JP3128097B2 - 炭素炭素複合材料からなる摺動材料 - Google Patents

炭素炭素複合材料からなる摺動材料

Info

Publication number
JP3128097B2
JP3128097B2 JP04352201A JP35220192A JP3128097B2 JP 3128097 B2 JP3128097 B2 JP 3128097B2 JP 04352201 A JP04352201 A JP 04352201A JP 35220192 A JP35220192 A JP 35220192A JP 3128097 B2 JP3128097 B2 JP 3128097B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
sliding
sliding material
composite material
pitch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04352201A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06172767A (ja
Inventor
稔 高畠
宏 山内
久夫 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP04352201A priority Critical patent/JP3128097B2/ja
Publication of JPH06172767A publication Critical patent/JPH06172767A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3128097B2 publication Critical patent/JP3128097B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Lubricants (AREA)
  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Sliding-Contact Bearings (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低(動、静)摩擦係数
を有し、かつ特に熱伝導率異方性の実質的に低い、光学
的異方性ピッチ系炭素繊維強化材及び石油系光学的異方
性ピッチ系マトリックス炭素前駆体を使用した炭素炭素
複合材料からなる摺動材料に関するものである。より詳
細には、本発明の摺動材料は、金属等の面と摺動する際
の(動)摩擦力が小さくて摩耗が少ない利点を有してお
り、回転軸の軸受材料、回転軸材料、軸封材料、スクロ
ールカム等の摺動部分、ガイドバー等に対する摺動部分
に用いて優れた性能を示す。また、本発明の摺動材料
は、非酸化性雰囲気での熱安定性が極めて優れていると
共に、構成炭素繊維の配列方向を調整することにより熱
的物性を或る程度制御可能であるために、オイルレス潤
滑部品として有用である。さらに、本発明の摺動材料は
(静)摩擦係数が低いことから、種々の擦り合わせ面、
ホッパーやシュート等の固体物品を滑落させる装置や固
形物を流体輸送する装置の内張り等に使用することがで
きる。
【0002】
【従来の技術】炭素炭素複合材料などの炭素材料は非酸
化性雰囲気での熱安定性が優れていることから、使用中
での発熱が問題になることの多い軸受け材料等の摺動材
料として従来から注目されている。また、高度に結晶化
した炭素材料である黒鉛は自己潤滑性を有することも知
られており、その自己潤滑性を利用した摺動材料として
の用途も考えられる。しかし、黒鉛が潤滑性を示すのは
結晶の一方向のみであるため、該黒鉛を潤滑剤として含
む摺動材料は、黒鉛粒子、黒鉛結晶の配向を制御してや
らないと、十分な性能を発揮することができないと言わ
れている。
【0003】そのために、黒鉛粉末又はコークス粉を成
形物とする場合には、無秩序な配列をさせて、炭素材料
に疑似等方性の組織が構成されるような工夫がなされて
いる。しかし、この方法によって形成される炭素材料は
自己潤滑性に関しては良好な性能を示すが、強度が低い
ために、高速・高負荷のかかる部材用には適さないと言
われている。
【0004】また、このような炭素材料は、摩擦係数が
低い割に、摩耗量が多い傾向があり、そのため摺動中に
発生する摩耗粉が摺動間隙にたまり、凝着して新たな炭
素質薄塊を形成し易い。その結果、摺動材料として使用
中に突然摩擦力が高くなったり、騒音を発生したりする
ことがある。そのために、使用環境には限界があると言
える。
【0005】また、炭素成形物の耐熱性だけを利用する
ことを目的として硫化モリブデンなどを使用し、かつマ
トリックスを炭素とする成形物が使用されている。この
炭素成形物は確かに常温では優れた自己潤滑性を示す
が、上記炭素前駆体が炭化時の高温により硫化モリブデ
ン等と反応することが多い問題があり、また界面に不純
物を生成するために硫化モリブデン等の潤滑材粒子が成
形物から剥離し易い問題がある。
【0006】また、従来から炭素繊維織物等を炭化させ
て得た炭素炭素複合材料を摺動面として用いる軸受けが
一部で使用されている(特開平4−234476号公報
など)。しかし、この軸受けは自己潤滑性に関しては良
好な性能を示すが、炭素繊維間の間隙を多く持つため
に、摩擦熱がたまり易い問題があり、摩耗が大きい欠点
を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の摺動
材料の強度不足や潤滑材成分とマトリックス成分との剥
離による摺動面の摩耗の発生等の問題点を解決すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、炭素繊維
及び炭素成形物が熱処理(炭化)条件次第でかなり優れ
た潤滑性を示すことに注目し、光学的異方性ピッチ系炭
素繊維及び石油系光学的異方性ピッチ系マトリックス炭
素前駆体を使用した炭素炭素複合材料とした場合に、優
れた潤滑性を保有するのみならず、優れた耐摩耗性及び
熱伝導性を示す条件について種々検討した結果、本発明
に到達したものである。即ち、本発明は: 炭化時の最高温度が700〜1500℃で得た光学
的異方性ピッチ系炭素繊維を炭素炭素複合材料用強化材
とし、かつ石油系光学的異方性ピッチを主体とし、必要
に応じて石油系光学的等方性ピッチ、石炭系光学的等方
性ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂の群から選ばれ
た1種又は2種以上を加えた材料をマト リックス炭素前
駆体として得られた成形物を最高温度700〜1500
℃で炭化することにより得られた摺動材料であって
(a) 炭素繊維体積含有率が15〜60容積%、(b)
摺動材料を構成する炭素炭素複合材のX線パラメーター
c (002)が2〜10nm、(c) 熱伝導率異方比が
3以下である、低摩擦係数を有する炭素炭素複合材料か
らなる摺動材料を提供する。また、 (d) 摺動材料の
摩擦係数が、炭素鋼の平滑な平面に対して接触面圧5k
g/cm2 、相対すべり速度0.25〜25.0m/秒
で測定した時に、0.08〜0.25である、記載の
低摩擦係数を有する炭素炭素複合材料からなる摺動材料
を提供する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
光学的異方性ピッチ系炭素繊維強化材及び石油系光学的
異方性ピッチ系マトリックス炭素前駆体を使用した炭素
炭素複合材料からなる摺動材料において、炭素繊維体積
含有率(a) が15容積%未満の場合には、得られた摺動
材料の強度が低くなり、摩擦係数を十分に小さくするこ
とも難しく、また摺動材料の耐摩耗性が低くなるので好
ましくない。また、炭素繊維体積含有率(a) が60容積
%を越える場合には、摺動材料を構成する炭素炭素複合
材料内の炭素マトリックス中に隙間が発生することを防
止できなくなり、さらに熱伝導率異方比が大きくなるた
め、摺動材料として使用中の発熱による熱応力歪みが大
きくなり、摺動材料が破損し易くなるので好ましくな
い。本発明の摺動材料の炭素繊維体積含有率(a) は15
〜60容積%が好ましく、最も好ましくは20〜50容
積%である。ここで、炭素繊維体積含有率(a) とは、主
に炭素マトリックスと共に摺動材料を構成する炭素炭素
複合材料中に存在する炭素繊維の体積当たりの百分率で
あり、炭素炭素複合材料における炭素繊維の充填の割合
を示す。
【0010】本発明の摺動材料を構成する炭素炭素複合
材のX線パラメーターLc (002)(b) が2nm未満
の場合、硬質炭素炭素複合材となって脆さがあり、摺動
材料の動摩擦係数を十分に小さくすることができないの
で好ましくない。また、10nmを越える場合には、炭
素マトリクッスの硬度が小さくなり、摩耗速度が大きく
なるので好ましくない。従って、本発明の摺動材料を構
成する炭素炭素複合材料のX線パラメーターLc (00
2)(b) が2〜10nmと黒鉛化度の比較的低いものが
好ましい。ここで、X線パラメーターLc (002)
(b) とは、摺動材料を構成する炭素炭素複合材結晶の炭
素層構造を表すのにX線回折パターンを用い、該炭素炭
素複合材結晶のZ軸方向で単位格子距離C0 当たり2つ
のX−Y面に平行な面が存在することを表す(002)
における層間の距離Lc の値を言う。これは、炭素炭素
複合材結晶の黒鉛化の程度を表す。
【0011】本発明の摺動材料を製造するのに用いる炭
素繊維強化材としては、光学的異方性含有ピッチ及び
力、熱により容易に光学的異方性に転化するピッチより
なる光学的異方性ピッチからのピッチ系炭素繊維を用い
るのが良い
【0012】該炭素繊維の繊維形態は、連続長繊維、こ
れを使用した織物、三次元織物、一方向配列シート、不
織布(シート)や、或いは適当な長さに切断したチョッ
プドストランド、紡績糸のような短繊維も適用可能であ
り、繊維形態に左右されることはない。本発明で使用す
る光学的異方性ピッチ系炭素繊維は、特に、黒鉛化の速
度が大きく、比較的低温の炭化で摩擦係数が小さくなる
ので、炭素炭素複合材料としての成形(製織加工、積層
化、巻き付け加工等の各種賦形加工)条件を広くとれる
利点がある。
【0013】本発明の炭素炭素複合材料からなる摺動材
料の摩擦係数(d) が、炭素鋼の平滑な平面に対して接触
面圧5kg/cm2 、相対すべり速度0.25〜25.
0m/秒で測定した時に、好ましくは0.08〜0.2
5、より好ましくは0.10〜0.2であるものが望ま
しい。本発明の摺動材料の場合に、摩擦係数が小さいほ
ど耐摩耗性が概して良くなるが、0.10辺りで摩擦傾
向が逆転し、0.08未満の場合に非常に耐摩耗性が低
くなるので好ましくない。また、摩擦係数が0.25を
越えると、摩擦発熱量が多くなり、潤滑剤を使用せずに
摺動させることが困難になるので好ましくない。
【0014】本発明の炭素炭素複合材料からなる摺動材
料の製造法は特に制限されないが、 (イ)学的異方性ピッチ原料を常法の紡糸法(スパン
ボンド法、メルトスピニング法、メルトブロー法、遠心
紡糸法等)により紡糸して光学的異方性ピッチ系繊維を
得る。 (ロ)次いで、常法により、例えば酸化雰囲気中で20
0〜400℃の比較的低温で熱処理してピッチ系不融化
繊維とし、さらに該ピッチ系不融化繊維を常法により
700〜1500℃で炭化することにより光学的異方性
ピッチ系炭素繊維原料を得る。 (ハ)必要に応じてサイジング剤処理された上記炭素繊
維原料を常法により成形(賦形)加工して種々の形状の
賦形物とし、この賦形物表面に或いは成形前の炭素繊維
原料に石油系光学的異方性ピッチ系マトリックス炭素前
駆体による含浸処理を施こして、必要に応じて硬化し、
常法に従って炭化を行うことにより、炭素炭素複合材料
を得る。 (ニ)必要に応じて、該マトリックス炭素前駆体を該炭
素炭素複合材料に再含浸した後炭化する緻密化処理を繰
り返しても良い。
【0015】本発明の炭素炭素複合材料からなる摺動材
料は、炭化時の最高温度が700〜1500℃、より好
ましくは800〜1400℃で得た光学的異方性ピッチ
炭素繊維を炭素炭素複合材料用強化材とし、かつ石油
系光学的異方性ピッチを主体とし、必要に応じて石油系
光学的等方性ピッチ、石炭系光学的等方性ピッチ、フェ
ノール樹脂、フラン樹脂の群から選ばれた1種又は2種
以上を加えた材料をマトリックス炭素前駆体として得ら
れた成形物を最高温度700〜1500℃、より好まし
くは最高温度800〜1400℃で炭化することにより
製造することが望ましい。この場合、炭化温度を最高温
度700〜1500℃として得られた光学的異方性ピッ
チ系炭素繊維を炭素炭素複合材料用強化材とすると、最
高温度1500℃を越えて炭化した炭素繊維と比較して
繊維の表面が活性であり、かつ該炭素繊維と同質の石油
系光学的異方性ピッチ系をマトリックス炭素前駆体とし
たので、両者間のぬれ性が良く、炭素炭素複合材料とす
るために、成形物を最高温度700〜1500℃の温度
範囲内で炭化する間に、炭素繊維−マトリックス炭素間
界面での剥離・亀裂等の欠陥を発生し難いため、この炭
化条件により得られた炭素炭素複合材料は、上記欠陥部
を起点とする摩耗が極めて少なく、耐摩耗性に優れてい
る。
【0016】また、強化材である光学的異方性ピッチ系
炭素繊維原料を最高温度700℃未満の炭化温度で炭化
して得られた炭素炭素複合材料からなる摺動材料は、摩
擦係数は小さくできるが、摺動材料自体の摩耗は却って
大きくなるので好ましくない。最高温度1500℃を越
えた炭化温度の場合には、摺動材料の摩擦係数が大きく
なる問題がある。この炭化は、不活性雰囲気中で発泡を
生じない程度の速度で昇温しながら行うことが必要であ
る。炭化後のマトリックス炭素の性質は、主に前駆体の
種類と炭化時の最高温度に支配される。特に、本発明の
ように炭素炭素複合材料の場合には、成形物の炭化時
に、その最高温度により含有する炭素繊維の性質も大き
な影響を受けるので、この温度は最も重要なパラメータ
ーである。
【0017】この成形物の炭化温度が最高温度700℃
未満の場合には、概して摺動材料の強度が低く、摺動材
料として使用中に破損し易いので好ましくない。また、
最高温度1500℃を越える場合には、摺動材料の
(動)摩擦係数が概して高く、繊維−マトリックス炭素
間界面で剥離や亀裂等の欠陥を生じ易くなり、摺動材料
として使用中に摩耗量増加の傾向を示すため好ましくな
い。従って、成形物の炭化温度は最高温度700℃〜
1500℃、好ましくは最高温度800〜1400℃
ある
【0018】また、この範囲外の炭化温度では、摺動材
料を構成する炭素炭素複合材内の炭素繊維の配列に依存
するものであるが、熱物性(熱伝導率)に関する異方比
が大きくなり、好ましくない。従って、本発明に係わる
摺動材料の熱伝導率異方比(c) は3以下と小さくするこ
が必要である。ここで、熱伝導率異方比(c) とは、レ
ーザー・フラッシュ法等の非定常法で測定される熱伝導
率(最大値/最小値)を算出することにより得られるも
のであり、摺動材料を構成する炭素炭素複合材が熱伝導
率異方比3以下と小さくすることにより、熱伝導に方向
性が少なく、従って、放熱に方向性がなくなるため摺動
材料として使用中の発熱による熱応力歪が緩和される。
【0019】本発明の炭素炭素複合材料からなる摺動材
料に用いるマトリックス炭素前駆体としては石油系光
学的異方性ピッチを主体とし、必要に応じて石油系光学
的等方性ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂の群から
選ばれた1種又は2種以上を加えた材料を用いる
【0020】本発明の炭素炭素複合材料からなる摺動材
料には、予め賦形された形状の炭素炭素複合材料をその
ままの摺動構造品に適用してもよいし、また、或る程度
賦形された形状の炭素炭素複合材料を、さらに切削その
他の二次加工に付して摺動構造品に適用し易くしたもの
をも含むものである。
【0021】
【作用】本発明の光学的異方性ピッチ系炭素繊維強化材
及び石油系光学的異方性ピッチ系マトリックス炭素前駆
を用いた炭素炭素複合材料からなる摺動材料は、炭素
炭素複合材のX線回折パラメーターLc (002)(b)
2〜10nmと比較的黒鉛化度の低い領域の炭素炭素
複合材の採用により(動)摩擦係数が低く、かつ耐摩耗
性に優れた各種条件を見出した点に技術的意義がある。
【0022】
【実施例】本発明を下記の実施例により詳細に説明する
が、これらは本発明の範囲を制限しない。 (実施例1) 光学異方性分率がほぼ100%の石油系ピッチである光
学的異方性ピッチを溶融紡糸し、300℃で空気酸化に
より不融化し、250℃から2℃/分の昇温温度により
最高温度850℃で炭化を行った炭素繊維束に、ノボラ
ック樹脂を含浸させながら直径100mmの芯に巻き付
け、厚さ25mmにした後硬化させ、脱型後に円筒状の
成形物を得た。窒素気流中でこの成形物を250℃から
10℃/時の昇温温度で昇温し、最高温度950℃で炭
化した。引き続き、この炭素炭素複合材料である成形物
に石油系光学的異方性ピッチ(軟化点150℃、800
℃残炭率49重量%)を溶融含浸させ、窒素雰囲気中9
50℃まで炭化する緻密化処理を3回実施して、嵩密度
約1.7g/cm3 の摺動材料を得た。得られた摺動材
料の繊維体積含有率は36容積%であり、X線パラメー
ターLc (002)が4.8nm、熱伝導率異方比2.
4であった。また、同様にして得られた摺動材料の摩擦
係数の測定を行った。すなわち、炭素鋼(FC−25)
を摩擦子として接触面圧5kg/cm2 、摩擦速度(相
対すべ速度)5.0m/秒で測定したところ、摩擦係数
は0.18であった。この摺動材料を軸受けとして実用
試験を行った。この軸受けは、無給油で長時間安定した
潤滑性能を示した。
【0023】(実施例2) 実施例1のピッチ系繊維の炭化温度、樹脂含浸した後の
成形物の炭化温度及び炭素繊維体積含有率(a) を種々変
えて、X線パラメーターLc (002) (b)、摩擦係数
(d) 及び潤滑特性を調べた。その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】 (炭素炭素複合材料の製造条件及びそれからの摺動材料
の潤滑特性等)
【0025】(実施例3) 実施例1のノボラック樹脂の代わりに、石油系光学的異
方性ピッチ使用したところ、実施例1と同様の自己潤
滑性に優れた炭素炭素複合材料の炭素成形体摺動材料を
得た。
【0026】
【発明の効果】本発明の光学的異方性ピッチ系炭素繊維
強化材及び石油系光学的異方性ピッチ系マトリックス炭
素前駆体を使用した炭素炭素複合材料からなる摺動材料
は、金属等の面と摺動する際の摩擦力、即ち動摩擦係数
が小さく、摩耗が少ない利点を有しており、回転軸の軸
受材料、回転軸材料、軸封材料、スクロールカム等の摺
動部分、ガイドバー等に対する摺動部分に用いて優れた
性能を示す。また、本発明の摺動材料は、非酸化性雰囲
気での熱安定性が極めて優れていると共に、構成炭素繊
維の配列方向を調整することにより熱物性を或る程度制
御可能であるために、オイルレス潤滑部品として有用で
ある。さらに、本発明の摺動材料は(静)摩擦係数が低
いことから、種々の擦り合わせ面、ホッパーやシュート
等の固体物品を滑落させる装置や固形物を流体輸送する
装置の内張り等に使用して有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // F16D 69/02 C04B 35/80 B C10N 20:00 20:06 30:06 30:08 40:02 70:00 (72)発明者 岡本 久夫 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−237062(JP,A) 特開 平4−149069(JP,A) 特開 平4−182355(JP,A) 特開 平1−145374(JP,A) 特開 昭57−5923(JP,A) 特開 平4−305060(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 103/02 C04B 35/80 - 35/84 D01F 9/145 - 9/155 F16C 33/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化時の最高温度が700〜1500℃
    で得た光学的異方性ピッチ系炭素繊維を炭素炭素複合材
    料用強化材とし、かつ石油系光学的異方性ピッチを主体
    とし、必要に応じて石油系光学的等方性ピッチ、石炭系
    光学的等方性ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂の群
    から選ばれた1種又は2種以上を加えた材料をマトリッ
    クス炭素前駆体として得られた成形物を最高温度700
    〜1500℃で炭化することにより得られた摺動材料で
    あって、且つ(a ) 炭素繊維体積含有率が15〜60容積%、(b) 摺動
    材料を構成する炭素炭素複合材のX線パラメーターLc
    (002)が2〜10nm、(c) 熱伝導率異方比が3以
    であることを特徴とする、低摩擦係数を有する炭素炭
    素複合材料からなる摺動材料。
  2. 【請求項2】 (d) 摺動材料の摩擦係数が、炭素鋼の平
    滑な平面に対して接触面圧5kg/cm2 、相対すべり
    速度0.25〜25.0m/秒で測定した時に、0.0
    8〜0.25であることを特徴とする、請求項1記載の
    低摩擦係数を有する炭素炭素複合材料からなる摺動材
    料。
JP04352201A 1992-12-10 1992-12-10 炭素炭素複合材料からなる摺動材料 Expired - Fee Related JP3128097B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04352201A JP3128097B2 (ja) 1992-12-10 1992-12-10 炭素炭素複合材料からなる摺動材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04352201A JP3128097B2 (ja) 1992-12-10 1992-12-10 炭素炭素複合材料からなる摺動材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06172767A JPH06172767A (ja) 1994-06-21
JP3128097B2 true JP3128097B2 (ja) 2001-01-29

Family

ID=18422461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04352201A Expired - Fee Related JP3128097B2 (ja) 1992-12-10 1992-12-10 炭素炭素複合材料からなる摺動材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3128097B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0931954A3 (en) * 1994-10-25 1999-09-15 Mitsubishi Chemical Corporation Sliding unit for a brake
JP5138522B2 (ja) * 2007-09-19 2013-02-06 株式会社豊田中央研究所 摺動部材及びローラーロッカーアーム式動弁装置
JP6941372B2 (ja) * 2016-12-12 2021-09-29 株式会社フジキン バルブおよび半導体製造装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06172767A (ja) 1994-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6627143B2 (en) SiC—C/C composite material, uses thereof, and method for producing the same
EP0402915B1 (en) Hybrid carbon/carbon composite material
US6472058B2 (en) Fiber-composite material and method for producing the same
DE10131769C5 (de) Bremssystem mit Verbundwerkstoff-Bremsscheibe
EP1416185B1 (de) Faserverstärkte keramische Bremsbeläge
JPS6118951B2 (ja)
EP0926111B2 (en) Fiber-composite material and its use
DE69925789T3 (de) Bauteil für Bremsen
JP3128097B2 (ja) 炭素炭素複合材料からなる摺動材料
JPH08156110A (ja) 炭素繊維強化炭素複合材料の製造方法
SHANGGUAN et al. Effect of rare earths surface treatment on tribological properties of carbon fibers reinforced PTFE composite under oil-lubricated condition
JP3270903B2 (ja) 炭素炭素複合材料からなる高摩擦係数を持つブレーキ材料
RU2170220C1 (ru) Способ получения углерод-углеродного композиционного материала
JPH01145371A (ja) 耐摩耗性に優れたc−b↓4c系摺動部材
JPS59131567A (ja) 耐摩耗性摺動材料
JPS63210065A (ja) 炭素・炭素繊維複合材料
JP5052803B2 (ja) 複合材ブレーキおよびその製造方法
JPH08210402A (ja) ブレーキ
JP2864304B2 (ja) ブレーキ摺動部
JP3439922B2 (ja) 湿式摩擦材の製造方法
JPH11335182A (ja) 炭素繊維強化炭素複合材料からなるブレーキ用材料
JPH02186168A (ja) メカニカルシール用摺動材料とその製造方法
JP2004217466A (ja) 炭素繊維・炭素複合材料用炭素繊維束およびその製造方法
JPH06345533A (ja) 低摩耗性炭素/炭素複合材料およびその製造方法
JPH068213B2 (ja) 摺動部材

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081110

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081110

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081110

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081110

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091110

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101110

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111110

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees