JP4239035B2 - 締着装置及びそれに用いる締着具並びに医療用装具 - Google Patents

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本発明は、締着装置及びそれに用いる締着具並びに医療用装具に関する。
病気や怪我により上下肢等の身体の一部の機能が低下したり、失われた際には、それらの患部の機能の補助や治療のために患部に対応した装具が装着される。例えば、脳卒中の後遺症等で片麻痺となった患者は、自分の意志で麻痺した側の下肢を自由に曲げ伸ばし等することが困難となり、時として歩行時に患側下肢を前に振り出す際に(遊脚期に)つま先が地面に引っかかってしまってうまく歩行できなくなる。このような症状に対して例えば、短下肢装具等の各種の下肢装具が用いられる。従来では、短下肢装具等の各種の装具を患部に装着するものとしては、例えば、特許文献1に示すように、中央を孔貫通させて無端の矩形枠状に形成された角環を有し、ベルト11,12を先端から該角環の孔に通係させてベルトの面ファスナ等により係止させて固定する止め具11a、12aが用いられていた。しかしながら、例えば、上記のようなベルトと角環を有する止め具による締着構成では、装具を患者自身で装着する際には、病気や怪我或いは高齢に伴う身体機能の衰えにより、角環のわずかな孔内にベルトをスムーズに通すことが困難で、短時間で装着することができなかった。特に、片麻痺等の患者の場合には、片手、片足ともに不自由になるため、麻痺のない健側の片手だけでベルトを操作して角環の孔内に通すこととなるので、作業が煩雑で装着時間もかかり、患者自身でスムーズに装具を装着することが困難な場合があった。
これに対し本出願人は、先に出願した特許文献2において、例えば、片麻痺の患者でも片手でスムーズに締着操作を行える締着装置を提案している。特許文献2の締着装置は、装具本体に取り付けられた長孔状の通し孔付きのホルダ部と、リンク体を介してホルダ部に連係し身体の部位を締着させるベルト体と、ホルダ部とベルト体間に介在するリンク体と、を有し、リンク体は、1つの軸杆部をホルダ部の通し孔に通した状態でホルダ部に保持される略コ字状の軸杆からなるもので構成されている。装具を患部に装着する際には、ベルト体を略コ字状の軸杆からなるリンク体にコ字開口側から挿入して、ベルト体を面ファスナで固定するだけでよいので、従来の角環のように環孔にベルトを先端部から挿入させるといった煩雑な操作を不要とし、簡便かつ短時間に締着操作を行なえるものであった。
実開平5−65314号公報 実用新案登録第3128133号公報
しかしながら、特許文献2の締着装置では、締着操作性を向上できるが、ベルト体とホルダ部とにそれぞれ連係される2つの対向する軸杆の対向間隙が比較的大きく形成されるので、ベルト体を軸杆に巻回して締着した後に比較的大きな遊びが生じ、ベルト体の巻回した部分が対向間隙内で動いてずれることにより、ベルト体がコ字開口側から外れるおそれがあった。単に2つの対向軸杆の対向間隙を狭くするだけでは、開口の幅も狭くなるのでベルト体を該開口から挿入しにくく操作性が悪化する問題があり、締着操作性の向上と締着状態でのベルト体の離脱を確実に防止できる構成とを同時に満足する締着装置の開発が望まれていた。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、身障者、高齢者等でも簡便かつスピーディに装具を締着操作できると同時に、締着した際にベルト体の離脱を確実に防止できる締着装置及びそれに用いられる締着具並びに医療用装具を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、装着部位に装着される装具本体に固定され、リンク体16a、16bを支持する支持部18を有したホルダ部12と、ホルダ部12の対向位置に取り付けられ、リンク体16a、16bを介してホルダ部12に連係して装着部位を締着するベルト体14と、ホルダ部12とベルト体14間に介在してホルダ部12とベルト体14による締着を行わせるリンク体16a、16bと、を有し、リンク体16a、16bは、ホルダ部12の支持部18に支持された状態で短辺側に開放口28を形成した長溝部30を有する長枠部材であって、ベルト体14が巻回されるベルト側杆32と、ベルト側杆32に平行状に配置され支持部に巻き通される支持孔34を有するホルダ側片36と、非開放側においてベルト側杆32とホルダ側片36とを連結する連結杆38と、を一体的に形成してなり、ベルト側杆32の端部であって、開放口28に臨む部分にはホルダ側片36側に向けてノーズ42を配置させたフック部40が形成されるとともに、ホルダ側片36には、ベルト側杆32側へ向けて突出する少なくとも1つの山を有する山なり突部46であり、その山の両側の下り傾斜部48にそれぞれ接続した2つの谷を有する山なり突部46が設けられたことを特徴とする締着装置10(10a、10b)から構成される。ホルダ部12とベルト体14は、それぞれ別々の部材で構成して、それらを装具に取付けることとしてもよいし、例えば、1つの帯状部材の一端部側にホルダ部12を他端側にベルト体14を構成して装具に取付けることとしてもよい。装具の態様に応じて、取付ける締着装置の個数や、ホルダ部やベルト体の幅、リンク体の開放口の向きの設定など適宜選択するとよい。例えば、2つの締着装置を並列状に近接配置させる際に、リンク体の開放口の向きを対向外側に向くように設定すると締着操作の際に他方のリンク体が邪魔にならず操作しやすい。
また、山なり突部46は、複数個一列状に併設されていることとしてもよい。
さらに、本発明は、上記記載の締着装置10(10a、10b)に用いられるリンク体16a、16bからなる締着具から構成される。リンク体16a、16bは、例えば、硬質の金属や合金、合成樹脂等により一体的に形成される。リンク体の製造方法は任意でよく、例えば、板材、ブロック状の材料から切削等により成形してもよいし、溶融金属、溶融樹脂等を型に流し込み固化して生産してもよい。また、使用者が怪我しないように面取りされているとよい。
さらに、上記記載の締着装置10a、10bを身体の部位への締結手段とする医療用装具1から構成される。
本発明の締着装置によれば、装着部位に装着される装具本体に固定され、リンク体を支持する支持部を有したホルダ部と、ホルダ部の対向位置に取り付けられ、リンク体を介してホルダ部に連係して装着部位を締着するベルト体と、ホルダ部とベルト体間に介在してホルダ部とベルト体による締着を行わせるリンク体と、を有し、リンク体は、ホルダ部の支持部に支持された状態で短辺側に開放口を形成した長溝部を有する長枠部材であって、ベルト体が巻回されるベルト側杆と、ベルト側杆に平行状に配置され支持部に巻き通される支持孔を有するホルダ側片と、非開放側においてベルト側杆とホルダ側片とを連結する連結杆と、を一体的に形成してなり、ベルト側杆の端部であって、開放口に臨む部分にはホルダ側片側に向けてノーズを配置させたフック部が形成されるとともに、ホルダ側片であって、その開放口に臨む部分でノーズに対向する位置に設けたベルト側杆への近接方向に突状に傾斜する傾斜部を有する山なり突部を設けた構成であることから、フック部のノーズと山なり突部の傾斜部とにより比較的広い幅の開放口を確保しつつ該開放口を介してベルト体を誘導しながら長溝部内に挿入してベルト体とリンク体とを係合できるので、例えば、病気、怪我或いは高齢等により手がある程度不自由な者でも片手だけでの簡便かつスムーズな締着操作を実現できると同時に、締着した状態では、ベルト体の巻回部位が山なり突部によりホルダ側片への移動を規制しており、開放口側への移動した際にはフック部に確実に係止されるので、ベルト体の開放口側からの離脱を確実に防止し、安全性も高い。
また、山なり突部は、複数個一列状に併設されていることから、ベルト体の幅に対応して個数を設定し、締着時には、山なり突部とベルト体との係合を安定した状態として、ベルト体の離脱を確実に防止できる。
本発明の締着具によれば、上記記載の締着装置に用いられるリンク体からなる構成であるから、例えば、手がある程度不自由な身障者や高齢者でも簡便で短時間に締着できるとともに、締着した状態では、ベルト体の離脱を確実に防止できる締着具を具現できる。
本発明の医療用装具によれば、上記記載の締着装置を身体の部位への締結手段とする構成であるから、例えば、手がある程度不自由な身障者や高齢者でも簡便で短時間に締着できるとともに、締着した状態では、ベルト体の離脱を確実に防止できる医療用装具を具現できる。
以下添付図面を参照しつつ本発明の締着装置及びそれに用いられる締着具並びに医療用装具について説明する。本発明の締着装置及び締着具は、例えば、病気や怪我等により機能が低下した又は失われた身体の所定の患部へ医療用等の装具類を締着するのに用いられるものである。また本発明はそれらを用いた医療用装具である。図1ないし図6は、本発明の締着装置の第1の実施形態を示している。この実施形態では、医療用装具1は、例えば、片麻痺、下垂足、内反足等の治療や補助等の際に適応される短下肢装具の形態で説明している。
医療用装具1は、装具本体2を患部にあてがった状態で締着装置を用いて締着される。図1に示すように、本実施形態では、装具本体2は、例えば、患側の下腿部と足部とを同時にあてがうように全体的に略L字状に形成されたプラスチック等の硬質合成樹脂製の後方支柱型あるいはシューホーン型のものである。装具本体2は、下腿部の周面に背面から両側面に密着しつつ前面側を開放した横断面略U字状の下腿あてがい部2aと、足部に底裏から両側面に密着しつつ上面側を開放した縦断面略コ字状の足あてがい部2bと、が連続状に一体形成されている。かかと部に対応した部分は孔が設けられており、装具本体2のあてがい状態でかかとが外部に露出するようになっている。本実施形態では、装具本体2は、下腿部の上部前面側と、足関節前面と、足背部と、のそれぞれの位置で締着する構成となっている。これらのうち下腿部の上部前面側と足関節前面の位置では、本実施形態に係る締着用の締着装置10が設けられている。足背部位置の締着構成では、他の締着装置60が用いられている。なお、本実施形態に係る締着装置10が用いられる医療用装具1は、上記のものに限らず、患側下肢の両側に金属支柱が設けられたものや靴型を備えた他の形態の短下肢装具又は股装具、長下肢装具、膝装具等その他下肢装具、肩装具、肘装具、長対立装具、短対立装具、把持装具、手背屈装具、指装具等の上肢装具、頚椎装具、胸椎装具、腰椎装具、仙腸装具等の体幹装具等、その他任意の装具でもよい。
本実施形態において、装具本体2の下腿部の上部側前面に配置される装具の締着装置10aは、図1、図2に示すように、ホルダ部12と、ベルト体14と、リンク体16aと、を有している。そして装具本体2の断面略U字状の開放前面側において、一方の端部側にホルダ部12及び該ホルダ部12に保持されるリンク体16aが、他方の端部側にベルト体14がそれぞれ支持されており、リンク体16aを介してベルト体14をホルダ部12に連係して下腿部を締着させる。ホルダ部12は、リンク体16aを支持する支持部18を有しており、本実施形態では例えば、所要の幅の1つの帯部材を2つに折り重ねて構成されており、折り目部分にリンク体16aの一部分を通す通し孔19を形成しつつ重ね合わせ面部分を接着剤や縫合等により接合して設けられている。ホルダ部12は、支持部18が前面側に配置される状態でリベット20等の固定手段で装具本体2に固定されている。
ベルト体14は、例えば、5cm程度のある程度幅広で所要の長さと1〜2mm程度の厚みを有した可撓性ベルト部材であり、一端側を自由端としつつ他端側をリベット22等の固定手段により装具本体2のホルダ部12と対向した側で固定されている。ベルト体14は、リンク体16aを介してホルダ部12と連係した際に装具本体2の下腿あてがい部2aとともに下腿部の一部を巻き付き状に密着するカフベルトとなっている。ベルト体14の内面側の下腿部前面にあてがわれる部分にはベルト体よりやや幅広い柔軟弾性素材のパッド部材24が固定されている。ベルト体14の外面側には、面ファスナ雌部材26と雄部材27が長手方向に直列状に配置されて縫着又は接着剤等により固定されている。ベルト体14は、図3にも示すように、リンク体16aとの係合時に先端側を折り返すように巻回されて、面ファスナ雌雄部材26,27を重ね合わせて着脱自在に係止される。
リンク体16aは、図1、図2、図3に示すように、ホルダ部12とベルト体14との間に介在してベルト体14を締着させる締着具であり、本実施形態では、例えば、ステンレス等の金属で一体的に成形された締着金具である。なお、リンク体16aは、例えば、強化プラスチック等の硬質合成樹脂、その他の硬質素材で一体的に成型されてもよい。図4にも示すように、リンク体16aは、1辺側をホルダ部12の支持部18に支持された状態で他の1辺側にベルト体14の挿入口となる開放口28を形成しベルト体14の通係部となる溝部を有する枠部材であり、本実施形態では、例えば、縦長の長枠部材からなり短辺側に開放口28を形成した長溝部30を有している。具体的には、リンク体16aは、ベルト体14が長溝部30を通係した状態で巻回されるベルト側杆32と、ベルト側杆32に平行状に対向配置され支持部18に巻き通される支持孔34を有するホルダ側片36と、非開放側すなわち開放口28に対向する他の短辺側においてベルト側杆32とホルダ側片36とを連結する連結杆38と、を一体的に形成して構成されている。すなわち、縦長のベルト側杆32とホルダ側片36とを比較的短い長さの連結杆38を介して連結した変形コ字状枠部材であり、該ベルト側杆32とホルダ側片36との間に開放口28を有する長溝部30を形成している。本実施形態では、リンク体16aは、開放口28が医療用装具1の上方側に設定されてホルダ部12に支持されている。これにより、開放口28の位置を確認しやすくベルト体14の挿入操作を行いやすい。なお、リンク体16aの開放口28を下方側に設定してホルダ部12に支持させてもよく、装具の種類や使用者の使い勝手等により開放口28の開口方向を適宜設定するとよい。また、本実施形態では、装具本体2にホルダ部12とベルト体14を取り付けているが、これに限らず、例えば、1つの帯状部材の一端部側にリンク体を支持するホルダ部12を、他端部側にベルト体14を形成し、帯状部材の中間位置を装具等に取り付けてもよい。
ベルト側杆32は、略直線状にベルト体12の幅より若干長く設けられた軸杆からなり、端部であって開放口28に臨む部分にはフック部40が一体的に形成されている。フック部40は、例えば、フック内側を弧状に凹設した略J字状に形成されており、ホルダ側片36側に向けてノーズ42を配置させている。フック部40のノーズ42は、長溝部30内側に向けて開放口28を次第に狭めるような下り傾斜を形成している。フック部40のフック内側は、長溝部30に連続しており、例えばそのフック幅がベルト体14の厚みより若干大きめに設定されている。フック部40は、ベルト体14がベルト側杆に巻回された状態では、ベルト体の開放口28側へ移動する際に該フック内側でベルト体14の厚み側を係止して、ベルト体14の離脱を確実に防止する。なお、図上では、ベルト側杆32は、断面形状が端部に向けて徐々に小さくなるように設けられているが、長手方向に向けて同一径で形成してもよい。また、完全な直杆に限らず、若干湾曲していてもよく、ベルト体を巻回する態様であれば任意でよい。
ホルダ側片36は、ホルダ部12の支持部18に係合する支持杆44と、ベルト側杆32との対向内側に設けられベルト側杆32との間に長溝部30を形成する山なり突部46と、を含み、支持杆部44と山なり突部46との間に支持孔34を形成している。支持杆44は、例えば、ベルト側杆32と略同じ長さの直杆からなり、ホルダ部12の通し孔19に貫通された状態で支持されている。なお、支持杆44の断面形状は、例えば、円形、楕円形、多角形状等任意形状でよいが、断面略矩形状に形成しておくと、その隅部部分がホルダ部と係合してリンク体が軸周りしにくくなり、締着操作を行いやすい。本実施形態では、山なり突部46は、支持杆44の両端部側にそれぞれ端部を連結された蛇行状の湾曲杆からなる。具体的には、湾曲杆は、支持杆44の開放口28側端部に隅丸状で鋭角状に接続しつつ、長溝部30の少なくとも一部を幅狭くするようにベルト側杆32に向けて略く字状に突出した突出頂部50を2個一列状に併設されている。すなわち、山なり突部46は、開放口28に臨む部分でノーズ42に対向する位置に設けたベルト側杆32への近接方向に突状に傾斜する傾斜部48を有している。さらに、該傾斜部48に連続してベルト側杆32へ向けて山(突出頂部50)、谷、山(突出頂部50)となるように2個一列状の山なり突部を形成し、支持杆44へ向けて傾斜して該支持杆の他端部も接続されている。よって、山なり突部46の傾斜部48とフック部40のノーズ42の傾斜との間に形成される開放口28は、外部側から長溝部30内側に向けて次第に狭くなるように形成されており、比較的広い挿入開口幅を確保するとともに傾斜に沿ってベルト体14を長溝部30内に誘導してスムーズな挿入操作を実行できる。山なり突部46の突出頂部50の突出方向への大きさは、例えば、該突出頂部50とベルト側杆32の間に形成された間隙幅をベルト体12の厚みと略同じか若干大きくなる程度に設定されている。山なり突部46は、突出頂部50により長溝部30を通係したベルト体14の巻回部分Rの遊びを少なくしており、該巻回部分Rがリンク体16aの短辺方向X(ホルダ側片36へ向かう方向、さら言い換えればフック部の突出側方向)へ移動しようとしても該突出頂部50に当たり、該巻回部分の位置がフック部40を越えて開放口直下位置に移動しないように規制する。すなわち、山なり突部46は、ベルト体を緩やかに拘束し、長溝部30内でのホルダ側片36側へのずれを規制する手段となっている。これにより、締着状態では、山なり突部46でベルト体の巻回部分Rの短辺方向Xへの移動が規制され、ベルト体14がベルト側杆32の長手方向に沿って開放口28側へ移動しても、その厚み側がフック部40に確実に係止されることとなり、ベルト体14が長溝部30から離脱することなく良好に締着状態が保持される。なお、山なり突部46は、後述の足関節前面のリンク体16bのように突出頂部50を1個設けたものでも良い。山なり突部を2個以上の複数個設けることによりベルト体を幅方向の複数箇所で係合して、ベルト体をより安定的に保持することができる。
支持孔34は、本実施形態では、支持杆44と湾曲杆からなる山なり突部の形状によって、ベルト側杆へ向けた2つの突部を有する貫通孔となっている。支持孔34の上下隅部は狭くなっており、ホルダ部の支持部18の上下端縁部に当接している。なお、支持孔34の形状は、例えば、細長孔、楕円孔、矩形状孔等、その他ホルダ部12の支持部18を巻き通される形状であれば任意でよい。連結杆38は、長枠部材の非開放側を外部側に向けて凸状の円弧状に曲成されている。
一方、足関節前面の締着装置10bは、図5、図6に示すように、上記締着装置10aと略同じ構成であり、ホルダ部12と、ベルト体14と、リンク体16bと、を有しており、同一部材には同一符号を付して詳細な説明を省略する。足関節前面の締着装置10bは、ベルト体14の幅が、例えば3cm程度と比較的狭く形成されており、該ベルト体の幅に対応した大きさでリンク体16bが形成されている。リンク体16bは、その基本構成としては、上記下腿部上部側の締着装置10aのリンク体16aと同じであるが、山なり突部46の形態が異なっており、突出頂部50が1つの略く字状の湾曲杆からなる。すなわち、締着部位にかかる負荷の大きさによりベルト体14の幅が設定されるとともに、ベルト体14の幅に対応してリンク体16a、16bは、山なり突部46の個数を設定し、ベルト体14の幅が比較的狭い場合には1個の山部とし、ベルト体14の幅が比較的広い場合には2個又はそれ以上の個数の山部を列状に併設させて形成するとよい。
図1に示すように、足背部分の締着装置60は、装具本体2の足あてがい部2bの上面開放部分に対応して、装具本体2の一方の端部側に面ファスナ雌部材62を内面側に有するベルト61の端部が固定され、他方の端部側にベルト61の止め具としての面ファスナ雄部材63が固定されており、ベルト61の自由端部を止め具に着脱自在に係止して締着する。なお、足背部の締着装置も本発明に係る締着装置10を適用してもよい。すなわち、1つの装具に複数の締着部位がある場合には、締着部位を全て本実施形態に係る締着装置10a、10bで構成してもよく、本実施形態に係る締着装置10a、10bと他の締着装置とを同時に適用してもよい。
本実施形態に係る短下肢装具1を装着する際には、装具本体2を下腿部から足部にかけてあてがい装着し、例えば、図2に示すように、下腿部上部側の締着装置10aのベルト体14を片手で持って上に持ち上げ、ベルト体14の厚み側をリンク体16の開放口28に位置合わせしつつベルト体幅方向(下方)に移動させて、ベルト体14を二点鎖線に示すようにリンク体16aの長溝部30内部に挿入する。この際、フック部40のノーズ42の傾斜と山なり突部46の傾斜部48とにより、比較的広い開放口28から長溝部30内にベルト体14を誘導してスムーズに挿入させることができる。また、ベルト体14の開放口を介した長溝部30への挿入操作中には、ベルト体14の表裏面側でフック部40のノーズ42と山なり頂部46の突出頂部50とに同時に当たり幅方向に湾曲して弱い抵抗が生じる。ベルト体14を長溝部30内に完全に納めて通係させた状態では抵抗がなくなるので、使用者は所定の通係位置に納まったことがわかる。そして、図3に示すように、リンク体16aの長溝部30内部に通係された状態のベルト体14の先端側をベルト側杆32から折り返して下腿部前面側で重ね合わせて面ファスナ(26,27)を介して係止する。これにより、例えば、片手だけでも簡便かつスピーディに締着することができる。同様に、足関節前面についても締着装置10bを介して締着する。さらに、足背部の締着装置60のベルト61を面ファスナ62,63を介して締着して、装具が患側下肢に締着される。装着状態においては、下腿部前面側及び足関節前面の締着装置10a、10bでは、リンク体16a、16bと係合するベルト体14の巻回部分Rが山なり突部46により短辺方向Xへの移動を規制されるので、ベルト体14が開放口28側へ移動しても確実にフック部40に係止されることとなり、ベルト体14が長溝部30から離脱することが確実に防止され、締着装置を取付けた装具の安全性を向上しうる。
以上説明した本発明の締着装置は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
本発明の締着装置及びそれに用いられる締着具並びに医療用装具は、例えば、上肢装具、下肢装具、体幹装具等に好適に利用される。
本発明の実施形態に係る装具の締着装置及び締着金具並びに医療用装具の斜視図である。 図1の締着装置の拡大及び作用説明図である。 図1の締着装置の一部及び締着具の拡大図である。 図3の締着装置に用いられる締着具の正面説明図である。 図1の他の締着装置の一部及び締着具の拡大図である。 図3の締着装置に用いられる締着具の正面説明図である。
符号の説明
1 医療用装具
2 装具本体
10、10a、10b 締着装置
12 ホルダ部
14 ベルト体
16a、16b リンク体
18 支持部
28 開放口
30 長溝部
32 ベルト側杆
34 支持孔
36 ホルダ側片
38 連結杆
40 フック部
42 ノーズ
46 山なり突部
48 傾斜部

Claims (4)

  1. 装着部位に装着される装具本体に固定され、リンク体を支持する支持部を有したホルダ部と、
    ホルダ部の対向位置に取り付けられ、リンク体を介してホルダ部に連係して装着部位を締着するベルト体と、
    ホルダ部とベルト体間に介在してホルダ部とベルト体による締着を行わせるリンク体と、を有し、
    リンク体は、ホルダ部の支持部に支持された状態で短辺側に開放口を形成した長溝部を有する長枠部材であって、ベルト体が巻回されるベルト側杆と、ベルト側杆に平行状に配置され支持部に巻き通される支持孔を有するホルダ側片と、非開放側においてベルト側杆とホルダ側片とを連結する連結杆と、を一体的に形成してなり、
    ベルト側杆の端部であって、開放口に臨む部分にはホルダ側片側に向けてノーズを配置させたフック部が形成されるとともに、
    ホルダ側片には、ベルト側杆側へ向けて突出する少なくとも1つの山を有する山なり突部であり、その山の両側の下り傾斜部にそれぞれ接続した2つの谷を有する山なり突部が設けられたことを特徴とする締着装置。
  2. 山なり突部は、複数個一列状に併設されていることを特徴とする請求項1記載の締着装置。
  3. 請求項1または2記載の締着装置に用いられるリンク体からなる締着具。
  4. 請求項1または2記載の締着装置を身体の部位への締結手段とする医療用装具。
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