JP3128133U - 装具の締着装置及び締着金具並びにそれらを用いた医療用装具 - Google Patents

装具の締着装置及び締着金具並びにそれらを用いた医療用装具 Download PDF

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和博 河▲さき▼
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Abstract

【課題】身障者、高齢者等でも簡便かつスピーディに装具を締着できる装具の締着装置及び締着金具並びにそれらを用いた医療用装具を提供する。
【解決手段】身体の部位への装具の締着用に用いられる装具の締着装置10a,10bであり、装具本体2に取り付けられた長孔状の通し孔18付きのホルダ部12と、リンク体16を介してホルダ部12に連係し身体の部位を締着させるベルト体14と、ホルダ部12とベルト体14間に介在するリンク体16と、を有し、リンク体16は、1つの軸杆部(30)をホルダ部12の通し孔18に通した状態でホルダ部12に保持される略コ字状の軸杆からなることを特徴とする装具の締着装置10から構成される。
【選択図】図1

Description

本考案は、例えば、上肢、下肢、体幹等の身体の所定患部位に装具を簡便に締着できる装具の締着装置及び締着金具並びにそれらを用いた医療用装具に関する。
病気や怪我により上下肢等の身体の一部の機能が低下したり、失われた際には、それらの患部の機能の補助や治療のために患部に対応した装具が装着される。例えば、脳卒中の後遺症等で片麻痺となった患者は、自分の意志で麻痺した側の下肢を自由に曲げ伸ばし等することが困難となり、時として歩行時に患側下肢を前に振り出す際に(遊脚期に)つま先が地面に引っかかってしまってうまく歩行できなくなる。このような症状に対して例えば、特許文献1の短下肢装具等の各種の下肢装具が用いられる。特許文献1記載の短下肢装具は、プラスチック製等の本体1により下腿三頭筋筋腱移行部から足尖部までを全体的に覆い包み込んで患肢に装着し、該本体1の足背部、下腿部前面とその直上部とに対応した位置に固定されたベルト10、11、12及びその止め具10a,11a,12aの締着具を介して患肢に固定される。この締着具は、足背部ではベルト10と止め具10aに設けられた面ファスナ等により着脱自在に係止される。また下腿部前面とその直上部の位置の固定具では、止め具11a、12aは、中央を孔貫通させて無端の矩形枠状に形成された角環を有しており、ベルト11,12を先端から該角環の孔に通係させてベルトの面ファスナ等により係止させて固定するものであった。
実開平5−65314号公報
しかしながら、例えば、短下肢装具を患者自身で装着する際には、前かがみの窮屈な姿勢での作業になるとともに、病気や怪我或いは高齢に伴う身体機能の衰えにより、角環のわずかな孔内にベルトをスムーズに通すことが困難で、短時間で装着することができなかった。特に、片麻痺等の患者の場合には、片手、片足ともに不自由になるため、麻痺のない健側の片手だけでベルトを操作して角環の孔内に通すこととなるので、作業が煩雑で装着時間もかかり、患者自身でスムーズに装具を装着することが困難な場合があった。また、下肢装具に限らず指や腕用の種々の装具でも上記のようなベルトと角環を有する止め具による締着構成が利用されているが、これらの場合でも同様に患者自身でスムーズに装着することが困難であるという問題があった。
本考案は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、身障者、高齢者等でも簡便かつスピーディに装具を締着できる装具の締着装置及び締着金具並びにそれらを用いた医療用装具を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、身体の部位への装具の締着用に用いられる装具の締着装置10(10a,10b)であり、装具本体2に取り付けられた長孔状の通し孔18付きのホルダ部12と、リンク体16を介してホルダ部12に連係し身体の部位を締着させるベルト体14と、ホルダ部12とベルト体14間に介在するリンク体16と、を有し、リンク体16は、1つの軸杆部(30)をホルダ部12の通し孔18に通した状態でホルダ部12に保持される略コ字状の軸杆からなることを特徴とする装具の締着装置10(10a、10b)から構成される。
リンク体16は、内外を連通する開口28に連続する間隙33をあけて平行に対峙する2つの対向軸杆部30,31と交差軸杆部32とからなるコ字状軸杆であって、この開口28を介してベルト体14が厚み側から幅方向に移動されて挿脱自在に挿入されてリンク体16に係合することとするとよい。
また、少なくともベルト体14が係合する側の対向軸杆部31には、コ字状軸杆の内部側に挿入したベルト体14が間隙33から離脱するのを防止する突設部34が設けられていることとしてもよい。
また、突設部34は、2つの対向軸杆部30,31から相互に対向方向に突設されていることとしてもよい。
また、対向軸杆部30,31の先端外面側または突設部34の外面側にはベルト体14のコ字状軸杆の内部側への挿入方向に向けて先端側を対向させる方向に傾斜する傾斜壁36が設けられていることとしてもよい。
また、装具は下肢装具であり、リンク体16は、ホルダ部12の通し孔18に対向軸杆部30の1つを通して上部側にベルト体14の挿入用開口28が配置される状態でホルダ部12に保持されることとしてもよい。基本的には、下部側にベルト体14の挿入用開口28が配置される状態でもよいが、上部側にベルト体14の挿入用開口28が配置される状態とすることにより、位置確認等が行いやすく使い勝手が良い。
また、突設部34を介してホルダ部12の通し孔18に通された対向軸杆部30、31の1つがホルダ部に保持されることとしてもよい。すなわち、通し孔18に通された対向軸杆部30にも突設部34を形成するとよい。
さらに、上記記載の装具の締着装置10のリンク体であって、金属で一体的に形成されていることを特徴とする締着金具(16)から構成される。締着金具は、例えば、金型に溶融金属を流し込んで一体形成してもよく、一本の棒部材を略コ字状に曲折して形成してもよく、その他任意の方法で製造してもよい。
さらに、本発明は、上記記載の装具の締着装置10又は締着金具(16)を用いた医療用装具1から構成される。
本考案の装具の締着装置によれば、身体の部位への装具の締着用に用いられる装具の締着装置であり、装具本体に取り付けられた長孔状の通し孔付きのホルダ部と、リンク体を介してホルダ部に連係し身体の部位を締着させるベルト体と、ホルダ部とベルト体間に介在するリンク体と、を有し、リンク体は、1つの軸杆部をホルダ部の通し孔に通した状態でホルダ部に保持される略コ字状の軸杆からなる構成であるから、ベルト体を略コ字状の軸杆からなるリンク体にコ字開口側から挿入することでベルト体とリンク体とを係合できるので、従来の角環のような環孔にベルトを先端部から挿入させるといった煩雑な操作を不要とし、比較的簡便かつ短時間に装具の締着操作を行なえる。その結果、例えば、片手だけでの締着操作を実現できるとともに、病気、怪我或いは高齢により手がある程度不自由な者でも、自身で楽に装具を締着できる。さらに、介助者等の他人が装具の締着操作を行う際にも便利である。さらに、単純な構造で、軽量、コンパクトに構成でき、低コストで製造できる。
また、リンク体は、内外を連通する開口に連続する間隙をあけて対峙する2つの対向軸杆部と交差軸杆部とからなるコ字状軸杆であって、この開口を介してベルト体が厚み側から幅方向に移動されて挿脱自在に挿入されてリンク体に係合することにより、リンク体の構成を具体的に実現するとともに、開口を介して簡便にベルト体をリンク体に係合させることができる結果、締着操作性を向上し、例えば、片手だけでの締着操作でもスムーズな装具の締着操作を実現できる。
また、少なくともベルト体が係合する側の対向軸杆部には、コ字状軸杆の内部側に挿入したベルト体が間隙から離脱するのを防止する突設部が設けられていることにより、ベルト体の連係操作を簡便に行えるコ字状の軸杆の構成でありながら、簡単な構造で、装具の締着時に不意にベルト体がリンク体から離脱するのを防止して、締着状態を良好に保持することができる。
また、突設部は、2つの対向軸杆部から相互に対向方向に突設されている構成とすることにより、開口幅を比較的狭くしつつ突設部がベルト体をより確実に受け止めて間隙からの離脱を防止しうる。また、対向軸杆部をベルト体係合側とホルダ部に保持される側とを区別する必要がないので、使い勝手が良いうえ製造もしやすい。
また、対向軸杆部の先端外面側または突設部の外面側にはベルト体のコ字状軸杆の内部側への挿入方向に向けて先端側を対向させる方向に傾斜する傾斜壁が設けられていることから、開口を介してベルト体の厚さ側からコ字状軸杆内部へ挿入させる際に、導入口を比較的広く確保することができ、ある程度ラフな位置合わせでもスムーズに開口から間隙内に誘導され、確実にベルト体をコ字状軸杆の内部に挿入させることができ、短時間での装具の締着を行わせうる。特に、例えば、2つの対向軸杆部から相互に対向内方向に突設部が突設される等により開口が狭い場合に有利である。
また、装具は下肢装具であり、リンク体は、ホルダ部の通し孔に対向軸杆部の1つを通して上部側にベルト体の挿入用開口が配置される状態でホルダ部に保持されることにより、前かがみ等の窮屈な姿勢での締着操作が必要となる下肢装具であっても、開口が上部側に配置されるので装着時に目で確認しやすく、ベルト体と挿入用開口との位置合わせを容易に行えてスムーズに締着操作が行える。さらに、リンク体の交差軸杆部によりベルト体の下方への落下、離脱を防止でき、良好な操作性及び装着保持を具現できる。
また、突設部を介してホルダ部の通し孔に通された対向軸杆部の1つがホルダ部に保持されることにより、簡単な構成で対向軸杆部のホルダ部への保持させる構成を実現できる。
さらに、上記の装具の締着装置のリンク体であって、金属で一体的に形成されていることを特徴とする締着金具から構成されるので、例えば、手がある程度不自由な身障者や高齢者でも簡便で短時間に締着できる装具の締着金具を具現できる。また、締着金具の大量生産が可能であり製造コストを低減できる。
さらに、本発明は、上記の装具の締着装置又は締着金具を用いた医療用装具であるから、例えば、手がある程度不自由な身障者や高齢者でも簡便で短時間に締着できる医療用装具を具現できる。
以下、添付図面を参照しつつ本考案の装具の締着装置及び締着金具並びにそれらを用いた医療用装具の実施の形態について説明する。本考案の装具の締着装置及び締着金具は、例えば病気や怪我等により機能が低下した又は失われた身体の所定の患部へ医療用の装具を締着するのに用いられるものであり、また本考案はそれらを用いた医療用装具である。図1ないし図3は、本考案の一実施形態を示している。この実施形態では、医療用装具1は、例えば、片麻痺、下垂足、内反足等の治療や補助等の際に適応される短下肢装具の形態で説明している。
医療用装具1は、装具本体2を患部にあてがった状態で締着装置を用いて締着される。図1に示すように、本実施形態では、装具本体2は、例えば、患側の下腿部と足部とを同時にあてがうように全体的に略L字状に形成されたプラスチック等の硬質合成樹脂製の後方支柱型あるいはシューホーン型のものである。装具本体2は、下腿部の周面に背面から両側面に密着しつつ前面側を開放した横断面略U字状の下腿あてがい部2aと、足部に底裏から両側面に密着しつつ上面側を開放した縦断面略コ字状の足あてがい部2bと、が連続状に一体形成されている。かかと部に対応した部分は孔が設けられており、装具本体2のあてがい状態でかかとが外部に露出するようになっている。本実施形態では、装具本体2は、下腿部の上部前面側と、足関節前面と、足背部と、のそれぞれの位置で締着する構成となっている。これらのうち下腿部の上部前面側と足関節前面の位置では、本実施形態に係る締着用の締着装置10が設けられている。足背部位置の締着構成では、他の締着装置60が用いられている。なお、本実施形態に係る締着装置10が用いられる医療用装具1は、上記のものに限らず、患側下肢の両側に金属支柱が設けられたものや靴型を備えた他の形態の短下肢装具又は股装具、長下肢装具、膝装具等その他下肢装具、肩装具、肘装具、長対立装具、短対立装具、把持装具、手背屈装具、指装具等の上肢装具、頚椎装具、胸椎装具、腰椎装具、仙腸装具等の体幹装具等の任意の装具でもよい。
本実施形態において、装具本体2の下腿部の上部側前面に配置される装具の締着装置10aは、図1、図2に示すように、ホルダ部12と、ベルト体14と、リンク体16と、を有している。そして装具本体2の断面略U字状の開放前面側において、一方の端部側にホルダ部12及びホルダ部に保持されるリンク体16が、他方の端部側にベルト体14がそれぞれ支持されており、リンク体16を介してベルト体16をホルダ部12に連係して下腿部を締着させる。ホルダ部12は、縦方向に貫通方向となる長孔状の通し孔18を有している。ホルダ部12は、例えば、所要の幅の1つの帯部材を2つに折り重ねて構成されており、折り目部分に通し孔18を形成しつつ他の重ね合わせ面部分を接着剤や縫合等により接合して設けられている。ホルダ部12は、通し孔18が前面側に配置される状態でリベット20等の固定手段で装具本体2に固定されている。
ベルト体14は、ある程度幅広で所要の長さと厚みを有した可撓性ベルト部材であり、一端側を自由端としつつ他端側をリベット22等の固定手段により装具本体2のホルダ部と対向した側で固定されている。ベルト体14は、リンク体を介してホルダ部と連係した際に装具本体2の下腿あてがい部2aとともに下腿部の一部を巻き付き状に密着するカフベルトとなっている。ベルト体14の内面側の下腿部前面にあてがわれる部分にはベルト体よりやや幅広い柔軟弾性素材のパッド部材24が固定されている。ベルト体14の外面側には、面ファスナ雌部材26と雄部材27が長手方向に直列状に配置されて縫着又は接着剤等により固定されている。ベルト体14は、図3にも示すように、リンク体16との係合時に先端側を折り返して面ファスナ雌雄部材26,27を重ね合わせて着脱自在に係止される。
リンク体16は、図1、図2、図3に示すように、ホルダ部12とベルト体14との間に介在してベルト体14を締着させる止め具であり、本実施形態では、例えば、金属で一体的に成形された締着金具である。リンク体16は、略コ字状の軸杆からなり、具体的には、内外を連通する開口28に連続する間隙33をあけて平行に対峙する2つの対向軸杆部30,31と、それらに交差するように端部側を接続する交差軸杆部32と、からなるコ字状軸杆からなる。間隙33は開口28を含むコ字状軸杆の内部空隙である。2つの対向軸杆部は略直線状にベルト体の幅より若干長く設けられており、それらのうち1つの対向軸杆部30はホルダ部12の通し孔18に通されて、後述の突設部34を介してリンク体16をホルダ部12に保持させる。他の対向軸杆部31は、間隙33に通係されるベルト体14と巻着状に係合する(図3、二点鎖線14参照)。リンク体16は、上部側にベルト体14の開口28が配置される状態でホルダ部12の通し孔18に対向軸杆部30を通してホルダ部12に保持される。本実施形態では、交差軸杆部32はコ字外部側に向けて凸状に曲成されており、2つの対向軸杆部30,31と一体的に形成されている。図2に示すように、開口28はベルト体14の挿入用開口であり、該開口28を介してベルト体14が厚み側、すなわちベルト体の長手方向に沿った外縁側から幅方向に移動されて挿脱自在に間隙33内に挿入されてリンク体16に係合する。このようにリンク体16を略コ字状の軸杆で構成することにより、従来の角環のようにベルト体を先端から角環の孔内に通すといった煩雑な作業を必要とせず、例えば、位置が固定された状態のリンク体16の開口28へ向けて、ベルト体14を幅方向に移動させるだけでベルト体14がリンク体16の間隙33に通係されてリンク体16と連係させることができる。その結果、操作性を向上し、片手だけでも簡便かつ短時間で締着操作を行うことができる。なお、本実施形態では、交差軸杆部32は曲成されているが、図4に示すように直線状に形成されてもよい。また、リンク体は、コ字状に近い軸杆構成であればよく、U字状のものや対向軸杆部の長さが異なるものも含む。
2つの対向軸杆部30,31の先端側には、相互に対向内方向に突設された突設部34、34が設けられている。突設部34,34は、開口28と略同じ位置に設けられており、対向軸杆部30,31の長手方向に対して直交方向に突設されている。突設部34は、コ字状軸杆の内部側に挿入したベルト体14が間隙33から離脱するのを防止する。突設部はベルト体が外れるのを防ぐ、所謂かえし部として機能する。さらに、ホルダ部12の通し孔18に通される対向軸杆部30の突設部34は、該対向軸杆部30がホルダ部12の通し孔18から離脱するのを防止してホルダ部12の保持手段となる。よって、対向軸杆部30,31にそれぞれ係合するベルト体14又はホルダ部12の厚み側に係止される。これにより、例えば、歩行等の身体を動かした際に不意にベルト体14がリンク体16から外れてしまうことがなく装具の締着状態を確実に保持できるとともに、コ字状の軸杆でありながらベルト体及びリンク体の離脱防止構成を簡単な構造で実現できる。なお、突設部34,34は、対向軸杆部から対向内側向きに該対向軸杆部に対して直角状に突設されているものに限らず、図4に示すように鋭角方向に突設されていてもよい。また、図5、図6に示すように、コ字状軸杆の外部側に向けて突設されていてもよい。また、コ字状軸杆の開口28よりも内側に設けられていても良い。突設部の突設方向はベルト体の間隙33からの離脱を防止する態様であれば任意でよく、例えば、対向軸杆部と交差する方向であれば任意の方向、また対向軸杆部の全周方向に向けて突設されていてもよい。
2つの対向軸杆部30,31の先端外面側、すなわち開口28側には、ベルト体14のコ字状軸杆の内部側への挿入方向Dに向けて先端側を対向させる方向に傾斜する傾斜壁36が設けられている。本実施形態では傾斜壁36は突設部34の外面側と一体的に形成されている。傾斜壁36を突設部34の外面側に一体的に設けると効率良い構造を実現できる。傾斜壁36は、対向軸杆部30,31の外部側先端から突設部34の対向した突設先端部に向けて略直線的に接続されて、コ字状軸杆の外部側から内部側に向けて次第に狭くなるテーパ状の誘導路を構成している。これにより、開口28を介してベルト体18の厚さ側から挿入させる際に、幅の狭い開口28に対してベルト体のある程度ラフな位置合わせでも傾斜壁36を介して円滑に開口28から間隙33に誘導され、確実にベルト体14をコ字状軸杆の間隙に挿入させることができる。なお、傾斜壁は、直線的な面に限らずある程度湾曲した曲面でもよい。また、図6に示すように、突設部34と傾斜壁36とは一体的に設けなくてもよい。また、図7に示すように、傾斜壁を設けない態様としても良い。本実施形態では、2つの対向軸杆部30,31は、突設部34、傾斜壁36を含めて同じ構成であるので、ホルダ部の係合側とベルト体14との係合側とを区別することなく用いることができる。
一方、足関節前面の締着装置10bも上記締着装置10aと同じ構成でホルダ部12と、ベルト体14と、リンク体16と、を有しており、同一部材には同一符号を付して詳細な説明を省略する。足関節前面の締着装置10bは足関節前面に対応して斜めにベルト体14が締着されるようにリンク体16の開口28側を上部側として傾斜された状態でホルダ部12が設定されている。また、ベルト体の幅は比較的狭く、該ベルト体の幅に対応した大きさでリンク体16が形成されている。
図1に示すように、足背部分の締着装置60は、装具本体2の足あてがい部2bの上面開放部分に対応して、装具本体2の一方の端部側に面ファスナ雌部材62を内面側に有するベルト61の端部が固定され、他方の端部側にベルト61の止め具としての面ファスナ雄部材63が固定されており、ベルト61の自由端部を止め具に着脱自在に係止して締着する。なお、足背部の締着装置も本考案に係る締着装置10を適用してもよい。すなわち、1つの装具に複数の締着部位がある場合には、締着部位を全て本実施形態に係る締着装置10で構成してもよく、本実施形態に係る締着装置10と他の締着装置とを混ぜて構成してもよい。
本実施形態に係る短下肢装具1を装着する際には、装具本体2を下腿部から足部にかけてあてがい装着し、例えば、図2に示すように、下腿部上部側の締着装置10aのベルト体14を片手で持って上に持ち上げ、ベルト体14の厚み側をリンク体16の開口28に位置合わせしつつベルト体幅方向(下方)に移動させて、ベルト体14を二点鎖線に示すようにリンク体16のコ字状軸杆内部に挿入する。この際、傾斜壁36が設けられているので、スムーズにベルト体を開口28から間隙33内に誘導して挿入させることができる。そして、図3に示すように、リンク体16のコ字状軸杆の内部に通係された状態のベルト体14の先端側を対向軸杆部31から折り返して下腿部前面側で重ね合わせて面ファスナ(26,27)を介して係止する。これにより、例えば、従来の角環のようにベルト体を先端から環孔内に挿入するといった煩雑な作業を不要とし、片手だけで簡便かつスピーディに装具を締着することができる。同様に、足関節前面についても締着装置10bを介して締着する。ベルト体がリンク体と係合した状態では、突設部34によりベルト体14の間隙33からの離脱が防止され、締着状態が良好に保持される。さらに、足背部の締着装置60のベルト61を面ファスナ62,63を介して締着して、装具が患側下肢に締着される。例えば、図8は、脳卒中後遺症で右片麻痺(利き手側麻痺)の6人の患者に、従来の角環を介してベルトを締着させる短下肢装具と本実施形態に係る締着装置を用いた短下肢装具をそれぞれ装着するのにかかった時間を比較したデータを示している。なお、装具本体部分の構成は同一である。図8に示すように、患者全員が本実施形態に係る締着装置を用いた短下肢装具の方が装着にかかる時間を短縮できたことが確認できる。
以上説明した本考案の装具の締着装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載した本考案の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
本考案の装具の締着装置及び締着金具並びに医療用装具は、例えば、上肢装具、下肢装具、体幹装具等に好適に利用される。
本考案の実施形態に係る装具の締着装置及び締着金具並びに医療用装具の斜視図である。 図1の装具の締着装置の拡大及び作用説明図である。 締着装置の一部及び締着金具の拡大図である。 締着金具の他の形態の説明図である。 締着金具の他の形態の説明図である。 締着金具の他の形態の説明図である。 締着金具の他の形態の説明図である。 従来の角環を有する短下肢装具と本考案の実施形態に係る装具の締着装置を用いた短下肢装具の装着にかかる時間の比較データの説明図である。
符号の説明
1 医療用装具
2 装具本体
10、10a、10b 装具の締着装置
12 ホルダ部
14 ベルト体
16 リンク体
18 通し孔
28 開口
30、31 対向軸杆部
32 交差軸杆部
33 間隙
34 突設部
36 傾斜壁

Claims (9)

  1. 身体の部位への装具の締着用に用いられる装具の締着装置であり、
    装具本体に取り付けられた長孔状の通し孔付きのホルダ部と、
    リンク体を介してホルダ部に連係し身体の部位を締着させるベルト体と、
    ホルダ部とベルト体間に介在するリンク体と、を有し、
    リンク体は、1つの軸杆部をホルダ部の通し孔に通した状態でホルダ部に保持される略コ字状の軸杆からなることを特徴とする装具の締着装置。
  2. リンク体は、内外を連通する開口に連続する間隙をあけて平行に対峙する2つの対向軸杆部と交差軸杆部とからなるコ字状軸杆であって、この開口を介してベルト体が厚み側から幅方向に移動されて挿脱自在に挿入されてリンク体に係合することを特徴とする請求項1記載の装具の締着装置。
  3. 少なくともベルト体が係合する側の対向軸杆部には、コ字状軸杆の内部側に挿入したベルト体が間隙から離脱するのを防止する突設部が設けられていることを特徴とする請求項2記載の装具の締着装置。
  4. 突設部は、2つの対向軸杆部から相互に対向方向に突設されていることを特徴とする請求項3記載の装具の締着装置。
  5. 対向軸杆部の先端外面側または突設部の外面側にはベルト体のコ字状軸杆の内部側への挿入方向に向けて先端側を対向させる方向に傾斜する傾斜壁が設けられていることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の装具の締着装置。
  6. 装具は下肢装具であり、
    リンク体は、ホルダ部の通し孔に対向軸杆部の1つを通して上部側にベルト体の挿入用開口が配置される状態でホルダ部に保持されることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の装具の締着装置。
  7. 突設部を介してホルダ部の通し孔に通された対向軸杆部の1つがホルダ部に保持されることを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の装具の締着装置。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の装具の締着装置のリンク体であって、金属で一体的に形成されていることを特徴とする締着金具。
  9. 請求項1ないし7のいずれかに記載の装具の締着装置又は請求項8記載の締着金具を用いた医療用装具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200002312A (ko) * 2018-06-29 2020-01-08 사회복지법인 삼성생명공익재단 사용자 맞춤형 하지보조기 및 그 제조방법

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KR20200002312A (ko) * 2018-06-29 2020-01-08 사회복지법인 삼성생명공익재단 사용자 맞춤형 하지보조기 및 그 제조방법

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