JP3126193B2 - ベシクル及びベシクル製剤 - Google Patents

ベシクル及びベシクル製剤

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JP3126193B2 JP34905191A JP34905191A JP3126193B2 JP 3126193 B2 JP3126193 B2 JP 3126193B2 JP 34905191 A JP34905191 A JP 34905191A JP 34905191 A JP34905191 A JP 34905191A JP 3126193 B2 JP3126193 B2 JP 3126193B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はベシクルおよびベシクル
製剤、特にその膜成分の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】薬剤をマイクロカプセル化し生体内投与
すると、該薬剤の生体内における代謝が抑制され、薬効
を長期間にわたって維持できること等の利点から、医
薬、化粧品、食品分野等で有効成分のマイクロカプセル
化技術が各種模索されている。その一つとしていわゆる
リポソームないしベシクル(脂質二分子膜からなる閉鎖
小胞体)が注目されており、リポソームはレシチンやホ
ォスファチジルイノシトールのようなリン脂質により形
成され、その膜内及び中空内に薬剤等を内包できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一般にリン
脂質は耐熱性を欠き、不安定な物質であり、しかも比較
的高価であるため余り実用的でない。またこのようなベ
シクルは構造自体が一般に不安定で、長期の保存に適さ
ないという課題があった。この点を改良するためにベシ
クルを多糖類で被覆したり、水素結合によって構造を強
化したリン脂質等が開発されているが、いずれも満足の
いくベシクルを提供するには至っていない。本発明は前
記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的
は長期にわたって安定で、内包薬物の洩れ等の問題がな
いベシクルを得ることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明者等が鋭意検討を進めた結果、イオン性界面活
性剤の存在下、ショ糖脂肪酸ジエステルを主な膜成分と
するベシクルを製造することにより、ショ糖脂肪酸ジエ
ステルのTc(ゲル−液晶転移温度)以下で極めて安定
なベシクル構造が極めて容易に得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明にかかる
ベシクルは、ショ糖脂肪酸ジエステルと、該ジエステル
に対し0.2〜15重量%のイオン性界面活性剤とを含
み、前記ショ糖脂肪酸ジエステルを主な膜成分とするこ
とを特徴とする。また、本発明にかかるベシクル製剤
は、前記ベシクル内に有効成分を内包してなることを特
徴とする。
【0005】以下、本発明の構成を詳細に説明する。シ
ョ糖脂肪酸ジエステルにおける脂肪酸は炭素数12〜2
2の飽和または不飽和の、直鎖あるいは分岐をもつもの
であり、二つの脂肪酸は異なっていてもよい。但し、シ
ョ糖脂肪酸ジエステルはTc以上の温度においても極め
て水に分散し難いため、ベシクル形成剤としては、ジエ
ステルに対して0.2〜15重量%のイオン性界面活性
剤を配合する必要があり、好ましい配合量は0.3〜1
0%、更に好ましい配合量は0.5〜5%である。イオ
ン性界面活性剤量が多過ぎるとベシクルを形成しないか
あるいはその安定性が低下する。
【0006】イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石
鹸、エーテルカルボン酸およびその塩、アルカンスルホ
ン酸塩、高級脂肪酸エステルのスルホン酸塩、ジアルキ
ルスルホコハク酸塩、高級脂肪酸アミドのスルホン酸
塩、アルキルアリルスルホン酸塩、高級アルコール硫酸
エステル塩、二級高級アルコール硫酸エステル塩、アル
キルおよびアルキルアリルエーテル硫酸エステル塩、グ
リセリン脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸
アルキロールアミドの硫酸エステル塩、硫酸化油、リン
酸エステル塩、アミノ酸、コラーゲン加水分解物と高級
脂肪酸縮合物、コラーゲン加水分解物誘導体等のアニオ
ン性界面活性剤、およびアルキルアミン塩、ポリアミン
またはアルカノールアミン脂肪酸誘導体、アルキルトリ
メチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウ
ム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アル
キルピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジ
アルキルモルホリニウム塩等のカチオン界面活性剤等を
用いることができる。
【0007】好ましいイオン性界面活性剤はアニオン界
面活性剤及びカチオン界面活性剤がよく、特に好ましい
ものは炭素数12以上の脂肪酸石ケンであり、好ましい
対イオンとしてはNa,K,トリエタノ−ルアミン,ア
ンモニア等がある。上記ベシクル形成剤に両親媒性物質
を添加することによりベシクルの安定性は更に向上す
る。両親媒性物質とは界面活性を有するが、それ自体は
疎水性が強く一般の界面活性剤ほど界面活性効果を有さ
ないものであり、例えば高級脂肪酸、高級脂肪族アルコ
−ル、モノグリセリド、グリセロ−ルモノアルキルエ−
テル、モノアルキルアミン、およびステロ−ル骨格を有
する化合物(コレステロ−ル、フィトステロ−ル)等が
ある。これらの疎水基の炭素数は好ましくは12以上の
ものがよい。これらの物質の中で好ましくは高級脂肪酸
および/または高級脂肪族アルコ−ルである。またこれ
らの配合量は上記ベシクル形成剤に対して0〜30%で
あり、好ましくは0.5〜10%である。
【0008】またショ糖脂肪酸ジエステル中に、他のシ
ョ糖脂肪酸エステル、例えばモノエステルやトリエステ
ルが不純物として含有されていてもベシクルは形成でき
るが、それらの含有率は最大で50%までであり、好ま
しくは40%以下、更に好ましくは30%以下である。
【0009】この発明におけるベシクルは、脂質膜内に
純水を含むことができ、また水溶液または水性懸濁液を
含むことができる。水溶液または水性懸濁液は、水以外
の成分として、水溶性または半水溶性または水不溶性物
質を含み得る。このような物質としては、薬物(医療効
果を目的とする物質であって、天然には体内に存在しな
い物質のほか、異なった量で天然に体内に存在する生理
活性物質を含む)および標識体(診断等の目的で投与さ
れ、検出可能な信号を発生し得る物質)が含まれる。
【0010】内包しうる化合物としては、ベシクル成分
と相互作用を起こして変質等しない限り、全ての化合物
が適用可能である。尚、本ベシクル製剤は医薬分野に限
らず、化粧品分野や食品分野にも応用しうる。
【0011】適用可能な化合物の一例として以下のもの
が挙げられる。チトクロ−ムP450、チトクロ−ムP
450還元酵素、SOD等の各種酵素類;DNA、RN
A糖の遺伝子関連物質;インタ−リュ−キン類、インタ
−フエロン−α、−β、−γ、TPA、リンホトキシン
類、セルレタイド等の生理活性物質;プロスタグランジ
ン類;等の他、鎮痛、解熱、抗炎症薬(例えば麦角アル
カロイド、モルヒネ類、ペンタゾシン、アスピリン、イ
ブプロフェン、インドメタシン、アセトアミノフエン
等)、精神・神経疾患用薬(例えばジアゼバム、エトス
クシミド、フエニトイン、カルバマゼビン、フエノバル
ビタ−ル、バルプロ酸ナトリウム、レボドパ、塩酸トリ
ヘキシフエニジル、塩酸アマンタジン、塩酸イミプラミ
ン、塩酸アミトリプチリン、クロルジアゼボキサイド、
塩酸クロルプロマジン、ハロペリド−ル等)、心・血管
疾患用薬(例えばジゴキシン、ドブタミン、イソプロテ
レノ−ル、エビネフリン、プロプラノロ−ル、ニフエジ
ピン、キニジン、ヒドラジン、ヒドロクロロチアジド、
レセルピン、プラゾシン、グアネチジン、フロセミド、
クロルタリドン、スピロノラクトン等)、抗アレルギ−
・抗ぜん息薬(例えばジフエンヒドラミン、マレイン酸
クロルフエニラミン、クロモグリク酸ナトリウム、硫酸
サルブタモ−ル、臭化イプラトロピウム等)、抗リウマ
チ・痛風薬(例えばフエニルプタゾン、D−ペニシラミ
ン、免疫抑制剤、アロプリノ−ル、スルフインピラゾ
ン、ナプロキセン等)、抗菌剤(例えばペニシリン系抗
菌剤、セフアロスポリン系抗菌剤、ゲンタマイシン、ミ
ノサイクリン、エリスロマイシン、リフアンピシン、イ
ソニアジド、カナマイシン、グリセオフルビン、ナイス
タチン)、ジフテリア抗毒素、抗蛇毒血清やワクチン
等、抗寄生虫・抗原虫薬(例えばメトロニダゾ−ル、デ
ヒドロエメチン、スラミンナトリウム、ニクロサミド
等)、抗腫瘍・抗白血病薬(例えばプスルフアン、シク
ロホスフアミド、プレオマイシン、フルオロウラシル、
メトトレキサ−ト等)、抗脂血・抗糖尿病薬(例えばク
ロフイブラ−ト、トルブタミド、クロルプロパミド
等)、血液疾患用薬(例えばフイブリノ−ゲン、第VIII
因子、ヘパリン、シアノコバラミン等)、消化器管用薬
(例えばアクリノ−ル、ジアスタ−ゼ、パンクレアチン
等)ホルモン関連薬(例えばヒドロコルチゾン、プレド
ニソロン、テキサメサゾン、メチルテストステロン、エ
ストロジエン、インシュリン、レボチロキシン等)、ビ
タミン(例えばビタミンA、活性形ビタミンB1、ビタ
ミンC、ビタミンE、パントテン酸等)、滋養変質薬
(例えばアスパラギン酸カルシウム、イソロイシン、オ
ロチン酸第一鉄等)、外皮用薬、美白剤(例えばハイド
ロキノン、アルブチン等)等が例示される。
【0012】標識体としては、X線造影剤(例えばメト
リザミド、メトリゾ酸)、放射性または非放射性(安
定)同位元素製剤、そのほかのCT用製剤等が含まれ
る。そして、本発明におけるベシクルは、例えば、水ま
たは水溶液に前記ベシクル形成剤を加え、Tc温度(ゲ
ル−液晶転移温度)以上で、ベシクル形成剤を十分水に
膨潤させた後、撹拌・混合し、調整される。この方法に
準じた従来のベシクル形成法は、有機溶媒を用いて、ベ
シクル形成剤(例えばレシチン+コレステロ−ル)の薄
膜を形成された後、水または水溶液に十分膨潤させ、例
えば超音波照射により微小なリポソ−ムを得る(続生化
学実験化学講座、日本生化学会編.東京化学同人.V.
3,P546,1985)ものであるが、本発明のベシ
クル形成剤は有機溶媒を用いて薄膜化しなくとも、容易
にベシクルが調整でき、通常の機械的撹拌(例えばTK
ホモミキサ−)のみで直径0.2μm程度の1枚膜のリ
ポソ−ムが得られ、更に薬物等の取り込み率が高いベシ
クルが得られるという特長を有する。
【0013】また、上記参考書P541〜547に記載
の他の方法によっても本発明のベシクルが得られる。こ
のようにして得られたベシクルの安定性は、Tc温度以
下で特に良好となる。なお、ベシクルを形成する際の前
記ベシクル形成剤の添加量は0.1〜10重量%が好ま
しい。
【0014】
【作用】本発明にかかるベシクルは前述したように、シ
ョ糖脂肪酸ジエステルを主な膜成分として中空二重膜球
が形成されており、その温度がクラフト点以下であると
この膜は安定なゲル構造をとるため、ベシクル構造がし
っかりしており、内包する薬剤のもれが少なく、しかも
凝集せず安定性が高い。一方、クラフト点以上で製造を
行なうことにより、容易にベシクルの形成が可能であ
る。また、薬物等の取り込み率が高いという特長があ
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。なお、実
施例によって本発明の技術的範囲が限定されるものでは
ない。また、特に指定がない限り、配合量は重量%で示
す。まず、本発明において特徴的なショ糖脂肪酸ジエス
テルの製造方法について説明する。
【0016】製造例1 ショ糖ステアリン酸ジエステル
の精製 1lビーカーにモノエステルを30%含むとされる
市販ショ糖ステアリン酸エステル100gを秤取し、メ
タノール855mlと水45ml混合液を加えて溶媒の沸点
近傍の温度で一度試料を溶解する。その後溶液を44℃
に保温し、二層に分離させた後、上層(溶液相)を分取
する。なお、下層(固体相)の主成分はトリエステルで
あり、上層にはモノエステル及びジエステルが主に含ま
れる。 この上層に、水をメタノール濃度が約80v/v%と
なるように加え60℃に加温した後、25℃にて沈殿物
を生成させ、該沈殿物を分取する。この上層はモノエス
テルを主成分とし、沈殿はジエステルを主成分とする。 で得られた沈殿物をメタノール720mlに溶解
し、その溶液に水を180ml加えて攪拌し、25℃にて
保温・静置して沈殿物を生成させ、その沈殿物を分取す
る。 の操作を再度行ない、ショ糖ステアリン酸ジエス
テルを80%以上含む組成物を得ることができた。ショ
糖ステアリン酸ジエステル以外に存在する含有物として
は、ショ糖ステアリン酸モノエステルおよびトリエステ
ル、ステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム等であっ
た。なお、原料ショ糖脂肪酸エステルに対する収率は約
33%であった。
【0017】製造例2 ショ糖ステアリン酸ジエステル
のカラムクロマトグラフィ−による精製 クロロホルム400mlを溶媒として市販品のカラム
クロマトグラフィ−用シリカゲル200gを膨潤させ、
スラリ−状としてカラムに充填し、製造法1によって得
られたショ糖ステアリン酸エステルを約10g付加す
る。 以下の溶媒を順次用いて段階溶離を行う。 i) メタノ−ル:クロロホルム=8:92(体積比)
1l ii) メタノ−ル:クロロホルム=15:85(体積
比)1l iii) メタノ−ル:クロロホルム=25:75(体積
比)1l 溶離液を70mlづつ分画し、ガスクロマトグラフィ−と
TLCを用いて分画した成分の同定、および純度の確認
を行った。ジエステル画分を濃縮したところ、純度99
%以上(ガスクロマトグラフィ−およびTLCによって
不純物が検知されなかった)のショ糖ステアリン酸ジエ
ステルが約4g分取できた。
【0018】製造例3 ショ糖オレイン酸ジエステルの
カラムクロマトグラフィ−による精製 クロロホルム400mlを溶媒として市販品のカラム
クロマトグラフィ−用のシリカゲル200gを膨潤さ
せ、カラムに充填し、ショ糖オレイン酸エステル約10
gを付加する。 以下の溶媒を順次用いて段階溶離を行う。 i) メタノ−ル:クロロホルム=6:94(体積比)
1l ii) メタノ−ル:クロロホルム=12:88(体積
比)1l iii) メタノ−ル:クロロホルム=20:80(体積
比)1l 溶離液を70mlづつ分画し、ガスクロマトグラフィ−と
TLCを用いて分画した成分の同定、および純度の確認
を行った。ジエステル画分を濃縮したところ、純度99
%以上(ガスクロマトグラフィ−およびTLCによって
不純物が検知されなかった)のショ糖ステアリン酸ジエ
ステルが約2.5g分取できた。次に前記製造例により
得られたショ糖脂肪酸ジエステルを用いたベシクルおよ
びベシクル製剤の実施例を具体的に説明する。
【0019】実施例1 アルブチン2重量%水溶液99gにベシクル形成剤(シ
ョ糖ステアリン酸ジエステル(製造例2)97%、ステ
アリルトリメチルアンモニウムクロライド1%、セトス
テアリルアルコ−ル2%)を1g加え、60℃で充分に
膨潤させた後、ポリトロンで1分間処理し、直ちに25
℃に冷却し、アルブチン内包ベシクルを調整した。この
ものをセファデックスG−50により、約25℃でゲル
濾過し、アルブチンを内包したベシクルと外水相にある
アルブチンとに分離した。なお、溶離液としては1.3
2重量%ブドウ糖水溶液(アルブチン2重量%水溶液と
等張)を用いた。ベシクル画分の全量を4倍量のエタノ
−ルと混合し、0.22μmのフィルタ−を用いて濾過
し、UV吸収(282nm)を測定することによりベシク
ルに内包されたアルブチン量(ain)を定量した。同時
に外水相にあるアルブチンの全量(aout)も定量し
た。両定量値の合計は配合したアルブチンの全量に一致
した。これより、取り込み率=ain/(aout+ain
×100(%)を求めた結果、取り込み率は20.5%
であった。
【0020】また、NICOMP−270(動的光散乱
法)で測定したこのベシクルの平均粒子径は210nmで
あった。次にこのベシクルの安定性を内包されたアルブ
チンの放出量により評価した。上記ゲル濾過により精製
したベシクルを5℃,25℃,37℃,50℃の温度に
保存し、経時後、これを再度ゲル濾過し、ベシクルに内
包されているアルブチン濃度(Ct)を定量し、精製直
後のベシクルに内包されていたアルブチン濃度(Co
の定量値とにより、放出率=(Co−Ct)/Co×10
0(%)を求めた。結果は50℃においては1日後に放
出率は約90%となり不安定であったが、37℃,25
℃,5℃においては60日後においても各々、放出率は
ほぼ0%であった。なお、分散安定性はいずれもの条件
においても、60日以上良好であった。
【0021】実施例2 アルブチン2重量%水溶液98gにベシクル形成剤(製
造例1で精製されたショ糖ステアリン酸ジエステル)2
gを加え、60℃で充分に膨潤させた後、ポリトロンで
1分間処理し、直ちに25℃に冷却し、アルブチン内包
ベシクルを調整した。このものをセファデックスG−5
0により、約25℃でゲル濾過し、アルブチンを内包し
たベシクルと外水相にあるアルブチンとに分離した。な
お、溶離液としては1.32重量%ブドウ糖水溶液(ア
ルブチン2重量%水溶液と等張)を用いた。ベシクル画
分の全量を4倍量のエタノ−ルと混合し、0.22μm
のフィルタ−を用いて濾過し、UV吸収(282nm)を
測定することによりベシクルに内包されたアルブチン量
(ain)を定量した。同時に外水相にあるアルブチン量
(aout)も測定した。両定量値の合計は、配合したア
ルブチンの全量に一致した。これより、取り込み率=a
in/(aout+ain)×100(%)を求め、取り込み
率は28.2%であった。
【0022】また、NICOMP−270(動的光散乱
法)で測定したこのベシクルの平均粒子径は215nmで
あった。次にこのベシクルの安定性を内包されたアルブ
チンの放出量により評価した。上記ゲル濾過により精製
したベシクルを5℃,25℃,37℃,50℃の温度に
保存し、経時後、これを再度ゲル濾過し、ベシクルに内
包されているアルブチン濃度(Ct)を定量し、精製直
後のベシクルに内包されていたアルブチン濃度(Co
の定量値とにより、放出率=(Co−Ct)/Co×10
0(%)を求めた。結果は50℃においては1日後に放
出率は約90%となり不安定であったが、37℃,25
℃,5℃においては60日後においても各々、放出率は
ほぼ0%であった。なお、分散安定性はいずれもの条件
においても、60日以上良好であった。
【0023】実施例3 アルブチン2重量%水溶液99gにベシクル形成剤(シ
ョ糖ステアリン酸ジエステル97%、ステアリル硫酸N
a1%、セトステアリルアルコ−ル2%)1gを加え、
60℃で充分に膨潤させた後、ポリトロンで1分間処理
し、直ちに25℃に冷却し、アルブチン内包ベシクルを
調整した。このものをセファデックスG−50により、
約25℃でゲル濾過し、アルブチンを内包したベシクル
と外水相にあるアルブチンとに分離した。なお、溶離液
としては1.32重量%ブドウ糖水溶液(アルブチン2
重量%水溶液と等張)を用いた。ベシクル画分の全量を
4倍量のエタノ−ルと混合し、0.22μmのフィルタ
−を用いて濾過し、UV吸収(282nm)を測定するこ
とによりベシクルに内包されたアルブチン量(ain)を
定量した。同時に外水相にあるアルブチン量(aout
を定量した。両定量値の合計は配合したアルブチンの全
量に一致した。これより、取り込み率=ain/(aout
/ain)×100(%)を求めた結果、取り込み率は2
1.0%であった。
【0024】また、NICOMP−270(動的光散乱
法)で測定したこのベシクルの平均粒子径は205nmで
あった。次にこのベシクルの安定性を内包されたアルブ
チンの放出量により評価した。上記ゲル濾過により精製
したベシクルを5℃,25℃,37℃,50℃の温度に
保存し、経時後、これを再度ゲル濾過し、ベシクルに内
包されているアルブチン濃度(Ct)を定量し、精製直
後のベシクルに内包されていたアルブチン濃度(Co
の定量値とにより、放出率=(Co−Ct)/Co×10
0(%)を求めた。結果は50℃においては1日後に放
出率は約90%となり不安定であったが、37℃,25
℃,5℃においては60日後においても各々、放出率は
ほぼ0%であった。なお、分散安定性はいずれの条件に
おいても、60日以上良好であった。
【0025】実施例4 アルブチン2重量%水溶液98gにベシクル形成剤(シ
ョ糖オレイン酸エステル(製造例3)92%、オレイン
酸カリウム3%、オレイン酸5%)2gを加え、60℃
で充分に膨潤させた後、ポリトロンで1分間処理し、直
ちに5℃に冷却し、アルブチン内包ベシクルを調整し
た。このものをセファデックスG−50により、約5℃
でゲル濾過し、アルブチンを内包したベシクルと外水相
にあるアルブチンとに分離した。なお、溶離液としては
1.32重量%ブドウ糖水溶液(アルブチン2重量%水
溶液と等張)を用いた。ベシクル画分の全量を4倍量の
エタノ−ルと混合し、0.22μmのフィルタ−を用い
て濾過し、UV吸収(282nm)を測定することにより
ベシクルに内包されたアルブチン量(ain)を定量し
た。同時に外水相にあるアルブチン量(aout)を定量
した。両定量値の合計は配合したアルブチンの全量に一
致した。これより、取り込み率=ain/(aout
in)×100(%)を求めた結果、取り込み率は3
0.3%であった。
【0026】また、NICOMP−270(動的光散乱
法)で測定したこのベシクルの平均粒子径は210nmで
あった。次にこのベシクルの安定性を内包されたアルブ
チンの放出量により評価した。上記ゲル濾過により精製
したベシクルを5℃,25℃,37℃,50℃の温度に
保存し、経時後、これを再度ゲル濾過し、ベシクルに内
包されているアルブチン濃度(Ct)を定量し、精製直
後のベシクルに内包されていたアルブチン濃度(Co
の定量値とにより、放出率=(Co−Ct)/Co×10
0(%)を求めた。結果は5℃においては60日後にお
いては放出率は0%で非常に安定であるが、50℃,3
7℃,25℃においては、それぞれ1日後の放出率が9
0%,72%,43%となり不安定であった。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかるベシ
クルおよびベシクル製剤によれば、ショ糖脂肪酸ジエス
テルを主な膜成分としたので、容易且つ安価に安定なベ
シクルを形成することが可能となる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ショ糖脂肪酸ジエステルと、該ジエステ
    ルに対し0.2〜15重量%のイオン性界面活性剤とを
    含み、前記ショ糖脂肪酸ジエステルを主な膜成分とする
    ことを特徴とするベシクル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のベシクル内に有効成分
    を内包してなるベシクル製剤。
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