JP3127097B2 - 下水汚泥焼却灰の処理方法 - Google Patents
下水汚泥焼却灰の処理方法Info
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- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下水汚泥の焼却灰の処
理方法に関するものである。
理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】下水処理場から大量に排出される下水汚
泥を減容処理する方法として、下水汚泥を焼却して焼却
灰とし、これを溶融して舗装用ブロック等を製造する方
法が普及しつつある。ところが石灰系の凝集剤を使用し
た下水汚泥の焼却灰はカルシウム分を多量に含むために
融点が高く、溶融操作が困難であるという問題があっ
た。
泥を減容処理する方法として、下水汚泥を焼却して焼却
灰とし、これを溶融して舗装用ブロック等を製造する方
法が普及しつつある。ところが石灰系の凝集剤を使用し
た下水汚泥の焼却灰はカルシウム分を多量に含むために
融点が高く、溶融操作が困難であるという問題があっ
た。
【0003】さらに流動型汚泥焼却炉により焼却灰のか
焼を焼却炉内で行い、焼結物を取り出すシステムを構築
する場合にも、焼却灰の軟化点が非常に高いと炉内で制
御しにくくなり、焼成効果が少なくなるという問題があ
った。また、焼却灰を造粒して軽量骨材や透水性舗装材
を製造する場合、焼却灰中のカルシウム分が多いと造粒
時に加えられる水と反応して100 ℃以上の高温となり、
水分が蒸発して造粒ができないという問題もあった。
焼を焼却炉内で行い、焼結物を取り出すシステムを構築
する場合にも、焼却灰の軟化点が非常に高いと炉内で制
御しにくくなり、焼成効果が少なくなるという問題があ
った。また、焼却灰を造粒して軽量骨材や透水性舗装材
を製造する場合、焼却灰中のカルシウム分が多いと造粒
時に加えられる水と反応して100 ℃以上の高温となり、
水分が蒸発して造粒ができないという問題もあった。
【0004】そこで従来は、焼却灰中のカルシウム分が
多い場合には、シリカの粉末を添加することにより塩基
度(CaO/SiO2) を1に近づけ、またカルシウム分が不足
するような場合にはカルシアの粉末を添加することによ
り、融点や軟化点を降下させていた。しかし、シリカや
カルシアの粉末を添加すると全体量が増加し、減容処理
の目的に反することとなる。
多い場合には、シリカの粉末を添加することにより塩基
度(CaO/SiO2) を1に近づけ、またカルシウム分が不足
するような場合にはカルシアの粉末を添加することによ
り、融点や軟化点を降下させていた。しかし、シリカや
カルシアの粉末を添加すると全体量が増加し、減容処理
の目的に反することとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決し、増量の原因となるシリカやカルシア
の粉末を添加することなく下水汚泥焼却灰の融点や軟化
点を降下させることができ、また焼却灰中のカルシウム
分が多い場合にも造粒時の発熱を抑制することができる
ようにした下水汚泥焼却灰の処理方法を提供するために
なされたものである。
の問題点を解決し、増量の原因となるシリカやカルシア
の粉末を添加することなく下水汚泥焼却灰の融点や軟化
点を降下させることができ、また焼却灰中のカルシウム
分が多い場合にも造粒時の発熱を抑制することができる
ようにした下水汚泥焼却灰の処理方法を提供するために
なされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた請求項1の発明の下水汚泥焼却灰の処理方
法は、下水汚泥焼却灰を酸またはアルカリにより洗浄す
ることにより塩基度を0.5 〜2として融点や軟化点を降
下させたうえ、この焼却灰を溶融することを特徴とする
ものである。また請求項2の発明の下水汚泥焼却灰の処
理方法は、下水汚泥焼却灰を酸またはアルカリにより洗
浄することにより塩基度を0.5 〜2として融点や軟化点
を降下させたうえ、この焼却灰を造粒、焼結することを
特徴とするものである。
めになされた請求項1の発明の下水汚泥焼却灰の処理方
法は、下水汚泥焼却灰を酸またはアルカリにより洗浄す
ることにより塩基度を0.5 〜2として融点や軟化点を降
下させたうえ、この焼却灰を溶融することを特徴とする
ものである。また請求項2の発明の下水汚泥焼却灰の処
理方法は、下水汚泥焼却灰を酸またはアルカリにより洗
浄することにより塩基度を0.5 〜2として融点や軟化点
を降下させたうえ、この焼却灰を造粒、焼結することを
特徴とするものである。
【0007】本発明の処理方法を図1のフローシートを
参照しつつ説明すると、次の通りである。まず、脱水処
理されたカルシウム分の多い石灰系下水汚泥を焼却炉1
で焼却し、集塵装置2で集塵した焼却灰3を反応槽5に
おいて酸4で一定時間洗浄する。その条件は、例えば濃
度が0.1 〜2Nの塩酸の場合、温度10〜90℃、時間0.5
〜6時間である。このようにカルシウム分の多い焼却灰
を酸と反応させると、焼却灰中のリン分やカルシウム分
が液側に溶出する。
参照しつつ説明すると、次の通りである。まず、脱水処
理されたカルシウム分の多い石灰系下水汚泥を焼却炉1
で焼却し、集塵装置2で集塵した焼却灰3を反応槽5に
おいて酸4で一定時間洗浄する。その条件は、例えば濃
度が0.1 〜2Nの塩酸の場合、温度10〜90℃、時間0.5
〜6時間である。このようにカルシウム分の多い焼却灰
を酸と反応させると、焼却灰中のリン分やカルシウム分
が液側に溶出する。
【0008】反応させたスラリー状の焼却灰は、例えば
遠心分離型の脱水機6により固液分離し、含水率の少な
いスラリー7を得る。このスラリー7を乾燥機8により
乾燥させ、乾燥灰9を得る。この乾燥灰9はリン分やカ
ルシウム分が抜けた組成調整されたものであり、塩基度
(CaO/SiO2) が元の焼却灰よりも1に近づく。なお焼却
灰の融点は塩基度が0.5 〜2の範囲で最低となるので、
塩基度がこの範囲となるように組成調整することが好ま
しい。得られた乾燥灰9は溶融性の阻害因子であるリン
分も除去されているため、溶融性の向上した焼却灰とし
て舗装用ブロック、軽量骨材、透水性舗装材等の製造に
適したものである。また後記 する実施例に示すように、
このように処理された乾燥灰9は造粒、焼結することも
できる。
遠心分離型の脱水機6により固液分離し、含水率の少な
いスラリー7を得る。このスラリー7を乾燥機8により
乾燥させ、乾燥灰9を得る。この乾燥灰9はリン分やカ
ルシウム分が抜けた組成調整されたものであり、塩基度
(CaO/SiO2) が元の焼却灰よりも1に近づく。なお焼却
灰の融点は塩基度が0.5 〜2の範囲で最低となるので、
塩基度がこの範囲となるように組成調整することが好ま
しい。得られた乾燥灰9は溶融性の阻害因子であるリン
分も除去されているため、溶融性の向上した焼却灰とし
て舗装用ブロック、軽量骨材、透水性舗装材等の製造に
適したものである。また後記 する実施例に示すように、
このように処理された乾燥灰9は造粒、焼結することも
できる。
【0009】一方、脱水機6で脱水された廃液10は重金
属を含んでいるので、キレート剤11等で処理した後、中
和槽13において中和剤12を混合し、排水14として排出さ
れる。なお、余剰の廃液10は再び反応槽5へ返送され、
再利用することができる。
属を含んでいるので、キレート剤11等で処理した後、中
和槽13において中和剤12を混合し、排水14として排出さ
れる。なお、余剰の廃液10は再び反応槽5へ返送され、
再利用することができる。
【0010】上記の説明はカルシウム分の多い下水汚泥
焼却灰について行なったが、高分子系凝集剤を用いたシ
リカ分の多い高分子系汚泥から得られた下水汚泥焼却灰
の場合は、例えば苛性ソーダ等のアルカリ4を用いて反
応させ、アルカリに可溶なシリカ分やリン分を液側に溶
出させ、塩基度を1に近づけるとともに溶融性の阻害因
子であるリン分を除去した乾燥灰9とすることができ
る。
焼却灰について行なったが、高分子系凝集剤を用いたシ
リカ分の多い高分子系汚泥から得られた下水汚泥焼却灰
の場合は、例えば苛性ソーダ等のアルカリ4を用いて反
応させ、アルカリに可溶なシリカ分やリン分を液側に溶
出させ、塩基度を1に近づけるとともに溶融性の阻害因
子であるリン分を除去した乾燥灰9とすることができ
る。
【0011】
【作用】このように、本発明によれば下水汚泥焼却灰を
酸またはアルカリと反応させることにより、焼却灰中の
カルシウム分あるいはシリカ分を液側に溶出させて塩基
度を調整し、融点や軟化点を降下させることができる。
このために、従来のシリカ粉末やカルシア粉末を添加す
る方法とは異なり、優れた減容効果を得ることができ
る。またこのようにして得られた焼却灰は、造粒時の発
熱を抑制することができるので、軽量骨材、透水性舗装
材等の製造にも適したものとなる。以下に本発明の実施
例を示す。
酸またはアルカリと反応させることにより、焼却灰中の
カルシウム分あるいはシリカ分を液側に溶出させて塩基
度を調整し、融点や軟化点を降下させることができる。
このために、従来のシリカ粉末やカルシア粉末を添加す
る方法とは異なり、優れた減容効果を得ることができ
る。またこのようにして得られた焼却灰は、造粒時の発
熱を抑制することができるので、軽量骨材、透水性舗装
材等の製造にも適したものとなる。以下に本発明の実施
例を示す。
【0012】
【実施例】〔酸抽出試験〕 A下水処理場から発生した余剰汚泥に石灰系凝集剤を添
加し脱水した脱水汚泥を、流動床がた焼却炉で焼却して
下水汚泥焼却灰を得た。この焼却灰の組成を表1に示
す。なお、水分以外の値はドライベースとする。
加し脱水した脱水汚泥を、流動床がた焼却炉で焼却して
下水汚泥焼却灰を得た。この焼却灰の組成を表1に示
す。なお、水分以外の値はドライベースとする。
【0013】
【表1】
【0014】また、この焼却灰をヒーティングマイクロ
法により熱分析した結果、軟化点:1600℃、融点:1600
℃、流動点1610℃であり、いずれも非常に高い値を示し
た。従ってこの焼却灰を溶融または焼成する際には莫大
なエネルギーが必要であり、溶融操作による減容化やブ
ロック製造等の再資源化が図りにくいことが分かる。
法により熱分析した結果、軟化点:1600℃、融点:1600
℃、流動点1610℃であり、いずれも非常に高い値を示し
た。従ってこの焼却灰を溶融または焼成する際には莫大
なエネルギーが必要であり、溶融操作による減容化やブ
ロック製造等の再資源化が図りにくいことが分かる。
【0015】次に、内容量10L の容器に純水5000g 、濃
塩酸500gを混合し、約1Nの塩酸を作成した。その後、
上記の焼却灰500gを溶液中に投入し、攪拌棒を攪拌器に
て回転させることにより焼却灰と溶液とを1時間反応さ
せ、スラリーを得た。終了後、そのスラリーを遠心分離
機を用いて回転数3000rpm で15分間固液分離した。遠心
分離後の固形分は乾燥機にて110 ℃で乾燥させ、粉体を
得た。
塩酸500gを混合し、約1Nの塩酸を作成した。その後、
上記の焼却灰500gを溶液中に投入し、攪拌棒を攪拌器に
て回転させることにより焼却灰と溶液とを1時間反応さ
せ、スラリーを得た。終了後、そのスラリーを遠心分離
機を用いて回転数3000rpm で15分間固液分離した。遠心
分離後の固形分は乾燥機にて110 ℃で乾燥させ、粉体を
得た。
【0016】得られた粉体をヒーティングマイクロ法に
より熱分析した結果、軟化点:1320℃、融点:1420℃、
流動点1430℃であり、処理前の状態よりも200 ℃程度低
下したことが確認された。なお、この粉体の化学組成は
表2に示されるようにカルシウム分が減少しており、溶
融性を示す塩基度が処理前の3.3 から1.8まで減少し、
ヒーティングマイクロ法の結果と一致した。このよう
に、塩酸洗浄後の焼却灰は融点等が低下し、溶融、焼結
操作が容易となる。
より熱分析した結果、軟化点:1320℃、融点:1420℃、
流動点1430℃であり、処理前の状態よりも200 ℃程度低
下したことが確認された。なお、この粉体の化学組成は
表2に示されるようにカルシウム分が減少しており、溶
融性を示す塩基度が処理前の3.3 から1.8まで減少し、
ヒーティングマイクロ法の結果と一致した。このよう
に、塩酸洗浄後の焼却灰は融点等が低下し、溶融、焼結
操作が容易となる。
【0017】前記段落番号0015に記載したと同様の
条件で、固液比のみを変化させた場合、さらに溶融性が
高まることがわかった。そのときの条件は、焼却灰500g
に対して、1Nの塩酸を10kg用いて1時間反応させた。
最終的に得られた乾燥灰の溶融性をヒーティングマイク
ロ法により試験した結果、軟化点:1200℃、融点:1270
℃、流動点:1310℃であった。
条件で、固液比のみを変化させた場合、さらに溶融性が
高まることがわかった。そのときの条件は、焼却灰500g
に対して、1Nの塩酸を10kg用いて1時間反応させた。
最終的に得られた乾燥灰の溶融性をヒーティングマイク
ロ法により試験した結果、軟化点:1200℃、融点:1270
℃、流動点:1310℃であった。
【0018】
【表2】
【0019】〔溶融試験〕 次に、上記の〔酸抽出試験〕で得られた焼却灰の溶融性
をるつぼ転倒法により再確認した。試験方法は、処理前
と処理後の焼却灰を30g ずつ炭化珪素のるつぼ中に入
れ、1400℃で8時間加熱した後に転倒し、流出量から溶
融性を判定する方法を採用した。その結果、処理前の流
動化率は0%(全く流出しない)であったのに対して、
処理後の流動化率は55%であった。このように、処理前
の焼却灰は1400℃で加熱しても溶融せず、流動化率は0
であるのに対して、処理後の焼却灰は溶融性の指標であ
る流動化率が増加し、前記のヒーティングマイクロ法の
結果と一致した。
をるつぼ転倒法により再確認した。試験方法は、処理前
と処理後の焼却灰を30g ずつ炭化珪素のるつぼ中に入
れ、1400℃で8時間加熱した後に転倒し、流出量から溶
融性を判定する方法を採用した。その結果、処理前の流
動化率は0%(全く流出しない)であったのに対して、
処理後の流動化率は55%であった。このように、処理前
の焼却灰は1400℃で加熱しても溶融せず、流動化率は0
であるのに対して、処理後の焼却灰は溶融性の指標であ
る流動化率が増加し、前記のヒーティングマイクロ法の
結果と一致した。
【0020】〔焼結試験〕 上記の〔酸抽出試験〕で得られた焼却灰10kgを用いて、
透水性舗装材を作成した。造粒は攪拌型造粒機にて行な
ったが、処理前の焼却灰は造粒する際に焼却灰が発熱
し、添加した水分が蒸発してしまうために造粒が困難で
あった。そこで予め焼却灰に水を加えて発熱させ、2日
間経過後に造粒した。しかしその造粒物をか焼、本焼成
するには軟化点、融点及び流動点が高いため、多くの熱
量が必要であった。一方、処理後の焼却灰は造粒時の発
熱がないために造粒操作が容易であり、か焼及び本焼成
が比較的低温で可能であった。即ち、か焼温度は1000
℃、本焼成温度は1200℃であった。
透水性舗装材を作成した。造粒は攪拌型造粒機にて行な
ったが、処理前の焼却灰は造粒する際に焼却灰が発熱
し、添加した水分が蒸発してしまうために造粒が困難で
あった。そこで予め焼却灰に水を加えて発熱させ、2日
間経過後に造粒した。しかしその造粒物をか焼、本焼成
するには軟化点、融点及び流動点が高いため、多くの熱
量が必要であった。一方、処理後の焼却灰は造粒時の発
熱がないために造粒操作が容易であり、か焼及び本焼成
が比較的低温で可能であった。即ち、か焼温度は1000
℃、本焼成温度は1200℃であった。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の下水汚
泥焼却灰の処理方法によれば、従来のようにシリカやカ
ルシアの粉末を添加することなく焼却灰の融点や軟化点
を降下させることができ、また焼却灰中のカルシウム分
が多い場合にも造粒時の発熱を抑制することができる。
このため、本発明により処理された焼却灰を用いれば強
度が大きく、透水性に優れた製品を製造することができ
る。
泥焼却灰の処理方法によれば、従来のようにシリカやカ
ルシアの粉末を添加することなく焼却灰の融点や軟化点
を降下させることができ、また焼却灰中のカルシウム分
が多い場合にも造粒時の発熱を抑制することができる。
このため、本発明により処理された焼却灰を用いれば強
度が大きく、透水性に優れた製品を製造することができ
る。
【図1】本発明の工程を説明するフローシートである。
1 焼却炉、2 集塵装置、3 焼却灰、4 酸または
アルカリ、5 反応槽、6 脱水機、7 スラリー、8
乾燥機、9 乾燥灰、10 廃液、11 キレート剤、12
中和剤、13 中和槽、14 排水
アルカリ、5 反応槽、6 脱水機、7 スラリー、8
乾燥機、9 乾燥灰、10 廃液、11 キレート剤、12
中和剤、13 中和槽、14 排水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−265188(JP,A) 特開 昭53−2382(JP,A) 特開 昭53−2381(JP,A) 特開 平6−256012(JP,A) 特開 平7−108246(JP,A) 特開 昭61−3846(JP,A) 特開 平4−80330(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00 - 5/00
Claims (2)
- 【請求項1】 下水汚泥焼却灰を酸またはアルカリによ
り洗浄することにより塩基度を0.5 〜2として融点や軟
化点を降下させたうえ、この焼却灰を溶融することを特
徴とする下水汚泥焼却灰の処理方法。 - 【請求項2】 下水汚泥焼却灰を酸またはアルカリによ
り洗浄することにより塩基度を0.5 〜2として融点や軟
化点を降下させたうえ、この焼却灰を造粒、焼結するこ
とを特徴とする下水汚泥焼却灰の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07127958A JP3127097B2 (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 下水汚泥焼却灰の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07127958A JP3127097B2 (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 下水汚泥焼却灰の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08318242A JPH08318242A (ja) | 1996-12-03 |
JP3127097B2 true JP3127097B2 (ja) | 2001-01-22 |
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ID=14972873
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP07127958A Expired - Fee Related JP3127097B2 (ja) | 1995-05-26 | 1995-05-26 | 下水汚泥焼却灰の処理方法 |
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JP7148066B2 (ja) * | 2018-11-20 | 2022-10-05 | 株式会社アイシン | ケイ酸カルシウムを含む固形物の改質方法 |
-
1995
- 1995-05-26 JP JP07127958A patent/JP3127097B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08318242A (ja) | 1996-12-03 |
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