立体表示装置(モニタ)の条件、すなわち、モニタ
の種類およびモニタを見る条件によって、視差が異な
る。そこで、モニタの条件にかかわらず、同じような立
体感を得るために、あるいは観察者の好みに合うよう
に、上記ステップ2で設定されて記憶されている遅延量
倍率設定値を、遅延量テーブルから求められた遅延量に
積算することにより、第1遅延量d1が求められる。
【0060】モニタの条件にかかわらず、同じような立
体感を得るために、複数種類の遅延量テーブルを格納し
ておき、操作・表示部23から、モニタの条件または観
察者の好みに応じた遅延量テーブルを選択するための命
令を入力するようにしてもよい。
【0061】また、遅延量テーブルではなく、予め定め
られた関係式に基づいて、第1遅延量を求めるようにし
てもよい。この場合の関係式の求め方について図5を参
照して説明する。
【0062】モニタ面Sと、観察者の目31、32との
好適な間隔を適視距離A〔mm〕とする。また、モニタ
面S上での注視物体の右画像Rと左画像Lとの間隔を視
差B〔mm〕とする。また、眼間距離をC〔mm〕とす
る。適視距離Aは、モニタの条件によって決定される。
注視物体の視差Bは、3次元映像信号が同じであって
も、モニタの条件によって異なる。
【0063】適視距離Aと、視差Bと、眼間距離Cとに
より、注視物体の立体像位置Pは決まる。つまり、注視
物体のモニタ面Sからの飛び出し量D〔mm〕は、適視
距離Aと視差Bと眼間距離Cとによって決まる。
【0064】モニタの条件にかかわらず、注視物体のモ
ニタ面Sからの飛び出し量を一定量Dにするための視差
Bは、次の数式1で表される。
【0065】
【数1】B=D・C/(A−D)
【0066】モニタの水平長をH〔mm〕、モニタの水
平方向画素数をh〔画素〕とし、動きベクトル平均値を
v〔画素/フィールド〕、第1遅延量をd1〔フィール
ド〕とすると、次の関係が成り立つ。
【0067】
【数2】d1・v=(h/H)・B
【0068】ここで、視差Bの画素換算量(=(h/
H)・B)を操作・表示部23によって設定される調整
量X(モニタの条件に関するデータまたは観察者の好み
に応じたデータ)とすると、第1遅延量d1は、次の関
係式で求められる。
【0069】
【数3】d1=X/v
【0070】ステップ21で、第1遅延量d1が求めら
れると、遅延量履歴データに基づいて、今回から過去9
回までの10フィールド分の遅延量の平均値、前回から
その過去9回までの10フィールド分の遅延量の平均
値、前前回からその過去9回までの10フィールド分の
遅延量の平均値がそれぞれ算出される(ステップ2
2)。
【0071】ステップ22で用いられた遅延量履歴デー
タは、過去において、ステップ21で得られた第1遅延
量d1である。
【0072】次に、3組の平均値のうち、2つ以上が同
じ値であれば、その値(多数値)が第2遅延量d2とし
て選択され、すべてが異なる値であればその中間値が第
2遅延量d2として選択される(ステップ23)。
【0073】次に、ステップ23で選択された第2遅延
量d2と、12〜18フィールド前の1(たとえば、1
5フィールド前)の第2遅延量d2のいずれかと、30
フィールド前の第2遅延量d2とが比較される(ステッ
プ24)。ステップ24で用いられた遅延量履歴データ
は、過去において、ステップ23で得られた第2遅延量
d2である。
【0074】全ての第2遅延量d2が一致する場合には
(ステップ25でYES)、目標遅延量Pdがステップ
23で選択された第2遅延量に変更された後(Pd=d
2)(ステップ26)、ステップ30に進む。したがっ
て、図6に示すように、3つの第2遅延量d2(過去の
ものから順にd2−1、d2−2、d2−3で表す)が
変化し、全ての第2遅延量d2が一致すると、目標遅延
量Pdが第2遅延量(d2−3)に変更される。
【0075】全ての第2遅延量d2が一致しない場合に
は(ステップ25でNO)、全ての第2遅延量d2が現
在の目標遅延量Pdより大きいか、全ての第2遅延量d
2が現在の目標遅延量Pdより小さいか、またはそれら
の条件に該当しないかが判別される(ステップ27)。
【0076】全ての第2遅延量d2が現在の目標遅延量
Pdより大きいときには、目標遅延量Pdが+1された
後(Pd=Pd+1)(ステップ28)、ステップ30
に進む。たとえば、図7に示すように、3つの第2遅延
量d2(過去のものから順にd2−1、d2−2、d2
−3で表す)が変化し、全ての第2遅延量d2が現在の
目標遅延量Pdより大きいときには、目標遅延量Pdが
+1される。
【0077】全ての第2遅延量d2が現在の目標遅延量
Pdより小さいときには、目標遅延量Pdが−1された
後(Pd=Pd−1)(ステップ29)、ステップ30
に進む。全ての第2遅延量d2が現在の目標遅延量Pd
より大きくなくかつ全ての第2遅延量d2が現在の目標
遅延量dより小さくないときには、ステップ30に進
む。
【0078】ステップ30では、目標遅延量Pdと現在
実際に設定されている遅延量(設定遅延量d3)とが一
致するか否かが判別される。目標遅延量Pdと設定遅延
量d3とが一致していない場合には、現在の設定遅延量
d3が既に4フィールド継続しているか否かが判別され
る(ステップ31)。現在の設定遅延量d3が既に4フ
ィールド継続している場合には、設定遅延量d3が目標
遅延量Pdに近づく方向に1だけ変更される(d3=d
3±1)(ステップ32)。そして、図2のステップ7
に移行する。
【0079】上記ステップ30で、目標遅延量と現在の
設定遅延量とが一致している場合または、上記ステップ
31で現在の設定遅延量が既に4フィールド継続してい
ない場合には、遅延量を変更することなく、図2のステ
ップ7に移行する。
【0080】つまり、この例では、設定遅延量d3は4
フィールド周期単位でかつ1フィールド分ずつ目標遅延
量Pdに近づくように制御される。
【0081】なお、電源投入後において、ステップ21
において、初めて第1遅延量d1が算出されたときに
は、第2遅延量d2、目標遅延量Pdおよび設定遅延量
d3はd1と等しくなる。
【0082】図3の処理において、ステップ22で、今
回から過去9回までの10フィールド分の遅延量の平均
値のみを算出し、これを目標遅延量とし、ステップ2
3、24、25、26、27、28、29の処理を省略
してもよい。
【0083】また、ステップ22において、今回から過
去9回の10フィールド分の遅延量の平均値のみを算出
し、これを第2遅延量とし、ステップ23の処理を省略
してもよい。
【0084】また、ステップ23で求められた第2遅延
量を目標遅延とし、ステップ24、25、26、27、
28、29の処理を省略してもよい。
【0085】また、ステップ22および23の処理を省
略してもよい。この場合には、ステップ24で用いられ
る第2遅延量として、ステップ21で求められた第1遅
延量d1が用いられる。
【0086】次に、図8〜図24を参照して、図2のス
テップ11のフィールドメモリ制御用データ生成処理の
第1実施例について説明する。第1実施例では、主映像
信号dとしは、常に入力映像信号aが選択される。
【0087】この第1実施例では、動きの速い映像に対
しては比較的新しいフィールドが遅延画像として提示さ
れ、動きの遅い映像に対しては比較的古いフィールドが
遅延画像として提示される。このため、動きの速い映像
に対する遅延量は小さくなり、動きの遅い映像に対する
遅延量は大きくなる。
【0088】最大遅延数が、たとえば6である場合に、
入力される各フィールドの2次元映像信号aをフィール
ドメモリ11に順次書き込んでいくようにすると、6個
のフィールドメモリが必要となる。この場合のフィール
ドメモリの書込み制御は、図24に示すように行なわれ
る。
【0089】図24において、上欄のスルーに対応する
下欄の数字は、片目用の映像信号として出力される現フ
ィールドの番号を表している。また上欄の数字A〜F
は、各フィールドメモリを示している。数字A〜Fに対
応する下欄の数字は、フィールドメモリA〜Fに書き込
まれているフィールドの番号を示している。また、1/
7等のa/bの形式で記載されている箇所は、当該フィ
ールドメモリの内容がフィールド番号aの映像からフィ
ールド番号bの映像に書き換えられることを示してい
る。図24に示す書込み制御では、入力映像信号aが、
A〜Fのフィールドメモリに順次書き込まれる。
【0090】この実施例では、動きの遅い映像に対する
フィールドメモリの制御方法を工夫することにより、フ
ィールドメモリ数の低減化を図っている。動きの遅い映
像では、隣接フィールド間の被写体の移動距離は小さ
く、間引いて表示しても観察者の目にはさほど違和感が
生じないと考えられる。一方、動きの速い映像では、隣
接フィールド間の被写体の移動距離は大きく、間引いて
表示した場合には、観察者は違和感をいだくと考えられ
る。
【0091】そこで、動きの速い映像に対してはフィー
ルドを間引くことなくフィールドメモリ11に入力映像
信号を書込み、動きの遅い映像に対してはフィールドを
間引いてフィールドメモリ11に入力映像信号を書込む
ことにより、フィールドメモリ数を削減するようにして
いる。ここでは、フィールドメモリ数を6から3に削減
した例について説明する。
【0092】この場合の各フィールドメモリ11への書
込み規則は以下の通りである。
【0093】(a)好適遅延フィールド数(図2のステ
ップ6で決定された設定遅延量d3)が小さい(例え
ば、0、±1〜±3(符号同順))場合は、1フィール
ド毎に入力映像信号aをフィールドメモリに書込み、好
適遅延フィールド数が大きい(例えば、±4〜±6(符
号同順))場合は、2フィールドに1回の割合で入力映
像信号aをフィールドメモリに書込む。 (b)好適遅延フィールド数が±3から±4(符号同
順)に変化する場合には、好適遅延フィールド数の変り
目では入力映像信号aをフィールドメモリに書き込まな
い。 (c)好適遅延フィールド数が±4から±3(符号同
順)に変化する場合には、好適遅延フィールド数の変り
目において入力映像信号aをフィールドメモリに書き込
む。
【0094】上記規則(a)に応じたフィールドメモリ
の書込み制御は、図8および図9に示すようになる。
【0095】図8は、好適遅延フィールド数が小さい
(±1〜±3(符号同順))場合のフィールドメモリの
書込み制御例を示し、図9は好適遅延フィールド数が大
きい(±4〜±6(符号同順))場合のフィールドメモ
リの書込み制御例を示している。
【0096】図8からわかるように、好適遅延フィール
ド数が小さいとき、すなわち映像の動きが比較的速いと
きには、入力映像信号a(スルー)がフィールドメモリ
A、B、CにA、B、Cの順番で順次書き込まれてい
く。
【0097】図9からわかるように、好適遅延フィール
ド数が大きいとき、すなわち映像の動きが比較的遅いと
きには、入力映像信号(スルー)が2フィールドに1回
の割合でフィールドメモリA、B、CにA、B、Cの順
番で順次書き込まれていく。
【0098】表1および表2は、上記書込み規則にした
がって書込み制御が行なわれる場合において、好適遅延
フィールド数に応じて選択される副映像信号bの選択方
法を示している。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】表1は、好適遅延フィールド数が小さい
(±1〜±3(符号同順))場合の副映像信号bの選択
方法を示し、表2は好適遅延フィールド数が大きい(±
4〜±6(符号同順))場合の副映像信号bの選択方法
を示している。
【0102】表1および表2において、”読出しメモリ
相対番号”とは、次フィールドの映像信号が入力される
時点を基準として、何回前にフィールドメモリに書き込
まれた映像信号を、副映像信号bとして読み出すかを示
すデータである。読出しメモリ相対番号が、たとえば2
である場合には、次フィールドの映像信号が入力される
時点を基準として、2回前に書き込まれた映像信号が、
副映像信号bとして読み出される。ただし、読出しメモ
リ相対番号が0である場合には、入力映像信号aが副映
像信号bとして用いられることを意味する。
【0103】表1からわかるように、好適遅延フィール
ド数が小さい場合には、読出しメモリ相対番号は、好適
遅延フィールド数と等しくなる。また、実際の遅延フィ
ールド数も好適遅延フィールド数と等しくなる。
【0104】表2からわかるように、好適遅延フィール
ド数が大きい場合には、読出しメモリ相対番号は、好適
遅延フィールド数が4の場合には2になり、好適遅延フ
ィールド数が5の場合には2または3になり、好適遅延
フィールド数が6の場合には3となる。
【0105】また、実際の遅延フィールド数は、好適遅
延フィールド数が4の場合には3または4になり、好適
遅延フィールド数が5の場合には4または5になり、好
適遅延フィールド数が6の場合には5または6になる。
好適遅延フィールド数が5の場合に、読出しメモリ相対
番号を2、3のいずれにするかは、今回入力された現フ
ィールドの映像信号がフィールドメモリに書き込まれた
か否かに応じて決定される。
【0106】表1および表2をまとめると、次の表3の
ようになる。
【0107】
【表3】
【0108】図10は、入力映像の書込みおよび読出し
メモリ相対番号を決定するための状態推移図を示してい
る。この状態推移図にしたがったアルゴリズムにより、
次回の入力映像信号(次フィールドの映像信号)が入力
された際のフィールドメモリ制御に用いられるデータが
生成される。
【0109】つまり、フィールドメモリA、B、Cへの
入力映像信号の書込み順序は予め決まっている。したが
って、状態推移図にしたがったアルゴリズムによって次
フィールドの映像信号を書き込むか否かが決定されるこ
とにより、書込み制御用データ(書き込みを行なうか否
かのデータ、書込みメモリを示すデータ)が生成され
る。また、状態推移図にしたがったアルゴリズムによっ
て読出しメモリ相対番号が決定されることにより、副映
像信号bを読み出すための読出し制御用データ(読出し
メモリを示すデータ)が生成される。
【0110】図10中、各円は状態を示し、円内の上段
に記されている数字0〜16は、状態番号を示してい
る。また、円内に0/wのようにβ/γの記載形式で記
載された番号および記号は、次のように定義される。
【0111】すなわち、βは、次フィールドでの副映像
信号bを読み出すメモリ(読出しメモリ)を決定するた
めの読出しメモリ相対番号を示し、γは次フィールドの
入力映像信号を書き込むか書き込まないかを示す。γ=
wの場合には、次フィールドの入力映像信号がフィール
ドメモリに書き込まれることを示し、γ=nの場合に
は、次フィールドの入力映像信号がフィールドメモリに
書き込まれないことを示している。
【0112】また、図10中、有向線は状態の推移方向
を示し、有向線に付した数字は好適遅延フィールド数を
示している。
【0113】領域A内の状態0〜3は、好適遅延フィー
ルド数が0〜3の範囲内にある場合の状態推移を示して
いる。また、領域C内の状態7、10〜14は、好適遅
延フィールド数が4〜6の範囲内にある場合の状態推移
を示している。
【0114】領域B内の状態4〜6、8、9、15、1
6は、好適遅延フィールド数が3から4に変化する場合
または好適遅延フィールド数が4から3に変化する場合
の状態推移過程を示している。
【0115】まず、好適遅延フィールド数が変化してい
ない場合と、変化する場合との状態推移について説明す
る。
【0116】(1)好適遅延フィールド数が変化してい
ない場合 好適遅延フィールド数が変化していない場合には、次の
ような状態推移となる。 ・好適遅延フィールド数0:状態0を繰り返す。 ・好適遅延フィールド数1:状態1を繰り返す。 ・好適遅延フィールド数2:状態2を繰り返す。 ・好適遅延フィールド数3:状態3を繰り返す。 ・好適遅延フィールド数4:状態7と10とを交互に繰
り返す。 ・好適遅延フィールド数5:状態11と12とを交互に
繰り返す。 ・好適遅延フィールド数6:状態13と14とを交互に
繰り返す。
【0117】(2)好適遅延フィールド数が変化する場
合 好適遅延フィールド数が変化する場合には、次のような
状態推移となる。 ・好適遅延フィールド数0と1との間の変化:状態0と
1とを交互に繰り返す。 ・好適遅延フィールド数1と2との間の変化:状態1と
2とを交互に繰り返す。 ・好適遅延フィールド数2と3との間の変化:状態2と
3とを交互に繰り返す。 ・好適遅延フィールド数3から4への変化:状態3→4
→5→6→7と推移する。
【0118】・好適遅延フィールド数4から3への変
化: (i) 状態10→9→8→3と推移する、または (ii) 状態7→15→16→3と推移する。 ・好適遅延フィールド数4から5への変化: (i) 状態7→11と推移する、または (ii) 状態10→12と推移する。
【0119】・好適遅延フィールド数5から4への変
化: (i) 状態11→7と推移する、または (ii) 状態12→10と推移する。
【0120】・好適遅延フィールド数5から6への変
化: (i) 状態11→14と推移する、または (ii) 状態12→13と推移する。
【0121】・好適遅延フィールド数6から5への変
化: (i) 状態13→12と推移する、または (ii) 状態14→11と推移する。
【0122】図11〜図24は、図10の状態推移図に
応じたアルゴリズムによって、フィールドメモリが制御
された場合の具体例を示している。これらの図におい
て、()で囲まれた数字は、副映像信号bとして選択さ
れたフィールドの番号を示している。また、2/6等の
a/bの形式で記載されている箇所は、フィールドメモ
リの内容がフィールド番号aの映像信号からフィールド
番号bの映像信号に書き換えられることを示している。
なお、各フィールドメモリとしては、新データを書き込
む前に旧データを読み出せるものまたは旧データを読み
出しながら新データを書き込むことができるものが用い
られている。
【0123】図11は、好適遅延フィールド数1が継続
する場合の具体例を示している。この場合には、図10
の状態1が繰り返される。図12は、好適遅延フィール
ド数2が継続する場合の具体例を示している。この場合
には、図10の状態2が繰り返される。図13は、好適
遅延フィールド数3が継続する場合の具体例を示してい
る。この場合には、図10の状態3が繰り返される。
【0124】状態1、2または3が継続する場合には、
γ=wであるので、入力映像信号aのフィールドが切り
変わる毎に、2D/3D変換処理のステップ1(図2参
照)に基づくメモリ制御において、入力映像信号aがフ
ィールドメモリA、B、Cのうち、所定の順番によって
決まる書き込みメモリに、書き込まれる。所定の順番と
は、A→B→C→Aの順番である。
【0125】状態1、2または3が継続する場合には、
βはそれぞれ1、2または3である。したがって、好適
遅延フィールド数が1、2または3が継続する場合に
は、次回のメモリ制御(ステップ1(図2参照))にお
いては、次フィールドの映像信号の入力時点を基準とし
て、それぞれ1回前(前回)、2回前または3回前にフ
ィールドメモリに書き込まれた映像信号が、副映像信号
bとしてフィールドメモリから読み出される。
【0126】図14は、好適遅延フィールド数4が続く
場合の具体例を示している。この場合には、図10の状
態7と10とが交互に繰り返される。
【0127】状態7から状態10に推移する場合には、
状態10のβ/γに従って、次フィールドのフィールド
メモリ制御用データが生成される。
【0128】状態10ではγ=nとなっているので、次
回のメモリ制御(ステップ1(図2参照))において、
入力映像信号aは、フィールドメモリに書き込まれな
い。状態10ではβ=2となっているので、次回のメモ
リ制御においては、次フィールドの映像信号の入力時点
を基準として、2回前にフィールドメモリに書き込まれ
た映像信号が、副映像信号bとしてフィールドメモリか
ら読み出される。
【0129】状態10から状態7に推移する場合には、
状態7のβ/γに従って、次フィールドのフィールドメ
モリ制御用データが生成される。
【0130】状態7ではγ=wとなっているので、次回
のメモリ制御においては、入力映像信号aがフィールド
メモリA、B、Cのうち、所定の順番によって決まる書
き込みメモリに書き込まれる。状態7ではβ=2となっ
ているので、次回のメモリ制御においては、次フィール
ドの映像信号の入力時点を基準として、2回前にフィー
ルドメモリに書き込まれた映像信号が、副映像信号bと
してフィールドメモリから読み出される。
【0131】図15は、好適遅延フィールド数5が続く
場合の具体例を示している。この場合には、図10の状
態11と12とが交互に繰り返される。
【0132】状態11から状態12に推移する場合に
は、状態12のβ/γに従って、次フィールドのフィー
ルドメモリ制御用データが生成される。
【0133】状態12ではγ=w、β=2である。した
がって、次回のメモリ制御においては、入力映像信号a
がフィールドメモリA、B、Cのうち、所定の順番によ
って決まる書き込みメモリに書き込まれる。また、次回
のメモリ制御においては、次フィールドの映像信号の入
力時点を基準として、2回前にフィールドメモリに書き
込まれた映像信号が、副映像信号bとしてフィールドメ
モリから読み出される。
【0134】状態12から状態11に推移する場合に
は、状態11のβ/γに従って、次フィールドのフィー
ルドメモリ制御用データが生成される。
【0135】状態11ではγ=n、β=3である。した
がって、次回のメモリ制御においては、入力映像信号a
はフィールドメモリに書き込まれない。また、次回のメ
モリ制御においては、次フィールドの映像信号の入力時
点を基準として、3回前にフィールドメモリに書き込ま
れた映像信号が、副映像信号bとしてフィールドメモリ
から読み出される。
【0136】図16は、好適遅延フィールド数6が続く
場合の具体例を示している。この場合には、図10の状
態13と14とが交互に繰り返される。
【0137】状態13から状態14に推移する場合に
は、状態14のβ=3、γ=wに従って、次フィールド
のフィールドメモリ制御用データが生成される。
【0138】状態14から状態13に推移する場合に
は、状態13のβ=3、γ=nに従って、次フィールド
のフィールドメモリ制御用データが生成される。
【0139】図17は、好適フィールド遅延数が0→1
→2→3と変化する場合の具体例を示している。
【0140】好適フィールド遅延数が0から1に変化
(図17のスルー5からスルー6への変化)した際に
は、図10の状態0から状態1に推移する。この場合に
は、状態1のβ=1、γ=wに従って、次フィールドの
フィールドメモリ制御用データが生成される。
【0141】好適フィールド遅延数が1から2に変化
(図17のスルー9からスルー10への変化)した際に
は、図10の状態1から状態2に推移する。この場合に
は、状態2のβ=2、γ=wに従って、次フィールドの
フィールドメモリ制御用データが生成される。
【0142】好適フィールド遅延数が2から3に変化
(図17のスルー13からスルー14への変化)した際
には、図10の状態2から状態3に推移する。この場合
には、状態3のβ=3、γ=wに従って、次フィールド
のフィールドメモリ制御用データが生成される。
【0143】図18は、好適フィールド遅延数が3→2
→1→0と変化する場合の具体例を示している。
【0144】好適フィールド遅延数が3から2に変化
(図18のスルー5からスルー6への変化)した際に
は、図10の状態3から状態2に推移する。この場合に
は、状態2のβ=2、γ=wに従って、次フィールドの
フィールドメモリ制御用データが生成される。
【0145】好適フィールド遅延数が2から1に変化
(図18のスルー9からスルー10への変化)した際に
は、図10の状態2から状態1に推移する。この場合に
は、状態1のβ=1、γ=wに従って、次フィールドの
フィールドメモリ制御用データが生成される。
【0146】好適フィールド遅延数が1から0に変化
(図18のスルー13からスルー14への変化)した際
には、図10の状態1から状態0に推移する。この場合
には、状態0のβ=0、γ=wに従って、次フィールド
のフィールドメモリ制御用データが生成される。
【0147】図19は、好適フィールド遅延数が4→5
→6と変化する場合の具体例を示している。
【0148】好適フィールド遅延数が4から5に変化す
る場合としては、図10の状態10から状態12に推移
する場合と、図10の状態7から状態11に推移する場
合とがある。図19の例(図19のスルー9からスルー
10への変化)では、図10の状態10から状態12に
推移する場合を示している。この場合には、状態12の
β=2、γ=wに従って、次フィールドのフィールドメ
モリ制御用データが生成される。なお、図10の状態7
から状態11に推移する場合には、状態11のβ=3、
γ=nに従って、次フィールドのフィールドメモリ制御
用データが生成される。
【0149】好適フィールド遅延数が5から6に変化す
る場合としては、図10の状態11から状態14に推移
する場合と、図10の状態12から状態13に推移する
場合とがある。図19の例(図19のスルー13からス
ルー14への変化)では、図10の状態11から状態1
4に推移する場合を示している。この場合には、状態1
4のβ=3、γ=wに従って、次フィールドのフィール
ドメモリ制御用データが生成される。なお、図10の状
態12から状態13に推移する場合には、状態13のβ
=3、γ=nに従って、次フィールドのフィールドメモ
リ制御用データが生成される。
【0150】図20は、好適フィールド遅延数が6→5
→4と変化する場合の具体例を示している。
【0151】好適フィールド遅延数が6から5に変化す
る場合としては、図10の状態13から状態12に推移
する場合と、図10の状態14から状態11に推移する
場合とがある。図20の例(図20のスルー9からスル
ー10への変化)では、図10の状態13から状態12
に推移する場合を示している。この場合には、状態12
のβ=2、γ=wに従って、次フィールドのフィールド
メモリ制御用データが生成される。なお、図10の状態
14から状態11に推移する場合には、状態11のβ=
3、γ=nに従って、次フィールドのフィールドメモリ
制御用データが生成される。
【0152】好適フィールド遅延数が5から4に変化す
る場合としては、図10の状態11から状態7に推移す
る場合と、図10の状態12から状態10に推移する場
合とがある。図20の例(図20のスルー13からスル
ー14への変化)では、図10の状態11から状態7に
推移する場合を示している。この場合には、状態7のβ
=2、γ=wに従って、次フィールドのフィールドメモ
リ制御用データが生成される。なお、図10の状態12
から状態10に推移する場合には、状態10のβ=2、
γ=nに従って、次フィールドのフィールドメモリ制御
用データが生成される。
【0153】図21は、好適フィールド遅延数が3→4
と変化する場合の具体例を示している。この場合には、
図10の状態3から、状態4、5、6を通って状態7に
推移する。
【0154】状態3から状態4に変化(図21のスルー
6からスルー7への変化)する際には、状態4のβ=
3、γ=nに従って、次フィールドのフィールドメモリ
制御用データが生成される。状態4から状態5に変化
(図21のスルー7からスルー8への変化)する際に
は、状態5のβ=2、γ=wに従って、次フィールドの
フィールドメモリ制御用データが生成される。
【0155】状態5から状態6に変化(図21のスルー
8からスルー9への変化)する際には、状態6のβ=
2、γ=nに従って、次フィールドのフィールドメモリ
制御用データが生成される。状態6から状態7に変化
(図21のスルー9からスルー10への変化)する際に
は、状態7のβ=2、γ=wに従って、次フィールドの
フィールドメモリ制御用データが生成される。
【0156】図22は、好適フィールド遅延数が4→3
と変化する場合の具体例を示している。図22は、図1
0の状態10から、状態9、8を通って、状態3に推移
する例を示している。
【0157】状態10から状態9に変化(図22のスル
ー9からスルー10への変化)する際には、状態9のβ
=2、γ=wに従って、次フィールドのフィールドメモ
リ制御用データが生成される。
【0158】状態9から状態8に変化(図22のスルー
10からスルー11への変化)する際には、状態8のβ
=2、γ=wに従って、次フィールドのフィールドメモ
リ制御用データが生成される。
【0159】状態8から状態3に変化(図22のスルー
11からスルー12への変化)する際には、状態3のβ
=3、γ=wに従って、次フィールドのフィールドメモ
リ制御用データが生成される。
【0160】図23は、好適フィールド遅延数が4→3
と変化する場合の具体例を示している。図23は、図1
0の状態7から、状態15、16を通って、状態3に推
移する例を示している。
【0161】状態7から状態15に変化(図23のスル
ー8からスルー9への変化)する際には、状態15のβ
=2、γ=wに従って、次フィールドのフィールドメモ
リ制御用データが生成される。
【0162】状態15から状態16に変化(図23のス
ルー9からスルー10への変化)する際には、状態16
のβ=3、γ=wに従って、次フィールドのフィールド
メモリ制御用データが生成される。
【0163】状態16から状態3に変化(図23のスル
ー10からスルー11への変化)する際には、状態3の
β=3、γ=wに従って、次フィールドのフィールドメ
モリ制御用データが生成される。
【0164】次に、図25〜図38を参照して、図2の
ステップ11のフィールドメモリ制御用データ生成処理
の第2実施例について説明する。
【0165】上記のフィールドメモリ制御用データ生成
処理の第1実施例では、表3に示したように、好適遅延
フィールド数が±4、±5または±6である場合におい
ては、実際の遅延フィールド数が1フィールド毎に変動
する。
【0166】図25を参照して、水平方向に等速度で動
く被写体を注視している場合に、実際の遅延フィールド
数が1フィールド毎に変動すると、輻輳角θが1フィー
ルド毎に規則的に変動する。たとえば、被写体が等速度
で水平方向に動いていると仮定し、その際の移動速度が
好適遅延フィールド数5に相当するとすると、実際の遅
延フィールド数は、1フィールド毎に4または5に交互
に変動する。実際の遅延フィールド数が4の場合の輻輳
角θは、実際の遅延フィールド数が5の場合の輻輳角θ
に比べ、小さくなる。したがって、好適遅延フィールド
数5が継続すると、輻輳角θが1フィールドごとに大き
くなったり、小さくなったりする。
【0167】視聴者に対する表示装置の画角φが小さい
場合には、被写体または背景の動きが比較的小さいた
め、遅延フィールド数が1フィールド毎に変動したとし
ても、輻輳角θの変動も小さいので、立体感もさほど損
なわれない。しかしながら、表示装置の画角が大きい場
合には、遅延フィールド数が1フィールド毎に変動した
とすると、輻輳角θの変動が大きいため、立体感が損な
われるおそれがある。
【0168】フィールドメモリ制御用データ生成処理の
第2実施例では、好適遅延フィールド数の最大値が6で
ある場合に、フィールドメモリ数を4つに削減する例を
示している。フィールドメモリ制御用データ生成処理の
第2実施例によれば、好適遅延フィールド数が±4、±
5または±6である場合においても、実際の遅延フィー
ルド数が変動しなくなる。
【0169】各フィールドメモリA、B、C、Dへの書
き込み(映像退避)および読み出し(映像表示)の規則
は以下の通りである。
【0170】(映像退避規則) (a)好適遅延フィールド数(図2のステップ6で決定
された設定遅延量d3)が0、±1〜±3(符号同順)
の場合は、1フィールド毎に入力映像信号を4つのフィ
ールドメモリに所定の順番で書込む。
【0171】(b)好適遅延フィールド数が±4〜±5
(符号同順)の場合は、2フィールドに1回の割合で入
力映像aを、1つのフィールドメモリを除いた3つのフ
ィールドメモリに所定の順番で書き込む。そして、上記
3つのフィールドメモリに書き込まれなかった入力映像
信号aを上記除かれた1つのフィールドメモリ(以下、
xメモリという)に順次書き込む。
【0172】(c)好適遅延フィールド数が±6の場合
は、2フィールドに1回の割合で入力映像aを4つのフ
ィールドメモリに所定の順番に順次書き込む。
【0173】(映像表示規則) (e)実際の遅延フィールド数が一定となるように映像
を選択する。特に、好適遅延フィールド数が±4〜±5
では、フィールドメモリに書き込まれた最新の退避映像
を主映像として使用することが許可される。
【0174】上記規則にしたがってフィールドメモリ制
御が行われた場合の、好適遅延フィールド数と実際の遅
延フィールド数との関係を表4に示す。この表から分か
るように、好適遅延フィールド数と実際の遅延フィール
ド数は等しくなる。
【0175】
【表4】
【0176】図26は、フィールドメモリ制御データを
決定するための状態推移図を示している。この状態推移
図にしたがったアルゴリズムにより、次フィールドの映
像信号が入力された際のフィールドメモリ制御に用いら
れるデータが生成される。
【0177】この状態推移図にしたがったアルゴリズム
によって、次フィールドにおいて、xメモリを設定する
か否か、xメモリを設定する場合には、どのフィールド
メモリをxメモリとするか、xメモリの設定を解除する
か否か、次フィールドの入力映像信号をフィールドメモ
リに書き込むか否か、書き込む場合にはどのフィールド
メモリに書き込むか、が決定されることにより、書込み
制御用データ(xメモリの指定データ、xメモリの解除
データ、書き込みを行なうか否かのデータ、書込みメモ
リを示すデータ)が生成される。
【0178】また、状態推移図にしたがったアルゴリズ
ムによって、主映像信号をフィールドメモリから読み出
すか否か、主映像信号を読み出す場合にはどのフィール
ドメモリから読み出すか、副映像をどのフィールドメモ
リから読み出すかが決定されることにより、読出し制御
用データ(主映像読出しメモリを示すデータ、副映像読
出メモリを示すデータ)が生成される。
【0179】図37中、各円は状態を示し、円内の上段
に記されている数字0〜29は、状態番号を示してい
る。また、円内の下部の黒丸は、xメモりを使用しない
状態を示している。また、円内にα,β/γの記載形式
で記載された番号および記号は、次のように定義され
る。
【0180】αは、主映像信号が読み出されるメモリの
相対番号(主映像の読出しメモリ相対番号)である。主
映像の読出しメモリ相対番号αは、次フィールドの映像
信号が入力される時点を基準として、何回前にフィール
ドメモリ(ただし、xメモリは除外する)に書き込まれ
た映像信号を、主映像信号として読み出すかを示すデー
タである。
【0181】この相対番号αとしては、この実施例では
0、1またはxがある。相対番号αが0である場合に
は、次フィールドにおいて、主映像信号として入力映像
信号aが選択されることを意味する。相対番号αが1で
ある場合には、次フィールドの映像信号が入力される時
点を基準として、1回前に書き込まれた映像信号が、次
フィールドの主映像信号として読み出されることを意味
する。相対番号αがxである場合には、次フィールドに
おいて、xメモリ内の映像信号が主映像信号として読み
出されることを意味する。
【0182】βは、副映像が読み出されるメモリの相対
番号(副映像の読出しメモリ相対番号である。副映像の
読出しメモリ相対番号βは、次フィールドの映像信号が
入力される時点を基準として、何回前にフィールドメモ
リ(ただし、xメモリは除外する)に書き込まれた映像
信号を、副映像信号として読み出すかを示すデータであ
る。
【0183】この相対番号βとしては、この実施例では
0、1、2、3、4またはxがある。相対番号が0であ
る場合には、次フィールドにおいて、副映像信号として
入力映像信号aが選択されることを意味する。相対番号
βが1である場合には、次フィールドの映像信号が入力
される時点を基準として、1回前に書き込まれた映像信
号が、次フィールドの副映像信号として読み出されるこ
とを意味する。
【0184】相対番号βが2、3または4である場合に
は、次フィールドの映像信号が入力される時点を基準と
して、それぞれ2、3または4回前に書き込まれた映像
信号が、次フィールドの副映像信号として読み出される
ことを意味する。相対番号βがxである場合には、次フ
ィールドにおいて、xメモリ内の映像信号が副映像信号
として読み出されることを意味する。
【0185】γは、書き込み種別を示すデータである。
γ=wである場合には、次フィールドにおいて、xメモ
リ以外のフィールドメモリのうち、所定の書き込み順序
に従って決定されたフィーメルドメモリに入力映像を退
避させることを意味する。γ=xである場合には、次フ
ィールドにおいて、xメモリに、入力映像を退避させる
ことを意味する。γ=nである場合には、次フィールド
において、入力映像を退避させないことを意味する。
【0186】また、図26中、有向線は状態の推移方向
を示し、有向線に付した数字は好適遅延フィールド数を
示している。また、丸数字が付いている有向線について
は、その処理内容を補足する必要があることを示してい
る。補足する必要がある処理内容については、後述す
る。
【0187】まず、好適遅延フィールド数が変化してい
ない場合と、変化した場合との状態推移について説明す
る。
【0188】(1)好適遅延フィールド数が変化してい
ない場合 好適遅延フィールド数が変化していない場合には、次の
ような状態推移となる。 ・好適遅延フィールド数0:状態0を繰り返す。 ・好適遅延フィールド数1:状態1を繰り返す。 ・好適遅延フィールド数2:状態2を繰り返す。 ・好適遅延フィールド数3:状態3を繰り返す。 ・好適遅延フィールド数4:状態7と8とを交互に繰り
返す。 ・好適遅延フィールド数5:状態18と19とを交互に
繰り返す。 ・好適遅延フィールド数6:状態25と26とを交互に
繰り返す。
【0189】(2)好適遅延フィールド数が変化する場
合。 好適遅延フィールド数が変化する場合には、次のような
状態推移となる。 ・好適遅延フィールド数0と1との間の変化:状態0と
1とを交互に繰り返す。 ・好適遅延フィールド数1と2との間の変化:状態1と
2とを交互に繰り返す。 ・好適遅延フィールド数2と3との間の変化:状態2と
3とを交互に繰り返す。 ・好適遅延フィールド数3から4への変化:状態3→4
→5→6→7と推移する。
【0190】・好適遅延フィールド数4から3への変
化: (i) 状態8→9→10→3と推移する (ii) 状態8→11→12→13→3と推移する、また
は (iii) 状態8→14→15→16→17→3と推移す
る。
【0191】・好適遅延フィールド数4から5への変
化: (i) 状態7→19と推移する、または (ii) 状態8→18と推移する。
【0192】・好適遅延フィールド数5から4への変
化: (i) 状態18→8と推移する、または (ii) 状態19→7と推移する。
【0193】・好適遅延フィールド数5から6への変
化: (i) 状態18→24→29→26と推移する (ii) 状態18→22→23→24→29→26と推移
する、または (iii) 状態18→20→21→22→23→24→29
→26と推移する。 但し、上記(i) 、(ii)、(iii) において、状態29で好
適フィールド遅延数が5に変化した場合には、状態29
から状態19へ推移する。また、状態23で好適フィー
ルド遅延数が5に変化した場合には、状態23から状態
19へ推移する。また、状態21で好適フィールド遅延
数が5に変化した場合には、状態21から状態19へ推
移する。
【0194】・好適遅延フィールド数6から5への変
化: (i) 状態25→27→18と推移する、または (ii) 状態26→28→19と推移する。
【0195】次に、有向線に丸数字が付いている状態推
移において行われる処理について補足説明する。
【0196】(1)有向線にが付いている状態推移に
ついての補足説明 (i) 状態3から4への状態推移:これから書き込もう
とするフィールドメモリから、書き込み順序の3つ先の
フィールドメモリがxメモリに割り当てられる。たとえ
ば、これから書き込もうとするフィールドメモリがDで
あれば、フィールドメモリCがxメモリとされる(図3
3のスルー7から8へ変化した箇所を参照参照)。
【0197】(ii) 状態25から27への状態推移:こ
れから書き込もうとするフィールドメモリから、書き込
み順序の1つ先のフィールドメモリがxメモリに割り当
てられる。たとえば、これから書き込もうとするフィー
ルドメモリがBであれば、フィールドメモリCがxメモ
リとされる(図36のスルー9から10へ変化した箇所
を参照)。
【0198】(iii) 状態26から28への状態推移:
これから書き込もうとするフィールドメモリがxメモリ
として割り当てられた後、割り当てられたxメモリか
ら、書き込み順序の1つ先のフィールドメモリが、これ
から書き込もうとするフィールドメモリとして割り当て
られる。たとえば、これから書き込もうとするフィール
ドメモリがBであれば、このフィールドメモリBがxメ
モリとされ、xメモリBから書き込み順序の1つ先のフ
ィールドメモリCが、これから書き込もうとするフィー
ルドメモリとして割り当てられる(図37のスルー8か
ら9へ変化した箇所を参照)。
【0199】(2)有向線にが付いている状態推移に
ついての補足説明 (i) 状態17から3への状態推移:xメモリの割当が
解除される。 (ii) 状態13から3への状態推移:xメモリの割当が
解除される。 (iii) 状態10から3への状態推移:xメモリの割当が
解除される。 (iv) 状態29から26への状態推移:xメモリが次に
書き込むべきメモリ として指定されるとともに、xメモリの割当が解除され
る(図38のスルー17から18へ変化した箇所を参
照)。
【0200】(3)有向線にが付いている状態推移に
ついての補足説明 状態8にある状態において、好適遅延フィールド数が3
となった場合には、以下の分岐条件によって、状態9、
11または状態12に推移する。
【0201】(i) 状態8から9への状態推移するため
の条件:次に書き込むべきメモリが、xメモリから書き
込み順序の3つ先のフィールドメモリであること。たと
えば、xメモリがCであれば、次に書き込むべきメモリ
がBであること(図35ののスルー16から17へ変化
した箇所を参照)。
【0202】(ii) 状態8から11への状態推移するた
めの条件:次に書き込むべきメモリが、xメモリから書
き込み順序の2つ先のフィールドメモリであること。た
とえば、xメモリがCであれば、次に書き込むべきメモ
リがAであること(図34のスルー14から15へ変化
した箇所を参照)。
【0203】(iii) 状態8から14への状態推移するた
めの条件:次に書き込むべきメモリが、xメモリから書
き込み順序の1つ先のフィールドメモリであること。た
とえば、xメモリがCであれば、次に書き込むべきメモ
リがDであること(図33のスルー12から13へ変化
した箇所を参照)。
【0204】(4)有向線にが付いている状態推移に
ついての補足説明 状態18にある状態において、好適遅延フィールド数が
6となった場合には、以下の分岐条件によって、状態2
0、22または状態24に推移する。
【0205】(i) 状態18から20への状態推移する
ための条件:次に書き込むべきメモリが、xメモリから
書き込み順序の1つ先のフィールドメモリであること。
たとえば、xメモリがDであれば、次に書き込むべきメ
モリがAであること(図38のスルー11から12へ変
化した箇所を参照)。
【0206】(ii) 状態18から22への状態推移する
ための条件:次に書き込むべきメモリが、xメモリから
書き込み順序の2つ先のフィールドメモリであること。
【0207】(iii) 状態18から24への状態推移する
ための条件:次に書き込むべきメモリが、xメモリから
書き込み順序の3つ先のフィールドメモリであること。
【0208】図27〜図38は、図26の状態推移図に
応じたアルゴリズムによって、フィールドメモリが制御
された場合の具体例を示している。これらの図におい
て、記号〔 〕で囲まれた数字は、主映像信号として選
択されたフィールドの番号を示し、( )で囲まれた数
字は、副映像信号として選択されたフィールドの番号を
示している。
【0209】また、2/6等のa/bの形式で記載され
ている箇所は、フィールドメモリの内容がフィールド番
号aの映像信号からフィールド番号bの映像信号に書き
換えられることを示している。また、読み出しメモリ相
対番号及び書き込み種別の欄にα,β/γの記載形式で
記載された番号および記号は、上述した通りである。な
お、各フィールドメモリとしては、旧データを読み出し
ながら、新データを書き込むことができるものが用いら
れている。
【0210】図27は、好適遅延フィールド数1が継続
する場合の具体例を示している。この場合には、図26
の状態1が繰り返される。図28は、好適遅延フィール
ド数2が継続する場合の具体例を示している。この場合
には、図26の状態2が繰り返される。図28は、好適
遅延フィールド数3が継続する場合の具体例を示してい
る。この場合には、図26の状態3が繰り返される。
【0211】状態1、2または3が継続する場合には、
xメモリは設定されない。状態1、2または3が継続す
る場合には、γ=0であるので、入力映像信号aのフィ
ールドが切り変わる毎に、2D/3D変換処理のステッ
プ1(図2参照)に基づくメモリ制御において、入力映
像信号aがフィールドメモリA、B、C、Dのうち、所
定の順番によって決まる書き込みメモリに、書き込まれ
る。所定の順番とは、A→B→C→D→Aの順番であ
る。
【0212】状態1、2または3が継続する場合には、
α=0であるので、入力映像信号aのフィールドが切り
変わる毎に、入力映像信号aが主映像信号dとして選択
される。
【0213】状態1、2または3がそれぞれ継続する場
合には、βはそれぞれ1、2または3である。したがっ
て、好適遅延フィールド数が1、2または3がそれぞれ
継続する場合には、次回のメモリ制御においては、次フ
ィールドの映像信号の入力時点を基準として、それぞれ
1回前(前回)、2回前または3回前にフィールドメモ
リに書き込まれた映像信号が、副映像信号bとしてフィ
ールドメモリから読み出される。
【0214】図30は、好適遅延フィールド数4が続く
場合の具体例を示している。この場合には、図26の状
態7と8とが交互に繰り返される。
【0215】状態7から状態8に推移する場合には、状
態8のα,β/γに従って、次フィールドにおけるフィ
ールドメモリ制御用データが生成される。この場合に
は、xメモリは既に設定されている。この例では、フィ
ールドメモリDがxメモリに設定されている。また、状
態8ではγ=wであるので、次回のメモリ制御において
は、入力映像信号aがxメモリ以外のメモリA、B、C
のうち、所定の書き込み順序によって決定される書き込
みメモリに書き込まれる。
【0216】状態8ではα=0であるので、次回のメモ
リ制御においては、入力映像信号aが主映像信号dとし
て選択される。状態8ではβ=2であるので、次回のメ
モリ制御においては、次フィールドの映像信号の入力時
点を基準として、2回前にフィールドメモリ(xメモリ
を除く)に書き込まれた映像信号が、副映像信号bとし
てフィールドメモリから読み出される。
【0217】状態8から状態7に推移する場合には、状
態7のα,β/γに従って、次フィールドにおけるフィ
ールドメモリ制御用データが生成される。
【0218】状態7では、γ=x、α=1、β=3であ
る。したがって、次回のメモリ制御においては、入力映
像信号aがxメモリ(=メモリD)に書き込まれる。ま
た、次回のメモリ制御においては、次フィールドの映像
信号の入力時点を基準として、1回前(前回)にフィー
ルドメモリ(xメモリを除く)に書き込まれた映像信号
が、主映像信号dとして選択される。また、次回のメモ
リ制御においては、次フィールドの映像信号の入力時点
を基準として、3回前にフィールドメモリ(xメモリを
除く)に書き込まれた映像信号が、副映像信号bとして
フィールドメモリから読み出される。
【0219】図31は、好適遅延フィールド数5が続く
場合の具体例を示している。この場合には、図26の状
態18と19とが交互に繰り返される。
【0220】状態18から状態19に推移する場合に
は、状態19のα,β/γに従って、次フィールドにお
けるフィールドメモリ制御用データが生成される。
【0221】状態19では、γ=w、α=x、β=3で
ある。したがって、次回のメモリ制御においては、入力
映像信号aがxメモリ以外のメモリA、B、Cのうち、
所定の書き込み順序によって決定される書き込みメモリ
に書き込まれる。また、次回のメモリ制御においては、
xメモリ(=メモリD)に書き込まれている映像信号
が、主映像信号dとして選択される。また、次回のメモ
リ制御においては、次フィールドの映像信号の入力時点
を基準として、3回前にフィールドメモリ(xメモリを
除く)に書き込まれた映像信号が、副映像信号bとして
フィールドメモリから読み出される。
【0222】状態19から状態18に推移する場合に
は、状態18のα,β/γに従って、次フィールドにお
けるフィールドメモリ制御用データが生成される。
【0223】状態18では、γ=x、α=0、β=3で
ある。したがって、次回のメモリ制御において、入力映
像信号aがxメモリ(=メモリD)に書き込まれる。ま
た、次回のメモリ制御においては、入力映像信号aが、
主映像信号dとして選択される。また、次回のメモリ制
御においては、次フィールドの映像信号の入力時点を基
準として、3回前にフィールドメモリ(xメモリを除
く)に書き込まれた映像信号が、副映像信号bとしてフ
ィールドメモリから読み出される。
【0224】図32は、好適遅延フィールド数6が続く
場合の具体例を示している。この場合には、図26の状
態25と26とが交互に繰り返される。
【0225】状態25から状態26に推移する場合に
は、状態26のα=0、β=3、γ=wに従って、次フ
ィールドにおけるフィールドメモリ制御用データが生成
される。この場合には、xメモリは設定されない。次回
のメモリ制御においては、入力映像信号aがメモリA、
B、C、Dのうち、所定の書き込み順序によって決定さ
れる書き込みメモリに書き込まれる。また、次回のメモ
リ制御においては、入力映像信号aが、主映像信号dと
して選択される。また、次回のメモリ制御においては、
次フィールドの映像信号の入力時点を基準として、3回
前にフィールドメモリに書き込まれた映像信号が、副映
像信号bとしてフィールドメモリから読み出される。
【0226】状態26から状態25に推移する場合に
は、状態25のα=1、β=4、γ=nに従って、次フ
ィールドにおけるフィールドメモリ制御用データが生成
される。つまり、次回のメモリ制御においては、入力映
像信号aは、フィールドメモリには書き込まれない。ま
た、次回のメモリ制御においては、次フィールドの映像
信号の入力時点を基準として、1回前(前回)にフィー
ルドメモリに書き込まれた映像信号が、主映像信号dと
して選択される。また、次回のフィールドメモリ制御に
おいては、次フィールドの映像信号の入力時点を基準と
して、4回前にフィールドメモリに書き込まれた映像信
号が、副映像信号bとしてフィールドメモリから読み出
される。
【0227】図33は、好適フィールド遅延数が3→4
→3と変化する場合の具体例を示している。
【0228】好適フィールド遅延数が3から4に変化
(図33のスルー7からスルー8への変化)した際に
は、図26の状態3から、状態4、5、6を通って状態
7に推移する。状態3から状態4に変化する際には、補
足説明として既に説明したように、これから書き込もう
とするフィールドメモリ(この例ではD)から、書き込
み順序の3つ先のフィールドメモリ(この例ではC)が
xメモリに割り当てられる。
【0229】また、この状態推移過程においては、推移
先の各状態4、5、6、7のα、β、γに従って、次フ
ィールドにおけるフィールドメモリ制御用データが生成
される。
【0230】好適フィールド遅延数が4から3に変化
(図33のスルー12からスルー13への変化)した際
には、補足説明として既に説明したように、分岐条件に
よって3通りの推移がある。図33の例では、次に書き
込むべきメモリはDであり、xメモリであるCから書き
込み順序の1つ先のメモリにあたるため、図26の状態
8から、状態14、15、16、17を通って状態3に
推移する。また、この状態推移過程においては、推移先
の各状態14、15、16、17、3のα、β、γに従
って、次フィールドにおけるフィールドメモリ制御用デ
ータが生成される。なお、状態17から状態3へ移行す
る際には、補足説明として既に説明したように、xメモ
リの設定が解除される。
【0231】図34は、好適フィールド遅延数が4→3
と変化する場合の具体例を示している。図34では、図
26の状態8から、状態11、12、13を通って状態
3に推移する例を示している。なお、状態13から状態
3へ移行する際には、補足説明として既に説明したよう
に、xメモリの設定が解除される。
【0232】図35は、好適フィールド遅延数が4→3
と変化する場合の具体例を示している。図35では、図
26の状態8から、状態9、10を通って状態3に推移
する例を示している。なお、状態10から状態3へ移行
する際には、補足説明として既に説明したように、xメ
モリの設定が解除される。
【0233】図36は、好適フィールド遅延数が6→5
→4と変化する場合の具体例を示している。
【0234】図36では、好適フィールド遅延数が6か
ら5に変化(図36のスルー9からスルー10への変
化)した際に、図26の状態25から、状態27を通っ
て状態18に推移する例を示している。状態25から状
態27に変化する際には、補足説明として既に説明した
ように、これから書き込もうとするフィールドメモリ
(この例ではB)から、書き込み順序の1つ先のフィー
ルドメモリ(この例ではC)がxメモリに割り当てられ
る。
【0235】また、図36では、好適フィールド遅延数
が5から4に変化(図36のスルー13からスルー14
への変化)した際に、図26の状態18から、状態8に
推移する例を示している。
【0236】図37は、好適フィールド遅延数が6→5
→4と変化する場合の具体例を示している。
【0237】図37では、好適フィールド遅延数が6か
ら5に変化(図36のスルー8からスルー9への変化)
した際に、図26の状態26から、状態28を通って状
態19に推移する例を示している。状態26から状態2
8に変化する際には、補足説明として既に説明したよう
に、これから書き込もうとするフィールドメモリ(この
例ではB)がxメモリとして割り当てられ、このxメモ
リ(この例ではB)から、書き込み順序の1つ先のフィ
ールドメモリ(この例ではC)がこれから書き込もうと
するフィールドメモリとして割り当てられる。
【0238】また、図37では、好適フィールド遅延数
が5から4に変化(図37のスルー12からスルー13
への変化)した際に、図26の状態19から、状態7に
推移する例を示している。
【0239】図38は、好適フィールド遅延数が4→5
→6と変化する場合の具体例を示している。
【0240】図38では、好適フィールド遅延数が4か
ら5に変化(図38のスルー8からスルー9への変化)
した際に、図26の状態8から状態18に推移する例を
示している。
【0241】好適フィールド遅延数が5から6に変化
(図38のスルー11からスルー12への変化)した際
には、補足説明として既に説明したように、分岐条件に
よって3通りの推移がある。図38の例では、次に書き
込むべきメモリはAであり、xメモリであるDから書き
込み順序の1つ先のメモリにあたるため、図26の状態
18から、状態20、21、22、23、24、29を
通って、状態26に推移する。
【0242】
【発明の効果】この発明によれば、左目用映像および右
目用映像の一方に対する他方の遅延量を変化させる場合
において、フィールドメモリ数の低減化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2D/3D変換装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】CPUによる2D/3D変換処理の全体的な手
順を示すフローチャートである。
【図3】図2のステップ6の遅延量算出処理の詳細な手
順をフローチャートである。
【図4】動きベクトル平均値と、第1遅延量との関係を
示すグラフである。
【図5】動きベクトル平均値から第1遅延量を求める関
係式の導き方を説明するための模式図である。
【図6】3つの第2遅延量が全て一致した場合に、目標
遅延量が変更される様子を示すタイムチャートである。
【図7】3つの第2遅延量の全てが現在の目標遅延量よ
り大きくなったときに、目標遅延量が変更される様子を
示すタイムチャートである。
【図8】フィールドメモリ制御方法の第1実施例を説明
するための説明図である。
【図9】フィールドメモリ制御方法の第1実施例を説明
するための説明図である。
【図10】フィールドメモリ制御方法の第1実施例を説
明するための状態推移図である。
【図11】好適遅延フィールド数1が続く場合のフィー
ルドメモリ制御の具体例を示すタイムチャートである。
【図12】好適遅延フィールド数2が続く場合のフィー
ルドメモリ制御の具体例を示すタイムチャートである。
【図13】好適遅延フィールド数3が続く場合のフィー
ルドメモリ制御の具体例を示すタイムチャートである。
【図14】好適遅延フィールド数4が続く場合のフィー
ルドメモリ制御の具体例を示すタイムチャートである。
【図15】好適遅延フィールド数5が続く場合のフィー
ルドメモリ制御の具体例を示すタイムチャートである。
【図16】好適遅延フィールド数6が続く場合のフィー
ルドメモリ制御の具体例を示すタイムチャートである。
【図17】好適遅延フィールド数が0→1→2→3と変
化する場合のフィールドメモリ制御の具体例を示すタイ
ムチャートである。
【図18】好適遅延フィールド数が3→2→1→0と変
化する場合のフィールドメモリ制御の具体例を示すタイ
ムチャートである。
【図19】好適遅延フィールド数が4→5→6と変化す
る場合のフィールドメモリ制御の具体例を示すタイムチ
ャートである。
【図20】好適遅延フィールド数が6→5→4と変化す
る場合のフィールドメモリ制御の具体例を示すタイムチ
ャートである。
【図21】好適遅延フィールド数が3→4と変化する場
合のフィールドメモリ制御の具体例を示すタイムチャー
トである。
【図22】好適遅延フィールド数が4→3と変化する場
合のフィールドメモリ制御の具体例を示すタイムチャー
トである。
【図23】好適遅延フィールド数が4→3と変化する場
合のフィールドメモリ制御の具体例を示すタイムチャー
トである。
【図24】通常のフィールドメモリ制御方法を説明する
ための説明図である。
【図25】フィールドメモリ制御方法の第2実施例の課
題を説明するための模式図である。
【図26】フィールドメモリ制御方法の第2実施例を説
明するための状態推移図である。
【図27】好適遅延フィールド数1が続く場合のフィー
ルドメモリ制御の具体例を示すタイムチャートである。
【図28】好適遅延フィールド数2が続く場合のフィー
ルドメモリ制御の具体例を示すタイムチャートである。
【図29】好適遅延フィールド数3が続く場合のフィー
ルドメモリ制御の具体例を示すタイムチャートである。
【図30】好適遅延フィールド数4が続く場合のフィー
ルドメモリ制御の具体例を示すタイムチャートである。
【図31】好適遅延フィールド数5が続く場合のフィー
ルドメモリ制御の具体例を示すタイムチャートである。
【図32】好適遅延フィールド数6が続く場合のフィー
ルドメモリ制御の具体例を示すタイムチャートである。
【図33】好適遅延フィールド数が3→4→3と変化す
る場合のフィールドメモリ制御の具体例を示すタイムチ
ャートである。
【図34】好適遅延フィールド数が4→3と変化する場
合のフィールドメモリ制御の具体例を示すタイムチャー
トである。
【図35】好適遅延フィールド数が4→3と変化する場
合のフィールドメモリ制御の具体例を示すタイムチャー
トである。
【図36】好適遅延フィールド数が6→5→4と変化す
る場合のフィールドメモリ制御の具体例を示すタイムチ
ャートである。
【図37】好適遅延フィールド数が6→5→4と変化す
る場合のフィールドメモリ制御の具体例を示すタイムチ
ャートである。
【図38】好適遅延フィールド数が4→5→6と変化す
る場合のフィールドメモリ制御の具体例を示すタイムチ
ャートである。
【符号の説明】
11 フィールドメモリ 12 補間回路 13 映像切換回路 14、15 位相制御回路 17 セレクタ 18 補間回路 20 CPU 21 ROM 22 RAM 23 操作・表示部 24 メモリ制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前中 章弘 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 村田 治彦 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (72)発明者 森 幸夫 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04N 13/00 - 15/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元映像から、主映像と、フィールド
    メモリを利用して主映像に対して遅延された副映像とを
    生成することにより、2次元映像を3次元映像に変換す
    る方法において、 主映像の動きが速いときには、主映像を1フィールド毎
    にフィールドメモリに書き込んでいき、 主映像の動きが遅いときには、主映像を所定フィールド
    数ずつ間隔をおいてフィールドメモリに書き込んでい
    き、 主映像の動きの速度に基づいて、フィールドメモリから
    副映像として読み出すべき映像を決定することを特徴と
    する2次元映像を3次元映像に変換する方法。
  2. 【請求項2】 主映像の動きが遅い場合には、1フィー
    ルドずつ間隔をおいて主映像をフィールドメモリに書き
    込んでいくことを特徴とする請求項1に記載の2次元映
    像を3次元映像に変換する方法。
  3. 【請求項3】 主映像の動きの速さに基づいて、主映像
    に対する副映像の好適な遅延量を算出し、算出された遅
    延量に基づいて、主映像の動きの速度を判定することを
    特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の2次元
    映像を3次元映像に変換する方法。
  4. 【請求項4】 主映像の動きが遅いほど、主映像に対す
    る副映像の遅延量が大きくなるように、遅延量が決定さ
    れることを特徴とする請求項1、2および3のいずれか
    に記載の2次元映像を3次元映像に変換する方法。
  5. 【請求項5】 2次元入力映像から、主映像と、主映像
    に対して遅延された副映像とを生成することにより、2
    次元映像を3次元映像に変換する方法において、 2次元入力映像をフィールド単位で記憶するためのフィ
    ールドメモリを設け、 2次元入力映像の動きが速いときには、2次元入力映像
    を1フィールド毎にフィールドメモリに書き込んでい
    き、 2次元入力映像の動きが遅いときには、2次元入力映像
    を所定フィールド数ずつ間隔をおいてフィールドメモリ
    に書き込んでいき、 主映像に対する副映像の遅延量が2次元入力映像の動き
    の速度に基づいて決定された値となるように、2次元入
    力映像およびフィールドメモリ内の映像のうちから主映
    像を選択するとともにフィールドメモリ内の映像のうち
    から副映像を選択することを特徴とする2次元映像を3
    次元映像に変換する方法。
  6. 【請求項6】 2次元入力映像から、主映像と、主映像
    に対して遅延された副映像とを生成することにより、2
    次元映像を3次元映像に変換する方法において、 2次元入力映像をフィールド単位で記憶するためのフィ
    ールドメモリを設け、 2次元入力映像の動きが速いときには、2次元入力映像
    を1フィールド毎にフィールドメモリに書き込んでい
    き、 2次元入力映像の動きが遅いときには、1つのフィール
    ドメモリを除く他のフィールドメモリに、2次元入力映
    像を所定フィールド数ずつ間隔をおいて書き込んでいく
    とともに、上記除かれた1つのフィールドメモリに、他
    のフィールドメモリに書き込まれないフィールドの2次
    元入力映像を書き込んでいき、 主映像に対する副映像の遅延量が2次元入力映像の動き
    の速度に基づいて決定された値となるように、2次元入
    力映像およびフィールドメモリ内の映像のうちから主映
    像を選択するとともにフィールドメモリ内の映像のうち
    から副映像を選択することを特徴とする2次元映像を3
    次元映像に変換する方法。
  7. 【請求項7】 2次元入力映像から、主映像と、主映像
    に対して遅延された副映像とを生成することにより、2
    次元映像を3次元映像に変換する方法において、 2次元入力映像をフィールド単位で記憶するためのフィ
    ールドメモリを設け、 2次元入力映像の動きが速いときには、2次元入力映像
    を1フィールド毎にフィールドメモリに書き込んでい
    き、 2次元入力映像の動きが遅いときには、2次元入力映像
    を所定フィールド数ずつ間隔をおいてフィールドメモリ
    に書き込んでいく第1書き込みモード、および1つのフ
    ィールドメモリを除く他のフィールドメモリに、2次元
    入力映像を所定フィールド数ずつ間隔をおいて書き込ん
    でいくとともに、上記除かれた1つのフィールドメモリ
    に、他のフィールドメモリに書き込まれないフィールド
    の2次元入力映像を書き込んでいく第2書き込みモード
    のうち、2次元入力映像の動きの速度に応じた書き込み
    モードによる処理を行い、 主映像に対する副映像の遅延量が2次元入力映像の動き
    の速度に基づいて決定された値となるように、2次元入
    力映像およびフィールドメモリ内の映像のうちから主映
    像を選択するとともにフィールドメモリ内の映像のうち
    から副映像を選択することを特徴とする2次元映像を3
    次元映像に変換する方法。
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