JP3126932B2 - 注型ポリアミド樹脂成形型 - Google Patents

注型ポリアミド樹脂成形型

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JP3126932B2
JP3126932B2 JP29737296A JP29737296A JP3126932B2 JP 3126932 B2 JP3126932 B2 JP 3126932B2 JP 29737296 A JP29737296 A JP 29737296A JP 29737296 A JP29737296 A JP 29737296A JP 3126932 B2 JP3126932 B2 JP 3126932B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は注型ポリアミド樹脂
成形型に係り、詳しくは1枚もしくは複数の板状注型ポ
リアミド樹脂成形体を製造する際に使用する成形型であ
り、型の挟持固定を確実にして重合性ラクタム液の漏れ
を阻止し、また構成している型部材の挟持固定と分離を
短時間に行い、板状成形体を容易に型から取り出すこと
ができる注型ポリアミド樹脂成形型に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】注型ポリアミド成形体の製造方法では、
アルミ、鉄等からなる型を熱風炉で180〜190°C
に設定した温度になるまで加熱し、所定温度になった型
を炉から取り出した後、重合性ラクタム液をこれに注入
し、再び型を熱風炉に入れてラクタムを重合していた。
しかしながら、この方法によると、加熱した型を熱風炉
から取り出してラクタム重合液を注型する際に、型が外
気に触れて金型温度の熱むらが生じ、良品質の成形体を
製造することが困難であった。
【0003】更に、重合後、型を熱風炉から取り出して
成形体を離型する際も、型が外気に触れるために、金型
温度が約40〜50°C低下し、次の注型を行うまでに
再び金型を所望の注型温度になるまで熱風炉で充分に加
熱する必要があり、離型毎に多大の金型予熱時間を要し
ていた。このため、重合性ラクタム液を任意の温度に強
制的に保持した型内に注型して断熱的な条件下で重合
し、得られた成形体を型表面から剥離する高速製造方法
が、特公平2−44694号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法によると厚さが2〜20mm程度のものであり、それ
以上の厚さの成形体を製造すると、成形体の表面と内部
に温度勾配が生じるために内部空洞欠陥をもつ成形体に
なることがあった。しかも、寸法の大きい成形体を型を
分離せずに型から取り出す場合には、作業時間を要する
ことから、型の改善が強く望まれていた。本発明はこの
ような問題点を改善するものであり、型の挟持固定を確
実にして重合性ラクタム液の漏れを阻止し、また構成し
ている型部材の挟持固定と分離を短時間に行い、板状成
形体を容易に型から取り出すことができる注型ポリアミ
ド樹脂成形型を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本願の請求項1記
載の発明では、重合性ラクタム液を型内でアニオン重合
して板状注型ポリアミド樹脂成形体を製造するに用いる
注型ポリアミド樹脂成形型において、少なくとも一方を
移動可能にした温度調節可能な側熱盤に装着した板状モ
ールドと、 板状モールドの間に介在させたスペーサと、
板状モールドとスペーサによって形成される重合性ラク
タム液を注型するキャビティと、 上記2つの側熱盤のう
ちどちらか一方に装着され、上記の各部材を一体的に挟
持固定するとともに開放するクランプ装置と、を備えた
注型ポリアミド樹脂成形型にあり、クランプ装置を使用
することにより型の挟持固定を確実にして重合性ラクタ
ム液の漏れを阻止し、型部材の挟持固定と分離を短時間
に行い、板状成形体を容易に型から取り出すことができ
る。また、キャビティを形成する部材の内部に熱媒油を
流動させて温度調節を図っているために、厚さが大きく
て内部空洞欠陥のない成形体を成型することが可能とな
る。そして、重合性ラクタム液の注型時から成形体の脱
型までの型の温度調節と温度管理を正確に制御すること
ができ、熱損失も少ない。
【0006】本願の請求項2記載の発明では、重合性ラ
クタム液を型内でアニオン重合して複数の板状注型ポリ
アミド樹脂成形体を製造するに用いる注型ポリアミド樹
脂成形型において、少なくとも一方を移動可能にした温
度調節可能な側熱盤に装着した板状モールドと、 板状モ
ールドの間に配置した温度調節可能な1枚もしくはこれ
以上の移動中熱盤と、 少なくとも板状モールドと移動中
熱盤の間に介在させたスペーサと、 スペーサと移動中熱
盤と板状モールドの3部材、あるいはこれらの3部材と
スペーサと移動中熱盤によって形成される重合性ラクタ
ム液を注型するキャビティと、 上記側熱盤のうちどちら
か一方に装着され、上記の各部材を一体的に挟持固定す
るとともに開放するクランプ装置と、を備えた注型ポリ
アミド樹脂成形型にあり、請求項1記載の発明に加え
て、型の挟持固定を確実にして重合性ラクタム液が漏れ
ないために厚みや材質の複数の異なる複数の板状注型ポ
リアミド樹脂成形体を同時に製造することができる。
【0007】本願の請求項3記載の発明では、各側熱盤
の背部に断熱材が取り付けられているため、重合性ラク
タム液の注型時から成形体の脱型までの型の温度調節と
温度管理を正確に制御することができ、熱損失も少な
い。
【0008】本願の請求項4記載の発明では、スペーサ
が一辺を開放した枠体であり、枠体内には熱媒油を流動
させる通路を有し、熱盤と当接する枠体表面にパッキン
グを嵌着した構成により、キャビティを形成する各熱盤
とスペーサの温度調節を図って型の温度調節と温度管理
を正確に制御することができ、またキャビティを形成す
る部材間の密着を高めることができ、重合性ラクタム液
の漏れないキャビティを得ることができる。
【0009】本願の請求項5記載の発明では、スペーサ
が予め一対の側熱盤に装着した板状モールドと移動中熱
盤から選ばれた少なくとも1つの部材に取り付けられて
いるため、一対の側熱盤と移動中熱盤からなる型部材を
寄せ集めて挟持固定する時間が短縮される。
【0010】本願の請求項6記載の発明では、クランプ
装置が固定側熱盤の左右側辺部に装着した側部クランプ
装置と下側辺部に装着した底部クランプ装置からなって
いるため、クランプ力を均一に分散して、重合性ラクタ
ム液の漏れを防止し、また非常に安定した厚みをもつ成
形体を得ることもできる。
【0011】本願の請求項7記載の発明では、側部クラ
ンプ装置がアームを水平移動可能させて各熱盤とスペー
サを一体的に挟持固定するアーム挟持部材と、アームを
旋回させて各熱盤とスペーサから離すアーム旋回部材を
有しており、重合終了後、アームを各熱盤とスペーサか
ら遠ざけることにより、作業者の装置内への出入りが容
易で、成形体の脱型作業等が簡単になる。
【0012】本願の請求項8記載の発明では、底部クラ
ンプ装置がアームを水平移動可能させて各熱盤とスペー
サを一体的に挟持固定するアーム挟持部材と、アームを
落下させることにより各熱盤とスペーサから離すアーム
旋回部材を有しており、アームが大きく旋回することが
なく、成形体の脱型時に作業者に悪影響を及ぼさない構
造になっている。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る注型ポリアミ
ド樹脂成形型の構成部材を分離した状態を示す正面図、
図2は図1において注型ポリアミド樹脂成形型の構成部
材を寄せ合わせて一体的に挟持固定した状態を示す平面
図、図3は図1に示す固定側熱盤にクランプ装置を装着
した状態を示す図、図4は図1のA−A方向から見た平
面図である。
【0014】図1に示す注型ポリアミド樹脂成形型1
は、板状モールド4を装着した固定側熱盤2と、同様に
板状モールド4を装着し固定側熱盤2に対向して配置し
た移動側熱盤3と、上記固定側熱盤2と移動側熱盤3の
間に配置した少なくとも1枚以上の移動中熱盤5と、固
定側熱盤2、移動側熱盤3、そして移動中熱盤5の各熱
盤の間に介在し、重合性ラクタム液を注型するキャビテ
ィ9の一部を形成するスペーサ6と、移動側熱盤3を固
定側熱盤2側へ移動して各熱盤2、3、5、板状モール
ド4、そしてスペーサ6の各部材を一体的に挟持固定
し、また開放するクランプ装置7から構成されている。
尚、キャビティ9は板状モールド4とスペーサ6、スペ
ーサ6と移動中熱盤5と板状モールド4、あるいは移動
中熱盤5とスペーサ6と移動中熱盤5によって形成され
る。
【0015】固定側熱盤2では、水平に配置された支持
台10上に断熱盤11が垂直に固定され、この断熱盤1
1の背面にロックウール等の断熱材12が全面に装着さ
れ、また断熱盤11の前面に板状モールド4が突出した
フレーム13によって保持され機械的に固着されてい
る。
【0016】移動側熱盤3では、固定側熱盤2と同様
に、水平に配置された支持台10に断熱盤11が垂直に
固定され、この断熱盤11の背面に断熱材12が全面に
装着されとともに断熱盤11の前面に板状モールド4が
突出したフレーム13によって保持され機械的に固着さ
れている。ただ、移動側熱盤3では支持台10が車20
を有する台車23になり、基板21に設けたレール22
上を手動または自動的に移動して固定側熱盤2側へ近づ
き、また離れることができる。尚、板状モールド4は、
固定側熱盤2に装着したものと同様の構造を有してい
る。
【0017】上記板状モールド4は、図5および図6に
示すように、アルミ、鉄等の金属製の板から形成された
中空体であり、密閉された内部には幅方向に延びた桟1
5が一定間隔で設けられ、熱媒油を流動させる連通した
油路16を有している。熱媒油は板状モールド4の下側
に設けた油口17から入ると、連通した油路16を流れ
て板状モールド4内をまんべんまく加熱しながら上側に
設けた油出口18から排出し、管19を経由して熱媒油
循環装置8へ向かい、この間を循環する。尚、上記桟1
5は、板状モールド4の変形を阻止する補強材になり、
安定した厚みを有し、またバラツキの少ない成形体を得
ることができる。
【0018】固定側熱盤2と移動側熱盤3の間には、内
部に熱媒油を流動させる油路をもった板状モールド4と
同様の構造を有する移動中熱盤5が、複数(ここでは3
枚)平行な状態で配置されている。移動中熱盤5は、図
1と図4に示すように、基板21に敷設した複数のレー
ル22の内の1本のレール22上に設置した2個の車輪
25をもつ台車26と、他の1本のレール22上に設置
した他の2個の車輪25をもつ台車26とを跨いで固定
されている。そして、各移動中熱盤5は台車26の間隔
が互いに相違しているため、これらを互いに近づけても
各台車26が当接することがなく各移動中熱盤5の近接
が可能になる。本実施例では、固定側熱盤2に近い移動
中熱盤5の台車26の間隔が最も大きく、移動側熱盤3
に向かって小さくなっている。2本のレール22のう
ち、1本のレール22と車輪25とは嵌合しており、移
動中の移動中熱盤5がレール22から外れることがな
い。
【0019】無論、本発明では、移動中熱盤5を使用す
る必要はない。
【0020】スペーサ6は、図7〜図9に示すように一
辺を開放したコ字状の枠体であり、各辺には一定間隔で
ボルトを通す貫通穴30が設けられている。枠体の外辺
内部には熱媒油を通す連通した油路31があり、熱媒油
が側辺の上部に設けた油口32から油路31を通り、こ
れを相対向する側辺の上部に設けた油出口33を出て、
スペーサ6を加熱する。
【0021】スペーサ6と各移動中熱盤5およびスペー
サ6と板状モールド4とのシール効果を高めるために、
ウレタン、シリコンゴム等のゴム弾性体あるいはフッ素
系樹脂素材からなるパッキング34をスペーサ6の枠体
の両面に設けたあり溝35に嵌入し付着させる。パッキ
ング34はあり溝35に嵌入しているため、容易に離脱
することはない。この場合には、スペーサ6は固定側熱
盤2や移動側熱盤3の板状モールド4や移動中熱盤5の
一方の面に貫通穴30からボルトを挿入し固定する。
【0022】クランプ装置7は、移動側熱盤3を固定側
熱盤2側へ移動してキャビティ9を形成する板状モール
ド4、移動中熱盤5、スペーサ6を一体的に挟持固定
し、また開放する機能を有している。クランプ装置7
は、図3に示すように固定側熱盤2の左右側辺部37に
装着する側部クランプ装置7aと、下側辺部38に装着
する底部クランプ装置7bからなっている。
【0023】図10に示す側部クランプ装置7aは、ア
ームを水平移動可能させてキャビティ9を形成する板状
モールド4、移動中熱盤5、スペーサ6を一体的に挟持
固定するアーム挟持部材40と、アームを旋回してキャ
ビティ9を形成する板状モールド4、移動中熱盤5、
ペーサ6の挟持固定を開放してこれらから遠ざかるアー
ム旋回部材41から構成されている。上記クランプ装置
7aでは、空気シリンダー43を旋回自在に装着してい
るブラケット44が断熱材45を介して固定側熱盤2の
フレーム46に、他方固定側熱盤2の板状モールド4の
端部に支持ブロック47が断熱材48を介してネジによ
り固着されている。
【0024】アーム挟持部材40では、アーム50が直
角に折れ曲がった先端部51とロッドを嵌入する貫通孔
52をもった後端部53を有し、後端部53に設けた貫
通孔52に挿入したロッド54が油圧シリンダー55に
連結している。そして、上記ロッド54は先端が突出し
た半球面体の摺動部56を形成し、支持ブロッ47に設
けた窪み状の半球面体の摺動部57と当接している。
【0025】また、ロッド54の先端付近に設けた貫通
穴にシャフト(図示せず)が挿入され、アーム挟持部材
40の旋回軸58になっている。アーム挟持部材40に
おいて、油圧シリンダー55を作動させてロッド54を
突出させると、支持ブロック47の窪み状の半球面体の
摺動部57がロッド54の突出した半球面体の摺動部5
6に当接することで荷重を受け、アーム50がキャビテ
ィ9を形成する各熱盤とスペーサ6を一体的に挟持固定
する方向へ移動する。
【0026】支持ブロック47の窪み状の半球面体の摺
動部57と、ロッド54の突出した半球面体の摺動部5
6を有することにより、旋回軸58にはクランプ力がか
からず、旋回軸58を小型化することができる。更に、
油圧シリンダー55を固定側熱盤2側へ取り付けること
が可能になり、作業者が装置内へ出入りすることが容易
になっている。
【0027】アーム旋回部材41では、固定側熱盤2の
フレーム46に固着したブラケット44に空気シリンダ
ー43が旋回自在に装着し、空気シリンダー43のロッ
ド60がレバーと旋回軸58を介してアーム50に連結
している。空気シリンダー43が作動してロッド60を
引っ込めると、アーム50が旋回軸58を中心にして旋
回する。このとき、ロッド54の摺動部56と支持ブロ
ッ47の摺動部57とは、半球面体の形状であるため、
アーム50はスムーズに旋回できる。
【0028】また、底部クランプ装置7bは、図11と
図12に示すように、アーム挟持部材40とアーム旋回
部材41からなり、アーム挟持部材40は側部クランプ
装置7aのそれと同じ構造になっている。
【0029】アーム旋回部材41では、アーム50の下
底部に断熱材70を介して中空状の細長い傾斜レール7
1を装着し、この傾斜レール71は内部に2つの位置固
定した軸体72、73を入れている。軸体72は支持台
21に固定された空気シリンダー74のロッド75に連
結し、空気シリンダー74の作動によりアーム50を上
方へ移動させ、他方の軸体73は支持台21に設置され
た軸77に連結し、アーム50の旋回軸になっている。
傾斜レール71の両端部には、傾斜レール71の移動を
制限するストッパー78が設けられている。
【0030】この底部クランプ装置7bでは、アーム挟
持部材40の油圧シリンダー55を作動させてロッド5
4を引っ込め、アーム50をキャビティ9を形成する各
熱盤とスペーサ6の挟持固定を開放し、空気シリンダー
74を作動させると、ロッド75が下方へ下がることに
よって、アーム50が自重により軸体73を中心軸にし
て落下しつつ旋回する。この時、移動中の傾斜レール7
1のストッパー78が軸体73に当接し、アーム50の
落下が停止する。
【0031】図1に示す熱媒油循環装置8は、タンク内
に入れた熱媒油を加熱する加熱装置と熱媒油を循環させ
るポンプを備えており、管19を介して固定側熱盤2お
よび移動側熱盤3に装着した板状モールド4、移動中熱
盤5、およびスペーサ6に連結されている。
【0032】次に、本発明に係る製造装置を用いて注型
ポリアミド樹脂成形体を製造する方法を以下に説明す
る。まず、温度調節した固定側熱盤2と移動側熱盤3に
それぞれ装着した板状モールド4、4との間に、温度調
節した3枚の移動中熱盤5を配置し、更に固定側熱盤2
に装着した板状モールド4、移動中熱盤5、そして移動
側熱盤3に装着した板状モールド4の一方の面に厚みの
異なるスペーサ6をボルトで固定設置する。この場合、
3枚の真中に位置している移動中熱盤5にはスペーサ6
が装着していない。その後、移動側熱盤3を移動して、
上記スペーサ6を板状モールド4、移動中熱盤5あるい
は移動中熱盤5、5間よって挟持して重合性ラクタム液
を注型するキャビティ9を形成し、これらの各部材を固
定側熱盤2の左右側辺部37に装着した複数の側部クラ
ンプ装置7aと、下側辺部38に装着した複数の底部ク
ランプ装置7bによって一体的に挟持固定する。
【0033】即ち、側部クランプ装置7aと底部クラン
プ装置7bの油圧シリンダー55を作動させてロッド5
4を突出移動させ、支持ブロック47の窪み状の半球面
体の摺動部57がロッド54の突出した半球面体の摺動
部56に当接して荷重を受け、アーム50がキャビティ
9を形成する板状モールド4、移動中熱盤5とスペーサ
6を一体的に挟持固定する方向へ移動する。また、熱媒
油循環装置8から熱媒油を固定側熱盤2および移動側熱
盤3に装着した板状モールド4、移動中熱盤5、および
スペーサ6へ導入して130〜190°Cに温度調節
し、予備加熱する。
【0034】その後、重合性ラクタム液を該キャビティ
9に注型し、樹脂材を被覆した金属製の筒状体をキャビ
ティ9の開口部に入れて閉鎖した状態でアニオン重合す
る。重合時間は20〜100分であり、これが完了する
と固定側熱盤2と移動側熱盤3の板状モールド4、移動
中熱盤5、そしてスペーサ6の温度を予備加熱時の温度
まで低下させる。
【0035】側部クランプ装置7aと底部クランプ装置
7bの各油圧シリンダー55を作動させてロッド54を
引っ込める方向へ移動させ、アーム50をキャビティ9
を形成する各熱盤とスペーサ6の挟持固定を開放する側
へ移動させる。続いて、アーム旋回部材41によって、
ロッド60を引っ込めて、アーム50を旋回させる。ま
た、底部クランプ装置7bでは、アーム50の挟持固定
を開放すると、アーム50を自重によって落下させ旋回
させる。
【0036】このようにして、固定側熱盤2と移動側熱
盤3の板状モールド4、移動中熱盤5、そしてスペーサ
6を機械的に開放した後、移動側熱盤3を元の位置まで
戻すと、作業者が型内へ侵入して複数の板状注型ポリア
ミド樹脂成形体を容易に取り出すことができる。
【0037】重合性ラクタム液は、ω−ラクタムにアニ
オン重合触媒、そしてアニオン重合用開始剤を添加した
ものであり、上記ω−ラクタムは実質上無水のα−ピペ
リドン、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、あ
るいはこれらの2種以上の混合物であり、工業的に有利
なラクタムはε−カプロラクタムとω−ラウロラクタム
である。
【0038】また、アニオン重合触媒は、水素化ナトリ
ウム、水素化リチウム、ナトリウム、カリウム等の公知
のω−ラクタムの重合触媒を使用することができ、その
添加量はω−ラクタムに対して0.1〜2.0モル%で
ある。そして、アニオン重合用開始剤としては、例えば
N−アセチル−ε−カプロラクタム、イソシアネート、
ジイソシアネート、尿素誘導体、ウレタン、イソシアヌ
レート誘導体であり、その添加量はω−ラクタムに対し
て0.05〜1.0モル%の範囲が好ましい。
【0039】上記製造方法では、アニオン重合触媒をω
−ラクタムに添加し溶解した後、アニオン重合用開始剤
を注型時または注型後に添加混合する方法、またはアニ
オン重合触媒を含むω−ラクタムとアニオン重合用開始
剤を含むω−ラクタムとを注型時または注型後に添加混
合する方法によって調整する。
【0040】尚、本発明方法を実施するに際して、上記
成分以外に重合を阻害しない油類、ワックス、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の滑剤や、カーボ
ン繊維、ウオラスナイト等の補強材を添加することも可
能である。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本願の請求項1記載の発
明では、少なくとも一方を移動可能にした温度調節可能
な側熱盤に装着した板状モールドと、板状モールドの間
に介在させたスペーサと、板状モールドとスペーサによ
って形成される重合性ラクタム液を注型するキャビティ
と、2つの側熱盤のうちどちらか一方に装着され、上記
の各部材を一体的に挟持固定するとともに開放するクラ
ンプ装置と、を備えた注型ポリアミド樹脂成形型にあ
り、クランプ装置を使用することにより型の挟持固定を
確実にして重合性ラクタム液の漏れを阻止し、型部材の
挟持固定と分離を短時間に行い、板状成形体を容易に型
から取り出すことができる。また、キャビティを形成す
る部材の内部に熱媒油を流動させて温度調節を図ってい
るために、厚さが大きくて内部空洞欠陥のない成形体を
成型することが可能となる。そして、重合性ラクタム液
の注型時から成形体の脱型までの型の温度調節と温度管
理を正確に制御することができ、熱損失も少ない効果が
ある。
【0042】本願の請求項2記載の発明では、少なくと
も一方を移動可能にした温度調節可能な側熱盤に装着し
た板状モールドと、板状モールドの間に配置した温度調
節可能な1枚以上の移動中熱盤と、少なくとも板状モー
ルドと移動中熱盤の間に介在させたスペーサと、スペー
サと移動中熱盤と板状モールドの3部材、あるいはこれ
らの3部材とスペーサと対向する移動中熱盤によって形
成される重合性ラクタム液を注型するキャビティと、2
つの側熱盤のうちどちらか一方に装着され、上記の各部
材を一体的に挟持固定するとともに開放するクランプ装
置と、を備えた注型ポリアミド樹脂成形型にあり、特に
移動中熱盤を使用することにより、請求項1記載の発明
に加えて、型の挟持固定を確実にして重合性ラクタム液
が漏れないために厚みや材質の複数の異なる複数の板状
注型ポリアミド樹脂成形体を同時に製造することができ
る効果がある。
【0043】本願の請求項3記載の発明では、各側熱盤
の背部に断熱材が取り付けられているため、重合性ラク
タム液の注型時から成形体の脱型までの型の温度調節と
温度管理を正確に制御することができ、熱損失も少ない
効果がある。
【0044】本願の請求項4記載の発明では、スペーサ
が一辺を開放した枠体であり、枠体内には熱媒油を流動
させる通路を有し、熱盤と当接する枠体表面にパッキン
グを嵌着した構成により、キャビティを形成する各熱盤
とスペーサの温度調節を図って型の温度調節と温度管理
を正確に制御することができ、またキャビティを形成す
る部材間の密着を高めることができ、重合性ラクタム液
の漏れないキャビティを得ることができる効果がある。
【0045】本願の請求項5記載の発明では、スペーサ
が予め一対の側熱盤に装着した板状モールドと移動中熱
盤から選ばれた少なくとも1つの部材に取り付けられて
いるため、一対の側熱盤と移動中熱盤からなる型部材を
寄せ集めて挟持固定する時間が短縮される効果がある。
【0046】本願の請求項6記載の発明では、クランプ
装置が固定側熱盤の左右側辺部に装着した側部クランプ
装置と下側辺部に装着した底部クランプ装置からなって
いるため、クランプ力を均一に分散して、重合性ラクタ
ム液の漏れを防止し、また非常に安定した厚みをもつ成
形体を得ることもできる効果がある。
【0047】本願の請求項7記載の発明では、側部クラ
ンプ装置がアームを水平移動可能させて各熱盤とスペー
サを一体的に挟持固定するアーム挟持部材と、アームを
旋回させて各熱盤とスペーサから離すアーム旋回部材を
有しており、重合終了後、アームを各熱盤とスペーサか
ら遠ざけることにより、作業者の装置内への出入りが容
易で、成形体の脱型作業等が簡単になる効果がある。
【0048】本願の請求項8記載の発明では、底部クラ
ンプ装置がアームを水平移動可能させて各熱盤とスペー
サを一体的に挟持固定するアーム挟持部材と、アームを
落下させることにより各熱盤とスペーサから離すアーム
旋回部材を有しており、アームが大きく旋回することが
なく、成形体の脱型時に作業者に悪影響を及ぼさない構
造になっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る注型ポリアミド樹脂成形型の構成
部材を分離した状態を示す正面図である。
【図2】図1において注型ポリアミド樹脂成形型の構成
部材を寄せ合わせて一体的に挟持固定した状態を示す平
面図である。
【図3】図1に示す固定側熱盤にクランプ装置を装着し
た状態を示す図である。
【図4】図1のA−A方向から見た平面図である。
【図5】板状モールドの正面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】スペーサの正面図である。
【図8】図7のB−B断面図である。
【図9】図8のC部拡大図である。
【図10】側部クランプ装置の平面図である。
【図11】底部クランプ装置の正面図である。
【図12】図11の底部クランプ装置がキャビティを形
成する各熱盤とスペーサの部材の挟持固定を開放した時
の状態を示す図である。
【符号の説明】
2 固定側熱盤 3 移動側熱盤 4 板状モールド 5 移動中熱盤 6 スペーサ 7 クランプ装置 7a 側部クランプ装置 7b 底部クランプ装置 8 熱媒油循環装置 9 キャビティ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 39/26 - 39/44 B29C 33/02 - 33/04 B29C 33/20 - 33/28

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性ラクタム液を型内でアニオン重合
    して板状注型ポリアミド樹脂成形体を製造するに用いる
    注型ポリアミド樹脂成形型において、 少なくとも一方を移動可能にした温度調節可能な側熱盤
    に装着した板状モールドと、 板状モールドの間に介在させたスペーサと、 板状モールドとスペーサによって形成される重合性ラク
    タム液を注型するキャビティと、 上記2つの側熱盤のうちどちらか一方に装着され、上記
    の各部材を一体的に挟持固定するとともに開放するクラ
    ンプ装置と、 を備えた ことを特徴とする注型ポリアミド樹脂成形型。
  2. 【請求項2】 重合性ラクタム液を型内でアニオン重合
    して複数の板状注型ポリアミド樹脂成形体を製造するに
    用いる注型ポリアミド樹脂成形型において、 少なくとも一方を移動可能にした温度調節可能な側熱盤
    装着した板状モールドと、 板状モールドの間に配置した温度調節可能な1枚以上の
    移動中熱盤と、 少なくとも板状モールドと移動中熱盤の間に介在させた
    スペーサと、 スペーサと移動中熱盤と板状モールドの3部材、あるい
    はこれらの3部材とスペーサと対向する移動中熱盤によ
    って形成される重合性ラクタム液を注型するキャビティ
    と、 上記2つの側熱盤のうちどちらか一方に装着され、上記
    の各部材を一体的に挟持固定するとともに開放するクラ
    ンプ装置と、 を備えた ことを特徴とする注型ポリアミド樹脂成形型。
  3. 【請求項3】 各側熱盤の背部に断熱材が取り付けられ
    ている請求項1または2記載の注型ポリアミド樹脂成形
    型。
  4. 【請求項4】 スペーサが一辺を開放した枠体であり、
    枠体内には熱媒油を流動させる通路を有し、熱盤と当接
    する枠体表面にパッキングを嵌着した請求項1または2
    記載の注型ポリアミド樹脂成形型。
  5. 【請求項5】 スペーサが予め一対の側熱盤に装着した
    板状モールドと移動中熱盤から選ばれた少なくとも1つ
    部材に取り付けられている請求項1または2記載の注
    型ポリアミド樹脂成形型。
  6. 【請求項6】 クランプ装置が固定側熱盤の左右側辺部
    に装着した側部クランプ装置と下側辺部に装着した底部
    クランプ装置からなっている請求項1または2記載の注
    型ポリアミド樹脂成形型。
  7. 【請求項7】 側部クランプ装置がアームを水平移動可
    能させて各熱盤とスペーサを一体的に挟持固定するアー
    ム挟持部材と、アームを旋回させて各熱盤とスペーサか
    ら離すアーム旋回部材を有している請求項1、2または
    6記載の注型ポリアミド樹脂成形型。
  8. 【請求項8】 底部クランプ装置がアームを水平移動可
    能させて各熱盤とスペーサを一体的に挟持固定するアー
    ム挟持部材と、アームを落下させることにより各熱盤と
    スペーサから離すアーム旋回部材を有している請求項
    1、2または6記載の注型ポリアミド樹脂成形型。
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