JP3128422B2 - シャドウマスク用Fe−Ni合金薄板およびその製造方法 - Google Patents

シャドウマスク用Fe−Ni合金薄板およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーブラウン管内等
で使用されるシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板、特
にシャドウマスクの製造工程においてレジスト密着性、
耐焼き付き性および熱歪特性に優れたシャドウマスク用
Fe−Ni合金薄板およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】カラーブラウン管シャドウマスク用素材
としては一般に低炭素鋼が使用されている。カラーブラ
ウン管は真空管を形成するガラスバルブのフェースプレ
ート部(パネル)に赤、緑、青の3原色を発する蛍光膜
が塗布されており、反対側のネック部には蛍光膜を刺激
発光させるための電子ビームを発射する電子銃を備えて
いる。シャドウマスクは、蛍光面と電子銃の間の蛍光面
に近い位置に設けられており、電子銃から発する3原色
に対応する3本の電子ビームを、スロットと呼ばれる孔
に通過させて各々対応する蛍光面のみに当てるような色
選別の機能を果たしているものである。従って、シャド
ウマスク上のスロットと蛍光体の位置関係が正確に合っ
ている必要がある。しかしながら、カラーブラウン管を
連続使用する場合、電子ビームのエネルギーのうち約8
0%がシャドウマスク上で熱エネルギーとして消費され
るため、シャドウマスクの温度が局部的に90℃程度ま
で上昇し熱膨張により電子ビームと蛍光体の一致が得ら
れなくなり、画像が不鮮明になる。このため、カラーブ
ラウン管の構造を工夫してシャドウマスクの熱膨張を補
償することが行われているが十分でない。
【0003】そこで、シャドウマスク用素材として低炭
素鋼に比べて熱膨張係数が極めて小さい、Niを30〜
52%含有する低熱膨張Fe−Ni合金薄板が使用され
てきている。しかしながら、シャドウマスクの製造工程
においてこのようなFe−Ni合金薄板はエッチング穿
孔性が従来の低炭素鋼に比べて著しく劣り、またレジス
ト剥離に起因する孔形状ムラが多発するという問題があ
る。さらに、ブラウン管封着時に発生する熱歪のための
歩留り低下があり、顕著な場合には素材のロットアウト
・返品が起こることがある。従って、カラーブラウン管
内で使用されるシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板、
特にシャドウマスクの製造工程においてレジスト密着
性、耐焼き付き性および熱歪特性等に優れ、製造歩留が
良好なシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板およびこれ
を製造する方法が強く要望されている。
【0004】低熱膨張型シャドウマスク用素材として
は、例えばFe−Ni合金のC,S,O等の成分を限定
して炭化物、硫化物、酸化物を制御することによりエッ
チング穿孔性に優れたシャドウマスク用素材について特
開昭61−113746号公報に開示されている。これ
によれば、介在物に起因するエッチング穿孔ムラ等の欠
陥は防止できるが、介在物以外の原因による孔形状不良
を防止するには十分でなく、更にレジスト密着性、耐焼
き付き性および熱歪特性に対しては考慮されていない。
また、低熱膨張型シャドウマスク用素材の製造方法とし
ては、例えば表面粗さ、結晶粒度および集合組織を制御
してエッチング穿孔性を改善したものについて特開昭6
2−243782号公報に開示されている。これによれ
ば、エッチング穿孔速度が向上しレジスト密着不良およ
び粗粒組織に起因する穿孔欠陥が改善されるが、耐焼き
付き性および熱歪特性の向上に対して十分でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、シャドウマ
スクの製造工程においてレジスト密着性、耐焼き付き性
および熱歪特性等に優れ、製造歩留が良好であるシャド
ウマスク用Fe−Ni合金薄板およびその製造方法を提
供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、成分、材質および製造工程を種々検討し
た結果、微量成分を限定し、薄板での強度および表面仕
上げを適切に組み合わせること、さらに最終焼鈍前の板
厚、焼鈍条件および調質圧延条件を限定することにより
達成した。本発明の要旨は次の通りである。 (1)重量%にてNi:30〜52%、C:≦0.02
%、Si:≦0.30%、Al≦0.02%、O:≦
0.02%を含有し、板厚が0.30mm以下のFe−N
i合金薄板であって、エッチング素材の状態で耐力σ
0.2 が38〜52kgf /mm2 かつ弾性限の強度σE が1
8〜48kgf /mm2 であり、表面の平均粗さがRaで
0.70〜2.5μmかつ粗さ曲線の高さ方向の偏り指
数がRskで0.30〜2.0である。 (2)重量%にてNi:30〜52%、C:≦0.02
%、Si:≦0.30%、Al≦0.02%、O:≦
0.02%を含有するFe−Ni合金帯板を、冷間圧延
により0.30mm以下の板厚にし、続いてN2 を5〜9
0vol.%含有する無酸化あるいは還元性雰囲気中におい
て0.07〜3.0kgf /mm2 の炉内張力を付与しつつ
700〜900℃の加熱温度で1〜100sec 保持する
条件で焼鈍し、続いて表面粗さがRaで1.0〜3.5
μmかつRskで−0.50〜−4.0であるワークロ
ールを用いて伸び率が2〜10%である調質圧延を行
う。
【0007】
【作用】以下、本発明の限定理由について詳細に説明す
る。まず、Niはその含有量が30%より少ないと熱膨
張係数が極めて高くなり、カラーブラウン管の鮮鋭性が
劣化する。52%を超えて含有しても熱膨張係数が高く
なる。従って、Niの成分範囲を30〜52%とした。
望ましい範囲は、34〜38%である。Cはその含有量
が0.02%を超えると鉄炭化物の生成が著しく、これ
がエッチング穿孔性を阻害し穿孔欠陥の原因となる。従
って、Cの成分範囲を0.02%以下とした。望ましい
範囲は、0.01%以下(0%を含まず)である。Si
はその含有量が0.30%を超えるとSiO2 の生成が
著しく、これが熱間圧延やその後の冷間圧延の加工によ
り高延性のため直鎖状に残留してエッチング時に筋状の
穿孔ムラの原因となる。従って、Siの成分範囲を0.
30%以下とした。望ましい範囲は、0.10%以下
(0%を含まず)である。Alは脱酸剤として有効であ
るが、その含有量が0.02%を超えるとAl23
生成が著しく、これが熱間圧延やその後の冷間圧延後の
加工により低延性のため分断され線状に残留してエッチ
ング時に筋状の穿孔ムラの原因となる。従って、Alの
成分範囲を0.02%以下とした。望ましい範囲は0.
001〜0.01%である。Oはその含有量が0.02
%を超えると酸化物系介在物の生成が著しく、これがエ
ッチング穿孔性を阻害し穿孔欠陥や穿孔ムラの原因とな
る。従って、Oの成分範囲を0.02%以下とした。望
ましい範囲は、0.01%以下(0%を含まず)であ
る。
【0008】本発明者等は、シャドウマスクの製造工程
においてレジスト密着性、耐焼き付き性および熱歪特性
等に優れ、製造歩留が良好であるシャドウマスク用Fe
−Ni合金薄板を得るためには、板厚が0.30〜0.
01mmであってエッチング素材の状態で耐力σ0.2 が3
8〜52kgf /mm2 かつ弾性限の強度σE が18〜48
kgf /mm2 であり、表面の平均粗さがRaで0.70〜
2.5μmかつ粗さ曲線の高さ方向の偏り指数がRsk
で0.30〜2.0であることが有効であることを見出
した。板厚が0.20mmであるFe−36%Ni合金薄
板を用いて、エッチング素材の状態での耐力σ0.2 と弾
性限の強度σE によるシャドウマスクの製造工程での歩
留落ちへの影響を調査した結果を図1に示す。ここで、
耐力σ0.2 はJIS13号B試験を用いてJIS Z
2201に基づいて測定した。弾性限の強度σE はJI
S H 3130に規定されているモーメント式試験に
より測定されるバネ限界値を採用した。シャドウマスク
の製造工程での歩留落ちはブラウン管封着までに不良で
落ちた枚数をエッチング加工後の総枚数で割った百分率
で評価した。図1から明らかなように、エッチング素材
の状態での耐力σ0.2 が38kgf /mm2 未満ではライン
通板時の腰折れ疵が発生するために歩留落ちが高いこと
がわかる。また、σ0.2 が52kgf /mm2 を超えると、
逆に強度が大きくなりすぎるためライン間での搬送時に
取扱疵が多発し歩留落ちが高くなる。更に、エッチング
素材の状態での弾性限の強度σE が18kgf /mm2 未満
では、エッチング−プレス加工後のシャドウマスクをブ
ラウン管に封着する際に、熱歪の発生量が大きいため
に、ブラウン管との正確なセッテングができず不良品と
なるので、歩留落ちが高くなる。σE が48kgf /mm2
を超えると耐力と同様にライン間での搬送時に取扱疵が
多発し歩留落ちが高くなる。従って、シャドウマスクの
製造工程での歩留落ちが4%以下になるためには、エッ
チング素材の状態での耐力σ0.2 の範囲を38〜52kg
f /mm2 かつ弾性限の強度σE の範囲を18〜48kgf
/mm 2 とした。ここで、物理的な制約からσE はσ0.2
を超えないので、σE /σ0. 2 は1以下である。
【0009】板厚が0.20mmであるFe−36%Ni
合金薄板を用いて、エッチング素材の状態での表面の平
均粗さRaと粗さ曲線の高さ方向の偏り指数(スキュー
ネス)Rskによるシャドウマスクの製造工程での歩留
落ちへの影響を調査した結果を図2に示す。ここで、平
均粗さRaはJIS B 0601に基づいて測定し
た。粗さ曲線の高さ方向の偏り指数Rskは粗さ曲線を
y=y(x)、平均高さをy及び自乗平均高さをRqで
表した時に、次式から算出される。
【0010】
【数1】
【0011】図2から明らかなように、エッチング素材
の状態での表面の平均粗さRaが0.70μm未満で
は、レジスト膜の密着力が弱く後工程のエッチング時に
孔形状が不揃いとなるので歩留落ちが高くなることがわ
かる。また、Raが2.5μmを超えると、逆にレジス
ト膜の密着力が大きくなりすぎるためレジスト膜剥離に
時間がかかり生産性が低下する。更に、エッチング素材
の状態での表面のスキューネスRskが0.30未満で
は、プレス加工前の軟化焼鈍時に積み重ねたシャドウマ
スクどうしの焼き付きが発生するために、歩留落ちが高
くなる。Rskが2.0を超えると、レジスト塗布後に
レジストの密着性を向上させるための真空引きに時間が
かかり生産性が低下する。従って、シャドウマスクの製
造工程での歩留落ちが3%以下になるためには、エッチ
ング素材の状態での表面の平均粗さRaの範囲を0.7
0〜2.5μmかつ粗さ曲線の高さ方向の偏り指数Rs
kの範囲を0.30〜2.0とした。
【0012】本発明者等は、シャドウマスクの製造工程
においてレジスト密着性、耐焼き付き性および熱歪特性
等に優れ、製造歩留が良好であるシャドウマスク用Fe
−Ni合金薄板を得るための製造方法としては、1回ま
たは2回以上の冷間圧延により0.30mm以下の板厚に
し、続いてN2 量が5〜90vol.%以上含有する無酸化
あるいは還元性雰囲気中において0.07〜3.0kgf
/mm2 の炉内張力を付与しつつ加熱温度(700〜90
0℃)×保持時間(1〜100sec)にて焼鈍した後、表
面粗さがRaで1.0〜3.5μmかつRskで−0.
50〜−4.0であるワークロールを用いて伸び率が2
〜10%である調質圧延を行うことを見出した。板厚が
0.20mmであるFe−36%Ni合金帯板を用いて、
2 が25vol.%、H2 が75vol.%である焼鈍雰囲気
において炉内張力および焼鈍温度による弾性限の強度σ
E /耐力σ0.2 への影響を調査した結果を図3に示す。
図3では、σE /σ0.2 は炉内張力を付加するほど向上
するが、炉内張力が約0.5〜1.0kgf /mm2 の範囲
で最大となり、更に炉内張力を付加すると低減すること
がわかる。この傾向は、焼鈍温度が低温ほど顕著に現れ
る。本発明者等は、調質圧延前の焼鈍における炉内張力
が弾性限の強度σE を制御できることを見出した。従っ
て、σ0.2 は後述する調質圧延での伸び率により制御で
きるので、エッチング素材の状態でのσ0.2 が38〜5
2kgf /mm2 かつσE が18〜48kgf /mm2 であるた
めには、σE /σ0.2 を0.35以上にする必要があ
る。図3から明らかなように、σE /σ0.2 が0.35
以上となるために、炉内張力の範囲が0.07〜3.0
kgf /mm2 である。望ましい範囲は、0.12〜2.5
kgf /mm2 である。
【0013】弾性限の強度σE が炉内張力で制御できる
詳細な理由は不明であるが、焼鈍中の表面への窒化によ
り弾性限近傍での転位の運動状態を変化させるため推定
される。このため、最終焼鈍での板厚については、0.
30mmを超えると表面への窒化が十分に進まず、炉内張
力によるσE の制御が難しくなる。従って、板厚の範囲
を0.30mmとした。望ましい範囲は、望ましくは0.
25mm以下である。最終焼鈍での雰囲気中のN2 濃度に
ついて、5vol.%未満では表面への窒化が十分に進ま
ず、炉内張力によるσE の制御が難しくなる。90vol.
%を超えるとFe−Ni合金特有の粒界への選択酸化が
発生し、表面性状が劣化するため、エッチング後の表面
が悪くなる。従って、雰囲気中のN2 濃度の範囲を5〜
90vol.%とした。望ましい範囲は、20〜50vol.%
である。最終焼鈍での焼鈍温度について、700℃未満
では再結晶が十分に進まず板厚中央部に圧延時の展進粒
が残留するため、エッチングでの孔形状不良になる。ま
た、900℃を超えると再結晶粒の粒成長が著しく粗大
粒にとなるため、エッチングでの孔形状不良になる。従
って、焼鈍温度の範囲を700〜900℃とした。最終
焼鈍での焼鈍時間について、1sec 未満では帯板の幅方
向の温度分布が均一にならず、再結晶の進行が幅方向で
不均一となるため、エッチングでの孔形状ムラが発生す
る。また、100sec を超えても再結晶への進行に対す
る効果は飽和するので、生産性が低下し更に製造コスト
を増加させる。従って、焼鈍時間の範囲を1〜100se
c とした。望ましい範囲は、10〜60sec である。
【0014】板厚が0.20mmであるFe−36%Ni
合金帯板を用いて、調質圧延の伸び率による耐力σ0.2
と転写率への影響を調査した結果を図4(a)及び
(b)に示す。ここで、転写率は調質圧延ロールの表面
粗さが帯板の表面に転写される度合いを示すもので、調
質圧延後の板表面の平均粗さをロール表面の平均粗さで
割った百分率で評価した。図4(a)から明らかなよう
に、エッチング素材の状態での耐力σ0.2 が38〜52
kgf /mm2 となるためには、調質圧延での伸び率の範囲
が2〜10%である。また、エッチング素材の状態での
表面粗さをRaで0.70〜2.5μmかつRskで
0.30〜2.0にするためには、転写率を20%以上
にする必要がある。図4(b)では、転写率が20%以
上であるためには、焼鈍温度700℃の場合伸び率が2
%以上であり、伸び率が10%を超えと転写率が70%
と効果が飽和することがわかる。従って、調質圧延での
伸び率の範囲を2〜10%とした。調質圧延ロールの表
面について、平均粗さRaが1.0μm未満かつスキュ
ーネスRskが−0.50未満ではシャドウマスク素材
の表面として要求されるダル目がロール表面に十分に加
工できない。また、平均粗さRaが3.5μmを超えか
つスキューネスRskが−4.0を超えるとダル目加工
の時間が極めて長時間かかり、そのために多数の予備ロ
ールを準備する必要があるためにコスト増に繋がる。従
って、調質圧延ロールの表面をRaの範囲で10〜3.
5μmかつRskの範囲で−0.50〜−4.0とし
た。望ましい範囲は、Raが1.0〜3.5μmかつR
skが−0.60〜−2.6である。
【0015】
【実施例】表1及び表2に本発明例および比較例、従来
例を示す。対象材はFe−36%Ni合金で、仕上板厚
として0.20mmの材料を用いて行った。表1及び表2
には、成分、冷延回数および板厚、最終焼鈍条件、調質
圧延条件とエッチング素材の状態の特性を示している。
また、シャドウマスクの製造工程、即ちエッチング工
程、軟化焼鈍工程、プレス工程およびブラウン管封着工
程での不良発生に対する総合的な歩留落ちも示してい
る。本発明例は、比較例、従来例に比較して、シャドウ
マスクの製造工程においてエッチング穿孔性が良好でレ
ジスト密着性、耐焼き付き性および熱歪特性が向上する
ため、エッチング時での孔形状不良、マスク焼鈍時での
焼き付き不良およびブラウン管封着時での取り付け不良
等による歩留落ちが大幅に低減していることがわかる。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】以上のことから明らかな如く、本発明法
により製造したFe−Ni合金薄板を用いれば、シャド
ウマスクの製造工程においてエッチング穿孔性が良好で
レジスト密着性、耐焼き付き性および熱歪特性が向上す
るため、エッチング時での孔形状不良、マスク焼鈍時で
の焼き付き不良およびブラウン管封着時での取り付け不
良等を防止して、製造歩留が大幅に改善されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕上板厚が0.20mmであるFe−36%Ni
合金薄板を用いて、エッチング素材の状態での耐力σ
0.2 と弾性限の強度σE によるシャドウマスクの製造工
程での歩留落ちへの影響を調査した結果を示す図であ
る。
【図2】仕上板厚が0.20mmであるFe−36%Ni
合金薄板を用いて、エッチング素材の状態での表面の平
均粗さRaと粗さ曲線の高さ方向の偏り指数(スキュー
ネス)Rskによるシャドウマスクの製造工程での歩留
落ちへの影響を調査した結果を示す図である。
【図3】仕上板厚が0.20mmであるFe−36%Ni
合金帯板を用いて、N2 が25vol.%、H2 が75vol.
%である焼鈍雰囲気において炉内張力および焼鈍温度に
よる弾性限の強度σE /耐力σ0.2 への影響を調査した
結果を示す図である。
【図4】仕上板厚が0.20mmであるFe−36%Ni
合金帯板を用いて、調質圧延の伸び率による耐力σ0.2
図4(a)とダルロールの転写率図4(b)への影響を
調査した結果を示す図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−281756(JP,A) 特開 平5−209254(JP,A) 特開 平5−242825(JP,A) 特開 平6−49598(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 B21B 3/02 C21D 8/02 C21D 9/46 C22C 19/03

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%にてNi:30〜52%、C:≦
    0.02%、Si:≦0.30%、Al≦0.02%、
    O:≦0.02%を含有し、板厚が0.30mm以下のF
    e−Ni合金薄板であって、エッチング素材の状態で耐
    力σ0.2 が38〜52kgf /mm2 かつ弾性限の強度σE
    が18〜48kgf /mm2 であり、表面の平均粗さがRa
    で0.70〜2.5μmかつ粗さ曲線の高さ方向の偏り
    指数がRskで0.30〜2.0であることを特徴とす
    るシャドウマスク用Fe−Ni合金薄板。
  2. 【請求項2】 重量%にてNi:30〜52%、C:≦
    0.02%、Si:≦0.30%、Al≦0.02%、
    O:≦0.02%を含有するFe−Ni合金帯板を、冷
    間圧延により0.30mm以下の板厚にし、続いてN2
    5〜90vol.%含有する無酸化あるいは還元性雰囲気中
    において0.07〜3.0kgf /mm2の炉内張力を付与
    しつつ700〜900℃の加熱温度で1〜100sec 保
    持する条件で焼鈍し、続いて表面粗さがRaで1.0〜
    3.5μmかつRskで−0.50〜−4.0であるワ
    ークロールを用いて伸び率が2〜10%である調質圧延
    を行うことを特徴とするシャドウマスク用Fe−Ni合
    金薄板の製造方法。
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