JP3126546B2 - 検査装置と検査方法、並びにこれを用いたシステム - Google Patents

検査装置と検査方法、並びにこれを用いたシステム

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JP3126546B2
JP3126546B2 JP05099541A JP9954193A JP3126546B2 JP 3126546 B2 JP3126546 B2 JP 3126546B2 JP 05099541 A JP05099541 A JP 05099541A JP 9954193 A JP9954193 A JP 9954193A JP 3126546 B2 JP3126546 B2 JP 3126546B2
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実 吉井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば半導体製造などに
おいて、検査面上に存在する微小物や欠陥などを光学的
に検査する技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】ICや液晶ディスプレイ等のデバイスの
製造工程においては、原版(レチクルやフォトマスク)
の上に形成されている露光用の回路パターンを、半導体
焼付装置によりレジストが塗布されたウエハ面上に転写
して製造している。
【0003】この転写の際に、原版面上に微小なゴミ等
の異物が存在すると、異物も同時に転写されてしまい、
IC製造の歩留りを低下させる原因となる。特にステッ
プアンドリピート法により繰り返してウエハ面上に同一
回路パターンを複数並べて焼付ける場合、原版上の1個
の異物がウエハ全面に焼き付けられてしまい1ウエハ分
が全て不良品となるため、IC製造の歩留りを大きく低
下させる原因となる。そのため、IC製造過程において
は原版上の異物の存在を検出するのが不可欠となってお
り、従来より種々の検査方法が提案されている。例えば
図66は異物による散乱光を検出することで異物の有無
を検査する従来の検査装置の構成図である。
【0004】同図において、レーザ光源151からのレ
ーザビームは、偏光子152、フィルタ153、コリメ
ート系154などによって異物検査に最適なレーザビー
ムとされ、ミラー155を介してポリゴン等のスキャニ
ングミラー157とfθレンズ158による走査光学系
に導かれる。fθレンズ158からの走査レーザビーム
は回路パターンが形成されるレチクル等の検査面160
の表面に走査スポット159として集光される。走査ス
テージ系166によって走査スポット159による走査
方向と垂直に検査面160を相対的に移動させることに
より、検査面160を2次元的に全面走査することがで
きる。
【0005】この走査レーザビームの入射方向に対して
後方あるいは側方散乱方向には、レンズ系161、偏光
子162、アパーチャ163、光電検出器164により
構成される検出系を配置する。この検出系の配置方向に
ついては、検査面160上の回路パターン等の散乱光が
特定の回折方向を有するので、これを避けて回折光を検
出しないような方向に設定される。
【0006】このような構成の装置において、走査スポ
ット159内に異物が存在しない場合には光電検出器1
64では散乱光は検出されないが、もし異物が存在する
場合は、微小な異物から散乱光が等方的に発生するため
光電検出器164で散乱光が検出されることになる。よ
ってこの検出信号を信号処理系165で処理することに
より異物の有無の検査を行なうことができる。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら上記
従来の検査装置においては、以下のような解決すべき課
題があった。 (1)例えばサイズ0.3μm程度以下の非常に微小な
異物を検出しようとすると、発生する散乱光強度が非常
に微弱になるので、異物による散乱光を感度良く検出す
ることが困難となる。 (2)回路パターンによってはパターンから検出器側に
散乱光が生じる場合があるが、散乱光の強度情報のみを
利用した従来方式では、異物からの散乱光と回路パター
ンからの散乱光とを区別することが困難でS/N比の劣
化につながる。
【0008】本発明は上記課題を解決すべくなされたも
ので、従来は検出が難しかった微小な異物や欠陥など
を、高いS/N比で検出することができる検出装置及び
検出方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の好ましい形態の一つは、第1の偏光状態及び第1の
波長を有する第1光束と、前記第1光束とは異なる第2
の偏光状態及び第2の波長を有する第2光束を生成する
生成手段と、少なくとも前記第1光束を検査位置に照射
する照射手段と、該検査位置で散乱されて偏光状態が前
記第1の偏光状態から変化した光と、前記第2光束とを
ヘテロダイン干渉させて干渉光を検出する検出手段とを
有することを特徴とする検査装置である。
【0010】
【実施例】以下、半導体分野などで使用される露光用原
版(レチクルやフォトマスク)やウエハなどの検査面上
を検査する装置、具体的には検査面上に付着するゴミ等
の異物あるいは検査面上に付いたキズなどの欠陥を検査
する検査装置に本発明を適用した実施例を説明する。な
お本発明の適用範囲は半導体分野に限らず、面検査装置
に広く適用できることは言うまでもない。
【0011】<実施例1>図1は本発明の第1の実施例
の構成図である。同図において1はレーザ光源、2は偏
光板、3はフィルタ系、4はコリメータ光学系、5,1
2はレーザビームを互いに直交する2つの偏光成分に分
波又は合波するための偏光ビームスプリッタ、6,7は
ミラー、8,9及び11,10はレーザビームを適当な
シフト周波数で変調するための音響光学素子とそのドラ
イバの組、13はポリゴンやガルバノ等のスキャニング
ミラー、14はfθレンズ系、15は走査領域に対応し
た長尺形状を有する偏光ビームスプリッタ、16、17
は強度減衰フィルタ系、18、19はミラー、20は走
査スポット、21はレチクル等の検査面、22は走査ス
テージ系、26は走査スポット20からの散乱光を光電
検出器29に取り込むためのレンズ系、27は偏光フィ
ルタ、28はスリット状のアパーチャ、29は光電検出
器、30はビート信号処理系である。
【0012】レーザ光源1から生成されたレーザビーム
は、偏光板2及びフィルタ系3によって直線偏光成分か
らなる適当な強度のレーザビームとなり、コリメータ光
学系によりコリメートされる。このレーザビームは偏光
ビームスプリッタ5によってP偏光レーザビームとS偏
光レーザビームの2つに分離される。この内のP偏光レ
ーザビームはミラー6で反射され、ドライバ8により駆
動される音響光学素子9によってシフト周波数ωで変調
される。又、S偏光レーザビームはドライバ10により
駆動される音響光学素子11によってシフト周波数(ω
+Δω)で変調され、ミラー7で反射される。そしてこ
れら周波数変調された2つの直線偏光レーザビームは偏
光ビームスプリッタ12にて合波されて、互いに直交し
かつ互いに相対的にシフト周波数Δωだけ異なる2つの
直線偏光を有する1本のレーザビーム12aが生成され
る。
【0013】なお上記性質を有するレーザビーム12a
を得るための生成手段は上記構成に限らず、音響光学素
子を1個だけ用いて2本のレーザビームどちらか一方だ
けをシフト周波数Δωで変調する構成も可能である。更
にはゼーマンレーザ光源を用いたり、あるいは半導体レ
ーザ光源の注入電流を変調することでも得ることができ
る。
【0014】レーザビーム12aはスキャニングミラー
13とfθレンズ系14による光走査系に導かれ、射出
されるレーザビームは偏光ビームスプリッタ15により
P偏光レーザビーム15a(シフト周波数ω)と、S偏
光レーザビーム15b(シフト周波数ω+Δω)に分離
される。
【0015】分離されたP偏光レーザビーム15aはフ
ィルタ系16によって異物検査に最適な強度に設定され
て、ミラー18により入射角θで検査面21上に収束さ
れスポット20を形成する。一方、S偏光レーザビーム
15bはフィルタ系17によって異物検査に最適な強度
に設定されて、ミラー19により入射角φで検査面板2
1の表面上のスポット20に収束する。すなわちレーザ
ビーム15aと15bは互いに異なる入射角で同一スポ
ット20に収束する。スポット20に照射されるレーザ
ビーム15aとレーザビーム15bの強度比は、例えば
1:100程度とする。又、スポット20のサイズは1
0μm程度とする。ここで偏光ビームスプリッタ15か
ら走査スポット20までの光路長は、P偏光レーザビー
ム15aとS偏光レーザビーム15bとがほぼ同じ長さ
になるように構成されており、これによりレーザビーム
のコヒーレント長があまり長くない場合でも干渉させる
ことができる。また入射角θのP偏光レーザビーム15
aによる0次回折光方向(出射角θ)には光電検出器2
9が配置されるが、この角度についてはレーザビーム1
5bの入射角φに対して、検査面21上の検出すべき異
物や欠陥以外から発生する散乱光(例えばレチクルの場
合の回路パターンによる回折散乱光)が光電検出器29
に達する光量がなるべく小さくなる角度を選定する。
【0016】走査スポット20はスキャニングミラー1
3の回転に伴って図1の紙面垂直方向に移動することで
検査面21上を光走査する。また走査ステージ系22は
スポット20による光走査方向と垂直な方向(図の矢印
方向)に検査面21を相対的に移動させる。これによっ
て検査面21の全面を2次元的に走査するようになって
いる。
【0017】走査スポット20から光電検出器29の方
向に発する光のうち本実施例では、(1)P偏光レーザ
ビーム15aの0次回折光23(P偏光)、(2)S偏
光レーザビーム15bの異物や欠陥によって偏光解消さ
れた後方散乱光24(P偏光+S偏光)、(3)S偏光
レーザビーム15bの検査面21に形成されている回路
パターンによる後方散乱光25(S偏光)、の3種類の
光に注目する。ここで異物や欠陥によって偏光解消が起
きる理由は、一般に異物や欠陥部の表面は粗いので乱反
射散乱する時に偏光が乱されて入射偏光面とは異なる偏
光成分が生じるためである。これに対して回路パターン
のように表面が比較的均一で滑らかな物体による散乱光
は偏光解消は僅かである。
【0018】光電検出器29方向に生じるP偏光の0次
回折光23(シフト周波数ω)と異物や欠陥による後方
散乱光24(シフト周波数ω+Δω)のP偏光成分とは
偏光面の一致により光ヘテロダイン干渉を起こし、この
干渉光を光電変換するとビート信号が得られる。すなわ
ち光ヘテロダイン法において、0次回折光23が参照光
でありこれがP偏光であることから、これと干渉してビ
ート信号となるのは後方散乱光の中で偏光解消によりP
偏光成分を持つ散乱光24だけである。これは異物や欠
陥による散乱光のみがビート信号として検出され、仮に
回路パターンからの散乱光が存在してもビート信号には
ならない、あるいはなったとしても非常に微弱であるこ
とを意味している。これにより実施例の装置は非常に高
感度且つ高いS/N比での異物や欠陥検査を可能として
いる。
【0019】レンズ系26によって取り込まれた上記散
乱光は、P偏光成分のみを通過させる特性の偏光フィル
タ27によってS偏光などの不要成分が除去され偏光漏
れ込み等のビート信号ノイズを低減する。その後にスリ
ット状のアパーチャ28を通過して光電検出器29に達
する。光電検出器29で得られた検出信号はビート信号
処理系30により処理され、ビート信号状態によって異
物や欠陥の有無の判定が行なわれる。
【0020】なお、本実施例ではP偏光の0次回折光2
3を参照光として、これと偏光解消によって発生したP
偏光とを光ヘテロダイン干渉させてビート信号を得るよ
うにしているが、P偏光とS偏光の関係が全く入れ替わ
るようにしても同様に検出することができる。これを達
成する構成の一例としては、偏光ビームスプリッタ15
の特性を変えてレーザビーム15aがS偏光、レーザビ
ーム15bがP偏光になるようにして、偏光フィルタ2
7はS偏光成分のみを透過させる特性のものを使用すれ
ば良い。
【0021】次に本実施例における散乱光の発生とビー
ト信号の検出について更に詳しく述べる。図2は走査ス
ポット位置付近に異物及び回路パターンが存在する場合
の散乱光について説明する図である。同図において20
1は検査面21に付着する0.3μm程度の大きさの異
物、202は回路パターン、203は偏光フィルタ等を
含むビート信号検出系である。
【0022】先の図1で説明したように、シフト周波数
ωで変調されたP偏光レーザビーム15aとシフト周波
数(ω+Δω)で変調されたS偏光レーザビーム15b
は、それぞれ入射角θ,φで同一のスポット位置に入射
する。ビート信号検出系203はレーザビーム15aの
検査面21による0次回折光が発生する方向に配置さ
れ、S偏光レーザビーム15bに関してはビート信号検
出系203は後方散乱方向に配置されることになる。
【0023】このとき0次回折光23は検査対象となる
異物のサイズが0.3μm程度であるのに対して走査ス
ポット径は10μm程度と十分に大きいために、異物の
有無に関わらず入射光の偏光状態はほぼ保たれたままビ
ート信号検出系203に到達する。このことは光の回折
現象において、高次回折光ほど反射面の高周波成分(空
間周波数)に依存し、0次回折光は反射面の低周波成分
に依存していることから説明できる。すなわち0次回折
光はスポット内の微細な構造にはあまり影響を受けな
い。
【0024】今、検査面21に入射されるP偏光レーザ
ビーム15aとS偏光レーザビーム15bの電場をそれ
ぞれE1 ,E2 とすると次のように表すことができる。
【0025】 E1 = Ep ・exp {j (ωt +θ1 )} (1) E2 = Es ・exp [j {(ω+Δω)t +θ2 }] (2) このとき、上記の走査スポット20からの0次回折光2
3、異物による後方散乱光24、回路パターンによる後
方散乱光25をそれぞれF1 ,R1 ,R2 とすると、そ
れぞれ以下のように表せる。
【0026】 F1 = αEp ・exp {j (ωt +θ'1)} (3) 但し α:0次光回折率 R1 = ΔE1s・exp [j {(ω+Δω)t +θ'2}] + ΔE1p・exp [j {(ω+Δω)t +θ'2}] (4) R2 = ΔE2s・exp [j {(ω+Δω)t +θ'3}] (5) このときビート信号検出系203によって検出される合
成されたビート信号の強度Iは、偏光面が一致するもの
だけが干渉を起こすこと、及びS偏光成分はビート検出
系203に含まれる偏光フィルタで除去されることを考
慮すると次のように表せる。
【0027】 I = |F1 +R1 +R22 = (αEp )2+ ΔE1p2 +2αEp ΔE1p・cos (Δωt +θ'2−θ'1) (6) 式(4)で与えられた異物によって偏光解消されて生じ
るP偏光成分の振幅ΔE1pは非常に微小であるが、式
(6)の第3項により、Ep はΔE1pより遥かに大きい
ので、ビート信号検出系203で検出されるビート信号
の出力電圧は異物による後方散乱光24を直接検出する
よりも良好な感度となる。
【0028】また、式(6)で得られるビート信号のD
C成分とAC成分(周波数Δω)を適当な方法により選
択的に抽出することにより、迷光等のノイズが除去され
てより一層S/N比を向上させることができる。
【0029】ここで検出されるビート信号について説明
する。図3は検出されるビート信号の波形の例を表す図
である。同図において301は時間tを表す軸、302
は検出される信号の強度Iを表す軸、306は検出され
るビート信号、303はビート信号306のDC成分、
304はビート信号306のAC成分、305はビート
信号が検出される時間幅(Δt)を表している。
【0030】先にも述べたように、走査スポット内に異
物や欠陥が存在しなければビート信号は検出されない
が、異物や欠陥が存在する場合には306で示されるよ
うな周波数Δωのビート信号が時間幅Δtの間生じる。
ビート信号が生じる時間幅Δt(305)は、図4に示
すように走査スポット20のサイズと、このスポット2
0が検査面上を走査する速度によって決まる。すなわち
図4にて走査速度v(402)で移動する走査スポット
20の端が異物201にかかってからスポット20’の
位置に来るまでの時間が、図3におけるビート信号時間
幅Δt(305)である。
【0031】この検出されるビート信号を信号処理する
ためのビート信号処理系30の具体的な構成例を図5を
用いて説明する。同図において、801は光電検出器2
9によって検出されたビート信号を増幅するプリアン
プ、802は増幅されたビート信号のDC成分808と
AC成分807を個別に検出するための信号処理系、8
03はDC成分808を検出することで0次回折光23
の強度変化をモニタするための0次回折光モニタ系、8
09はモニタの結果得られた0次回折光23の強度変動
を補正するための補正信号、804は検出されたAC成
分のうち周波数Δωの信号を抽出して、補正信号809
で補正するための周波数フィルタ、805は周波数フィ
ルタの出力を閾値等と比較して異物や欠陥かどうかを判
定してカウントするカウンタ、806は異物や欠陥の数
や、検査面21上の異物や欠陥の位置を記憶・表示する
ためのコンピュータである。
【0032】前記の式(6)から、光電検出器29にて
検出されるビート信号のAC成分807とDC成分80
8はそれぞれ次のように表される。
【0033】 (AC成分)=2αEp ΔE1p・cos (Δωt +θ'2−θ'1) (7) (DC成分)=(αEp )2 + ΔE1p2 ≒(αEp )2 (8) 式(7)によれば、ビート信号のAC成分の振幅は0次
回折光強度と異物や欠陥からの後方散乱光に比例するこ
とが分かる。
【0034】走査スポット20によって検査面21上を
走査する時、回路パターン等の影響により0次回折光の
強度変化が生じる可能性があるが、この変化は式(8)
よりDC成分を検出することで得られる。従ってこの影
響を受けずに高いS/N比で測定を行なうためには、式
(8)で示されるビート信号のDC成分を0次回折光モ
ニタ803によりモニタして補正を行なう。0次回折光
23の強度変化は補正信号809によって、例えば周波
数フィルタリングの後の信号の増幅倍率を補正信号によ
って変化させることで補正される。この結果、周波数フ
ィルタ804の出力パルスの強度は、異物からの散乱光
強度のみに比例するものが得られる。そしてカウンタ8
05でノイズレベルに閾値を設けて、出力パルスが検出
すべき異物や欠陥によるものなのか、あるいは回路パタ
ーンなどによるノイズであるのかを判定する。その結果
はコンピュータ806に取り込まれ、データの記憶や表
示等の処理がなされる。
【0035】次に本実施例の検出系の更に具体的な光学
構成を説明する。図6は、図1の検出系を上方から見た
図である。同図において601はスキャニングミラーに
よって走査スポット20が走査される光走査領域、60
2は図1の偏光フィルタ27やアパーチャ28などを含
んだフィルタ系、603は光電検出器の検出面、604
はレンズ系26により結像された光走査領域601の像
領域、605は走査ステージ系によって走査される方向
である。このような構成をとることにより、走査スポッ
ト20が光走査領域601のどの位置にあっても、図1
の0次回折光(23)及び散乱光(24,25)はレン
ズ系26によって取り込まれ、フィルタ系602にて迷
光や不要なS偏光成分をカットされた後に光電検出器の
検出面603内に入射することになり、スキャニングミ
ラー等を用いた走査光学系にて光ヘテロダイン法による
ビート信号検出を可能とする装置構成を達成した。
【0036】またこの別法として図7に示すように、検
出面位置にオプチカルファイバ束650を配置し、これ
らを束ねて光電検出器651の検出面に導いておくこと
でも光走査領域650におけるビート信号を検出するこ
とが可能である。
【0037】以上の本実施例によれば以下のような効果
が得られる。 (1)検出すべき異物や欠陥などによって偏光解消され
た光のみがビート信号となり、回路パターンからの散乱
光は殆どビート信号とならないため、高いS/N比で異
物や欠陥検出が可能である。 (2)ヘテロダイン法を用いているため異物からの微弱
散乱光の強度を直接測定するよりも高いS/N比で検出
可能である。 (3)スキャニングミラーによる光走査でヘテロダイン
検出可能となりスループットが大きく向上する。 (4)従来は検出困難であったレチクル上の0.3μm
以下の異物を回路パターンと区別して良好な感度で検出
できる。
【0038】<実施例2>次に本発明の第2実施例を説
明する。図8は本実施例の構成図であり、先の図1と同
一の符号は同一あるいは同等の部材を表す。先の実施例
と異なる箇所を中心に説明することにする。
【0039】図中、102は2本のレーザビームを空間
的に分離された平行光束としてスキャニングミラー13
へ導入するための直角プリズム、104はfθレンズ
系、105は上記平行光束を異なる方向に指向するため
のエッジミラーである。
【0040】互いに周波数及び偏光方向が異なる2つの
レーザビーム、すなわち音響光学素子9でシフト周波数
ωで変調されたP偏光レーザビームと音響光学素子11
でシフト周波数(ω+Δω)で変調されたS偏光レーザ
ビームとが作成されるまでの構成は先の実施例と同様で
ある。先にも述べたように、変形例として音響光学素子
を1個だけ用いて2本のレーザビームどちらか一方だけ
をシフト周波数Δωで変調する構成としたり、ゼーマン
レーザ光源の使用、あるいは半導体レーザ光源の注入電
流を変調するようにしても良い。
【0041】本実施例においては、上記変調された2つ
の直線偏光レーザビームを重ね合わせずに、ミラー7及
び直角プリズム102を用いて距離Δxだけ離れた平行
光束102a,102bを生成している。このレーザビ
ーム102a,102bは互いに直交する偏光面を持ち
且つ相対的にシフト周波数Δωだけ異なる2つの直線偏
光を有するものである。なお、この平行光束の間隔Δx
は、直角プリズム102を図の矢印103の方向に移動
させることで容易に所望の間隔に調整することができ
る。
【0042】2本のレーザビーム102a,102b
は、スキャニングミラー13とfθレンズ系104によ
る走査光学系に導かれる。ここでfθレンズ系104は
同一光学作用の2つのfθレンズを組合せたものであ
る。fθレンズ系104より射出される平行光束は、一
方は直進し他方はエッジミラー105により進行方向を
曲げられて、進行方向が異なるP偏光レーザビーム15
a(シフト周波数ω)とS偏光レーザビーム15b(シ
フト周波数ω+Δω)とに分離される。この後の構成作
用については先の第1実施例と全く同様であるため説明
は省略する。
【0043】なお、本実施例ではP偏光の0次回折光2
3を参照光として、これと偏光解消によって発生したP
偏光とを光ヘテロダイン干渉させてビート信号を得るよ
うにしているが、P偏光とS偏光の関係が全く入れ替わ
るようにしても同様に検出することができる。これを達
成する構成の一例としては、偏光ビームスプリッタ5の
特性を変えてレーザビーム102a(15a)がS偏
光、レーザビーム102b(15b)がP偏光になるよ
うにして、偏光フィルタ27はS偏光成分のみを透過さ
せる特性のものを使用すれば良い。
【0044】本実施例のようにエッジミラー105を用
いて空間的にP偏光レーザビーム15aとS偏光レーザ
ビーム15bを分離する構成にすることで、長尺の偏光
ビームスプリッタを使用することなく互いに異なるシフ
ト周波数を持つ直線偏光レーザビームを空間的に分離す
ることができる。一般に長尺の偏光ビームスプリッタで
均一な消光比を有する物を作成するのは難しく高価であ
るため、本実施例によれば第1実施例の効果に加えて一
層の低コスト化を進めることができ、走査時の偏光漏れ
込みの影響がなく(すなわち高い消光比で)一層のS/
N比の向上につながる。
【0045】<実施例3>図9は本発明の第3実施例の
構成図である。上記図8と同一の符号は同一あるいは同
等の部材を表す。40は偏光方向調整手段であり、レー
ザビーム102aの偏光方向を所望の偏光方向に設定す
るためのものである。41は偏光方向調整手段40を駆
動するドライバ、42,43はミラー、44はハーフミ
ラー等の合波器である。
【0046】互いに周波数及び偏光方向が異なる2つの
レーザビーム102a,102bの内、ビーム102a
の偏光方向はP偏光状態であるが、偏光方向調整手段4
0によってこの偏光方向を所望の方向に調整することが
できる。参照光となるこのビーム102aの偏光方向
は、後述するように異物からの散乱光と最もよくヘテロ
ダイン干渉するような方向にセットする。偏光方向調整
手段40の具体例としては、λ/4板を通して円偏光と
した後に偏光フィルタ等の偏光子を所望の方向に回転さ
せる方法や、ファラデーセルなどの光偏光器等の使用が
挙げられる。
【0047】偏光方向が設定されたレーザビーム15a
はミラー18,42,43によって参照光として合波器
44に入る。またレーザビーム15bはミラー19によ
り角度φで検査面21にスポット20として入射する。
【0048】このスポット20内に存在する異物からの
散乱光や回路パターンからの散乱光は、合波器44によ
り上記参照光と合波されて、角度θの方向に設置された
レンズ系26によって、参照光23と異物欠陥からの散
乱光24と回路パターンからの散乱光25を集光する。
【0049】この時、上記散乱光のうち参照光23とヘ
テロダイン干渉を起こしてビート信号を生成するのは参
照光23の偏光方向と一致した異物からの散乱光24だ
けであり、回路パターンからの散乱光25はヘテロダイ
ン干渉しない。本実施例では光電検出器29の前への偏
光フィルタ等の偏光素子は不可欠ではないので配置を省
略している。
【0050】ここで、回路パターンからの散乱光と参照
光とはヘテロダイン干渉を起こさないことを図10を用
いて説明する。図10はスポット20から生じる異物か
らの散乱光と回路パターンからの散乱光のそれぞれの偏
光方向と、参照光の偏光方向とを模式的に示す図であ
る。同図において、点線矢印1011は回路パターンか
らの散乱光の偏光方向、細実線矢印1012は異物から
の散乱光の偏光方向、太実線矢印1013は偏光方向調
整手段40によって偏光方向が設定された参照光の偏光
方向を示す。
【0051】回路パターン部にスポット20として入射
した場合、レンズ系で集光される回路パターンからの散
乱光は1011に示されるように、ほぼ特定方向の偏光
成分を持つ。これに対して異物からの散乱光は偏光解消
によって1012に示されるようにあらゆる方向に偏光
成分を持ちその分布も均一ではないが、若干の指向性は
有している。本実施例では偏光調整手段40の調整によ
って、この指向方向すなわち異物からの散乱光のうち最
も強度成分の大きい偏光方向に、参照光の偏光方向10
13を合わせることで、なるべく大きな干渉信号が得ら
れるようにしている。
【0052】しかし、これだと場合によっては参照光の
偏光方向1013と回路パターン散乱光の偏光方向10
11とが一致することもあり得る。又、たとえ偏光方向
1011と1013とが異なっていても、回路パターン
による若干の偏光解消があれば若干の一致成分が存在す
ることになる。
【0053】だが仮に参照光の偏光方向と一致する回路
パターン散乱光があったとしても、これらはほとんど干
渉しない。この理由を図11を用いて説明する。図11
は異物からの散乱光と回路パターンからの散乱光の波面
の違いを模式的に説明する図である。同図において10
21は入射する偏光レーザビーム、1022は検査面2
1上の回路パターン、1023は検査面21上の異物、
1024は回路パターンからの散乱光、1025は異物
からの散乱光である。
【0054】レーザビーム1021がスポット20とし
て検査面21に平面波で照射されると、回路パターン1
022からの散乱光1024は、各パターンのエッジ部
で乱反射するので検出される波面の位相が乱れる。これ
に対して、異物1023からの散乱光1025は、異物
1023が例えば0.3μm程度と小さいためにほぼ点
光源から発生した球面波に近くなる。
【0055】従ってこれらの散乱光と参照光を合波した
際、回路パターン1022からの散乱光1024は光電
検出器の検出面上でワンカラー条件で干渉せずに直流成
分となるのに対して、異物1023からの散乱光は参照
光とワンカラー条件で干渉するのでビート信号が発生し
て交流成分が検出される。すなわち、仮に回路パターン
からの散乱光の偏光方向が一致したとしても、回路パタ
ーン散乱光と参照光とはほとんど干渉せず、異物からの
散乱光のみを精度よく検出することができる。なお、こ
の作用効果は本実施例に限らず、先の実施例や後述する
実施例の全てに共通に云えることである。
【0056】以上の本実施例によれば、偏光調整手段に
よって参照光の偏光方向を異物からの散乱光と最もよく
干渉するように設定することで、高い検出精度が得られ
る。又、光電検出器の前に偏光フィルタ等の偏光素子を
配置しなくても高い検出精度が得られるので構成が簡単
になる。
【0057】<実施例4>次に上記第2実施例の装置を
より発展させた第4実施例を図12を用いて説明する。
先の実施例と同一の符号は同一あるいは同等の部材を表
す。図中、1A,1Bはそれぞれ異なる波長λ1 ,λ2
のレーザビームを生成するレーザ光源であり、具体的に
は1Aは波長λ1 =0.488μmのレーザビームを生
成するAr+ レーザ光源、1Bは波長λ2 =0.632
8μmのレーザビームを生成するHe−Neレーザ光源
である。2A,2Bは偏光板、3A,3Bはフィルタ
系、4A,4Bはコリメータ光学系、5A,5Bはレー
ザビームを互いに直交する2つの偏光に分波するための
偏光ビームスプリッタ、9A,9B,11A,11Bは
レーザビームを適当なシフト周波数で変調するための音
響光学素子、111,112は波長λ1 ,λ2 の光を合
波するためのハーフミラーである。106は回折格子等
を用いた分光器、26A,26Bは走査スポット20か
らの散乱光を光電検出器に取り込むためのレンズ系、2
7A,27Bは偏光フィルタ、28A,28Bはスリッ
ト状のアパーチャ、29A,29Bは光電検出器、30
はビート信号処理系である。
【0058】本実施例の光学構成によって得られるレー
ザビーム102aは、波長λ1 のP偏光と波長λ2 のP
偏光がそれぞれシフト周波数ωで変調されたものがハー
フミラー111で合成されたものである。また、レーザ
ビーム102bは波長λ1 のS偏光と波長λ2 のS偏光
がそれぞれシフト周波数(ω+Δω)で変調されたもの
がハーフミラー112で合成されたものである。これら
のレーザビームは走査光学系によって走査された後、エ
ッジミラー105によって、P偏光レーザビーム15a
(波長λ1 ,λ2 )と、S偏光レーザビーム15b(波
長λ1 ,λ2 )に分割されて、互いに異なる入射角で同
一スポット20に収束する。
【0059】走査スポット20から検出光学系方向に発
する光の内、本実施例では以下の6種類の光に注目す
る。 (1)P偏光レーザビーム15aの0次回折光23A (P偏光、波長λ1 ) (2) 〃 23B (P偏光、波長λ2 ) (3)異物や欠陥による後方散乱光24A (P偏光+S偏光、波長λ1 ) (4) 〃 24B (P偏光+S偏光 波長λ2 ) (5)回路パターンによる後方散乱光25A (S偏光、波長λ1 ) (6) 〃 25B (S偏光、波長λ2
【0060】本実施例ではリレー光学系107に取り込
まれた上記光が回折格子から成る分光器106によって
波長λ1 とλ2 の2つの成分に分離されて、それぞれの
成分が別々に検出される。これによって2波長λ1 ,λ
2 のそれぞれについて異物や欠陥によるビート信号が検
出される。ビート信号処理系30では2つの信号をそれ
ぞれ同様に処理して、少なくともどちらか一方の波長で
異物や欠陥が検出されたら、異物や欠陥ありと判断す
る。
【0061】ここで、異なる2波長λ1 ,λ2 のレーザ
ビームを用いて2波長のそれぞれについてのビート信号
を検出する本実施例の利点について説明する。図13は
Mie散乱理論から求められる微粒子による光の散乱強
度分布を表す図である。(A)のグラフ図は入射光の波
長が0.488μm(Ar+ レーザ)の場合であり、
(B)のグラフ図は入射光の波長が0.6328μm
(He−Neレーザ)の場合である。グラフ横軸は散乱
光の伝搬する方向を示しており、微粒子に入射する光の
進行方向を0(deg) 、逆方向を180(deg) としてい
る。すなわち、0(deg) は前方散乱方向、180(deg)
は後方散乱方向を示している。又、グラフ縦軸はある散
乱角における光の相対強度を示す。グラフ中の曲線50
3,504,505,508,510は、それぞれ微粒
子の直径が0.3μm,0.4μm,0.5μm,0.
8μm,1.0μmの場合の散乱分布曲線である。
【0062】なお、図13で示す散乱強度分布曲線は、
空間に浮遊している微粒子に平面波を照射した場合に得
られたものであるので、厳密には検査面上に付着する異
物に対してはそのままは適用できないが、本実施例のご
とく入射光が斜入射で後方散乱光を検出する場合は、検
査面からの後方散乱光が少ない分、定性的な説明として
利用することができる。
【0063】図13(A)(B)の両グラフ図より、同
一微粒子に対して入射する光の波長が変われば、ある散
乱角度に対する光強度が変わるという事が分かる。例え
ば後方散乱光で散乱角150(deg) について見ると、粒
径が0.3μmと0.5μmの微粒子に対しては、波長
0.488μmの方が散乱光強度は大きいが、0.4μ
m粒子に対しては、逆に波長0.6328μmの方が散
乱光強度は大きい。
【0064】本実施例ではこれらの波長でそれぞれ得ら
れる2つのパラメータで異物や欠陥を検出して多面的な
測定を行なうことにより、一方の波長の感度の弱い粒径
領域を他方の波長で補うことができ、幅広いサイズの異
物に対応することができる。つまり異物の大きさによる
感度ムラが少なく、且つ異物検査で検出可能な異物サイ
ズのダイナミックレンジが広いというメリットが得られ
る。
【0065】なお本実施例では波長λ1 ,λ2 の2つの
異なる波長の光を用いて2つのパラメータを得て多面的
な測定を行なっているが、これを3つ以上のとすれば更
なる高精度測定が可能となる。
【0066】次に本実施例の検出系の更に具体的な光学
構成を説明する。図14は、図12の検出系を上方から
見た図である。同図において601はスキャニングミラ
ーによって走査スポット20が走査される光走査領域、
605は走査ステージ系によって走査される方向であ
る。610はリレー光学系107により結像される分光
器106上の像領域である。620は縮小光学系で図1
2のレンズ26A,26Bを示している。602は図1
の偏光フィルタ27A,27Bやアパーチャ28A,2
8Bなどを含んだフィルタ系、603は光電検出器の検
出面、604はレンズ系26により結像された光走査領
域601の像領域を示している。このような構成をとる
ことにより、走査スポット20が光走査領域601のど
の位置にあっても、図12の0次回折光(23A,23
B)及び散乱光(24A,24B,25A,25B)は
リレーレンズ107によって取り込まれて分光器106
上に結像され、ここで分光された光は縮小光学系620
に取り込まれ、フィルタ系602にて迷光や不要なS偏
光成分をカットされた後に光電検出器の検出面603内
に入射することになり、スキャニングミラー等を用いた
走査光学系にて光ヘテロダイン法によるビート信号検出
を可能とする装置構成を達成した。
【0067】図15は上記回折格子の分光器の代わりに
ハーフミラーを用いて分光する変形例の構成を示す。同
図において108はハーフミラー、26A,26Bは縮
小光学系、37A,37Bは、それぞれ波長λ1 ,λ2
の光のみを選択的に通過させる波長選択フィルタと不要
なS偏光成分を除去する偏光フィルタを含んだフィルタ
系、28A,28Bはアパーチャ、29A,29Bは光
電検出器を示している。リレー光学系107で取り込ま
れた散乱光はハーフミラー108で2分割され、フィル
タ系37Aで波長λ1 が、フィルタ系37Bで波長λ2
が選択されて、各波長に関する信号が得られる。
【0068】以上の本実施例によれば、異なる複数波長
によって異物や欠陥を多面的に測定するため、先の第2
実施例の効果に加えて以下の効果が得られる。 (1)異物の大きさによる検出感度ムラが少ない。 (2)異物検査で検出可能な異物サイズのダイナミック
レンジが広い。
【0069】<実施例5>次に本発明の第5実施例の構
成を示す。先の第4実施例では異なる複数波長の光によ
って異物や欠陥を多面的に測定したが、本実施例では異
なる散乱角度成分によって多面的な測定を行なうもので
ある。
【0070】図16は本実施例の構成を示すもので、図
1と同一の符号は同一もしくは同等の部材を表す。本実
施例では先の図1の構成に対してハーフミラー31を付
加して、スポット20の同一位置に異なる角度θ1 θ2
から2本のビーム32A,32Bを入射させている。ビ
ーム32Aの0次回折光方向には第1検出系(26A,
27A,28A,29A)が配置され、ビーム32Bの
0次回折光方向には第2の検出系(26B,27B,2
8B,29B)が配置されている。見方を変えれば、第
1検出系と第2検出系はS偏光レーザビーム33に対し
ては異なる後方散乱角度方向に配置されている。ビート
信号処理系30では第1、第2検出系でそれぞれ得られ
た2つの信号をこれまでの実施例と同様に処理して、少
なくともどちらか一方で異物や欠陥が検出されたら、異
物や欠陥ありと判断する。
【0071】先の図13の(A)又は(B)のグラフ図
から明らかなように、被検位置から発生する散乱光は散
乱角度によって異なる情報が得られる。よって本実施例
のように複数の異なる角度の散乱成分を検出して多面的
に判断すれば検査精度を高めることができる。なお、本
実施例では2方向の散乱成分を検出したが、これを3方
向以上とすればより一層検査精度を高めることができ
る。
【0072】<実施例6>図17は本発明の第6実施例
を示す図であり、先の図8と同一の符号は同一もしくは
同等の部材を表す。これまでの実施例では異なる直線偏
光状態の光を利用して光ヘテロダイン干渉させたが、本
実施例では直線偏光の代わりに円偏光を利用したことを
特徴とする。本実施例における構成上の特徴は直角ミラ
ー102とスキャニングミラー13の間の光路中に配置
されたλ/4位相差板110、及び偏光ビームスプリッ
タ107以降の検出光学系である。
【0073】図17において、シフト周波数ωのP偏光
とシフト周波数ω+ΔωのS偏光の2本のレーザビーム
を平行光束として生成する光学系は図8の実施例と同一
である。これら2つの直線偏光レーザビームはλ/4位
相差板110を通過することによって、シフト周波数ω
の円偏光ビームとシフト周波数ω+Δωの円偏光ビーム
とに変換される。ここで2本の円偏光は互いに逆方向に
回転する関係となる。そしてこの2本の円偏光レーザビ
ームは上記実施例と同様の走査光学系によって検査面上
に走査される。
【0074】走査スポット20から検出光学系方向に発
する光のうち、本実施例では以下の3種類の光に注目す
る。 (1)0次回折光150 円偏光
(P成分=S成分) (2)異物や欠陥からの後方散乱光151 楕円偏光
(P成分>S成分) (3)回路パターンからの後方散乱光152 円偏光
(P成分=S成分)
【0075】これらの散乱光150,151,152は
偏光ビームスプリッタ107によってP偏光成分とS偏
光成分に分離される。P偏光成分は検出光学系26Aに
より取り込まれ、偏光フィルタ27AによりP偏光成分
以外を完全に除去して偏光漏れ込み等のビート信号ノイ
ズを低減した後、スリット状のアパーチャ28Aを通過
して光電検出器29Aにて光電変換する。同様にS偏光
成分は検出光学系26Bにより取り込まれ、偏光フィル
タ27BによりS偏光成分以外を完全に除去して偏光漏
れ込み等のビート信号ノイズを低減させた後、スリット
状のアパーチャ28Bを通過して光電検出器29Bで光
電変換する。こうして光電検出器29AではP偏光成分
によるビート信号が、光電検出器29BではS偏光成分
によるビート信号が得られる。
【0076】本実施例では異物や欠陥による後方散乱光
は、相対的にP偏光成分の方がS偏光成分よりも大きく
なることを利用して異物や欠陥を検出するものである。
すなわち異物や欠陥が存在する時はP偏光成分によるビ
ート信号の方がS偏光成分によるビート信号よりも大き
くなるので、ビート信号処理系30では2つの光電検出
器29A,29Bのそれぞれの検出信号を基に異物や欠
陥の判定を行なう。例えば2つのビート信号の振幅の大
小を比較して、P>Sであれば異物や欠陥がある、P≒
Sであれば異物や欠陥はないと判定する。
【0077】ここで図18のグラフ図を用いて、異物や
欠陥からの後方散乱光にP偏光成分が多くなることを説
明する。図18はMie散乱理論から求められる微粒子
による光の散乱強度分布をP,S偏光別に表したグラフ
図であり、(A)(B)(C)はそれぞれ微粒子の直径
が0.3μm,0.5μm,1.0μmの場合のP偏光
散乱,S偏光散乱の分布曲線を表している。同図におい
てグラフ横軸は散乱光の伝搬する方向を示しており、微
粒子に入射する光の進行方向を0(deg) 、逆方向を18
0(deg) としている。つまり0(deg) は前方散乱方向、
180(deg) は後方散乱方向を示している。260p,
261p,262pはそれぞれ微粒子の直径が0.3μ
m,0.5μm,1.0μmの場合のP偏光の散乱分布
曲線である。同様に260s,261s,262sはそ
れぞれ微粒子の直径が0.3μm,0.5μm,1.0
μmの場合のS偏光の散乱分布曲線である。
【0078】今、微粒子からの後方散乱光(140〜1
60deg )について考える。(A)のグラフより、後方
散乱光側ではP偏光成分の方がS偏光成分よりも大きい
ことが分かる。(B)(C)のグラフにおいても同様に
後方散乱光側ではP偏光成分の方がS偏光成分よりも大
きいことが分かる。一般に異物や欠陥による偏光解消で
偏光の乱れが生じるが、P偏光からS偏光に変化するの
とS偏光からP偏光に変化するのはほぼ同程度に起こる
と考えられるから、結果的に、異物や欠陥による偏光解
消があっても、後方散乱光ではP偏光成分が大きいこと
には変わりはない。従って異物や欠陥が存在する場合は
後方散乱光のP偏光成分は相対的に大きいといえる。
【0079】本実施例によれば、異物や欠陥による散乱
光が存在すると散乱光成分のうち相対的にP偏光が大き
くなることを利用して、P,S各偏光成分のビート信号
を検出して比較することで、回路パターンからの散乱光
が存在しても高いS/N比で異物や欠陥の検出を行なう
ことができる。
【0080】<実施例7>次に本発明の第7実施例を図
19を用いて説明する。本実施例では検査位置に入射す
る一方の光を円偏光、他方の光を直線偏光としたことを
特徴とする。構成は先の図17のものと類似しており、
同一の符号は同一の部材を示す。本実施例では参照光の
光路にのみλ/4板位相差111を配置したことを特徴
とし、これによってミラー18で反射して検査位置に入
射する光は円偏光ビーム、ミラー19で反射して検査位
置に入射する光はS偏光の直線偏光ビームとなる。な
お、直線偏光の偏光方位はS偏光に限らずP偏光や45
°偏光などとしても良く、あるいは円偏光と直線偏光の
関係を入れ替えても良い。
【0081】この構成において、光電検出器29A,2
9Bでそれぞれ得られる信号波形の例を図20に示す。
図20の(A)は光電検出器29Aの出力波形、(B)
は光電検出器29Bの出力波形である。異物が存在した
場合、両者の信号レベルが増大する。ビート信号処理系
30では、例えばこれらの信号の比をとることで異物を
精度良く認識することができる。
【0082】<実施例8>次に本発明の第8実施例を図
21を用いて説明する。本実施例は検査面に入射させる
ビームを一本だけにして、参照光は検査面に入射させな
いようにしたことを特徴とする。図中、50は光源系、
51は偏光ビームスプリッタ、52は1/4波長板、5
3は反射ミラー、54はポリゴンやガルバノ等のスキャ
ニングミラー、55はfθレンズ系、56は偏光フィル
タ、57は光電検出器を含む検出系、58はビート信号
処理系である。
【0083】光源系50は周波数が僅かに異なる2波長
のレーザビームを互いに直交する偏波面で生成するもの
で、例えばゼーマンレーザ光源を有する。勿論、上記実
施例と同様の構成をとっても良い。この光源系50から
の光は偏光ビームスプリッタ51に入射して、周波数f
1 のP偏光レーザビームはビームスプリッタ51を透過
し、周波数f2 のS偏光レーザビームは偏光ビームスプ
リッタ51で反射され、2つの周波数成分が分離されて
2光束に分割される。
【0084】偏光ビームスプリッタ51を透過したP偏
光レーザビーム(P1 )は、1/4波長板52を通過し
ミラー53で同一方向に反射される。ミラー53として
は入射方向と同一方向に光束を反射するキャッツアイリ
フレクターやコーナーキューブを使用することが好まし
い。この反射された光は再び1/4波長板52を通過し
て偏光ビームスプリッタ51に入射する。ここで偏光ビ
ームスプリッタ51を出射してから再び偏光ビームスプ
リッタ51に入射するまでに、1/4波長板52を2回
通過することによってP偏光レーザビーム(P1 )は偏
波面が90°回転してS偏光レーザビーム(S1 )とな
る。この周波数f1 のS偏光レーザビームが偏光ビーム
スプリッタ51に入射すると、S偏光であるために今度
は反射されて、検出系57の方向に参照光S1 として指
向される。
【0085】一方、光源系50から偏光ビームスプリッ
タ51に入射して反射された周波数f2 のS偏光レーザ
ビーム(S2 )は、ポリゴンやガルバノ等のスキャニン
グミラー54によって反射され、fθレンズ55を通っ
て入射角θで検査面21上に走査スポット20として入
射して紙面垂直方向に走査する。入射角θについては散
乱光の検出感度の高い角度が設定されるが、先の実施例
のように2光束を同一点に入射させるものではないため
設定の自由度が高い。走査ステージ22は前記走査方向
と直交方向(矢印方向)に検査面21を走査するために
検査面全面が2次元的に走査される。
【0086】先にも説明したように検査面21上に異物
や欠陥あるいは回路パターンがあると、このS偏光レー
ザビームは様々な方向に散乱され、これが異物や欠陥で
ある場合は偏光解消されてS偏光成分にP偏光成分も混
ざって散乱される。また回路パターンである場合は偏光
解消はほとんど起きずS偏光の偏波面は保存されたまま
散乱される。
【0087】走査スポット20の照射レーザビームによ
って散乱された光のうち、入射方向と同一方向に散乱し
た光は、fθレンズ55を通過して再びスキャニングミ
ラー54によって反射され、偏光ビームスプリッタ51
に向かう。この光は元々は周波数f2 のS偏光レーザビ
ームであるが、異物や欠陥で散乱されて偏光解消された
光のうちP偏光成分のみが偏光ビームスプリッタ51を
透過して、測定光P2として検出系57の方向に指向さ
れる。S偏光成分は偏光ビームスプリッタ51で反射さ
れるため検出系57方向には指向されない。
【0088】なお、偏光ビームスプリッタ51で分離さ
れた2光束のそれぞれが再び偏光ビームスプリッタ51
に戻って合成されるまでの2光束の光路長差は、使用す
るレーザビームのコヒーレント長の範囲内に納まるよう
に構成され、光干渉を可能にしている。
【0089】検出系57へ向けられる異なる周波数成分
を持つ2光束、すなわち参照光S1と測定光P2 は互い
に直交する偏波面を有する。偏光フィルタ56はこれら
両偏波面に対して透過軸が45°傾けて配置されてお
り、2光束が偏光フィルタ56を通過する際にはそれぞ
れの光束のうち偏光フィルタの透過軸の成分のみが透過
して2周波数成分の偏波面が揃うことになる。ここで偏
波面が揃った2光束は互いに周波数が僅かに異なるので
光ヘテロダイン干渉を起こし、この干渉光が検出系57
の光電検出器子で光電変換されてビート信号が得られ
る。検出系57からの信号はビート信号処理系58へと
入力され、先の実施例と同様に異物や欠陥が評価され
る。なお、偏光フィルタ56の手前に遅延軸が紙面に対
して45°傾いたλ/4波長板を挿入すれば、偏光フィ
ルタ56の透過軸の方位を任意にすることができる。
【0090】なお、P偏光とS偏光の関係が全く入れ替
わるようにしても同様に検出することができる。これを
達成する構成の一例としては、光源系50と、偏光フィ
ルタ56、検出系57、ビート信号処理系58との配置
を入れ替えて、偏光ビームスプリッタ51に対して光源
系50からの光の入射方向及び検出系57への光の出射
方向を変えて、これを偏光ビームスプリッタを反射して
ミラー53に向かうレーザビームがS偏光、透過してス
キャニングミラー54に向かうレーザビームがP偏光に
なるようにすれば良い。
【0091】本実施例によれば、検査面の表面を走査す
る光束は1本であるので、先の実施例のように2光束の
走査スポットを合わせるための構成は不要であり、更に
は入射角度θの制限が少ない。また異物や欠陥からの散
乱光は走査光学系を逆行するため、散乱光と参照光との
光軸合わせが簡単で余分な光学系は不要である。これら
の特徴によって装置の簡略化・低コスト化を達成してい
る。更に参照光が検査面の表面を走査しないため参照光
の強度には変化がなく、より安定した検出信号が得られ
る。
【0092】<実施例9>図22を用いて本発明の第9
実施例を説明する。本実施例は先の図21の実施例の構
成を一部変形したものであり、異なる部分を中心に説明
する。図中、50は光源系、59は検出系、60、65
は偏光ビームスプリッタ、61は1/2波長板、62は
キャッツアイレフレクターやコーナーキューブなどの反
射光学系、63,64は偏光フィルタなどのフィルタ系
である。
【0093】光源系50は先の図21のものと同様、周
波数が僅かに異なる2波長のレーザビームを同一光軸で
互いに直交する偏波面で生成する。このレーザビームは
偏光ビームスプリッタ60に入射して、周波数f1のP
偏光レーザビームP1は透過、周波数f2のS偏光レー
ザビームS2は反射する。
【0094】偏光ビームスプリッタ60を透過するP偏
光レーザビームP1は、1/2波長板61を通過するこ
とで偏光面が90°回転してS偏光となり、反射光学系
62で入射方向と同一方向に反射する。ここでは1/2
波長板61を用いたが、反射光学系62入射前と反射後
に1/4波長板を合計2回通過するように構成しても偏
光面がPからSに変化するという同じ作用が得られる。
フィルタ系63は偏光ビームスプリッタ60の光分離性
能や取付け誤差等によって僅かに漏れ込む不要光成分を
除去するためのものである。反射光学系62で反射した
周波数f1のS偏光レーザビームS1が偏光ビームスプ
リッタ65に入射すると、S偏光であるために偏光ビー
ムスプリッタ65によって反射して検出系59の方向に
参照光として指向される。
【0095】一方、偏光ビームスプリッタ60に入射し
て反射した周波数f2のS偏光S2は検査面21を二次
元走査する。検査面からの散乱光の内、異物で散乱され
て偏光解消された光の中のP偏光成分のみが偏光ビーム
スプリッタ60を透過する。この透過したP偏光成分は
測定光P2としてフィルタ系64を通過し、さらに偏光
ビームスプリッタ65を透過する。フィルタ系64は偏
光ビームスプリッタ60の光分離性能や取付け誤差等に
よって僅かに漏れ込む不要光(S偏光)成分を除去する
ためのものである。
【0096】なお、偏光ビームスプリッタ60で分離さ
れた2光束のそれぞれが偏光ビームスプリッタ65で合
成されるまでの2光束の光路差は、使用するレーザビー
ムの可干渉距離内に納まるように構成され、光干渉を可
能にしている。
【0097】本実施例の利点を以下説明する。偏光ビー
ムスプリッタを光分割手段として使用する際、実際には
偏光ビームスプリッタの光学性能や配置精度などによっ
て完全に理論通りの光分割作用は得られず若干の光の洩
れ込みは避けられない。同様に偏光ビームスプリッタを
光合成手段として使用する際にも完全に理論通りの合波
作用は得られず、若干の光混入が生じてしまう。すると
これらによるS/Nの低下が問題となる可能性がある。
【0098】そこで本実施例では、光源系からのレーザ
ビームを分割する分割手段(偏光ビームスプリッタ6
0)と、参照光と測定光を合成する合成手段(偏光ビー
ムスプリッタ65)とを独立させ、それらを通過する間
で参照光と信号光の合成直前にフィルタ系63,64を
挿入した。フィルタ系63は参照光に混入した不要光を
低減するものであり、又、フィルタ系64は測定光に混
入する不要光を低減するものであり、両者によってS/
Nの大幅な向上が実現できる。
【0099】<実施例10>次に上記図22の実施例を
変形した第10実施例の構成を図23を用いて説明す
る。光源系50は2本のレーザビームを重ねずに平行に
出射する。光源系50からのP偏光レーザビームP1
は、1/2波長板61を通過することによって偏光面が
90°回転してS偏光となり、反射光学系62で同一方
向に反射して偏光ビームスプリッタ65に入射する。こ
の周波数f1のS偏光レーザビームS1が偏光ビームス
プリッタ65に入射すると、S偏光であるために偏光ビ
ームスプリッタ65によって反射して、検出系の方向に
参照光として指向される。
【0100】一方、光源系50からのS偏光レーザビー
ム光束S2は、偏光ビームスプリッタ60で反射し、以
降は先の実施例と同様である。
【0101】本実施例では光源系の偏光ビームスプリッ
タ5によって光束を2つに分割した後は、それぞれの光
は偏光ビームスプリッタ65によって合成する以前には
合成されることがないために、参照光光路に周波数f2
の不要成分が混入したり、照射光光路に周波数f1の不
要成分が混入することがなく、異物欠陥を高いS/Nで
検出できる。
【0102】さて、図24はP偏光光とS偏光光を干渉
させるための光学系の変形例を示すもので、上記図2
2、図23の検出系59に置き換わるものである。光電
検出器57の手前に1/4波長板70と偏光板71を配
置している。ここで1/4波長板70はその遅延軸をP
偏光及びS偏光の偏光方向に対して共に45°傾けて配
置している。偏光フィルタ71によって任意の傾きを有
する偏光を抽出できる。
【0103】図25は検出系59の別の変形例を示すも
のである。1/4波長板72はその遅延軸をP偏光及び
S偏光の偏光方向に対して共に45°傾けて配置してい
る。偏光ビームスプリッタ73によって紙面に平行な成
分と紙面に垂直な成分に分割して、それぞれ偏光フィル
タ74,75を介して光電検出器57A,57Bで光電
変換する。2つの光電検出器57A,57Bで得られる
信号は位相がπずれたビート信号であるが、偏光ビーム
スプリッタ73から各光電検出器までの距離のによって
位相差を調整することができる。信号処理系58ではこ
れらの2つの信号を基に異物検査を行なう。
【0104】<実施例11>図26はより一層の簡素化
を目指した第11実施例の装置構成を示す図であり、こ
れまでの実施例と同一の符号は同一あるいは同等の部材
を表す。図中、40は反射ミラー、41はハーフミラ
ー、42はP偏光あるいはS偏光のみを選択的に通過さ
せるように配置された偏光フィルタである。
【0105】本実施例の構成において、シフト周波数ω
で変調されたP偏光レーザビームとシフト周波数(ω+
Δω)で変調されたS偏光レーザビームとが合成された
ビームを生成する光源系についてはこれまでの実施例と
同様であり、ゼーマンレーザ光源の使用や半導体レーザ
光源の注入電流の制御などで置き換えても良い。この生
成されたレーザビームはミラー40で反射され、ハーフ
ミラー41を通過した光はスキャニングミラー13とf
θレンズ14から成る走査光学系によって入射角θで入
射して走査される。すなわち本実施例では周波数差を持
ったP偏光とS偏光の両方を含んだ1本のビームがスポ
ット20に照射される。
【0106】ここで走査スポット上に異物や欠陥あるい
は回路パターンが存在すると散乱光が生じるが、そのう
ち入射光路と同一光路方向に散乱された成分は、fθレ
ンズ14、スキャニングミラー13を経てハーフミラー
41に達する。そしてハーフミラー41で反射された光
成分は、偏光フィルタ42により偏光面がP偏光あるい
はS偏光に揃えられて、光電検出器29で信号検出され
る。そしてこの信号はビート信号処理系30でこれまで
の実施例と同様に処理される。
【0107】なお、散乱光の検出方向は本実施例ような
方向には限らず、例えば図27のように検出光学系を配
置すれば、任意の方向で散乱光を検出することができ
る。
【0108】ここで本実施例における異物や欠陥の検出
原理について説明する。上記走査スポット20に照射さ
れるP偏光成分(シフト周波数ω)及びS偏光成分(シ
フト周波数ω+Δω)の直線偏光レーザビームは異物や
欠陥による光散乱で偏光解消され、シフト周波数ωのS
偏光成分とシフト周波数ω+ΔωのP偏光成分が新たに
生ずる。この偏光解消現象は主に異物や欠陥で起こり回
路パターンでは殆ど起こらないことは先にも説明した。
よって回路パターンによる散乱では上記新たな光成分の
発生は殆どない。
【0109】偏光解消が起きると、もともとのP偏光成
分(周波数ω)と偏光解消で生じたP偏光成分(周波数
ω+Δω)とが偏光面の一致により光ヘテロダイン干渉
を起こす。同様にもともとのS偏光成分(周波数ω+Δ
ω)と偏光解消で生じたS偏光成分(周波数ω)とが偏
光面の一致により光ヘテロダイン干渉を起こす。光検出
器の前に配置された偏光フィルタ42がP偏光のみを選
択的に通過させるものであれば、上記P偏光成分のヘテ
ロダイン干渉光がのみが光電検出器29で受光されビー
ト信号が得られる。また偏光フィルタ42がS偏光のみ
を選択するものであれば、上記S偏光成分のヘテロダイ
ン干渉光のみが光電検出器29で受光されビート信号が
得られる。
【0110】次に異物や欠陥と回路パターンとを区別す
る方法について詳細に説明する。通常スポットの直径は
数10μmであり、異物はそれに比べて10分の1以下
である。従って散乱光が発生する時間はスポットが異物
上を通過する時間とほぼ同じある。例えばスキャニング
ミラー13が8面体ポリゴンミラーであって2000r
pmで回転すると、走査スポット20は異物201上を
数百nsecで通過することになる。従って音響光学素
子9、11の駆動周波数差を例えば20MHzにする
と、その数百nsecの間に10回程度の周期信号がD
C信号の上に乗ることになる。
【0111】一方、回路パターンは通常は図28のよう
に繰り返しパターンで構成する場合が多く、光スポット
20より大きいのが特徴である。例えば図28のように
異物と回路パターンの両方が走査領域上に存在していた
とする。その場合の光検出器29による検出信号は例え
ば図30のようになる。先にも説明したように、異物や
欠陥による光散乱では偏光解消が起きるため振幅の大き
なビート信号が得られる。ところが回路パターンによる
光散乱では偏光解消は殆ど起きないため、これによるビ
ート信号は非常に微小であるかあるいはビート信号が全
く生成されない。つまり所定のビート周波数の振幅は回
路パターン(振幅ag )に比べ異物や欠陥(振幅ap
のほうが遥かに大きい。従ってこの違いを利用して異物
や欠陥と回路パターンとを区別することができる。
【0112】図31は具体的な信号処理回路を示すブロ
ック図である。又、図32は図31の各部での信号波形
を示す。処理回路は大きくは、ビート信号を包絡線に変
換するブロックと、その包絡線の高さから回路パターン
と区別して異物や欠陥の判定を行なうブロックより成っ
ている。
【0113】光電検出器29で得られた検出信号はハイ
パスフィルタ810によりDC成分が取り除かれる
(A)。このハイパスフィルタ810からの出力電圧か
ら、スライスレベル発生器812で与えられる所定の電
圧を減算回路811で減算して所定の電圧以下が取り除
かれる(B)。次にローパスフィルタ813においてビ
ート信号の包絡線に整形される(C)。以上がビート信
号を包絡線に変換する処理である。こうして得られた包
絡線はピークホールド回路814でその最大信号レベル
が保持される。比較回路815ではピークホールド値
と、閾値発生器816で与えられる所定の電圧閾値とを
大小比較する。判断回路817では比較の結果に基づい
て回路パターンと区別して異物や欠陥の判別を行ないこ
れを出力する。以上のようにして1つの信号について処
理がなされたら、判別回路817はピークホールド回路
814にリセット指令を与えてピークホールド値のリセ
ットを行なう。
【0114】<実施例12>図33は本発明の第12実
施例の装置構成を示す図であり、図26の実施例と同一
の符号は同一あるいは同等の部材を表す。図中、偏光フ
ィルタ42はP偏光とS偏光のそれぞれの偏波面に対し
て透過軸が45度傾けて配置されている。また43は透
明ガラス平板、44はガラス平板43の上面に形成され
た散乱部材、45はガラス平板43の下面に形成された
偏光ビームスプリッタである。
【0115】本実施例の構成上の特徴は、上面の一部に
散乱部材44が形成され下面に偏光ビームスプリッタ4
5が形成された透明ガラス板43を、検査面21の手前
に配置したことである。この散乱部材44は光散乱を引
き起こす構造で、例えば回路パターンと同様のクローム
でエッチングされたパターンのエッジなどであり、走査
線上に沿ってエッジが形成されている。又、偏光ビーム
スプリッタ45はP偏光成分を透過しS偏光成分を反射
する性質を有し、fθレンズ14からの走査光は偏光ビ
ームスプリッタ45によってP偏光レーザビーム15a
(シフト周波数ω)とS偏光レーザビーム15b(シフ
ト周波数ω+Δω)とに分割される。透過分割されたP
偏光レーザビーム15aは検査面21の表面上に集束さ
れ走査スポットを形成する。又、反射分割されたS偏光
レーザビーム15bは散乱部材44のエッジ部に集光・
走査される。
【0116】P偏光レーザビーム15aの照射された部
位に異物や欠陥あるいは回路パターンが存在すると散乱
光が発生する。一方、散乱部材44に集束したS偏光レ
ーザビーム15bによっても散乱光が発生する。これら
の散乱光のうち入射光路と同一光路方向に散乱された成
分は、偏光ビームスプリッタ45、fθレンズ14、ス
キャニングミラー13を経てハーフミラー41に達す
る。そしてハーフミラー41で反射されたP偏光成分と
S偏光成分は、偏光フィルタ42により偏光方位が揃え
れられて、光ヘテロダイン干渉により光強度のビートを
起こす。これを光電検出器29で光電変換してビート信
号を得る。
【0117】ここで本実施例における異物や欠陥による
散乱光と回路パターンからの散乱光との区別の方法につ
いて説明する。図34は先の図29と同一の条件の際に
本実施例の装置で得られる検出信号波形の例である。こ
こで異物によるビート信号の信号時間幅をΔTg 、回路
パターンによるビート信号の信号時間幅をΔTp とする
と、以下のような関係となる。
【0118】ΔTg <ΔTp 本実施例ではこの時間差を利用して異物や欠陥と回路パ
ターンとを区別するもので、ビート周波数の波数をカウ
ントすることによって時間幅を認識する。すなわちこれ
までの実施例では異物や欠陥ゴミによる偏光解消を利用
して回路パターンとの識別を行なっていたのに対し、本
実施例では信号処理によって両者の区別を行なうもので
ある。
【0119】図35は本実施例の具体的な信号処理回路
のブロック図である。又、図36は図35の回路の各部
での信号の波形を示す。信号処理回路は大きくは、ビー
ト信号をパルスに変換するためのブロックと、そのパル
ス数から回路パターンと区別して異物や欠陥の判定を行
なうためのブロックより成っている。
【0120】光電検出器29で得られた検出信号はハイ
パスフィルタ820によってDC成分が取り除かれる
(A)。このハイパスフィルタ820からの出力電圧か
ら、スライスレベル発生器822で与えられる所定の電
圧(B)を減算回路821で減算して所定の電圧以下を
取り除く(C)。これを2値化回路823によって矩形
波に整形する(D)。エッジパルス整形回路824は矩
形波の立上り又は立下りを基にパルス信号を発生させる
(E)。以上がビート信号をパルスに変換する処理であ
る。こうして得られたパルス信号をパルスカウント回路
825でカウントし、比較回路826ではパルスのカウ
ント値(ビート信号の時間幅を表す)と閾値発生器82
7から与えられる閾値とを大小比較する。判断回路82
8では比較の結果に基づいて回路パターンと区別して異
物や欠陥の判別を行ないこれを出力する。以上のように
して1つの信号について処理がなされたら、判別回路8
28はパルスカウント回路825にリセット指令を与え
てカウントのリセットを行なう。
【0121】<実施例13>図37を用いて本発明の第
13実施例を説明する。図中、80は円偏光ビームを出
射するレーザ光源、81はハーフミラー、82,83は
音響光学変調器、84,87,85,86,87は反射
ミラー、89,94はレンズ系、90は検査面、91は
ステージである。又、88,92,95は偏光フィルタ
などのフィルタ系であり、各々偏光フィルタを回転させ
ることで透過軸の方向を調整するための調整機構を含ん
でおり、99は各調整機構を制御するドライバである。
96は光電検出器、97は信号処理系である。
【0122】本実施例ではステージ91は回転と一軸移
動の組み合わせ、もしくは二軸移動のステージとして、
ステージによる検査面の二次元走査を行なうようにした
が、これに限らずミラー85,87をガルバノミラーや
ポリゴンミラーなどのスキャニングミラー、レンズ系8
9を走査用のfθレンズに置き換えてビームを偏向走査
し、これと交差する方向にステージを一次元移動させる
ようにしても良い。
【0123】レーザ光源80から出射した円偏光レーザ
光をハーフミラー81によって2光束に分離する。これ
らの2光束はそれぞれ音響光学変調器82,83によっ
て周波数変調して、互いに周波数が僅かに異なる光束L
1とL3を生成する。光束L3はミラー85,86を介
して偏光フィルタ88に入射させ、所定の偏光方向の直
線偏光成分のみを透過させる。そしてレンズ系89によ
って照射光束L4として検査面90上に入射させてスポ
ットSに集光する。
【0124】もう一方の光束L1は、ミラー87で反射
して偏光フィルタ92によって所定の偏光方向の直線偏
光のみを透過し、参照光束L2としてハーフミラー93
に向ける。ハーフミラー93では光束L2と検査面90
からの散乱光の測定光L5とを合成して光束L6とな
る。
【0125】検査面からの散乱光L5は、散乱体が異物
であるか、あるいは回路パターンなどの微細構造である
かによって、その主な偏光方向が異なる。又、回路パタ
ーンの種類が異なると偏光方向も若干変化する場合があ
る。
【0126】本実施例では、最初に、ドライバ99の指
令によって偏光フィルタ88の透過軸方向を、検査する
回路パターンの種類に合わせて最適な方向に設定し、照
射光束L4の偏光方向を決定する。次いで、参照光束L
2の偏光方向が回路パターンによる散乱光L5の主な偏
光方向と直交するように、偏光フィルタ92の透過軸方
向をドライバ99の指令によって調整する。これと共
に、偏光フィルタ95の透過軸方向が参照光束L2の偏
光方向と同一方向になるようドライバ99の指令によっ
て調整する。これらの各偏光フィルタの調整について
は、検査するレチクルの種類とこれに対応した各偏光フ
ィルタの設定値とをデータテーブルとして予め用意して
おくと好ましい。
【0127】偏光方向が直交する2つの直線偏光同士は
干渉しないため、上記のように調整すれば回路パターン
による散乱光が検出系に指向されても光干渉はせず、ノ
イズ成分とはならない。一方、検出すべき異物からの散
乱光については、参照光の偏光方向と同一成分が参照光
と干渉して干渉信号となる。この時、2光束は周波数が
僅かに異なるので光ヘテロダイン干渉を起こし干渉信号
はビート信号となる。
【0128】なお、異物による散乱光と回路パターンに
よる散乱光のそれぞれの主たる偏光方向のなす角度は9
0°に近いほど好ましい。よって、これになるべく近く
なるように、照射光束L4の偏光方向や照射角度、光電
検出器96の配置方向を決定する。
【0129】<実施例14>図38は本発明の第14実
施例の構成図であり、先の図37と同一の符号は同一の
部材を示す。図37の実施例では参照光束L2は検査面
に照射しなかったが、本実施例では参照光束も検査面に
入射させる。
【0130】光束L1は偏光フィルタ92によって所定
の直線偏光となり、参照光束L2として検査面90上で
照射光束L4の照射位置を同一位置に入射する。この光
束L2が検査面90によって正反射される方向に光電検
出器96が配置してある。これにより、光束L2の検査
面90での反射光束(0次光)と、照射光束L4の照射
によって散乱されるに散乱光の内の光電検出器96方向
に散乱される散乱光とが合わさって、光束L6としてレ
ンズ系94とフィルタ系95を通過し光電検出器96に
達する。
【0131】本実施例でも先の実施例と同様、最初に、
ドライバ99の指令によって偏光フィルタ88の透過軸
方向を、検査する回路パターンの種類に合わせて最適な
方向に設定し、照射光束L4の偏光方向を決定する。次
いで、参照光束L2の偏光方向が回路パターンによる散
乱光L5の主な偏光方向と直交するように、偏光フィル
タ92の透過軸方向をドライバ99の指令によって調整
する。これと共に、偏光フィルタ95の透過軸方向が参
照光束L2の偏光方向と同一方向になるようドライバ9
9の指令によって調整する。
【0132】<実施例15>図39は本発明の第15実
施例の構成図である。同図において、701は光源部で
あり、それぞれ偏光方向が直交する2周波数成分を含ん
だレーザビームを生成する。702はミラー、703は
レーザビームを適当なビーム径に変換するためのコリメ
ータ光学系、704はフィルタ系、705は互いに異な
る周波数を持つ直交偏光レーザを2つの直線偏光レーザ
に分割するための分波器(例えば偏光ビームスプリッ
タ)、709はレーザビーム強度を減衰して異物や欠陥
検査に適したものとするためのNDフィルタを含むフィ
ルタ系である。707a,707bはポリゴンミラー、
708a,708bはfθレンズ系である。719は2
つのポリゴンミラー707a,707bの回転を完全に
同期させるための同期回路である。710はレーザビー
ムの偏光方向を制御する偏光素子(例えばλ/2板)、
711は散乱光と参照光を合波するための合波器(例え
ば偏光ビームスプリッタ)、712は偏光方向を揃える
ための偏光素子、713は光電検出器(例えばフォトマ
ルチプライヤ)、714は信号処理系、721は検査面
であり、検査するレチクルやマスク等の原版の表面であ
る。722は原版を載置して移動させる走査ステージ系
である。
【0133】光源部701で生成されるレーザビーム
は、S偏光の周波数がω1とP偏光の周波数がω2(=
ω1+Δω)の互いに直交する直線偏光である。これは
ゼーマンレーザを用いたり、半導体レーザの注入電流を
変調することで得ることが可能である。あるいは1つ又
は2つの音響光学素子を用いて2本の単波長レーザビー
ムを相対シフト周波数Δωで変調することでも構成が可
能である。
【0134】光源部701で生成されたレーザは、ミラ
ー702を介して、コリメータ光学系703及びフィル
タ系704によりコリメートされる。そして分波器5に
よりS偏光レーザ(反射側、周波数ω2)とP偏光レー
ザ(透過側、周波数ω1)に分けられる。
【0135】分波器705を透過したP偏光レーザは、
フィルタ系709により減衰され適当な強度に設定され
た後に、偏光素子710によって偏光方向を90°回転
されて周波数ω2のS偏光レーザとなり、参照光725
として合波器711に導入される。
【0136】一方、分波器705で反射したS偏光レー
ザは、フィルタ系706により減衰され異物や欠陥検査
に最適な強度に設定される。そしてポリゴンミラー70
7aとfθレンズ系708aとからなる走査照射光学系
に導入され、入射光715として入射角φで検査面72
1に入射し走査スポット720を形成する。この走査ス
ポット720はポリゴンミラー707aの回転に伴い、
図39の紙面に対して垂直な方向に移動することで検査
面721を光走査する。又、走査ステージ系722はス
ポット720による光走査方向と垂直な方向(図中、矢
印方向)に検査面721を移動させる。これにより検査
面721が二次元に走査されることになる。
【0137】検査面721に走査スポット720が照射
されたとき、ここに異物や欠陥あるいは回路パターンが
存在した場合、S偏光レーザ15が異物や欠陥により偏
光解消された散乱光723(P偏光+S偏光)、回路パ
ターンによる散乱光724(S偏光が支配的)が生じ
る。ここで異物や欠陥によって偏光解消が起きる理由
は、一般に異物や欠陥部の表面は粗いので乱反射散乱す
る時に偏光が乱されて入射偏光面とは異なる偏光成分が
生じるためである。これに対して回路パターンのように
表面が比較的均一で滑らかな物体による散乱光は偏光解
消は僅かである。
【0138】検査面721からの各散乱光の内、入射光
715の入射方向とは異なる後方散乱方向(検査面から
の角度θ)の後方散乱成分723、724は、ポリゴン
ミラー707b及びfθレンズ708bからなる走査集
光光学系により集光される。この時、ポリゴンミラー7
07aと707bは同期回路719によって完全に同期
して回転することで、常に検査面721上の同一点を走
査するように構成されている。そして集光された散乱光
光束726(周波数ω1)は合波器711に導入され
る。なお、本実施例の光学系は、光走査に拘らず集光さ
れる散乱光光束726の主光線軸は常に一定で変動しな
いようになっている。
【0139】参照光725と散乱光光束726は合波器
711によって合波される。このとき光束726はS成
分・P成分の各偏光成分を有しているが、合波器711
を通過できるのは、異物や欠陥によって偏光解消された
結果生じたP偏光成分のみである。従って合波された光
は、周波数ω1のP偏光成分(異物や欠陥による偏光解
消成分)と周波数ω2のS偏光成分(参照光)からな
る。
【0140】合波器711で合波された光は、偏光素子
712によって偏光方向を揃えられて光電検出器713
に到達し、光電検出器713の光電変換面で光ヘテロダ
イン干渉することにより、周波数Δω(=|ω1−ω2
|)のビート信号が観測される。なお偏光素子712と
しては、例えばP・S両偏光方向に対して透過軸が45
°傾いた偏光子として、透過軸方向に偏光方向を揃えて
も良いし、あるいは別法としてλ/4板と直線偏光子と
を組み合せて偏光方向を揃えるようにしても良い。
【0141】本実施例での異物欠陥検出は、散乱光の
内、光ヘテロダイン干渉によってビート信号となるのは
偏光解消によるP偏光成分だけで、回路パターンからの
散乱光が混じっていたとしてもS偏光成分が支配的であ
り、これは合波器711により合波されないので光電検
出器713で光ヘテロダイン干渉せず、ビート信号にな
らないことを利用する。これは異物や欠陥による散乱光
のみがビート信号として検出され、仮に回路パターンか
らの散乱光が存在してもビート信号にはならない、ある
いはなったとしても非常に微弱であることを意味してい
る。これにより実施例の装置は非常に高感度且つ高いS
/N比での異物や欠陥検査を可能としている。信号処理
系714ではこのビート信号を認識することにより異物
や欠陥の判定を行なう。
【0142】なお、上記実施例のS偏光とP偏光の関係
が全く入れ替わるような光学構成にしても同様に異物や
欠陥を検出することが可能である。
【0143】以上の本実施例によれば、走査照射光学系
による照射角度とは異なる方向に走査集光光学系を設け
たことによって、回路パターンからの回折光を避けた検
出感度が高い方向で散乱光を集光することができ、高い
S/Nで高感度な異物や欠陥検査が可能となる。
【0144】<実施例16>図40は本発明の第16実
施例の構成図であり、先の図39と同一の符号は同一の
部材を表わす。同図において、731はレーザ源、73
2はレーザビームを互いに直交する2つの直線偏光に分
波するための偏光ビームスプリッタ、733はミラー、
734a,734bはレーザを適当な周波数で変調する
ための音響光学素子、735a,735bはそれぞれの
音響光学素子を駆動するためのドライバ、736a,7
36bは光強度を設定するためのNDフィルタを含むフ
ィルタ系、737,738,739はミラー、740,
741は補正光学系、742は透過率が高いハーフミラ
ー、743はビームトラップ、744は偏光素子であ
る。
【0145】本実施例の異物欠陥検出の基本原理は先の
第15実施例と同様である。レーザ源731からのレー
ザビームはコリメータ系703及びフィルタ系704を
通って偏光ビームスプリッタ732によりS偏光レーザ
とP偏光レーザに分割され、音響光学素子734a,7
34bによってそれぞれ周波数ω1,ω2(|ω1−ω
2|=Δω)に変調される。これらの部材によって光源
ユニットを構成している。なお音響光学素子を用いる代
わりにゼーマンレーザや半導体レーザを用いた同等機能
の光源ユニットとしても良い。
【0146】周波数ω1に変調されたS偏光はミラー7
37で反射して、ポリゴンミラー707及びfθレンズ
系708からなる走査光学系によって検査面721上に
入射角φで照射され、走査スポット720を形成する。
なおfθレンズ系708はオフアクシスで使用してい
る。
【0147】スポット720において、異物や欠陥ある
いは回路パターンから生じる散乱光の性質は先の第15
実施例で述べた通りであり、異物や欠陥による偏光解消
によって生じた散乱光のP成分が後にビート信号となっ
て検出される。この散乱光を集光角θで集光するため
に、走査領域に対応した長尺ミラー738,739を用
いて散乱光の進行光路を変えて、fθレンズ系708に
オフアクシスで再び入射する。fθレンズ系708で集
光された散乱光はポリゴンミラー7の反射面に入射光と
平行な光束となる。そしてアパーチャ740とレンズ系
741からなる補正光学系を通ってハーフミラー742
に導入される。ここで補正光学系はfθレンズ系708
と検査面721との間の入射光路と集光光路の違いによ
るフォーカスずれを補正するためのものである。先の実
施例では同期回転する2つのポリゴンミラーを用いた
が、本実施例では1つのポリゴンミラーで共用してい
る。すなわちポリゴンミラー707とfθレンズ708
からなる走査系は、走査照射光学系と走査集光光学系の
両方の機能を兼ね備えている。
【0148】集光された散乱光(異物や欠陥での偏光解
消による周波数ω1のP偏光成分を含む)と、音響光学
素子734bで周波数ω2で変調されたP偏光レーザ
(参照光)は、ハーフミラー742で合波される。なお
合波の際の不要光はビームトラップ743でトラップさ
れる。このハーフミラー742の透過率としては例えば
90%程度に設定する。透過率を高くする理由は、異物
や欠陥からの微弱な散乱光をできるだけ多く光電検出器
713へ導入させるためである。合波された光はS偏光
成分をカットする直線偏光子744を通過して、異物や
欠陥での偏光解消成分であるP偏光成分のみが光ヘテロ
ダイン干渉し、光電検出器713でビート信号が得ら
れ、先の実施例と同様の信号処理によって異物や欠陥検
査がなされる。
【0149】本実施例によれば先の第15実施例に比べ
て、ポリゴンミラーとfθレンズ系が一組で良いため
に、信頼性の向上とコストダウンに寄与する。
【0150】<実施例17>図41は上記図40の第1
6実施例を変形した本発明の第17実施例であり、図4
0と同一の符号は同一の部材を表わす。図40の構成か
らミラー738、739を取り除いた構成となってい
る。本実施例の構成は、入射角φと集光角θの違いを僅
かにしたい時に有効である。
【0151】<実施例18>図42は本発明の第18実
施例であり、これまでの実施例と同一の符号は同一の部
材を表わす。図中、751乃至757は全てミラーであ
る。本実施例の構成の特徴は、2つのfθレンズ系70
8a,708bと、兼用の1つのポリゴンミラー707
によって、走査照射光学系と走査集光光学系を構成した
ことである。
【0152】<実施例19>図43及び図44は本発明
の第19実施例の検査装置の構成を示す図であり、図4
3は側面図、図44は平面図を示す。図中、2001は
周波数及び偏光方向が互いに異なる2本の平行レーザビ
ームを生成する光源部である。2002はポリゴンミラ
ー、2003はfθレンズ系であり、これらで構成され
る走査光学系によって、光源部2001からの2光束を
偏向走査する。2004はミラー、2005は回折格
子、2006は検査面からの散乱光と回折格子2005
からの参照光を合波させるハーフミラーであり、これら
部材2004乃至2006は走査領域に応じた長尺形状
を有している。2007は検査面であり半導体デバイス
の回路パターンが形成された原版(レチクルやマスク
等)である。2008は原版を載置して所定方向(図
中、矢印方向)に移動させるためのステージである。
又、2009は散乱光を集める集光レンズ、2010は
所定の偏光成分(P偏光成分)のみを透過させる偏光
板、2011は干渉光を検出する光電検出器(フォトマ
ルチプライヤ)であり、これらによって検出光学系が構
成されている。2012は光電検出器2011の出力を
基に検査面の状態を判断する信号処理系である。
【0153】光源部2001はP偏光で周波数ω1 のレ
ーザビームと、S偏光で周波数ω2のレーザビームを平
行に出射するもので、具体的には2周波ゼーマンレーザ
光源で生成される偏光方位が直交する所定の周波数差を
もつ2周波レーザビームを、偏光ビームスプリッタ等で
P偏光レーザとS偏光レーザに分離して生成する。別法
としては、1つ又は2つの音響光学素子を用いて2本の
レーザビームを周波数変調する形態、あるいは半導体レ
ーザの注入電流の制御によって2周波レーザビームを生
成する形態などが考えられる。
【0154】光源部2001で生成された2本の平行レ
ーザビームは、ポリゴンミラー2002とfθレンズ系
2003による走査光学系に導かれる。このうち、一方
の光束2013a(S偏光、周波数ω2 )は検査面20
07上の点Aに入射して一次元方向に走査する。同時に
ステージ2008によってこの走査方向に垂直な方向に
検査面2007が移動することにより、検査面7の二次
元走査がなされる。
【0155】検査面2007に光束2013aが照射さ
れたとき、ここに異物や欠陥あるいは回路パターンが存
在した場合、S偏光の光束2013aが異物や欠陥によ
り偏光解消された散乱光(P偏光+S偏光)、及び回路
パターンによる散乱光(S偏光が支配的)が生じる。こ
こで異物や欠陥によって偏光解消が起きる理由は、一般
に異物や欠陥部の表面は粗いので乱反射散乱する時に偏
光が乱されて入射偏光面とは異なる偏光成分が生じるた
めである。これに対して回路パターンのように表面が比
較的均一で滑らかな物体による散乱光は偏光解消は僅か
である。
【0156】図45は走査スポット部分に回路パターン
と異物が存在する場合の拡大図であり、201は検査面
7に付着する0.3μm程度の大きさの異物、202は
回路パターンである。S偏光光束2013aが入射角φ
で入射されると、異物201によって偏光解消されてP
・S両偏光成分を有する散乱光が等方的に生じる。又、
回路パターン202からも偏光解消されない(あるいは
偏光解消されたにしてもほんの僅かの)S偏光の散乱回
折光が生じる。光束2013aの入射方向に対して散乱
光の検出方向を、なるべく回路パターン202からの回
折光が含まれない方向に設定することでS/Nを高める
ことができる。この散乱光の検出方向は、ミラー200
4、回折格子2005、ハーフミラー2006の配置位
置関係、並びに以下に示す回折格子2005のピッチに
よって任意に設定することができる。本実施例では、入
射光束2013aに対して後側方方向に散乱する散乱光
を検出する構成としているが、これに限らず前側方や9
0度側方など、回路パターンからの回折光が少ない側方
方向への散乱光を検出するようにしても良い。
【0157】図43、図44に戻って、走査光学系で走
査される他方の光束2013b(P偏光、周波数ω1
はミラー2004上の点Bで反射して回折格子2005
の点A′に指向される。すると点A′からは所定の回折
角度で回折光が生じる。この回折角度θは以下の式によ
って決まる。
【0158】Psinθ=±mλ (P:回折格子のピッチ、θ:回折角、λ:波長、m:
回折次数)
【0159】本実施例では回折格子5から回折角θで出
射する回折光の内、+1次回折光2014(周波数ω
1 )を参照光として利用する。この+1次回折光201
4はハーフミラー2006上の点Cで反射して検出光学
系の方向に向かう。ここで回折格子2005上の入射点
A′と検査面7上の入射点Aとはハーフミラー6に対し
光学的に共役関係にある。よって回折格子2005から
の参照光である+1次回折光2014と、検査面200
7からの散乱光の両方が集光レンズ2009で集光され
る。そして偏光板2010によりP偏光成分のみが選択
され、散乱光のうち異物や欠陥によって偏光解消された
光波(P偏光、周波数ω2 )と参照光(P偏光、周波数
ω1 )とのヘテロダイン干渉によって、周波数Δω(=
|ω2 −ω1 |)のビートを発生する。このビートは光
電検出器11でビート信号として検出され、これを基に
信号処理系2012で回路パターンとは区別されて異物
や欠陥の識別がなされる。
【0160】本実施例での異物欠陥検出は、散乱光の
内、光ヘテロダイン干渉によってビート信号となるのは
偏光解消によるP偏光成分だけで、回路パターンからの
散乱光が混じっていたとしてもS偏光成分が支配的であ
り、光電検出器2011で光ヘテロダイン干渉せずビー
ト信号にならないことを利用する。これは異物や欠陥に
よる散乱光のみがビート信号として検出され、仮に回路
パターンからの散乱光が存在してもビート信号にはなら
ない、あるいはなったとしても非常に微弱であることを
意味している。これにより実施例の装置は非常に高感度
且つ高いS/N比での異物や欠陥検査を可能としてい
る。
【0161】なお、S偏光とP偏光の関係が全く入れ替
わるような光学構成にしても同様に異物や欠陥を検出す
ることが可能である。
【0162】<実施例20>図46、図47、図48、
図49は本発明の第20実施例の構成を示す図である。
図46は装置全体の斜視図を示し、図47、図48、図
49はそれぞれ正面図、側面図、平面図を示す。
【0163】図中、2101は光源部であり、先の第1
9実施例の光源部1と同様、P偏光で周波数ω1 のレー
ザビームとS偏光で周波数ω2 のレーザビームを同一光
軸上に重ねて出射するものである。2102はポリゴン
ミラー、2103はfθレンズ系であり、これらによっ
て走査光学系を構成している。2104は偏光ビームス
プリッタ、2105,2106,2107,2108は
それぞれミラーであり、走査領域に応じて長方形状を有
している。2109は走査光の走査幅を変更するための
アフォーカルコンバータである。2110は検査面で走
査光の走査方向に対して交差する方向に移動する。21
11は集光レンズであって、ミラー2108を経て検査
面2110で走査された光束2130aによる検査面か
らの散乱光と、アフォーカルコンバータ2109を経て
検査面で反射散乱する参照光との合波光を集光する。2
112はヘテロダイン信号を検出するために偏光面をそ
ろえる偏光板、2113はそのヘテロダイン信号のDC
成分を抑えるための走査領域に対応した長方形の開口を
有するアパーチャ、2114は光電検出器(フォトマル
チプライヤ)、2115は信号処理系である。
【0164】光源部2101からのレーザビームは、ポ
リゴンミラー2102とfθレンズ系2103からなる
走査光学系によって偏向走査する。そして偏光ビームス
プリッタ2104において、P偏光(周波数ω1 )成分
を透過、S偏光(周波数ω2)成分を反射して2光束に
分離する。この内、反射した光束2130aは2枚のミ
ラー2105、2108によって進行方向が折り曲げら
れ、所定の方向から検査面2110上に入射して一次元
方向に走査する。
【0165】一方、走査光学系によって走査して偏光ビ
ームスプリッタ2104を透過した光束2130b(P
偏光、周波数ω1 )は、2枚のミラー2106、210
7によって進行方向が折り曲げられ、アフォーカルコン
バータ2109に導かれる。アフォーカルコンバータ2
109では光束2130bの走査範囲を縮小し且つ走査
方向を反転させる。そしてこの光は前記光束130aの
入射方向とは異なる方向(上方から見て直交する方向)
から検査面2110に入射する。ここでアフォーカルコ
ンバータ2109の作用により、検査面2110上で光
束2130aと2130bとが一致して、これら2光束
は常に検査面2110上の同一点を走査するようにな
る。
【0166】検査面2110に光束2130a(S偏
光、周波数ω2 )が照射されたとき、ここに異物や欠陥
あるいは回路パターンが存在した場合、S偏光(周波数
ω2 )光束2130aが異物や欠陥により偏光解消され
た散乱光(P偏光+S偏光)、及び回路パターンによる
散乱光(S偏光が支配的)が生じる。ここで異物や欠陥
によって偏光解消が起きる理由は、一般に異物や欠陥の
表面は粗いので乱反射散乱する時に偏光が乱されて入射
偏光面とは異なる偏光成分が生じるためである。これに
対して回路パターンのように表面が比較的均一で滑らか
な物体による散乱は偏光解消は僅かである。
【0167】集光レンズ2111を含む検出光学系は、
検査面2110に照射された光束2130b(P偏光、
周波数ω1 )による0次光の方向に配置されている。
又、光束2130a(S偏光、周波数ω2 )は光束21
30bとは異なる方向(90度方向)から検査面211
0の同一点に入射する。よって光束2130bによる0
次光を含む参照光(ほぼP偏光)と、光束2130aに
よる側方(90度)散乱光(S偏光+P偏光)の両方が
検査面2110の同一地点から発生して集光レンズ21
11に入る。偏光板2112ではP偏光成分のみを選択
し、光束2130aによる散乱光の内、異物や欠陥によ
って偏光解消された光波(P偏光、周波数ω2 )と参照
光(P偏光、周波数ω1 )とのヘテロダイン干渉によっ
て周波数Δω(=|ω2 −ω1 |)のビートを発生す
る。このビートは光電検出器2114でビート信号とし
て検出され、先の実施例と同様に信号処理系2115で
回路パターンとは区別して異物や欠陥を識別する。
【0168】図50、図51は集光レンズ2111と光
電検出器2114の間に配置するアパーチャ2113の
役割を説明する図である。図50は側方方向から見た
図、図51は光軸方向から見た図である。光束2130
aが検査面上の異物や欠陥を照射して側方に広く発生す
る散乱光は集光レンズ2111の口径全体に2130
a′のように入る。一方、光束2130bは検査面上で
反射散乱するため、余り広がらず集光レンズ2111の
口径の一部に2130b′のように入る。従って両者は
NAが異なるため、集光点である光電検出器2114の
検出面(光電面)では両者の集光スポット径が異なる。
すると集光スポットの重なり部分(干渉領域)以外の部
分では光干渉せず、ビート信号のAC成分が低下するお
それがある。そこで本実施例では走査領域に沿ってアパ
ーチャ2113を配置し、参照光束2130b′の不用
部分の一部を遮光してS/N比を向上させている。
【0169】なお、本実施例では90度側方散乱光を検
出する構成としたが、前側方方向や後側方方向などでも
良く、回路パターンからの回折光が少ない側方方向で散
乱光を検出する。
【0170】<実施例21>図52は上記第20実施例
を一部変形した第21実施例の構成図であり、検出の基
本原理は第20実施例と同様である。図52は図46で
示した光学系に対してミラー2107の位置を変更し
て、アフォーカルコンバータ2191の配置に余裕を持
たせた構成としている。なお、本実施例のアフォーカル
コンバータの2191は、走査方向を反転させる必要が
ないため、図46のような凸レンズの2枚系でなく、凸
レンズと凹レンズを組み合わせた系としている。
【0171】<実施例22>図53は上記第21実施例
を一部変形した第22実施例の構成図であり、図52の
アフォーカルコンバータ2191の代わりにホログラム
2192としたことを特徴とする。ホログラムはこれに
入射する光の入射波面を所定の波面に変換する物理光学
素子であり、検査面2110の走査軌跡上に常に集光す
るようにホログラム2192を配置する。これにより上
記第3実施例と同様の作用が得られる。
【0172】<実施例23>図54は第23実施例の構
成図であり、先の図46と同一の符号は同一の部材を表
わす。本実施例では光束2130bを検査面には入射さ
せずに散乱光と合波するようにしたものである。図中、
2120はλ/2板、2121は散乱構造体、2122
はミラー、2123はハーフミラーである。アフォーカ
ルコンバータ2109を経た光束2130bはλ/2板
2120に通過することで偏光方位が変化する。この偏
光方位は偏光板2112の偏光方位に合わせたものであ
る。λ/2板2120を経た光束はミラー2122で反
射して散乱構造体2121に入射する。散乱構造体21
21は、例えば図55に示すようにガラス基板上にCr
などの複数のパターンを、走査方向にエッジが現れるよ
うパターニングしたもので、所定方向に広く散乱光が発
生するようになっている。散乱構造体2121のパター
ンで散乱された光は参照光としてハーフミラー2123
に入射する。一方、光束2130aの照射による異物か
らの側方散乱光もハーフミラー2123に入射して、ハ
ーフミラー2123によって両者を合波する。ここで光
束2130aによる検査面上の集光点と、光束2130
bによる散乱構造体2121上の照射点は、ハーフミラ
ー2123に関し光学的に共役関係となっている。
【0173】本実施例では散乱構造体2121によって
参照光となる散乱光が広く散乱されるため、先の図5
0、51で説明したような2つの光束の集光スポット径
の違いが少なく、アパーチャ2113を省略しても良質
なビート信号が得られる。
【0174】<実施例24>図56は上記第23実施例
を一部変形した第24実施例の構成図である。これまで
の実施例とは異なり、光源部2131はP偏光で周波数
ω1 のレーザビームとS偏光で周波数ω2 のレーザビー
ムを、同一光束ではなく異なる光束として平行に出射す
るものである。この2本の平行光束は共に走査光学系で
走査され、これらの内の一方(S偏光、周波数ω2 )だ
けが反射ミラー2141によって反射される。これ以降
BR>の構成及び作用は上記図54のものと同様である。
本実施例によれば、一般に高価な長尺の偏光ビームスプ
リッタが不用であるため、装置の低コスト化が達成でき
る。
【0175】<実施例25>図57は第25実施例の構
成を示す。図中、2101は2周波レーザ光源(ゼーマ
ンレーザや半導体レーザ、あるいは音響光学素子を用い
た光学系など)、2103はスキャニングミラー、21
04はfθレンズ、2105,2106は反射ミラー、
2107は偏光ビームスプリッタ、2108は回折格
子、2109はハーフミラー、2110は検査面、21
11は走査ステージ、2112は集光レンズ、2113
は光電検出器、2114はビート信号処理系である。
【0176】2周波レーザ光源2101からのレーザビ
ームは、スキャニングミラー2103とfθレンズ21
04による走査光学系に導かれて偏光走査され、ミラー
2105,2106を経て、偏光ビームスプリッタ21
07によってS偏光レーザビーム(シフト周波数ω)2
020と、P偏光レーザビーム2121(シフト周波数
ω+Δω)に分離される。分離されたS偏光レーザビー
ム2120は検査面2110の表面にスポットとして収
束する。スポット内の異物や欠陥あるいは回路パターン
による散乱光は、S偏光レーザビーム2120の入射方
向に対してほぼ90度側方方向に配置した集光レンズ2
112によって、側方散乱光2122としてハーフミラ
ー2109を通して集光される。一方、P偏光レーザビ
ーム2121が回折格子2108上に収束されると回折
光を生成し、この内、一次回折光2123がハーフミラ
ー2109側に回折されるようになっている。ハーフミ
ラー2109においては一次回折光2123と側方散乱
光2122とを合波する。この回折格子2108は、入
射光束に対してほぼ90度側方方向に一次回折光を生成
し、走査光学系によって移動するスポット光の位置に応
じて常に側方散乱光2122とハーフミラー2109に
て合波されるように設計されている。ハーフミラー21
09で合波された側方散乱光2122に含まれるP偏光
成分(異物や欠陥で偏光解消されたもの)と回折格子2
108からの一次回折光(P偏光成分)は、集光光学系
2112を介して光電検出器2113のセンサ面上に結
像して光ヘテロダイン干渉し、ビート信号処理系211
4で処理される。
【0177】なお、本例では光電検出器2113のセン
サ面は検査面2110上のスポットの共役面としている
が、これを瞳面に配置するようにしても良い。又、P偏
光とS偏光の関係を逆にしても良い。
【0178】なお、以上説明した第19実施例〜第25
実施例は、入射光線に対して側方方向に発する散乱光を
検出する構成であるが、本発明者らは0.3μm程度の
サイズの異物について好ましい検出角度を検討した。そ
の結果、入射光線と光電検出器へ入射する光束とをそれ
ぞれ検査面へ投影した正射影線同士がなす角βが、90
゜から180゜の範囲に光電検出器を配置すると検出感
度が高く好ましいことが分かった。すなわち、図58に
おける斜線部分の範囲内に光電検出器を配置すると好ま
しい。
【0179】<実施例26>次に以上の実施例における
ビート信号処理系の信号処理の変形例を図59を用いて
説明する。図中、401は光電検出器で得られるビート
信号を増幅するためのプリアンプ、402はビート信号
のDC成分とAC成分を分離するAC/DC分離器、4
03は位相比較器(Phase Comparator)、404,409
は低域フィルタ(Low Pass Filter) 、405はループゲ
インを上げるためのアンプ、406は電圧制御発振器(V
oltage Controlled Oscillator) 、407は電圧制御発
振器406の出力信号の90°位相ずれを補正するため
の90°移相器、408はビート信号と電圧制御発振器
の出力信号とを掛け算処理するためのマルチプライヤ、
410は低域フィルタ出力信号パルスの波高を補正し
て、0次回折光の強度変化の影響を除去するためのピー
ク補正回路、411はビート信号のDC成分の変動から
0次回折光の強度変動をモニタするための0次回折光モ
ニタ回路、412はピーク補正回路からの出力パルスを
評価して異物や欠陥かどうかを判定するカウンタ、41
3は異物や欠陥の数や位置を記憶、表示するためのコン
ピュータである。
【0180】この信号処理系の信号処理の手順は以下の
通りである。図60に示すように光電検出器によって検
出されるビート信号はDC成分303とAC成分304
を持っている。このビート信号を図59のプリアンプ4
01で適当に増幅した後、AC/DC分離器402によ
ってDC成分とAC成分を分離して検出する。AC/D
C分離器402は例えば低域フィルタと狭帯域アンプや
コンデンサ等を組み合わせることにより構成される。こ
こでDC成分は0次回折光の強度変化に比例したもの
で、AC成分は異物や欠陥によって発生するビート信号
成分である。こうして分離されたビート信号のAC成分
は、図60(a)の501に示すごとくであり、これが
位相比較器403に入力される。
【0181】ここで本実施例の特徴である、位相比較器
403、低域フィルタ404、アンプ405、電圧制御
発振器406により構成される位相同期ループ回路(P
LL回路)について説明する。これは位相比較器40
3,低域フィルタ404,電圧制御発振器406からな
るフィードバックループで、一種の自動制御回路となっ
ている。
【0182】被検面上に異物や欠陥が存在しない場合は
ビート信号は発生しないのでAC成分はゼロであり、位
相比較器403に入力信号が供給されず、出力される誤
差電圧420はゼロに等しくなる。この時、電圧制御発
振器406はセットされた周波数ω0 で発振する。この
周波数は通常フリーランニング周波数と呼ばれる。検出
すべきビート信号の周波数は、光ヘテロダイン干渉させ
る2つの光の波長差Δωであるので、これに非常に近い
周波数かあるいは同一周波数にフリーランニング周波数
ω0 を設定しておく。
【0183】異物や欠陥が被検面上に存在する場合はビ
ート信号が発生し、これが入力信号として供給されれ
ば、位相比較器403は入力されるビート信号(周波数
Δω)の立ち上り部分と電圧制御発振器406の発振周
波数の位相と周波数を比較して、この2つの信号の位相
差、周波数差に比例した誤差電圧420を発生させる。
この誤差電圧の高周波成分は低域フィルタ404により
除去され、低周波成分だけがループゲインを上げるため
にアンプ405により増幅されて電圧制御発振器406
の制御電圧421となり、電圧制御発振器406の発振
周波数を入力信号の周波数Δωとの差を減少させる方向
に供給される。このようにして入力信号と電圧制御発振
器406からの出力信号の周波数が等しくなった時、こ
の状態をPLLがロックしたという。PLLがビート信
号にロックすれば、電圧制御発振器406はビート信号
周波数Δωと同一周波数を出力する。一度ロックすれ
ば、Δωとω0 の位相差が生じない限り、ω0 =Δωの
状態を継続するが、もし、このロック状態においてΔω
とω0 の位相差が生じた場合でもこの差を位相比較器4
03にて検出し、電圧制御発振器406制御電圧が変化
しΔω=ω0 になるように電圧制御発振器406を制御
しロック状態を保つことになる。
【0184】この電圧制御発振器406からの出力信号
はPLL回路による90°の位相ずれがあるため、その
補正のために90°移相器407を設け、これを通して
電圧制御発振器406信号とビート信号の位相を一致さ
せる。そしてこれら2信号をマルチプライヤ408に与
えて乗算することによって両波整流された検波出力が得
られる。この検波出力の高周波成分はビート周波数Δω
の倍になっているため、低域フィルタ409でこれを除
去すれば、図60(b)で示すようなビート信号の包絡
線であるパルス信号502が得られる。
【0185】PLLは電圧制御発振器406のフリーラ
ンニング周波数にごく近い周波数にしか応答しないため
非常に優れた周波数選択性を持っている。したがって光
電検出器のショットノイズの影響を除去して、高いS/
N比で周波数Δωのビート信号成分のみを検出すること
が可能である。
【0186】得られたパルス信号502はピーク補正回
路410に入力される。ビート信号のAC成分は被検査
面からの0次回折光(参照光)の強度変化に比例して変
動するので、これに対応して図60(b)のパルス信号
502の波高503も0次回折光強度変化に比例する。
この影響を補正するためにDC成分303を0次回折光
モニタ411でモニタし、補正信号422をピーク補正
回路410へ入力する。ピーク補正回路410ではこの
補正信号422を基に、例えば周波数フィルタ後の信号
の増幅倍率を可変することでパルス高さが補正して、0
次回折光の強度変動の影響が除去される。この結果、ピ
ーク補正回路410の出力パルスの強度は、異物からの
散乱光強度にのみ比例するものが得られる。そしてカウ
ンタ412でノイズレベルに適当な閾値504を設け
て、出力パルスが異物や欠陥によるものかノイズである
かを評価してカウントする。その結果はコンピュータ4
13により取り込まれ、データ記憶、異物サイズの評
価、マッピング、表示等の処理がなされる。
【0187】本実施例によれば、優れた周波数選択性を
持った位相同期ループ(PLL)回路を有する信号処理
系によってビート信号を処理するため、ショットノイズ
の影響を除去して高いS/N比で異物や欠陥を検出でき
る。
【0188】<実施例27>次に以上の実施例の信号処
理系をより改良した実施例を説明する。以上の各実施例
の構成においては、検出すべき異物や欠陥のサイズが非
常に小さくなると光電検出器で得られる信号強度も非常
に微弱になり、更にはビート信号が発生する時間幅も短
くなる。そこで本実施例では信号処理系に工夫を加えて
一種のダブルヘテロダイン検出系を構成することで、微
小なサイズの異物や欠陥でも良好に検出できるようにし
た。
【0189】具体的な構成を説明する。図61は光源系
200と検出光学系201はこれまで説明したいずれか
の実施例と同一の構成であり、異物や欠陥によって光ヘ
テロダイン干渉が起きて光電検出器202でビート信号
が得られる。203は発振器、204は乗算回路、20
5は周波数フィルタ、206は閾値回路、207はコン
ピュータである。
【0190】光電検出器で検出されるビート信号の周波
数は高いほど好ましい。ビート信号の周波数はヘテロダ
イン干渉する2つの光束の周波数の差に等しいので、周
波数の差を大きくすることによってビート信号の周波数
を高めることができる。今、ビート信号を構成する2周
波数f1 ,f2 に例えば|f1 −f2 |=Δω/2π=
10GHzの差があるとする。
【0191】先にも説明したように、検出光学系201
から出射する光の電場E1 ,E2 は次のようになる。
【0192】 E1 =A1 ・exp [j {ωt+θ1 }] (11) E2 =A2 ・exp [j {(ω+Δω)t+θ2 }] (12) この時、光電検出器202で光電変換後の信号強度IPD
は次のようになる。
【0193】 IPD=|E1 + E22 =A1 2 +A2 2 +2A12 cos(Δωt+θ2 −θ1 ) (13) 従ってビート信号の周波数は(13)式の第3項より、
Δω/2π=10GHzである。よってパルスの時間幅
を例えば約200nsとすると、10GHzのビート信
号はこのパルス内に約2000周期が含まれることにな
る。
【0194】発振器203はΔω/2π=10GHzよ
り僅かに異なる周波数の正弦波を発するもので、ここで
はその周波数はfFG=(Δω+δω)/2π=10.1
GHzとする。光電検出器202で検出したビート信号
と発振器203からの信号とを乗算回路204に入力し
て乗算を行なう。ここで発振器203からの信号の強度
FGは、 IFG=DFG+AFG cos{(Δω+δω)t+θFG} (14) (13)式の係数を簡単にするため、A1 2 +A2 2
PD, 2A12 =APDとして IPD=DPD+APD・cos (Δωt+θ2 −θ1 ) とすると乗算回路204からの信号IMCは、 IMC=DPD・DFG +DPDFG・cos {(Δω+δω)t+θFG} +DFGPD・cos (Δωt+θ2 −θ1 ) +(APDFG/2)・ cos(δωt+θFG−θ2 +θ1 ) +(APDFG/2)・ cos{(2Δω+δω)t+θFG+θ2 −θ1 } (15) である。Δω/2π=10GHz,fFG=(Δω+δ
ω)/2π=10.1GHzとしたので、(15)式の
第2項、第3項の周波数は約10GHz,第5項は約2
0GHzとなり、それに対して第4項はδω/2π=1
00MHzとなる。(15)式で表された乗算回路20
4からの出力信号を基に、周波数フィルタ205によっ
て100MHzの周波数成分を取り出す。この信号IFF
は、IFF=(APDFG/2)・cos (δωt+θFG−θ
2 +θ1 ) (16)となり、この信号が閾値回路2
06に送られて所定の閾値との比較が行なわれ、閾値を
越えたら異物や欠陥が有り判断される。これはコンピュ
ータ207によってカウントされて処理される。なお周
波数フィルタ205からの信号の振幅は(16)式より
FGに比例することが分かるので、発振器203の振幅
を大きくすることによって検出感度を更に上げることが
できる。
【0195】図62は図61の光源系200の具体的な
構成例を示す。同図において210と211は互いに直
交する偏波面で発振する半導体レーザであり、僅かに周
波数が異なるf1 とf2 のレーザビームをそれぞれ出力
する。これら2つの半導体レーザからの光はハーフミラ
ー212で合成されて2方向に進む。一方の光束は先の
検出光学系に指向され異物検査用の光束となる。他方は
光電検出器214方向へ指向される。光電検出器214
の手前には2周波数成分がヘテロダイン干渉を起こすよ
うに偏光方位を45°傾けた偏光フィルタ213が挿入
されている。
【0196】発振器215は例えば周波数10.1GH
zの高周波電気信号IFGを発生する。この発振器215
は前述の検出系の発振器203と共通化しても構わな
い。光電検出器214からの信号IPD2 と電気信号IFG
を乗算回路216に入力し、その出力信号IMC2 を周波
数フィルタ217に入力する。この周波数フィルタ21
7は約100MHzの周波数成分を選択的に抽出するも
のである。抽出された信号IFF2 は周波数測定器218
へ入力される。電流制御回路219は、まずレーザ21
0にある一定電流ILD1 を注入する。そしてレーザ21
1の注入電流ILD2 をILD1 に近い値で掃引すると、光
電検出器214からの信号IPD2 と発振器215からの
信号IFGの周波数差が100MHzに近付いた時、即ち
ビート信号IPD2 が10.0GHzもしくは10.2G
Hzの時にのみ、周波数測定器218に信号IFF2 が入
力される。周波数が10.0GHzか10.2GHzか
はILD2 の最初の掃引方向による。周波数測定器218
ではIFF2 を検出したことを電流制御回路219に伝達
して、電流制御回路219ではレーザ211の注入電流
LD2 をその値でほぼ一定に保つように制御する。以
後、周波数測定器218はIFF2 の周波数を測定し、1
00MHzからのずれ量を電流制御回路219にフィー
ドバックし、電流制御回路219はその値に応じてレー
ザ211の注入電流ILD2 を制御する。このようなフィ
ードバック系を構成することで2周波数光源のビート周
波数を高周波数で一定に保つことが可能となる。
【0197】以上のように本実施例では、光ヘテロダイ
ン信号とその周波数と僅かに異なる周波数の高周波電気
信号を発振する発振器からの信号とを乗算回路によって
乗算し、その出力から周波数フィルタによって所望の周
波数の信号を選択抽出することで、光ヘテロダイン信号
の周波数を高く設定できる。つまり一種のダブルヘテロ
ダイン検出を行なっている。これにより1つの異物や粒
子を検出する際に光電検出器が光電変換する光ヘテロダ
イン信号の周期の数が多くなり、光ヘテロダイン干渉を
起こしていることをより正確に確認できる。また、電気
信号の振幅を大きくすることで検出信号の振幅を大きく
できる。これにより微弱な光ヘテロダイン信号から大き
な検出信号を作ることが可能となる。また、特定の周波
数を選択抽出する周波数フィルタによって問題点として
挙げた検出信号のDC成分を除去できるため検出がより
確実になる。すなわち本実施例によれば、 (1)微弱な強度のヘテロダイン干渉でも、発振器から
の信号強度を大きくすることによって検出信号を増幅で
き、検出感度を上げることができる。 (2)ビート周波数を高くすることが可能なので、検出
対象である異物等が小さくてビート信号の発生時間が短
くてもビートの発生を検出できる。 (3)光ヘテロダイン周波数と発振器からの信号の周波
数の調整によって、周波数フィルタで抽出しやすい周波
数を設定でき、DC成分やノイズと検出信号の分離がよ
り高いS/N比で可能となる。
【0198】<実施例28>次に本発明の第28実施例
を説明する。上記第27実施例は電気的な発振器によっ
て高周波信号を生成してダブルヘテロダイン検出を行な
うものであったが、本実施例では光学的に同様の高周波
信号を生成することによってダブルヘテロダイン検出を
行なうものである。
【0199】図63は本実施例の構成を示す図であり、
先の第27実施例と基本的な考え方は同一である。図6
3において先の図61、図62と同一の符号は同一もし
くは同等の部材を表す。本実施例の構成上の特徴は、半
導体レーザ220、ハーフミラー221、偏光ビームス
プリッタ222、偏光フィルタ223、光電検出器22
4、偏光フィルタ225、光電検出器226である。こ
れらの部材によって先の第27実施例の電気的な発振器
と同等の機能を持たせている。半導体レーザ220は半
導体レーザ210のf1 及び半導体レーザ211のf2
とは僅かに異なる周波数f3 のレーザビームを出力す
る。なお、図示はしていないが各半導体レーザの出口部
付近にはλ/4位相差板が配置されており、直線偏光か
ら円偏光に変換されたレーザビームを出力する。本実施
例では半導体レーザ210と211の周波数差は10.
0GHzとする。すると異物やや欠陥によって光電検出
器202で得られるビート信号は10.0GHzとな
る。又、半導体レーザ211と220の周波数差は1
0.1GHzとする。すると光電検出器224、光電検
出器226では10.1GHzのビート信号、すなわち
先の第27実施例の発振器で発振される高周波信号と同
等の信号が得られる。
【0200】なお、本実施例では高周波信号を生成する
ための2光束の一方を、光源211からの光束をハーフ
ミラー221で分割して得ているが、これを別の第4の
半導体レーザに置き換えることもできる。
【0201】検出光学系201はこれまでに説明したい
ずれかの実施例と同じ構成を有し、ここで得られたヘテ
ロダイン干渉光を検出する光電検出器202の出力(1
0.0MHz)と、上記光学的に生成された高周波信号
を検出する光電検出器224の出力(10.1MHz)
とは乗算回路204で乗算され、先の図61と同様の信
号処理によるダブルヘテロダイン検出によって異物や欠
陥が精度良く検出される。一方、光電検出器214の出
力(10.0MH)と光電検出器226の出力(10.
1MHz)とは乗算回路216で乗算され、先の図62
と同様の信号処理によって光源の周波数が安定化がはか
られる。
【0202】<実施例29>図64はシリコンウエハ上
にレチクルやフォトマスク等の原版の回路パターンを焼
付けて半導体デバイスを製造する製造システムの実施例
を示す図である。システムは大まかに、露光装置、原版
収納装置、原版検査装置、コントローラを有し、これら
はクリーンルーム内に配置される。
【0203】901はエキシマレーザのような遠紫外光
源であり、902は照明系ユニットであって、露光位置
E.P.にセットされた原版を上部から同時(一括)に
所定のNA(開口数)で照明する働きを持つ。909は
原版上に形成された回路パターンをシリコンのウエハ9
10上に転写するための超高解像度レンズ系(もしくは
ミラー系)であり、焼付時にはウエハは移動ステージ9
11のステップ送りに従って1ショット毎ずらしながら
露光を繰り返す。900は露光動作に先立って原版とウ
エハを位置合わせするためのアライメント光学系であ
り、少なくとも1つの原版観察用顕微鏡系を有してい
る。以上の部材によって露光装置が構成されている。
【0204】一方、914は原版収納装置であり、内部
に複数の原版を収納する。913は原版検査装置であ
り、先の各実施例のいずれかの構成を含んでいる。この
原版検査装置913は、選択された原版が原版収納装置
914から引き出されて露光位置E.P.にセットされ
る前に原版上の異物検査を行なうもので、異物検査の原
理及び動作については前述のいずれかの実施例と同一で
ある。コントローラ918はシステム全体のシーケンス
を制御するためのもので、原版収納装置914、原版検
査装置913の動作指令、並びに露光装置の基本動作で
あるアライメント・露光・ウエハのステップ送り等のシ
ーケンス等を制御する。
【0205】以下、本実施例のシステムを用いた半導体
デバイスの製造工程を示す。まず、原版収納装置914
から使用する原版を取り出し原版検査装置913にセッ
トする。次に、原版検査装置913で原版上の異物検査
を行なう。検査の結果、異物が無いことが確認されたら
この原版を露光装置の露光位置E.P.にセットする。
次に、移動ステージ911上に被露光体であるシリコン
ウエハ910をセットする。そしてステップ&リピート
方式によって移動ステージ911のステップ送りに従っ
て1ショット毎ずらしながらシリコンウエハの各領域に
原版パターンを縮小投影して露光を繰り返す。1枚のシ
リコンウエハ上に露光が済んだら、これを収容して新た
なシリコンウエハを供給し、同様にステップ&リピート
方式で原版パターンの露光を繰り返す。
【0206】露光の済んだ露光済シリコンウエハは本シ
ステムとは別に設けられた装置で現像やエッチングなど
の処理がなされる。この後に、ダイシング、ワイヤボン
ディング、パッケージング等のアッセンブリ工程を経
て、半導体デバイスが製造される。
【0207】本実施例によれば、従来は製造が難しかっ
た非常に微細な回路パターンを有する高集積度半導体デ
バイスを製造することができる。
【0208】<実施例30>図65は半導体デバイスを
製造するための原版の洗浄検査システムの実施例を示す
図である。システムは大まかに、原版収納装置、洗浄装
置、乾燥装置、検査装置、コントローラを有し、これら
はクリーンチャンバ内に配置される。
【0209】920は原版収納装置であり、内部に複数
の原版を収納し洗浄すべき原版を供給する。921は洗
浄装置であり、純水によって原版の洗浄を行なう。92
2は乾燥装置であり、洗浄された原版を乾燥させる。9
23は原版検査装置であり、先の各実施例のいずれかの
構成を含んでおり、前記実施例のいずれかの方法を用い
て洗浄された原版上の異物検査を行なう。924はコン
トローラでシステム全体のシーケンス制御を行なう。
【0210】以下、動作について説明する。まず、原版
収納装置920から洗浄すべき原版を取り出し、これを
洗浄装置921に供給する。洗浄装置921で洗浄され
た原版は乾燥装置922に送られて乾燥させる。乾燥が
済んだら検査装置923に送られ、検査装置923にお
いては先の実施例のいずれかの方法を用いて原版上の異
物を検査する。検査の結果、異物が確認されなければ、
原版を原版収納装置920に戻す。又、異物が確認され
た場合は、この原版を洗浄装置921に戻して洗浄・乾
燥動作を行なった後に再度検査を行ない、異物が完全に
除去されるまでこれを繰り返す。そして完全に洗浄がな
された原版を原版収納装置920に戻す。
【0211】この後に、この洗浄された原版を露光装置
にセットして、シリコンウエハ上に原版の回路パターン
を焼付けて半導体デバイスを製造する。これによって従
来は製造が難しかった非常に微細な回路パターンを有す
る高集積度半導体デバイスを製造することができる。
【0212】
【発明の効果】本発明によれば、従来は検出が難しかっ
た微小な異物や欠陥などを、高いS/N比で検出するこ
とができる。又、本発明を半導体製造に応用すれば、従
来は製造が難しかった高集積度半導体デバイスを製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の構成図である。
【図2】散乱光の発生とビート信号の検出についての説
明図である。
【図3】検出されるビート信号についての説明図であ
る。
【図4】検出されるビート信号の時間幅についての説明
図である。
【図5】ビート信号検出系の構成の説明図である。
【図6】実施例の検出光学系の構成図である。
【図7】検出光学系の他の実施例の説明図である。
【図8】第2実施例の構成図である。
【図9】第3実施例の構成図である。
【図10】参照光と散乱光の偏光方向を説明するための
図である。
【図11】異物と回路パターンによる散乱光の波面の違
いを説明するための図である。
【図12】第4実施例の構成図である。
【図13】異なる粒子サイズにおける散乱角度と相対散
乱強度の関係を示すグラフ図である。
【図14】検出光学系の構成図である。
【図15】第4実施例の検出系の変形例を示す図であ
る。
【図16】第5実施例の構成図である。
【図17】第6実施例の構成図である。
【図18】P偏光成分とS偏光成分における散乱角度と
相対散乱強度の関係を示すグラフ図である。
【図19】第7実施例の構成図である。
【図20】第7実施例で検出される信号波形の例を示す
図である。
【図21】第8実施例の構成図である。
【図22】第9実施例の構成図である。
【図23】第10実施例の構成図である。
【図24】検出系の変形例を示す図である。
【図25】検出系の別の変形例を示す図である。
【図26】第11実施例の構成図である。
【図27】第11実施例の斜視図である。
【図28】回路パターンと光スポットとの関係を示す図
である。
【図29】検査面上を光スポットが走査している様子を
示す図である。
【図30】第11実施例の装置で得られる検出信号波形
の例を示す図である。
【図31】信号処理回路のブロック図である。
【図32】信号処理回路の各部での信号波形を示す図で
ある。
【図33】第12実施例の構成図である。
【図34】第12実施例の装置で得られる検出信号波形
の例を示す図である。
【図35】信号処理回路のブロック図である。
【図36】信号処理回路の各部での信号波形を示す図で
ある。
【図37】第13実施例の構成図である。
【図38】第14実施例の構成図である。
【図39】第15実施例の構成図である。
【図40】第16実施例の構成図である。
【図41】第17実施例の構成図である。
【図42】第18実施例の構成図である。
【図43】第19実施例の構成図である。
【図44】第19実施例の構成図である。
【図45】散乱光の発生とビート信号の検出についての
説明図である。
【図46】第20実施例の構成図である。
【図47】第20実施例の構成図である。
【図48】第20実施例の構成図である。
【図49】第20実施例の構成図である。
【図50】アパーチャの役割を説明するための図であ
る。
【図51】アパーチャの役割を説明するための図であ
る。
【図52】第21実施例の構成図である。
【図53】第22実施例の構成図である。
【図54】第23実施例の構成図である。
【図55】散乱構造体の例を示す図である。
【図56】第24実施例の構成図である。
【図57】第25実施例の構成図である。
【図58】散乱光の好適な検出方向を説明するための図
である。
【図59】第26実施例の構成図である。
【図60】検出されるビート信号についての説明図であ
る。
【図61】第27実施例の構成図である。
【図62】第27実施例の光源系の構成例である。
【図63】第28実施例の構成図である。
【図64】第29実施例の半導体製造システムのシステ
ム構成図である。
【図65】第30実施例の原版の洗浄検査システムのシ
ステム構成図である。
【図66】従来の検査装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源 2 偏光板 3 フィルタ系 4 コリメータ光学系 5,12 偏光ビームスプリッタ 8,10 ドライバ 9,11 音響光学素子 13 スキャニングミラー 14 fθレンズ系 15 偏光ビームスプリッタ 20 走査スポット 21 検査面 22 走査ステージ系 26 レンズ系 29 光電検出器 30 ビート信号処理系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平4−305433 (32)優先日 平成4年11月16日(1992.11.16) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−305422 (32)優先日 平成4年11月16日(1992.11.16) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−22675 (32)優先日 平成5年2月10日(1993.2.10) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平5−48064 (32)優先日 平成5年3月9日(1993.3.9) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 吉井 実 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 野瀬 哲志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 森 哲三 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−50903(JP,A) 特開 平2−307046(JP,A) 特開 平6−148086(JP,A) 特開 平6−201601(JP,A) 特開 平5−87527(JP,A) 特開 平5−87528(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/956 G01B 11/00 - 11/30

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の偏光状態及び第1の波長を有する
    第1光束と、該第1光束とは異なる第2の偏光状態及び
    第2の波長を有する第2光束を生成する生成手段と、 少なくとも前記第1光束を検査位置に照射する照射手段
    と、 該検査位置で散乱されて偏光状態が前記第1の偏光状態
    から変化した光と、前記第2光束とのヘテロダイン干渉
    光を検出する検出手段と、を有することを特徴とする検
    査装置。
  2. 【請求項2】 第1の波長を有する第1光束と、該第1
    光束とは異なる第2の波長を有する第2光束を生成する
    生成手段と、 少なくとも前記第1光束を偏向して検査面を光走査する
    ための走査手段と、 前記1光束によって該検査面の走査位置から散乱された
    光と、前記第2光束とのヘテロダイン干渉光を検出する
    検出手段と、を有することを特徴とする検査装置。
  3. 【請求項3】 第1の偏光状態を有する第1光束と、該
    第1光束とは異なる第2の偏光状態を有する第2光束を
    生成する生成手段と、 少なくとも前記第1光束を偏向して検査面を光走査する
    ための走査手段と、 前記第1光束によって検査面の走査位置から散乱されて
    偏光状態が前記第1の偏光状態から変化した光と、前記
    第2光束との干渉光を検出する検出手段と、を有するこ
    とを特徴とする検査装置。
  4. 【請求項4】 前記検査面上の走査領域を前記検出手段
    の検出面に結像するためのレンズ系を有する請求項2又
    は3の検査装置。
  5. 【請求項5】 前記第2光束を前記第1光束が照射され
    る同一位置に照射する請求項1乃至3のいずれかの検査
    装置。
  6. 【請求項6】 前記第2光束を前記第1光束が照射され
    る同一位置に該第1光束とは異なる方向から照射して、
    該第2光束の0次回折光と前記第1光束の散乱光とを干
    渉させる請求項5の検査装置。
  7. 【請求項7】 前記第1光束と前記第2光束を同一光束
    として同一位置に照射する請求項5の検査装置。
  8. 【請求項8】 前記第2光束は検査位置に照射せず、該
    第2光束と前記第1光束による散乱光とを干渉させる請
    求項1乃至3のいずれかの検査装置。
  9. 【請求項9】 前記第1光束が検査位置に照射されて入
    射方向と同一方向に散乱された光と前記第2光束とを干
    渉させる請求項7又は8の検査装置。
  10. 【請求項10】 前記生成手段は前記第1光束と第2光
    束を1つの光束に重ね合わせて生成する請求項1乃至3
    のいずれかの検査装置。
  11. 【請求項11】 前記生成手段は前記第1光束と第2光
    束を重ね合わせずに別々に生成する請求項1乃至3のい
    ずれかの検査装置。
  12. 【請求項12】 前記第1光束は所定方向の直線偏光光
    であり、前記第2光束は該第1光束とは異なる方向の直
    線偏光光である請求項1乃至3のいずれかの検査装置。
  13. 【請求項13】 前記第1光束と前記第2光束の少なく
    とも一方は円偏光光である請求項1乃至3のいずれかの
    検査装置。
  14. 【請求項14】 前記検出手段は、前記第1光束の入射
    方向に対して側方方向に発する光と、前記第2光束とを
    干渉させた干渉光を検出する請求項1乃至3のいずれか
    の検査装置。
  15. 【請求項15】 前記側方方向は、90度から180度
    の範囲内である請求項14の検査装置。
  16. 【請求項16】 前記第1光束の偏光状態を設定する設
    定機構を有する請求項1乃至3のいずれかの検査装置。
  17. 【請求項17】 前記第2光束の偏光状態を設定する設
    定機構を有する請求項1乃至3のいずれかの検査装置。
  18. 【請求項18】 検査対象に応じた偏光状態となるよ
    う、検査対象に応じて前記設定機構を制御する手段を有
    する請求項16又は17の検査装置。
  19. 【請求項19】 第1の波長を有する第1光束と、該第
    1光束とは異なる第2の波長を有する第2光束を生成す
    る第1の生成手段と、 第3の波長を有する第3光束と、該第3光束とは異なる
    第4の波長を有する第4光束を生成する第2の生成手段
    と、 少なくとも前記第1光束と第3光束を検査位置に照射す
    る照射手段と、 前記第1光束によって該検査位置で散乱された光と、前
    記第2光束とのヘテロダイン干渉光を検出する第1の検
    出手段と、 前記第3光束によって該検査位置で散乱された光と、前
    記第4光束とのヘテロダイン干渉光を検出する第2の検
    出手段と、を有することを特徴とする検査装置。
  20. 【請求項20】 前記第1光束と第2光束とは異なる偏
    光状態を有し、前記第3光束と第4光束は異なる偏光状
    態を有する請求項19の検査装置。
  21. 【請求項21】 第1の波長を有する第1光束と、該第
    1光束とは異なる第2の波長を有する第2光束を生成す
    る生成手段と、 少なくとも前記第1光束を検査位置に照射する照射手段
    と、 前記第1光束の照射によって該検査位置から第1の方向
    に散乱された光と、前記第2光束とのヘテロダイン干渉
    光を検出する第1の検出手段と、 前記第1光束の照射によって該検査位置から前記第1の
    方向とは異なる第2の方向に散乱された光と、前記第2
    光束とのヘテロダイン干渉光を検出する第2の検出手段
    と、を有することを特徴とする検査装置。
  22. 【請求項22】 前記第1光束と第2光束とは異なる偏
    光状態を有する請求項21の検査装置。
  23. 【請求項23】 前記検出した干渉光のビート信号を位
    相同期ループ回路を含む信号処理手段によって信号処理
    することで検査位置の状態を検査する手段を有する請求
    項1又は2の検査装置。
  24. 【請求項24】 前記検出した干渉光のビート信号と異
    なる周波数の高周波信号を生成する発振手段と、該2つ
    の信号の乗算を行なう乗算手段とを有し、該乗算手段の
    結果を基に検査位置の状態を検査する手段を有する請求
    項1又は2の検査装置。
  25. 【請求項25】 パターンが形成された原版を検査する
    ための請求項1乃至24のいずれかの検査装置と、該検
    査装置で検査された原版のパターンを被転写体に転写す
    るための転写装置とを有することを特徴とする転写シス
    テム。
  26. 【請求項26】 前記原版には回路パターンが形成さ
    れ、前記被転写体はウエハである請求項25の転写シス
    テム。
  27. 【請求項27】 原版を洗浄するための洗浄装置と、該
    洗浄装置で洗浄した原版を検査する請求項1乃至24の
    いずれかの検査装置とを有することを特徴とする原版洗
    浄検査システム。
  28. 【請求項28】 第1の偏光状態及び第1の波長を有す
    る第1光束と、前記第1光束とは異なる第2の偏光状態
    及び第2の波長を有する第2光束を生成して、少なくと
    も前記第1光束を検査位置に照射し、該検査位置で散乱
    されて偏光状態が前記第1の偏光状態から変化した光と
    前記第2光束とのヘテロダイン干渉光を検出して得られ
    たビート信号状態によって検査位置の状態を検査するこ
    とを特徴とする検査方法。
  29. 【請求項29】 請求項28の検査方法で転写パターン
    が形成された原版を検査する工程と、該検査された原版
    の転写パターンを被転写体に転写する工程を有すること
    を特徴とするデバイス製造方法。
  30. 【請求項30】 請求項29の製造方法を含む工程で製
    造されたことを特徴とするデバイス。
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