JP3127831U - プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】スタイラスの縦方向の移動を抑制し、測定対象物の摩擦力により生じるスタイラスの移動量を特定すると共に、スタイラスの熱膨張等の変形を検知可能なプローブを提供する。
【解決手段】スタイラス1を下方に保持し、両端側面に一対の第1電極21baを有するスタイラス保持部21と、スタイラス保持部21の両端から上方に延びる、左右に弾性変形可能な一対の第1弾性変形部24と、一対の第1弾性変形部24の上端に位置する上端梁22と、上端梁22の両端から下方に延びる左右に弾性変形可能な一対の第2弾性変形部25と、一対の第2弾性変形部25の下端に位置し、一対の第1電極21baに対向する位置に一対の第2電極23baを有する枠部23と、一対の第1電極21baと一対の第2電極23baとの間の静電容量を検出する一対の静電容量検出部3とを備える。
【選択図】図1

Description

本考案は、測定対象物との接触によりその測定対象物の形状或いは表面性状を測定するプローブに関する。
プローブは、スタイラスをその軸方向に支持し、このスタイラスの軸方向の変位量を機械式、光学式、静電容量式などの検出手段で検出し、その変位量から被測定物の形状或いは表面性状等を測定するものである。
従来、この種のプローブは、測定対象物の表面上を走査して、測定対象物にスタイラスが接触した時に得られるタッチ信号、及び接触部分の走査方向の座標を示す座標信号に基づき測定を行う。したがって、スタイラスには、測定対象物表面の摩擦力が影響することになり、スタイラスを支持するプローブの構造が、高剛性を有するものであれば、スタイラス及び測定対象物の破損を生じさせる恐れがある。そこで、測定対象物接触時に、スタイラスが所定位置より離れて移動可能な逃げ構造を設けている(例えば、特許文献1)。
特開平8−304058号公報
しかしながら、特許文献1記載のスタイラス支持装置において、その逃げ構造は、ヒンジとノードとにより平面的に形成されたものであり、スタイラスが縦方向に移動し、測定値に誤差を与える恐れがあった。また、測定対象物の摩擦力によりスタイラスが移動した際に生じる誤差は、加味されておらず、正確な測定値を得ることができなかった。また、スタイラス支持装置が熱膨張等の影響を受ける場合にあっては、その熱膨張によりスタイラスの位置が変動し、測定誤差が生じる恐れがあった。
そこで、本考案は、このような問題を解決するものであって、スタイラスの縦方向の移動を抑制し、測定対象物の摩擦力により生じるスタイラスの移動量を特定すると共に、スタイラスの熱膨張等の変形を検知可能なプローブを提供することを目的とする。
本考案に係るプローブは、スタイラスによる測定対象物との接触により当該測定対象物の形状或いは表面性状を測定するプローブであって、前記スタイラスを下方に保持し、両端側面に一対の第1電極を有するスタイラス保持部と、当該スタイラス保持部の両端から上方に延びる、左右に弾性変形可能な一対の第1弾性変形部と、当該一対の第1弾性変形部の上端に位置する上端梁と、当該上端梁の両端から下方に延びる、左右に弾性変形可能な一対の第2弾性変形部と、当該一対の第2弾性変形部の下端に位置し、前記一対の第1電極に対向する位置に一対の第2電極を有する枠部と、前記一対の第1電極と前記一対の第2電極との間の静電容量を検出する一対の静電容量検出部とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、スタイラスは、スタイラス保持部に保持され、そのスタイラス保持部は、第1弾性変形部、上端梁、第2弾性変形部を介して枠部につながっているので、スタイラスは、上下方向の移動を抑制した状態で、所定位置より移動可能となる。また、第1電極と第2電極との間の静電容量を検出する一対の静電容量検出部を備えているので、スタイラス保持部と枠部との間の距離の変動量を検出し、スタイラスの移動量を特定することが可能である。また、一対の静電容量検出部が対向して配置されているので、熱膨張等による変形による影響を特定することが可能である。
また、本考案に係るプローブにおいて、前記スタイラス保持部、前記第1弾性変形部、前記上端梁、前記第2弾性変形部、前記枠部は一体形成してもよい。このような構成とすることにより、プローブを低コストに製造可能となる。
また、本考案に係るプローブにおいて、前記一対の第1弾性変形部は、前記スタイラス保持部の上方に延びる第1ヒンジと、当該第1ヒンジの上方に延び、前記第1ヒンジの厚みより厚く形成された第1ビームと、前記第1ビームの上方に延び、前記上端梁の下方に位置する第2ヒンジとを備え、前記一対の第2弾性変形部は、前記枠部の下部から上方に延びる第3ヒンジと、当該第3ヒンジの上方に延び、前記第3ヒンジの厚みより厚く形成された第2ビームと、前記第2ビームの上方に延び、前記上端梁の下方に位置する第4ヒンジとを備える構成としてもよい。このような構成とすることにより、スタイラスを所定位置より移動させる構造は、破損することなく、変形可能となる。
以上のように本考案によれば、スタイラスの縦方向の移動を抑制し、測定対象物の摩擦力により生じるスタイラスの移動量を特定すると共に、スタイラスの熱膨張等の変形による測定誤差を検知可能なプローブを提供することができる。
次に、本考案に係るプローブの一実施形態を図面に基づいて説明する。
先ず、図1を参照して、本考案の一実施形態に係るプローブの構造を説明する。図1は、本考案の一実施形態に係るプローブの斜視図である。
このプローブは、スタイラス1と、スタイラス1が取り付けられたプローブ本体2と、静電容量を検出する静電容量検出部3とから構成されている。なお、プローブ本体2は、三次元方向に移動可能に構成されている。ここで、スタイラス1の延びる方向をZ軸、プローブ本体2の厚み方向をY軸、Z軸及びY軸に直交する方向をX軸とする。また、スタイラス1の先端方向をZ軸下方、スタイラス1の基端方向をZ軸上方とする。
スタイラス1は、その先端に測定対象物との接触を検知する先端球1aを有している。スタイラス1の基端は、プローブ本体2のZ軸下方の中心に取り付けられている。
プローブ本体2は、主に、T字型であってスタイラス1を保持するスタイラス保持部21と、一の字型の上端梁22と、下方に開口を有する四角形の枠型に形成された枠部23と、弾性変形可能な第1弾性変形部24と、第2弾性変形部25とから構成されている。なお、プローブ本体2は、一体形成されている。
スタイラス保持部21は、Z軸下方に突出した突出部21aと、突出部21aのZ軸上方にX軸方向に延びるスタイラス保持部本体21bとから構成されている。スタイラス保持部本体21bは、そのX軸方向の両端にZ軸上方に延びる、X軸方向(左右)に弾性変形可能な一対の第1弾性変形部24を設けている。また、スタイラス保持部本体21bのX軸方向に直交する面には、各々第1の電極21baが設けられている。
上端梁22は、一対の第1弾性変形部24の上端に位置する。また、上端梁22は、そのX軸方向の両端にZ軸下方に延びる、X軸方向(左右)に弾性変形可能な第2弾性変形部25を設けている。
枠部23は、四角形の枠型であって、Z軸下方の下枠部23aと、下枠部23aの両端からZ軸上方に延びる一対の横枠部23bと、一対の横枠部23bを両端に位置する上枠部23cとから構成されている。下枠部23aは、その中央に開口を有している。一対の横枠部23bのZ軸下方であって、X軸方向に対向する両面には、第1の電極21baと対向するように各々第2の電極23baを設けている。また、下枠部23aの上面及び各横枠部23bの下方側面には、第2弾性変形部4の下端が位置している。
各第1弾性変形部24は、その上方及び下方の2箇所においてX軸方向の厚みを薄くするように形成されている。Y軸方向から見ると、2箇所において、X軸方向に直交する両面が、半円形状に窪んで形成されている。つまり、第1弾性変形部24において、窪み、X軸方向の厚みを薄く形成した箇所が、ヒンジ24aとして機能する。また、上下2箇所のヒンジ24a、24aの間であって、ヒンジ24aよりも厚みを持った箇所がビーム24bとして機能する。よって、各第1弾性変形部24は、X軸方向に弾性変形する。
各第2弾性変形部25は、第1弾性変形部24と同様の形状を有している。すなわち、各第2弾性変形部25は、第1弾性変形部24と同様に、窪み、X方向の厚みを薄く形成した箇所が、ヒンジ25aとして機能する。また、上下2箇所のヒンジ25a、25aの間であって、ヒンジ25aよりも厚みを持った箇所がビーム25bとして機能する。よって、各第2弾性変形部25は、X軸方向に弾性変形する。
一対の静電容量検出部3は、各々スタイラス保持部21に設けられた第1の電極21baと枠部23に設けられた第2の電極23baと間の静電容量を検出する。すなわち、静電容量検出部3は、静電容量に基づき第1の電極21baと第2の電極23baとの間の距離を検出することが可能である。
このように本考案に係るプローブにおいて、スタイラス保持部21は、第1弾性変形部24、上端梁22、第2弾性変形部25を介して枠部23とつながっている。したがって、スタイラス保持部21は、Z軸方向に移動することはない。また、スタイラス保持部21は、上端梁22のX軸方向への移動量の約2倍X軸方向への移動が可能となる。例えば、スタイラス保持部21は、約200μmの範囲でX軸方向へ移動可能である。即ち、本考案に係るプローブによれば、スタイラス1をZ軸方向の移動量を抑制した状態で、X軸方向に移動可能となる。
また、プローブ本体2は、一体形成されているので、低コストで製造することができる。
また、プローブ本体2は、一対の第1弾性変形部24各々においてビーム24bを有し、一対の第2弾性変形部25各々においてビーム25bを有しているので、プローブ本体2自体の強度も高く保持することができる。
次に、図2〜図4を参照し、上記構造を有するプローブの動作について説明する。プローブの枠部23は、測定に用いる場合、走査可能なように、例えば、弾性部等を介して、駆動機構5に取り付けられている。このプローブと駆動機構5との取り付け面には、弾性部により特有の弾性係数と減衰係数が与えられている。図2のように、測定対象物に接触せずスタイラス1に力が加わっていない状態において、第1の電極21baと第2の電極23baとの距離は、左右共に等しく、例えば、所定距離Lとなっている。
図2に示す状態から図3に示すようにスタイラス1を測定対象物に接触させ、プローブ本体2を左方向に移動させる場合、プローブ本体2は、駆動機構5により左方向の力F1を与えられる。これに対し、スタイラス1は、測定対象物と先端球1aとの間の摩擦力μにより、右方向に力F2を与えられる。これにより、プローブ本体2のスタイラス保持部21は、所定位置より右方向に移動する。つまり、第1の電極21baと第2の電極23baとの間の距離は、プローブの移動方向側(左側)においてL+Δとなり、その反対側(右側)においてL−Δとなる。このスタイラス1の所定位置からの移動量(±Δ)は、一対の静電容量検出部3により、第1の電極21baと第2の電極23baとの間の静電容量を検出することで特定することができる。
一方、図4に示すように、図3とは反対側にプローブ本体2を移動させる場合、プローブ本体2には、駆動機構5により右方向の力F3を与えられる。これに対し、スタイラス1は、測定対象物と先端球1aとの間の摩擦力μにより、左方向に力F4を与えられる。これにより、プローブ本体2のスタイラス保持部21は、所定位置より左方向に移動する。つまり、第1の電極21baと第2の電極23baとの間の距離は、プローブの移動方向側(右側)においてL+Δとなり、その反対側(左側)においてL−Δとなる。このスタイラス1の所定位置からの移動量(±Δ)は、静電容量検出部3により、第1の電極21baと第2の電極23baとの間の静電容量を検出することで特定することができる。
図2〜図4に示したように、本考案に係るプローブによれば、スタイラス1の所定位置からの移動量は、一対の静電容量検出部3により、第1の電極21baと第2の電極23baとの間の静電容量を検出することで特定することができる。つまり、この移動量に基づき、スタイラス1の移動量を加味した測定値を得ることが出来る。
また、一対の静電容量検出部3が、対向する位置に配置され、スタイラス1の移動量を測定可能であるので、その移動量の差に基づいてスタイラス1の移動量に含まれる熱膨張等の変形による測定誤差を特定することができる。また、2つの静電容量検出部3の測定値に基づき、それら2つの静電容量検出部3の感度に関するリニアリティエラーの補正が可能である。
なお、上記本考案の一実施形態を説明したが、本考案は、上記一実施形態に限定されるものではない。例えば、スタイラス保持部21、上端梁22、枠部23、第1弾性変形部24、第2弾性変形部25を一体形成することなく、各々別部材により構成してもよい。また、例えば、第1弾性変形部24は、ビーム24bを省略し、ひとつのヒンジ24aのみを有する構成としてもよい。また、同様に、第2弾性変形部25は、ビーム25bを省略し、ひとつのヒンジ25aのみを有する構成としてもよい。
本考案の一実施形態に係るプローブの斜視図である。 本考案の一実施形態に係るプローブを駆動機構にとりつけた状態を示す正面概略図である。 本考案の一実施形態に係るプローブの動作を示す正面概略図である。 本考案の一実施形態に係るプローブの動作を示す正面概略図である。
符号の説明
1…スタイラス、1a…先端球、2…プローブ本体、21…スタイラス保持部、21a…突出部、21b…スタイラス保持部本体、21ba…第1の電極、22…上端梁、23…枠部、23a…下枠部、23b…横枠部、23ba…第2の電極、23c…上枠部、23d…開口、24…第1弾性変形部、24a…ヒンジ、24b…ビーム、25…第2弾性変形部、25a…ヒンジ、25b…ビーム、3…静電容量検出部。

Claims (3)

  1. スタイラスによる測定対象物との接触により当該測定対象物の形状或いは表面性状を測定するプローブであって、
    前記スタイラスを下方に保持し、両端側面に一対の第1電極を有するスタイラス保持部と、
    当該スタイラス保持部の両端から上方に延びる、左右に弾性変形可能な一対の第1弾性変形部と、
    当該一対の第1弾性変形部の上端に位置する上端梁と、
    当該上端梁の両端から下方に延びる、左右に弾性変形可能な一対の第2弾性変形部と、
    当該第2弾性変形部の下端に位置し、前記一対の第1電極に対向する位置に一対の第2電極を有する枠部と、
    前記一対の第1電極と前記一対の第2電極との間の静電容量を検出する一対の静電容量検出部と
    を備えることを特徴とするプローブ。
  2. 前記スタイラス保持部、前記第1弾性変形部、前記上端梁、前記第2弾性変形部、前記枠部は一体形成されていることを特徴とする請求項1記載のプローブ。
  3. 前記一対の第1弾性変形部は、
    前記スタイラス保持部の上方に延びる第1ヒンジと、
    当該第1ヒンジの上方に延び、前記第1ヒンジの厚みより厚く形成された第1ビームと、
    前記第1ビームの上方に延び、前記上端梁の下方に位置する第2ヒンジと
    を備え、
    前記一対の第2弾性変形部は、
    前記枠部の下部から上方に延びる第3ヒンジと、
    当該第3ヒンジの上方に延び、前記第3ヒンジの厚みより厚く形成された第2ビームと、
    前記第2ビームの上方に延び、前記上端梁の下方に位置する第4ヒンジと
    を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のプローブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015137207A1 (ja) * 2014-03-14 2015-09-17 株式会社東京精密 双方向変位検出器

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