JP3126665B2 - 色素組成物およびこれを用いてなるカラーフィルター - Google Patents

色素組成物およびこれを用いてなるカラーフィルター

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、480〜700n
mの可視光領域に吸収を有するキニザリン化合物
(A)、400〜650nmの可視光領域に吸収を有す
るアントラキノン化合物(B)および600〜700n
mの可視光領域に吸収を有するフタロシアニン化合物
(C)よりなる(A)〜(C)の3群のうちの少なくと
も2群より選んだそれぞれの化合物を配合させてなる色
素組成物およびこれを用いてなるカラーフィルターに関
するものである。
【0002】さらに、本発明に使用する色素組成物は、
400〜700nmの可視光領域に吸収を有し、樹脂に
対する溶解性に優れており、またこれらの色素組成物
は、耐光性あるいは耐熱性にも優れているので、光エレ
クトロニクス情報分野における可視領域に吸収を持つ表
示素材として、例えば、撮像管に用いる色分解フィルタ
ー、液晶表示用カラーフィルター、光学用カラーフィル
ター、プラズマディスプレイ表示用カラーフィルター等
に用いる際に優れた効果を発揮する。本発明は、特に各
々三原色用の液晶表示用カラーフィルターに用いる際に
非常に優れた効果を発揮するものである。
【0003】
【従来の技術】近年、液晶ディスプレイデバイス(LC
D)は、フルカラー、低価格化を軸にパソコン、ワープ
ロに加え、カーナビゲーションや携帯電話の表示装置用
などに利用が急速に広がり、市場は年々拡大を続けてい
る。このディスプレイのフルカラー化に不可欠なのがカ
ラーフィルターである。該カラーフィルターを用いたL
CDのフルカラー表示には、加法混色による目の積分効
果を利用して混合色を表示させる方法(直視型のカラー
LCD)、3原色の光を実際に重ね合わせて表示させる
方法(投射型プロジェクション)等があり、CRTと同
様に赤、緑、青(RGB)の3原色が採用されており、
そのカラーフィルターの画素配列としては、グラフィッ
クや文字など静止画像をシャープに表示するOA機器に
採用されるストライプ配列や鮮明な高解像表示が必要な
動画にはモザイク配列やトライアングル配列が選ばれて
いる。
【0004】これらのカラーフィルターの基本構造は、
通常、ガラス、プラスチック、撮像素子または薄膜トラ
ンジスター等の基板、該基板の上に微細な着色画素のパ
ターン配列による赤、緑、青(RGB)の各色に着色さ
れたカラーフィルター層、該カラーフィルター層の上に
保護膜、さらにその上に透明導電膜が積層された構成に
なっている。そして、その着色画素のパターン配列によ
る赤、緑、青(RGB)の各色に着色されたカラーフィ
ルター層の形成法としては、きまざまな方法が提案され
ている。
【0005】上記カラーフィルター層の構成成分である
色素材料は、染料を用いるか、顔料を用いるかによって
顔料系と染料系とに分けられる。
【0006】顔料系によるカラーフィルター層の製造方
法としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリイミド樹脂
やポバール系樹脂に顔料を分散させた着色層を用いる顔
料分散法、エポキシ系樹脂に顔料を分散させたインクを
用いる印刷法、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂に顔料
を分散させた着色層を用いる電着法が実用化されてい
る。この他に、新規な方法として顔料を分散したレジス
ト樹脂を塗布したRGBの3色のフィルムをそれぞれガ
ラス基板に張り付けて、剥離するとカラーフィルターが
形成されるという転写法や、顔料分散シリカのゾルを使
ってゾル−ゲル法によりポリシランフィルムを選択的に
着色する方法等も提案されている。しかしながら、いず
れの方法においても顔料の樹脂に対する分散性が十分で
ないため、カラーフィルターにしたときの透過率が不十
分であったり、コントラストが悪いといった点が問題と
なっている。
【0007】一方、染料系では、ゼラチン等の可染性樹
脂を用いて染色する染色法が実用化されており、色彩の
点では前記顔料系に比べて優れているが、耐熱性、耐久
性および耐薬品性が悪いといった点が問題となってい
る。
【0008】したがって、従来の染料系の色彩を保持し
てかつ耐久性の高い色素材料およびこれを用いてなるカ
ラーフィルターが求められている。
【0009】これらに対し、例えば、耐久性が高く、溶
剤に対して可溶性のある色素材料として、置換基をもつ
フタロシアニン化合物が知られている。可溶性のフタロ
シアニン化合物をカラーフィルターに用いた例として
は、特開平1一233401、特開平5−295283
号公報などが知られている。
【0010】しかしながら、前記フタロシアニン化合物
で特開平1−233401号公報記載のβ位に置換基を
有するフタロシアニン化合物は耐久性は優れているが、
透過特性が十分でなかった。
【0011】それらの欠点が比較的解決されたものとし
て特開平5−295283号には、α位にヘテロ原子を
有する置換基で置換されたフタロシアニン化合物が提案
されている。しかしながら、この化合物は緑色カラーフ
ィルター用色素として提案されたものであるにもかかわ
らず、緑色カラーフィルター用色素に適した透過特性を
得るために、イエロー色素を色素全体の50%前後とい
う大量に混合させる必要があり、透過特性の点で問題を
有している。また、このようなフタロシアニン化合物も
必ずしもすべての特性を満足すべきものでなく、よって
更なる良好な特性が望まれている。
【0012】また、アントラキノン化合物およびキニザ
リン化合物をカラーフィルター用色素として用いた例も
知られている。
【0013】例えば、特開昭62−197459号、特
開昭63−135454号、特開昭63−139948
号、特開昭63−223064号、特開昭63−221
170号、特開昭63−235371号、特開昭63−
235372号、特開平5−25599号等には、フィ
ルター用青色色素が、特開昭62−235366号、特
開昭63−268768号等には、フィルター用緑色色
素が、また特開平5−5067号等にはフィルター用赤
色色素が開示されている。
【0014】しかしながら、前記アントラキノン化合物
およびキニザリン化合物は、溶解性、耐久性、耐熱性、
透過特性のすべてを満足できるものではなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上記問題点を解決する
手段として、本発明者等は、すでに特願平7−2675
59号、特願平8−50260号および特願平8−70
627号において、樹脂に対する溶解性に優れた色素お
よびこれを用いてなるカラフィルターを提案している。
【0016】これらに提案する発明によれば、上記問題
点は解決できるものであるが、今日、カラーフィルター
用色素およびカラーフィルターにはより高性能化が求め
られており、特に色調を満足させるには、色度図上の実
在色の三角形において、できるだけ大きな三角形を占め
るべくRGB3原色色素およびこれを用いてなるカラー
フィルターを創出することが望まれている。こうした点
においては、上記に提案する発明では、なお不十分なも
のであった。
【0017】したがって、本発明の目的は、前述のよう
な従来の欠点を改良することを目的とするものであり、
樹脂に対する溶解性に優れた色素組成物およびこれを用
いてなるカラーフィルターを提供することにある。
【0018】本発明の他の目的は、樹脂に対する溶解性
に優れており、さらに耐光性および耐熱性に優れ、かつ
濁りがなく透明感があり、かつ色調の点でも優れた色素
組成物およびこれを用いてなるカラーフィルターを提供
することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】これらの諸目的は、下記
(1)〜(11)により達成される。
【0020】(1) キニザリン骨格において、5,
6,7および8位の1〜3個かつ6および7位の少なく
とも一方が第二級アミノ基であり、かつ5,6,7およ
び8位の残位が水素原子、ハロゲン原子、置換されてい
てもよいアルコキシ基、置換されていてもよいフェノキ
シ基、置換されていてもよいアルキルチオ基および置換
されていてもよいフェニルチオ基よりなる群から選ばれ
た少なくとも1種のものであるキニザリン化合物
(A)、アントラキノン骨格において、1,2,3およ
び4位の1〜3個が第二級アミノ基、置換されていても
よいアルコキシ基、置換されていてもよいフェノキシ
基、置換されていてもよいアルキルチオ基および置換さ
れていてもよいフェニルチオ基よりなる群から選ばれた
少なくとも1種のものであり、かつ1,2,3および4
位の残位が水素原子、ハロゲン原子であるアントラキノ
ン化合物(B)、およびフタロシアニン骨格のベンゼン
核の16個の置換可能な位置のうちの1〜8個が置換さ
れていても良いアルコキシ基および/または置換されて
いても良いフェノキシ基で置換されてなり、かつ残位が
水素原子またはハロゲン原子の少なくとも1種のもので
あるフタロシアニン化合物(C)、からなる(A)〜
(C)3群のうち少なくとも2群より選ばれたそれぞれ
の化合物を配合してなることを特徴とする色素組成物。
【0021】(2) 前記キニザリン化合物(A)が、
一般式(1)
【0022】
【化4】
【0023】(ただし、上記式(1)中、Zはハロゲン
原子またはNHX2 を表し、X、X2およびYは、相互
独立に、置換されていてもよいアルキル基または置換さ
れていてもよいアリール基を表し、pおよびqは共に0
〜3の整数を表し、p+qは3以下であり、pが2以上
の場合、OYは相互独立に同種または異種の置換基であ
り、qが2以上の場合、Zは相互独立に同種または異種
の置換基である。)で示されるキニザリン化合物である
上記(1)に記載の色素組成物。
【0024】(3) 前記アントラキノン化合物(B)
が、一般式(2)
【0025】
【化5】
【0026】(ただし、上記式(2)中、Vはハロゲン
原子またはOUを表し、TおよびUは、相互独立に、置
換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基また
は置換されていてもよいアリール基を表し、rおよびs
は共に1〜3の整数を表し、r+sは4以下であり、s
が2以上の場合、2つ以上のVは相互独立に同種または
異種の置換基である。)で示されるアントラキノン化合
物である上記(1)に記載の色素組成物。
【0027】(4) 前記フタロシアニン化合物(C)
が、一般式(3)
【0028】
【化6】
【0029】において、Mが2価もしくは配位子を有し
ている4価の金属であり、かつ置換されていてもよいア
ルコキシ基および/または置換されていてもよいフェノ
キシ基が2,3,6,7,10,11,14および15
位に少なくとも3個以上置換されてなる上記(1)に記
載の色素組成物。
【0030】(5) 上記(1)〜(4)のいずれか1
つに記載の色素組成物を用いてなることを特徴とするカ
ラーフィルター。
【0031】(6) 上記(2)に記載の一般式(1)
において、pが1〜2であり、X、Yがオルソ位に置換
基を持つアリール基で、かつ残位のZがフッ素原子であ
るキニザリン化合物(A)と、上記(3)に記載の一般
式(2)において、rが1であり、NHTがアントラキ
ノン骨格の2もしくは3位に位置し、Tがオルソ位に置
換基を持つアリール基で、Vの少なくとも1個が置換さ
れていてもよいアルコキシ基もしくは置換されていても
よいフェノキシ基で、かつ残位のVがフッ素原子である
アントラキノン化合物(B)と、の両者を配合してなる
色素組成物を用いてなることを特徴とする上記(5)に
記載の赤色カラーフィルター。
【0032】(7) 上記(3)に記載の一般式(2)
において、rが1であり、NHTがアントラキノン骨格
の2もしくは3位に位置し、Tがオルソ位に置換基をも
つアリール基で、Vの少なくとも1個が置換されていて
もよいアルコキシ基もしくは置換されていてもよいフェ
ノキシ基で、かつ残位のVがフッ素原子であるアントラ
キノン化合物(B)と、上記(4)に記載の一般式
(3)において、Mが配位子を有してなる4価の金属で
あり、フタロシアニン骨格のベンゼン核に置換されてい
るフェノキシ基の数が3〜5個で、該フェノキシ基のう
ちオルソ位に置換基を有するフェノキシ基の当該オルソ
位の置換基に含まれる原子のうちで水素原子を除いた原
子の原子半径の総計が3.0Å以上であり、残位がフッ
素原子であるフタロシアニン化合物(C)と、の両者を
配合してなる色素組成物を用いてなることを特徴とする
上記(5)に記載の緑色カラーフィルター。
【0033】(8) 上記(2)に記載の一般式(1)
において、Zの少なくとも1個がNHX2 であり、X、
2 がオルソ位に置換基をもつアリール基であるキニザ
リン化合物(A)と、上記(3)に記載の一般式(2)
において、rが1であり、NHTがアントラキノン骨格
の2もしくは3位に位置し、Tがオルソ位に置換基をも
つアリール基で、Vの少なくとも1個が置換されていて
もよいアルコキシ基もしくは置換されていてもよいフェ
ノキシ基であり、かつ残位のVがフッ素原子であるアン
トラキノン化合物(B)と、の両者を配合してなる色素
組成物を用いてなることを特徴とする上記(5)に記載
の緑色カラーフィルター。
【0034】(9) 上記(3)に記載の一般式(2)
において、NHTの少なくとも1個がアントラキノン骨
格の2もしくは3位に置換されており、かつTがアリー
ル基であり、該アリール基のオルソ位に置換基を有し、
かつ残位のVがフッ素原子であるアントラキノン化合物
(B)と、上記(4)に記載の一般式(3)おいて、M
が2価の金属であり、フタロシアニン骨格のベンゼン核
に置換されているフェノキシ基の数が3〜5個であり、
残位がフッ素原子であるフタロシアニン化合物(C)
と、の両者を配合してなる色素組成物を用いてなること
を特徴とする上記(5)に記載の青色カラーフィルタ
ー。
【0035】(10) 上記(3)に記載の一般式
(2)において、NHTの2個がアントラキノン骨格の
1,4位に置換されており、Tが置換されていてもよい
アルキル基またはシクロアルキル基で、かつ残位の2,
3位がVで置換されており、該Vがフッ素原子および/
またはOUであるアントラキノン化合物(B)と、上記
(4)に記載の一般式(3)おいて、Mが2価の金属で
あり、残位がフッ素原子であるフタロシアニン化合物
(C)と、の両者を配合してなる色素組成物を用いてな
ることを特徴とする上記(5)に記載の青色カラーフィ
ルター。
【0036】(11) 上記(2)に記載の一般式
(1)において、Zの少なくとも1個がNHX2 であ
り、該NHX2 がキニザリン骨格の6もしくは7位に位
置するキニザリン化合物(A)と、上記(4)に記載の
一般式(3)において、Mが2価の金属であるフタロシ
アニン化合物(C)と、の両者を配合してなる色素組成
物を用いてなることを特徴とする上記(5)に記載の青
色カラーフィルター。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明に係る新規なキニザリン化
合物(A)、アントラキノン化合物(B)およびフタロ
シアニン化合物(C)は、それぞれ特定の可視光領域に
吸収を有する化合物色素であって、いずれもが樹脂に対
する溶解性に優れ、さらに耐光性および耐熱性に優れ、
かつ濁りがなく透明感があり、かつ色調の点でも優れて
いるものであるが、さらに、これら(A)〜(C)の3
群のうちの少なくとも2群より選んだそれぞれの化合物
を適当に組み合わせて配合することにより得られる色素
組成物では、相互に余分な透過波長域を吸収し補完する
ことによって極めて純粋な赤、緑、青(RGB)3原色
の各原色を創出することができる。これにより、液晶パ
ネル上でカラー表示を実現するため必要とされる各画素
に対応したRGB各色を上記原色色素組成物を用いてパ
ターニングしたカラーフィルター層を形成してなるカラ
ーフィルターを得ることが可能となるものである。すな
わち、本発明では、ブラック・マトリックスを形成した
基板の上に染料法または顔料法により、例えば、上記
(A)または(C)群の緑色用色素と上記(B)群の調
色用黄色色素とを配合した色素組成物を用いて緑色カラ
ーフィルター層の着色画素のパターン配列を形成し、同
様に上記(A)または(B)群の青色用色素と(C)群
の青色用色素とを配合することで青色カラーフィルター
層の画素パターン配列を形成し、さらに(A)群の赤色
用色素と(B)群の調色用黄色色素を配合することで赤
色カラーフィルター層の画素パターン配列を順次繰り返
してRGBの3原色フィルター層を形成し得るものであ
る。さらにその上に保護膜、さらに必要により、その上
に透明導電膜を形成することで、本発明のカラーフィル
ターとし得るのである。かかる本発明のカラーフィルタ
ーでは、(A)〜(C)の3群の個々の色素の持ってい
た樹脂に対する溶解性、耐光性、耐熱性、透明感および
色調の点で優れるとした特性を損うことなく発現し得る
ものである。
【0038】以下に、本発明に係る色素組成物およびこ
れを用いてなるカラーフィルターにつき、それぞれの実
施の形態につき、より詳細に説明する。
【0039】I.色素組成物 本発明に係る色素組成物は、上述のごとく(A)〜
(C)の3群のうちの少なくとも2群の化合物を組み合
わせて配合してなるものであって、これにより相互に余
分な波長域成分を吸収し、シャープで純粋な原色波長の
みを透過することができる補完関係にあれば良い。すな
わち、これら(A)〜(C)の3群の化合物は、3原色
のうちの1原色波長域のみを透過するものだけではな
く、例えば、赤色色素として赤色の波長域(600〜7
00nm)で優れた透過特性(強い透過能)を有するほ
かに、余分な波長域である400〜500nmの青色の
波長域の一部も透過してしまう場合、これと相互補完関
係にある青色の波長域の波長を吸収する調色用黄色色素
化合物とを組合せることで、よりシャープで純粋な赤色
色素組成物とすることができるものである。同様にし
て、青色色素組成物および緑色用色素組成物も創出する
ことができる事は言うまでもない。
【0040】以下に、(A)〜(C)化合物の各群の実
施の形態につき説明する。
【0041】I-i. キニザリン化合物(A) 本発明に用いられるキニザリン化合物(A)は、樹脂に
対する溶解性に優れ、さらに耐光性および耐熱性に優
れ、かつ濁りがなく透明感があり、かつ色調の点でも優
れているものであり、また、キニザリン骨格において、
5,6,7および8位の1〜3個かつ6および7位の少
なくとも一方が第二級アミノ基であり、かつ5,6,7
および8位の残位が水素原子、ハロゲン原子、置換され
ていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいフェ
ノキシ基、置換されていてもよいアルキルチオ基および
置換されていてもよいフェニルチオ基よりなる群から選
ばれた少なくとも1種のものであるキニザリン化合物で
ある。
【0042】前記第二級アミノ基の少なくとも1個は、
置換基を有していてもよいアニリノ基であると、耐光性
が良好であることから好ましい。また該アニリノ基の置
換基は、エステル化されていてもよいカルボキシル基、
ニトロ基、置換されていてもよいシアノ基、置換されて
いてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキ
シ基およびハロゲン原子よりなる群から選ばれた少なく
とも1種のものである。一例を挙げると、例えば、一般
式(4)
【0043】
【化7】
【0044】[ただし、式(4)中、D1 は各々独立に
−COOR1 (R1 は水素原子または炭素原子数1〜1
8個、好ましくは1〜12個のアルキル基)、ニトロ
基、シアノ基、炭素原子数1〜8個、好ましくは1〜6
個のアルキル基、炭素原子数1〜8個、好ましくは1〜
6個のアルコキシ基およびハロゲン原子よりなる群から
選ばれた少なくとも1種のものであり、またtは0〜5
の整数、好ましくは1〜3の整数である。]で表わされ
るアニリノ基である。この場合、該アニリノ基の2およ
び6位が共に置換されているものが溶解性が優れている
ことから好ましい。
【0045】また、一般式(4)中のD1 の1種である
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子および臭素原
子を意味し、好ましくはフッ素原子および塩素原子であ
る。
【0046】また、前記アニリノ基以外の第二級アミノ
基としては、例えば−NHR2 (ただし、R2 は炭素原
子数1〜18個、好ましくは1〜12個のアルキル基で
ある。)がある。
【0047】また、前記のいくつかのアルキル基のう
ち、炭素原子数1〜6個のアルキル基とは、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチ
ル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、直鎖また
は分岐鎖のペンチル基、直鎖または分岐鎖のヘキシル基
を意味する。炭素原子数1〜8個のアルキル基とは、上
記のアルキル基の他に、直鎖または分岐鎖のヘプチル
基、直鎖または分岐鎖のオクチル基を意味する。炭素原
子数1〜12のアルキル基とは、上記のアルキル基の他
に、直鎖または分岐鎖のノニル基、直鎖または分岐鎖の
デシル基、直鎖または分岐鎖のウンデシル基、直鎖また
は分岐鎖のドデシル基を意味する。炭素原子数1〜18
個のアルキル基とは、上記のアルキル基の他に、直鎖ま
たは分岐鎖のトリデシル基、直鎖または分岐鎖のテトラ
デシル基、直鎖または分岐鎖のペンタデシル基、直鎖ま
たは分岐鎖のヘキサデシル基、直鎖または分岐鎖のヘプ
タデシル基、直鎖または分岐鎖のオクタデシル基などを
意味する。
【0048】また、前記一般式(4)中のD1 の中に含
まれているアルコキシ基のうち、炭素原子数1〜6のア
ルコキシ基とは、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピ
ルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ
基、イソブチルオキシ基、ターシャリーブチルオキシ
基、直鎖または分岐鎖のペンチルオキシ基、直鎖または
分岐鎖のヘキシルオキシ基を意味する。炭素原子数1〜
8個のアルコキシ基とは、上記のアルコキシ基の他に、
直鎖または分岐鎖のヘプチルオキシ基、直鎖または分岐
鎖のオクチルオキシ基などを意味する。
【0049】また、キニザリン化合物(A)中の5,
6,7および8位の残位の基となりうる置換されていて
もよいアルコキシ基とは、炭素原子数1〜12個のアル
コキシ基、エーテル結合を1〜5個持ちかつ総炭素数2
〜12個のアルコキシ基、および複素環を持つアルキル
基を持った総炭素数3〜12個のアルコキシ基であり、
前記アルコキシ基(すなわち、一般式(4)中のD1
中に含まれているアルコキシ基)および前記アルコキシ
基のアルコキシ基以外に、直鎖または分枝鎖のペンチル
オキシ基、直鎖または分枝鎖のヘキシルオキシ基、直鎖
または分枝鎖のヘプチルオキシ基、直鎖または分枝鎖の
オクチルオキシ基、直鎖または分枝鎖のノニルオキシ
基、直鎖または分枝鎖のデシルオキシ基、直鎖または分
枝鎖のウンデシルオキシ基、直鎖または分枝鎖のドデシ
ルオキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ
基、エトキシエトキシ基、3′,6′−オキサヘプチル
オキシ基、3′,6′−オキサオクチルオキシ基、
3′,6′,9′−オキサデシルオキシ基、3′,
6′,9′−オキサウンデシルオキシ基、3′,6′,
9′,12′−オキサトリデシルオキシ基、メトキシブ
トキシ基、エトキシブトキシ基、4′,8′,12′−
オキサトリデシルオキシ基、4′,8′,12′,1
6′−オキサヘプタデシルオキシ基、テトラヒドロフル
フリルオキシ基、4−モルフォリノエトキシ基、1−ピ
ペラジンエトキシ基などを意味する。
【0050】また、同じくキニザリン化合物(A)中の
5,6,7および8位の残位の基となり得る置換されて
いてもよいフェノキシ基とは、無置換およびベンゼン核
に炭素原子数1〜4個のアルキル基または炭素原子数1
〜4個のアルコキシ基またはハロゲン原子が1〜2個置
換したフェノキシ基であり、フェノキシ基、o−メチル
フェノキシ基、m−メチルフェノキシ基、p−メチルフ
ェノキシ基、o−エチルフェノキシ基、m−エチルフェ
ノキシ基、p−エチルフェノキシ基、o−プロピルフェ
ノキシ基、m−プロピルフェノキシ基、p−プロピルフ
ェノキシ基、o−イソプロピルフェノキシ基、m−イソ
プロピルフェノキシ基、p−イソプロピルフェノキシ
基、o−ブチルフェノキシ基、m−ブチルフェノキシ
基、p−ブチルフェノキシ基、o−ターシャルブチルフ
ェノキシ基、m−ターシャルブチルフェノキシ基、p−
ターシャルブチルフェノキシ基、o−メトキシフェノキ
シ基、m−メトキシフェノキシ基、p−メトキシフェノ
キシ基、o−エトキシフェノキシ基、m−エトキシフェ
ノキシ基、p−エトキシフェノキシ基、o−プロピオキ
シフェノキシ基、m−プロピオキシフェノキシ基、p−
プロピオキシフェノキシ基、o−イソプロピオキシフェ
ノキシ基、m−イソプロピオキシフェノキシ基、p−イ
ソプロピオキシフェノキシ基、o−ブトキシフェノキシ
基、m−ブトキシフェノキシ基、p−プトキシフェノキ
シ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジエチ
ルフェノキシ基、2,6−ジプロピルフェノキシ基、
2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2,6−ジブチ
ルフェノキシ基、2,6−ジターシャルブチルフェノキ
シ基、2,6−ジメトキシフェノキシ基、2,6−ジエ
トキシフェノキシ基、2,6−ジプロピオキシフェノキ
シ基、2,6−ジイソプロピオキシフェノキシ基、2,
6−ジブトキシフェノキシ基、2,6−ジクロロフェノ
キシ基、2−クロロ−6−メチルフェノキシ基、2−ク
ロロ−6−エチルフェノキシ基などを意味する。
【0051】また、同じくキニザリン化合物(A)中の
5,6,7および8位の残位の基となり得るハロゲン原
子とは、フッ素原子、塩素原子または臭素原子を意味
し、好ましくはフッ素原子である。特にフッ素原子を付
与させることによって溶媒あるいは樹脂への溶解性に効
果を助長できる。
【0052】さらに、同じくキニザリン化合物(A)中
の5,6,7および8位の残位の基となり得る置換され
ていてもよいアルキルチオ基とは、メチルチオ基、エチ
ルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、
n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、ターシャルブチ
ルチオ基、直鎖または分枝鎖のペンチルチオ基、直鎖ま
たは分枝鎖のヘキシルチオ基、直鎖または分枝鎖のヘプ
チルチオ基、直鎖または分枝鎖のオクチルチオ基などを
意味する。
【0053】さらにまた、同じくキニザリン化合物
(A)中の5,6,7および8位の残位の基となり得る
置換されていてもよいフェニルチオ基とは、無置換およ
びベンゼン核にメチル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、
カルボキシル基、シアノ基、フルオロ基等が1〜4個置
換したフェニルチオ基であり、チオフェノール基、o−
トルエンチオール基、m−トルエンチオール基、p−ト
ルエンチオール基、o−ヒドロキシチオフェノール基、
m−ヒドロキシチオフェノール基、p−ヒドロキシフェ
ノール基、o−メトキシチオフェノール基、m−メトキ
シチオフェノール基、p−メトキシチオフェノール基、
4−カルボキシ−2,3,5,6−テトラフルオロチオ
フェノール基、4−シアノ−2,3,5,6−テトラフ
ルオロチオフェノール基などを意味する。
【0054】すなわち、本発明のキニザリン化合物
(A)は、キニザリン骨格中において、5,6,7およ
び8位の1〜3個かつ6および7位の少なくとも一方
が、以下に具体的に挙げる(a)、(b)および(c)
タイプの第2級アミノ置換基であり、かつ5,6,7お
よび8位の残位が無置換の水素原子および/または以下
に具体的に挙げる(d)、(e)および(f)タイプの
置換基を組み合わせて導入したものであるといえる。
【0055】(a)タイプとしては、アニリノ基、o−
エトキシカルボニルアニリノ基、p−エトキシカルボニ
ルアニリノ基、m−エトキシカルボニルアニリノ基、o
−ブトキシカルボニルアニリノ基、p−ブトキシカルボ
ニルアニリノ基、m−ブトキシカルボニルアニリノ基、
o−オクチルオキシカルボニルアニリノ基、p−オクチ
ルオキシカルボニルアニリノ基、m−オクチルオキシカ
ルボニルアニリノ基、o−オクタデシルオキシカルボニ
ルアニリノ基、p−オクタデシルオキシカルボニルアニ
リノ基、m−オクデシルオキシカルボニルアニリノ基、
o−シアノアニリノ基、p−シアノアニリノ基、m−シ
アノアニリノ基、o−ニトロアニリノ基、p−ニトロア
ニリノ基、m−ニトロアニリノ基、o−メトキシアニリ
ノ基、p−メトキシアニリノ基、m−メトキシアニリノ
基、o−メチルアニリノ基、p−メチルアニリノ基、m
−メチルアニリノ基、o−ターシャルブチルアニリノ
基、p−ターシャルブチルアニリノ基、m−ターシャル
ブチルアニリノ基、o−フルオロアニリノ基、p−フル
オロアニリノ基、m−フルオロアニリノ基、2,3,
5,6−テトラフルオロアニリノ基、4−シアノ−2,
3,5,6−テトラフルオロアニリノ基、2−メチル−
4−シアノアニリノ基、2−メチル−4−ニトロアニリ
ノ基、2−メチル−4−カルボキシアニリノ基、2−メ
チル−4−メトキシカルボニルアニリノ基、2−ブチル
−4−ニトロアニリノ基、2−ブチル−4−カルボキシ
アニリノ基、2−メトキシ−4−シアノアニリノ基、2
−メトキシ−4−ニトロアニリノ基、2−メトキシ−4
−カルボキシアニリノ基、2−メトキシ−4−メトキシ
カルボニルアニリノ基、2,6−ジフルオロアニリノ基
などが挙げられる。
【0056】(b)タイプとしては、2,6−ジメチル
アニリノ基、2,6−ジエチルアニリノ基、2,6−ジ
プロピルアニリノ基、2,6−ジイソプロピルアニリノ
基、2,6−ジブチルアニリノ基、2,6−ジイソブチ
ルアニリノ基、2,6−ジタ−シャルブチルアニリノ
基、2,6−ジヘキシルアニリノ基、2,6−ジオクチ
ルアニリノ基、2,6−ジメトキシアニリノ基、2,6
−ジエトキシアニリノ基、2,6−ジプロポキシアニリ
ノ基、2,6−ジイソプロポキシアニリノ基、2,6−
ジブトキシアニリノ基、2,6−イソブトキシアニリノ
基、2,6−ジターシャルブトキシアニリノ基、2,6
−ジヘキシルオキシアニリノ基、2,6−ジオクチルオ
キシアニリノ基、2,6−ジエチル−3−クロロアニリ
ノ基、2,6−ジクロロアニリノ基、2,6−ジブロモ
アニリノ基、2−メチル−6−シアノアニリノ基、2−
メチル−6−ニトロアニリノ基、2−メチル−6−カル
ボキシアニリノ基、2−メチル−6−メトキシカルボニ
ルアニリノ基、2−メトキシ−6−メチルアニリノ基、
2−クロロ−6−メチルアニリノ基、4−シアノ−2,
6−ジメチルアニリノ基、4−シアノ−2,6−ジエチ
ルアニリノ基、4−シアノ−2,6−ジプロピルアニリ
ノ基、4−シアノ−2,6−ジイソプロピルアニリノ
基、4−シアノ−2,6−ジブチルアニリノ基、4−シ
アノ−2,6−ジイソブチルアニリノ基、4−シアノ−
2,6−ジターシャルブチルアニリノ基、4−シアノ−
2,6−ジメトキシアニリノ基、4−シアノ−2,6−
ジエトキシアニリノ基、4−シアノ−2,6−ジプロポ
キシアニリノ基、4−シアノ−2,6−ジイソプロポキ
シアニリノ基、4−シアノ−2,6−ジブトキシアニリ
ノ基、4−シアノ−2,6−ジイソブトキシアニリノ
基、4−シアノ−2,6−ジターシャルブトキシアニリ
ノ基、4−ニトロ−2,6−ジメチルアニリノ基、4−
ニトロ−2,6−ジエチルアニリノ基、4−ニトロ−
2,6−ジプロピルアニリノ基、4−ニトロ−2,6−
ジイソプロピルアニリノ基、4−ニトロ−2,6−ジブ
チルアニリノ基、4−ニトロ−2,6−ジイソブチルア
ニリノ基、4−ニトロ−2,6−ジターシャルブチルア
ニリノ基、4−ニトロ−2,6−ジメトキシアニリノ
基、4−ニトロ−2,6−ジエトキシアニリノ基、4−
ニトロ−2,6−ジプロポキシアニリノ基、4−ニトロ
−2,6−ジイソプロポキシアニリノ基、4−ニトロ−
2,6−ジブトキシアニリノ基、4−ニトロ−2,6−
ジイソブトキシアニリノ基、4−ニトロ−2,6−ター
シャルブトキシアニリノ基、4−エトキシカルボニル−
2,6−ジメチルアニリノ基、4−エトキシカルボニル
−2,6−ジエチルアニリノ基、4−エトキシカルボニ
ル−2,6−ジプロピルアニリノ基、4−エトキシカル
ボニル−2,6−ジイソプロピルアニリノ基、4−エト
キシカルボニル−2,6−ジブチルアニリノ基、4−エ
トキシカルボニル−2,6−ジイソブチルアニリノ基、
4−エトキシカルボニル−2,6−ジターシャルブチル
アニリノ基、4−エトキシカルボニル−2,6−ジメト
キシアニリノ基、4−エトキシカルボニル−2,6−ジ
エトキシアニリノ基、4−エトキシカルボニル−2,6
−ジプロポキシアニリノ基、4−エトキシカルボニル−
2,6−ジイソプロポキシアニリノ基、4−エトキシカ
ルボニル−2,6−ジブトキシアニリノ基、4−エトキ
シカルボニル−2,6−ジイソブトキシアニリノ基、4
−エトキシカルボニル−2,6−ジターシャルブトキシ
アニリノ基などが挙げられる。
【0057】(c)タイプとしては、メチルアミノ基、
エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピル
アミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、
ターシャルブチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、オクチ
ルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシ
ルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基などである。
【0058】(d)タイプとしては、フェノキシ基、o
−メチルフェノキシ基、m−メチルフェノキシ基、p−
メチルフェノキシ基、o−メトキシフェノキシ基、m−
メトキシフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプ
ロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキ
シ基、ターシャリーブチルオキシ基、ペンチルオキシ
基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオ
キシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオ
キシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキシ基、エ
トキシエトキシ基、3′,6′−オキサヘプチルオキシ
基、3′,6′−オキサオクチルオキシ基、3′,
6′,9′−オキサデシルオキシ基、3′,6′,9′
−オキサウンデシルオキシ基、3′,6′,9′,1
2′−オキサトリデシルオキシ基、メトキシブトキシ
基、エトキシブトキシ基、4′,8′,12′−オキサ
トリデシルオキシ基、4′,8′,12′,16′−オ
キサヘプタデシルオキシ基、テトラヒドロフルフリルオ
キシ基などが挙げられる。
【0059】(e)タイプとしては、メチルチオ基、エ
チルチオ基,プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブ
チルチオ基、イソブチルチオ基、ターシャリーブチルチ
オ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ノニルチオ
基、チオフェノール基、o−トルエンチオール基、m−
トルエンチオール基、p−トルエンチオール基、o−ヒ
ドロキシチオフェノール基、m−ヒドロキシチオフェノ
ール基、p−ヒドロキシチオフェノール基、o−メトキ
シチオフェノール基、m−メトキシチオフェノール基、
p−メトキシチオフェノール基、4−カルボキシ−2,
3,5,6−テトラフルオロチオフェノール基、4−シ
アノ−2,3,5,6−テトラフルオロチオフェノール
基などが挙げられる。
【0060】(f)タイプとしては、フッ素原子、塩素
原子、臭素原子などが挙げられる。
【0061】本発明におけるキニザリン化合物(A)
は、赤色の色素以外にも緑色あるいは青色の色素を形成
することができる。すなわち、本発明者らは、キニザリ
ン化合物(A)を赤色、緑色または青色の色素組成物を
形成すべく、他に様々な化合物との組合せに応じて、そ
れぞれ必要な特性を付与させるのに上記(a)〜(c)
タイプの第2級アミノ置換基と、(d)〜(e)タイプ
の置換基を下記の目的別にキニザリン骨格の5,6,7
および/または8位に導入し、残位を水素原子とする
か、あるいは(f)タイプ、中でも好ましくはフッ素原
子を導入することによって可能であることを見いだした
のである。
【0062】すなわち(a)、(b)および(c)タイ
プの第2級アミノ置換基は、主に吸収波長を長波長側に
シフトさせる目的の場合に用いるのが好ましく、特に
(b)タイプを用いるのが好ましく、置換基の種類ある
いは置換基の数によってシフトの幅を変えることができ
る。すなわち480〜700nmの吸収波長の範囲にお
いて置換基の種類あるいは置換基の数によって吸収波長
を制御することができる。
【0063】(d)タイプの置換基は、主に溶解度を大
きく向上させる目的に使用する場合に導入するのが好ま
しい。これらを用いることによってアセトン、メチルエ
チルケトンなどのケトン系の溶媒、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの炭化水素系の溶媒、クロロホルム、
ジクロルエタンなどのハロゲン系の溶媒などに高濃度に
溶解させることができる。置換基の数としては、多いほ
ど溶解性の効果が大きい。
【0064】(e)タイプの置換基は、小幅な吸収波長
の制御と同時に溶解性を付与させる目的の場合に導入す
るのが好ましい。
【0065】(f)タイプの置換基は、溶媒あるいは樹
脂への溶解性に効果を助長でき、特にフッ素原子を付与
させることによってその効果が顕著である。
【0066】これらの置換基を組み合わせて導入するこ
とによって、アセトン、メチルエチルケトンなどのケト
ン系の溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化
水素系の溶媒、クロロホルム、ジクロルエタンなどのハ
ロゲン系の溶媒などに高濃度に溶解させることができる
と同時に、480〜700nmの吸収波長の範囲におい
て置換基の種類あるいは置換基の数によって吸収波長を
制御することができる。
【0067】特に、上記キニザリン化合物(A)中、一
般式(1)
【0068】
【化8】
【0069】(ただし、上記式(1)中、Zはハロゲン
原子またはNHX2 を表し、X、X2およびYは、相互
独立に、置換されていてもよいアルキル基または置換さ
れていてもよいアリール基を表し、pおよびqは共に0
〜3の整数を表し、p+qは3以下であり、pが2以上
の場合、OYは相互独立に同種または異種の置換基であ
り、qが2以上の場合、Zは相互独立に同種または異種
の置換基である。)で示されるキニザリン化合物が色素
を構成する上で好ましい。ここで、上記一般式(1)中
のNHXおよびNHX2 は、上記で説明した第二級アミ
ノ基と同じものであり、OYは、上記で説明した置換さ
れていてもよいアルコキシ基または置換されていてもよ
いフェノキシ基と同じものである。
【0070】赤色の色素組成物に用いることのできる色
素とする場合には、キニザリン骨格の6または7位の一
方に(a)〜(c)タイプの置換基(好ましくは(b)
タイプの置換基)を1個導入し、5〜8位の残位に
(d)〜(f)タイプの置換基を導入したものであれば
よいが、好ましくは、上記一般式(1)おいて、Zがハ
ロゲン原子であるものである。
【0071】また、青色の色素組成物に用いることので
きる色素とする場合には、上記一般式(1)おいて、Z
の少なくとも1個がNHX2 であり、該NHX2 をキニ
ザリン骨格の6もしくは7位に導入したものが好まし
い。
【0072】また特に、緑色の色素組成物に用いること
のできる色素とする場合には、キニザリン骨格の5,
6,7および8位の2個若しくは3個かつ6および7位
の少なくとも一方に(a)、(b)あるいは(c)タイ
プの置換基を導入し、必要に応じて残位に(d)または
(e)タイプの置換基を1個もしくは2個組み合わせて
導入したものであればよいが、好ましくは、一般式
(1)において、Zの少なくとも1個がNHX2 である
ものである。
【0073】本発明では、これら(a)〜(c)タイプ
の第2級アミノ置換基の少なくとも1個がキニザリン骨
格の6または7位に導入されたものである。本発明者ら
は、キニザリン骨格の5,8位よりも6,7位に置換基
を導入した方が耐光性に優れていることを見出だした。
よって、本発明では、これら(a)〜(c)タイプの置
換基を導入する際、キニザリン骨格の5,8位よりも先
に6,7位に置換基を導入するのが好ましい。また、
(d)〜(e)タイプの置換基の導入においても、残位
として6,7位が残っている場合は、5,8位よりも
6,7位に置換させる方が耐光性の面で好ましい。
【0074】上述してなる本発明のキニザリン化合物
(A)の具体例を挙げると、次のとおりである。
【0075】(I)6位に第二級アミノ基がある場合 A.第二級アミノ基(アニリノ基)1個と残位がフッ素
原子の例 (1)6−アニリノ−5,7,8−トリフルオロキニザ
リン、(2)6−(o−エトキシカルボニルアニリノ)
−5,7,8−トリフルオロキニザリン、(3)6−
(p−ブトキシカルボニルアニリノ)−5,7,8−ト
リフルオロキニザリン、(4)6−(p−シアノアニリ
ノ)−5,7,8−トリフルオロキニザリン、(5)6
−(p−メトキシアニリノ)−5,7,8−トリフルオ
ロキニザリン、(6)6−(2−メチル−6−ニトロア
ニリノ)−5,7,8−トリフルオロキニザリン、
(7)6−(2−メチル−6−カルボキシアニリノ)−
5,7,8−トリフルオロキニザリン、(8)6−
(2,6−ジクロロアニリノ)−5,7,8−トリフル
オロキニザリン、(9)6−(2−クロロ−6−メチル
アニリノ)−5,7,8−トリフルオロキニザリン、
(10)6−(2,6−ジイソプロピルアニリノ)−
5,7,8−トリフルオロキニザリン。
【0076】B.第二級アミノ基(アニリノ基)1個と
残位がアルコキシ基およびフッ素原子の例 (11)6−アニリノ−7−ブトキシ−5,8−ジフル
オロキニザリン、(12)6−(o−エトキシカルボニ
ルアニリノ)−7−ブトキシ−5,8−ジフルオロキニ
ザリン、(13)6−(p−エトキシカルボニルアニリ
ノ)−7−オクチルオキシ−5,8−ジフルオロキニザ
リン、(14)6−(p−ニトロアニリノ)−7−ブト
キシ−5,8−ジフルオロキニザリン、(15)6−
(p−シアノアニリノ)−7−ブトキシ−5,8−ジフ
ルオロキニザリン、(16)6−(p−シアノアニリ
ノ)−7−オクチルオキシ−5,8−ジフルオロキニザ
リン、(17)6−(2,6−ジエチルアニリノ)−7
−ブトキシ−5,8−ジフルオロキニザリン、(18)
6−(2−ニトロ−6−メチルアニリノ)−7−ブトキ
シ−5,8−ジフルオロキニザリン、(19)6−(2
−カルボキシ−6−メチルアニリノ)−7−オクチルオ
キシ−5,8−ジフルオロキニザリン、(20)6−
(2,6−ジクロロアニリノ)−7−オクチルオキシ−
5,8−ジフルオロキニザリン、(21)6−(2−ク
ロロ−6−メチルアニリノ)−7−ブトキシ−5,8−
ジフルオロキニザリン、(22)6−(2,3,5,6
−テトラフルオロアニリノ)−7−ブトキシ−5,8−
ジフルオロキニザリン、(23)6−アニリノ−(5ま
たは8),7−ジブトキシ−(8または5)−フルオロ
キニザリン、(24)6−(o−エトキシカルボニルア
ニリノ)−(5または8),7−ジブトキシ−(8また
は5)−フルオロキニザリン、(25)6−(p−ブト
キシカルボニルアニリノ)−(5または8),7−ジオ
クチルオキシ−(8または5)−フルオロキニザリン、
(26)6−(p−ニトロアニリノ)−(5または
8),7−ジブトキシ−(8または5)−フルオロキニ
ザリン、(27)6−(p−シアノアニリノ)−(5ま
たは8),7−ジブトキシ−(8または5)−フルオロ
キニザリン。
【0077】C.第二級アミノ基(アニリノ基)1個と
残位が水素原子の例 (28)6−アニリノキニザリン、(29)6−(o−
エトキシカルボニルアニリノ)キニザリン、(30)6
−(p−シアノアニリノ)キニザリン、(31)6−
(o−メトキシアニリノ)キニザリン、(32)6−
(2,6−ジイソプロピルアニリノ)キニザリン、(3
3)6−(2,6−ジクロロアニリノ)キニザリン。
【0078】D.第二級アミノ基(アニリノ基)1個と
残位がフェノキシ基およびフッ素原子の例 (34)6−アニリノ−7−(2−クロロ−6−メチル
フェノキシ)−5,8−ジフルオロキニザリン、(3
5)6−(p−シアノアニリノ)−7−(2,6−ジク
ロロフェノキシ)−5,8−ジフルオロキニザリン、
(36)6−(m−エトキシカルボニルアニリノ)−7
−フェノキシ−5,8−ジフルオロキニザリン、(3
7)6−(2,6−ジクロロアニリノ)−7−(2,6
−ジクロロフェノキシ)−5,8−ジフルオロキニザリ
ン、(38)6−(2,6−ジクロロアニリノ)−7−
(4−エチルカルボニル−2,6−ジクロロフェノキ
シ)−5,8−ジフルオロキニザリン、(39)6−
(3−クロロ−4−シアノアニリノ)−7−(2,6−
ジクロロフェノキシ)−5,8−ジフルオロキニザリ
ン、(40)6−(p−シアノアニリノ)−7,(5ま
たは8)−ビス(2,6−ジクロロフェノキシ)−(8
または5)−フルオロキニザリン、(41)6−(p−
シアノアニリノ)−7,(5または8)−ビス(2,6
−ジメトキシフェノキシ)−(8または5)−フルオロ
キニザリン、(42)6−(p−シアノアニリノ)−
5,8−ビス(2,6−ジメチルフェノキシ)−7−フ
ルオロキニザリン、(43)6−(2,6−ジクロロア
ニリノ)−7,(5または8)−ビス(2,6−ジクロ
ロフェノキシ)−(8または5)−フルオロキニザリ
ン、(44)6−(3−クロロ−4−シアノアニリノ)
−7,(5または8)−ビス(2,6−ジクロロフェノ
キシ)−(8または5)−フルオロキニザリン、(4
5)6−(3−クロロ−4−シアノアニリノ)−7−
(2,6−ジクロロフェノキシ)−(5または8)−フ
ェノキシ−(8または5)−フルオロキニザリン。
【0079】E.第二級アミノ基(アニリノ基)1個と
残位がフェノキシ基またはアルコキシ基のみの例 (46)6−(p−シアノアニリノ)−5,7,8−ト
リス(2,6−ジクロロフェノキシ)キニザリン、(4
7)6−(p−ニトロアニリノ)−5,7,8−トリス
(フェノキシ)キニザリン、(48)6−(2,6−ジ
クロロアニリノ)−5,7,8−トリス(2,6−ジク
ロロフェノキシ)キニザリン、(49)6−(3−クロ
ロ−4−シアノアニリノ)−5,7,8−トリス(フェ
ノキシ)キニザリン、(50)6−(3−クロロ−4−
シアノアニリノ)−7−(2,6−ジクロロフェノキ
シ)−5,8−ビス(フェノキシ)キニザリン、(5
1)6−(m−エトキシカルボニルアニリノ)−5,
7,8−トリブトキシキニザリン。
【0080】F.第二級アミノ基(アニリノ基)1個と
残位がフェニルチオ基およびフッ素原子の例 (52)6−アニリノ−7−フェニルチオ−5,8−ジ
フルオロキニザリン。
【0081】G.第二級アミノ基(アルキルアミノ基)
1個と残位がフッ素原子の例 (53)6−ブチルアミノ−5,7,8−トリフルオロ
キニザリン、(54)6−シクロヘキシルアミノ−5,
7,8−トリフルオロキニザリン。
【0082】H.第二級アミノ基(アニリノ基)2個と
残位がフッ素の例 (55)6,7−ジアニリノ−5,8−ジフルオロキニ
ザリン、(56)6,7−ビス(p−ブトキシカルボニ
ルアニリノ)−5,8−ジフルオロキニザリン、(5
7)6,7−ビス(p−シアノアニリノ)−5,8−ジ
フルオロキニザリン、(58)6,7−ビス(p−ニト
ロアニリノ)−5,8−ジフルオロキニザリン、(5
9)6,7−ビス(p−メトキシアニリノ)−5,8−
ジフルオロキニザリン、(60)6,7−ビス(2,6
−ジクロロアニリノ)−5,8−ジフルオロキニザリ
ン、(61)6,7−ビス(2,6−ジイソプロピルア
ニリノ)−5,8−ジフルオロキニザリン、(62)
6,7−ビス(2,6−ジエチル−3−クロロアニリ
ノ)−5,8−ジフルオロキニザリン、(63)6,7
−ビス(2−クロロ−6−メチルアニリノ)−5,8−
ジフルオロキニザリン、(64)6,7−ビス(2−エ
トキシカルボニル−6−メチルアニリノ)−5,8−ジ
フルオロキニザリン、(65)6,7−ビス(2,3,
5,6−テトラフルオロアニリノ)−5,8−ジフルオ
ロキニザリン。
【0083】I.第二級アミノ基(アニリノ基)2個と
残位がアルコキシ基およびフッ素原子の例 (66)6,7−ジアニリノ−5−ブトキシ−8−フル
オロキニザリン、(67)6,7−ビス(p−エトキシ
カルボニルアニリノ)−5−オクチルオキシ−8−フル
オロキニザリン、(68)6,7−ビス(2,6−ジイ
ソプロピルアニリノ)−5−ブトキシ−8−フルオロキ
ニザリン、(69)6,7−ビス(2,6−ジエチル−
3−クロロアニリノ)−5−ブトキシ−8−フルオロキ
ニザリン、(70)6,7−ビス(2−エトキシカルボ
ニル−6−メチルアニリノ)−5−ブトキシ−8−フル
オロキニザリン、(71)6,7−ビス(p−エトキシ
アニリノ)−5−ブトキシ−8−フルオロキニザリン、
(72)6,7−ビス(2,6−ジプロピルアニリノ)
−5−ブトキシ−8−フルオロキニザリン、(73)
6,7−ビス(2,6−ジフルオロアニリノ)−5−オ
クチルオキシ−8−フルオロキニザリン、(74)6,
7−ビス(2,6−ジクロロアニリノ)−5−ブトキシ
−8−フルオロキニザリン、(75)6,7−ビス(2
−メトキシ−6−メチルアニリノ)−5−ブトキシ−8
−フルオロキニザリン、(76)6,7−ビス(2−ク
ロロ−6−メチルアニリノ)−5−ブトキシ−8−フル
オロキニザリン。
【0084】J.第二級アミノ基(アニリノ基およびア
ルキルアミノ基)2個と残位がアルコキシ基およびフッ
素原子の例 (77)6−(p−シアノアニリノ)−7−ブチルアミ
ノ−8(もしくは5)−オクチルオキシ−5(もしくは
8)−フルオロキニザリン、(78)6−(p−ニトロ
アニリノ)−7−ブチルアミノ−8(もしくは5)−オ
クチルオキシ−5(もしくは8)−フルオロキニザリ
ン。
【0085】K.第二級アミノ基(アニリノ基およびア
ルキルアミノ基)2個と残位がアルコキシ基の例 (79)6−(p−エトキシカルボニルアニリノ)−7
−ブチルアミノ−5,8−ジブトキシキニザリン、(8
0)6−(p−シアノアニリノ)−7−ブチルアミノ−
5,8−ジブトキシキニザリン。
【0086】L.第二級アミノ基(アニリノ基およびア
ルキルアミノ基)2個と残位がフッ素原子の例 (81)6−(p−メトキシアニリノ)−7−ブチルア
ミノ−5,8−ジフルオロキニザリン。
【0087】M.第二級アミノ基(アニリノ基)2個と
残位がアルキルチオ基あるいはフェニルチオ基およびフ
ッ素原子の例 (82)6,7−ビス(2,6−ジクロロアニリノ)−
5−オクチルチオ−8−フルオロキニザリン、(83)
6,7−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリノ)−5
−オクチルチオ−8−フルオロキニザリン。
【0088】N.第二級アミノ基(アニリノ基)2個と
残位がアルキルチオ基あるいはフェニルチオ基の例 (84)6,7−ビス(2,6−ジエチルアニリノ)−
5,8−ジブチルチオキニザリン。
【0089】O.第二級アミノ基(アニリノ基およびア
ルキルアミノ基)2個と残位がアルキルチオ基あるいは
フェニルチオ基およびフッ素原子の例 (85)6−(2,6−ジイソプロピルアニリノ)−7
−ブチルアミノ−5−オクチルチオ−8−フルオロキニ
ザリン。
【0090】P.第二級アミノ基(アニリノ基)3個と
残位がフッ素原子の例 (86)5,6,7−トリス(2,6−ジエチルアニリ
ノ)−8−フルオロキニザリン、(87)5,6,7−
トリス(2,6−ジイソプロピルアニリノ)−8−フル
オロキニザリン。
【0091】Q.第二級アミノ基(アニリノ基およびア
ルキルアミノ基)3個と残位がフッ素原子の例 (88)5,6−ビス(2,6−ジイソブチルプロピル
アニリノ)−7−ブチルアミノ−8−フルオロキニザリ
ン。
【0092】R.第二級アミノ基(アニリノ基)1個と
残位が塩素原子の例 (89)6−(m−エトキシカルボニルアニリノ)−
5,7,8−トリクロロキニザリン、(90)6−
(2,6−ジイソプロピルアニリノ)−5,7,8−ト
リクロロキニザリン。
【0093】S.第二級アミノ基(アニリノ基)1個と
残位がアルコキシ基またはフェノキシ基および塩素原子
の例 (91)6−(m−エトキシカルボニルアニリノ)−7
−オクチルオキシ−5,8−ジクロロキニザリン、(9
2)6−(p−シアノアニリノ)−7−オクチルオキシ
−5,8−ジクロロキニザリン、(93)6−(p−シ
アノアニリノ)−(5または8),7−ジブトキシ−
(8または5)−クロロキニザリン、(94)6−(p
−シアノアニリノ)−7−(2,6−ジクロロフェノキ
シ)−5,8−ジクロロキニザリン、(95)6−
(2,6−ジクロロアニリノ)−7,(5または8)−
ビス(2,6−ジクロロフェノキシ)−(8または5)
−クロロキニザリン。
【0094】T.第二級アミノ基(アニリノ基)2個と
残位がアルコキシ基および塩素原子の例 (96)6,7−ビス(p−エトキシカルボニルアニリ
ノ)−5−オクチルオキシ−8−クロロキニザリン、
(97)6,7−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリ
ノ)−5−ブトキシ−8−クロロキニザリン。
【0095】U.第二級アミノ基(アニリノ基およびア
ルキルアミノ基)2個と残位がアルコキシ基および塩素
原子の例 (98)6−アニリノ−7−ブチルアミノ−8(もしく
は5)−オクチルオキシ−5(もしくは8)−クロロキ
ニザリン、(99)6−(p−エトキシカルボニルアニ
リノ)−7−ブチルアミノ−8(もしくは5)−オクチ
ルオキシ−5(もしくは8)−クロロキニザリン。
【0096】V.第二級アミノ基(アニリノ基およびア
ルキルアミノ基)2個と残位がアルコキシ基および水素
原子の例 (100)6−アニリノ−7−ブチルアミノ−8(もし
くは5)−オクチルオキシキニザリン、(101)6−
(p−エトキシカルボニルアニリノ)−7−ブチルアミ
ノ−8(もしくは5)−オクチルオキシキニザリン。
【0097】W.第二級アミノ基(アニリノ基)2個と
残位がアルコキシ基および水素原子の例 (102)6,7−ビス(2,6−ジイソプロピルアニ
リノ)−5−ブトキシキニザリン、(103)6,7−
ビス(2,6−ジエチル−3−クロロアニリノ)−5−
オクチルオキシキニザリン。
【0098】以後、上記に例示したキニザリン化合物を
表す際には、キニザリン化合物の後にカッコ書きで、上
記例示化合物の番号を表す。例えば、「キニザリン化合
物(103)」は、上記例示化合物番号(103)の
「6,7−ビス(2,6−ジエチル−3−クロロアニリ
ノ)−5−オクチルオキシキニザリン」を表すものとす
る。
【0099】上記キニザリン化合物(A)は、例えば、
下記に示す二つの方法によって製造することができる。
ひとつの製造方法は、一般式(5)
【0100】
【化9】
【0101】(ただし、式(5)中、R0 はハロゲン原
子を表わし、uは0〜3の整数を表わす。)で示される
5,6,7および8位、または5,6および7位、また
は5,6および8位、または5および6位、または5お
よび7位、または6および7位、または6位、または7
位がハロゲン原子によって置換されたキニザリンを出発
原料として用い、それらに芳香族系アミノ化合物、脂肪
族系アミノ化合物、芳香族系ヒドロキシ化合物、脂肪族
系ヒドロキシ化合物、芳香族系メルカプト化合物または
脂肪族系メルカプト化合物から選ばれた反応求核物質を
各々単独にあるいは順次にまたは同時に反応させハロゲ
ン原子を求核置換せしめるものである。
【0102】これらの反応求核物質としては、例えば、
一般式(6)
【0103】
【化10】
【0104】[ただし、式(6)中、W0 は、−N
2 、−OHあるいは−SHを表し、D2は各々独立に
−COOR3 (R3 は水素原子または炭素原子数1〜1
8個、好ましくは1〜12個のアルキル基)、ニトロ
基、シアノ基、炭素原子数1〜8個、好ましくは1〜6
個のアルキル基、炭素原子数1〜8個、好ましくは1〜
6個のアルコキシ基およびハロゲン原子よりなる群から
選ばれた少なくとも1種のものであり、またvは0〜5
の整数、好ましくは1〜3の整数である。]で表わされ
る反応求核物質であり、この場合、該反応求核物質の2
および6位が共に置換されているものが好ましい。ま
た、その他の反応求核物質としては、例えば、W04
(ただし、R4 は炭素原子数1〜18個、好ましくは1
〜12個のアルキル基である。)がある。
【0105】これらの求核置換反応において、通常は有
機溶媒中で反応せしめるが、該有機溶媒としてはニトロ
ベンゼン、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどの不活
性溶媒、あるいはピリジン、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N−メチル−2−ピロリドン、トリエチルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルスルホン、スル
ホランなどの非プロトン極性溶媒、あるいはα−クロロ
ナフタレン、トリクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、
クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒、あ
るいはベンゼン、トルエン、キシレンなどを用いること
ができる。または該有機溶媒を用いないで前記のアミノ
化合物、ヒドロキシ化合物などの反応求核物質それ自身
を溶媒として用いることもできる。
【0106】また縮合剤としてトリエチルアミン、トリ
−n−ブチルアミンなどの有機塩基類やフッ化カリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基を用いるのが良い。
またはアニリン、トルイジン、アニシジン、n−ブチル
アミン、n−オクチルアミンなどのアミノ化合物におい
て反応求核物質それ自身に縮合剤としての性質が有る場
合は必ずしも前記縮合剤を用いる必要はない。あるいは
反応求核物質それ自身の反応性が強い場合、必ずしも縮
合剤を必要としない。反応温度としては20〜200
℃、好ましくは、反応溶媒等によっても異なるが、芳香
族系アミノ化合物の置換反応については50〜180
℃、脂肪族系アミノ化合物の置換反応については20〜
100℃、芳香族系ヒドロキシ化合物の置換反応につい
ては20〜120℃、脂肪族系ヒドロキシ化合物の置換
反応については50〜180℃、芳香族系メルカプト化
合物の置換反応については20〜100℃、あるいは脂
肪族系メルカプト化合物の置換反応については50〜1
80℃の範囲で行なうのが良い。
【0107】なお、出発原料である5,6,7および8
位または、5,6および7位、または5,6および8
位、または5および6位、または5および7位、または
6および7位、または6位、または7位がハロゲンによ
って置換されたキニザリンの合成は、例えば一般に良く
知られた、いわゆるフリーデル−クラフツ反応により、
3、4、5、および6位、3、4および5位、3、4お
よび6位、3および4位、4および5位、3および5
位、または4位、または5位がハロゲンにより置換され
た無水フタル酸あるいはフタル酸(好ましくは無水フタ
ル酸)と例えばハイドロキノンまたはジメトキシハイド
ロキノン類(好ましくはジメトキシハイドロキノン)と
から、例えばアシル化剤として無水塩化アルミニウムを
用いて合成できる。例えば、5,6,7および8位のハ
ロゲンがフッ素原子の場合の例が、当発明者によって見
出された方法(特開昭61−112041号に開示、特
願平5−261293号に記載)により行うことができ
る。他のハロゲンに関しても、該フッ素原子の場合と同
様にして合成できる。
【0108】これらの具体的な製造例をキニザリン化合
物(37)について下記に示す。
【0109】キニザリン化合物(37)の製造例 工程(a);6−(2,6−ジクロロフェノキシ)−
5,7,8−トリフルオロキニザリンの合成 500cc四ツ口フラスコに300ccのジフェニルエ
ーテルと5,6,7,8−テトラフルオロキニザリン3
g(9.61ミリモル)と3,5−ジクロロ−4−ヒド
ロキシ安息香酸エチル約22.6g(96.1ミリモ
ル)とフッ化カリウム0.56g(9.61ミリモル)
を仕込み180℃で約8時間反応させた。反応終了後フ
ッ化カリウムを瀘別し、ジフェニルエーテルを留去した
後、シリカゲル(ワコーゲルC−200)を用いてカラ
ム精製し、6−(2,6−ジクロロフェノキシ)−5,
7,8−トリフルオロキニザリン3.25g(収率6
4.1モル%)を得た。該目的物の質量分析スペクトル
の結果とフッ素の核磁気共鳴スペクトルの結果を下記表
1に示す。
【0110】
【表1】
【0111】工程(b);キニザリン化合物(37)の
合成 50cc四ツ口フラスコに20ccの1,2,4−トリ
クロロベンゼンと上記の6−(2,6−ジクロロフェノ
キシ)−5,7,8−トリフルオロキニザリン3g
(5.66ミリモル)と2,6−ジクロロアニリン9g
を加え還流下で約6時間反応させた。反応終了後、1,
2,4−トリクロロベンゼンを留去した後、シリカゲル
(ワコーゲルC−200)を用いてカラム精製し、6−
(2,6−ジクロロアニリノ)−7−(2,6−ジクロ
ロフェノキシ)−5,8−ジフルオロキニザリン1.8
2g(収率48.0モル%)を得た。該目的物の最大吸
収波長、溶解度、元素分析値、質量分析スペクトル、フ
ッ素の核磁気共鳴スペクトルの結果を下記表2に示す。
【0112】
【表2】
【0113】もうひとつの製造方法は、無水フタル酸骨
格の3,4,5および6位の1〜3個かつ4および5位
の少なくとも一方が第二級アミノ基であると共に残位の
少なくとも1つがハロゲン原子、アルコキシ基、置換さ
れていてもよいフェノキシ基、アルキルチオ基および置
換されていてもよいフェニルチオ基よりなる群から選ば
れた少なくとも1種のもので置換されている無水フタル
酸誘導体と、ハイドロキノンまたは1,4−ジメトキシ
ベンゼンとを反応させることによるキニザリン化合物の
製造方法である。
【0114】すなわち、一般式(7)
【0115】
【化11】
【0116】(ただし、式(7)中、I,J,Kおよび
Lのうち、1〜3個かつJおよびKの少なくとも一方が
第二級アミノ基であるとともに残位の少なくとも1つが
ハロゲン原子、アルコキシ基、置換されていてもよいフ
ェノキシ基、アルキルチオ基および置換されていてもよ
いフェニルチオ基よりなる群から選ばれた少なくとも1
種の基で置換されたものである。)で表わされる無水フ
タル酸誘導体と、ハイドロキノンまたは1,4−ジメト
キシベンゼンとを反応させることによるキニザリン化合
物の製造方法である。
【0117】無水フタル酸のベンゼン核の一部あるいは
全部がハロゲン原子、芳香族系アミノ化合物、脂肪族系
アミノ化合物、芳香族系ヒドロキシ化合物、脂肪族系ヒ
ドロキシ化合物、芳香族系メルカプト化合物または脂肪
族系メルカプト化合物から選ばれた化合物で置換された
無水フタル酸またはフタル酸の誘導体は、テトラクロル
無水フタル酸、テトラフルオロ無水フタル酸またはテト
ラフルオロフタル酸などのハロゲン化無水フタル酸また
はハロゲン化フタル酸と所望の芳香族系アミノ化合物、
脂肪族系アミノ化合物、芳香族系ヒドロキシ化合物、脂
肪族系ヒドロキシ化合物、芳香族系メルカプト化合物ま
たは脂肪族系メルカプト化合物から選ばれた反応求核物
質とを各々単独にあるいは複数のものを順次にまたは同
時に反応させハロゲン原子を求核置換せしめることによ
り製造される。
【0118】反応温度としては20〜200℃、好まし
くは、反応溶媒等によっても異なるが、芳香族系アミノ
化合物の置換反応については50〜180℃、脂肪族系
アミノ化合物の置換反応については20〜100℃、芳
香族系ヒドロキシ化合物の置換反応については20〜1
20℃、脂肪族系ヒドロキシ化合物の置換反応について
は50〜180℃、芳香族系メルカプト化合物の置換反
応については20〜100℃、あるいは脂肪族系メルカ
プト化合物の置換反応については50〜180℃の範囲
で行なうのが良い。この際、通常は有機溶媒中で反応せ
しめるが、該有機溶媒としてはニトロベンゼン、アセト
ニトリル、ベンゾニトリルなどの不活性溶媒、あるいは
ピリジン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル
−2−ピロリドン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチ
ルアミン、ジメチルスルホン、スルホランなどの非プロ
トン極性溶媒、あるいはα−クロロナフタレン、トリク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホルム、ジク
ロロエタンなどのハロゲン系溶媒、あるいはベンゼン、
トルエン、キシレンなどを用いることができる。または
該有機溶媒を用いないで前記のアミノ化合物、ヒドロキ
シ化合物などの反応求核物質それ自身を溶媒として用い
ることもできる。
【0119】また縮合剤としてトリエチルアミン、トリ
−n−ブチルアミンなどの有機塩基類やフッ化カリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基を用いるのが良い。
またはアニリン、トルイジン、アニシジン、n−ブチル
アミン、n−オクチルアミンなどのアミノ化合物におい
て反応求核物質それ自身に縮合剤としての性質が有る場
合は必ずしも前記縮合剤を用いる必要はない。あるいは
反応求核物質それ自身の反応性が強い場合、必ずしも縮
合剤を必要としない。
【0120】または無水フタル酸のベンゼン核の一部あ
るいは全部がハロゲン原子、芳香族系アミノ化合物、脂
肪族系アミノ化合物、芳香族系ヒドロキシ化合物、脂肪
族系ヒドロキシ化合物、芳香族系メルカプト化合物また
は脂肪族系メルカプト化合物から選ばれた化合物で置換
された無水フタル酸またはフタル酸の誘導体は、石川
ら、有機合成協会誌、第21巻第8号(1971年)7
92頁または本研究者ら、特願平4−28185号など
の方法に従って予めフタロニトリルのベンゼン核の一部
あるいは全部が所望のハロゲン原子、芳香族系アミノ化
合物、脂肪族系アミノ化合物、芳香族系ヒドロキシ化合
物、脂肪族系ヒドロキシ化合物、芳香族系メルカプト化
合物、あるいは脂肪族系メルカプト化合物で置換された
フタロニトリルを通常の方法に従って加水分解して得る
ことができる。
【0121】I−ii. アントラキノン化合物(B) 本発明に用いられるアントラキノン化合物(B)は、樹
脂に対する溶解性に優れ、さらに耐光性および耐熱性に
優れ、かつ濁りがなく透明感があり、かつ色調の点でも
優れているものであり、また、アントラキノン骨格にお
いて、1,2,3および4位の1〜3個が第二級アミノ
基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されてい
てもよいフェノキシ基、置換されていてもよいアルキル
チオ基および置換されていてもよいフェニルチオ基より
なる群から選ばれた少なくとも1種のものであり、かつ
1,2,3および4位の残位が水素原子、ハロゲン原子
であるアントラキノン化合物である。
【0122】前記第二級アミノ基の少なくとも1個は、
置換基を有していてもよいアニリノ基であると、耐光性
が良好であることから好ましい。また、該アニリノ基の
置換基のなかでドナー性のものとしては、ヒドロキシ
基、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいフ
ェニル基、置換されてもよいアルコキシ基、置換されて
もよいフェノキシ基、置換されてもよいアルキルアミノ
基、置換されてもよいアリールアミノ基、置換されても
よいアリールチオ基および置換されてもよいフェニルチ
オ基等が挙げられ、好ましくは、置換されてもよいアル
キル基および置換されてもよいアルコキシ基である。ま
た、該アニリノ基の置換基のなかでアクセプター性のも
のとしては、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、アル
コキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基およ
びハロゲン原子等が挙げられ、好ましくは、シアノ基、
ニトロ基およびハロゲン原子である。
【0123】すなわち、本発明のアントラキノン化合物
(B)は、アントラキノン骨格中において、1,2,3
および4位の1〜3個が以下に具体的に挙げる(a)、
(b)および(c)タイプのアミン系の置換基、並びに
(d)〜(g)タイプの置換基よりなる群から選ばれた
少なくとも1種のものであり、かつ1,2,3および4
位の残位が無置換の水素原子および/または以下に具体
的に挙げる(h)タイプの置換基を組み合わせて導入し
たものである。
【0124】(a)タイプとしては、o−エトキシカル
ボニルアニリノ基、p−エトキシカルボニルアニリノ
基、m−エトキシカルボニルアニリノ基、o−オクチル
オキシカルボニルアニリノ基、p−オクチルオキシカル
ボニルアニリノ基、m−オクチルオキシカルボニルアニ
リノ基、o−シアノアニリノ基、p−シアノアニリノ
基、m−シアノアニリノ基、o−ニトロアニリノ基、p
−ニトロアニリノ基、m−ニトロアニリノ基、o−クロ
ロアニリノ基、p−クロロアニリノ基、m−クロロアニ
リノ基、o−フルオロアニリノ基、p−フルオロアニリ
ノ基、m−フルオロアニリノ基、3,4−ジシアノアニ
リノ基、3−クロロ−4−シアノアニリノ基、2,6−
ジクロロアニリノ基、4−シアノ−2,6−ジクロロア
ニリノ基、4−ニトロ−2,6−ジクロロアニリノ基、
2,6−ジフルオロアニリノ基、2−クロロ−6−メチ
ルアニリノ基、2−フルオロ−6−メチルアニリノ基、
2,4,6−トリクロロアニリノ基、2,3,5,6−
テトラクロロアニリノ基、2,3,5,6−テトラフル
オロアニリノ基および4−シアノ−2,3,5,6−テ
トラフルオロアニリノ基などが挙げられる。
【0125】(b)タイプとしては、アニリノ基、o−
ヒドロキシアニリノ基、p−ヒドロキシアニリノ基、m
−ヒドロキシアニリノ基、o−メトキシアニリノ基、p
−メトキシアニリノ基、m−メトキシアニリノ基、o−
エトキシアニリノ基、p−エトキシアニリノ基、m−エ
トキシアニリノ基、o−メチルアニリノ基、p−メチル
アニリノ基、m−メチルアニリノ基、o−エチルアニリ
ノ基、p−エチルアニリノ基、m−エチルアニリノ基、
o−ブチルアニリノ基、p−ブチルアニリノ基、m−ブ
チルアニリノ基、o−ターシャルブチルアニリノ基、p
−ターシャルブチルアニリノ基、m−ターシャルブチル
アニリノ基、2,4−ジメトキシアニリノ基、2,5−
ジメトキシアニリノ基、2,4−ジブトキシアニリノ
基、2,5−ジブトキシアニリノ基、2,6−ジメチル
アニリノ基、2,6−ジエチルアニリノ基、2,6−ジ
イソプロピルアニリノ基、2−メトキシ−6−メチルア
ニリノ基および2−メトキシ−6−エチルアニリノ基な
どが挙げられる。
【0126】(c)タイプとしては、メチルアミノ基、
エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピル
アミノ基、n−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、
ターシャルブチルアミノ基、直鎖または分枝鎖のペンチ
ルアミノ基、直鎖または分枝鎖のヘキシルアミノ基、直
鎖または分枝鎖のヘプチルアミノ基、直鎖または分枝鎖
のオクチルアミノ基、ヒドロキシメチルアミノ基、ヒド
ロキシエチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基などが
挙げられる。
【0127】(d)タイプとしては、メトキシ基、エト
キシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ
基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、ターシ
ャリーブチルオキシ基、直鎖または分岐鎖のペンチルオ
キシ基、直鎖または分岐鎖のヘキシルオキシ基、直鎖ま
たは分岐鎖のヘプチルオキシ基、直鎖または分岐鎖のオ
クチルオキシ基、メトキシメトキシ基、メトキシエトキ
シ基、エトキシエトキシ基などが挙げられる。
【0128】(e)タイプとしては、無置換およびベン
ゼン核に炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数
1〜4個のアルコキシ基またはハロゲン原子が1〜2個
置換したフェノキシ基であり、フェノキシ基、o−メチ
ルフェノキシ基、m−メチルフェノキシ基、p−メチル
フェノキシ基、o−エチルフェノキシ基、m−エチルフ
ェノキシ基、p−エチルフェノキシ基、o−プロピルフ
ェノキシ基、m−プロピルフェノキシ基、p−プロピル
フェノキシ基、o−イソプロピルフェノキシ基、m−イ
ソプロピルフェノキシ基、p−イソプロピルフェノキシ
基、o−ブチルフェノキシ基、m−ブチルフェノキシ
基、p−ブチルフェノキシ基、o−ターシャルブチルフ
ェノキシ基、m−ターシャルブチルフェノキシ基、p−
ターシャルブチルフェノキシ基、o−メトキシフェノキ
シ基、m−メトキシフェノキシ基、p−メトキシフェノ
キシ基、o−エトキシフェノキシ基、m−エトキシフェ
ノキシ基、p−エトキシフェノキシ基、o−プロピオキ
シフェノキシ基、m−プロピオキシフェノキシ基、p−
プロピオキシフェノキシ基、o−イソプロピオキシフェ
ノキシ基、m−イソプロピオキシフェノキシ基、p−イ
ソプロピオキシフェノキシ基、o−ブトキシフェノキシ
基、m−ブトキシフェノキシ基、p−プトキシフェノキ
シ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジエチ
ルフェノキシ基、2,6−ジプロピルフェノキシ基、
2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2,6−ジブチ
ルフェノキシ基、2,6−ジターシャルブチルフェノキ
シ基、2,6−ジメトキシフェノキシ基、2,6−ジエ
トキシフェノキシ基、2,6−ジプロピオキシフェノキ
シ基、2,6−ジイソプロピオキシフェノキシ基、2,
6−ジブトキシフェノキシ基、2,6−ジクロロフェノ
キシ基、2−クロロ−6−メチルフェノキシ基、2−ク
ロロ−6−エチルフェノキシ基などが挙げられる。
【0129】(f)タイプとしては、メチルチオ基、エ
チルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ
基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、ターシャル
ブチルチオ基、直鎖または分枝鎖のペンチルチオ基、直
鎖または分枝鎖のヘキシルチオ基、直鎖または分枝鎖の
ヘプチルチオ基、直鎖または分枝鎖のオクチルチオ基、
2−ヒドロキシエチルチオ基などが挙げられる。
【0130】(g)タイプとしては、無置換およびベン
ゼン核にメチル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、カルボ
キシル基、シアノ基、フルオロ基等が1〜4個置換した
フェニルチオ基であり、チオフェノール基、o−トルエ
ンチオール基、m−トルエンチオール基、p−トルエン
チオール基、o−ヒドロキシチオフェノール基、m−ヒ
ドロキシチオフェノール基、p−ヒドロキシチオフェノ
ール基、o−メトキシチオフェノール基、m−メトキシ
チオフェノール基、p−メトキシチオフェノール基、4
−カルボキシ−2,3,5,6−テトラフルオロチオフ
ェノール基、4−シアノ−2,3,5,6−テトラフル
オロチオフェノール基などが挙げられる。
【0131】(h)タイプとしては、フッ素原子、シュ
ウ素原子、塩素原子、よう素原子などが挙げられるが、
好ましくは、溶媒あるいは樹脂への溶解性を助長する効
果のあるフッ素原子である。
【0132】本発明のアントラキノン化合物(B)は、
黄色、赤色または青色の色素を形成することができる。
【0133】本発明者らは、アントラキノン化合物
(B)を、黄色、赤色または青色の色素組成物を形成す
べく、他に様々な化合物との組み合わせに応じて、それ
ぞれ必要な特性を付与させるのに上記(a)〜(c)タ
イプのアミン系の置換基と、(d)〜(g)タイプの置
換基を下記の目的別にアントラキノン骨格の1,2,3
および/または4位に導入し、残位を水素原子とするか
あるいは(h)タイプ、なかでも好ましくはフッ素原子
を導入することによって可能であることを見出だしたも
のである。
【0134】すなわち、(a)、(b)および(c)タ
イプのアミン系の置換基は、主に吸収波長を長波長側に
シフトさせる目的の場合に用いるのが好ましく、置換基
の種類あるいは置換基の数によってシフトの幅を変える
ことができる。すなわち、400〜650nmの吸収波
長の範囲において置換基の種類あるいは置換基の数によ
って吸収波長を制御させることができる。その場合アン
トラキノン骨格において、1,2,3および4位の1〜
3個に導入される第2級アミノ基としては、アニリノ基
(a)、(b)タイプを用いると耐光性が向上し好まし
い。
【0135】(d)および(e)タイプの置換基は、主
に溶解度を大きくさせる目的に使用する場合に導入する
のが好ましい。これらを用いることによってアセトン、
メチルエチルケトンなどのケトン系の溶媒、ベンゼン、
トルエン、キシレンなどの炭化水素系の溶媒、クロロホ
ルム、ジクロルエタンなどのハロゲン系の溶媒などに高
濃度に溶解させることができる。置換基の数としては、
多いほど溶解性の効果が大きい。
【0136】(f)および(g)タイプの置換基は、小
幅な吸収波長の制御と同時に溶解性を付与差せる目的の
場合に導入するのが好ましい。
【0137】(h)タイプの置換基は、溶媒あるいは樹
脂への溶解性に効果を助長でき、特にフッ素原子を付与
させることによってその効果が顕著である。
【0138】これらの置換基を組み合わせて導入するこ
とによって、アセトン、メチルエチルケトンなどのケト
ン系の溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化
水素系の溶媒、クロロホルム、ジクロルエタンなどのハ
ロゲン系の溶媒などに高濃度に溶解させることができる
と同時に、400〜650nmの吸収波長の範囲におい
て置換基の種類あるいは置換基の数によって吸収波長を
制御することができる。
【0139】特に、上記アントラキノン化合物(B)
中、一般式(2)
【0140】
【化12】
【0141】(ただし、上記式(2)中、Vはハロゲン
原子またはOUを表し、TおよびUは、相互独立に、置
換されていてもよいアルキル基、シクロアルキル基また
は置換されていてもよいアリール基を表し、rおよびs
は共に1〜3の整数を表し、r+sは4以下であり、s
が2以上の場合、2つ以上のVは相互独立に同種または
異種の置換基である。)で示されるアントラキノン化合
物が色素を構成する上で好ましい。ここで、上記一般式
(2)中のNHTは、上記で説明した(a)〜(c)タ
イプの第二級アミノ基と同じものであり、OUは、上記
で説明した(d)および(f)タイプの置換されていて
もよいアルコキシ基または置換されていてもよいフェノ
キシ基と同じものである。
【0142】赤色または緑色の色素組成物に用いること
のできる調色用黄色色素とする場合には、一般式(2)
において、rが1であり、NHTがアントラキノン骨格
の2もしくは3位に位置し、Tがオルソ位に置換基を持
つアリール基(特にアクセプター性の置換基を持つもの
が好ましい)で、Vの少なくとも1個が置換されていて
もよいアルコキシ基もしくは置換されていてもよいフェ
ノキシ基で、かつ残位Vがフッ素原子であるものなどが
好ましい。特に、Tが2,6位に置換基を持つアリール
基であるものが、溶解性を向上することなどから好まし
い。
【0143】また、赤色の色素組成物に用いることので
きる赤色用色素とする場合には、アントラキノン骨格の
2または3位の一方に先述の(b)タイプのアニリノ基
(特にドナー性の置換基を持つものが好ましい。)を1
個導入させるか、あるいはアントラキノン骨格の1,
2,3および4位の2個かつ2および3位の少なくとも
一方に(a)タイプのアニリノ基(特にアクセプター性
の置換基を持つものが好ましい。)を導入したものが好
ましい。なお、溶解性を付与させるには、(d)または
(e)タイプのアルコキシ基またはフェノキシ基を導入
するのが好ましい。
【0144】さらに、青色の色素組成物に用いることの
できる色素とする場合には、上記一般式(2)おいて、
rが2〜3であるものであればよいが、好ましくは、N
HTの少なくとも1個がアントラキノン骨格の2もしく
は3位に置換されており、Tがアリール基(NHTとし
て(b)タイプのアニリノ基)であり、該アリール基の
オルソ位に置換基(特にドナー性の置換基を持つもの)
を有し、かつ残位がフッ素原子であるもの、もしくは一
般式(2)において、NHTの2個がアントラキノン骨
格の1,4位に置換されており、Tが置換されていても
よいアルキル基またはシクロアルキル基で、かつ残位の
2,3位がフッ素原子および/またはOUであるものが
好ましい。なお、溶解性を特に必要とする場合は、
(d)または(e)タイプのアルコキシ基またはフェノ
キシ基を導入したものが好ましい。
【0145】また、前述したように第2級アミノ基とし
て、置換されていてもよいアニリノ基を導入させること
により耐光性が向上する反面、アニリノ基以外の第二級
アミノ基としてアルキルアミノ基を導入する場合は、耐
光性が低下することがあるので、少なくとも1個は置換
されていてもよいアニリノ基を導入するのが望ましい態
様といえる。{文献(Zh.Obsch.Khim.1
968,vol.38,No.8,pp.1884〜1
888等)にはアルキルアミノ置換体について記載され
ているが、これらは耐光性が非常に悪く、実用性に乏し
い。}。
【0146】本発明では、これら(a)または(c)タ
イプの第2級アミノ置換基の少なくとも1個が、アント
ラキノン骨格の2または3位に導入されたものである。
本発明者らは、アントラキノン骨格の1,4位よりも
2,3位に置換基を導入した方が耐光性に優れているこ
とを見出だした。よって、本発明では、これら(a)〜
(c)タイプの置換基を導入する際、アントラキノン骨
格の1,4位よりも先に2,3位に置換基を導入するの
が好ましい。また、(d)〜(g)タイプの置換基の導
入においても、できるだけ1,4位よりも2,3位に置
換させる方が耐光性の面で好ましい。
【0147】上述してなる本発明のアントラキノン化合
物(B)を具体的に挙げると、次のとおりである。
【0148】(1)2−アニリノ−1,3,4−トリフ
ルオロアントラキノン、(2)2−(o−エトキシカル
ボニルアニリノ)−1,3,4−トリフルオロアントラ
キノン、(3)2−(p−エトキシカルボニルアニリ
ノ)−1,3,4−トリフルオロアントラキノン、
(4)2−(m−エトキシカルボニルアニリノ)−1,
3,4−トリフルオロアントラキノン、(5)2−(o
−シアノアニリノ)−1,3,4−トリフルオロアント
ラキノン、(6)2−(p−シアノアニリノ)−1,
3,4−トリフルオロアントラキノン、(7)2−(m
−シアノアニリノ)−1,3,4−トリフルオロアント
ラキノン、(8)2−(o−ニトロアニリノ)−1,
3,4−トリフルオロアントラキノン、(9)2−(p
−ニトロアニリノ)−1,3,4−トリフルオロアント
ラキノン、(10)2−(m−ニトロアニリノ)−1,
3,4−トリフルオロアントラキノン、(11)2−
(p−ターシャルブチルアニリノ)−1,3,4−トリ
フルオロアントラキノン、(12)2−(o−メトキシ
アニリノ)−1,3,4−トリフルオロアントラキノ
ン、(13)2−(2,6−ジイソプロピルアニリノ)
−1,3,4−トリフルオロアントラキノン、(14)
2−(2,6−ジクロロアニリノ)−1,3,4−トリ
フルオロアントラキノン、(15)2−(2,6−ジフ
ルオロアニリノ)−1,3,4−トリフルオロアントラ
キノン、(16)2−(3,4−ジシアノアニリノ)−
1,3,4−トリフルオロアントラキノン、(17)2
−(2,4,6−トリクロロアニリノ)−1,3,4−
トリフルオロアントラキノン、(18)2−(2,3,
5,6−テトラクロロアニリノ)−1,3,4−トリフ
ルオロアントラキノン、(19)2−(2,3,5,6
−テトラフルオロアニリノ)−1,3,4−トリフルオ
ロアントラキノン、(20)3−(2,3,4,5−テ
トラフルオロアニリノ)−2−ブトキシ−1,4−ジフ
ルオロアントラキノン、(21)3−(4−シアノ−3
−クロロアニリノ)−2−オクチルオキシ−1,4−ジ
フルオロアントラキノン、(22)3−(3,4−ジシ
アノアニリノ)−2−ヘキシルオキシ−1,4−ジフル
オロアントラキノン、(23)3−(4−シアノ−3−
クロロアニリノ)−1,2−ジブトキシ−4−フルオロ
アントラキノン、(24)3−(p−シアノアニリノ)
−2−フェノキシ−1,4−ジフルオロアントラキノ
ン、(25)3−(p−シアノアニリノ)−2−(2,
6−ジエチルフェノキシ)−1,4−ジフルオロアント
ラキノン、(26)3−(2,6−ジクロロアニリノ)
−2−(2,6−ジクロロフェノキシ)−1,4−ジフ
ルオロアントラキノン、(27)3−(2,3,5,6
−テトラクロロアニリノ)−2−(2,6−ジメトキシ
フェノキシ)−1,4−ジフルオロアントラキノン、
(28)2,3−ジアニリノ−1,4−ジフルオロアン
トラキノン、(29)2,3−ビス(p−ターシャルブ
チルアニリノ)−1,4−ジフルオロアントラキノン、
(30)2,3−ビス(p−メトキシアニリノ)−1,
4−ジフルオロアントラキノン、(31)2,3−ビス
(2−メトキシ−6−メチルアニリノ)−1,4−ジフ
ルオロアントラキノン、(32)2,3−ビス(2,6
−ジイソプロピルアニリノ)−1,4−ジフルオロアン
トラキノン、(33)2,3−ビス(2,4,6−トリ
クロロアニリノ)−1,4−ジフルオロアントラキノ
ン、(34)2,3−ビス(2,3,5,6−テトラク
ロロアニリノ)−1,4−ジフルオロアントラキノン、
(35)2,3−ビス(2,3,5,6−テトラフルオ
ロアニリノ)−1,4−ジフルオロアントラキノン、
(36)2,3−ビス(p−シアノアニリノ)−1−メ
トキシエトキシ−4−フルオロアントラキノン、(3
7)2−(2,6−ジクロロアニリノ)−1,3,4−
トリクロロアントラキノン、(38)2−(2,3,
5,6−テトラフルオロアニリノ)−1,3,4−トリ
クロロアントラキノン、(39)3−(2,6−ジクロ
ロアニリノ)−2−(2,6−ジクロロフェノキシ)−
1,4−ジクロロアントラキノン、(40)2−(2,
6−ジクロロアニリノ)アントラキノン、(41)2−
(2,3,5,6−テトラフルオロアニリノ)アントラ
キノン、(42)3−(2,6−ジクロロアニリノ)−
2−(2,6−ジクロロフェノキシ)アントラキノン、
(43)2,3−ビス(2−メトキシ−6−メチルアニ
リノ)−1,4−ジクロロアントラキノン、(44)
2,3−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリノ)アン
トラキノン、(45)2−ブチルアミノ−1,3,4−
トリフルオロアントラキノン、(46)1,4−ビス
(n−ブチルアミノ)−2,3−ジフルオロアントラキ
ノン、(47)1,4−ビス(n−オクチルアミノ)−
2,3−ジフルオロアントラキノン、(48)1,4−
ビス(ヒドロキシエチルアミノ)−2,3−ジフルオロ
アントラキノン、(49)1,4−ビス(シクロヘキシ
ルアミノ)−2,3−ジフルオロアントラキノン、(5
0)1,4−ビス(シクロヘキシルアミノ)−2−オク
チルオキシ−3−フルオロアントラキノン。
【0149】以後、上記に例示したアントラキノン化合
物を表す際には、アントラキノン化合物の後にカッコ書
きで上記例示化合物の番号を表すものとする。例えば、
「アントラキノン化合物(50)」は、上記例示化合物
番号(50)の「1,4−ビス(シクロヘキシルアミ
ノ)−2−オクチルオキシ−3−フルオロアントラキノ
ン」を表すものとする。
【0150】上述のアントラキノン化合物(B)は、例
えば、以下の方法などによって製造することができる。
【0151】すなわち、下記一般式(8):
【0152】
【化13】
【0153】(ただし、式(8)中、S0 はハロゲン原
子を表わし、wは0〜3の整数を表わす。)で示される
1,2,3および4位、または1,2および3位、また
は1,2および4位、または1および2位、または1お
よび3位、または2および3位、または2位、または3
位がハロゲン原子によって置換されたアントラキノンを
出発原料として用い、それらに芳香族系アミノ化合物単
独あるいは芳香族系アミノ化合物と脂肪族系アミノ化合
物、芳香族系ヒドロキシ化合物、脂肪族系ヒドロキシ化
合物、芳香族系メルカプト化合物および脂肪族系メルカ
プト化合物から選ばれた求核反応物質とを順次にまたは
同時に反応させフッ素原子を求核置換せしめるものであ
る。
【0154】これらの反応求核物質としては、例えば、
一般式(9)
【0155】
【化14】
【0156】[ただし、式(9)中、W2 は、−N
2 、−OHあるいはSHを表し、D3 は各々独立に−
COOR5 (R5 は水素原子または炭素原子数1〜18
個、好ましくは1〜12個のアルキル基)、ニトロ基、
シアノ基、炭素原子数1〜8個、好ましくは1〜6個の
アルキル基、炭素原子数1〜8個、好ましくは1〜6個
のアルコキシ基およびハロゲン原子よりなる群から選ば
れた少なくとも1種のものであり、またxは0〜5の整
数、好ましくは1〜3の整数である。]で表わされる反
応求核物質であり、この場合、該反応求核物質の2およ
び6位が共に置換されているものが好ましい。また、そ
の他の反応求核物質としては、例えば、W2 6 (ただ
し、R6 は炭素原子数1〜18個、好ましくは1〜12
個のアルキル基である。)がある。
【0157】これらの求核置換反応において、通常は有
機溶媒中で反応せしめるが、該有機溶媒としては、例え
ば、ニトロベンゼン、アセトニトリル、ベンゾニトリル
などの不活性溶媒、あるいはピリジン、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、トリエ
チルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルスルホ
ン、スルホランなどの非プロトン極性溶媒、あるいはα
−クロロナフタレン、トリクロロベンゼン、ジクロロベ
ンゼン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン系
溶媒、あるいはベンゼン、トルエン、キシレンなどを用
いることができる。または該有機溶媒を用いないで前記
のアミノ化合物、ヒドロキシ化合物などの求核反応物質
それ自身を溶媒として用いることもできる。
【0158】また縮合剤としてトリエチルアミン、トリ
−n−ブチルアミンなどの有機塩基類やフッ化カリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基を用いるのが良い。
またはアニリン、トルイジン、アニシジンなどのアミノ
化合物において求核反応物質それ自身に縮合剤としての
性質がある場合は、必ずしも前記縮合剤を用いる必要は
ない。あるいは求核反応物質それ自身の反応性が強い場
合、必ずしも縮合剤を必要としない。
【0159】反応温度としては、通常20〜200℃、
好ましくは、反応溶媒等によっても異なるが、芳香族系
アミノ化合物の置換反応については50〜180℃、芳
香族系ヒドロキシ化合物の置換反応については20〜1
20℃、脂肪族系ヒドロキシ化合物の置換反応について
は50〜180℃、芳香族系メルカプト化合物の置換反
応については20〜100℃、あるいは脂肪族系メルカ
プト化合物の置換反応については50〜180℃の範囲
で行なうのが良い。
【0160】これらの具体的な製造例をアントラキノン
化合物(21)について下記に示す。
【0161】アントラキノン化合物(21)の製造例 工程(a);2−オクチルオキシ−1,2,3−トリフ
ルオロアントラキノンの合成 500cc四ツ口フラスコに300ccのジフェニルエ
ーテルとテトラフルオロアントラキノン3g(10.7
ミリモル)とオクチルアルコール約30gとフッ化カリ
ウム0.62g(10.7ミリモル)を仕込み、180
℃で約8時間反応させた。反応終了後フッ化カリウムを
瀘別し、ジフェニルエーテルを留去した後、シリカゲル
(ワコーゲルC−200)を用いてカラム精製し、2−
オクチルオキシ−1,2,3−トリフルオロアントラキ
ノン2.61g(収率62.5モル%)を得た。該目的
物の質量分析スペクトルの結果とフッ素の核磁気共鳴ス
ペクトルの結果を下記表3に示す。
【0162】
【表3】
【0163】工程(b);アントラキノン化合物(2
1)の合成 50cc四ツ口フラスコに20ccの1,2,4−トリ
クロロベンゼンと上記の2−オクチルオキシ−1,2,
3−トリフルオロアントラキノン3g(7.68ミリモ
ル)と4−アミノ−2−クロロベンゾニトリル6gを加
え還流下で約15時間反応させた。反応終了後、1,
2,4−トリクロロベンゼンを留去した後、シリカゲル
(ワコーゲルC−200)を用いてカラム精製し、3−
(4−シアノ−3−クロロアニリノ)−2−オクチルオ
キシ−1,4−ジフルオロアントラキノン2.75g
(収率68.4モル%)を得た。該目的物の最大吸収波
長、溶解度、元素分析値、質量分析スペクトル、フッ素
の核磁気共鳴スペクトルの結果を下記表4に示す。
【0164】
【表4】
【0165】なお、重要な出発原料の一つである1,
2,3,4−テトラフルオロアントラキノンは、例え
ば、日本化学会誌,1976,(5),p.797〜8
01に記載されているように、3,4,5,6−テトラ
フルオロ無水フタル酸とベンゼンをフリーデルクラフツ
反応によりアシル化した後、硫酸により加熱し閉環させ
ることにより合成できる。
【0166】また、他の合成方法としては、ハロゲン原
子で置換されたフタロニトリルを出発原料として用い、
先に芳香族系アミノ化合物単独あるいは芳香族系アミノ
化合物と脂肪族系アミノ化合物、芳香族系ヒドロキシ化
合物、脂肪族系ヒドロキシ化合物、芳香族系メルカプト
化合物および脂肪族系メルカプト化合物から選ばれた求
核反応物質とを順次にまたは同時に反応させフッ素原子
を求核置換した後、加水分解して置換フタル酸を得、ベ
ンゼンとフリーデルクラフツ反応によりアシル化した
後、硫酸により加熱し閉環させることによっても合成で
きる。
【0167】iii.フタロシアニン化合物(C) 本発明の色素組成物に用いられるフタロシアニン化合物
(C)は、樹脂に対する溶解性に優れ、さらに耐光性お
よび耐熱性に優れ、かつ濁りがなく透明感があり、かつ
色調の点でも優れている、フタロシアニン骨格のベンゼ
ン核の16個の置換可能な位置のうちの1〜8個が置換
されていても良いアルコキシ基および/または置換され
ていても良いフェノキシ基で置換されてなり、かつ残位
が水素原子またはハロゲン原子の少なくとも1種のもの
であるフタロシアニン化合物である。
【0168】上記フタロシアニン化合物(C)におい
て、アルコキシ基および/またはフェノキシ基に置換さ
れていても良いとされる置換基は、狭く解されるもので
なく、水素原子以外の全ての非金属の原子団を表す。該
非金属の原子団としては、ハロゲン原子、アルキル基、
アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニ
トロ基、アミノ基(置換アミノ基を含む)、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボ
ニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ
基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、
スルホニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル
基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環
オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキ
シ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、
イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリ
ル基およびアシル基などを表す。
【0169】上述したフタロシアニン化合物(C)の中
で、フタロシアニン骨格のベンゼン核に置換されてい
る、オルソ位に置換基を有するフェノキシ基の当該オル
ソ位の置換基に含まれる原子のうちで水素原子を除いた
原子の原子半径の総計が3.0Å以上であるフタロシア
ニン化合物が好適である。ここで、主な原子の原子半径
は、炭素=0.77Å、酸素=0.74Å、窒素=0.
74Å、フッ素=0.72Å、塩素=0.99Å、臭素
=1.14Å、ケイ素=1.17Å、リン=1.10Å
および硫黄=1.04Åとした。
【0170】該原子半径の総計が3.0Å以上であるこ
とによって樹脂に対する溶解性および吸収波長にさらに
よい効果を及ぼすものである。
【0171】さらに、前記フタロシアニン化合物(C)
の中で、一般式(10)
【0172】
【化15】
【0173】{ただし、上記式(10)中、Pは水素原
子およびハロゲン原子から選ばれる少なくとも1種の原
子を表わし、Qは一般式(11)
【0174】
【化16】
【0175】(ただし、上記(1)〜(7)群の置換基
の式中、R11、R12、R13、R14およびR15は各々独立
に炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のア
ルキル基または置換してもよいアリール基を表し、R16
は置換してもよいアリール基を表し、AはCH基または
窒素原子を表わし、Bは酸素原子、硫黄原子、CH
2 基、NH基または炭素原子数1〜4個のアルキルアミ
ノ基を表わし、f,g,hおよびjは1〜5の整数であ
り、iおよびkは0〜6の整数であり、lおよびmは各
々独立に1〜4の整数である)から選ばれる少なくとも
1種の置換基を表し、Wはハロゲン原子および/または
Gから選ばれる少なくとも1種の置換基を表し、またe
は0〜4の整数である。〕で表されるオルソ位に置換基
を有するフェノキシ基を表し、a〜dは0〜4の整数で
ありかつa〜dの総和は1〜8の整数であり、かつMは
2価もしくは配位子を有している4価の金属を表す。}
で示されるフタロシアニン化合物が特に好適である。
【0176】前記Gの定義における置換してもよいアリ
ール基に、場合によっては存在する置換基は、例えば、
低級アルキル基(C1 〜C4 )、低級アルコキシ基(C
1 〜C4 )、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、アル
キル(C1 〜C4 )アミノ基、アルコキシカルボニル基
(C1 〜C4 )等である。
【0177】これら前記一般式(10)で示されるフタ
ロシアニン化合物は、フタロシアニン骨格のベンゼン核
の結合位に、置換されていても良いアルコキシ基および
/または置換されていても良いフェノキシ基を1〜8個
導入したものであるが、特にフェノキシ基のオルソ位に
崇高い置換基G(前記一般式(11)にて定義したも
の)を導入することによって耐光性を維持しながら樹脂
に耐する溶解性、吸収波長の制御において優れた特性が
得られ、当該フタロシアニン化合物の少なくとも1種を
配合してなる色素組成物およびそれを用いてなるカラー
フィルターでも、耐光性、吸収波長の制御に優れた効果
が発揮できることを本発明者らは見いだした。
【0178】前記フタロシアニン化合物(C)の16個
のベンゼン核の結合位に1〜8個の置換されていても良
いアルコキシ基および/または置換されていても良いフ
ェノキシ基が置換されるが、残位(一般式(10)にお
けるP)は、ハロゲン原子あるいは水素原子が置換され
ていればよいが、好ましくはフッ素原子および水素原子
であり、特に好ましくは、フッ素原子である。フッ素原
子を用いることによって溶解性にさらに良い効果を及ぼ
すからである。
【0179】前記フタロシアニン化合物(C)では、残
位(一般式(10)におけるP)がフッ素原子であるフ
タロシアニン化合物が好ましいが、特にフッ素原子が一
般式(3)
【0180】
【化17】
【0181】に示すフタロシアニン構造式において1、
4、5、8、9、12、13および16のいずれかの位
置に全部で5個以上含まれていることが、樹脂に対する
溶解性にさらに良い効果を及ぼすためより望ましい。
【0182】前記フタロシアニン化合物(C)中のフタ
ロシアニン骨格のベンゼン核の結合位に置換された、置
換されていてもよいフェノキシ基では、該フェノキシ基
のオルソ位に嵩高い置換基を導入したものが好ましく、
上記一般式(11)におけるGで表される(1)〜
(7)群の置換基を用いるのが特に好ましい。フェノキ
シ基には、さらに置換基Wの置換が可能である。WはG
またはハロゲン原子であり、好ましくはGである。さら
に、置換基Wのうち1個がフェノキシ基のオルソ位、す
なわち置換基GとWがフェノキシ基の2位と6位に置換
されているのが好ましい。フェノキシ基の2,6位に置
換基を有することによって樹脂に対する溶解性および吸
収波長にさらに良い効果を及ぼすからである。
【0183】また、その際にフェノキシ基の2位と6位
に置換された置換基の水素を除く原子数の両位の総計
が、好ましくは4個以上、さらに好ましくは7個以上あ
るのが好ましい。また、本発明では、一般式(10)に
おいて、Qの置換基は、一般式(3)での2,3,6,
7,10,11,14,15位のいわゆるβ位に置換す
るのが好ましい。β位に置換したものは耐光性が優れて
いる。また、緑色、青色色素を形成するのに好ましい。
【0184】これらフェノキシ基の2位あるいは6位も
しくは両位に置換される置換基として、具体的には、例
えば、つぎのものがある。
【0185】(1)群:メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、s
ec−ブチル、tert−ブチル、直鎖あるいは分岐し
たペンチル、直鎖あるいは分岐したヘキシル、シクロヘ
キシル、直鎖あるいは分岐したヘプチル、直鎖あるいは
分岐したオクチル、直鎖あるいは分岐したノニル、直鎖
あるいは分岐したデシル、直鎖あるいは分岐したウンデ
シル、直鎖あるいは分岐したドデシル、フェニル、o−
メチルフェニル、m−メチルフェニル、p−メチルフェ
ニル、o−エチルフェニル、m−エチルフェニル、p−
エチルフェニル、o−プロピルフェニル、m−プロピル
フェニル、p−プロピルフェニル、o−イソプロピルフ
ェニル、m−イソプロピルフェニル、p−イソプロピル
フェニル、o−ブチルフェニル、m−ブチルフェニル、
p−ブチルフェニル、o−tert−ブチルフェニル、
m−tert−ブチルフェニル、p−tert−ブチル
フェニル、o−メトキシフェニル、m−メトキシフェニ
ル、p−メトキシフェニル、o−エトキシフェニル、m
−エトキシフェニル、p−エトキシフェニル、o−プロ
ポキシフェニル、m−プロポキシフェニル、p−プロポ
キシフェニル、o−イソプロポキシフェニル、m−イソ
プロポキシフェニル、p−イソプロポキシフェニル、o
−ブトキシフェニル、m−ブトキシフェニル、p−ブト
キシフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,6ジエ
チルフェニル、2,6−ジプロピルフェニル、2,6−
ジイソプロピルフェニル、2,6−ジブチルフェニル、
2,6−ジtert−ブチルフェニル、2,6−ジメト
キシフヱニル、2,6−ジエトキシフェニル、2,6−
ジプロポキシフェニル、2,6−ジイソプロポキシフェ
ニル、2,6一ジブトキシフェニル、2−フルオロフェ
ニル、2−クロロフェニル、2−ブロモフェニル、2−
ヨードフェニル、3−フルオロフェニル、3−クロロフ
ェニル、3−ブロモフェニル、3−ヨードフェニル、4
−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモ
フェニル、4−ヨードフェニル、2,3ジフルオロフェ
ニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロ
フェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,4−ジブロ
モフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,5−ジ
クロロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、2,6
−ジクロロフェニル、2,6−ジブロモフェニル、3,
4−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、
3,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジクロロフェニ
ル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,3,4−
トリクロロフェニル、2,3,5−トリフルオロフェニ
ル、2,3,5−トリクロロフェニル、2,3,6−ト
リフルオロフェニル、2,3,6−トリクロロフェニ
ル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−
トリクロロフェニル、2,4,6−トリブロモフェニ
ル、2,4,6−トリヨードフェニル、2,3,5,6
−テトラフルオロフェニル、ペンダフルオロフェニル、
ペンタクロロフェニル。
【0186】(2)群:メトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカ
ルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニ
ル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシ
カルボニル、直鎖あるいは分岐したペンチルオキシカル
ボニル、直鎖あるいは分岐したヘキシルオキシカルボニ
ル、シクロヘキシルオキシカルボニル、直鎖あるいは分
岐したヘプチルオキシカルボニル、直鎖あるいは分岐し
たオクチルオキシカルボニル、直鎖あるいは分岐したノ
ニルオキシカルボニル、直鎖あるいは分岐したデシルオ
キシカルボニル、直鎖あるいは分岐したウンデシルオキ
シカルボニル、直鎖あるいは分岐したドデシルオキシカ
ルボニル、シクロヘキサンメトキシカルボニル、シクロ
ヘキサンエトキシカルボニル、3−シクロヘキシル−1
−プロポキシカルボニル、tert−ブチルシクロヘキ
シルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4−メ
チルフェノキシカルボニル、4−クロロフェノキシカル
ボニル、4−シクロヘキシルフェノキシカルボニル、4
−フェニルフェノキシカルボニル、2−フルオロフェノ
キシカルボニル、4−エトキシフェノキシカルボニル。
【0187】(3)群:メトキシエトキシカルボニル、
エトキシエトキシカルボニル、3′,6′−オキサヘプ
チルオキシカルボニル、3′,6′−オキサオクチルオ
キシカルボニル、3′,6′,9′−オキサデシルオキ
シカルボニル、3′,6′,9′,12′−オキサトリ
デシルオキジカルボニル。
【0188】(4)群:メトキシプロピルオキシカルボ
ニル、エトキシプロピルオキシカルボニル、4′,8′
−オキサノニルオキシカルボニル、4′,8′−オキサ
デシルオキシカルボニル、4′,8′,12′−オキサ
トリデシルオキシカルボニル。 (5)群:メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロ
ポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、
tert−ブトキシ、直鎖あるいは分岐したペンチルオ
キシ、直鎖あるいは分岐したヘキシルオキシ、シクロヘ
キシルオキシ、直鎖あるいは分岐したヘプチルオキシ、
直鎖あるいは分岐したオクチルオキシ、直鎖あるいは分
岐したノニルオキシ、直鎖あるいは分岐したデシルオキ
シ、直鎖あるいは分岐したウンデシルオキシ、直鎖ある
いは分岐したドデシルオキシ、メトキシエトキシ、エト
キシエトキシ、3′,6′−オキサヘプチルオキシ、
3′,6′−オキサオクチルオキシ、3′,6′,9′
−オキサデシルオキシ、3′,6′,9′,12′−オ
キサトリデシルオキシ、メトキシプロピルオキシ、エト
キシプロピルオキシ、4′,8′−オキサノニルオキ
シ、4′,8′−オキサデシルオキシ。
【0189】(6)群:ベンジルオキシカルボニル、フ
ェネチルオキシカルボニル、3−フェル−1−プロポキ
シカルボニル、4−フェニル−1−ブトキシカルボニ
ル、5−フェニル−1−ペントキシカルボニル、6−フ
ェニル−l−ヘキシルオキシカルボニル。
【0190】(7)群:2−テトラヒドロキシフランオ
キシカルボニル、4−テトラヒドロピラノオキシカルボ
ニル、2−ピロリジノオキシカルボニル、2−ピペリジ
ノオキシカルボニル、2−テトラヒドロチオフェンオキ
シカルボニル、テトラヒドロフルフリルオキシカルボニ
ル、4−テトラヒドロピラノオキシカルボニル、2−モ
ルフォリノエトキシカルボニル、2−ピロリジノエトキ
シカルボニル、2−ピペラジノエトキシカルボニル。
【0191】なお置換基Wの(1)〜(7)群以外の例
としてハロゲン原子が挙げられるが、具体的には、フッ
素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子であり、
好ましくは塩素原子および臭素原子である。
【0192】前記フェノキシ基に上記の置換基Gおよび
Wを導入した残りの位置には、さらに溶解性を向上させ
たり、吸収波長の制御のために新たな置換基を導入して
も良い。これらの置換基としては、ハロゲン原子および
/またはアルコキシ基が置換されていても良い炭素原子
数1〜20個、好ましくは1〜4個の直鎖または分岐鎖
のアルコキシからなるアルコキシカルボニル、置換され
ていても良いアリールオキシカルボニル基、直鎖または
分岐している置換されていても良い炭素数1〜12個、
好ましくは1〜4個のアルキル基、直鎖または分岐して
いる炭素数1〜12個、好ましくは1〜4個のアルコキ
シル基、直鎖または分岐している炭素数1〜20個、好
ましくは1〜4個のモノアルキルアミノ基、直鎖または
分岐している炭素数1〜20個、好ましくは1〜4個の
ジアルキルアミノ基、シクロヘキシル基、置換されてい
ても良いフェノキシ基、置換されていても良いアニリノ
基またはニトロ基などが挙げられる。
【0193】前記フタロシアニン化合物(C)中のフタ
ロシアニン骨格のベンゼン核の16個の置換可能な位置
のうちの1〜8個に置換されるアルコキシ基では、先述
した如く水素原子以外の全ての非金属の原子団による置
換基を有していてもよいが、好ましくは、メトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソ
ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、直
鎖あるいは分岐したペンチルオキシ、直鎖あるいは分岐
したヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、直鎖ある
いは分岐したヘプチルオキシ、直鎖あるいは分岐したオ
クチルオキシ、直鎖あるいは分岐したノニルオキシ、直
鎖あるいは分岐したデシルオキシ、直鎖あるいは分岐し
たウンデシルオキシ、直鎖あるいは分岐したドデシルオ
キシ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、3′,
6′−オキサヘプチルオキシ、3′,6′−オキサオク
チルオキシ、3′,6′,9′−オキサデシルオキシ、
3′,6′,9′,12′−オキサトリデシルオキシ、
メトキシプロピルオキシ、エトキシプロピルオキシ、
4′,8′−オキサノニルオキシおよび4′,8′−オ
キサデシルオキシ等の置換基である。
【0194】前記フタロシアニン化合物(C)として
は、金属フタロシアニン化合物を含むものである。該金
属フタロシアニン化合物としては、前記一般式(10)
に示すものが挙げられる。すなわち、前記一般式(1
0)において、Mは2価もしくは配位子を有している4
価の金属である。Mで示されるフタロシアニン化合物の
中心金属の具体例としては塩化鉄、マグネシウム、ニッ
ケル、コバルト、銅、パラジウム、亜鉛等の2価の金
属、塩化アルミニウム、塩化インジウム、塩化ゲルマニ
ウム、塩化錫、塩化珪素、チタニル、バナジル等の配位
子を有している4価の金属が挙げられ、耐光性が良好で
ある点で、コバルト、銅、パラジウム、亜鉛、塩化錫も
しくはバナジルが好ましい。
【0195】特に、上記フタロシアニン化合物(C)
が、一般式(3)
【0196】
【化18】
【0197】において、Mが2価もしくは配位子を有し
ている4価の金属であり、かつ置換されていてもよいア
ルコキシ基および/または置換されていてもよいフェノ
キシ基が2,3,6,7,10,11,14および15
位に少なくとも3個以上置換されてなるものが色素を構
成する上で好ましい。
【0198】上記一般式(3)おいて、青色の色素組成
物に用いることのできる色素とする場合には、吸収波長
の適合性の観点から、好ましくは、中心金属Mが2価の
金属、例えば、コバルト、銅、パラジウム、ニッケルお
よび亜鉛、特に亜鉛、コバルト、銅であり、より好まし
くは、中心金属Mが2価の金属であり、フタロシアニン
骨格のベンゼン核に置換されているフェノキシ基の数が
3〜5個であり、残位がフッ素原子である。
【0199】また、上記一般式(3)おいて、緑色の色
素組成物に用いることのできる色素として用いる場合
は、吸収波長の適合性の観点から、好ましくは、中心金
属Mが配位子を有してなる4価の金属、例えば、塩化錫
(SnCl2 )、バナジル(VO)、チタニル(Ti
O)、特にバナジルであり、より好ましくは、中心金属
Mが配位子を有してなる4価の金属であり、フタロシア
ニン骨格のベンゼン核に置換されているフェノキシ基の
数が3〜5個で、該フェノキシ基のうちオルソ位に置換
基を有するフェノキシ基の当該オルソ位の置換基に含ま
れる原子のうちで水素原子を除いた原子の原子半径の総
計が3.0Å以上であり、残位がフッ素原子である。
【0200】上述した本発明のフタロシアニン化合物
(C)は、具体的には、例えば、次の表5〜11に示さ
れる番号1〜37のフタロシアニン化合物が挙げられ
る。なお、フェノキシ基、アルコキシ基は、上記一般式
(3)における、2,3,6,7,10,11,14,
15位のいずれかに置換されたものである。
【0201】
【表5】
【0202】
【表6】
【0203】
【表7】
【0204】
【表8】
【0205】
【表9】
【0206】
【表10】
【0207】
【表11】
【0208】以後、上記に例示したフタロシアニン化合
物を表す際には、フタロシアニン化合物の後にカッコ書
きで、上記例示化合物の番号を表す。例えば、「フタロ
シアニン化合物(37)」は、上記表11の番号37に
示すフタロシアニン化合物を表すものとする。
【0209】前記フタロシアニン化合物(C)では、例
えば、含フッ素系のフタロシアニンを例にとれば、下記
のスキームの第一法または第二法のそれぞれの第1ステ
ップおよび第2ステップに従って合成できる。なお、本
発明者らは下記のスキームの第一ステップおよび第二ス
テップの製造方法については、特願昭61−17371
0号、特願昭61−288671号、特願昭63−65
806号、特願昭63−213830号、特願平1−1
03554号、特願平2−144292号、特願平4−
23846号、特願平4−262186号、特願平4−
28185号、特願平4−274125号などに開示し
ているので同様にして合成できる。
【0210】下記式において、G、W、およびeの意味
は、前記一般式(10)および(11)において定義し
た意味と同じである。
【0211】
【化19】
【0212】
【化20】
【0213】
【化21】
【0214】
【化22】
【0215】これらの具体的な製造例を前記表2のフタ
ロシアニン化合物(10)および前記表1のフタロシア
ニン化合物(3)について下記に示す。
【0216】フタロシアニン化合物(10)の製造例 工程(a);3,4,6−トリフルオロ−5−(2−メ
チル−6−メトキシエトシキカルボニル)フェノキシフ
タロニトリルの合成 100mlの四つ口フラスコ中に、テトラフルオロフタ
ロニトル6.32g(31.6mmol)、2,3−ク
レソチン酸メトキシエチル7.30g(34.8mmo
l)、フッ化カリウム(商品名:クロキャットF 森田
化学株式会社製)2.75g(47.4mmol)およ
びアセトニトリル60mlを仕込み、還流条件下4時間
反応させた。反応終了後、不溶分を濾別したのち溶媒を
留去し、1%水酸化ナトリウム水溶液200mlで1
回、さらに200mlの水で2回洗浄することにより目
的物の白色ケーキ15.5gを得た(収率、テトラフル
オロフタロニトリルに対し95.6%)。該目的物の白
色ケーキの元素分析の結果を下記表12に示す。
【0217】
【表12】
【0218】工程(b);フタロシアニン化合物(1
0)合成 100mlの四つ口フラスコ中に、3,4,6−トリフ
ルオロ−5−(2−メチル−6−メトキシエトシキカル
ボニル)フェノキシフタロニトリル7.0g(17.9
mmol)、三塩化バナジウム0.85g(5.4mm
ol)およびベンゾニトリル25mlを仕込み、175
℃で4時間反応させた。反応終了後、不溶分を濾別した
のち溶媒を留去し、200mlのメタノールで2回洗浄
することにより目的物の緑色ケーキ4.26gを得た
(収率、フタロニトリルに対し58.4%)。該目的物
の緑色ケーキの最大吸収波長、溶解度および元素分析の
結果を下記表13に示す。
【0219】
【表13】
【0220】一方、ハロゲンの導入されていないフタロ
シアニン化合物は、一般的によく知られている方法であ
る4−ニトロフタロニトリルあるいは3−ニトロフタロ
ニトリルと、フェノール誘導体とを反応させて4位ある
いは3位にフェノール誘導体の置換されたフタロニトリ
ルを得ることができるので、得られたフタロニトリルを
用いて通常のフタロシアニンを得る方法によって合成で
きる。
【0221】フタロシアニン化合物(3)の製造例 工程(a);4−(2−メチル−6−{3′,6′−オ
キサヘプチルオキシカルボニル}−フェノキシフタロニ
トリルの合成 100mlの四つ口フラスコ中に、4−ニトロフタロニ
トリル8.66g(50mmol)、2,3−クレソチ
ン酸2−(2−メトキシエトキシ)エチルエステル1
5.3g(60mmol)、ジメチルスルホキシド60
mlおよび1,4−ジオキサン40mlを仕込み、80
℃で6時間反応させた。反応終了後、反応混合物を30
0mlの水中に投入し、析出した固形分をさらに水30
0mlで洗浄した。そして、得られたケーキを乾燥した
のち、クロロホルムを展開溶媒としてカラムクロマトグ
ラフィーで精製することにより目的物の白色固体16.
5g(43.4mmol)を得た。(収率、4−ニトロ
フタロニトリルに対し86.8%)。該目的物の白色固
体の元素分析の結果を下記表14に示す。
【0222】
【表14】
【0223】工程(b);フタロシアニン化合物(3)
の合成 100mlの四つ口フラスコ中に、4−(2−メチル−
6−{3′,6′−オキサヘプチルオキシカルボニル}
−フェノキシフタロニトリル8.00g(21.0mm
ol)、三塩化バナジウム0.99g(6.30mmo
l)およびベンゾニトリル30mlを仕込み、175℃
で6時間反応させた。反応終了後、不溶分を濾別したの
ち溶媒を留去し、200mlのメタノールで2回洗浄す
ることにより目的物の緑色ケーキ6.61g(4.16
mmol)を得た(収率、フタロニトリルに対し79.
3%)。該目的物の緑色ケーキの最大吸収波長、溶解度
および元素分析の結果を下記表15に示す。
【0224】
【表15】
【0225】以上が、本発明に係る色素組成物を構成す
る(A)〜(C)群の各化合物を詳細に説明したもので
ある。
【0226】次に、上記(A)〜(C)群の各化合物の
うち少なくとも2群を適当に組合せることにより、それ
ぞれ赤色、緑色および青色の色素組成物を作製するもの
である。上記(A)〜(C)群の各化合物を適当に組合
せて赤色、緑色および青色の色素組成物を作製するのに
必要な色素ごとに、これらを赤色用色素、緑色用色素、
青色用色素および調色用黄色色素の4群に群分けして分
類し、さらに具体的に例示を挙げながら以下に説明す
る。
【0227】I-iv .緑色用色素 本発明に係る緑色の色素組成物を構成し得る緑色用色素
としては、以下に示すキニザリン系緑色用色素およびフ
タロシアニン系緑色用色素が挙げられる。
【0228】キニザリン系緑色用色素 キニザリン系緑色用色素としては、例えば、上記一般式
(1)で表されるキニザリン化合物(A)おいて、Zの
少なくとも1個がNHX2 であるキニザリン化合物など
を用いることができるが、キニザリン系緑色用色素とし
て好ましいものは、上記一般式(1)で表されるキニザ
リン化合物(A)において、Zの1〜3個がNHX2
あり、X、X2 の少なくともどちらか一方が置換基を有
していてもよいアリール基であるキニザリン化合物であ
る。好ましいキニザリン系緑色用色素の具体例として
は、キニザンリン化合物(55)〜(64)、(66)
〜(72)、(75)〜(81)、(86)〜(8
8)、(96)〜(103)が挙げられる。
【0229】また、キニザリン系緑色用色素として特に
好ましいものとしては、上記一般式(1)で表されるキ
ニザリン化合物(A)において、Zの1〜2個がNHX
2 であり、X、X2 が置換基を有していてもよいアリー
ル基であり、好ましくは残位の少なくとも1個がOYで
置換されており、Yがアルキル基、置換されていてもよ
いアリール基であるキニザリン化合物である。特に好ま
しいキニザリン系緑色用色素の具体例としては、キニザ
ンリン化合物(66)〜(72)、(75)、(7
6)、(97)、(102)、(103)が挙げられ
る。
【0230】さらに、キニザリン系緑色用色素として、
一番好ましいものとしては、上記一般式(1)で表され
るキニザリン化合物(A)において、Zの1〜2個がN
HX2 であり、X、X2 がオルソ位に置換基をもつアリ
ール基であり、好ましくは残位の少なくとも1個がOY
で置換されており、Yがアルキル基、置換されていても
よいアリール基であり、残位のZがフッ素原子であるキ
ニザリン化合物である。一番好ましいキニザリン系緑色
用色素の具体例としては、キニザンリン化合物(68)
〜(70)、(72)、(75)、(76)、(10
2)、(103)が挙げられる。
【0231】フッ素原子を含むものは、樹脂や溶媒への
溶解性が高いことや耐光性、耐熱性が高く好ましい。ま
た、NHXおよびNHX2 が置換されていてもよいアニ
リノ基であるものは、置換されていてもよいアルキルア
ミノ基であるものより耐熱性や耐光性が高く好ましい。
なかでもNHXおよびNHX2 がオルソ位に置換基を持
つアニリノ基であるものは、樹脂や溶媒への溶解性を高
め、また吸収波長がシャープとなり色調が良好となり特
に好ましい。また、OYによる置換は、樹脂や溶媒への
溶解性を高める効果がある。
【0232】フタロシアニン系緑色用色素 次に、フタロシアニン系緑色用色素として好ましいもの
としては、上記一般式(3)で表されるフタロシアニン
化合物(C)において、Mが配位子を有してなる4価の
金属であるフタロシアニン化合物である。好ましいフタ
ロシアニン系緑色用色素の具体例としては、フタロシア
ニン化合物(3)〜(22)が挙げられる。
【0233】フタロシアニン系緑色用色素として特に好
ましいものとしては、上記一般式(3)で表されるフタ
ロシアニン化合物(C)において、Mが配位子を有して
なる4価の金属であり、フタロシアニン骨格のベンゼン
核に置換されているフェノキシ基の数が3〜5個で、該
フェノキシ基が置換基を有しており、好ましくは該フェ
ノキシのうちオルソ位に置換基を有するフェノキシ基の
当該オルソ位の置換基に含まれる原子のうちで水素原子
を除いた原子の原子半径の総計が3.0Å以上であるフ
タロシアニン化合物である。フェノキシ基で置換するこ
とでさらに溶解性が向上し、また吸収波長がシャープと
なり色調が良好となり特に好ましい。特に好ましいフタ
ロシアニン系緑色用色素の具体例としては、フタロシア
ニン化合物(3)、(4)、(7)、(10)〜(1
8)が挙げられる。
【0234】また、フタロシアニン系緑色用色素として
一番好ましいものとしては、上記一般式(3)で表され
るフタロシアニン化合物(C)において、Mが配位子を
有してなる4価の金属、好ましくはバナジル(VO)で
あり、フタロシアニン骨格のベンゼン核に置換されてい
るフェノキシ基の数が3〜5個、好ましくは4個で、該
フェノキシ基がオルソ位(の双方)に置換基を有してお
り、該フェノキシ基の当該オルソ位の置換基に含まれる
原子のうちで水素原子を除いた原子の原子半径の総計が
3.0Å以上であり、残位がフッ素原子であるフタロシ
アニン化合物である。オルソ位の双方に置換基を持つフ
ェノキシ基で置換することでさらに溶解性が向上し、ま
たさらに吸収波長がシャープとなり色調が良好となり特
に好ましい。また、ベンゼン核の結合位をフッ素原子で
置換することによって溶解性が向上し好ましい。一番好
ましいフタロシアニン系緑色用色素の具体例としては、
フタロシアニン化合物(10)、(11)、(13)、
(14)、(15)、(17)が挙げられる。
【0235】I-v. 赤色用色素 本発明に係る赤色の色素組成物を構成し得る赤色用色素
としては、以下に示すキニザリン系赤色用色素およびア
ントラキノン系赤色用色素が挙げられるが、アントラキ
ノン系の色素よりもキニザリン系の色素の方が吸収波長
がシャープで赤色用色素として好ましい。
【0236】キニザリン系赤色用色素 まず、キニザリン系赤色用色素としては、一般式(1)
で表されるキニザリン化合物(A)において、Zがハロ
ゲン原子であるキニザリン化合物を用いることができる
が、キニザリン系赤色用色素として好ましいものとして
は、一般式(1)で表されるキニザリン化合物(A)に
おいて、Xが置換されていてもよいアリール基であり、
Zがハロゲン原子であるキニザリン化合物である。好ま
しいキニザリン系赤色用色素の具体例としては、キニザ
リン化合物(1)〜(51)、(89)〜(95)が挙
げられる。
【0237】また、キニザリン系赤色用色素として特に
好ましいものとしては、上記一般式(1)で表されるキ
ニザリン化合物(A)において、Xが置換されていても
よいアリール基であり、pが1以上であるキニザリン化
合物である。OY(アルコキシ基またはフェノキシ基)
を1個以上導入することにより、樹脂や溶媒への溶解性
を高める効果があり、また耐熱性を向上する効果があ
る。特に好ましいキニザリン系赤色用色素の具体例とし
ては、キニザリン化合物(11)〜(27)、(34)
〜(51)、(91)〜(95)が挙げられる。
【0238】また、キニザリン系赤色用色素として一番
好ましいものは、上記一般式(1)で表されるキニザリ
ン化合物(A)において、pが1〜2であり、Xおよび
Yが、オルソ位に置換基を持つアリール基で、かつ残位
のZがフッ素原子であるキニザリン化合物である。フッ
素原子を含むのは、樹脂や溶媒への溶解性が高いことや
耐光性、耐熱性が高く好ましい。また、Xが置換されて
いてもよいアリール基によるものは、置換されていても
よいアルキル基によるものより耐熱性や耐光性が高く好
ましい。一番好ましいキニザリン系赤色用色素の具体例
としては、キニザリン化合物(37)、(38)、(4
3)が挙げられる。
【0239】アントラキノン系赤色用色素 また、好ましいアントラキノン系赤色用色素の具体例と
しては、アントラキノン化合物(11)、(13)、
(34)、(35)が挙げられる。
【0240】I-vi. 青色用色素 本発明に係る青色の色素組成物を構成し得る青色用色素
としては、以下に示すキニザリン系青色用色素およびア
ントラキノン系青色用色素が挙げられるが、キニザリン
系の色素よりもアントラキノン系の色素が吸収波長が浅
く青色用色素として好ましい。さらに、本発明に係る青
色用色素組成物を構成し得る青色用色素としては、後述
するフタロシアニン系青色用色素が挙げられる。
【0241】アントラキノン系青色用色素 アントラキノン系青色用色素としては、例えば、上記一
般式(2)で表されるアントラキノン化合物(B)おい
て、rが2〜3であるアントラキノン化合物などを用い
ることができるが、好ましいアントラキノン系青色用色
素としては、上記一般式(2)で表されるアントラキノ
ン化合物(B)において、rが2〜3であり、NHTの
少なくとも1個がアントラキノン骨格の2もしくは3位
に置換されており、かつTがドナー性の置換基を有して
いるアリール基であるアントラキノン化合物である。ド
ナー性の置換基であることと、アニリノ基あるいはアミ
ノ基が少なくとも2個あることが青色用色素の波長域に
適合する。好ましいアントラキノン系青色用色素の具体
例としては、アントラキノン化合物(28)〜(3
2)、(43)が挙げられる。
【0242】また、特に好ましいアントラキノン系青色
用色素としては、上記一般式(2)で表されるアントラ
キノン化合物(B)において、NHTの少なくとも1個
がアントラキノン骨格の2もしくは3位に置換されてお
り、かつTがアリール基であり、さらに好ましくは該ア
リール基のオルソ位に置換基を有し、かつオルソ位の置
換基の少なくとも1個はドナー性の置換基であり、Vが
ハロゲン原子、置換アルコキシ基、置換フェノキシ基で
あるアントラキノン化合物である。Tが置換されていて
もよいアリール基である方が、置換されていてもよいア
ルキル基であるものより耐熱性や耐光性が高く好まし
く、さらにTがオルソ位に置換基を持つアリール基であ
るものは、樹脂や溶媒への溶解性を高め、また、吸収波
長がシャープとなり色調が良好となり特に好ましいとい
える。特に好ましいアントラキノン系青色用色素の具体
例としては、アントラキノン化合物(31)、(3
2)、(43)が挙げられる。
【0243】また、一番好ましいアントラキノン系青色
用色素の1つとしては、上記一般式(2)で表されるア
ントラキノン化合物(B)において、NHTの少なくと
も1個がアントラキノン骨格の2もしくは3位に置換さ
れており、かつTがアリール基であり、該アリール基の
オルソ位に置換基を有し、かつオルソ位の置換基の少な
くとも1個はドナー性の置換基であり、かつ残位のVが
フッ素原子および/またはOU、好ましくは残位のVが
フッ素原子であるアントラキノン化合物である。一番好
ましいアントラキノン系青色用色素の1つの具体例とし
ては、アントラキノン化合物(31)、(32)が挙げ
られる。
【0244】さらに、一番好ましいアントラキノン系青
色用色素の他の1つとしては、上記一般式(2)で表さ
れるアントラキノン化合物(B)において、NHTの2
個がアントラキノン骨格の1,4位に置換されており、
Tが置換されていてもよいアルキル基またはシクロアル
キル基で、かつ残位のVの2,3位がフッ素原子および
/またはOUであるアントラキノン化合物である。一番
好ましいアントラキノン系青色用色素の他の1つの具体
例としては、アントラキノン化合物(46)〜(50)
が挙げられる。
【0245】キニザリン系青色用色素 好ましいキニザリン系青色用色素としては、上記一般式
(1)で表されるキニザリン化合物(A)において、Z
の少なくとも1個がNHX2 であり、該NHX2 がキニ
ザリン骨格の6もしくは7位に位置するキニザリン化合
物である。好ましいキニザリン系青色用色素の具体例と
しては、キニザリン化合物(65)、(73)、(7
4)が挙げられる。
【0246】フタロシアニン系青色用色素 フタロシアニン系青色用色素として好ましいものとして
は、上記一般式(3)で表されるフタロシアニン化合物
(C)において、Mが2価の金属であり、好ましくはさ
らに残位がフッ素原子であるフタロシアニン化合物であ
る。好ましいフタロシアニン系青色用色素の具体例とし
ては、フタロシアニン化合物(23)〜(37)が挙げ
られる。
【0247】フタロシアニン系青色用色素として特に好
ましいものとしては、上記一般式(3)で表されるフタ
ロシアニン化合物(C)において、Mが2価の金属であ
り、フタロシアニン骨格のベンゼン核に置換基を有する
フェノキシ基が置換されており、好ましくはオルソ位に
置換基を有するフェノキシ基が置換されており、当該フ
ェノキシ基のオルソ位の置換基に含まれる原子のうちで
水素原子を除いた原子の原子半径の総計が3.0Å以上
であるフタロシアニン化合物である。フェノキシ基で置
換することでさらに溶解性が向上し、吸収波長がシャー
プとなり色調が良好となり特に好ましい。特に好ましい
フタロシアニン系青色用色素の具体例としては、フタロ
シアニン化合物(23)、(27)、(29)〜(3
6)が挙げられる。
【0248】また、フタロシアニン系青色用色素として
一番好ましいものとしては、上記一般式(3)で表され
るフタロシアニン化合物(C)において、Mが2価の金
属、好ましくはZn、Cr、Coであり、フタロシアニ
ン骨格のベンゼン核に置換されているフェノキシ基の数
が3〜5個、好ましくは4個であり、該フェノキシ基が
オルソ位(の双方)に置換基を有しており、ベンゼン核
の残位がフッ素原子であるフタロシアニン化合物であ
る。オルソ位(特にオルソ位の双方)に置換基を持つフ
ェノキシ基で置換することでさらに溶解性が向上し、吸
収波長がシャープとなり色調が良好となり特に好まし
い。また、ベンゼン核の残位をすべてフッ素原子で置換
することによって溶解性が向上し好ましい。一番好まし
いフタロシアニン系青色用色素の具体例としては、フタ
ロシアニン化合物(29)、(30)、(32)、(3
3)が挙げられる。
【0249】I-vii. 調色用黄色色素 本発明に係る緑色の色素組成物および赤色の色素組成物
を構成し得る調色用黄色色素としては、以下に示すアン
トラキノン系黄色色素が挙げられる。
【0250】アントラキノン系黄色色素としては、上記
一般式(2)で表されるアントラキノン化合物(B)に
おいて、rが1であり、NHTがアントラキノン骨格の
2もしくは3位に位置するアントラキノン化合物を用い
ることができるが、好ましいアントラキノン系黄色色素
としては、上記一般式(2)で表されるアントラキノン
化合物(B)において、rが1であり、NHTがアント
ラキノン骨格の2もしくは3位に位置し、Tがアクセプ
ター性の置換基を有しているアリール基もしくは置換さ
れていてもよいアルキル基であるアントラキノン化合物
である。NHXが2もしくは3位にあることと、Tがア
クセプター性の置換基を有しているアリール基もしくは
アルキル基であることが黄色用色素の波長域に適合す
る。好ましいアントラキノン系黄色色素の具体例として
は、アントラキノン化合物(2)〜(10)、(14)
〜(27)、(37)〜(39)、(42)、(45)
が挙げられる。
【0251】また、特に好ましいアントラキノン系黄色
用色素としては、上記一般式(2)で表されるアントラ
キノン化合物(B)において、rが1であり、NHTが
アントラキノン骨格の2もしくは3位に位置し、Tが置
換されていてもよいアリール基、好ましくは少なくとも
1個アクセプター性の置換基をもつアリール基であり、
Vの少な1個がOUであるアントラキノン化合物であ
る。Tが置換されていてもよいアリール基である方が、
置換されていてもよいアルキル基であるものより耐熱性
や耐光性が高く好ましい。特に好ましいアントラキノン
系黄色用色素の具体例としては、アントラキノン化合物
(20)〜(27)、(39)、(42)が挙げられ
る。
【0252】さらに、一番好ましいアントラキノン系黄
色用色素としては、上記一般式(2)で表されるアント
ラキノン化合物(B)において、rが1であり、NHT
がアントラキノン骨格の2もしくは3位に位置し、Tが
オルソ位に置換基を持つアリール基、好ましくはオルソ
位の置換基の少なくとも1個がアクセプター性の置換基
であるアリール基であり、Vの少なくとも1個がOU
(好ましくはUが置換されていてもよいアルキル基)で
あり、かつ残位のVがフッ素原子であるアントラキノン
化合物である。一番好ましいアントラキノン系黄色用色
素の具体例としては、アントラキノン化合物(20)〜
(23)が挙げられる。
【0253】上記(A)〜(C)群の各化合物のうち少
なくとも2群を適当に組合せることにより任意の色素組
成物を得るには特に制限されるものでないが、優れた赤
色、緑色および青色の色素組成物を得るには、上述の赤
色用色素、緑色用色素、アントラキノン系青色用色素、
フタロシアニン系青色用色素および調色用黄色色素の中
から、異なる群より選ばれた2種類以上の色素を適当に
組合せて、配合し調製することができ、例えば、赤色の
色素組成物の場合には、上記キニザリン系赤色用色素と
調色用アントラキノン系黄色色素を組合せることによっ
て、また、緑色用色素組成物の場合には、上記キニザリ
ン系緑色用色素またはフタロシアニン系緑色用色素と調
色用アントラキノン系黄色色素を組合せることによっ
て、さらに、青色用色素組成物の場合には、アントラキ
ノン系青色用色素またはキニザリン系青色用色素とフタ
ロシアニン系青色用色素を組合せて、配合し調製するこ
とによって作製することが可能である。なかでも、当該
色素組成物を用いてなるカラーフィルターの消偏特性、
透過率特性、耐光性および耐熱性の全てに優れる組合せ
としては、例えば、先述した各色素の中でそれぞれ好ま
しいとされる色素(化合物)同志の組合せが、好適な色
素組成物を形成し得るものである。なお、これらについ
ては、すでに個々の色素に関し詳述しており、その組合
せに関しては特に説明するまでもないため、ここでは簡
単にRGBの各色素組成物のための組合せを示し、その
具体例を2〜3例示する。
【0254】赤色の色素組成物 キニザリン系赤色用色素として、上記一般式(1)中、
Zがハロゲン原子であるキニザリン化合物(A)と、調
色用アントラキノン系黄色色素として、上記一般式
(2)中、NHXがアントラキノン骨格の2もしくは3
位に位置し、かつpが1であるアントラキノン化合物
(B)と、の両者を配合することにより赤色の色素組成
物を得ることができる。
【0255】なかでも、キニザリン系赤色用色素とし
て、上記一般式(1)中、pが1以上であり、X、Yが
オルソ位に置換基を持つアリール基で、かつ残位Zがす
べてハロゲン原子であるキニザリン化合物(A)と、調
色用アントラキノン系黄色色素として、上記一般式
(2)中、rが1であり、NHTがアントラキノン骨格
の2もしくは3位に位置し、Tがオルソ位に置換基を持
つアリール基で、Vの少なくとも1個がOU(好ましく
はUが置換されていてもよいアルキル基)で、かつ残位
のVがハロゲン原子であるアントラキノン化合物(B)
と、の両者を配合することにより、好ましい赤色の色素
組成物を得ることができる。
【0256】特に、キニザリン系赤色用色素として、上
記一般式(1)中、pが1〜2であり、X、Yがオルソ
位に置換基を持つアリール基で、かつ残位Zがすべてフ
ッ素原子であるキニザリン化合物(A)と、調色用アン
トラキノン系黄色色素として、上記一般式(2)中、r
が1であり、NHTがアントラキノン骨格の2もしくは
3位に位置し、Tの1〜2個がOUで、TおよびUがオ
ルソ位に置換基(好ましくは、少なくとも1つがアクセ
プター性の置換基)を持つアリール基で、かつ残位のV
がすべてフッ素原子であるアントラキノン化合物(B)
と、の両者を配合することにより、特に好ましい赤色の
色素組成物を得ることができる。
【0257】赤色の色素組成物のための好適な組合せの
具体例としては、例えば、下記式
【0258】
【化23】
【0259】で表される、キニザリン化合物(37)と
アントラキノン化合物(27)との組合せ、あるいは下
記式
【0260】
【化24】
【0261】で表される、キニザリン化合物(43)と
アントラキノン化合物(19)との組合せによるものな
どが挙げられる。
【0262】緑色の色素組成物 調色用アントラキノン系黄色色素として、一般式(2)
中、rが1であり、NHTがアントラキノン骨格の2も
しくは3位に位置するアントラキノン(B)と、フタロ
シアニン系緑色用色素として、一般式(3)中、Mが配
位子を有してなる4価の金属であるフタロシアニン化合
物(C)と、の両者を配合することにより緑色の色素組
成物を得ることができる。
【0263】なかでも、調色用アントラキノン系黄色色
素として、一般式(2)中、rが1であり、NHTがア
ントラキノン骨格の2もしくは3位に位置し、Tがオル
ソ位に置換基をもつアリール基もしくは置換されていて
もよいフェノキシ基で、Vの少なくとも1個が置換され
ていてもよいアルコキシ基で、かつ残位Zがフッ素原子
であるアントラキノン化合物(B)と、フタロシアニン
系緑色用色素として、一般式(3)中、Mが配位子を有
してなる4価の金属であり、フタロシアニン骨格のベン
ゼン核に置換されているフェノキシ基の数が3〜5個
で、該フェノキシ基のうちオルソ位に置換基を有するフ
ェノキシ基の当該オルソ位の置換基に含まれる原子のう
ちで水素原子を除いた原子の原子半径の総計が3.0Å
以上であり、残位がフッ素原子であるフタロシアニン化
合物(C)と、の両者を配合することにより好ましい緑
色の色素組成物を得ることができる。
【0264】特に、調色用アントラキノン系黄色色素と
して、一般式(2)中、rが1であり、NHTがアント
ラキノン骨格の2もしくは3位に位置し、Vの少なくと
も1個がOUであり、TおよびUがオルソ位に置換基
(好ましくは、少なくとも一つがアクセプター性の置換
基)をもつアリール基で、残位のVがすべてフッ素原子
であるアントラキノン化合物(B)と、フタロシアニン
系緑色用色素として、一般式(3)中、Mがバナジル
(VO)であり、フタロシアニン骨格のベンゼン核に置
換されているフェノキシ基の数が3〜5個で、残位のす
べてがフッ素原子であり、さらに該フェノキシ基が一般
式(11)において、オルソ位の両方にGを持つフェノ
キシ基であるフタロシアニン化合物(C)と、の両者を
配合することにより特に好ましい緑色の色素組成物を得
ることができる。
【0265】一方、キニザリン系緑色用色素として、一
般式(1)中、Zの少なくとも1個がNHX2 であるキ
ニザリン化合物(A)と、調色用アントラキノン系黄色
色素として、一般式(2)中、rが1であり、NHTが
アントラキノン骨格の2もしくは3位に位置するアント
ラキノン化合物(B)と、の両者を配合するによっても
緑色の色素組成物を得ることができる。
【0266】なかでも、キニザリン系緑色用色素とし
て、一般式(1)中、Zの少なくとも1個がNHX2
あり、X、X2 がオルソ位に置換基をもつアリール基で
あるキニザリン化合物(A)と、調色用アントラキノン
系黄色色素として、一般式(2)中、rが1であり、N
HTがアントラキノン骨格の2もしくは3位に位置し、
Tがオルソ位に置換基をもつアリール基で、Vの少なく
とも1個が置換されていてもよいアルコキシ基もしくは
置換されていてもよいフェノキシ基であり、かつ残位の
Vがフッ素原子であるアントラキノン化合物(B)と、
の両者を配合するによっても好ましい緑色の色素組成物
を得ることができる。
【0267】緑色の色素組成物のための好適な組合せの
具体例としては、例えば、下記式
【0268】
【化25】
【0269】で表される、フタロシアニン化合物(2
5)とアントラキノン化合物(29)との組合せ、およ
び下記式
【0270】
【化26】
【0271】で表される、フタロシアニン化合物(3
0)とアントラキノン化合物(31)との組合せによる
ものなどが挙げられる。
【0272】青色の色素組成物 アントラキノン系青色用色素として、一般式(2)中、
rが2〜3であるアントラキノン化合物(B)と、フタ
ロシアニン系青色用色素として、一般式(3)中、Mが
2価の金属であるフタロシアニン化合物(C)と、の両
者を配合することにより青色の色素組成物を得ることが
できる。
【0273】なかでも、アントラキノン系青色用色素と
して、一般式(2)中、NHTの少なくとも1個がアン
トラキノン骨格の2もしくは3位に置換されており、か
つTがアリール基であり、該アリール基のオルソ位に置
換基を有し、かつ残位がフッ素原子であるアントラキノ
ン化合物(B)と、フタロシアニン系青色用色素とし
て、一般式(3)中、Mが2価の金属であり、フタロシ
アニン骨格のベンゼン核に置換されているフェノキシ基
の数が3〜5個であり、残位がフッ素原子であるフタロ
シアニン化合物(C)と、の両者を配合することにより
好ましい青色の色素組成物を得ることができる。
【0274】特に、アントラキノン系青色用色素とし
て、一般式(2)中、NHTの2個がアントラキノン骨
格の1,4位に置換されており、Tが置換されていても
よいアルキル基またはシクロアルキル基で、かつ残位の
2,3位がVで置換されており、該Vがフッ素原子およ
び/またはOUであるアントラキノン化合物(B)と、
フタロシアニン系青色用色素として、一般式(3)中、
Mが2価の金属であり、残位がフッ素原子であるフタロ
シアニン化合物(C)と、の両者を配合することにより
特に好ましい青色の色素組成物を得ることができる。
【0275】一方、アキニザリン系青色用色素として、
一般式(1)中、Zの少なくとも1個がNHX2 であ
り、該NHX2 がキニザリン骨格の6もしくは7位に位
置するキニザリン化合物(A)と、フタロシアニン系青
色用色素として、一般式(3)中、Mが2価の金属であ
るフタロシアニン化合物(C)と、の両者を配合を配合
することによっても青色の色素組成物を得ることができ
る。
【0276】青色の色素組成物のための好適な組合せの
具体例としては、例えば、下記式
【0277】
【化27】
【0278】で表される、アントラキノン化合物(3
1)とフタロシアニン化合物(30)との組合せによる
ものなどが挙げられる。
【0279】II.カラフィルター 本発明に係るカラーフィルターは、一般的なカラーフィ
ルターの製造方法により形成されるガラス基板、ブラッ
クマトリクス、カラーフィルター層、保護膜および透明
導電膜(ITO)から構成される一般的な構造のカラー
フィルターの赤、緑、青(RGB)の各色のカラーフィ
ルター層の色素材料として、前記キニザリン化合物
(A)、アントラキノン化合物(B)およびフタロシア
ニン化合物(C)の3群のうちの少なくとも2群より選
んだそれぞれの化合物を適当に組み合わせて配合するこ
とにより得られる赤色、緑色および青色(RGB)の各
原色の色素組成物をそれぞれに用いてなることを特徴と
するものである。これにより個々の化合物の持つ樹脂に
対する溶解性、耐光性、耐熱性、透明感および色調の点
で優れるとした好特性をカラーフィルターにおいても発
現し得るのである。なお、本発明では、色度図上にでき
るだけ大きな三角形を占めるように各化合物の持つ固有
の各波長データに基づき、上記(A)〜(C)の中の化
合物の組み合わせおよび配合比率を設計すればよく、赤
色のカラーフィルターでは、例えば、上記一般式(1)
において、Zがハロゲン原子であるキニザリン化合物
(A)と、上記一般式(2)において、NHTがアント
ラキノン骨格の2もしくは3位に位置し、かつrが1で
あるアントラキノン化合物(B)との両者を50:50
〜90:10、好ましくは55:45〜70:30(重
量比)の比率で配合してなる赤色の色素組成物、特に上
記一般式(1)において、pが1〜2であり、Xおよび
Yが共にオルソ位に置換基を持つアリール基で、かつ残
位のZがフッ素原子であるキニザリン化合物(A)と、
上記一般式(2)において、rが1であり、NHTがア
ントラキノン骨格の2もしくは3位に位置し、Tがオル
ソ位に置換基を持つアリール基で、Vの少なくとも1個
が置換されていてもよいアルコキシ基もしくは置換され
ていてもよいフェノキシ基で、かつ残位のVがハロゲン
原子であるアントラキノン化合物(B)との両者を同様
の比率で配合してなる赤色の色素組成物を用いてなるカ
ラーフィルターなどが挙げられる。
【0280】同様に、緑色のカラーフィルターでは、例
えば、上記一般式(3)において、Mが配位子を有して
なる4価の金属であるフタロシアニン化合物(C)と、
上記一般式(2)において、rが1であり、NHTがア
ントラキノン骨格の2もしくは3位に位置するアントラ
キノン化合物(B)との両者を50:50〜90:1
0、好ましくは55:45〜70:30(重量比)の比
率で配合してなる色素組成物、特に上記一般式(3)に
おいて、Mが配位子を有してなる4価の金属であり、フ
タロシアニン骨格のベンゼン核に置換されているフェノ
キシ基の数が3〜5個で、該フェノキシ基のうちオルソ
位に置換基を有するフェノキシ基の当該オルソ位の置換
基に含まれる原子のうちで水素原子を除いた原子の原子
半径の総計が3.0Å以上であり、残位がフッ素原子で
あるフタロシアニン化合物(C)と、上記一般式(2)
において、rが1であり、NHTがアントラキノン骨格
の2もしくは3位に位置し、Tがオルソ位に置換基をも
つアリール基で、Vの少なくとも1個が置換されていて
もよいアルコキシ基もしくは置換されていてもよいフェ
ノキシ基で、かつ残位Zがフッ素原子であるアントラキ
ノン化合物(B)との両者を同様の比率で配合してなる
緑色の色素組成物を用いてなるカラーフィルターなどが
挙げられる。
【0281】さらに異なる組合わせによる緑色のカラー
フィルターとしては、例えば、上記一般式(1)におい
て、Zの少なくとも1個がNHX2 であるキニザリン化
合物(A)と、上記一般式(2)において、pが1であ
り、NHXがアントラキノン骨格の2もしくは3位に位
置するアントラキノン化合物(B)との両者を60:4
0〜90:10、好ましくは70:30〜80:20
(重量比)の比率で配合してなる緑色の色素組成物、特
に、上記一般式(1)において、Zの少なくとも1個が
NHX2 であり、X、X2 がオルソ位に置換基をもつア
リール基であるキニザリン化合物(A)と、上記一般式
(2)において、rが1であり、NHTがアントラキノ
ン骨格の2もしくは3位に位置し、Tがオルソ位に置換
基をもつアリール基で、Vの少なくとも1個が置換され
ていてもよいアルコキシ基もしくは置換されていてもよ
いフェノキシ基であり、かつ残位のVがフッ素原子であ
るアントラキノン化合物(B)との両者を同様の比率で
配合してなる緑色の色素組成物を用いてなる緑色カラー
フィルターなどが挙げられる。
【0282】同様に、青色のカラーフィルターでは、例
えば、上記一般式(2)おいて、rが2〜3であるアン
トラキノン化合物(B)と、一般式(3)おいて、Mが
2価の金属であるフタロシアニン化合物(C)との両者
を20:80〜60:40、好ましくは35:65〜4
0:60(重量比)の比率で配合してなる青色の色素組
成物、特に上記一般式(2)において、NHTの少なく
とも1個がアントラキノン骨格の2もしくは3位に置換
されており、かつTがアリール基であり、該アリール基
のオルソ位に置換基を有し、かつ残位のVがフッ素原子
であるアントラキノン化合物(B)と、上記一般式
(3)おいて、Mが2価の金属であり、フタロシアニン
骨格のベンゼン核に置換されているフェノキシ基の数が
3〜5個であり、残位がフッ素原子であるフタロシアニ
ン化合物(C)との両者を同様の比率で配合してなる青
色の色素組成物、なかでも特に、上記一般式(2)にお
いて、NHTの2個がアントラキノン骨格の1,4位に
置換されており、Tが置換されていてもよいアルキル基
またはシクロアルキル基で、かつ残位の2,3位がVで
置換されており、該Vがフッ素原子および/またはOU
であるアントラキノン化合物(B)と、上記一般式
(3)おいて、Mが2価の金属であり、残位がフッ素原
子であるフタロシアニン化合物(C)との両者を同様の
比率で配合してなる青色の色素組成物を用いてなる青色
カラーフィルターなどが挙げられる。
【0283】さらに異なる組合わせによる青色のカラー
フィルターとしては、例えば、上記一般式(1)におい
て、Zの少なくとも1個がNHX2 であり、該NHX2
がキニザリン骨格の6もしくは7位に位置するキニザリ
ン化合物(A)と、上記一般式(3)において、Mが2
価の金属であるフタロシアニン化合物(C)との両者を
20:80〜60:40、好ましくは30:70〜4
0:60(重量比)の比率で配合してなる青色の色素組
成物を用いてなる青色カラーフィルターなどが挙げられ
る。
【0284】次に、前記各色のカラーフィルター層は、
前記色素組成物に加え、樹脂を含有することを特徴とす
るものである。
【0285】前記樹脂としては、公知のものはすべて挙
げられる。例えば、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリオ
レフィン樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリスチレン樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポ
リ酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ア
クリル系樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンスル
フィド樹脂、スチレン共重合樹脂、フッ素樹脂、フェノ
ール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリ
コーン樹脂、アルキド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレ
タン樹脂、キシレン樹脂等が単独あるいは混合して使用
できる。これらの樹脂の中でも、ポリイミド樹脂または
アクリル系樹脂が好ましく、特にアクリル系樹脂が更に
好ましい。アクリル系樹脂を用いることによって、前記
色素組成物の樹脂に対する溶解性が高まり、その結果、
高濃度でこ色素組成物を含有し、かつ透明性の高い各色
のカラーフィルター層を形成することができる。その結
果、カラーフィルター層の耐光性および吸収波長の制御
にさらに良い効果を及ぼす。
【0286】前記アクリル系樹脂としては、それを構成
するモノマー、オリゴマーが以下の化合物からなる樹脂
が好ましい。すなわち、アクリル酸、メタクリル酸、2
一ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アクリル
アミド、メタクリルアミド、N−ヒドロキシメチルアク
リルアミド、ポリエチレングリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、スチレン、酢酸ビニル、各種アク
リル酸エステル、各種メタクリル酸エステル、アクリロ
ニトリル、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのカプ
ロラクトン付加物のヘキサアクリレート、メラミンアク
リレート、エポキシアクリレートプレポリマー等であ
る。この中でも特に(メタ)アクリル酸、ヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート、各種アルキル(メタ)ア
クリレートからなるアクリル樹脂、(メタ)アクリル
酸、ヒドロキジアルキル(メタ)アクリレート、各種ア
ルキル(メタ)アクリレート、スチレンからなるアクリ
ル樹脂、(メタ)アクリル酸、各種アルキル(メタ)ア
クリレートからなるアクリル樹脂が好ましい。
【0287】好ましいアクリル樹脂としては具体的に
は、例えば、下記表16に示す樹脂(1)〜(3)が挙
げられる。
【0288】
【表16】
【0289】これらの具体的な製造例を下記に示す。な
お、下記製造例において、特にことわらない限り「部」
は重量部を表わす。
【0290】樹脂(1)の製造例 1リットルの四つ口フラスコに、ジエチレングリコール
ジメチルエーテル175.0部、スチレン8.8部およ
びメタクリル酸2−ヒドロキシエチル43.8部、メタ
クリル酸26.3部、メタクリル酸エチル96.3部を
仕込み90℃に加熱し、事前にジエチレングリコールジ
メチルエーテル145.0部、スチレン8.8部、メタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル43.8部、メタクリル
酸26.3部およびメタクリル酸エチル96.3部とナ
イパーBMT(日本油脂株式会社製)2.92部を混合
溶解したものを3時間で適下し、90℃にて3時間反応
させる。さらに、ナイパーBMT1.75部をジエチレ
ングリコールジメチルエーテル10部で溶解させたもの
を添加し、1時間反応を続けて樹脂(1)のジエチレン
グリコールジメチルエーテル溶液を得るとするものであ
る。
【0291】樹脂(2)の製造例 1リットルの四つ口フラスコに、酢酸セロソルブ17
5.0部、スチレン113.8部、ジエチレングリコー
ルモノエチルエーテルアクリレート19.6部およびア
クリル酸41.3部を仕込み、90℃に加熱し、事前に
酢酸セロソルブ175.0部、スチレン113.8部、
ジエチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート
19.6部およびアクリル酸41.3部とナイパーBM
T(白本油脂株式会社製)2.92部を混合溶解したも
のを3時間で適下し、90℃にて3時間反応させる。さ
らに、ナイパーBMT1.75部をジエチレングリコー
ルジメチルエーテル10部で溶解させたものを添加し、
1時間反応を続け樹脂(2)の酢酸セロソルブ溶液を得
るとするものである。
【0292】樹脂(3)の製造例 1リットルの四つ口フラスコに、酢酸セロソルブ17
5.0部、メタクリル酸ベンジル144.7部、メタク
リル酸30.3部を仕込み、90℃に加熱し、事前に酢
酸セロソルブ175.0部、メタクリル酸ベンジル14
4.7部およびメタクリル酸30.3部とナイパーBM
T(日本油脂社製)2.92部を混合溶解したものを3
時間で適下し、90℃にて3時間反応させる。さらに、
ナイパーBMT1.75部をジエチレングリコールジメ
チルエーテル10部で溶解させたものを添加し、1時間
反応を続け樹脂(3)の酢酸セロソルブ溶液を得るとす
るものである。
【0293】さらに、前記色素組成物は、樹脂に対する
溶解性が高いため従来に比べて高分子量の樹脂を用いる
ことができる。具体的には重量平均分子量3万以上、例
えば10〜20万程度の高分子量の樹脂を用いることが
できる。従来の顔料を樹脂に分散したタイプのカラーフ
ィルターでは、顔料の分散性の点から用いる樹脂の分子
量が数万程度に限られていた。従って、得られるカラー
フィルターの耐熱性や耐溶剤性に問題があり、樹脂に対
して架橋剤の量を増やしたり、特殊な架橋剤を用いたり
する必要があった。これに対して本発明の色素組成物で
は、高分子量の樹脂との組み合わせにより、架橋剤の量
を増やしたり、特殊な架橋剤を用いなくても耐熱性や耐
溶剤性の優れたカラーフィルターを作製することが可能
である。
【0294】また、前記樹脂は、感光性樹脂であるもの
が好ましい。前記感光性樹脂としては、光の作用によっ
て化学反応を起こし、その結果、溶媒に対する溶解度ま
たは親和性に変化を生じたり、液状より固体状に変化す
る樹脂であれば何でもよく、例えば、芳香族ジアゾニ
ウム塩系樹脂、o−キノンジアジド系樹脂、ビスアジド
系樹脂、ポリシランなどの光分解型感光性樹脂、ケイ
ヒ酸系樹脂などの光二量化型感光性樹脂、並びに(i)
不飽和ポリエステル、エポキシアクリル酸エステル、ウ
レタンアクリル酸エステルなどのプレポリマーまたはポ
リビニルアルコール、ポリアミド、ポリメタクリル酸エ
ステルなどのバインダー樹脂、(ii)各種のアクリル酸エ
ステルまたはメタクリル酸エステルモノマーおよび(ii
i) 光重合開始剤を加えた光重合型感光性樹脂などが挙
げられるが、中でも光重合型感光性樹脂がより好まし
い。特に、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂を用い
てなる光重合型感光性樹脂が好ましい。
【0295】前記光重合開始剤としては、例えば、ベン
ゾインアルキルエーテル系化合物、アセトフェノン系化
合物、ベンゾフェノン系化合物、フェニルケトン系化合
物、チオキサントン系化合物およびアントラキノン系化
合物などが挙げられる。
【0296】好ましい光重合型感光性樹脂としては具体
的には、例えば、下記表17に示す感光性樹脂(1)〜
(3)が挙げられる。
【0297】
【表17】
【0298】これらの光重合型感光性樹脂は、対応する
バインダー樹脂の溶液にモノマーおよび光重合開始剤を
添加・溶解させ、均一な溶液とした後、溶媒を揮発させ
ることによって製造できる。
【0299】次に、本発明に係るカラーフィルターは、
上述の如く、カラーフィルター層の色素材料として、前
記色素組成物を用いてなることを特徴とするものであ
り、他のカラーフィルターの構成要件に関しては、特に
制限されるものでなく、従来公知のものより適宜選択す
ることができる。すなわち、カラーフィルターの基本構
造として、ガラス基板、ブラックマトリクス、カラーフ
ィルター層、保護膜および透明導電膜(ITO)からな
る一般的なカラーフィルターの構成をとる場合を例にと
れば、このうち上述したカラーフィルター層以外のガラ
ス基板、ブラックマトリクス、保護膜および透明導電膜
に関しては、公知のものを利用することができるのであ
る。
【0300】また、カラーフィルターの製造方法として
は、従来提案されている染料系および顔料系の製造方法
に適用可能である。これは、本発明の色素組成物が従来
の染料系の色彩を保持してかつ耐久性の高い色素材料を
実現でき、樹脂に対する分散・溶解性、耐光性、耐熱
性、透明感および色調に優れているため、染料系および
顔料系のいずれの製造方法であっても、カラーフィルタ
ーにしたときの透過率に優れ、透明感があり、高コント
ラストなカラーフィルターを実現できるからであるが、
好ましくは、特に耐性面で染色系にないと特色を持つ顔
料系のものが望ましい。以下に、好適な顔料系の製造方
法に本発明の色素組成物を適用し得る具体例(1)〜
(4)を示す。
【0301】(1) 顔料分散法(エッチング法) ポリイミド前駆体に本発明の色素組成物を均一に分散
し、ガラス基板上に塗布し、その上にポジ型フォトレジ
ストを塗布してマスク露光した後に、アルカリ水溶液で
レジスト現像と、着色ポリイミド層エッチングとを同時
に行い、レジストを剥膜した後、250℃以上の高温で
硬化することにより強固な第1着色パターンを得る。同
工程を3回繰り返し、赤、緑、青の3原色フィルター層
を形成する。その後、保護膜、さらに透明導電膜を形成
してカラーフィルターとする。顔料分散法(エッチング
法)によるカラーフィルターでは、耐熱性、耐薬品性、
耐光性に優れ、特に耐熱性は300℃以上と他の方式に
比し最大の強度を持つ。
【0302】(2) 顔料分散法(光硬化法) 樹脂として有機感光性樹脂を用いることで、上述のエッ
チング法プロセスにおけるレジスト塗布・剥膜といった
工程をさらに省略し得る方法である。カラーフィルター
層のベース材料(樹脂)としてアクリル樹脂を用いた重
合型とポリビニルアルコール系を用いた架橋型がある。
すなわち、該ベース材料(樹脂)中に色素組成物を分散
させ、架橋型では、アジド、ビスアジド等の感光剤を用
い、重合型では、光硬化性モノマーとベンゾフェノン、
イルガキュア等の光重合開始剤を添加してレジスト化を
行い顔料レジストを形成し、該顔料レジストを、ブラッ
クマトリクスが形成されたガラス基板上に塗布し、次に
ネガパターンのフォトマスクを介し露光する。このとき
重合型では酸素遮断膜等を顔料レジストの上に形成し、
不活性な状況での露光を行う。次にアルカリ現像を行い
着色パターンを得る。この工程を3回繰り返し、赤、
緑、青の3原色フィルター層を形成する。その後、保護
膜、さらに透明導電膜を形成してカラーフィルターとす
る。顔料分散法によるカラーフィルターでは、耐熱性、
耐薬品性、耐光性に優れる。
【0303】(3) 印刷法 本発明の色素組成物を含むエポキシ系樹脂組成物を着色
インキとして用いる。該着色インキの転写媒体を紙から
ガラス基板に変えた製造方法で、(a) 精細度の低い電子
部品関連のパターニングに広くい普及しているスクリー
ン印刷法、(b)凸版法の1種であるフレキソ印刷法、(c)
パターンがシャープで金属版の凹部の深さ調整によっ
て膜厚量を制御できる凹版印刷法、(d) 版パターン部の
インキをゴム弾性体に転写した後、基板に転写する方式
で位置制度の高い印刷法である平板オフセット印刷法等
があるが、ここでは、代表的な方法として(c) と(d) を
組み合わせた凹版オフセット印刷法について説明する。
版(金属部凹部のパターンを持つ)に前記着色インキを
盛り、ドクターによって余分な着色インキをかきとる。
それをブランケットに転写し、さらにそのパターンをガ
ラス基板の所定位置に転写して着色パターンを得る。こ
れを3回繰り返し赤、緑、青の3原色フィルターを形成
する。その後、保護膜、さらに透明導電膜を形成してカ
ラーフィルターとする。印刷法によるカラーフィルター
では、顔料分散法と同様な耐性を持つほか、工程的に最
も簡便な低コスト化技術であり、また基板サイズへの対
応が容易で、基板の大型化に適している。
【0304】(4) 電着法 顔料分散法等のフォトリソ法や印刷法とは異なり、ガラ
ス基板上の透明導電膜の上に電気泳動法によってカラー
フィルター層を直接形成する方法である。すなわち、ガ
ラス基板に透明導電膜を所定形状にパターニングしてI
TO電極を一方の電極にしておき、電着(着色)したい
パターン部の電極に電圧をかけ、発明の色素組成物を含
む樹脂組成物からなる電着液に浸漬し、電極上に着色膜
を析出されて着色パターンを形成する。これを3回繰り
返し、赤、緑、青の3原色カラーフィルター層を形成す
る。カラーフィルター層の下側に透明導電膜が設けられ
ているため、これを表示電極として使うこともできる
が、表示効果の点から、カラーフィルター層の上に保護
膜を設け、さらにその上に透明導電膜を形成しても良
い。電着液に用いられる成分は、電荷を持つ可溶性樹脂
に本発明の色素組成物を分散し、電荷調整剤を加えた
赤、緑、青それぞれの電着液を用いる。電着法によるカ
ラーフィルターでは、画素の平滑性に優れ、非画線部の
残査が少ないという点が挙げられる。
【0305】以上の従来法を適用できるほか、新規な製
造方法として提案された以下の方法にも適用できる。
【0306】(5) 色素組成物とレジストを塗った
赤、緑、青の3色のフィルムを、それぞれガラス基板に
張り付けてはがすことで赤、緑、青の3原色カラーフィ
ルター層が形成される。その後、保護膜、さらに透明導
電膜を形成してカラーフィルターとする方法がある。
【0307】(6) 色素組成物を分散させた着色シリ
カのゾルを使ってゾル−ゲル法によりポリシランフィル
ムを選択的に着色する方法がある。
【0308】上記(1)の方法において、色素層のパタ
ーニングは光学的に透明な基板上で行なうことができ、
用いる基板としては、色素層のパターニングが可能であ
り、形成されたカラーフィルターが所定の機能を有する
ものであれば特に限定されるものではない。例えば、ガ
ラス板、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセル
ロース、メチルメタクリレート、ポリエステル、ブチラ
ール、ポリアミド、ポリエチレン、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、ポリカーボネート、ポリオレフィン共重合樹
脂、塩化ビニル共重合樹脂、塩化ビニリデン共重合樹
脂、スチレン共重合樹脂などの樹脂フィルムもしくは板
が挙げられる。またパターン状の色素層をカラーフィル
ターとして適用されるものと一体に形成させることも可
能である。
【0309】
【実施例】以下に、実施例により本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0310】実施例1 緑色用色素(キニザリン化合物(56))3.5gと調
色用黄色色素(アントラキノン化合物(8))1.8g
を前記表17に示す感光性樹脂(1)のジエチレングリ
コールジメチルエーテル溶液(不揮発分15%)50g
に溶解し、ガラス基板上に、スピンコーターにて溶剤乾
燥後の膜厚が2μmとなるようにスピンコートした。次
に、60℃、20分のプリベーク後、パターン形成用フ
ォトマスクを用いて露光した。1%の炭酸ナトリウム水
溶液で現像し、純水で洗浄した後、200℃、10分間
のポストベークを行い緑色のカラーフィルターを作製し
た。
【0311】このカラーフィルターの消偏特性、透過率
特性、耐光性および耐熱性を評価した。結果を表19に
示した。
【0312】実施例2〜16 実施例1において緑色用色素(キニザリン化合物(5
6))および調色用黄色色素(アントラキノン化合物
(8))の代わりに表18の緑色用色素および調色用黄
色色素をそれぞれ表18の配合量ずつ用い、また、前記
表17に示す感光性樹脂(1)〜(3)を表18に示す
とおりに用いた以外は、実施例1と同じように操作して
緑色のカラーフィルターを作製した。
【0313】このカラーフィルターの消偏特性、透過率
特性、耐光性および耐熱性を評価した。結果を表19に
示した。
【0314】
【表18】
【0315】
【表19】
【0316】実施例17 赤色用色素(キニザリン化合物(8))3.0gと調色
用黄色色素(アントラキノン化合物(14))2.5g
を前記表17に示す感光性樹脂(1)のジエチレングリ
コールジメチルエーテル溶液(不揮発分15%)50g
に溶解し、ガラス基板上に、スピンコーターにて溶剤乾
燥後の膜厚が2μmとなるようにスピンコートした。次
に、60℃、20分のプリベーク後、パターン形成用フ
ォトマスクを用いて露光した。1%の炭酸ナトリウム水
溶液で現像し、純水で洗浄した後、200℃、10分間
のポストベークを行い赤色のカラーフィルターを作製し
た。
【0317】このカラーフィルターの消偏特性、透過率
特性、耐光性および耐熱性を評価した。結果を表21に
示した。
【0318】実施例18〜28 実施例17において赤色用色素(キニザリン化合物
(8))および調色用黄色色素(アントラキノン化合物
(14))の代わりに表20の赤色用色素および調色用
黄色色素をそれぞれ表20の配合量ずつ用い、また、前
記表17に示す感光性樹脂(1)〜(3)を表20に示
すとおりに用いた以外は、実施例17と同じように操作
して赤色のカラーフィルターを作製した。
【0319】このカラーフィルターの消偏特性、透過率
特性、耐光性および耐熱性を評価した。結果を表21に
示した。
【0320】
【表20】
【0321】
【表21】
【0322】実施例29 青色用色素(フタロシアニン化合物(26))3.5g
と青色用色素(キニザリン化合物(73))2.5gを
前記表17に示す感光性樹脂(1)のジエチレングリコ
ールジメチルエーテル溶液(不揮発分15%)50gに
溶解し、ガラス基板上に、スピンコーターにて溶剤乾燥
後の膜厚が2μmとなるようにスピンコートした。次
に、60℃、20分のプリベーク後、パターン形成用フ
ォトマスクを用いて露光した。1%の炭酸ナトリウム水
溶液で現像し、純水で洗浄した後、200℃、10分間
のポストベークを行い青色のカラーフィルターを作製し
た。
【0323】このカラーフィルターの消偏特性、透過率
特性、耐光性および耐熱性を評価した。結果を表23に
示した。
【0324】実施例30〜35 実施例29において青色用色素(フタロシアニン化合物
(26))および青色用色素(キニザリン化合物(7
3))の代わりに表22のフタロシアニン系青色用色素
およびキニザリン系またはアントラキノン系青色用色素
をそれぞれ表22の配合量ずつ用い、また、前記表17
に示す感光性樹脂(1)〜(3)を表22に示すとおり
に用いた以外は、実施例29と同じように操作して青色
のカラーフィルターを作製した。
【0325】このカラーフィルターの消偏特性、透過率
特性、耐光性および耐熱性を評価した。結果を表23に
示した。
【0326】
【表22】
【0327】
【表23】
【0328】なお、上記表19、表21および表23に
示す消偏特性の評価は、以下の方法により行った。
【0329】作製したカラーフィルターの試料を2枚の
偏光板で挟み、2枚の偏光板の偏光軸が平行の時と直交
のときの透過光量の比(コントラスト比)を測定した。
その測定結果によって次の3段階の評価を行った。 ◎ コントラス卜比2500倍以上 ○ コントラス卜比1000〜2500倍 × コントラスト比1000倍以下。
【0330】また、上記表19、表21および表23に
示す透過率特性は、試料の400〜700nmの範囲で
の透過率を測定し、その測定結果によって次の3段階の
評価を行った。 緑色カラーフィルター: ◎ 545nmの透過率が85%のとき、460nm
および610nmの透過率が10%未満である場合 ○ 545nmの透過率が85%のとき、460nm
およぴ610nmの透過率が10%〜20%である場合 × 545nmの透過率が85%のとき、460nm
および610nmの透過率が20%を越える場合 赤色カラーフィルター: ◎ 610nmの透過率が80%のとき、460nm
および545nmの透過率が10%未満である場合 ○ 610nmの透過率が80%のとき、460nm
およぴ545nmの透過率が10%〜20%である場合 × 610nmの透過率が80%のとき、460nm
および545nmの透過率が20%を越える場合 青色カラーフィルター: ◎ 460nmの透過率が85%のとき、545nm
および610nmの透過率が10%未満である場合 ○ 460nmの透過率が85%のとき、545nm
および610nmの透過率が10〜20%である場合 × 460nmの透過率が85%のとき、545nm
および610nmの透過率が20%を越える場合。
【0331】さらに、上記表19、表21および表23
に示す耐光性は、試料をキセノン耐光性試験機(照射光
量10万ルクス)にセッ卜し、経時での吸光度の残存率
により次の3段階の評価を行った。 ◎ 100時間経過後の吸光度の残存率が80%を越
える場合 ○ 100時間経過後の吸光度の残存率が70%〜8
0%である場合 × 100時間経過後の吸光度の残存率が70%未満
である場合。
【0332】またさらに、上記表19、表21および表
23に示す耐熱性は、試料を熱風乾燥機で220℃、1
時間加熱後の吸光度の残存率により次の3段階の評価を
行った。 ◎ 吸光度の残存率が90%を越える場合 ○ 吸光度の残存率が70%〜90%である場合 × 吸光度の残存率が70%未満である場合。
【0333】
【発明の効果】本発明では、従来の課題を解決すること
により、樹脂に対する溶解性に優れており、さらに耐光
性および耐熱性に優れ、かつ濁りがなく透明感があり、
かつ色調の点でも優れたカラーフィルター用色素組成物
およびこれを用いてなるカラーフィルターを提供でき
る。
【0334】さらに色度図上にできるだけ大きな三角形
を占めるべくカラーフィルター用のRGB3原色色素お
よびこれを用いてなるカラーフィルターを創出すること
ができ、より高性能化が求められている現状下におい
て、かかる要求を満足し得るものが提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G02B 5/22 G02B 5/22 (56)参考文献 特開 平6−279694(JP,A) 特開 平8−73758(JP,A) 特開 平6−172361(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09B 1/514 C09B 1/32 C09B 1/515 C09B 67/22 CA(STN)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (ただし、上記式(1)中、Zはハロゲン原子またはN
    HX 2 を表し、X、X 2 およびYは、相互独立に、置換
    されていてもよいアルキル基または置換されていてもよ
    いアリール基を表し、pおよびqは共に0〜3の整数を
    表し、p+qは3以下であり、pが2以上の場合、OY
    は相互独立に同種または異種の置換基であり、qが2以
    上の場合、Zは相互独立に同種または異種の置換基であ
    る。)で示されるキニザリン化合物(A)一般式
    (2) 【化2】 (ただし、上記式(2)中、Vはハロゲン原子またはO
    Uを表し、TおよびUは、相互独立に、置換されていて
    もよいアルキル基、シクロアルキル基または置換されて
    いてもよいアリール基を表し、rおよびsは共に1〜3
    の整数を表し、r+sは4以下であり、sが2以上の場
    合、2つ以上のVは相互独立に同種または異種の置換基
    である。)で示されるアントラキノン化合物(B)、お
    よび 一般式(3) 【化3】 において、Mが2価もしくは配位子を有している4価の
    金属であり、かつ置換されていてもよいアルコキシ基お
    よび/または置換されていてもよいフェノキシ基が2,
    3,6,7,10,11,14および15位に少なくと
    も3個以上置換されてなるものであるフタロシアニン化
    合物(C)、 からなる(A)〜(C)3群のうち少なくとも2群より
    選ばれたそれぞれの化合物を配合してなることを特徴と
    する色素組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の色素組成物を用いてな
    ることを特徴とするカラーフィルター。
  3. 【請求項3】 請求項に記載の一般式(1)におい
    て、pが1〜2であり、X、Yがオルソ位に置換基を持
    つアリール基で、かつ残位Zがフッ素原子であるキニザ
    リン化合物(A)と、 請求項に記載の一般式(2)において、rが1であ
    り、NHTがアントラキノン骨格の2もしくは3位に位
    置し、Tがオルソ位に置換基を持つアリール基で、Vの
    少なくとも1個が置換されていてもよいアルコキシ基も
    しくは置換されていてもよいフェノキシ基で、かつ残位
    のVがフッ素原子であるアントラキノン化合物(B)
    と、 の両者を配合してなる色素組成物を用いてなることを特
    徴とする請求項に記載の赤色カラーフィルター。
  4. 【請求項4】 請求項に記載の一般式(2)におい
    て、rが1であり、NHTがアントラキノン骨格の2も
    しくは3位に位置し、Tがオルソ位に置換基をもつアリ
    ール基で、Vの少なくとも1個が置換されていてもよい
    アルコキシ基もしくは置換されていてもよいフェノキシ
    基で、かつ残位のVがフッ素原子であるアントラキノン
    化合物(B)と、 請求項に記載の一般式(3)において、Mが配位子を
    有してなる4価の金属であり、フタロシアニン骨格のベ
    ンゼン核に置換されているフェノキシ基の数が3〜5個
    で、該フェノキシ基のうちオルソ位に置換基を有するフ
    ェノキシ基の当該オルソ位の置換基に含まれる原子のう
    ちで水素原子を除いた原子の原子半径の総計が3.0Å
    以上であり、残位がフッ素原子であるフタロシアニン化
    合物(C)と、 の両者を配合してなる色素組成物を用いてなることを特
    徴とする請求項に記載の緑色カラーフィルター。
  5. 【請求項5】 請求項に記載の一般式(1)におい
    て、Zの少なくとも1個がNHX2 であり、X、X2
    オルソ位に置換基をもつアリール基であるキニザリン化
    合物(A)と、 請求項に記載の一般式(2)において、rが1であ
    り、NHTがアントラキノン骨格の2もしくは3位に位
    置し、Tがオルソ位に置換基をもつアリール基で、Vの
    少なくとも1個が置換されていてもよいアルコキシ基も
    しくは置換されていてもよいフェノキシ基であり、かつ
    残位のVがフッ素原子であるアントラキノン化合物
    (B)と、 の両者を配合してなる色素組成物を用いてなることを特
    徴とする請求項に記載の緑色カラーフィルター。
  6. 【請求項6】 請求項に記載の一般式(2)におい
    て、NHTの少なくとも1個がアントラキノン骨格の2
    もしくは3位に置換されており、かつTがアリール基で
    あり、該アリール基のオルソ位に置換基を有し、かつ残
    位のVがフッ素原子であるアントラキノン化合物(B)
    と、 請求項に記載の一般式(3)おいて、Mが2価の金属
    であり、フタロシアニン骨格のベンゼン核に置換されて
    いるフェノキシ基の数が3〜5個であり、残位がフッ素
    原子であるフタロシアニン化合物(C)と、 の両者を配合してなる色素組成物を用いてなることを特
    徴とする請求項に記載の青色カラーフィルター。
  7. 【請求項7】 請求項に記載の一般式(2)におい
    て、NHTの2個がアントラキノン骨格の1,4位に置
    換されており、Tが置換されていてもよいアルキル基ま
    たはシクロアルキル基で、かつ残位の2,3位がVで置
    換されており、該Vがフッ素原子および/またはOUで
    あるアントラキノン化合物(B)と、 請求項に記載の一般式(3)おいて、Mが2価の金属
    であり、残位がフッ素原子であるフタロシアニン化合物
    (C)と、 の両者を配合してなる色素組成物を用いてなることを特
    徴とする請求項に記載の青色カラーフィルター。
  8. 【請求項8】 請求項に記載の一般式(1)におい
    て、Zの少なくとも1個がNHX2 であり、該NHX2
    がキニザリン骨格の6もしくは7位に位置するキニザリ
    ン化合物(A)と、 請求項に記載の一般式(3)において、Mが2価の金
    属であるフタロシアニン化合物(C)と、 の両者を配合してなる色素組成物を用いてなることを特
    徴とする請求項に記載の青色カラーフィルター。
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