JP3127545U - アウトセット引戸用戸当り - Google Patents

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Abstract

【課題】戸当り部材が1つで済み、床など引戸周りの掃除の邪魔にならず、しかも、引戸を全開位置に停止させたとき、常に引戸に引き残し部分を生じさせずに開口部全体を開放するアウトセット引戸用戸当りを提供する。
【解決手段】戸当りTは、アウトセット引戸Dの戸先側の木口面dに固着するベース板部21と、引戸を後付けしたときにベース板部から開口部Sへ向け突出するように鍔状に延びる戸当り部22とを一体に形成すると共に、その戸当り部の両端とそれぞれ戸枠Fの上枠材11と床面Bとの間に切欠き凹部23を形成した形状の戸当り本体20と、戸当り本体に凹凸の嵌め合いで取り付けて、ベース板部に被せるカバー部31と、戸当り部および切欠き凹部に被せるキャップ部32とを弾性材料で一体成形し、そのキャップ部を、開口部の高さに合わせて切断手段で切り取って長さ調整可能にした戸当りカバー30とで構成する。
【選択図】 図1

Description

本考案は、既設の戸枠の外側から開口部に重ねて開閉方向へスライド自在に後付けする引戸に適用するのに好適なアウトセット引戸用戸当りに関する。
最近、建物内を介護に適した構造にリフォームする場合には、既存の各種扉の中で、回動開閉式の開き戸は取り外し、要介護者に優しいスライド開閉式の引戸に付け替える改造を行うことが多い。従来、このように開き戸を引戸に付け替える場合、たとえば図12に示すように、引戸1は、所謂アウトセット方式により、既設の矩形戸枠2の外側(図中上側)に重ねて、開口部3と壁4に沿って図中左右の開閉方向へスライド自在に後付けしている。そのため、そのようなアウトセット引戸1が往復動する軌道上には、戸先側と戸尻側に戸当り5・6を床付けし又は壁付けし、図12(A)に示すように開口部3を全閉した閉位置と同図(B)に示す全開位置において、それぞれ引戸1を戸当り5・6に当てて停止し、引戸1の開閉ストロークを所定長さに制御している。
ところが、従来、戸当りは床付けすると、その上向きの出っ張りが邪魔になり、引戸周りでの床掃除が面倒であるという課題があった。また、戸当りを床付けしようと又は壁付けしようと、アウトセット方式にて引戸を取り付ける場合に、戸当り5・6は引戸1が往復動する軌道上において、戸先側と戸尻側の2箇所に付設する必要があり、それだけ戸当りの部品点数が多くなるという課題もあった。
更に、従来、引戸周りに戸尻側戸当り6の設置位置に制限があると、引戸1を当てて全開位置に停止させたとき、引戸1の戸先側に引き残し部分aが生じ、その引き残し部分aで開口部3が一部塞がれ、その分だけ開口部の有効開口幅が狭くなってしまう。従って、従来では、開口部3の開口幅が狭いために、例えば要介護者が車椅子を使って開口部3を通過することができない、などの弊害を発生するという課題があった。
そこで、本考案の目的は、戸当り部材が1つで済み、床など引戸周りの掃除の邪魔にならず、しかも、引戸を全開位置に停止させたとき、常に引戸に引き残し部分が発生することなく開口部全体を開放するアウトセット引戸用戸当りを提供することにある。
上述した課題を解決すべく、請求項1に記載の考案は、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、既設の矩形戸枠Fの外側から開口部Sに重ねて開閉方向へスライド自在に後付けするアウトセット引戸Dにあって、その引戸Dの開閉時に、前記戸枠Fの左右縦枠材12・13に当てて前記引戸Dを停止させるアウトセット引戸用戸当りTであって、前記引戸Dの戸先側の木口面dに固着するベース板部21と、前記引戸Dを後付けしたときに前記ベース板部21から前記開口部Sへ向け突出するように鍔状に延びる戸当り部22とを一体に形成すると共に、その戸当り部22の両端とそれぞれ前記戸枠Fの上枠材11と床面Bとの間に切欠き凹部23を形成した形状の戸当り本体20と、該戸当り本体20に凹凸の嵌め合いで取り付けて、前記ベース板部21に被せるカバー部31と、前記戸当り部22および前記切欠き凹部23に被せるキャップ部32とを弾性材料で一体成形し、そのキャップ部32を、前記開口部Sの高さに合わせて市販カッター50のような切断手段で切り取って長さ調整可能としてなる戸当りカバー30と、からなること特徴とする。
請求項2に記載の考案は、請求項1に記載のアウトセット引戸用戸当りTにおいて、たとえば以下に示す図示実施の形態のとおり、前記戸当り本体20には、前記ベース板部21の両端に、前記戸当りカバー30を抜け止めするストッパ部材40を装着してなることを特徴とする。
請求項1に記載の考案によれば、戸当りは、アウトセット引戸の戸先側に取り付け、戸枠の左右縦枠材に当てて引戸の開閉を停止する構成であるため、従来の如く戸先側と戸尻側に2つも設置する必要がなく、常に戸当り部材は1つで済み、それだけ部品点数を少なくし、コストも低減させることができる。また、床などの引戸周りの掃除の邪魔になることもないという利点がある。
しかも、請求項1に記載の考案に係る戸当りは、アウトセット引戸の戸先側で木口面に取り付け、戸当り本体の鍔状戸当り部を、戸当りカバーのキャップ部を介して戸枠の左右縦枠材に弾性的に当てて引戸の開閉を止める構成であるため、引戸を全開位置に停止させたとき、引戸には戸先側に引き残し部分を発生させず、常に開口部全体を開放することができ、その結果、開口幅が狭いために要介護者が車椅子を使って開口部を通過できない、などの弊害の発生を解消することができる。
更に、請求項1に記載の考案に係る戸当りは、ベースの戸当り本体を、その戸当り部の両端とそれぞれ戸枠の上枠材と床面との間に切欠き凹部を形成した形状とし、その切欠き凹部の長さ分だけ、開口部に向け突出させる戸当り部の長さが、一般的ないずれの扉開口部の高さよりも短くなるように構成するため、開口高さの異なる開口部に重ねて後付けするいずれのアウトセット引戸に対しても、いちいち取り替えることなく、常に共通の戸当り本体を戸先側木口面に装着して使用することができる。また、戸当りカバーは、戸当り本体のベース板部に被せるカバー部と、戸当り部および切欠き凹部に被せるキャップ部とを弾性材料で一体成形する一方、キャップ部を、開口部の高さに合わせて切断手段で切り取って長さ調整可能な構成にするため、たとえ開口高さの異なる開口部に重ねて後付けするいずれのアウトセット引戸に対しても、各々の開口部の高さに合った長さにキャップ部を施工現場で簡単に加工することができ、その結果、開口部の高さの違いに関係なく、常に共通の戸当りカバーを戸当り本体に被せて戸当りの化粧用クッション材として使用することができる。
加えて、請求項2に記載の考案に係る戸当りは、戸当り本体に対し、戸当りカバーを上下のストッパ部材で抜け止めしてズレ動かすことなく、常に戸当り本体をシールすることができる。
以下、図面を参照しつつ、本考案の実施の形態について説明する。
図1は、本考案の一例であるアウトセット引戸用戸当りを示す分解斜視図、図2は、その戸当りで引戸を全開位置に停止させた状態において示す引戸構造体の斜視図、図3は引戸の構造を示す斜視図である。引戸構造体は、引戸Dと、いずれも既設の壁体Wおよび戸枠Fを備える。
引戸構造体において、壁体Wは、少なくとも開口部Sの真上に上壁10を備える一方、戸尻側に戸袋壁に相当する壁部分を備えた構造になっている。戸枠Fは、例えば開き戸用の既設の枠体で、天井側の上枠材11と左右一対の縦枠材12・13とで矩形に開口部Sを枠付けしている。引戸Dは、例えば木製の矩形枠体内に空洞を有し、大小開口面積の異なる一般の開口部に対し使用できるように、高さ2100mmの比較的大きく縦長なパネルで、既設戸枠Fの外側から開口部Sに重ねて吊り込み、図中左右の開閉方向へスライド自在に後付けする、アウトセット式の引戸である。
即ち、引戸構造体では、既設の開き戸を戸枠Fから取り外してから、壁体Wに第1ガイドレール14を戸枠Fの上枠材11に沿って上壁10に取り付ける。同じ上壁10には、第1ガイドレール14の戸尻側の上方に第1戸車(図示省略)を取り付ける。一方、引戸D側には、開口部S側の内側板面の上端縁に、第2ガイドレール(図示省略)を幅方向に沿って取り付け、第2ガイドレールの戸先寄りの下側に、第2戸車(図示省略)を取り付ける。それから、引戸Dを持ち上げ、戸枠Fの外側(図中手前側)から開口部Sに重ねて壁体Wに懸架する。そのとき、引戸Dは、第2戸車を、壁体W側の第1ガイドレール14に係合する一方、第2ガイドレールに第1戸車を係合すると共に、下端縁に組み入れた第3戸車(図示省略)を床面B上に固着した第3ガイドレール15に係合させてスライド往復動可能に吊り込む。
そこで、上述したアウトセット引戸Dには、両板面の戸先寄りにバーハンドル19を縦向けに付設する一方、戸先側の木口面dに本考案の戸当りTを付設してなる。
戸当りTは、図1に示すように、それぞれ長尺な戸当り本体20および戸当りカバー30と、戸当りカバー30の抜け止め用ストッパ部材40とからなる。戸当り本体20は、例えばアルミニウムの押し出し成形により、ベース板部21と、ベース板部21の片側側縁から鍔状に張り出す戸当り部22とを一体に形成し、その戸当り部22の長さ方向両端側に切欠き凹部23を有した板形状に加工してなる。ベース板部21は、幅と長さサイズを引戸Dの木口面dに合わせて細長く形成し、木口面dに当てる内側板面には、その片側側縁に沿って係止リブ24を立設する一方、外側板面21aには、図4でも示すように、互いに離れる外向きに断面L状に突出する一対の掛止凸部25・26を、長さ方向にレール状に設けた形状になっている。そして、外側板面21a上の掛止凸部25・26間に、レール溝27が長さ方向に形成された形状になっている。一方、戸当り部22は、図1に示すように、開口部Sを含む一般的な扉開口部の高さを考慮し、ベース板部21から張り出した図中上下方向の長さが、いずれの開口部高さより短くなるように、長さ方向両端側にそれぞれ切欠き凹部23を形成してなる。
戸当りカバー30は、樹脂材料を用いて戸当り本体20に対応する形状に成形し、ベース板部21に被せるカバー部31と、戸当り部22と切欠き凹部23に被せるキャップ部32を一体に形成してなる。カバー部31は、幅と長さサイズを戸当り本体20に合わせて細長く形成すると共に、図4でも示すように扁平な断面略C溝状に形成し、凹溝33内に、戸当り本体20の掛止凸部25・26に対応する係合凹部33a・33bを設けた形状になっている。キャップ部32は、カバー部31の片側側縁から鍔状に延び、当初はカバー部31と同じ長さの扁平に形成する一方、そのカバー部31側から幅方向に向けてさや溝35が設けられている。さや溝35は、戸当り本体20側の戸当り部22の外形状に合わせ、その戸当り部22を差込み可能な溝幅と深さに穿設している。そして、キャップ部32は、樹脂製であるため、必要に応じ、図示開口部Sを含む一般的な扉開口部の開口高さに合わせて、後述する市販のカッター50のような切断手段で端部を切り取って長さを調整可能になっている。なお、戸当りカバー30は、カバー部31とキャップ部32とを一体成形可能な弾性を有する部材であればよく、樹脂製に限らず、例えばゴム等の適宜クッション材を用いることもできる
図示例のストッパ部材40は、図5に示すように、受け板部40a上に、それと直交する向きに差込み板部40bを立設して全体にT形に組み立ててなる。受け板部40aは、戸当りカバー30におけるカバー部31の厚さ方向の断面形状に合わせて、それを受け止め可能な大きさの板材で形成する。差込み板部40bは、戸当り本体20におけるベース板部21のレール溝27に対応させて、それに差込み可能な幅サイズの板材で形成している。
そこで、以上のような部品構成の戸当りTは、アウトセット引戸Dの戸先側木口面dに付設する。その場合は、戸当り本体20を戸当り部22が開口部Sへ突出する向きにし、ベース板部21を戸先側木口面dに当てがい、そのベース板部21の両端にそれぞれストッパ部材40を装着する。ストッパ部材40は、ベース板部21の外側板面21aにおいてレール溝27に差込み板部40bを差し込んで、それぞれベース板部21の両端に嵌め付ける。そして、取付ねじ45でベース板部21をねじ止めして戸当り本体20を戸先側木口面dに固着する。
他方、戸当りカバー30は、図6に示すように、キャップ部32の端部32aを切断手段の市販カッター50で切り取って、開口部Sの高さに合わせて予め長さ調整する。それから、戸当りカバー30を、引戸Dの木口面dに固着した戸当り本体20に被せる。そのときは、図7に示すように、戸当りカバー30の係合凹部33aに戸当り本体20の掛止凸部25を嵌め込んでから、図8に示すように、係合凹部33bに掛止凸部26を嵌め込み、キャップ部32の弾性でさや溝35を押し拡げながら、さや溝35内に、戸当り本体20の戸当り部22を挟み付けるように差し込んで、図9に示すように戸当りカバー30を戸当り本体20全体に覆い被せる。すると、図2でも示すように、戸当りTは、戸当りカバー30を上下のストッパ部材40による抜け止め状態で、アウトセット引戸Dの戸先側木口面dに組み付けられる。
さて、上述の引戸構造体では、図10に示すように、バーハンドル19を持ち、引戸Dをスライドさせて開口部Sを閉じるとき、戸当りTは、戸当り部22がキャップ部32を介して戸枠Fの戸先側縦枠材12に弾性的に当たって引戸Dを停止し、開口部Sが全閉する閉位置に位置決める。一方、引戸Dをスライドさせて開口部Sを開くときは、図11に示すように、戸当りTは、戸当り部22がキャップ部32を介して戸枠Fの戸尻側縦枠材13に弾性的に当たって引戸Dを停止し、開口部Sが全開する開位置に位置決めする。この引戸Dの開時は、引戸Dが戸先側に開口部Sを塞ぐ引き残し部分を発生させることがなく、開口部全体が開放される。
本考案の一例であるアウトセット引戸用戸当りを示す分解斜視図である。 戸当りで引戸を全開位置に停止させた状態で示す引戸構造体の斜視図である。 アウトセット引戸の構造を示す斜視図である。 戸当りの戸当り本体と戸当りカバーの形状を一部破断して示す斜視図である。 戸当り本体の引戸の木口面への取付けを説明する分解斜視図である。 戸当りカバーのキャップ部の端部を切り取って長さ調整する段階を説明する斜視図である。 戸当りカバーのカバー部を戸当り本体のベース板部に被せる段階を示す縦断面図である。 戸当りカバーのキャップ部を戸当り本体の戸当り部に被せる段階を示す縦断面図である。 戸当りカバーを戸当り本体に被せて装着した状態を示す縦断面図である。 戸当りで引戸が全閉位置に停止した状態を示す平面図である。 戸当りで引戸が全開位置に停止した状態を示す平面図である。 (A)従来の戸当りで引戸が全閉位置に停止した状態を示す概略平面図、(B)戸当りで引戸が全開位置に停止した状態を示す概略平面図である。
符号の説明
D アウトセット引戸
F 戸枠
T 戸当り
B 床面
11 上枠材
12・13 左右縦枠材
20 戸当り本体
21 ベース板部
22 戸当り部
23 切欠き凹部
30 戸当りカバー
31 カバー部
32 キャップ部
40 ストッパ部材
50 カッター(切断手段)

Claims (2)

  1. 既設の矩形戸枠の外側から開口部に重ねて開閉方向へスライド自在に後付けするアウトセット引戸にあって、その引戸の開閉時に、前記戸枠の左右縦枠材に当てて前記引戸を停止させるアウトセット引戸用戸当りであって、
    前記引戸の戸先側の木口面に固着するベース板部と、前記引戸を後付けしたときに前記ベース板部から前記開口部へ向け突出するように鍔状に延びる戸当り部とを一体に形成すると共に、その戸当り部の両端とそれぞれ前記戸枠の上枠材と床面との間に切欠き凹部を形成した形状の戸当り本体と、
    該戸当り本体に凹凸の嵌め合いで取り付けて、前記ベース板部に被せるカバー部と、前記戸当り部および前記切欠き凹部に被せるキャップ部とを弾性材料で一体成形し、そのキャップ部を、前記開口部の高さに合わせて切断手段で切り取って長さ調整可能としてなる戸当りカバーと、
    からなること特徴とする、アウトセット引戸用戸当り。
  2. 前記戸当り本体には、前記ベース板部の両端に、前記戸当りカバーを抜け止めするストッパ部材を装着してなることを特徴とする、請求項1に記載のアウトセット引戸用戸当り。
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