JP3126820B2 - 集積回路 - Google Patents

集積回路

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JP3126820B2
JP3126820B2 JP04227529A JP22752992A JP3126820B2 JP 3126820 B2 JP3126820 B2 JP 3126820B2 JP 04227529 A JP04227529 A JP 04227529A JP 22752992 A JP22752992 A JP 22752992A JP 3126820 B2 JP3126820 B2 JP 3126820B2
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博記 藤代
弘美 山田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はFET特にnチャネル
FETを安定に動作させることのできる集積回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、MMIC(Monolithic Micro
wave Intergrated Circuit)や、超高速論理ICといっ
たICでは、FET(Field Effect Transistor )、ダ
イオード、抵抗、キャパシタンス或はそのほかの所望の
電気回路素子を、半絶縁性の化合物半導体基板例えばG
aAs基板に設けて集積化している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら半絶縁性
の化合物半導体基板では、その絶縁抵抗を高めるために
不純物補償が行なわれている。従って、基板には不純物
補償により生じた或は不純物補償のための深い準位が存
在するので、FETを設けた側の基板面aとは反対側の
基板面bに負の電位を印加すると、基板面bから基板中
に注入された電子が深い準位に捕獲され従ってこの捕獲
電子により基板面b側の電子のポテンシャルが上昇す
る。これがため、nチャネルFETを基板に設けている
場合には、空乏層が基板面bの側からnチャネルFET
のチャネルの側へと延び出してチャネルを狭め、結果的
にドレイン電流が減少する(この現象をバックゲート効
果と称する)。また、他の電気回路素子の電極をFET
に隣接させて基板面a上に設け、この電極に負の電位を
印加した場合にも、この電極から基板中に注入された電
子が深い準位に捕獲されるので、ドレイン電流が低下す
る(この現象をサイドゲート効果と称する)。
【0004】さらにFETのゲート電極に印加する電気
信号の周波数が或る値例えば50KHz以上になると、
FETのゲインが減少するという問題がある。その発生
メカニズムは必ずしも定かではないが次のように考えら
れる。すなわち、ゲート電極に電気信号を印加するとこ
の信号の電圧振幅の周期的変化に応じて電子が深い準位
に捕獲されまた深い準位から放出されるが、電気信号の
周波数が高くなると実質的に電子が放出されずに捕獲さ
れたままの状態となり、その結果、ゲインが減少してし
まうと考えられる。
【0005】この発明は上述した従来の問題点を解決す
るため、基板中の深い準位に捕獲された電子が電気的に
及ぼす影響をなくすことのできる集積回路を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、第1の発明の集積回路は、半絶縁性化合物半導体基
板上に回路用FETを含む電気回路素子を設けて成る集
積回路において、回路用FET近傍に設けた正孔注入源
を備えて成り、かつ、この正孔注入源は、注入用FET
であることを特徴とする。また、第2の発明の集積回路
は、半絶縁性化合物半導体基板上に回路用FETを含む
電気回路素子を設けて成る集積回路において、回路用F
ET近傍に設けた正孔注入源を備えて成り、かつ、この
正孔注入源は、活性層と、活性層上に離間配置した一方
及び他方のオーミック電極と、これらオーミック電極の
間の活性層に設けた電流狭窄部とを備えて成ることを特
徴とする。
【0007】
【作用】第1の発明の構成によれば、注入用FETであ
る正孔注入源を備えており、第2の発明の構成によれ
ば、活性層と、活性層上に離間配置した一方及び他方の
オーミック電極と、これらオーミック電極の間の活性層
に設けた電流狭窄部とを有する正孔注入源を備えてい
る。従って、半絶縁性化合物半導体基板中の深い準位に
電子が捕獲されている場合に、正孔を、正孔注入源を介
して基板中に注入し深い準位の捕獲電子と再結合させる
ことができ、従って捕獲電子を消失させることができ
る。
【0008】しかも回路用FET近傍に正孔注入源を設
けているので、回路用FET近傍領域の捕獲電子を消失
させることができる。なお、この正孔注入源とは、回路
用FET近傍領域の捕獲電子を消失させるためのもので
あり、当該回路用FETを構成するものではない。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照し、この発明の実施例につ
き説明する。尚、図面はこの発明が理解できる程度に概
略的に示してあるにすぎず、従ってこの発明を図示例に
限定するものではない。
【0010】図1及び図2はこの発明の第一実施例の要
部構成を概略的に示す断面図及び平面図である。これら
図においては集積回路の主として回路用FET及び正孔
注入源を設けた部分の構成を示した。
【0011】この実施例の集積回路は、回路用FET1
2及びこのFET12近傍に設けた正孔注入源14とこ
れら以外の他の電気回路素子(図示せず)とを、半絶縁
性化合物半導体基板10上に設けて成る。
【0012】この実施例では、基板10を半絶縁性Ga
As基板とし、回路用FET12及び正孔注入源14を
リセス構造のGaAsFETとする。そして基板面10
a上にアンドープGaAsバッファ層16を介して回路
用FET12、正孔注入源14及び図示しない他の電気
回路素子を設ける。正孔注入源14から正孔が拡散する
範囲内に、回路用FET12を設ける。
【0013】回路用FET12は、素子形成領域P1の
バッファ層16上に設けたn−GaAs活性層181
と、活性層181上に互いに離間させて設けたn+ −G
aAsコンタクト層191及び192と、これらコンタ
クト層191及び192の間の領域の活性層181に設
けたリセス201と、リセス201内に設けたゲート電
極221と、コンタクト層191及び192上に設けた
ソース電極241及びドレイン電極261とを備えて成
る。さらに正孔注入源14は、素子形成領域P2のバッ
ファ層16上に設けたn−GaAs活性層182と、活
性層182上に互いに離間させて設けたn+ −GaAs
コンタクト層193及び194と、これらコンタクト層
193及び194の間の領域の活性層182に設けたリ
セス202と、リセス202内に設けたゲート電極22
2と、コンタクト層193及び194上に設けたソース
電極242及びドレイン電極262とを備えて成る。
【0014】ゲート電極221、222はショットキー
電極、またソース電極241、242及びドレイン電極
261、262はオーミック電極である。尚、コンタク
ト層191〜194を設けたほうが好ましいが、これら
コンタクト層を必ずしも設けなくとも良い。また正孔注
入源14をリセス構造以外の任意好適な構造のFET、
例えばイオン注入プロセスを用いて形成したセルフアラ
インゲート構造のFETとしても良い。
【0015】また回路用FET12、正孔注入源14及
び図示しない他の電気回路素子をそれぞれ、素子分離部
28により、電気的に絶縁分離する。素子分離部28は
酸素イオン注入層であって、その形成に当っては、基板
面10a上に順次に、アンドープGaAsバッファ層1
6、n−GaAs層18及びn+ −GaAs層19を積
層したのち、回路用FET12、正孔注入源14及び他
の電気回路素子の間の絶縁分離を行なうべき領域(絶縁
分離領域)に酸素イオンを注入する。この際、酸素イオ
ンをn+ −GaAs層19からバッファ層16或は基板
10に至る深さまで注入する。酸素イオンを注入した部
分により素子分離部28を形成し、酸素イオンが注入さ
れなかった素子形成領域の部分のn−GaAs層18に
より活性層181及び182を、また素子形成領域の部
分のn+ −GaAs層19によりコンタクト層191〜
194を形成する。このようにして形成された素子分離
部28を、図1中に点線で囲み白抜き丸印を付して示し
た。尚、素子分離部28は酸素イオン注入層以外の任意
好適な素子分離手段例えば溝としても良い。
【0016】正孔注入源14で正孔を生成する場合は、
活性層182で衝突電離が生じるような大きさの電圧を
ソース電極242及びドレイン電極262の間に印加
し、衝突電離により正孔を生成する。この際、正孔注入
源14のゲート電極222を接地しても良いし、ゲート
電極222に電圧を印加しても良い。任意好適な大きさ
の電圧をゲート電極222に印加することにより、正孔
の生成効率を高めることもできる。生成された正孔は、
素子分離部28、バッファ層16或は基板10を介して
回路用FET12近傍の基板10中へと流れ込み、回路
用FET14近傍領域の基板10中の深い準位に捕獲さ
れている電子と再結合する。
【0017】ソース電極242を接地し或はソース電極
242に負電位を印加すると共にドレイン電極262に
正電位を印加した場合、活性層182において生成され
た正孔はドレイン電極262側よりもソース電極242
側に効率良く注入されるので、回路用FET12近傍領
域の基板10へ効率よく正孔を注入するためには正孔注
入源14のソース電極242側を回路用FET12に近
づけて配置するのが好ましい。尚、回路用FET12の
各構成成分と正孔注入源14の各構成成分との位置関係
を図示例に限定するものではなく、正孔注入源14から
の正孔を回路用FET12近傍領域の基板10中へ注入
できるのであれば、その位置関係は問わない。
【0018】次にこの実施例の集積回路が備える電気回
路素子のうち回路用FET12及び正孔注入源14に着
目し、これら回路用FET12及び正孔注入源14の製
造工程につき説明する。図3及び図4は回路用FET1
2及び正孔注入源14の主要な製造工程を段階的に示す
断面図である。
【0019】まず、MBE(Molecular Beam Epitaxy)
法により、アンドープGaAsバッファ層16、Siド
ープn−GaAs層18及びn+ −GaAs層19を順
次に、半絶縁性GaAs基板10上に積層する(図3
(A))。
【0020】次に回路用FET12、正孔注入源14及
び他の電気回路素子を絶縁分離するための絶縁分離領域
に酸素イオンを注入し、酸素イオン注入層より成る素子
分離部28を形成する(図3(B))。この際、酸素イ
オンをn+ −GaAs層19からバッファ層16に至る
深さまで注入する。素子形成領域P1及びP2の部分の
n−GaAs層18が回路用FET12の活性層181
及び正孔注入源14の活性層182となる。
【0021】次に素子形成領域P1の部分のn+ −Ga
As層19上にソース電極241及びドレイン電極26
1を離間させて形成すると共に、素子形成領域P2の部
分のn+ −GaAs層19上にソース電極242及びド
レイン電極262を離間させて形成する(図3
(C))。
【0022】次にソース電極241とドレイン電極26
1との間の部分のn+ −GaAs層19及び活性層18
1をエッチングして切り欠き、これにより素子形成領域
P1のn+ −GaAs層19を2つに分断してコンタク
ト層191及び192を形成しかつ活性層181にリセ
ス201を形成する。これと共に、ソース電極242と
ドレイン電極262との間の部分のn+ −GaAs層1
9及び活性層182をエッチングして切り欠き、これに
より素子形成領域P2のn+ −GaAs層19を2つに
分断してコンタクト層193及び194を形成しかつ活
性層182にリセス202を形成する(図4(A))。
【0023】次にリセス201内にゲート電極221を
形成すると共に、リセス202内にゲート電極222を
形成する(図4(B))。
【0024】上述した説明からも理解できるように、こ
の実施例では回路用FET12及び正孔注入源14を同
一の製造プロセスで並行して形成できる。
【0025】次に、この実施例の正孔注入源14により
行なった正孔注入が、バックゲート効果、サイドゲート
効果及びゲイン変動に及ぼす影響を調べた実験につき説
明する。
【0026】図5は実験装置の要部構成を概略的に示す
断面図である。同図に示す実験装置は、基板面10a上
にバッファ層16を介して設けた回路用FET12、正
孔注入源14及び実験用素子30と、基板面10aとは
反対側の基板面10bに設けたオーミック電極32とを
備える。この実験装置では、実験の便宜を図るため、上
述した実施例の集積回路が備えていた電気回路素子のう
ち回路用FET12及び正孔注入源14を除く素子は設
けなかった。
【0027】実験用素子30はサイドゲート効果を調べ
るための素子であり、素子形成領域P3のバッファ層1
6上に順次に、n−GaAs層183、n+ −GaAs
層195及びオーミック電極34を設けて成る。オーミ
ック電極32はバックゲート効果を調べるための電極で
ある。以下、オーミック電極34をサイドゲート電極3
4、及びオーミック電極32をバックゲート電極32と
称する。
【0028】また正孔注入源14を回路用FET12か
ら距離Lhjだけ離間させて回路用FET12の一方の側
に配置すると共に、実験用素子30を回路用FET12
から距離Lsgだけ離間させて回路用FET12の他方の
側に配置する。
【0029】これら回路用FET12、正孔注入源14
及び実験用素子30をそれぞれ素子分離部28により電
気的に絶縁分離し、その形成に当っては、バッファ層1
6上に順次にn−GaAs層18、及びn+ −GaAs
層19を積層したのち、回路用FET12、正孔注入源
14及び実験用素子30の素子形成領域を除く領域(絶
縁分離領域)に酸素イオンを注入する。この際、酸素イ
オンをn+ −GaAs層19からバッファ層16に至る
深さまで注入する。絶縁分離領域の酸素イオンを注入し
た部分が素子分離部28となる。
【0030】図6はバックゲート効果に関する実験結果
を示す図であり、図の縦軸は回路用FET12のドレイ
ン電流Ids1 [mA]を及び横軸はバックゲート電圧
(バックゲート電極32に印加する電圧)VB [V]を
表す。
【0031】バックゲート効果に関する実験では、図5
の実験装置を用い、回路用FET12及び正孔注入源1
4のゲート長を0.3μmそしてゲート幅を10μmと
し、回路用FET12及び正孔注入源14の離間距離L
hjを20μmとした。また、回路用FET12のソース
電極241及びゲート電極221を共通接続して接地す
ると共にドレイン電極261を電源Vds1 を介してアー
スと接続し、同様に、正孔注入源14のソース電極24
2及びゲート電極222を共通接続して接地すると共に
ドレイン電極262を電源Vds2 を介してアースと接続
した。さらに、バックゲート電極32を電源VB を介し
てアースと接続した。
【0032】そして回路用FET12のドレイン電圧V
ds1 を一定値に保持したまま、正孔注入源14のドレイ
ン電圧Vds2 及びバックゲート電圧VB の値をそれぞれ
変化させて、回路用FET12のドレイン電流Ids1
バックゲート電圧VB に対する依存性を調べた。このよ
うにして得たドレイン電流Ids1 の特性曲線を、図中に
符号A0 〜A4 を付して示す。
【0033】特性曲線A0 、A1 、A2 、A3 及びA4
を得たときのドレイン電圧Vds1 は全て共通の電圧値1
[V]及びドレイン電圧Vds2 はそれぞれ0、1、2、
3及び4[V]であり、各特性曲線を得たときのドレイ
ン電圧Vds1 、Vds2 を前述の電圧値に一定に保持した
ままバックゲート電圧VB を0〜−20[V]の範囲で
変化させて、各特性曲線を得た。尚、バックゲート効果
に関する実験ではサイドゲート電極34はオープンとす
る。
【0034】図6の実験例では、ドレイン電圧Vds2
0、1及び2[V]とした場合(特性曲線A0 、A1
びA2 の場合)は、いずれの場合においても、ドレイン
電流Ids1 特性は殆ど同じであり、バックゲート電圧V
B =0〜約−2[V]の範囲ではドレイン電流Ids1
ほぼ一定で変化しないがバックゲート電圧VB =約−2
〜−20[V]の範囲ではバックゲート電圧VB が低く
なるに従ってドレイン電流Ids1 が減少してゆく。
【0035】ドレイン電圧Vds2 を3[V]とした場合
(特性曲線A3 の場合)は、ドレイン電流Ids1 の減少
割合がドレイン電圧Vds2 を0、1或は2[V]とした
場合と比較して僅かではあるが緩やかになるが、しかし
ドレイン電流Ids1 の減少が依然として目立つ。
【0036】ドレイン電圧Vds2 を4[V]とした場合
(特性曲線A3 の場合)は、バックゲート電圧VB =0
〜−20[V]の全範囲にわたり、ドレイン電流Ids1
がほぼ一定となり従ってドレイン電流Ids1 のバックゲ
ート電圧VB に対する依存性(バックゲート効果)が無
くなっていることが理解できる。
【0037】図7は正孔注入源の電流−電圧特性に関す
る実験結果を示す図である。同図に示す電流−電圧特性
は、上述のバックゲート効果に関する実験で用いた実験
装置が備える正孔注入源14において、ドレイン電圧V
ds2 を変化させてドレイン電流Ids2 を測定して得たの
ものであり、同図の縦軸にドレイン電流Ids2 [mA]
を及び横軸にドレイン電圧Vds2 [V]を取って示し
た。
【0038】図からも理解できるように、ドレイン電流
ds2 は、ドレイン電圧Vds2 =0〜約0.6[V]の
範囲ではドレイン電圧Vds2 増加とともに大きく増加
し、ドレイン電圧Vds2 =約0.6〜約3[V]の範囲
ではドレイン電圧Vds2 増加とともに緩やかに増加し、
ドレイン電圧Vds2 =約3〜約4.6[V]の範囲では
ドレイン電圧Vds2 増加とともに比較的大きく増加す
る。
【0039】ドレイン電流Ids2 がドレイン電圧Vds2
=約3〜約4.6[V]の範囲で再び大きく増加する現
象は、正孔注入源14の活性層182において衝突電離
が起こりこれによって生成された正孔がバッファ層16
を介して基板10へ注入されたことを表す現象であると
考えられる。
【0040】一方、図6の実験結果において、正孔注入
源14のドレイン電圧Vds2 を3及び4[V]としたと
きに回路用FET12のドレイン電流Ids1 の減少割合
が緩やかになり、従って正孔注入源14による正孔の生
成開始或は注入開始とともに、ドレイン電流Ids1 の減
少割合が緩やかになることが理解できる。
【0041】回路用FET12のドレイン電流Ids1
減少は、基板10中の深い準位に捕獲された電子の作用
により空乏層が回路用FET12のチャネルを狭めるよ
うに延びることに起因するものであり、従って捕獲電子
の一部又は全部を正孔と再結合させて消失させることに
より、ドレイン電流Ids1 の減少割合を少なくしより好
ましくはドレイン電流Ids1 の減少を無くすことができ
ると考えられる。
【0042】図8はサイドゲート効果に関する実験結果
を示す図であり、図の縦軸は回路用FET12のドレイ
ン電流Ids1 [mA]を及び横軸はサイドゲート電圧
(サイドゲート電極32に印加する電圧)Vsg[V]を
表す。
【0043】サイドゲート効果に関する実験では、図5
の実験装置を用い、回路用FET12及び正孔注入源1
4のゲート長を0.3μmそしてゲート幅を10μmと
し、回路用FET12及び正孔注入源14の離間距離L
hjを30μmとした。また、回路用FET12のソース
電極241及びゲート電極221を共通接続して接地す
ると共にドレイン電極261を電源Vds1 を介してアー
スと接続し、同様に、正孔注入源14のソース電極24
2及びゲート電極222を共通接続して接地すると共に
ドレイン電極262を電源Vds2 を介してアースと接続
した。さらに回路用FET12及び実験用素子30の離
間距離Lsgは30μmとし、サイドゲート電極34を電
源Vsgを介してアースと接続した。
【0044】そして回路用FET12のドレイン電圧V
ds1 を一定値に保持したまま、正孔注入源14のドレイ
ン電圧Vds2 及びサイドゲート電圧Vsgの値をそれぞれ
変化させて、ドレイン電流Ids1 のサイドゲート電圧V
sgに対する依存性を調べた。このようにして得たドレイ
ン電流Ids1 の特性曲線を、図中に符号B0 及びB1
付して示す。
【0045】特性曲線B0 及びB1 を得たときのドレイ
ン電圧Vds1 は共通の電圧値1[V]及びドレイン電圧
ds2 はそれぞれ0及び6[V]であり、各特性曲線を
得たときのドレイン電圧Vds1 、Vds2 を前述の電圧値
に一定に保持したままサイドゲート電圧Vsgを0〜−1
0[V]の範囲で変化させて、各特性曲線を得た。尚、
サイドゲート効果に関する実験ではバックゲート電極3
2の印加電圧を0[V]とする。
【0046】図8の実験例では、ドレイン電圧Vds2
0[V]とした場合(特性曲線B0の場合)は、サイド
ゲート電圧Vsgを0[V]から−10[V]へ減少させ
てゆくとサイドゲート電圧Vsg=約−2.8Vでドレイ
ン電流Ids1 が減少し始める。一方、ドレイン電圧V
ds2 を6[V]とした場合(特性曲線B1 の場合)は、
サイドゲート電圧Vsg=約−5.8Vでドレイン電流I
ds1 が減少し始める。従って、正孔注入によりサイドゲ
ート効果が抑制されていることが理解できる。サイドゲ
ート電極34から基板10中へ注入され深い準位に捕獲
された電子を、正孔と再結合させて消失させた分だけ、
サイドゲート効果を抑制できるものと考えられる。
【0047】図9(A)及び(B)はゲイン変動に関す
る実験結果を示す図であり、これら図の横軸は回路用F
ET12のゲート電極221に印加する電気信号の周波
数(信号周波数)x[Hz]を対数目盛で、左側の縦軸
は回路用FET12のゲインga [dB]を及び右側の
縦軸は信号周波数xにおけるゲインga から信号周波数
20[Hz]におけるゲインga を差し引いて得られる
ゲインの差分Δga [dB]を表す。
【0048】ゲイン変動に関する実験では、図5の実験
装置において実験用素子30を省略した構造の実験装置
を用い、回路用FET12及び正孔注入源14のゲート
長を0.3μmそしてゲート幅を150μmとし、回路
用FET12及び正孔注入源14の離間距離Lhjを30
μmとした。また、回路用FET12のソース電極24
1を接地し、ゲート電極221を信号源(図示せず)を
介してアースと接続すると共にドレイン電極261を電
源Vds1 を介してアースと接続し、さらに正孔注入源1
4のソース電極242及びゲート電極222を共通接続
して接地すると共にドレイン電極262を電源Vds2
介してアースと接続した。
【0049】そして、回路用FET12のドレイン電圧
ds1 を一定値に保持したまま正孔注入源14のドレイ
ン電圧Vds2 及び信号周波数xを変化させてゲインga
及び差分Δga の信号周波数xに対する依存性を調べ
た。このようにして得たゲインga 及び差分Δga の特
性曲線を、図9(A)中に符号C0 及びD0 を付して示
すと共に、図9(B)中に符号C1 及びD1 を付して示
す。
【0050】特性曲線C0 、D0 及びC1 、D1 を得た
ときのドレイン電圧Vds1 は共通の電圧値2[V]、ま
た特性曲線C0 、D0 を得たときのドレイン電圧Vds2
は0[V]及び特性曲線C1 、D1 を得たときのドレイ
ン電圧Vds2 は5[V]であり、各特性曲線を得たとき
のドレイン電圧Vds1 、Vds2 を前述の電圧値に一定に
保持したまま信号周波数xを10〜1M[Hz]の範囲
で変化させて、各特性曲線を得た。尚、ゲイン変動に関
する実験では、バックゲート電極32はオープンとす
る。
【0051】図9(A)の特性曲線C0 及びD0 は、正
孔注入源14による正孔注入を行なわない状態でのゲイ
ンga 及び差分Δga の変化の様子を表す。正孔注入を
行なわない状態では、信号周波数xを増加させてゆく
と、信号周波数xがほぼ100[Hz]となる時点から
ゲインga 及び差分Δga が減少し始める。信号周波数
xがほぼ100〜20K[Hz]の範囲ではゲインga
及び差分Δga の減少量は少ないが、信号周波数xがほ
ぼ20K[Hz]を越える当りからゲインga 及び差分
Δga の減少量が非常に大きくなる。
【0052】一方、図9(B)の特性曲線C1 及びD1
は、正孔注入源14による正孔注入を行なっている状態
でのゲインga 及び差分Δga の変化の様子を表す。正
孔注入を行なっている状態でも、信号周波数xがほぼ1
00[Hz]となる時点からゲインga 及び差分Δga
が減少し始める。しかし、信号周波数xがほぼ100〜
1M[Hz]の範囲でゲインga 及び差分Δga の減少
量が少なく、その減少量は正孔注入を行なわない場合よ
りもずっと少ない。このように、正孔注入を行なうこと
により、ゲイン変動を小さくし或は殆ど無くすことがで
きる。
【0053】尚、図9(A)の実験例では、信号周波数
20[Hz]におけるゲインga は約14.13[d
B]、また信号周波数50K[Hz]及び20[Hz]
におけるゲインga の差分Δga は約−0.45[d
B]であった。一方、図9(B)の実験例では、信号周
波数20[Hz]におけるゲインga は約13.78
[dB]、また信号周波数50K[Hz]及び20[H
z]におけるゲインga の差分Δga は約−0.15
[dB]であった。
【0054】図10はこの発明の第二実施例の要部構成
を概略的に示す断面図である。尚、第一実施例の構成成
分に対応する構成成分については同一の符号を付して示
し、第一実施例と同様の点についてはその詳細な説明を
省略する。
【0055】この実施例の集積回路は、正孔注入源36
を備え、正孔注入源36の構成が異なるほかは第一実施
例と同様の構成を有する。
【0056】正孔注入源36は素子形成領域P2のバッ
ファ層16上に設けたn−GaAs活性層38と、活性
層38上に互いに離間させて設けたn+ −GaAsコン
タクト層40及び42と、これらコンタクト層40及び
42の間の領域の活性層38に設けた電流狭窄部44
と、コンタクト層40及び42上に設けたオーミック電
極46及び48とを備えて成る。電流狭窄部44はリセ
スである。電流狭窄部44を設けることにより活性層3
8の電流路を狭窄し衝突電離を生じ易くする。
【0057】正孔注入源36の活性層38、コンタクト
層40、42、電流狭窄部44、オーミック電極46及
び48はそれぞれ、第一実施例の正孔注入源14の活性
層182、コンタクト層193、194、リセス20
2、ソース電極242及びドレイン電極262と同様に
形成され、従って正孔注入源36の構成は、第一実施例
の正孔注入源14においてゲート電極222を取り除い
た場合の構成と同様である。
【0058】正孔注入源36で正孔を生成する場合は、
活性層38で衝突電離が生じるような大きさの電圧をオ
ーミック電極44及び46の間に印加し、衝突電離によ
り正孔を生成する。回路用FET12近傍領域の基板1
0中へ効率よく正孔を注入するためには、回路用FET
12に近い側のオーミック電極46に負電位及び遠い側
のオーミック電極48に正電位を印加するのが好まし
い。
【0059】図11はこの発明の第三実施例の要部構成
を概略的に示す断面図である。尚、第一実施例の構成成
分に対応する構成成分については同一の符号を付して示
し、第一実施例と同様の点についてはその詳細な説明を
省略する。
【0060】この実施例の集積回路は、正孔注入源50
を備え、正孔注入源50の構成が異なるほかは第一実施
例と同様の構成を有する。
【0061】正孔注入源50は素子形成領域P2のバッ
ファ層16上に設けたn−GaAs活性層52と、活性
層52上に互いに離間させて設けたn+ −GaAsコン
タクト層54及び56と、これらコンタクト層54及び
56の間の領域の活性層52に設けた電流狭窄部58
と、コンタクト層54及び56上に設けたオーミック電
極60及び62とを備えて成る。電流狭窄部58は絶縁
層例えば酸素イオン注入層である。
【0062】次にこの実施例の集積回路が備える電気回
路素子のうち正孔注入源50に着目し、正孔注入源50
の製造工程につき概略的に説明する。図12は正孔注入
源50の製造工程を段階的に示す要部断面図である。
【0063】正孔注入源50を製造するに当っては、基
板10上に順次に、アンドープGaAsバッファ層1
6、n−GaAs層18及びn+ −GaAs層19を積
層し、然る後、素子分離部28を形成して素子形成領域
P2のn−GaAs層18及びn+ −GaAs層19を
他の電気回路素子と電気的に絶縁分離する(図12
(A)。素子分離領域P2のn−GaAs層18が活性
層52となる。
【0064】その後、素子形成領域P2のn+ −GaA
s層19及び活性層52のうち電流狭窄部58に対応す
る領域に酸素イオンを注入し(図12(B))、正孔注
入源50を完成する。この酸素イオン注入により素子形
成領域P2のn+ −GaAs層19を電気的に絶縁分離
された2つの部分に分割し、これらをそれぞれコンタク
ト層54、56とする。また酸素イオン注入により電流
狭窄部58としての絶縁層を活性層52に形成し、活性
層52の電流路を狭窄する。
【0065】次にこの実施例の正孔注入源50の電流−
電圧特性につき説明する。図13は第三実施例の正孔注
入源50の電流−電圧特性を概念的に表す図であり、図
の縦軸及び横軸はそれぞれ、オーミック電極60、62
間の電流及び電圧を表す。図中、正孔注入源50及びこ
れと比較するための比較用素子の電流−電圧特性曲線を
それぞれ、符号E0 及びE1 を付して示した。比較用素
子は、活性層52に電流狭窄部58を設けていないほか
は正孔注入源50と同様の構成を有する素子である。
【0066】この実施例の正孔注入源50の電流−電圧
特性は、図1の正孔注入源14と同様の傾向を示すと予
想され、図13にも示すように、正孔注入源50のオー
ミック電極間電流はオーミック電極間電圧が0Vから増
加するに従って増加してゆきやがてほぼ一定となる。さ
らにオーミック電極間電圧が増加すると衝突電離が生じ
これに起因してオーミック電極間電流が再び増加してゆ
く。
【0067】一方、比較用素子の場合は、正孔注入源5
0で衝突電離が発生する電圧で衝突電離は生じず、従っ
て、電流狭窄部58を設けて活性層52の電流路を狭窄
したほうが、より低い電圧で正孔を基板10中へ注入で
きると予想される。
【0068】図14はこの発明の第四実施例の要部構成
を概略的に示す断面図である。尚、第一実施例の構成成
分と対応する構成成分については同一の符号を付して示
し、第一実施例と同様の点についてはその詳細な説明を
省略する。
【0069】この実施例の集積回路は、正孔注入源64
を備え、正孔注入源64の構成が異なるほかは第一実施
例と同様の構成を有する。
【0070】正孔注入源64はショットキー接合型のダ
イオードであって、素子形成領域P2のバッファ層16
上に設けたn−GaAs半導体層66と、半導体層66
の一方の側に設けたショットキー電極(アノード電極)
68と、半導体層66の他方の側に順次に設けたn+
GaAsコンタクト層70及びオーミック電極(カソー
ド電極)72とを備えて成る。
【0071】正孔注入源64により正孔を生成する場合
には、ショットキー電極68を接地し或はショットキー
電極68に負電位を印加すると共にオーミック電極72
に正電位を印加する(これら電極68及び72間に逆バ
イアス電圧を印加する)ことにより、半導体層66で衝
突電離を生じさせる。
【0072】次にこの実施例の集積回路が備える電気回
路素子のうち正孔注入源64に着目し、正孔注入源64
の製造工程につき概略的に説明する。図15は正孔注入
源64の製造工程を段階的に示す要部断面図である。
【0073】正孔注入源64を製造するに当っては、基
板10上に順次に、アンドープGaAs層16、n−G
aAs層18及びn+ −GaAs層19を積層し、然る
後、素子分離部28を形成し素子形成領域P2のn−G
aAs層18及びn+ −GaAs層19を他の電気回路
素子と電気的に絶縁分離する(図15(A))。素子形
成領域P2のn−GaAs層18が半導体層66とな
る。
【0074】その後、素子形成領域P2のn+ −GaA
s層19の他方の側をエッチング除去して、半導体層6
6の他方の側を露出させると共に素子形成領域P2のn
+ −GaAs層19の一方の側をコンタクト層70とし
て残存させる(図15(B))。
【0075】その後、コンタクト層70にオーミック電
極72を形成し、然る後、半導体層66の他方の側にシ
ョットキー電極68を形成し(図15(C))、正孔注
入源64を完成する。
【0076】尚、正孔注入源64をここに述べた以外の
任意好適な構成のショットキー接合型のダイオードとし
てもよい。
【0077】図16はこの発明の第五実施例の要部構成
を概略的に示す断面図である。尚、第一実施例の構成成
分と対応する構成成分については同一の符号を付して示
し、第一実施例と同様の点についてはその詳細な説明を
省略する。
【0078】この実施例の集積回路は、正孔注入源74
を備え、正孔注入源74の構成が異なるほかは第一実施
例と同様の構成を有する。
【0079】正孔注入源74はpn接合型のダイオード
であって、素子形成領域P2のバッファ層16上に設け
られpn接合を形成するp−GaAs半導体層76及び
nーGaAs半導体層78と、半導体層76に順次に設
けたp+ −GaAsコンタクト層80及びオーミック電
極(アノード電極)82と、半導体層78に順次に設け
たn+ −GaAsコンタクト層84及びオーミック電極
(カソード電極)86とを備えて成る。
【0080】次にこの実施例の集積回路が備える正孔注
入源74に着目し、この正孔注入源74の製造工程につ
き概略的に説明する。図17は正孔注入源74の製造工
程を概略的に示す要部断面図である。
【0081】正孔注入源74を製造するに当っては、基
板10上に順次に、アンドープGaAs層16、n−G
aAs層18及びn+ −GaAs層19を積層し、然る
後、素子分離部28の形成領域に酸素イオンを注入して
素子分離部28を形成すると共に素子形成領域P2内の
p型半導体露出領域P2P に酸素イオンを注入して酸素
イオン注入層88を形成する(図17(A))。この
際、酸素イオンをアンドープGaAsバッファ層16或
は基板10に至る深さh1まで注入する。素子形成領域
P2内のn型半導体露出領域P2N には酸素イオンを注
入しない。p型半導体露出領域P2P のn+ −GaAs
層19部分及びn−GaAs層18部分がコンタクト層
84及びn型半導体層78となる。
【0082】その後、p型半導体層76を形成するため
のp型不純物イオンを、p型半導体露出領域P2P に注
入する。この際、p型不純物イオンをn−GaAs層1
8の深さよりも深くかつ酸素イオン注入層88の深さよ
りも浅い深さh2まで注入する(図17(B))。n型
半導体露出領域P2N にはp型不純物イオンを注入しな
い。尚、p型不純物イオンの注入領域を符号90を付し
て示す。
【0083】その後、アニール処理を行なってp型半導
体露出領域P2P に注入したp型不純物イオンを活性化
し、p型半導体露出領域P2P にp型半導体層76を形
成する(図17(C))。
【0084】その後、p+ −GaAsコンタクト層80
及びオーミック電極82を、p型半導体露出領域P2P
のp型半導体層76の露出面上に形成し、然る後、オー
ミック電極86を、n型半導体露出領域P2N のコンタ
クト層84の露出面上に形成し、正孔注入源74を完成
する。
【0085】尚、正孔注入源74をここに述べた以外の
任意好適な構成のpn接合型のダイオードとしても良
い。また上述した例では、p型不純物イオンをn型半導
体露出領域P2N に注入しないようにp型半導体露出領
域P2P に注入してn型半導体層78及びp型半導体層
76を形成したが、このほか例えば、p型不純物イオン
を素子形成領域P2全面にわたって注入して、n型半導
体層78及びp型半導体層76を形成するようにしても
良い。この場合には、n型半導体露出領域P2Nのn+
−GaAs層19及びn−GaAs層18をn型半導体
に維持するように、p型不純物イオンのドーズ量を調整
する。そしてn型半導体露出領域P2N の部分の層1
8、19によりn型半導体層78を形成し、この半導体
層78上に順次にコンタクト層84及びオーミック電極
86を形成すれば良い。
【0086】この発明は上述した実施例にのみ限定され
るものではなく、従って各構成成分の形状、配設位置、
形成材料、導電型、電圧の印加の仕方、製造方法、数値
的条件及びそのほかを任意好適に変更できる。
【0087】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、第
1の発明によれば、注入用FETである正孔注入源を備
えており、第2の発明によれば、活性層と、活性層上に
離間配置した一方及び他方のオーミック電極と、これら
オーミック電極の間の活性層に設けた電流狭窄部とを有
する正孔注入源を備えている。従って、半絶縁性化合物
半導体基板中の深い準位に電子が捕獲されている場合
に、正孔を、正孔注入源を介して基板中に注入し深い準
位の捕獲電子と再結合させ、これにより捕獲電子を消失
させることができる。しかも回路用FET近傍に正孔注
入源を設けているので、回路用FET近傍領域の捕獲電
子を消失させることができる。
【0088】従って回路用FETがnチャネルFETで
ある場合に、バックゲート効果或はサイドゲート効果に
よって回路用FETのドレイン電流が減少するのを防止
できる。また回路用FETのゲート電極に印加する電気
信号の周波数を高くした場合に、ゲインが大きく減少す
るのを防止できる。
【0089】正孔の注入量を任意好適に制御することに
より回路用FET近傍における基板のポテンシャルを一
定に保つことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例の構成を概略的に示す要
部断面図である。
【図2】この発明の第一実施例の構成を概略的に示す要
部平面図である。
【図3】(A)〜(C)は回路用FET及び正孔注入源
の製造工程を段階的に示す要部断面図である。
【図4】(A)〜(B)は回路用FET及び正孔注入源
の製造工程を段階的に示す要部断面図である。
【図5】実験装置の構成を概略的に示す要部断面図であ
る。
【図6】バックゲート効果に関する実験結果を概略的に
示す図である。
【図7】正孔注入源の電流−電圧特性に関する実験結果
を概略的に示す図である。
【図8】サイドゲート効果に関する実験結果を概略的に
示す図である。
【図9】(A)〜(B)はゲイン変動に関する実験結果
を示す図である。
【図10】この発明の第二実施例の構成を概略的に示す
要部断面図である。
【図11】この発明の第三実施例の構成を概略的に示す
要部断面図である。
【図12】(A)〜(C)は正孔注入源の製造工程を概
略的に示す要部断面図である。
【図13】正孔注入源の電流−電圧特性に関する実験結
果を概略的に示す図である。
【図14】この発明の第四実施例の構成を概略的に示す
要部断面図である。
【図15】(A)〜(C)は正孔注入源の製造工程を概
略的に示す要部断面図である。
【図16】この発明の第五実施例の構成を概略的に示す
要部断面図である。
【図17】(A)〜(C)は正孔注入源の製造工程を概
略的に示す要部断面図である。
【符号の説明】
10:半絶縁性GaAs基板 12:回路用FET 14、36、50、64、74:正孔注入源 181、182、38、52:活性層 201、202:リセス 221、222:ゲート電極 241、242:ソース電極 261、262:ドレイン電極 28:素子分離部 44、58:電流狭窄部 46、48、60、62、72、82、86:オーミッ
ク電極 66:半導体層 68:ショットキー電極 76:p型半導体層 78:n型半導体層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−254762(JP,A) 実開 昭55−2124(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/095 H01L 21/06 H01L 21/8232

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半絶縁性化合物半導体基板上に回路用F
    ETを含む電気回路素子を設けて成る集積回路におい
    て、 前記回路用FET近傍に設けた正孔注入源を備えて成
    り、かつ、 該正孔注入源は、注入用FETであることを特徴とする
    集積回路。
  2. 【請求項2】 半絶縁性化合物半導体基板上に回路用F
    ETを含む電気回路素子を設けて成る集積回路におい
    て、 前記回路用FET近傍に設けた正孔注入源を備えて成
    り、かつ、 該正孔注入源は、活性層と、活性層上に離間配置した一
    方及び他方のオーミック電極と、これらオーミック電極
    の間の活性層に設けた電流狭窄部とを備えて成ることを
    特徴とする集積回路。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の集積回路におい
    て、 前記正孔注入源から正孔が拡散する範囲内に前記回路用
    FETを設けて成ることを特徴とする集積回路。
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