JPH11290363A

JPH11290363A - 医療用人体抑制具

Info

Publication number: JPH11290363A
Application number: JP10094349A
Authority: JP
Inventors: Hiroshi Suzuki; 博士鈴木
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1998-04-07
Filing date: 1998-04-07
Publication date: 1999-10-26

Abstract

(57)【要約】【課題】装着取り扱い性に優れると共に、安全かつ確
実な固定抑制が可能で、見た目にも緊縛感がなくスマー
トで精神的なストレスやいやな思いを低減することがで
きる医療用人体抑制具の提供。【解決手段】巻回被覆用パッド体と連結固定用非伸縮
性ストラップ部とから成る医療用人体抑制具に於て、当
該パッド体を面ファスナーの面接合により患者への固定
装着可能又は／及び当該ストラップ部を面ファスナーの
面接合により固定用他部材への取り付け固定可能とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は医療用人体抑制具、
更に詳細には治療上安静状態の保持が必要な場合に、患
者の体動の防止を目的として手首や足首等をベッド等に
固定し、抑制状態を保持するために用いる医療用人体抑
制具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、治療上安静状態の保持が必要な場
合、例えば点滴チューブの抜き取り防止、ベッドからの
徘徊防止、ベッドからの転落防止、麻酔等術後の良肢位
の保持が必要な場合等には、患者の意識的な体動はもと
より無意識的な体動をも防止するために、一般には手首
や足首等の人体各部をベッド等に固定・抑制することが
行なわれている。

【０００３】而して、従来斯かる人体の固定・抑制は、
手首や足首等の固定部位にタオル等のクッション性部材
を巻き付け、その上から紐や帯状のもので緊縛すると共
に、その端部をベッドのフレーム等に結び付けることに
よって行なわれていた。

【０００４】然しながら、斯かる従来法によるときは、
紐等による緊縛や結び付けであるため、そもそもすばや
い装着が困難であるばかりでなく、長さの調節も困難で
あり、甚だ取り扱い性に不便なものであった。しかも、
紐等による抑制部の過度の圧迫により長時間固定・抑制
していると皮膚損傷や血流の循環障害（うっ血）を起こ
してしまう一方で、患者が動くたびに縛り目にズレや緩
みが生じ、往々にして手や足が抜けてしまうと云う問題
があった。更には、見た目もいかにも縛り付けている感
がぬぐえず、患者自身はもとより、患者の親族に対して
もストレスやいやな思いを与えていたのが実状であっ
た。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の如き従
来の問題や実状に鑑みてなされたものであり、装着取り
扱い性に優れると共に、安全かつ確実な固定・抑制が可
能で、見た目にもスマートで、精神的なストレスやいや
な思いが低減される医療用人体抑制具を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、巻回被覆用パ
ッド体と他部材への連結固定用非伸縮性ストラップ部と
から成る医療用人体抑制具であって、当該巻回被覆用パ
ッド体が人体とは接触しない外表面側に面ファスナーを
備えていると共に、該巻回被覆用パッド体の端部に前記
外表面側の面ファスナーと面接合する面ファスナー突片
を有する医療用人体抑制具により上記目的を達成したも
のである。

【０００７】この構成によれば、抑制部への装着固定を
紐による緊縛ではなく面ファスナーの面接合により行な
えるので、ズレや緩みが生じることなく極めて容易かつ
安全確実に装着し得、しかも見た目も痛々しくなく、不
快感を与えることもない。

【０００８】本発明に於て、巻回被覆用パッド体はクッ
ション性を有すると共に、手、足、頭等固定・抑制すべ
き部位を巻回被覆するのに適した柔軟性と面積を有する
ものであれば、その具体的材質や大きさの如何を問わな
い。また、この巻回被覆用パッド体は、少なくとも人体
と接触する内表面側を凹凸構造とすれば、抑制部への圧
迫がより分散されるので、皮膚損傷やうっ血等の血流障
害の発生を低減せしめることができる。因に、当該凹凸
構造の具体的形設法はその如何を問わないが、例えばキ
ルティング加工による凹凸付与が簡便である。

【０００９】また、本発明に於て、連結固定用非伸縮性
ストラップ部は、その片面にＡ・Ｂ面共用面ファスナー
を設ければ、緊縛操作によらず面接合によりベッド等の
他部材への巻き付け固定を、長さを調節しつつしかもよ
り容易かつ確実に行なうことができ、有利である。尚、
この場合、当該ストラップ部の基端部に適宜リングを付
設し、このリングを介して折り返し面接合可能ならしめ
るのが、他部材に応じた長さの調節とより強固な固定作
用を得る上で望ましい。

【００１０】この連結固定用非伸縮性ストラップ部は、
当該面ファスナー側とは反対側の面に、例えばゴム製テ
ープの貼着等によるすべり止め加工を施すのが、他部材
への固定力をより強化し得るので望ましい。

【００１１】この連結固定用非伸縮性ストラップ部は、
その巻回被覆用パッド体側に更に伸縮性ベルト部を連結
することにより、ある程度の自由度が得られ、抑制時の
伸び止まり感をソフトなものとし、精神的なストレスを
より低減することができ、特に良い結果が得られる。

【００１２】また、この連結固定用非伸縮性ストラップ
部は、その巻回被覆用パッド体側に、長さ調節具を備え
た非伸縮性ベルト部を連結するのが、全体の長さを調節
しながらの固定がより容易かつ確実となり望ましい。
尚、この非伸縮性ベルト部と前記の伸縮性ベルト部を併
用する場合には、連結固定用非伸縮性ストラップ部と非
伸縮性ベルト部との間に伸縮性ベルト部を介在せしめる
のが、固定力とある程度の自由度を付与する上で好まし
い。

【００１３】本発明に於て、巻回被覆用パッド体と連結
固定用非伸縮性ストラップ部は適宜連結具を介して着脱
自在に連結するのが、装着取り扱い性に優れると共に、
例えばパッド体が損傷した場合にはパッド体のみの交換
で済み経済性に優れる。尚、この場合連結固定用非伸縮
性ストラップ部が伸縮性ベルト部や長さ調節具を備えた
非伸縮性ベルト部を有する場合には、当該伸縮性ベルト
部又は長さ調節具を備えた非伸縮性ベルト部と巻回被覆
用パッド体を着脱自在に連結せしめる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面と
共に説明する。図１は手首用の本発明抑制具の使用状態
を示す説明図で、巻回被覆用パッド体１０が手首６０に
巻回装着されていると共に、該パッド体１０に連結され
た非伸縮性ベルト部２０とこれに連結された伸縮性ベル
ト部３０を有する連結固定用非伸縮性ストラップ部４０
がベッド５０のフレーム５１に巻き付け固定されてい
る。尚、５２はベッド５０のマットを示す。

【００１５】この巻回被覆用パッド体１０は図２及び３
に示す如く、例えば発泡ウレタンを挟み込んだキルティ
ング加工により人体と接触する内表面側１１のみならず
人体と接触しない外表面側１２も凹凸構造となってい
る。また、当該外表面側１２の長方向に沿う長央部には
面ファスナー１３が形成されていると共に、当該巻回被
覆用パッド体１０の連結固定用非伸縮性ストラップ部４
０側の端部には前記面ファスナー１３と面接合する面フ
ァスナー突片１４が付設されている。

【００１６】この巻回被覆用パッド体１０の連結固定用
非伸縮性ストラップ部４０側の端部にはリング１５が付
設され、これと非伸縮性ベルト部２０の端部に付設され
た開閉自在のフック式連結具２１により巻回被覆用パッ
ド体１０と非伸縮性ベルト部２０が着脱自在に連結され
ている。

【００１７】非伸縮性ベルト部２０には図４に示す如
く、押圧回転レバー式長さ調節具（バックル）２２が取
り付けられていると共に、該長さ調節具２２の端部に一
体的に形成されたリング部２２ａを介して伸縮性ベルト
部３０の一方の端部が連結されている。

【００１８】伸縮性ベルト部３０の他方の端部には連結
固定用非伸縮性ストラップ部４０の一方の端部が縫合等
の手段により固着されていると共に、当該固着部にはス
トラップ部４０の折り返し用リング４１が付設されてい
る。また、このストラップ部４０は図５に示す如く、そ
の片面（図５に於ては下方面側）にＡ・Ｂ面共用面ファ
スナー４２が形成されていると共に、該面ファスナー４
２とは反対側の面にはすべり止め用のゴム製テープ４３
が貼合されている。

【００１９】次に、上記の実施の形態に係る人体抑制具
の使用法を説明すれば、まず面ファスナー１３を外表面
にして巻回被覆用パッド体１０を手首６０に巻回被覆
し、面ファスナー突片１４を前記面ファスナー１３と面
接合せしめて該パッド体１０を手首６０に固定装着す
る。次いで、連結固定用非伸縮性ストラップ部４０を例
えばベッド５０のフレーム５１等の固定用他部材に巻き
付けつつリング４１に通して折り返し、強く引きつけつ
つＡ・Ｂ面共用面ファスナー同士を面接合せしめて該ス
トラップ部４０を固定用他部材に取り付け固定する。次
いで、非伸縮性ベルト部２０の連結具２１をパッド体１
０のリング１５に連結せしめる。この場合、抑制部たる
手首６０と固定用他部材たるベッド５０のフレーム５１
との距離に応じて長さ調節具２２を適宜移動調整して非
伸縮性ベルト部２０の長さを調節する。尚、上記の説明
では、巻回被覆用パッド体１０の固定装着を先にした
が、連結固定用非伸縮性ストラップ部４０の固定用他部
材への取り付け固定を先にしても良く、また非伸縮性ベ
ルト部２０と巻回被覆用パッド体１０の連結を先にして
も良い。

【００２０】而して、斯かる実施の形態によれば、看護
サイドから見れば、患者への固定装着と固定用他部材へ
の取り付け固定をそれぞれ別個の面ファスナーで行ない
得ると共に、長さ調節も連結固定用非伸縮性ストラップ
部４０ではなく専用の非伸縮性ベルト部２０で行ない得
るものであるため、極めて短時間（従来の１／５程度）
に、しかもズレや緩みもなく確実な装着が可能となる。

【００２１】また、患者サイドから見れば、紐による緊
縛ではなく、面ファスナーによる面接合で、しかも巻回
被覆用パッド体１０が凹凸構造となっているため、手首
等に過度の締め付けや圧迫がかからず皮膚損傷やうっ血
等の循環障害の発生を低減せしめることができると共
に、一部に伸縮性部材が介在しているため、抑制時の伸
び止まり感もソフトなものとなり、精神的なストレスが
特に軽減される。

【００２２】

【発明の効果】本発明医療用人体抑制具は装着取り扱い
性に優れると共に、安全かつ確実な固定・抑制が可能
で、見た目にも緊縛感がなくスマートで精神的なストレ
スやいやな思いを低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】手首用本発明人体抑制具の使用状態を示す説明
図。

【図２】巻回被覆用パッド体と非伸縮性ベルト部との連
結状態を示す正面説明図。

【図３】巻回被覆用パッド体の外表面説明図。

【図４】非伸縮性ベルト部と伸縮性ベルト部との連結状
態を示す断面説明図。

【図５】伸縮性ベルト部と連結固定用非伸縮性ストラッ
プ部との連結状態を示す断面説明図。

【符号の説明】

１０：巻回被覆用パッド体１１：内表面側１２：外表面側１３：面ファスナー１４：面ファスナー突片１５：リング２０：非伸縮性ベルト部２１：連結具２２：長さ調節具２２ａ：リング部３０：伸縮性ベルト部４０：連結固定用非伸縮性ストラップ部４１：リング４２：Ａ・Ｂ面共用面ファスナー４３：すべり止め用ゴム製テープ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】巻回被覆用パッド体と他部材への連結固
定用非伸縮性ストラップ部とから成る医療用人体抑制具
であって、当該巻回被覆用パッド体が人体とは接触しな
い外表面側に面ファスナーを備えていると共に、該巻回
被覆用パッド体の端部に前記外表面側の面ファスナーと
面接合する面ファスナー突片を有することを特徴とする
医療用人体抑制具。
【請求項２】巻回被覆用パッド体の人体と接触する内
表面側が凹凸構造となっていることを特徴とする請求項
１記載の医療用人体抑制具。
【請求項３】連結固定用非伸縮性ストラップ部が片面
にＡ・Ｂ面共用面ファスナーを備えていることを特徴と
する請求項１又は２記載の医療用人体抑制具。
【請求項４】巻回被覆用パッド体と他部材への連結固
定用非伸縮性ストラップ部とから成る医療用人体抑制具
であって、当該連結固定用非伸縮性ストラップ部が片面
にＡ・Ｂ面共用面ファスナーを備えていることを特徴と
する医療用人体抑制具。
【請求項５】連結固定用非伸縮性ストラップ部が、そ
の基端部に付設したリングを介して折り返し面接合可能
となっていることを特徴とする請求項３又は４記載の医
療用人体抑制具。
【請求項６】連結固定用非伸縮性ストラップ部の面フ
ァスナー側とは反対側の面にすべり止め加工が施されて
いることを特徴とする請求項３〜５の何れか１項記載の
医療用人体抑制具。
【請求項７】連結固定用非伸縮性ストラップ部が、巻
回被覆用パッド体側に伸縮性ベルト部を有することを特
徴とする請求項１〜６の何れか１項記載の医療用人体抑
制具。
【請求項８】連結固定用非伸縮性ストラップ部が、巻
回被覆用パッド体側に長さ調節具を備えた非伸縮性ベル
ト部を有することを特徴とする請求項１〜７の何れか１
項記載の医療用人体抑制具。
【請求項９】連結固定用非伸縮性ストラップ部と非伸
縮性ベルト部との間に伸縮性ベルト部が介在しているこ
とを特徴とする請求項８記載の医療用人体抑制具。
【請求項１０】巻回被覆用パッド体と連結固定用非伸
縮性ストラップ部が着脱自在に連結されていることを特
徴とする請求項１〜９の何れか１項記載の医療用人体抑
制具。